>>448 補足

ちょっと、良い説明を思いついたので、補足しておく

・(>>428より再引用)
 定理1.7 において
 f:R → R とする
 条件節 A:Bf :={x ∈ R | lim sup y→x |(f(y) − f(x))/(y − x)|< +∞ } と置く。もしR−Bf が内点を持たない閉集合の高々可算和で被覆できるならば、
 結論 B:f はある開区間の上でリプシッツ連続である
 となる
・ここで、定理1.7を、二つに場合分けすると
 1)定理1.7-1:R−BfがR中稠密でない場合で、結論 B-1:f はある開区間の上でリプシッツ連続である
 2)定理1.7-2:R−BfがR中稠密な場合(=拡張 系1.8))で、 結論 B-2:そのようなfは、存在しない
 となるべき

・(繰返すが)”ある開区間の上でリプシッツ連続である”という結論は、R−BfがR中稠密でない場合しか成り立たない
・よって、
 系1.8 「有理数の点で不連続, 無理数の点で微分可能となるf : R → R は存在しない.」(>>386より)
 を証明するために適用すべきは、定理1.7-2(=拡張 系1.8)であるべき

・定理1.7-1を適用して、「f はある開区間の上でリプシッツ連続である」として矛盾(”ある開区間の上でリプシッツ連続”)を導くことはできない
 (∵R−Bfが、R中稠密でない場合の定理1.7-1を、R−BfがR中稠密な場合の系1.8に適用することは誤りである)
・それはあたかも、一致の定理の類似で言えば、解析函数でない対象に解析函数の定理をぶつけて矛盾を導くがごとし
・矛盾を導くにも、適用して良い定理と適用できない定理があるってことだ

 (ここは、元の定理1.7の表現ままだと、稠密か否かが隠れ条件になっていて、分かり難くなっているんだね(^^; )
以上