「紀子三部作」…「晩春」「麦秋」「東京物語」を語ろう
原節子の代表作でもある「紀子三部作」を、大いに語ろう。 主たる対象が父と娘に限られシンプルで表現的(扇状的)だからではないかな。黒澤にとっても海外の観客にとっても。能舞台も長いこと映されるしね 扇「情」的なところは原作小説にはそれほど掘り下げられてるわけではない。明朗でさっぱりした短編なんだな。
小説では娘の想像する父親の結婚相手と父親とが、娘がその想像を口にだしたおかげで結ばれそうになって終わるんだけど、
小津はその側面を父親の友人の京大教授に割り当てることで、笠智衆の潔癖な人物像を際立たせることになった ストーリーより心理を、心理より人物(存在)をといったことを小津が目指したとしたら、
原節子の美を長く続く存在にまで高めようとしたのが例の壺だと考えてまず間違いがない 抽象思考ができないのは、よほど知能が低いか脳機能の障害か さすがの小津安二郎でも、原節子と杉村春子には頭が上がらなかったらしい
杉村春子によれば『東京物語』のホン読みの時に、ある男優が遅刻してきて、小津安二郎がはたで見ていても怖いくらい激昂したそうだが、その男優って誰なんだろう 三男は佐田啓二に当て書きしてて最初から大坂志郎に不満だったという話はムック本なんかに載ってるが 大坂志郎にしてみたらとんだトバっちりでね。もともと「人物」が違うんだから、いくらリテイクを重ねても大坂志郎から佐田啓二を削り出すことはできないもんな じゃあ小津はどんな風にしたかったのか。
小津監督なら忘れずにどこかで仇を討ってるはずと前提して探してみれば、秋日和で佐田啓二が司葉子に語るラーメン屋のシーンがあるな。
腹立ち紛れに伏見人形を叩き壊した年に母親を亡くしたいう抉るような悔恨を、至極さわやかに重たくれずに(メロドラマにしないで)語るんだよ 街コンやマッチングアプリで会ったりする時に小津安二郎の映画が好きですと言ってそうなんだ!てなる場合ほとんどないよ
誰?てなる
皆んな黒澤明だけは知ってるけど
そこはさすが黒澤明だなと思う 紀子三部作とはスレ違いだけど、吉田喜重は『小早川家の秋』を「年寄りが厚化粧して踊ってる」と批判して、小津を激怒させた 宝田明の送別会は奇妙に(グロテスクなまでに)様式化されていて若者のリアリティを描こうとしたとはとても思えない。
松竹ヌーヴェルヴァーグへの反発もあったと思うが、リアリティは結局はアクシデントに陥り映画を解体してしまうと知っていたと考えていい。
それよりもむしろ夏の白服がちの列席から最後の喪服の行列への跳躍(もしくは墜落)におどろおどろしさを感じてみるほうが小早川家の秋を楽しめる 小津は映画を解体しようとはしなかった。映画にすべてを閉じ込めようともしなかった。映画を撮りながら映画を超越しようとしたのだとは俺の作業仮説だ 幼い吉田喜重を魅惑してやまなかった「父ありき」の親子ならんでの川釣りのシーン(これも世代をずらして再演される)がリアリティからは生まれ得ないことはさすがの吉田にもわかっていただろうが、
なにしろ小津は松竹ヌーヴェルヴァーグの仮想敵になってしまっているから飲み会の席の世代抗争の雰囲気に吉田も新世代を代表したつもりで強い口調にみずから酔ったのだろう。日本の夜と霧の翌年公開だからな。
ただ俯瞰してみれば結局は「小津ありき」で流し釣りをする子の役を演じる羽目になった吉田を微笑ましいと感じなくもない 彼岸花のサブリンがキレてるのが嫌で嫌いなんだけど戸田家の兄妹は好き 松竹ヌーベルヴァーグに限らず、あの当時の若手映画監督は小津安二郎の映画嫌いだよね
助監督だった今村昌平がそうだし鈴木清順も小津映画は嫌い
増村保造も小津を批判してる
溝口健二や黒澤明は批判されないんだけどね
大島渚はウェルメイドならトリュフォーより木下恵介のほうがはるかに優れてると論じてた 斎藤武市が「長屋紳士録」より後は階級が上がったから…と語ってるように、小津はプチブル的とみなされたんだろう。
さればこそ小津否定は世代の感性(というか世代の風潮)だった。
黒澤や溝口や木下は、庶民や虐げられた人々の味方みたいな映画撮ってるもんな 同じ人が書いてるようだ。
2022、12月になり、英国映画協会が「史上最高の映画」のアンケートを発表した。
10年に一度の間隔で、映画監督と評論家に投票させる。10年前は「東京物語」が世界の
監督の投票(350人以上)で1位だった。評論家(830名以上)では3位。今回は、少し
変わったよね。監督投票480人(こんなに世界に監督いるのか)ー1,2001年宇宙の旅、
2,市民ケーン、3ゴッドファーザー、4東京物語,5花様年華。評論家(1400人以上)ー
多すぎだろ。1ジャンヌ・ディエルマン(初登場)、2めまい、3市民ケーン、4東京物語。
8マルホランドドライブ、20七人の侍、21晩春、29タクシードライバー、41羅生門、
63カサブランカ、72となりのトトロ、75山椒大夫、千と千尋、90雨月物語、90パラサイト
ざっとこんなものかな。権威があるらしく、10年後も楽しみ。監督投票では小津2本、黒澤2本
のみで他の日本人監督がいなかった。残念。評論家に女性が増えたと思うな。 >>766
麦秋の方が評価が高いということは日本でもないと思う
やはり登場人物の関係が分かりにくいのだと思う
最後の20分くらいは本当に良く出来た脚本
原節子当て書きで筆がノッてる
行動が心情を語るハードボイルド風 >>406
憎んでた母親より自分は酷いことをして絶望したんだよ
母親は男に走って自分を捨てたが
自分は男を見誤って子供を殺した [母親:自分(誰が父親だか分からないと思いこんでいる)=自分:胎児(本当に僕の子かと男に言われた)]
なので、堕胎と自殺は相同であり母親が自分を殺したんだという訴えなんだね 耳成山の南麓ということだがGoogleマップで観察してみるとあまり期待できそうもない
しかし当然だが山の形だけは往時と全く変わっていない >>1
この「東京物語」は以下のような表記が可能です
「全米No.1 批評サイト『ロッテン・トマト』驚異の100%FRESH!」
「映画批評サイト“ロッテン・トマト”で驚異の満足度 100%! 」
そしてロッテントマトで100%フレッシュの評価を得ているのは
「黄金狂時代」「ロビンフッドの冒険」や「ピノキオ」「怒りの葡萄」「雨に唄えば」「十二人の怒れる男」など誰もが認める名作映画ばかりが入っている。
つまり、こういった世界の名作映画と同じ価値が認められているってわけだ。
(嘘じゃない、本当だ!)
https://www.rottentomatoes.com/m/tokyo_story
https://editorial.rottentomatoes.com/guide/movies-100-percent-score-rotten-tomatoes/ 晩春の28歳(合ってる?)当時としては遅い結婚だよね
婚期ていう大映の映画で28歳で嫁に来たことを随分お婆ちゃんになってから来たのねとか言われてたから 淀川長治って小津を評価してないみたいな事を聞くけど、自身の日本映画のベスト3に「戸田家の兄妹」、ベスト10に「彼岸花」が入ってたりするのはどういうこと? 淀川さんは小津も評価してたよ
溝口健二の映画に比べるとちょっとわからない苦手とは言ってたけど
逆に小津の助監督やってたが小津批判して全く違う映画を撮ってた今村昌平の作品のことは思い切り罵倒してた
日本映画学校に呼ばれても今村の悪口言ってたくらい嫌いだった >>794
>今村の悪口言ってたくらい嫌いだった
え〜? 「私はいまだかつて嫌いな人に会ったことがない」の自賛スローガンで本まで出版したのに。 紀子あやは知ってたけどちゃーこちゃんも2回出て来た 小津映画は初めてで「東京物語」だけ見てみたけど時代は変わったなという印象が一番強い
子供たちが自分の生活を優先することを哀しさみたいのを持って描いてたけど、今だったらもっとエグイ表現で且つ当たり前なこととして扱うように思う
あと原節子が夫を亡くしているのにその両親に対して尽くすみたいのも今じゃあり得ないとして表現さえされないんじゃなかろうか
ただ時代が変わったからそこ昔の東京の風景と地方から出てきた老夫婦みたいな場面がとても味があるというか良いなと感じた
東京は広くてここではぐれたら一生かかっても見つからないみたいなこと言ってた場面とか二人でお寺の門前みたいなとこに座りこんでる場面とか特に良かった 昔は嫁ぎ先から更に他に嫁ぐみたいなことあるからね
そういう映画もある
あと結婚すると皆家族みたいになるから本当の兄なのか義兄なのかとかわからない時ある 麦秋で相手方の親と原節子だけで男の気持ちも確認せずに結婚を決めてしまう部分に当時の客は違和感なかったんだろうか
それが自然なものとして通用したのならやはり時代なんだろな 東京物語に出演した人で存命なのは香川京子さんくらいだろうか 香川京子さんも90オーバーだもんな、どんだけ古い映画なんだよ東京物語 逆に、冷静に考えると今年が2023年というのが何だかとんでもない感じがしてしまう
小さい頃恐れていたノストラダムスの1999年も未来の象徴のようだった宇宙の旅の2001年も遥かに飛び越えてしまった2023年
そんな時代にまでお元気でいられる香川京子さんとか、もっとレジェンドみたいな扱いでもいい気がする 原節子も長生きだったね
岡田茉莉子若尾文子山本富士子辺りもまだ生きてるわよ 「麦秋」では菅井一郎と二本柳寛が何も悪い事をしないので驚く。 二本柳寛は、「麦秋」の後の「めし」では原節子の従兄役で、いい味だしていたね。
原節子を誘惑しそうだった。断れるが。菅井一郎は、某映画では原節子を押し倒している。
許せない。京マチ子を追いかけて、包丁で刺したり。悪役の方がめだつね。 俺は小津映画では、「晩春」が一番好きだな。原節子のキラキラ感がたまらん。
元AKBの女優某も、いってたな。小津が原節子を一番きれいにとったのは、晩春ではないか。
後で、彼女はあまり好きではないみたいにいっているが。 お母さんは「晩春」の原節子はいい子すぎちゃって「バク宙」の方が好きだわよ >>803-804
この「東京物語」は、世界的にも高い評価を得ています。
英国映画協会発行の「サ イト&サウンド・マガジン Sight&Sound Magazine」が2012年に発表した、世界の映画監督358人が投票で
決める最も優れた映画に、小津安二郎監督の「東京物語」(1953年)が選ばれたのです。
詳しい順位はこちらをご覧ください⇒史上最高の映画トップ10 (映画監督編)
http://www.aokiuva.com/mss10everdirector.html
「サ イト&サウンド・マガジン」は英国映画協会(BFI)の発行する映画雑誌で、
1952年から10年間隔 で毎回、世界の映画監督および映画批評家たちへのアンケート調査により選定・改定しています。
2022年度でも「東京物語」は世界第4位の評価であり、ベスト5圏内の常連になっています
https://www.bfi.org.uk/sight-and-sound/greatest-films-all-time
要するに小津安二郎は、アルフレッド・ヒッチコック、フランシス・フォード・コッポラ、スタンリー・キューブリック、オーソン・ウェルズと同じくらいに凄い能力がある映画監督だと評価されているのです >>808
まぁ分かる
私も白黒では晩春が一番好き
カラーだとカラーで表現が5倍くらいになるからほぼ全部好き >>740
結婚が遅れたのは結核だったからね
今でも毎月通院して血沈が下がったと喜んでる
当時は若い人がバタバタ死ぬ国民病でした
紀子が明るくキラキラ輝いてるのは生活が安定し体調も回復した、その喜びの現れでもある
そして気づいたら当時としてはもう婚期を逃す心配される歳回り、、という話 紀子さんが一番楽しそうにしている麦秋が一番好きだな
実際の原節子はけっこうざっくばらんなタイプだったそうだし
小市民的な箱入り娘の中でも麦秋紀子は
愉快でよろしい 小津安二郎は「日本よりも海外のほうが有名な映画監督」
フランスは、小津安二郎作品を小学校で見る。マジで
パリのシネマライフ 〜子供向けの映画教育、映画祭から専門映画館まで〜
https://www.cinematoday.jp/page/A0007197
フランスでは学校で映画の鑑賞教育が行われている。フランスの映画行政を管轄する国立映画センター(CNC)は、
映画鑑賞力を育成するという目的のもと、小学校、中学校、高校と協調して、生徒に見せる映画プログラムを学校教育に組み込んでいる。
CNCが研究者、評論家、映画館組合などと話しあって選んだ映画3本を、1年間を通して映画館で観賞させる。
このプログラムには巨匠ジャック・タチなどのフランスの名作から、チャーリー・チャップリンや小津安二郎の外国映画、
宮崎駿のアニメ名作まで含まれるというから驚きだ。
そもそも世界的には映画業界は政府が支援するのが普通。
英国、フランス、イタリア、ドイツはもちろん中国、韓国、そして北朝鮮も
じゃぶじゃぶ映画業界に資金的にリソースを割り当てている
その例外が日本とアメリカ。 >>734
わたしもあなたの年のころはそう思ってたわ…だっけ?