>>91
80年代以降の深作の映画は、撮影所システムが崩壊したなかで
何ができるのか、何を撮るべきなのか、自問自答しつつ悪戦苦闘している
過程がみてとれる。で、ようやくたどり着いた果てが「バトル・ロワイアル」で
あったという道筋は感動的であったりするわけだけど。
中島はそこまで方法論的に意識的ではなく、よくもわるくも撮影所システムのなかの
プログラムピクチャー出身の職人としての位置に、本人も周囲も安住していたんだろう。
流されるままに、与えられる企画をこなしていっただけのようにみえる。
だからもう、よっぽどのことがないかぎり、新作を撮ることもないだろうし、
実現したとしても、正直、あまり期待はできない。