舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減

【盤珪から】
一切合切取り除けば、皆、"空"。
生じたとか、滅したとか、
垢まみれだとか、清浄だからとか、
増えたり、減ったり、
そのようなこだわりからの脱却が肝要。

【白隠から】
さあ、ここからが本題。
この舎利佛だが、
亀の毛製の筆や、兎の製の杖を言い出しておるゾ。
諸々の法とか言っても、そんなもの「無」。
何も無いというのに、そこに空相を求めてどうするつもりだ。
衆生の世界にしても、汚染されている訳でもなかろう。
しかも、土中が"浄"との理由もない。
邯鄲の夢や南柯の夢を振りまくなと言わざるを得まい。
その手の夢に、とらわれるナ。