πは(芳香族)有機化合物中の電子軌道です。

・C-2p軌道(2p_z)が重なって生じる。

・原子同士の場合、σ結合の60%ぐらいしか安定化しない。(エチレン)
  ∵ 電子雲が平行なのでσ結合よりも重なりSが小さい。

・Cの数が多いときは平面状に広がって非局在化する。このため(超高圧でない場合)エネルギー的に有利。
  例:グラフェン、グラファイト

・面対称性により、σ軌道や内殻軌道と直交している。
 クーロン積分・交換積分など低次の積分は0である。
 このため孤立性が強く、π電子だけを考慮する近似が可能。(ヒュッケル近似)