>>184 つづき

補足定理1.7 の証明のポイントはもちろん, BN,M の作り方にある. x ∈ Bf を任意に取る. このと
き, 補題1.5 の途中計算により, ある正整数N,M >= 1 が存在して
∀y ∈ R [ |y − x| < 1/M → |f(y) − f(x)| <= N|y − x|]
が成り立つのだった. よって,
BN,M := {x ∈ R | ∀y ∈ R [|y − x| < 1/M → |f(y) − f(x)| <= N|y − x|] }
と置いても, Bf ⊆ ∪N ,M>=1BN,M は成立する. ただし, これだとBN,M が閉集合になるとは限らな
くなる. 以下でこのことを見る. BN,M が閉集合になることを示したい. x ∈ R とxi ∈ BN,M (i >=
1) はxi → x を満たすとする. このとき, x ∈ BN,M が成り立つことを示せばよい. そのためには,
∀y ∈ R[|y − x| <1/M → |f(y) − f(x)| <= N|y − x|]
を示せばよい. さて,
|y − x| <1/M
が成り立つようなy ∈ R を任意に取る. xi → x に注意して, i が十分大きければ
|y − xi| <1/M
である. そのようなi を任意に取ると, xi ∈ BN,M に注意して, BN,M の定義から|f(y) − f(xi)| <=
N|y −xi| が成り立つ. i → +∞とすると, もしf が点x で連続ならば, f(xi) → f(x) となるので,
|f(y)−f(x)| <= N|y −x| となる. しかし, f が点x で連続でない場合は, f(xi) → f(x) が成り立つ
とは限らないので, |f(y) − f(x)| <= N|y − x| が出て来ない(工夫すれば出るかもしれないが, 自分
は出せなかった). この時点で, BN,M が閉であることの証明に失敗する. ではどうするかというと,
f(xi) が出現しないようにすればよい. そのためには, そもそもf(x) が出現しないようにすればよ
い. そのためには,
x − 1/M < y < x < z < x +1/M

つづく