【原案ありの】欅坂46orけやき坂46の物語【パクリ】 [無断転載禁止]©2ch.net
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この小説スレのルールは単純で、次の2つだけです。
1 必ず欅坂46またはけやき坂46のメンバーが登場人物となること。
2 原案ありのものを書くこと。また、物語が完了したら、その出典を明らかにしてください。
(原案の作品や作者についての情報も書いてもらえればありがたい。)
1は説明の余地はないので、2について補足しておきます。
インスパイア、オマージュ、パロディ、パクリ、何でも結構です。
その原案も小説、戯曲、映画、テレビドラマ、マンガ以外にも、ルポルタージュやテレビのドキュメンタリーとかでもかまいません。
テーマだけでもOK、冒頭だけでもOKです。
少しでもかすったから原案ありだと書いた当人が主張するのなら、そう見なしてあげましょう。
「『パクった』と言ってるけどさ、全然パクってなく、それはお前のオリジナルじゃん」という非難はやめましょう。
原案がないと書いた当人が考える物語は、↓の最新スレ(現在は6)に書いてください。
(共有すべきマナーは同じなので、その注意書きも参考にしてください。)
【物語】欅坂46の小説 ★6【エロも可】
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1499810853/
【物語】欅坂46の小説 ★5【エロも可】
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1498988596/
【物語】欅坂46の小説 ★4【エロも可】
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1496452705/
【物語】欅坂46の小説★3【エロも可】
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1493391840/
【物語】欅坂46の小説★2【エロも可】
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1489546278/
【物語】欅坂46の小説【エロも可】
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1487327352/
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:----: EXT was configured 『痙攣』
笛吹く木枯らしが、ふたりの客を連れてきた。
いっぷう変わった男女の組み合わせで、父親と娘だった。
男は、とても背が高くて痩せており、顔の若さに対しては少し白髪が多かった。
謹厳な姿勢はギリシア彫刻の雰囲気を思い起こさせる。
娘のほうは、14、5歳といったところで、やはりひどく痩せていて蒼白い小顔に短い黒髪がかかっている。
その姿はあまりに弱々しく、日常生活を送るに必要な体力さえ持ち合わせていないように見えた。
しかし、美しかった。何か幻でも見ているような、透き通る美しさだった。
ふたりがこの旅館に訪れたのは、明らかに娘の休養のためだった。
父親は娘をラウンジに座らせてから、カウンターでチェックインの手続きを始めた。
わたしは同じラウンジ内のその娘からは少し離れた位置に座り、親子の様子を観察していた。
するとすぐ、父親がとても奇妙な神経性の痙攣を起こすことに気がついた。
必要事項を紙に記入する際、一語ずつ書いては腕を持ち上げ、顔の前でジグザグと動かしていた。
娘のほうも、屋内に入って10分ほど経つというのに、マフラーを巻いたままであった。
確かに今日は冷え込むが、トレンチコートが椅子にかかっているところをみると、特に寒さを感じている様子でもなかった。
父親はチェックインの手続きを終えると、娘のいるラウンジへ向かい、しばらくの間談笑を楽しんでいた。
娘はずっとマフラーを巻いたままであった。
(つづく) 暖かいランプのもと、静かになったロビーで読書をする。この旅館に来て6日目、すっかり
日課になっていた。
父親はコート姿で現れた。ロビーに人がいないと見ると、わたしに声をかけてきた。
「失礼、少しこの辺を散歩したいのですが、どこか良いルートをご存知ありませんか」
「ああそれなら、東へ抜ける林道なんかは静かでいいですよ。ただこの辺りは迷いやすいですし、よかったらご一緒しましょうか」
「ああ、それは助かる」
父親は思っていたよりも気さくな人物だった。
初冬の夜に迷い込んだコオロギのような忙しなさはあったものの、持ち前の落ち着き払った明瞭な声は聞くものを引き込む魅力があった。
「娘は神経性の病気を持っていてね、なかなか治らないんだ」
わたしは父親の痙攣のことを思い出した。そして尋ねた。
「もしかしたら遺伝ではありませんか?」
「遺伝だって?ああ、痙攣のことを聞いているのか」
「ええ、違いますか?」
「こんなことを言ったら信じないかもしれないけどね…娘は、友梨奈は一度死んだんだ。」
父親は静かに語り始めた。
(つづく) ことの次第をお話しましょう。
娘の友梨奈は貧弱な子でした。小さな頃から病気ばかりで、倒れたことも一度や二度ではありません。
友梨奈が8歳のある日、私は家で新聞を読んでいました。
すると庭の方で大きな音がしました。娘が倒れたのです。
町医者を呼びましたが、その場で死亡が確認されました。
遺体は一晩のあいだ、自宅で安置することになりました。
娘の亡くなる前から考えていたことですが、もし娘が亡くなったら、棺には宝石やアクセサリーを入れてやるつもりでした。
日頃から、アクセサリーを身に着けていて、なかでもチョーカーがお気に入りのようでした。
ですからその日は、首にチョーカーをつけてあげて、部屋に戻りました。
その晩はとても眠れませんでした。
妻はだいぶ前に亡くなっていましたから、私には友梨奈しかおりませんでした。
なかば狂人のようにベッドへ泣き叫び、機械人形のように放心状態に戻る。こんなことを幾度も繰り返していました。
そんな真夜中に、ドアがノックされたのです。
(つづく) 私は驚きました。娘の他には誰もいないはずです。
ドアを開けると、暗がりの中に、白い、幽霊のようなものが見えました。
私は後ずさりをしながら、震えた声で言いました。
「ど…どなたですか」
声が帰ってきました。
「わたし、友梨奈だよ。お父さん」
確かに娘でした。
私は娘を払いのけるように手を振りました。それがあのペンを持った時に表れる奇妙な痙攣です。
娘は続けました。
「あのね、首のチョーカーを盗られちゃったの。それで首がきつく締まって目が覚めたみたい」
チョーカーはとても高価なものでした。
私は正気を取り戻すと、すぐに町医者を呼びました。
町医者は部屋に入り、娘の姿を確認しました。
「信じられない」といった表情を浮かべた後、恐怖のあまり倒れてしまいました。
その時、白衣のポケットからチョーカーが転がり落ちました。町医者が犯人だったのです。
父親はそこで口を閉ざした。
(つづく) この親子が経験した恐怖を思うと、わたしは何も言えなかった。
通り抜ける冷たい風がきつく胸を締め付けた。
「冷えますな、そろそろ戻りましょうか」
我々は踵を返した。
暗闇の遥か彼方に短い黒髪が揺れたような気がした。
(終) 原案はフランスの作家モーパッサンの『痙攣(LE TIC)』です
『自分の棺』を歌っているてちちゃんをヒロインにしました ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています