無無明 亦無無明盡 乃至無老死 亦無老死盡

【盤珪から】
"無明"とは、知らなかった心が明らかになるという意味。
そこで、"空"がわかれば、"無"の"無明"になる。
つまり、生死や老病も無い境地に至るのである。
しかし、間違って解釈してはならぬ。
病人もいれば、病気に罹らない人もいる。
あるがママ。それだけのこと。

【白隠から】
"愚鈍な思い"から"苦悩なき老死"まで、
どうとらえるか、間違ってはならぬ。
素晴らしい紫色の絹織物の裏には真珠との教えは
綺麗ごとと心得よ。
凡人の破れた布の裏に真珠があればこそ、
誰でもがこれこそ本当の宝とわかる。
しかし、水も牛が呑めばミルクになるが、
同じ水を飲んでも、蛇だと毒になる。
雑念を消せば、無明も老死も消滅。