代数幾何学入門:代数学の基礎を出発点として 永井 保成


現代数学の華々しい分野として位置づけられている代数幾何学。しかし本格的に学ぼうとすると、膨大な量の理論を身に着ける必要があり、初学者が学習を進めていくのはハードルが高い分野でもあります。

本書は、学部レベルの代数学の知識だけを出発点として、代数幾何学を学ぶ入門書です。具体的な計算が数多く取り上げられており、幾何学的なイメージを膨らましながら読むことができます。また、代数幾何学で用いられる「代数学的なテクニック」がなぜ必要になるのかが懇切丁寧に説明されており、理論の流れが理解しやすいように配慮されています。

「『アティマク』や『ハーツホーン』を読まないと、代数幾何学は勉強できない」――そんな「神話」を覆す、画期的な入門書の誕生。

「代数幾何学という分野の存在を知り,その入口に立っている学部学生が,基礎的なトレーニングの傍ら,代数幾何学の面白さを知り,なぜさまざまの代数学的なテクニックが必要とされるのかを知るための「レパートリーブック」のようなものとして,著者は本書を企図したといえば伝わるだろうか.つまり,代数幾何学の分野ではどんな問題に興味がもたれ,どのような方法でそれらが解決されているのかについて,技術的な習熟を仮定せずになるべく「生きた」話題を提供しようと試みている.」(「はじめに」より)