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IUTを読むための用語集資料スレ2

0001132人目の素数さん
垢版 |
2020/12/01(火) 18:11:43.01ID:g/5kciS4
テンプレは後で
0408132人目の素数さん
垢版 |
2024/05/06(月) 09:21:29.07ID:Co8XPBRF
IUTとF1 その2
//m-hiyama.はてなblog.com/entry/20100709/1278665632
檜山正幸のキマイラ飼育記 201007
コンヌの挑戦とプログラムの代数
掛け算から足し算を作るパズルとしてだけではなく、コンヌ/コンサニの論文はとても興味深いものです

「掛け算ありき」から見えるエキゾチックな世界と真実の世界
モノイドだけで作る幾何空間 準備編
なにが興味深いかというと、まったく単純でつまらなそうな対象物のなかに極めて深遠な構造が隠されているかもしれない可能性と神秘性です。それと、その“単純でつまらなそうな対象物”がコンピュータやソフトウェアの世界でもお馴染みのモノだということです。あまりにも“単純でつまらなそう”なので、注目も意識もされないのですが、これなしでは何もできないほどに本質的かつ基本的な対象物です

謎の代数 {0, 1}
コンヌ御大が、非可換幾何、スキーム理論、モチーフ理論などを総動員して探求・解明しようとしている代数系は {0, 1} です。なんでこんな“単純でつまらなそうな”モノが壮大なアタックの対象になるのか、それが謎ですよね。僕は、かすかに雰囲気を感じるだけで分かってません。それでも、コンヌとその周辺の試みが成功すると、とんでもないインパクトがありそうなことを察することはできます

次に足し算です。足し算の可能性、あるいは足し算に対する態度は3つあるようです
1.1 + 1 = 0 と定義する
2.1 + 1 = 1 と定義する
3.1 + 1 は未定義とする
1番目は、F2 = Z/2Z の計算なので、今までもよく知られていたものです。2番目はANDとORを持つ論理計算 -- 掛け算も足し算もベキ等な可換代数系になります。F2に比べると少し型崩れした感じがありますが、論理計算はお馴染みです。これはブール代数なのでBで表します

最後のケースが、足し算を考えない吸収元付きモノイドです。コンヌやその他の人々は、この代数系をF1(標数1の体)と書きます。その意味をあまり詮索せずに、記号「F1」は単なる符丁と考えたほうが精神衛生上は良いと思います

コンヌ達は、F1を実際に基礎体のごとく扱って、F1上のベクトル空間、拡大体、多元環(algebra)、加群などを議論しているようです。足し算なしの線形代数ですね。まー、「足し算なしの線形代数」は常人の想像を超えているので、とっかかりはゼロ(吸収元)付き可換モノイドを調べよう、となるでしょう(その話が、「モノイドだけで作る幾何空間 準備編」)

プログラムは順次実行で結合できますから、順次実行を掛け算とする(非可換)モノイドになります。そして、プログラムは状態空間に作用しますから、モノイド作用を持つ集合(状態空間)としてシステムをモデル化できます。状況をまとめてみると:
・プログラムのモノイドは{0, 1}を含みます
・そのモノイドは状態空間に作用しています
さて一方、基礎体(係数体)K上で線形代数をやろうとすると、Kを含む多元環(可換とは限らない)Aを考えて、A上の加群を考えたりします。このとき:
・多元環Aは基礎体Kを含みます
・その多元環は加群に作用します
「『足し算なしの線形代数』は常人の想像を超えている」と書きましたが、よく知られているプログラムの実行モデルは「足し算なしの線形代数」にかなり近いんじゃないか、とも思えます
コンヌ御大の挑戦が僕らに無関係だとは言えません
0409132人目の素数さん
垢版 |
2024/05/06(月) 09:30:54.33ID:Co8XPBRF
IUTとF1 その3

https://m-hiyama.はてなブログ.com/entry/20100707/1278464212
檜山正幸のキマイラ飼育記 (はてなBlog)
2010-07-07
モノイドだけで作る幾何空間 準備編

コンヌとコンサニの論文 "Characteristic 1, entropy and the absolute point" ( http://www.alainconnes.org/docs/Jamifine.pdf)を拾い読みすると、次のようなメッセージがあるように思えます。

掛け算があれば、足し算はなくてもいいんじゃないか
今まで可換環が担っていた役割を、吸収元付き可換モノイド(commutative monoid with absorbing element)で代用することがかなりの程度できるようです。ただし、足し算は冗長な概念だったということではなくて、足し算がない世界も存在し得るということです。そして足し算がない世界は、足し算がある世界とは様相が一変します。エキゾチックを超えてミステリアスな世界のようです*1。

以下では、モノイド演算は常に掛け算(乗法)とみなし、その吸収元をゼロと呼びます。足し算は考えないので、ゼロは足し算の中立元(単位元)ではなくて、掛け算により次のように特徴付けられる元です。

・任意のxに対して、x・0 = 0・x = 0

ゼロ付き可換モノイドの圏をCMoZ(Commutative Monoid with Zero から)と書くことにします。CMoZの射は、f(0) = 0 となるモノイド準同型です。(コンヌ/コンサニは、CMoZではなくMoという記法を使っています。)

ここでは、コンヌ/コンサ二に沿って、ゼロ付き可換モノイド概念だけから幾何空間(geometric space)を構成します。「空間」という言葉はやたらに色々な場面で使われるので、本来の幾何学的な空間を幾何空間と呼びます。幾何空間とは位相空間であって、座標や関数環(の類似)の概念を持つものです。デカルトの意味での解析幾何の対象物と言ってもいいかもしれません。

まだ定義はしていませんが、幾何空間の圏をGSと書きます。モノイドがベースなので、モノイド幾何空間または幾何モノイド空間(monoidal geometric space, geometric monoidal space)と呼ぶのが正式ですが、モノイド・ベースだと了解されているなら単に幾何空間とします。モノイド空間とは限らない場合は、「一般の幾何空間」と呼ぶことにします。

一般の幾何空間のアブストラクトナンセンスな定義
Cは圏で、その部分圏Lが与えられているとします。C=(可換環の圏)、L=(局所環の圏)が典型的な例です。圏Cの対象は、空間の上に棲んでいる関数達の集合を表現するモノです。部分圏Lの対象は特に、1点での関数芽の集合を表現するのに適したモノ、Lの射は1点の周辺の対応を記述するモノですね。茎や芽の概念を定義するために、圏Cでは、有向系(directed family of objects)の極限が取れる必要があります。

つづく
0410132人目の素数さん
垢版 |
2024/05/06(月) 09:31:20.81ID:Co8XPBRF
つづき

さて、(X, S)が(C, L)に値を持つ幾何空間であるとは:
1.Xは位相空間である。Xを、幾何空間の台空間(underlying (topological) space)と呼ぶ。
2.SはX上の層である。Sを、幾何空間の構造層(structure sheaf)と呼ぶ。
3.Xの点xにおける茎Sxは、部分圏Lの対象となる。
最後の条件は局所性(locality)条件と呼びます。Cの部分圏Lに属する対象は、空間の1点の状況を記述する目的のモノで、局所対象と呼びます。局所性条件は、空間の各点が実際に局所対象で記述できるということです。

C=(可換環の圏)、L=(局所環の圏)であるときが、通常の代数幾何のセッティングです。これ以外の状況を一般的に定義してもナンセンスな感じですが、可換環以外の例が少なくとも1つ(モノイドのケース)がある*2ので、一般的な定義を与えておきます。

モノイド・ベースの幾何空間
上の一般的な幾何空間の定義では、(C, L)がパラメータになっていました。(C, L)を具体化します。
・ベースとなる圏Cとして、CMoZを採用する。つまり、可換な掛け算ができて、0を持つような代数系とその準同型の圏です。
・Cの部分圏Lとして、対象はCMoZと同じで、可逆元の逆像がちょうど可逆元になるような準同型(後述)からなる圏をとる。
二番目の条件は次の意味です; f:M→N がCMoZの射だとして、M×, N×を可逆元の集合だとします。掛け算の単位1は可逆元なので、M×, N×は空ではありません。fが局所射だとは次が成立することです。

足し算と掛け算
ここまでの話は、やたらに一般的な枠組みを準備しただけで、「足し算が不要」とか「掛け算だけ」の内容には踏み込んでいません。「掛け算だけでOK」を実質的に示すには、可換な掛け算(とゼロ)だけを持つモノイドM(CMoZの対象)から、幾何空間 Spec(M) を実際に作る必要があります。Spec は関手になっていて、CMoZをGSに(反変的に)埋め込みます。

これが事実なら、可換モノイドは必ず何らかの幾何空間なのだ(控えめに言えば、「何らかの幾何空間から派生するものだ」)と言えます。

[追記]
圏GSは、グロタンディーク構成の良い例になっていますので、そのことを補足します。

位相空間X上の「圏Cに値をとる層」の圏をShf[X]とします。圏のベキ(指数)DCを[C, D]とも書くことにすれば、Shf[X] = ([Open(X), C]の適当な部分圏)です。連続写像 f:X→Y があると、層の押し出しは、f*:Shf[X]→Shf[Y] という関手を定義します。この状況は、(関手の反変・共変の違いを無視すれば)Shf[-] が位相空間の圏Topをベース圏とするインデックス付き圏(indexed category)であることを意味します。幾何空間の圏は、このようなインデックス付き圏から作ったグロタンディーク構成になっています。(「インデックス付き圏のグロタンディーク構成」を参照。)
(引用終り)
以上
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