0は自然数か? [無断転載禁止]©2ch.net
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ペアノの公理系に出現する "0" という記号列がいわゆるゼロを表すか否かは、 足し算を定義するときの(再帰的定義の)出発点である「 +"0" 」を定義するときに n + "0" := n と定義するか n + "0" := suc(n) と定義するかで決まる。前者の定義の場合、"0" はいわゆるゼロになるし、後者の定義の場合、 "0" はいわゆるイチになる。どちらの定義を採用するかはペアノの公理系とは無関係で、 単純に足し算をどのように定義したいかの問題に過ぎない。 従って、「ペアノの公理系にゼロは出現しない」という主張はおかしい。 もちろん、「ペアノの公理系にゼロは出現する」という主張もできない。 なぜこのような状況になっているのかというと、ペアノの公理系は 後者関数 suc の性質を述べているのであり、・・・つまりは "0" → suc("0") → suc(suc("0")) → suc(suc(suc("0"))) → ・・・ という系列における矢印「→」の性質を述べているのがペアノの公理系なのであり、 出発点である "0" という記号列がいわゆるゼロなのかイチなのかはペアノの公理系では 規定していないのが原因である。"0" 自体に要求される性質は、 「 "0" の手前には矢印は存在しない」 という性質、すなわち、「出発点である」という性質だけが "0" の性質として要求されているのであり、 これでは "0" がゼロを表しているかイチを表しているかは特定できないのである。 ただし、ペアノの公理系における通常のお作法では、 足し算 + を定義するときの(再帰的定義の)出発点は n + "0" := n とするのが伝統的な習わしになっているので、普通は "0" はいわゆるゼロになる。 このことは、そもそも "0" という記号を使っていることからもお察しである。 ttps://en.wikipedia.org/wiki/Peano_axioms > Addition is a function that maps two natural numbers (two elements of N) to another one. It is defined recursively as: > a+0=a, (1) > a+S(b)=S(a+b) (2) wikipedia の記述でも、(1) の定義の仕方を採用しているので、wikipedia でも "0" はゼロとなる。 なぜイチから始めないのかというと、ペアノの公理系における通常の実装方法では、"0" = φ と定義するし、 後者関数 suc は suc(x) = x∪{x} と定義するからである。この実装のもとでは、各自然数は集合として そのまんま「有限順序数」になっている。一方で、順序数同士の間には、順序数専用の足し算が予め定義されている (ペアノの公理系とは無関係に)。ここでは、順序数同士の足し算を # と書くことにする。"0" = φ だったから、 順序数と見たときの "0" は、順序数の足し算 # に関して紛れもないゼロになっていて、他の有限順序数 n に対して n # φ = n が常に成り立つ。すなわち、n # "0" = n が成り立つ。よって、"0" = φ, suc(x)=x∪{x} という実装のもとでは、 自然数の足し算 + を定義するときの(再帰的定義の)出発点は n + "0" := n として定義するするのが最も自然なのである。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
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