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中島みゆきの名曲
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0001ジョン・スミス
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2022/02/11(金) 09:12:47.45ID:hN5svhY7
中島みゆきの名曲から物語(ストーリー)を作る
0191ジョン・スミス
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2022/05/16(月) 18:32:29.82ID:l+oCPA+N
>>190
1行目「【BAY QUARTER YOKOHAMA】の標識に従って歩くと」訂正
0192ジョン・スミス
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2022/05/17(火) 07:32:21.96ID:5LDrcSt9
「噂」

午後から、神楽坂のモンマルトル風のカフェの窓際の席で
...外に降る雨を眺めていた......

神楽坂のメインストリートである神楽坂通りから少し路地を
入ったところに、しっとりと落ち着いた雰囲気のあるお店がある。

...お茶をしながら、ゆったりとした午後の時間を楽しむ女性客の姿...
外のざわめきは消えて、代わりに楽しそうな声が飛び交う客席...
...さっきまで、流れていたレイモン・ルフェーヴルのメドレーから...
テナーサックスのスロージャズが流れる店内......

...温かい一杯のコーヒーがあれば、心がほっとする......
…そんな時、待ち合わせの彼が来た!…

「おう、遅くなって悪いな! 五月の編成の番組で、打ち合わせが
長引いちゃってさ…」「いい仕事しているわね!」
「それよりよ! お前、あいつとの噂... 二股という噂?!」

「そんなこと、本気で信じてるの?! 私が信じられないの? あなたが、
そうやって一人前の役者面していられるだって... 私のお陰でしょ…」

「お前が、信じられないから言ってんだよ! 話を誤魔化すな!」と
椅子から立ち上がり大声で怒鳴った!

「チョット、周りのこと考えてよ…」ー「あ、...すまん! そうだったな…」

…その光景を見ていた周りから、ひそひそ話が聞こえる...
「ねぇ…、 あの二人、俳優の○○と女優の○○じゃないの?!…」
「そういえば…、週刊誌で噂になっていたわね… 女優の○○は二股という噂よ、
確か…」ー「しっ…、聞こえるわよ…」 ...堅気女たちの ひそひそ話...

…悪いことばかり信じるのね... 見たがるのは告白...
...あなただけは、世界中で刑事じゃないといってよ...

 …枝のように、あなたが揺れる… …噂なんて、きっかけに過ぎない...
...どこかで、この日を待ち望んでいたあなたを知ってる......

- 何もなかったと言えば...疑う心に… 火を注ぐ… 
…何かあったとからかえば… ほらやっぱりとうなづくの...

「…疑った俺が、悪かった... ごめん... 謝るよ…」
「もういいの… じゃあね! 私、帰るわ」「...」
…私は、疑っているあなたを置いて、その場を後にした......

 … これで、あなたとは終わりと、… 私は、心の中で " 疑う男 " を捨てた! …
...外は5月の雨......
         ...さてと、これから、どこへ行こうか、.........
0193ジョン・スミス
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2022/05/17(火) 07:40:03.17ID:5LDrcSt9
>>192
下から4行目「…私は、疑う男を置いて、その場を後にした......」に訂正
0194ジョン・スミス
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2022/05/18(水) 07:23:02.08ID:8qyx+Mod
「ギブ・アンド・テイク」

- スーパー銭湯 -
「何と言っても、運動後の風呂はいいですなぁ〜 アハハハハ」
「運動?! お宅、運動なさっているんですか?!」
「ラグビーをやっています! 学生時代から、ずっとやっています。
どうですか、お宅も、やってみませんか?!」「私は...とてもとても…」

「仲間になってくださいよ。ワハハハ」「長く連れ添った妻が、昨年亡くなりましてね。
それからと言うもの、生きがいを失い息子夫婦にも、一緒に暮らすのを嫌がれて一人暮らしです」
「それはいかん! 家族の為に働き続けて来たんです。胸を張って堂々と生きるべきです!」

「私はあなたが言われるような立派な生き方をしていません。職を転々としていましてね」
「そんなことは関係ない。長く生きて来たと言うだけで立派なんです! 人間として大したもんです。
自信を持ってください。実は、自分で言うのもなんですが、他人に言うほど、立派な人生ではないんです。ワハハハ」

「恥ずかしい話ですが、私は人の言うままに生きている方が楽なんです。自由な時間が怖い…何をしていいか、
分からんです…」「全くですな。私らの時代は仕事に追われ、それだけの人生でしたから、自由に生きる習慣なんて
なかった。今の若い子が羨ましいですな。ワハハハ」「仕事仕事で生きてきましたからね。でも、あなたは、
実にうまく自由を使いこなしていますよ。ラグビーやっておられるんでしょ…」「いや、そういう風に

見せているだけです。本当は何しても楽しくはありません。生きているふりをしているだけですよ」
「生きるって難しいですね…」「...同感ですな。ワハハハ… 明日、私のラクビーの練習、
見に来ませんか?!」「どうせ、毎日、何もすることがなく暇ですから、いいですよ…」

翌日、- ラグビー場 -  トライ!  パチパチパチ! 
「私にも教えてもらえませんか?! ラグビーを…」「え! かなり激しいですぞ! ワハハハ」

...それからラクビーを初めて一週間が経った......
ワハハハ… アハハハ…「タックルしますぞ! よろしいかな?!」ー「なんの! これしき…」
ドスッ! ドカッ!  - アハハハ… ワハハハ… - ヨシャー! アハハハ… 
「ハァ、ハァハァハァハァ… 前田さん! スジがいいですな、初めて一週間で、大したもんだ!」

「ハァ、ハァ、ハァハァ… ハァハァ、ハァ...そうですか、まだ捨てたもんじゃないですか?!」
「ハァハァ、ハァハァ、ハァ… 大したもんです。自信を持ってください! ワハハハ…」

- アハハハ… ワハハハ… - 「妻に先立たれ、息子夫婦から嫌われ一人暮らしで、生きる希望を
失いかけていたんです。でも、あなたと出会い。生きる希望が、持てるようになりました。

私から仕事をとったら何も残らん男です。こうやってラクビーの楽しさを教えて
もらって感謝しています」「そんなことないですぞ! 私こそあなたに感謝しています。
ギブ・アンド・テイクです。お互い与えあっているんです。持ちつ持たれつの対等な関係です。

ラクビーボールをこうやって二人でお互いキャッチし合って走っているようなもんです。
何かを与えたら、代わりに何かをもらう。何かを貰った代わりに何かを与える対等な
互助関係が大切なんです」人生は見えない困難な強敵と闘うラクビー場みたいなもんです。

そのためには見極める眼が必要です。だから、気心知れた信頼できる仲間を見つけ
スクラム組んで理不尽で不条理な人生という強敵に立ち向かっていくことも時には必要です。
一人て立ち向かっても、解決できないこともあります。

 … そんな時は、肩を組んでお互い協力し合い助け合っていきましょう …
「今度は、私のラクビー仲間と一緒にやりますか?!」ー「はい! お願いします!」
0195ジョン・スミス
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2022/05/18(水) 13:51:20.05ID:8qyx+Mod
>>194
ラクビー×
ラグビー〇
0196ジョン・スミス
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2022/05/19(木) 07:17:59.67ID:H6blaS6n
「不良」

私はケンジの幼馴染。だけど仲が良かったのは小学生まで。同級生にからかわれるまで、
いつも一緒に遊んでいた。今じゃすっかりただのお隣さん。今日、私は教室の窓の外を見ていたら、
校庭を一人寂し気に帰るケンジの姿を発見! -「また停学かな」-「当たり前だろ、隣の高校と又、

喧嘩したんだ」…私はそんなクラスの連中の会話を聞きながらケンジの姿が消えるまで見ていた。
「あんな不良野郎のどこがいいんだ! アキ、お前さ、男見る目、危ないんじゃねーの?!」
周りから、そんな風に言われることが悲しかった。ケンジは元々、そんな乱暴者じゃない。
でも、変わっちゃった! きっと寂しいんだ。でも、クラスの連中には何も言えなかった。

いつもの帰り道。土手で寝ている人影に目を凝らすと " ケンジ " だった!

思わず駆け寄って隣にそっと座る。我ながら大胆だ。隣にいきなり人が寝ていたら
ビックリするかなぁ〜と苦笑いする。そうだ、私も土手でお菓子食べれば不自然じゃないかも、
カバンの中にあるチョコを探していると、「なんだアキか!」とビックリした顔をしてケンジが

目を覚ます。私はわざとらしく、起こしたことを照れながら謝ると、ぶっきらぼうに
「別に…」の一言。その言い方が昔と全然変わらなくて、私は思わず笑ってしまった。
「笑うなよ」「変わっていないんだもん! その言い方…」

...そんな二人が、見上げる青空は夕焼けに色を染めようとしていた......
…途方もなく穏やかな空気が流れる… 随分、久しぶりに会話をした。
やっぱり優しいケンジだった。話し方は無愛想だけど...

そんな時だった! 「ケンジ! 今日は女連れかよ…」冷やかすような口笛…
一緒に帰ろうとした私たちの後ろに、いかにもガラの悪そうな男三人組がいた。隣の高校の制服…

「うちのテツと遊んでくれた借り、返すから受け取ってくれ!」と言い放つと駆け出して向かってくる三人組…
ケンジは私を背中に回して逃げるよう指示をする。「このまま逃げろ!早く行け! 巻き込まれるぞ!!
早くしろ!!!」…しかも、三人の一人はバットを振り回していた… それでもケンジは怯まない。

激しくぶつかり合い、殴り合う。肉が弾ける音! …ケンジは、いつもこんな日常を過ごしていたのだと気づく…
…私は、怖くて逃げることも何も出来ないでいた… 「女が寂しそうにしているぜ! おお、中々、可愛いじゃん!」
ただ茫然と、立ち尽くす私にニヤニヤしながら一人の男が近づいてきた!  " 怖い " 声も出ない! 
 - それに気づいたケンジ - その男を土手の斜面に蹴り飛ばす!「触れるんじゃねーよ!!」
ケンジの背後でバットを持った男が笑う。私はとっさに声を上げ叫んだ! 「ケンジ!危ない! 後ろ!!」
ケンジは咄嗟に身をかわし、バットを持って笑う男の顎を蹴り飛ばす!!!  …三人がうずくまっている間…

その隙にケンジと私は逃げた! …必死で逃げた… 何処までも… 
…追ってはこないことを確認した… ケンジと私は、近くの海岸まで来ていた...

             ーーー 真っ赤な、夕焼け空に染まって沈む夕陽 ーーーーーーーーー
0197ジョン・スミス
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2022/05/19(木) 07:26:05.46ID:H6blaS6n
>>196
末尾
「ーーー 真っ赤な、夕焼け空に染まって沈む夕陽がとても美しかった −−−−−−−−−」に訂正
0198ジョン・スミス
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2022/05/20(金) 07:49:34.02ID:HhsOgPIN
「YOU NEVER NEED ME」

まもなく28歳になる女。エマが一回り歳が上の男、レオと不思議な縁で再会する。
エマは、レオに熱い思いを抱きながらも、なかなか決断がつかないでいた...

レオの脳裏には、忘れることが出来ない女。オリビアがいたからだ。
悩んだ末、エマはレオの元に1通の手紙を残す...

レオが部屋に帰ると、夕食の準備がされたテーブルに1通の手紙が残されていた。

「今日で、あなたと出会ってから、ちょうど、9か月になります。
これからも、二人の時間は続いていけるものと信じていました。
でも、あなたは、私があなたを思うほどに私を必要とはしていない。
今まで、ありがとう... さようならレオ」

 ーーーーーーーーー そこに残されていたのは彼女の置手紙だった。

『YOU NEVER NEED ME』というミュージカルを私は彼と観劇していたのだった。

観劇後、近くのフレンチレストランへ
しゃれた扉を押し開けると、軽やかな鈴の音と共に
黒いベストに黒色のエプロン店員さんが、

「いらっしゃいませ!」「予約した斎藤です」
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ!」
「ねぇ、こんな高そうなお店で、食事するなんて大丈夫?!」

「ああ、大丈夫だよ。割引クーポン二人で九千円!」「本当?!」
「今日は、君の誕生日だったね! 奮発するよ」
「こちらのお席へどうぞ! ご注文は、いかがいたしましょうか?」

「クーポンのディナーコースで…」
「お飲み物も付きますが、いかがなさいますか?」
「赤ワインを二つ、それからチェーサーも…」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」

「チェーサーって何よ?」「お酒を飲むときに、一緒に飲む水のことだよ」
「あらっ、随分とカッコいいわね!」

私は、あなたが好き。もしも、あなたがいなければ、私は生きる甲斐がない。
息をすることと、同じくらいあなたが必要。でも、もしも私がいなくても
あなたは困らない......

              .........そう、私は薄々知っていた。
...あなたは私に隠れて例の彼女と会っていることを.........
0199ジョン・スミス
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2022/05/20(金) 11:54:16.31ID:HhsOgPIN
>>198
下から2行目「.........そう、私は薄々知っていたわ。」に訂正
0200ジョン・スミス
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2022/05/21(土) 07:36:30.85ID:vCrvVP55
「僕たちの将来」

若いカップルが、深夜の24時間レストランにいた。
ここは、歓楽街のど真ん中にある大衆食堂のような古ぼけたレストラン。

「あたしたち多分、大丈夫よね…」
彼女が、フォークにスパゲッティを巻き付けながら言っている。
気付いている?! あたしたちもうヤバいよ!と言う彼女の彼への探りの言葉だった。

「大丈夫じゃない訳って、何さ?!」と言いながら
ステーキの筋が多いのか、肉が切れにくそうにしている彼は、
ナイフに力を入れながら彼女に尋ねる。

見た感じだが、彼も二人の関係の危うさに気付いている素振りだった。

さりげなく、彼女の方を振り向く彼。ちょうど、そんな時、彼女はTVを見ていた。
テレビでは暑い国の戦争が語られていた。

彼は「見知らぬ海の向こうの話よりも、・・・」と言いながら
切れにくいステーキに腹立てているようだった。

「人間、いつ死ぬかわからないんだよ! 例え戦争になっても、ならなくてもさ、
僕らは、明日のことなんて、わからないんだよ。だから、いつ死んでも後悔しない
生き方が大切なのかもしれないな。精一杯、今を生きれば、それていいんじゃないのかな…」

「何言ってんの?! 何、訳の分からない、見当違いのこと言ってんのよ!
私はね! 私たちの関係、ヤバいんじゃないのと、言ってんのよ! ちゃんと、分かってんの?!」

「分かってるよ! いちいちうるさいな…」と若いカップルが揉めていた。

そんな時、「オヤジ、お愛想!」「生ビールと、食事で、ちょうど千円です」
「はい、これ…」「ありがとうございました!」
カウンター席で、黙々と食事をしていた常連のオヤジが店を出て行った。

向かいのテーブルのカップルの会話を聞いていた俺も・・・ そろそろ帰ろうとするか...
0201ジョン・スミス
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2022/05/22(日) 07:47:32.98ID:KiM7s4Su
「03時」

窓の外、反対側の車輛。動き始めた… あたいの乗っている電車と
動き出そうとする対向列車。

動き出した対向列車… ごく自然にあいつの姿を探す...
窓際の席に、必ず乗っているはずだと、視線を向けて目で追う…
その先で、確認したあいつの姿。「あいつだ!」
 ...やっぱりあいつだった......

小さな呟きは、動き出した車輛の音にかき消された...
ほんの数秒、わずか数秒と言う… たったそれだけの出来事だった...

昨夜の電話口での会話...
「さっきの話・・・、 嘘だよね?!」
「残念だけど・・・、 本当なんだ!」

「どうして、今まで黙ってたの?! もっと早く言ってくれれば・・・
あたいだって・・・」
「・・・わかってる…」

「じゃあ、どうして?! 自分から告白しておいて、突然、もう会えなくなるって
言われて誰が納得できるの?! そうやって私の真剣な気持ちを踏みにじって
心の中で笑っていたの?!」

「違う! 好きなのは本当だよ。だって笑った顔が可愛かったし、俺みたいに
ひねた奴にも優しかったし、 ・・・だから、少しでも長く笑顔でいて欲しかった。
それで言いそびれたんだ。

言いたくはなかったんだ... だって考えてみろよ。
この街を離れるまでの間、好きな人に笑顔でいて欲しいって思うことって
そんなに・・・ そんなに悪いことなのか?!」

「話をそらさないで、苦労したっていいじゃない! 二人で手を取り合って
行けば何とかなるよ。一緒に居たいのよ!」
「駄目だ! やっと掴んだチャンスだ! 此処を逃せば、一生、次は無い。 今しかないんだ
分かってくれ。 ちょっとの辛抱だ。 後、3年待ってくれ!」

文字通り、次のチャンスはない、あいつが掴んだ逃してはならない最後のチャンスだった。
ここで一歩でも、退けば他の奴がチャンスをものにして抜き去っていく...
世渡り上手でもない要領の悪い、あいつが掴んだ最後に回って来たチャンスでもあった。
ーーー そのまま切るなと話は続く ーーーーーー

初めて本気で好きになった人だった... 一緒にいて、楽しかった思い出・・・
その後、3年待ったけど... (あたいとの約束を忘れたのだろう)連絡は一切取れずに、
 ...いつの間にか自然消滅した恋.........
あの頃のあいつは...今頃、どうしているのだろうか・・・

…今となっては、遥かに遠い昔のことだが・・・ 窓の外、反対側の車輛。動き始めた
あたいが乗る寝台特急と動き出した対向電車がすれ違った瞬間… そんな寝台列車の旅していた夕方、
座席に座り、窓の外を眺めていたら、そんな古い記憶が蘇ったのだった......

...つい最近の出来事のように今でも思い出す...... あたいも若かったなぁ〜
0202ジョン・スミス
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2022/05/23(月) 08:22:53.80ID:9wo1oDSr
「竹の歌」

僕は幼い頃に両親に捨てられ、色んな所を転々として生きて来た...
親せきをたらい回しにされた挙句、最後には児童養護施設に預けられた。

施設の子とか、いつも同じ服を着た乞食とか、色んな事言われました。
たまに同級生の子と遊んでいても「〇〇君の家に行こう!」とかなって、僕が遊びに行くと、
そこの家のお母さんが「〇〇君と遊んでは、いけないって、あれほど言ったでしょ!」と、

連れて来た我が子を叱る声が聞こえ、僕を汚いものを見るような眼で「〇〇は、
今日は遊べないの…」と言われることは日常茶飯事でした。僕は弱い人間なので、
そんなことが重なるうちに独りでいる事が一番傷つかず、一番楽なのだと
いつの間にか思うようになっていた.........

けど、僕にも、言いたいことは一杯あった。汚い服、同じ服着ていても、僕は人のものを盗んだり、
傷つけたり、悪いことは何もしていない。両親はいないけど、僕にはどうすることも出来ないんだ!
僕だってお父さん、お母さんが欲しいんだよ! 僕は、なるべく人と接しないように生きて来た。
自分の精神、心を守る為にそうせざるを得なかった......

...誰にも迷惑を掛けずに生きていく... 高校に進学した時のことだった...
朝学校に行くと、僕の机には「死ね」「乞食」「貧乏神」「親無し」等… あらゆる悪口が書かれてあった。
僕は目の前が暗くなった。僕が何かしたのか?! 僕は何か・・・ ただ立ち尽くすだけだった...

…その時、僕の目の前から机が無くなった… クラスで人気者で大人びたY君が、僕の机を抱え上げていた。
僕は、机で殴られるのかと思い目を閉じた。「行くぞ!」とY君はぶっきらぼうに言い放つと廊下に出て行く…
僕は後に従った。Y君は技術室に行くと、紙やすりで僕の机の落書きを一生懸命に消し始めた…

Y君は、ただ一言だけ「こんなつまらんことしやがって… あいつらに負けるなよ!」と言いながら、
黙々と紙やすりで落書きを消している。「放課後、もう一回、ここてニス塗ろうぜ! そしたら元通りだ!」と、
言ってニッコリ笑って見せた。僕は泣いて頷いた。Y君は照れ笑いをして「俺も小学生の頃はいじめにあっていた。

理不尽で不条理なことが多いけど、負けるな! くじけるな! 強く生きろ! そのために生まれて来たんだぞ!
この世界で何を学び、どんな生き方をして来たかだ… 地下に根を張る竹林のようにな… 小学生の頃、
いじめにあって泣いて帰って来た俺を見たオヤジに怒鳴られた。どんなことがあっても負けない強い心を持て!

 そんな心の成長が最も大切なんだ! これからは…」
                ...そして己に厳しく、どれだけ人に優しくなれるかだと思う......
0203ジョン・スミス
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2022/05/23(月) 08:28:09.90ID:9wo1oDSr
>>202
下から7行目「ここでニス塗ろうぜ! ・・・」に訂正
0204ジョン・スミス
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2022/05/24(火) 08:06:39.92ID:peo8cYax
「オリエンタルボイス」

「いらっしゃい!」…しがないサラリーマンでしかない俺は、
今日も、いつもの居酒屋に来ていた。就職してから会社に行く日は
仕事帰りにはいつもこの店に通っていた。

もう、ここに通うのも、かれこれ三年目になろうとしていた...
その頃になると、店員さんも俺の顔を覚えてくれて、注文しなくても
席まで運んで来てくれるという状態だった。

俺はこの日も、いつものカウンターの奥の席に座っていた。
「はい、生ビール大ジョッキと枝豆、裂きイカ、お待たせしました。
ごゆっくり下さいませ!」「ありがとう…」俺は、いつもと同じように礼を言う。

「くうぅぅー」…冷たい生ビールが喉に染みるぅ… ビールは味わうものではなく
喉ごしを楽しむものだなと、しみじみと満足に浸り… 喜びを味わいひとり悦に入り、
店の中をぐるりと見回した。…結構、人が入っているなぁ… 向かいの席では、
外国人のゲイなのか、日本人のオカマなのか、分からないが、それ風の二人の会話が聴こえて来る…

外国人の厳ついゲイ風の男は、長く日本で暮らしているらしく、日本語に堪能で流暢に話していた。
「日本の田舎に行くと、子供が凄い見てくるよね。マクドナルドでハンバーガーを食っていた時よ、
小学生くらいの男の子が、俺のテーブルの周りをクルクル回って物珍しい珍獣でも発見したように
見てくる。近くまで来て、ジッと凝視してくるんだよ! 俺、あまり見られるので、日本語喋れるけど、

" Don`t Stare at me! " と、つい口が出ちゃった! そしたら、その子が指さして「ママぁ〜、見て!
外人が、なんか言った!」「ホンマやなぁ〜」とその親が言うよる。何がホンマやねん!(笑)…」
「アハハハ、笑っちゃうけど、でもね、そんなこと言う、あんた!…あら、私だって、昔、フランスの

ド田舎の元カレの家に遊びに行った時、地元のスーパーで買い物していたら、地元の子供たちが、
後ろからゾロゾロとついて来て、ハーメルンの笛吹き男状態になって困ったこと、あんたの話を聞いて、
思い出したわよ! 何処の国も一緒よ! 東京はそんなことはないけど、特に田舎に行けば行くほど…

ド田舎に行けば、どこの国も一緒よ! 私なんかよく中国人に間違われるし、女装して歩いていたら、
オリエンタルビューティーって言われたし、フランス人の元カレには、『君は、オリエンタルヴォイスだね。
魅力的な声をしている。何て美しく魅力的な声なんだ…』って、今となっちゃ笑っちゃうけどね…」

 …聞いていて思わず微笑んでしまう… そんな微笑ましい会話が聞こえてくる居酒屋...
0205ジョン・スミス
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2022/05/24(火) 08:28:40.79ID:peo8cYax
>>204
「オリエンタル・ヴォイス」にタイトル訂正
0206ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/25(水) 08:20:54.25ID:1uA1sZbu
「NOW」

翌日、村で過ごせる最後の日。村中の馬車が、出発に向けて荷造りしていた。
食料、水、衣類の他、高価な家具、装飾品の類から、生活に必要なこまごました
ものが積み込まれていた。再び、ここに戻ってこれる望みは薄い...

特に高価で換金性の高い品物が選別され、荷台に積まれていた。
そういったもので荷台が山積みになり、ギシギシいっている馬車もあった。

父と叔父の馬車に積まれた家財がとりとめもなく、がらくたから本当の
高級品まで雑多に積まれているのを少年アダムは不思議に思っていた。
実はその選別には意味があったのだった。

翌朝、旅立ちの時、真新しい幌の下、カラカラと乾いた車輪の音を聞きながら、
少年アダムは必死で生まれ育った家を目で追い続けた.........

今、この時、少年アダムは、人生のとてつもなく重要な時にいるのだという確信があった。
ここから一歩、踏み出したら、もう二度と元には戻れない... だから・・・
菩提樹の枝の向こうに、とうとうその姿が見えなくなった時、ようやくそのもどかしい
思いを表す言葉を見つけた気がした。

ーーー こうして、いつ終わるとも知れない長い旅が始まったのだった.........

長い長い難民の列… 街道の幅いっぱいに、広がった馬車や徒歩の人々の群れは、
同じ方向を向き、みんな一様に頭を垂れ、押し黙って疲れ切っていた...

歩いてきた人々は、道の上にそのまま座り込み。なかなか動こうとはしない。
難民たちは荷台からテントを下ろしている。

丘は酷い石ころだらけの場所で、テントを張る場所をめぐって難民同士で
あっちこっちで騒動が持ち上がっていた。そうこうするうちに時間は経ち
街のほうからばらばらと物売りがやって来ていた。

平たいパンや食料を、積んだ台車を押した物売りが、露骨な表情を見せながら刺々しいだみ声で
パンや食品を意味するらしい言葉をがなり続けていた。

そんな物売りの周りにさえ、一斉に言葉が通じない難民が群がり、見るからに
粗悪で割高な食料を争って買っていく… 誰もが疲れ切って、ここに来て酷く苛立っていた。

父や祖父たちは、何とか丘の中腹に場所を確保しテントを張った。
幼い少年アダムの様子がおかしいことに気づいた母マリアは、
埃が舞うテントの入り口を勢いよく閉ざし、床に敷いた絨毯の上に幼い息子を寝かせた。

  ーーー これから始まる長い苦難の道でもあった ーーーーーー

      *** *** ***   *** *** ***   *** *** ***

緞帳が降り、ここで一幕が終わった。休憩。新作ミュージカル『難民』を私は観劇していたのだった。
0207ジョン・スミス
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2022/05/26(木) 07:37:56.96ID:oMkKb5oI
「You don't know」

思い出してみると、いつもかなわない恋をしていた。
そんな私も社会人になっていた。

先輩たちは、みんなすごく仕事が出来て、同期のみんなも
私より作業が早くて、このままじゃクビかなぁ〜って、毎日ビクビク…
しながら終電まで頑張って、持ち帰るのは怖いから朝早めに行って
前日の残りをやって、気づけば、季節がいくつも変わっていた。

季節がいくら変わろうと、仕事が出来ないのは変わらなくて、
去年の忘年会の二次会の後、先輩に駅まで送ってもらったのにも関わらず、
終電を逃してしまった時、せっかく送ってもらったのに、
また、ミスをしてしまったと落ち込んだ。

そんな時、先輩は「店を出る時に、引き止めちゃったから…」と言って
謝ってくれて、タクシーを拾うと運転手さんにお礼を渡して
「彼女の家まで、お願いします…」と言って私を車内に押し込んだ。

閉まったドアの窓越しに、先輩は「気を付けてね!」と言って別れた。
そんな先輩が、いつの間にか好きになっていた。

その後も先輩は、仕事のフォローもしてくれたし、上司に叱られて落ち込んている時に
夕ご飯に誘ってくれたりもした。私が叱られるのなんてしょっちゅうだから
週に一度は飲むようになり、いつの間にかホテルに誘われ関係を持つようになった。

...実はそんな先輩には、付き合っている彼女がいる......
0208ジョン・スミス
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2022/05/27(金) 07:33:27.11ID:PzU/7CDs
「ふたつの炎」

風呂上がりに、 " プシュ! " と缶ビールを開ける。
一口目を一気に喉の奥に流し込む!
…心地よい喉ごしと共にキンキンに冷えたビールが火照った身体を急激に冷ます…

今日も缶ビールを片手に、リビングの椅子に腰掛ける。後は新聞や
テレビを見ながら、ちびちびと楽しむ...

三十代を過ぎた頃から、毎日欠かせないようになっていた習慣だった。
そのせいもあるのだろうか、若い頃、あれほど逞しかった身体は今では腹周りが大きく
肥大し、肩や腕の筋肉質の部分は若かりし頃の面影はなくなっていた......

今日も、ビール片手にリビングの椅子に腰掛けると、いつものように新聞を手に取った。
なんとなく開いていたページに目を落とすと、夫婦のセックスレスの統計と言う記事が目に留まった。
「何々、セックスレスの夫婦は現代に多く、二十代では11% 、三十代で26% 、四十代で36%が、
セックスレスだと言われています」と書かれてあった。

『なるほどねぇ...うんうん…』と頷きながら " ふと " 考える。
「あれっ、そういえば、最後にしたのって、いつだったかな?! 
 ...半年前、いやいや、もっと前だぞ!」

 …考え込むように、視線を新聞から外す… 
...そういえば、いつから妻の名前を呼ばなくなったのだろう.........

俺には、連れ添ってから今年で早12年になる恵美と言う妻が居る。お互い若い頃は、
俳優、女優として活躍していた。恵美は結婚を機に引退したが、美容にはこだわっているのか、
その辺の同年代と比べてみても綺麗で若々しく見える俺の自慢の妻でもあった。
それが、いつの間に名前を呼ばなくなっていったのだろう...

自然と特に理由もなく、それとなく呼ばなくなっていた。同じようにそれとなく
セックスレスにもなっていた。再び新聞を読む。「ふむ… セックスレスは、お互いの
コミュニケーションが取れなくなってきている兆候で、夫婦の間にすれ違いが、生じやすい
状態とも言えます」か、そういえば最近、まともな話をしたことがあっただろうか…

いや、話はしている… そりゃ夫婦だ! 毎日、顔を合わせれば会話だってする。
...でも、どんな会話だっただろう... まともな話と言う話をしていない様な気がするぞ… 
…ああ、俺はいつも、あいつの話を話半分に聞き流しては、適当な相槌を打っているような・・・
0209ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/28(土) 07:16:26.38ID:uvVCNrCG
「あばうとに行きます」

何だか、全てが窮屈に感じて街を出てみたくなった。
知らない路線の電車に乗ってぶらり旅がしたくなった。

とても天気が良くて外に出たかったので行先も決めずに電車に飛び乗った。
駅のホームには、まあまあ程よく人がいて、それなりに人がいた。
…電車が入って来た… 凄い速さで、私の前を通り過ぎてゆっくり止まった!

…ドアが開く… 人が5、6人出てきて、私も電車内に入った。ぽつぽつと席が
空いていて、私は真ん中あたりに座った。右隣は女の人。左隣はおじさんだった。
目の前にはおばあちゃんが座っていた。

そのおばあちゃんは、品の良い着物を着ていて小柄で、とても可愛いおばあちゃんだった。
…電車が動き出す…徐々にスピードが上がる…景色が流れていく…遠くに行くほどに
流れは遅く…近くに行くほど流れは速い… おばあちゃんは真っ直ぐ前を見ている。

私の頭上のあたりの窓から、外の風景を見ているのだろうか… 私もおばあちゃんの頭上の
窓から外の景色を眺めていた。次の駅に着いて電車が止まる。止まる瞬間にみんなの体が同時に
…カクッと揺れる… おばあちゃんの隣の席の人が降りた。その席にまた別の人が乗って来た。
凄く体の大きい人だ。その人は席に着くなり、窮屈そうな顔をして " ふうっ " とため息をつく。

おばあちゃんは体の大きい人に気を遣い、幅を狭めて小さくなって着物の裾を自分の方に寄せて
また前を向く。次の駅で電車が止まり、多くの人が乗り降りをする。私の隣の女の人も降りた。

私の隣には、中年のおじさんが座った。おじさんに挟まれた。凄く嫌だった。おばあちゃんは、
私の嫌そうな表情を見たのか、少しクスっと笑った。その表情が、また何とも愛嬌良く、
とても可愛らしいおばあちゃんだった。

次の駅では大勢の人がこの車両に乗って来た。その人の波で …おばあちゃんの姿を見失った…
外の景色も見えない。私は仕方なく、下を向いたまま…ぼーっと…していた。

次の駅でかなりの人が降りた。そのせいか混雑して息が詰まりそうだった車内が、一気に視界が広がり
あのおばあちゃんの姿が見えた! おばあちゃんの目には私が、どんな風に見えているのだろう...
そう思いながら流れる外の景色を眺めていた......

次の駅では、小さな男の子が電車に乗って来た。その子は、お父さんらしき人に何かを訴えているけど、
まだ言葉が、あまりうまく喋れないのでうまく伝わっていない。おばあちゃんは、その男の子の方を向き、
覗き込むように見ながら微笑んでいる。もしかしたら、お孫さんと同じ歳くらいなのかなぁ...

次の駅でおばあちゃんは降りた。窓の外、目を凝らして追ったけど、おばあちやんは人ごみに紛れて
どこにいるか、一瞬で分からなくなった。きっともう二度と会えないんだろうなぁ...
一度くらいお話がしたかった。そう思っているうちに、電車は次の駅に向かってゆっくりと動き出した…

 …私も次の駅で降りよう… これから、何処へ行こうか... ...
知らない路線の電車に身を任せ... あばうとに行きます そんな旅もあるでしょう...
0210ジョン・スミス
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2022/05/28(土) 13:48:58.12ID:uvVCNrCG
>>209
下から5行目「おばあちゃんは人ごみに紛れて」に訂正
0211ジョン・スミス
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2022/05/29(日) 08:01:33.63ID:40Y9Ek13
「流浪の詩」

アメリカ南部のルイジアナ州に位置するニューオーリンズはジャズ発祥の地。
ニューオーリンズのダウンタウンはCBC(ビジネス街)や旧市街フレンチクオーターを
はじめ周辺には有名観光スポットが沢山あり、ニューオーリンズ観光の中心地と
なっており、観光客は行く機会が多いエリアだ。

ダウンタウンの治安は比較的良い方だが、繁華街におけるスリや置き引きには
注意が必要だ。また人通りの少ない路地などは、麻薬の売人がいて治安が悪い場所も
あると聞いていた。

ダウンタウンが治安が良いといっても、夜は気を付けた方がいいと聞かされていたが、
今、ダウンタウンに位置するバーボンストリートにいる。夜間でも人通りは多い。

バーボンストリートをビール片手にぶらつくだけで、いろんな音楽が楽しめる。
古き良きディキシーランドジャズ。ニューオーリンズと言えばジャズと言うイメージが、
強いが、ロックやブルース、ブラスバンドなど街中から音楽が溢れている。

夜はなるべく人通りが少ない所は、立ち入らない方がいいと聞かされていたが、
ちよっと足を延ばしてみた。突然、変な男が話しかけてきた! 無視して歩くが、
ひっきりなしに話してくる。その場合は、徹底的に無視してくださいと

観光ガイドから、前もって聞かされていたので、徹底的に無視続けた。
背が高く、いかにも怪しそうな黒人青年だったが、やっとあきらめたのか、
引き下がって立ち去って行った......

近くでは、酔っ払いが小競り合いをしていた。街灯の灯りがオレンジ色に滲んでいる。
その街灯の下にオレンジ色の光を浴びて5、6人の若者たちがたむろしていた。

その若い黒人たちの中に、黒猫を抱えたシンディ・ローパー似の白人の可愛い少女がいた。
...黒猫を抱え、こちらをジッと見ていた......
0212ジョン・スミス
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2022/05/29(日) 08:12:12.11ID:40Y9Ek13
「流浪の詩」には二種類の歌い方がCDに録音されている。セカンドアルバムに入っている
ポップカントリー風サウンドと、今回の物語の題材にした『時代-Time goes around-』 
歌い方からしてアメリカ南部のイメージがしたので、こちらを今回の物語の題材にした。
0213ジョン・スミス
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2022/05/30(月) 08:12:14.50ID:AWh1MtJe
「ほうせんか」

三年付き合っていた彼に振られた。
それはもう、最後は彼が言ったとは思えないほど、酷い言葉で・・・ 
どんなに好きだと言っても復縁は叶わず、音信不通になってしまった...

半年後、 " 突然! " 彼から電話があった時も、出ないで、その後は着信拒否設定にした。
それから一年後、彼の友人から連絡があった。彼が亡くなったということだった...
それも半年も前ことだった。半年前と言えば、突然、彼から電話があった頃。。。

詳しく話を聞いてみると、彼の携帯を使って彼のお母さんが電話したという。
その後も何度も電話を試みたが、私が着信拒否の設定をしていた為、
通じなかったということらしい。その後、彼の友人から彼が書いた日記を手渡された。

そこには、「入院二日目、こうやって日記をつけてみたけど、俺のことだから長くは続かんだろうな、
あいつは、今頃、元気にしているのかなぁ〜 最後に傷つけちゃったけど、新しい男でも見つけてくれんかなぁ」

「入院○○日目、今日は、TVでディズニーランド特集をやっていた。あいつと一緒に行った頃を思い出した。
あいつ買い物が大好きだから、買い物に付き合わされた時は、疲れていて、いい加減にしろと思ったりもしたが、
でも、帰りに買ってくれたミッキーは嬉しかったよ。今も枕元にある。友達には、からかわれるから、
みんなが来る時は隠してある。あいつと別れちゃったけど、今でも大好きなんだ!」

「入院○○日目、夢に、あいつが出てきた! もう何か月も会っていないなぁ… 別に大した夢じゃないけど、
喋ったよ。それだけでも幸せだよ。何故か、突然!目が覚めちゃった! 今頃、誰と喋ってんだろうなぁ〜」
「入院○○日目、やっぱりあいつが忘れられないのかなぁ〜 よっぽど好きなんだな、夢の中の世界の一つ一つに
あいつが出てくるよ。あいつを傷つけた俺は大馬鹿者だな!」…それは、もはや日記ではなかった...
... 私のことばかり書かれてあった ...

「入院○○日目、体がだるい。起きるのも大変だ。医者は、はっきりと言わないけど、俺はわかる。
思えば、治らない病気と医者から聞いて、もう、一年が過ぎようとしている。通院から入院へと、

もっとあいつと、一緒に居たかった。入院する前に、あいつに、あんな酷いこと言って振ったことを
ずっと後悔している。あいつは綺麗だし、すぐ彼氏が出来るだろう。こうやって書いていることも辛い。
俺のことは、早く忘れて幸せを掴んでほしい…」

 ...彼が集中治療室に運ばれていった時、
 ......この日記を病室のゴミ箱の中から、彼のお母さんが見つけたという.........
0214ジョン・スミス
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2022/05/31(火) 08:48:08.63ID:ex6OSSkE
「家出」

なんと私のおばあちゃんはおじいちゃんと若い頃、
駆け落ちして結婚したらしいのです(^_-)-☆

それを聞いた時は、私、ドキドキしっぱなしでした… (*^-^*)
だってよく考えると、その頃の時代は恋愛結婚は珍しいはず...

うちのおばあちゃんカッコイイ!!と思いました! (*^^*)
聞いた話、昔、おばあちゃんは、金持ちのお嬢様らしく、近くに住む、
おじいちゃんと恋に落ちてしまったらしいの...

でも、身分の違いから、交際は内緒にしていたそうです。(*^▽^*)
でも、ある日、おばあちゃんに結婚の話が舞い込んできたそうです。

それは親が決めた政略結婚だったらしく、それを聞いたおじいちゃんは、
おばあちゃんを連れて東京に逃げたと言うのです。

" 凄い!胸キュン!! "   …ピーチすぎる(*^。^*)… 
おじいちゃんカッコよすぎ!(#^.^#) でも、おばあちゃんは家族と別れるとき、
寂しくなかったのかなぁ〜 (;´Д`)...

おばあちゃんはよく、お母さんの若い時の話とか、おじいちゃんの昔話とか、
よくしてくれるけど、自分の家族のことは、何も話してくれません! (≧▽≦)

 …引っかかることあるのでしょうか… (。´・ω・)? ...

でも、おばあちやんは、おじいちやんが亡くなった時、若かりし頃の写真や
...おじいちゃんの遺影を見ながらひとりで泣いていました.........
0215ジョン・スミス
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2022/06/01(水) 07:47:51.12ID:MJg+Zv8i
「サメの歌」

...親しい叔父の危篤の電報が届いていた......
僕は海辺の村に向かっていた。かって叔父は僕の一族のホープ的存在だった。
週に一度、一族が集まって早朝会議をする。昨年亡くなった祖父は、
最後まで僕の父が座っている今の席に、叔父さんを座らせたがっていた。

昔の叔父は本当に厳しかった。今の姿からは、想像も出来ないくらい情熱的でエネルギッシュな人だった。
「なんだ宏! この成績は?! お前が会社に出る時は、英字新聞くらい読めなきゃビジネスが出来なく
なっているんだ!! 国際化社会、情報化社会の波は、もうそこまで来ているんだぞ! お前は、俺達が、
世界中を相手に血の汗と涙で勝ち取って来た北条一族の財産を食い潰すつもりか!!!」

「叔父さん! 金が全てではないと思う! 僕は英語や経済なんか興味ないんだ!! 小説や詩を読んだり、
音楽を聴いたりすることが性分に合っているんだ!!!」「この馬鹿者!!!」と思い切り殴られた!!! 

「そんなこと言ってられるのは今のうちだけだ! 金だ! 金が全てなんだ!! 好き嫌いじゃなく、
そういう時代なんだ!! 馬鹿者!!!」…実際、叔父の世界経済に対する洞察力、動向予測は確かに凄いものがあった。
海外に出向いてたそんな叔父が、変わったのは、アフリカに行くようになってからだった.........

…叔父の入院する病院に着いた… 医師から癌が末期で全身に転移していることを聞かされた。
叔父の病室に行くと、「よく来たな。もう駄目なのか…」「いえ、そんなこと…」「言わんでも、分かっておる。
俺はあとどのくらいだ…」「叔父様、一つ聞きたいことがあるんです。アフリカで何があったんですか?!」

「...石油の埋蔵量が、あと30年分しかないなんて、嘘を俺は見抜いていた。石油パニックなんて、
でっち上げられたものだ。次に多国籍企業が作り出すパニックは鉱物だと、思っていた俺はアフリカに視察に行った。
工場誘致の仕事もあった…」「はい、知っています。年に何回か、行かれていたことも知っています」
「サバンナで子供に会った。俺の子供だった…」「え!」「数年前に訪れた時、ロッジで働いていたメイドとの間に出来た俺の子供だ。

確かに、あの頃は俺も有頂天だった。やることなすこと俺の予想通りに上手くいっていた。俺は、アフリカという未開の土地に
文明の光を当てようと努力した。飢えと病気に苦しむこの土地に豊かさをもたらそうとした。物質的に豊かになることが、
彼らの幸せだと考えていた。そもそもその考えが、間違っていたのだ。実に短絡的な考えだった。俺達は先進国の
傲慢さからくる豊かさの押し売りをしているに過ぎなかったのだ。開発と言う名の侵略を… そんな折、俺はロッジで

働いていたメイドと深い中になった。数年後、再び訪れた時、その女が亡くなったことを知る。死因はお産だった。
その時に生まれたのが俺の息子だ。子供は生きていた。アフリカの大地に根付いたようにしっかりと立っていた。
俺は日本に行こうと誘った。お前には俺の血が流れている。日本は飢えも病気もない豊かな生活が待っているぞと伝えた。
息子は「僕は嫌だ! この土地で生まれたんだから、ここで生きていく…」と言い放った。

それから俺は日本に帰り、この浜で暮らし始めた。日本人は国際的になったと言っても、まだまだ他の国との
関わり合った歴史が浅いだけに、外国人との付き合い方が下手なんだ。世界の国々で価値の物差しはそれぞれ
違うことを知った時、俺は今までの自分を恥じた。金が全ての時代に、俺はマネーゲームから降りた。

宏、俺の家に帰ったら、俺の机の一番下の引き出しを開けてみろ… この十年間の経済動向を
まとめ上げた資料が入っている。それをお前にやる。うまく使っていけ… これからの北条家を
背負っていくのはお前しかいない… もう一度、海が見られるのかなぁ〜 ワハハハ…」

その一週間後、叔父はこの世を去った... もう一度、海を見ることもなく...
 …胸の内を思い切り吐き出して55歳という短い生涯を終えた.........
0216ジョン・スミス
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2022/06/01(水) 11:00:46.09ID:MJg+Zv8i
>>215
6行目「お前が、社会に出て会社に勤める頃は、英字新聞・・・」に訂正
0217ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/01(水) 14:45:09.34ID:MJg+Zv8i
>>215
1行目「...親しい叔父が癌で入院したことを知る......」に訂正
0218ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/01(水) 14:54:37.82ID:MJg+Zv8i
>>215
2行目「僕は海辺の町に向かっていた。」に訂正
0219ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/01(水) 15:25:42.79ID:MJg+Zv8i
>>215
下から8行目「差し伸べた手を、息子に見事にはじき返されて " 目が覚めた! "
それから俺は日本に帰り、この浜で暮らし始めた。」に訂正
0220ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/02(木) 07:40:35.25ID:+Er3a4dQ
「女なんてものに」

あいつが亡くなった...。
昔からの飲み仲間で、二人でよく飲み歩いていた...
酒の席で、あいつとは、いつも言い争っていた。何かに付け、女はと言う
あいつに、いつも腹立てて言い争っていた。

そんなあいつが昨日、亡くなった知らせをあいつの友人が聞かされた。
あまりにも " 突然 " の知らせだった...
あいつとは、大喧嘩して以来、暫くは会っていなかった。

交通事故死だという。バイクで走行中、対向車と衝突! 
…衝突事故…で帰らぬ人となった...

享年38歳。あいつはバイク歴22年のベテランだったが、危機回避を
行うには、あまりにもスピードを出し過ぎていたと言う......
バイクは、車と違い身を守るものが極端に少ない為、
衝突による転倒で簡単に命を失う...

...あいつと大喧嘩する前、よく飲み歩いていた頃を思い出す......
カランと音を立てて、グラスの氷が崩れる。
ハイボールを喉に流し込むあいつ。

さっきまで、饒舌に話していたあいつも、話題に尽きたようで、
「つまり、またフラれたんだなぁ…」
「はっきりと言わないで! まぁ、そうなんだけどさ…」

そういうことだった。随分と長く腐れ縁のあいつに、やけ酒を付き合ってもらっていた。
「あんたには、わからないけどさ…」「うるせーよ! だから女と飲むの嫌いなんだよな…
野郎と飲んでいる方が楽しいんだよ! 所詮、女なんてものは・・・」と、あいつは
言いかけて止める。

「何よ! 女がどうだって?! 何で、そこでやめるのよ! 言いたいこと、あるなら言いなよ」と私。
「女は打算的。打算的な心の働きを、恋愛感情と錯覚しているだけ…」と言うあいつに対して
 私は「は?!、そうかなぁ〜」とつれない返事で返す。

すかさずあいつは「それと、女心と秋の空。男からしたら、女心は秋の空らしいけどな…」
「なに、それ…」何だかあいつの話し方が面白くて、つい笑ってしまった。
お酒に酔っているのだろうかとぼんやり考えていた。

「おっ? やっと笑ってくれたな。やっぱり、お前は、笑っているのがいいよ!
ショボくれているとらしくないぜ!」とケラケラ笑いながら言うあいつ。

「別に、ずっと笑ってないわけじゃないからね。フラれてから三日間でも、
笑うことあったし…」と私。「俺は見てねぇんだよ! お前、独りで悩んで毎日、泣いて
メソメソしているんじゃねーのか、どうなんだよ?!」とあいつが誇った顔をして言う。
「あれっ?!、心配してくれてるの? 嬉しいねぇ〜」と言い返す私。

「ハイハイ、絡んでないで、不満なり、愚痴なり、ぶちまけなって、俺が聞き流してやるからよ…」と、
あいつが偉そうな口ぶりで言う。「そこは受け止めてほしかったな… そんなこと言うから、あんた!
モテないんだよ!」と怒っていう私に、あいつは「余計なお世話だっつーの!」

         ーーーーーーーーー もう、そんなあいつは帰ってはこない.........
0221ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/02(木) 07:40:36.02ID:+Er3a4dQ
「女なんてものに」

あいつが亡くなった...。
昔からの飲み仲間で、二人でよく飲み歩いていた...
酒の席で、あいつとは、いつも言い争っていた。何かに付け、女はと言う
あいつに、いつも腹立てて言い争っていた。

そんなあいつが昨日、亡くなった知らせをあいつの友人が聞かされた。
あまりにも " 突然 " の知らせだった...
あいつとは、大喧嘩して以来、暫くは会っていなかった。

交通事故死だという。バイクで走行中、対向車と衝突! 
…衝突事故…で帰らぬ人となった...

享年38歳。あいつはバイク歴22年のベテランだったが、危機回避を
行うには、あまりにもスピードを出し過ぎていたと言う......
バイクは、車と違い身を守るものが極端に少ない為、
衝突による転倒で簡単に命を失う...

...あいつと大喧嘩する前、よく飲み歩いていた頃を思い出す......
カランと音を立てて、グラスの氷が崩れる。
ハイボールを喉に流し込むあいつ。

さっきまで、饒舌に話していたあいつも、話題に尽きたようで、
「つまり、またフラれたんだなぁ…」
「はっきりと言わないで! まぁ、そうなんだけどさ…」

そういうことだった。随分と長く腐れ縁のあいつに、やけ酒を付き合ってもらっていた。
「あんたには、わからないけどさ…」「うるせーよ! だから女と飲むの嫌いなんだよな…
野郎と飲んでいる方が楽しいんだよ! 所詮、女なんてものは・・・」と、あいつは
言いかけて止める。

「何よ! 女がどうだって?! 何で、そこでやめるのよ! 言いたいこと、あるなら言いなよ」と私。
「女は打算的。打算的な心の働きを、恋愛感情と錯覚しているだけ…」と言うあいつに対して
 私は「は?!、そうかなぁ〜」とつれない返事で返す。

すかさずあいつは「それと、女心と秋の空。男からしたら、女心は秋の空らしいけどな…」
「なに、それ…」何だかあいつの話し方が面白くて、つい笑ってしまった。
お酒に酔っているのだろうかとぼんやり考えていた。

「おっ? やっと笑ってくれたな。やっぱり、お前は、笑っているのがいいよ!
ショボくれているとらしくないぜ!」とケラケラ笑いながら言うあいつ。

「別に、ずっと笑ってないわけじゃないからね。フラれてから三日間でも、
笑うことあったし…」と私。「俺は見てねぇんだよ! お前、独りで悩んで毎日、泣いて
メソメソしているんじゃねーのか、どうなんだよ?!」とあいつが誇った顔をして言う。
「あれっ?!、心配してくれてるの? 嬉しいねぇ〜」と言い返す私。

「ハイハイ、絡んでないで、不満なり、愚痴なり、ぶちまけなって、俺が聞き流してやるからよ…」と、
あいつが偉そうな口ぶりで言う。「そこは受け止めてほしかったな… そんなこと言うから、あんた!
モテないんだよ!」と怒っていう私に、あいつは「余計なお世話だっつーの!」

         ーーーーーーーーー もう、そんなあいつは帰ってはこない.........
0222ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/03(金) 07:17:44.55ID:1JVQbent
「あぶな坂」

『那智の滝の山林で死体発見という記事に目が留まる!』…死後七年、和歌山県警は
殺人事件として被害者の身元割り出しに全力をあげるという… 記事を読んだ俺は、
紀伊勝浦駅まで来ていた。「いや、万が一と言うこともある。バスはやめておこう」

タクシーを止める。「那智の滝まで行ってくれ!」…タクシーの中で回想していた…
…俺に社長の娘の縁談が持ち上がった。その時、俺には付き合っていた女がいた。
「まあ、飲みなさい」「は、はい!」「さっきの話だが、どうだろうか、君さえよければ、

娘のこと考えてみてはくれまいか、君のような優秀な人物が、我が家の一員に加わってくれるなら、
私としても非常に心強いんだが…」「はあ、それは、もう… はい!」…社長の娘と結婚する。
こんな約束されたパスポートはない。野心家だった俺は、二人の女を天秤にかけた…

「照子、旅行に行こうか、どこがいい?!」「う〜ん、そや! 勝浦温泉がいいな!」「勝浦?! 南紀ま那智勝浦か、」
「うん、子供ながらに決めていたんや! うちも大きいなって新婚旅行に行く時は勝浦や、絶対に勝浦に行くんや!ってね。
それが夢やったんや!」…その後、俺は社長の娘と結婚。子供が出来て七年が経つ… 照子の死体は確か、あすこに
埋めたはずだが、一体、どうして発見されたんだろう.........

那智の滝の現場から、待たせてあったタクシーに戻る。「いゃあ、待たせたね!」「あれっ、お客さん。ひょっとしたら、
七年前、ふもとの大社口からバスに乗らんかったかね」「え!」「ほら、あの雨の日、私よく覚えているんですよ。
あの日が、私のバスの運転生活最後の日でね。つまり、あなたが私の最後のお客でね」「いや、何かの間違いでは…」
「あれっ、覚えていませんか、私はちゃんと覚えていますよ。あなた、あのバスに忘れ物しはったでしよう。

写真ですよ写真。私こんな商売ですからね。お客さんの忘れ物は、ちゃんと保管しとくんですよ」
…しまったあの時の写真、ポケットから滑り落ちたんだ…「まあ、バック類とか、身元の分かるものは
すぐ送り届けるんですが…」「その写真は、今どこに?!」「私の自宅にあります。ここから近いから
行きますか?! やっぱり大切なものだったんでしょう。あの写真とっておいて、本当に良かったなぁ〜」

言われるままに運転手の自宅まで行き「これですよ、これ!」と、見せてもらうと照子と一緒の写真だった。
車の中で「その人、奥さんですか?!」「いや…」 …そうだ! ビクビクする必要はない… 

「ところで運転手さん、最近、那智大滝の滝壺の近くで白骨体が発見されたそうですね」「ええ、ひと月ほど前にね、
身元不明らしいですね。近頃は、化学が発達して骨格や骨相からある程度復顔出来るらしいですよ」… 復顔 !? …
「我々の商売や旅館などは、復顔写真が回ってきますよ。こんな顔見たことないかってね」

…な、何だと、そんな馬鹿な!…「ちよっと、止めてくれ! トイレだ!」…あの男は覚えている。照子の写真を
持っていたんだ! 咄嗟に外で拾った大きな石でタクシーに戻り、運転手を殴りつける。運転手がハンドルに倒れ、
…警報音が鳴り響く… その音に慌てて逃げ出すが、近くを通ったパトカーに「どうしました?! 止まりなさい!」

捕まり、警察署で「照子殺しがバレるのを恐れて運転手を殴りつけたというわけか、それで、那智の滝のどこに埋めたんだ!
お前は先月発見された白骨体が、照子だと勝手に勘違いしたが、あれは男のホトケだ。どうやら藪を突いて蛇を出したようだな、
そして運転手は、今、息を引き取ったそうだ。お前は二人殺したことになる。お前もドジなことしたな」「刑事さん、家に

電話させてください!」…「はい、橘でございます…」「私だ…」「あら、あなた、二日も無断で家を空けて、
どういうつもりなの。今、どこにいるのよ!」「今、急用が出来て、和歌山に居る。ところで、まみはいるか?
いたら電話に出してくれ…」「まみ、パパからよ〜 早くしなさい!」「もう、めんどくちゃいなぁ〜 もちもち…」

「まみ、まみ聞こえるか?! ...パパだよ…」「うん! パパいちゅ、かえってくるの? パパ、きこえてるの?!…」
「...パパはね、...遠い所へ行くんだ! ずっと遠い外国に… しばらくは帰ってこれないんだ! ママの言うことを
聞いて、いい子にしているんだよ… いいね!」「うん! おみあげかってきてね! じゃあね、パパ…」

…受話器を持ったまま、遠くに聞こえる娘の声…    ー「ママ、パパ、げんきだって!」ー
0223ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/03(金) 07:25:04.63ID:1JVQbent
>>222
10行目「勝浦?! 南紀の那須勝浦か、」に訂正
0224ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/03(金) 16:35:06.34ID:1JVQbent
>>222
末尾 ―「ママー!、パパげんきだって!」― に訂正
0225ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/04(土) 08:35:45.03ID:snlj+2y4
「ふらふら」

「いらっしゃいませー!…」
...店内は客ではち切れんばかり...
「何名様ですか?…」「はい5名様…」

「はい、こちら、ご注文の焼き鳥になりやぁす!…」など、
 …活気のある店員の声が飛び交っている…

「ごめぇん! 遅くなっちゃったわ! めっちゃクチャ良い匂いっ!」
「先にやっているよ」「○○さん!… こっち、こっち!…」など、
   …店内は賑やかな声が飛び交っている…

「こちら、4名様ね!… こちらへどうぞ!」と案内され席に着く。
早速、メニューを開き、お目当てのページをしばしば眺める。

「好きなの頼んでね。決まったら、どんどん注文してね!」
「いいの?! 悪いね。お言葉に甘えて… 何、頼もうかなぁ〜」
それにしても、ここは実に賑やかな居酒屋だ。みんなそれぞれに注文が決まったようだ。

声量は無いが、間の取り方が上手かったのか、タイミングよく店員を捕まえることが出来た!
私は、サイドメニューを二、三品手早く注文! そしてとりあえず、みんなで乾杯!

 … ワイワイ、ガヤガヤ、わはははは … 何時間経ったのか......
お酒もいつの間にか、ビール、ハイボール、日本酒、ワイン、そしてカクテルになっていた...
「もう、こんな時間、俺、女房がうるさいから帰るよ! 御馳走様!」「またねー」

「まだ飲むのか?!」「私は、まだ飲むよん!…」「俺も、明日、仕事早いから、ごちそうさまね!」
「また明日…」「じゃあ、俺も、そろそろ帰るとしようか… 今日は、本当に、御馳走様でした… 
じゃあ、また明日!」「またね!…」 

      ...おごり目当ての取り巻きもずらかって......
...もう、何時間飲んだのか...既に、時間を忘れて酔いが回っていた.........
      
   ... ... ... ... ... ... ... ... ...

「おい! あそこに座って飲んでいる女、この前、○○が連れていた女じゃないの?!」
「そう言えば... そうだな…」
0226ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/05(日) 07:29:52.54ID:mBiC6whm
「ふたり」

「脱走した内藤が後藤組に逃げ込むわけがねぇ! 
逃げ込めば、口封じに消されることくらいわかっているはずだ…
とすれば、奴は単独で身を潜めているに違いねぇ…

だが、ここまで見つからないと言う事は、既に始末されているのか、あるいは、
既に、外国に高飛びしているのか… だとしたら俺は、何の為にあの女を
マークしているのか... いや、生きているなら、きっと、ここに来る…
女の所に...」

そう呟きながら刑事の阿部はトイレから出る。マークしていた女がいたカフェの
店内に戻ると、「しまった!、 ここにいた女は?!」と店員に聞くと、
「ついさっき、男の人と出て行きましたよ…」 … " くそっ! 内藤だ! " …

「今、非常線を張れば、必ず捕まえることが出来る。そんなに遠くには行っていないはずだ…」

*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***

...二日後、内藤と女は死体となって発見された......
現場は、裏通りの静かな場所だった。 十メートル幅のドブ川に倒れていた。
銃で撃ち抜かれ即死だった.........

「内藤の野郎! とうとう口を割らないまま死にやがって...」
「阿部さん、内藤と女は、ここで殺される前、教会で二人だけの挙式をあげたらしいです。
教会の神父さんに聞いたところによると、奴は足を洗って堅気になることを
神の前で誓ったそうです…」

「そうか、奴もまともな人間になろうとしていたんだな...」

 ...その後、事件現場に花が供えられていた......

――― あの世で『ふたりは』幸せに暮らしていることでしょう......
            と言うナレーションが流れる.........

*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***

緞帳が下がり、客席からカーテンコールが沸き起こった。
「どうだった…」
「この世では、幸せになれなかったのね… 可愛そうだわ...」
「...そうだね。 でも、最後は幸せだったんじゃないかな…」
0227ジョン・スミス
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2022/06/05(日) 07:37:03.80ID:mBiC6whm
>>226
「ふたりは」タイトル修正
0228ジョン・スミス
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2022/06/06(月) 07:21:53.43ID:4W2Tivj4
「麦の唄」

…なだらかに流れゆく丘陵に沿って…
...陽に微睡む麦の穂が淡く豊かに実を結び...
…風が金色になびくさざ波を立て揺れる………

……見渡す限り、麦の穂の波……  ……地平線まで広がる……

......なだらかな丘陵地帯......... 
...あたり一面、巨大な黄金色の波が風にあおられ......
 …横一列に手を繋いで走っていく…… …… ……

...このまま晴天が続けば、明日にでも、収穫できるだろう......
…麦の出来栄えに手ごたえを感じ、昼食をとるためにトラックに戻っていく…

すると、そこに、俺のトラックの裏にもう一台トラックが止まっていた。
おじさんは俺に気づいたのか、降車して声をかけてきた。

「おーい! 遠藤さーん! 小麦さ、良いあんべで、できょるね。
うちのジャガイモは、いるか?!…」

「いつも、ありがとうございます。今年は、いい出来ですよ!
あっ、小麦、持って行きます?!…」俺は、いたずらポイ笑みを浮かべで言った!

それに対して、おじさんは苦笑いし、顔の前で手を振った。
「なんも、いらんて、小麦さ、そのまま貰っても小麦粉に変えられんて、その代わり、
週末… いつもの頼むな…」

「了解です!」そう答えるとおじさんは満足気にうなずき、「またな…」と言って
トラックによじ登り、独特のエンジン音と共に立ち去って行った。

『おっと、俺も帰ろう』とトラックに乗ろうとした時、「帰ってきちゃった!」
なんとそこに立っていたのは、田舎暮らしが嫌で都会に出て行った亜紀だった。
  ...「帰って来たか! …」 ...「うん!」
0229ジョン・スミス
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2022/06/07(火) 08:42:57.36ID:e3eAmu8b
「怜子」

「美恵子お帰り…」「ねぇ、どうだった?! こっちと違って、色んなこと
あったんでしょ… 東京じゃ!?」「同じよ! 何処で暮らそうと一年は一年、
そんなに変わったことなんてないわよ…」「それで、どうしたの? 毎日ちゃんと
仕事しているの?」

「当たり前じゃない! 私の勤めるマック青山店なんか、毎日、有名人が来るんだよ。
別に、○○だからって、特別扱いはしないわよ。私たちにとっちゃ、ただのお客。
一介のタレントにすぎないのよ…」「で、誘われたの?… ええっ!? 本当なの!?」
「嘘ォ!?…」「凄ーい…!」「で、デートをOKしたの…?!」

「断ったわよ!… 趣味じゃないもん!」「ええっ!… やだぁ、もったいない!
どうして…?!」「じゃあ、その話は、それで終わっちゃうの?!… つまんないなぁ〜」

私は年に一度、東京での見栄の作り話を女友達数人に、喋る為に、ここ(田舎)に帰って来る。
...まるで、自分の一年の出来事を話すように......

東京での自分を語れば、あまりにも惨めになる...
…ファーストフード店のキッチンで、毎日が同じことの繰り返し…
何一つ、変わったことなんて起こらない。

「じゃあ、明日、迎えに行くね!」
「今年は、私の彼の車あるから、大丈夫よ。(* ̄▽ ̄)フフフッ♪」

「怜子、恋人が出来たの!?…」
「へへへ... 笑わないでね。 ダッサイ男なんだ! てへへ…」
「笑わないわよ! …誰?!…」

怜子の代わりにめぐみが、
「ほら、美沙も知ってるでしょ! シ・ン・ゴ… !!、 ねぇ、怜子!」

- " 慎吾!? " - ... " あの慎吾 " ...

...「じゃあ、明日ね!…」と彼女三人と別れる.........
0230ジョン・スミス
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2022/06/07(火) 09:08:46.85ID:e3eAmu8b
>>229
末尾
彼女三人  ×
彼女ら三人 〇
0231ジョン・スミス
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2022/06/08(水) 08:31:24.88ID:T9OyZszS
「背広の下のロックンロール」前編

【あなたは何によって人を評価しますか?! 美しさですか? 職業ですか?
血筋ですか? 貴方には優しい言葉をかけてくれる人がいますか? ...】

「あ!、あれっ…?!」 …いけない電車を間違えちゃった…
『うん、もう… 電車が行っちゃった... 何やってんの… 私ときたら…』
女性誌「女の自立」に夢中になりすぎて間違えちゃった。

駅員に「すみません! 次の下りは何時ですか?!…」「30分後です。それが、
終電になりますので乗り遅れないでください!」「は、はい!」プラットフォームの
ベンチに腰掛け、再び女性誌の続きを見ていると、背中合わせに " ドン! " と中年の
酔っぱらったサラリーマンが腰かけた。

「ヒック、ヒック…」…頭来るなぁ、ベタついて乱れた髪、首が締まらなくなったワイシャツ、
二重結びのネクタイ… 多分、ツータックのズボンなんか、一本も持っていないに違いないと
思っていたら、 " ゲーッ、ゲーッ… " と吐いている…   - " もう最低! " -

次の日の休みの日、同僚が入院している病院にお見舞いに行って「そして最後に " ゲーッ…!" って吐いてるのよ。
あんな男と一緒にいる奥さんて、どんな気持ちで生活しているんだろうね。きっと、海外旅行なんて、新婚旅行の時だけよ。
それも多分、ハワイ…」「ごめんね恭子。私の仕事まで押し付けられて、疲れていない。そんな途中の駅で突然、

降りちゃったなんて…」「そんなこと気にしないで、早く良くなってよ。そろそろ冬のボーナスよ。冬休みの海外旅行の
プラン立てなきゃね! これどうかな…」「カナダでスキーかあ、私たちの旅行も来るとこまで来たって感じね…」
「六年前、セブ島、スキューバダイビングツアーから始まってアメリカ、ヨーロッパに、今年のオーストラリア… よく回ったわよね…」
「そうねぇ、私たち貯金ないの当然ね…」「そうね、ハハハ…」「アハハハ… じゃあ、また来週来るね! バーイ…」
0232ジョン・スミス
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2022/06/08(水) 09:19:04.12ID:T9OyZszS
「背広の下のロックンロール」後編

翌日会社に行くと、入院している彼女に代わり新人が配置転換になっていた。
知らなかった。一流企業の社員て何があっても保証されると思っていたけど、
うちの会社、三か月入院すると、どんな配置転換されても文句言えないんだ。

それに半年以上になると、給料までカットされるなんて初めて知った。
同僚の男性社員にそれを言うと「そんなことも知らないの?!」「知ってた?!」
「もちろん! 当たり前だろ。こちらは君らと違って、家族と住宅ローンがある。
そんなノー天気で生きてない…」

そっか、入院している川島さんが駄目なら、川島さんの代わりに入ったこの子と一緒に
行っていいもん!と新人の子をさっそく誘う。「貴方、海外旅行、行くでしょ… 当然よね!」
「私、行きませんよ!」「あらっ、どうして…?!」「だって、OLの団体ツアーなんて、
農協のお上りさんと全く同じですから… 要するに、旅行会社と航空会社のカモでしょ…」

「え!、でも、素敵よ! 海外旅行って一生の思い出になるわ…」「自分の人生ですから、
自分の思い出は自分で演出します!」「そ、そんなこと言ったって、中々一人じゃ…」
「ガールズバンドやってるんです! 他の会社のOL達と、仕事が終わると毎日歌っているんです…」
「貴方、歌手になりたいわけ…?!」「いいえ、好きだからやっているんです。ただそれだけですよ…」

仕事が終わり、更衣室で着替えていると「アハハハハ… それはおかしいでしょ…」「でしょ… もう、
典型的な思い出作り症候群よ。いきなり海外旅行って素敵よ! 一生の思い出になるわだってさ… 
ワハハハ…」「プーッ…」「うちの課にもいるわよ! 言うこと全て例の女性誌【女の自立】の通りに
生きてるの…」「うちなんか、あの手の雑誌に出てくる店でしか食事しないのが…」

「全て、他人に決めてもらって喜んでいるんだもの…」「流行を人に決めてもらって、もう電車の行き帰りに
必死で、目を皿のようにして読んでいるんじゃないの… アハハハハ…」「キャハハハハハハ…」

私が、すぐ裏のロッカーにいることも知らずに... 彼女らが帰った後、私もロッカーを後にする。
そして帰りの駅のプラットフォームの椅子に腰かける。  " ドン!" とまた例のくたびれたサラリーマンの姿が…

今日も酔っぱらっていた。ベトついた乱れた髪、首が締まらなくなったワイシャツ、二重結びのネクタイ…
そしてバーゲンで買った替えズボン付き背広… 家族の為に、生きているんだなぁ...

...生き方ってカタチ、スタイルじゃないのね......
0233ジョン・スミス
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2022/06/08(水) 13:44:09.03ID:T9OyZszS
>>232
末尾追加
…海外旅行に行かなくても、家族の思い出が、ぎっしり詰まっているんだろうな…
0234ジョン・スミス
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2022/06/09(木) 19:46:44.07ID:pxBWg+KB
「傾斜」

私の家の近所は坂道が多い。その中でも一際長く高い坂道があって、
上に着くと、更に階段がある。その階段を登ると、鉄棒と砂場と滑り台が
あるだけの小さな公園がある。そこがその坂道の頂上。

今私が居るところだ。街の風景を見渡せるこの場所は私のお気に入りの場所の一つだった。

春にはタンポポや桜が咲き、花の匂いに囲まれたこの坂道。
夏は暑くて大変だけど、今の季節は、ポカポカ暖かくて心地良くて風が髪を掠めていく…

傾斜10度はあるその坂道を、紫色の風呂敷包みを手に持った腰の曲がった
おばあちゃんが少しずつ少しずつ登っていた。苦しそうに草履を横滑りしながらも登っていた。
そしてやっと登り終えたおばあちゃんの姿を見て安心した。

そのおばあちゃんの顔を見て… 誰かに似ているなぁ〜 
「誰だろう?! … あっ! そうだ! 思い出した…!」
そういえば、うちの近所には、昔、近所でも仲が悪い嫁と姑一家が住んでいた。
 ...その姑さんに似ていたのだった......

気が強い姑さんとそれに負けない嫁さん。お互い文句をポンポン言い合う様な関係だった。
ある日、とうとう姑さんが病に倒れた。姑さんは「あんたの世話にはならんよ! あっちへ行け!!」

嫁さんは「ハイハイ、うるさいよ! 黙って、言う事を聞いてりゃいいんだよ!」と
嫁さんも負けじに言い合う。お互い譲らない。でも、そんな姑さんのことを
一番理解していたのは嫁さんだった。

近所の姑さんの仲間うちでは「全くきつい嫁だよ。あれじゃ○○さんが可哀想だ…」
そんな中、嫁さんは一生懸命に介護したんだけど、姑さんが亡くなった後、一通の手紙が出て来た。

「○○(嫁の夫=息子)へ、○○(嫁)を大事にするんだよ。私は多分、もう駄目だろうから、
あんまり働き過ぎないように言ってくれ、くれぐれも身体を大事にするようにな。
嫁とあんなに喧嘩出来たのは嬉しかったよ。あんなに出来た嫁を貰ったお前は幸せ者だよ。

○○(嫁)がお前を選んでくれたことは、私の育て方が間違っていなかった証拠だよ。
ババア孝行してくれた○○(嫁)へ、今まで本当にありがとう...」
その嫁さんは、私にその手紙を見せてくれながら、涙を滲ませて色々と語ってくれた。
 ――― 義母と嫁、同居五十年、親子以上の何かが生まれていた ーーー

...としをとるのはステキなことです そうじゃないですか......
0235ジョン・スミス
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2022/06/10(金) 09:44:42.05ID:ysxbAbEv
「バラ色の未来」

- " 目が覚めた! " -  …枕元の時計は4:30を指していた…

この世の全部が一日を始める前の準備をしているみたいな静けさ...
この一年、大学を卒業してから、色々あった...
社会の理不尽さ… 自分の無力さ… 周りとの空気感との違い...

知らない人たちとの複雑な関わりが、僕の頭の中をぐちゃぐちゃにかき回した。
器用に上手く立ち回れない自分に嫌気がさし、嫌いになる自分がいた。

...窓から見下ろす、4時半過ぎの外の景色場全てが青かった......
  …絵の具が滲んだみたいに街の風景も、空も薄っすらと青い…
窓を開けると、夜明け前の冷たい風が入ってくる...

東の空は段々と白く光り始めていた。もうすぐいつもの日常が戻って来る。

何気なく机の引き出しを開け、ごちゃごちゃになった
机の引き出しを整理していると、
――― 古い日記帳が奥から出て来た ー

『たとえ、未来が、どんな未来であろうと、しっかりと生きていく。もう迷いはない。
ただ輝かしい未来を信じて、そんな未来を進んでいこう… 失敗を恐れちゃいけない。
失敗を恐れるばかりで、怖がって進めなかった道も、いざ進んでみたら大丈夫だった。

自分に自信がないから、失敗するんだ! 弱い意志のままだと、いつまで経っても、
先へは進めない…  どうせ未来を目指して行くしかないのさ…』

…そこには自分を鼓舞し、未だ先の見えない…
   ー 不安を払拭しようとする自分、明るい未来を信じて生きてきた自分がいた ー
0236ジョン・スミス
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2022/06/10(金) 09:54:11.35ID:ysxbAbEv
テスト
0237ジョン・スミス
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2022/06/10(金) 09:54:36.39ID:ysxbAbEv
誤字修正が出来ない
0238ジョン・スミス
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2022/06/10(金) 10:03:08.92ID:ysxbAbEv
誤字訂正が出来ない。規制が入る? わからない(。´・ω・)?
0239ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/10(金) 10:05:51.64ID:ysxbAbEv
誤字の訂正がもう出来なくなった。こんなことってある?(。´・ω・)?
0240ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/10(金) 10:15:35.30ID:ysxbAbEv
7行目「外の景色は」に訂正
0241ジョン・スミス
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2022/06/10(金) 16:35:08.20ID:ysxbAbEv
てすと
0242ジョン・スミス
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2022/06/11(土) 07:09:06.11ID:qbBbrSNv
「空がある限り」

カスピ海に面するアゼルバイジャン。日本人にはあまりなじみがない国。
その首都バグ―は、国の東端の半島に位置する都市。かっては、シルクロードの
街として栄え、商人たちで賑わった旧市街は世界遺産にも登録されている。

ペルシャ語で風の街を意味し、 …今日も強い風が吹く… … …
バグ―はコーカサスのジョージア、アルメニアを含めた三か国の中でも最大の都市で、
大きな港町でもある。コーカサスの三か国の中で唯一のイスラム国でもある。

バグ―は、かって二重の城壁で囲まれた街だったが、今では12世紀末に造られた内壁だけが残る。
そんな旧市街は、イチェリ・シェヘルと呼ばれ歴史的にも貴重な見どころが集まっているため、
バグ―観光では外せない場所にもなっている。

この地域は古来、南はペルシャ、ゾロアスター教の遺跡が残り、西はギリシア、ローマ時代の
ビザンティンの影響を受けて来た。今では、石油と天然ガスが豊富で第二のドバイと言われ、
オイルマネーで潤うバグ―のシンボル、超近代的なフレームタワーが旧市街を見下ろすように
聳え立つ。夕暮れになると、ビルに炎が投影される。夜になると " これはまさに圧巻だ! " 

そんなバグ―を、夫がアゼルバイジャン人で日本人旅行者相手に観光ガイド、通訳をしている
女性と歩いていた。独立直前にソ連軍の介入があり、市民に犠牲者が出たと言う。
ソ連軍が放った銃弾の跡が王宮の壁に残っていた。

「アゼルバイジャンにはナゴルノ・カラバコフなど紛争が起きている地域があります。そのような
地域を訪れてしまうと紛争に巻き込まれてしまう可能性があるので注意してください」と言う。

とてもやんちゃな六歳半の息子がいると言う話もしてくれた。ここが好きだと言う。
この街が好きだと言う。そんな観光ガイドで通訳をしてくれている日本人女性の話を
聞きながら、夕暮れ近くなった街を歩いていた。

どんないきさつがあって、日本から遠く離れたこの地、アゼルバイジャンに来て
住むことになったのか、色々とその女性の人生が少し気になった...... 

 ...人には様々な事情があり、それぞれの人生ドラマがある.........
0243ジョン・スミス
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2022/06/12(日) 07:07:27.92ID:i4/XtpJB
「進化樹」

私は父が嫌いです。最低の人間だと思っています。この人を見ていると、いつも母の
ことを思い出してしまう。私はよく母に連れられて多摩川の土手をよく歩いた。
幼かった私は事情が良く分からなかったけど、母の悲しみは私に伝わった......

浮気はするわ… 家にお金は入れないわ… 好き勝手な生き方をしていた父が許せなかった。
そんな父を兄から頼まれて仕方なく預かった。仕事帰りに付き合っている彼と食事...
…私がこの年まで結婚しなかった原因に、もしかしたら父の存在があったのかもしれない…

「そろそろ帰るわ。時間だもの…」マンションに帰ると管理人さんと住人のママさん達が
「冗談じゃないわよ! 全く… だからさ、管理人さんから言ってよ!」「あ、若林さん!
お宅のお父さん、何とか、なりませんかね…」「え?!…」ママさんが「お宅のお父様、

このマンションの子供たちを捕まえては、やれ行儀が悪いだの、挨拶が出来ていないだの、
やたらとお説教をするんですのよ。お説教だけならいいんですけど、ほっぺをつねられて、
すっかり怯えてしまって…」「うちの子も言葉使いが、なってないって、頭を叩かれたと
言うんです…」「どうもすみません! 申し訳ございません…」と、住人のママさん達と
管理人さんに頭を下げた。

マンションの自宅に戻るなり、「お父さん! どういうつもりよ!!! 近所の子供たちに説教する資格が、
お父さんのどこにあるのよ!!」「何だそんなことか、どうせ自分達の躾の悪さを棚に上げてワシが、
怒った事ばかり責めとるんだろう。全く、親がそんな調子だから子供がダメになる…」

「お父さん! 何故、私が商業高校へ行ったか分かる…?!」「何だ、突然…!」「家に大学行くお金が
ないと思ったから、卒業してすぐ就職に有利な商業高校へ入ったのよ! 家はいつも貧乏たったでしょ。
何故、貧乏だったかは、お父さんが良く知っているわよね…」「…」「お父さんが家にお金を一銭も
入れないどころか、お母さんの働いたお金まで持ち出して、他に女を作って遊びまわっていたからよ!!

お母さんや私達を泣かせて、あなたは好き勝手に生きて来た。そのあなたが、どうして親の躾がなって
いないなんて、言えるわけよ!!」私は、早速、兄夫婦から預かった父を引き取ってもらおうと、
父を連れて兄夫婦の家に行くと、「ふざけんなよ!!!」という怒鳴り声が聞こえる。

「自分の息子はバカだから、どの会社にも受からず、家で惨めたらしくしていますって言ったのかよ!!」
「お父さんは、そんなこと言っていないわ! 息子の身体の調子が良くないと言っただけよ…」
暴れる息子を必死で兄夫婦が止めていた。「そんなわけねーだろ! 俺が遊ぶ金をサラ金から借りたこと
話したんだろ!」物凄い勢いで暴れている。息子の家庭内暴力だった。

父が私の手を掴み「危ないから、ほっときなさい。ああなると見境がつかん! いいからお前は帰りなさい…」
「お兄さんの家庭が、どうしてこんなことに…?!」「当たり前のことだ。子供を甘やかしたことと、子供は
親を見て育つ。特に男の子は、甘やかしてはならん!」

帰りの電車の中… 「ママーっ! きついよ!」と子供が言う。隣に座っていた父が「こらっ! きつかったら
立っていなさい! 君は、後から乗ったんだから、それくらいのことはわかるだろ…」とその子に言うと、
「どけよ! じじい!」と小さい足で父を蹴飛ばす!…「こらっ! まだわからんか!」と父が、その子の頭を

小突くと泣き出した。それを見たその子の母親が「何すんのよ!」父は「子供が可哀そうです。どんな立派な
教育を受けさせようと、この子はダメな人間になる。甘やかすことと、愛情は別です。はき違えてはいませんか?!」
…この人は父として、自分の人生を取り戻そうとしているのではないだろうかと、ふと、思った...

母や子供を愛して、生きてこなかったことを後悔しているのだと思った。父親としての役割をしてこなかった
自分に対して怒っているのだと思った。人に偉そうなこと言えるような完璧な人間なんていない。

こうやって生きていることが、生きるための術であり、学びなんだと言うことに気付いた。
人生、生きている間、常に学びなんだと… 生きること全てが、学びなんだと言うことを...

...人はなんて幼いのだろう 転ばなければわからない.........
0244ジョン・スミス
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2022/06/13(月) 08:38:31.22ID:5C1DuFxk
「雨...」

ザーザーーー ザーザーーーーーー

雨...  「雨か...」
…いつの間にか降っていた...
窓を開けた私の顔にも、雨粒が降り掛かって来る。
窓を閉めても、 …雨の流れる音がする…

よく見ると、遠くの空が光っている。 …あまりにも激しい雨音…
時折、遠くに聞こえる雷… - " ピカッ! " - … " ゴロゴロゴロ " ・・・ …

…雨が窓ガラスを強く打ちつける…  …殴りつけるような雨…

…凄まじい響きを立てて窓を打つ雨の響き、雨音…  …時間と共に、あんなに激しかった...
にわか雨の雨音が、いつしか心に染み入るように静かに降る小降りになっていた.........

机の引き出しを整理していると、机の引き出しの奥から、当時、大好きだった人との写真が出て来た。
そこには、 ...あの頃の二人の幸せそうな笑顔が映っていた.........

…あの日も雨だった...あの日の雨はこんな夕立のような激しい雨ではなく、小糠雨だった...
低い雲が垂れ込めて視界が茶色く煙り、しとしとと音もなく降り続ける細かな雨模様だった...

…あの頃の手が届きそうで届かなかった恋… ただ胸を締め付ける思いだけが残る...

「そう、騙したのは私… ずるい女だと思うでしょ。貴方には帰るところがあるけど… 
私にはないの…」「君が分からない! 何故なんだ…?!」「さようなら...」
「ちょ、ちよっと、まってくれ…!?」「ごめんなさい…」 ......

そうよ 騙したのは私 心こわれたのは貴方 どうせあなたも嘘つきな旅人と思ってたのよ
裏切られた思い出に いつか覚えた氷芝居 寂しがり屋の貴方には それが一番の仕打ちだった

生まれてはじめて会う人が 貴方ならよかったけれど 裏切られ過ぎて 私は今更、素顔になれない
こわれた心を抱えて貴方は優しい人に出逢う 幸せになってゆくなら 何にも言えやしないけど

今でも、雨が降ると時折、思い出す… あの雨の日の孤独な佇まいの貴方...
…私が壊して自然消滅した恋... もう一度、貴方に会いたい...

貴方がこんなに 愛しい… あの頃の貴方に… 冷たい雨、雨、雨、雨......
...私をあの頃に連れて戻って... ... ...
0245ジョン・スミス
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2022/06/14(火) 07:42:48.45ID:1PpTGC7b
「小さき負傷者たちの為に」

駐車場に住んでいた地域猫が、矢で刺さったような穴が開く怪我を負った状態で
見つかった。その駐車場は○○湾のすぐ近く、人気のない場所だが、猫好きの人達に
見守られて暮らしていた。そんな時、起きた事件だった。近くのお弁当屋さんから

怪我しているとの連絡が入り、駆け付けると、肩の内側に2センチ大ぐらいの深くて
丸い傷があった。早速、動物病院に連れて行くと獣医が「ほっておいたら前足切断か、
下手したら死んでいた」と言うほどの傷だった。傘の先で突かれたり、ボーガンの
矢で撃たれたような人為的な穴だと言われた。入院治療のかいもあり順調に回復した。

こういう動物虐待もそうだが、最近は我が子を虐待する親が増えていると言う。子供にとって
親は絶対的権力者である。祖父母が居た大家族と違い今は核家族、一人っ子が多い。一人っ子が
増えれば子供は両親の前で抗弁するのさえ難しい。ストレス社会の現代、どんな親も子供に当たる
毒親なる可能性は十分にある。ある関東に住む30歳の女性の幼い頃の辛い体験を聞かせてもらった。

『私が三歳くらいの頃だった。パパはママの再婚相手だった。私がジュースをこぼしたり、
きちんとフォークやスプーンが使えないとパパがビンタ。私の腕に煙草を押し当てた。
「ギャー!」って悲鳴を上げたらパパがケラケラ笑ってる。パパが「何で使えないの? 犬か? 
だったらこうやって喰え!」と髪の毛を引っ張って、お皿に顔を押し付けて食べさせられた。

ママは「笑える。ワンって言ってみな!」って髪の毛を引っ張って頬を抓る。痛くて怖くて
早くやめてほしくて「ワン!」と言ったら、「こいつ、ワンって言ったよ!」と笑う二人。
それから私の食事は床に置かれた。スプーンやフォークは渡されず、手づかみで食べようと
するとパパは怒る! パパは「お前は犬。口で食え…」髪の毛を引っ張られて、お皿に顔を

押し当てられた。顔の周りや服も汚れた。パパが「汚ねぇな、しかも臭せぇし…」って
私の髪を引っ張ってお風呂場に連れて行き、冷たい水のシャワーで私の髪を濡らした。
冷たくて「やめて!」って叫ぶと、「ギャーギャーうるせぇよ、汚い顔して泣きゃがって黙れ!」って
お風呂に私の顔を沈めた。苦しくてもがいて顔を上げ、泣き声を上げたら、また沈められた。

「お前は臭い。汚いんだよ。綺麗にしてやってんだよ。ありがたいと思えよ。クソが!…」
どのくらい経ったのか… 意識を失って、気が付くと親戚のおばさんの顔が目の前に…
あまりにも悲痛な幼い子供の叫びが響き渡り、ご近所の人が警察を呼んでくれた。

叔母が駆け付けてくれて、中々家に入れようとしない両親を振り切り、私を探し周り、
見つけて愕然としたと言う。その後、おばあちゃんのところに引き取られた。
その後、成人するまで育ててくれたおばあちゃんが、入院先で息を引き取る直前、

「パパとママを怨んじゃダメ。怨むなら、おばあちゃんを怨みなさい!…」と言った。
大好きなおばあちゃんを怨みたくない。悲しませたくない。ただそれだけの気持ちで
生きて来たと言う。戦後、高度経済成長と共に核家族化が急速に進展したと言われる。

都市化、核家族化によって、児童虐待の増加が深刻化しているとして2000年に児童虐待防止法が
制定される。どの家庭でも虐待は起こり得ると言う認識のもとに対策が行われ出したと言う。

幼児虐待は核家族が起こした問題点と言うよりは、大人になり切れない若い親の、
...親として子供を育てるという意識や自覚の欠如にあると思う......
   最大の問題点は、血の繋がった親子ほど幼い子の傷は深くなるところだ。
0246ジョン・スミス
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2022/06/15(水) 09:08:07.59ID:WTynmkr/
「C.Q.」

...僕はコンビニで働いて三年目になっていた......
いつも来る小さな男の子がいた。その子は生まれつき目が見えないらしく、
白い杖をつき母親と一緒に週に二、三度うちに来るお客さんだった...

ある日、その子が一人で入口の前に立っていた。入り口のドアが引くタイプの
ドアだったので、僕はドアを開けようとした。

その瞬間、同学年らしき悪ガキ二人が、「お前さ、目が見えねぇんだろ?! 
素直に、親帰ってくるまで、おとなしく留守番でもしてろよ。バカだなぁー」と、
そんなこと言っていた。

さすがの僕も、障害を持った人間に冷たくする人間は許せなかった。
この悪ガキどもに説教しようと、入り口に向かったその時、悪ガキの片方が
「ほら、先に入れよ。ドア開けといてやるからよ…」と言って、
その子の手をとり「何買いに来たんだ?!」と二人組の片方が尋ねると、

その子は「お母さんが、すごい熱を出しているんだ! だから水枕に入れる氷買いに来たの…」
「ああ、そっか、いいよ。俺が出しといてやる!」と言い、レジまで氷を持って来て
「これいくら?」と聞いてきたので「398円です」と言うと、「お前、あるか…?!」
「だいじょうぶ… ある。あるよ!…」と二人は小銭を確認しあっていた。

二人で小銭を出し合いテーブルの上に置き会計を済ますと、
「お前の、家どこ?!」「○○丁目の○○の隣…」「あっ、そこなら知ってる…」
二人の片方が氷を持ち、もう片方は、その子の手をとり手を繋いで帰っていった。

...僕はその可愛らしい姿の小さな子供たちの背中を見送った......
0247ジョン・スミス
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2022/06/16(木) 08:03:50.17ID:L5tSe6Zs
「涙-Made in tears-」

店の前には公園があり、夕方になると公園のベンチに
二十歳くらいの若い女性が座ってサンドイッチを食べていました。

お昼時なら若いOLが賑やかに談笑している光景をよく目にする。
そんな中、いつも夕方になると、同じ時間にベンチでサンドイッチを食べている
若い女性が気になっていました......

...ある小雨の日、多くの人が傘を持って通りすぎる中......
いつものようにベンチにいる女性を見かけると、その女性は泣いていました。

...サンドイッチの入った紙袋は小雨で濡れていた......
その若い女性から見ると、決して若くはない私は、思い切って声を掛けました。

「お嬢さん、サンドイッチが濡れますよ。どうしたんですか…?!」
話を聞くと、愛していた人を交通事故で亡くしたというのです。
葬式にも呼んでもらえなかったという女性...

私は慌てて、「素敵なお顔が台無しになりますよ…」と言いました。
するとその女性は、「貴方に私の何がわかるの… 何も知らないくせに...」

その女性のきつい言葉に私は、「わかりません! 僕には何もわかりません。でも、夕方、この公園で、
ここ二週間と今、お見かけしていた貴方は、素敵な人に見えたということだけは... そのことだけは、
無礼を承知で言わせてください! 人生とは、そういうものです。思うようにいかないのが人生...
泣かないでください... 時が解決します。いつか、笑って話せる日が来ますよ...」
 
0248ジョン・スミス
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2022/06/16(木) 12:48:04.93ID:L5tSe6Zs
「涙-Made in tears−」

…忘れようと心決めた… 
もう所詮、終わってしまった恋...

…近くで賑やかに燥ぐ子供たちの声が飛び交う… それを見守る親たちで賑わう公園があった。

その公園の近くの喫茶店にいた。…少し前まで、あれほど子供たちの歓声で賑やかだった公園…
子連れママたちがいなくなった公園。 …夕方になり、ひっそり静まりかえった公園...
そして見渡すと、その公園のすぐ傍を通る道の人通りがめっきり減った公園通り......

その公園通りにある見た目が派手なケバい喫茶店。まるで、あの頃の自分のようだった...
見栄え、体裁を繕うことに一生懸命だったあの頃の私… 見た目だけを取り繕って生きていた。
彼に合わせて頑張り、背伸びをして、できる女を演じていた。一度メッキが剥がれて
しまえば一気にボロが出る。そんな安っぽい女だった。

それを隠すために、高価な洋服に身を包み、バッグも高価なものを選び、
身に着けるアクセサリーも高価なもの靴も車も豪華な物にこだわっていた...

いくら豪華な物で身の回りを埋め尽くし、見た目を華やかにしても中身は高が知れてる。
そんな虚飾にまみれた世界で生きていた。「今頃、どこでどうしているのだろうか...」

私も彼も見栄を張り背伸びをしていた。外観を飾ることに精一杯で中身がなかった。
周りを意識して、見た目や、他人によく見られようとうわべの体裁ばかりを考えて
生きていた...

決して男運ば悪くはなかったと思う... あんないい人いなかった。
人間的には決して悪い人ではなかった。人が良くてお調子者。ただ心が軽かった。

この街も出会った頃は、さえない街だったのに、都市開発が進み、ここも一気に
綺麗なビルに変わった。彼と出会ったあの頃は、ちょうどバブル期の真っ只中で、
都市開発、都市再開発でビル建築ブームに沸いていた。

…猫も杓子も、世の中全体がバブルに浮かれる… そんな時代だった...
0249ジョン・スミス
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2022/06/17(金) 07:23:09.95ID:ANGF5Ila
「結婚」

公園でうちの子とたまたま遊んでいた男の子。
息子と同い年の六歳くらいの子だった。
...最初は、その光景を微笑ましく見ていたのですが......

その男の子は、じゃんけんをすれば自分が勝つまでうちの子に難癖付けてやり直し。
どうしても思い通りにならないと大泣き! 親は一緒にいましたが、この行動には
何も言いません! たまにこのようなトラブルになるのは理解出来ますが、
二時間近く遊んで、ずっとこんな調子でした。

「ぼくは、おまえと、けっこんするぞ!」と、うちの子が言うので、私はビックリ?!
驚いて、それは出来ないことなのよと私は論じた。
そしたら、幼い二人は、「どうして?! けっこんできないとおもうのさ…」と、
口を尖らせて言う!

私は、ふと、思い当たった! もしかしてお前! 「決闘と言いたいの… ?!」
幼い二人の男の子は、「そうだよ!!」と口をそろえ胸をそらして言う!

翌日、私はオフィスで、その話を職場の同僚でもある若いOL達みんなに話していた。
その場にいた年配の社員の一人が、「結婚と決闘かぁ〜 同じ場合もある…」と意味深な発言をした。
その話を聞いた周りのみんなは、し〜んとなってしまった......
私も話を途中でやめてしまった。

「みんな... しらけた… ?! …お呼びでない?! ...お呼びでないね、ね、、、
こりゃあ! また失礼しました!!… しらけ鳥… とんでゆく南の空へ… みじめ… みじめ…」と、
後ずさりしていく... いつものおちゃらけ原田さんに戻る姿に...

「何よ… ! あれっ… ?!」と若いOLの一人が指差し…  " みんなは大笑い! "
0250ジョン・スミス
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2022/06/18(土) 07:17:44.58ID:SBsqTlKZ
「忘れな草をもう一度」前編

僕がお寺の境内を竹ぼうきで掃除している時、女の子が立っていた。
「なんだ、おまえ…」と聞くと、その4歳くらいの女の子が「おかあさんが
なくなっちゃった…」と住職あての手紙を持って立っていた...

…それが彼女との最初の出会いだった… 当時の僕と二つ違いだった。当時、お寺の住職が
身寄りのない子供達を引き取って育てていると話題になりマスコミ関係が取材に来ていた。

「お忙しい所、長々とお邪魔しました。ありがとうございました」「いやいや、大げさに
書かないでくださいよ。困りますから、大したことしているわけじゃないですから。
いや、本当に当たり前のことをしているに過ぎないですから。ワハハハ…」

「いや、とんでもありません! いくら住職でも、身寄りのない子供達を引き取って
育てるなんて並大抵の事じゃ出来ません。このお助け寺の事を書かせてもらいます」
そう言って取材は終わり帰っていった。

僕が寺の廊下を雑巾がけしていると「馬鹿者! 何だ! その拭き方は! もっと命がけでやらんかい!
ここに来なければ所詮、野良犬のように果てる運命だったんだぞ! 何だぁ! その目は! もっと
素直にならんか! もっと素直に…!」今思えば、此処の子供達は、体のいい下働きだった。

その様子を覗いていた来たばっかしの女の子とその後、親しくなる。「おにいちゃん! これ…」
「だいじょうぶか、だいどころのさとうをぬすんだりして…」「だいじょうぶ、おしょうさん、
ケチだから、ほかのは、まいにちしらべるけど、さとうのりょうまでしらべないの…」

「うまい! ちず、おまえもなめてみろ…」「おいしい!」…僕らはいつもひもじかった…
あの頃は、甘いものと言えば砂糖くらいしかなかった。それは切ないほど甘く… 
雪のように白く… 口の中に入って、一瞬のうちに溶けていった...。

「おにいちゃん、どうしたの… このあざ?!」「おしょうさんにせっかんされたんだ…」
「...おにいちゃん! おおきくなったら、きっと、えらいひとになるよね…」
「え、どうして…?!」「そうなってほしいんだ! おにいちゃんなら、きっとなる。
そしたら、そのとき、ちずをおよめさんにしてね!」「うん!」…照れながら頷く…

...それから一年後、ちずは養女として、どこかへ貰われていった......
その後、他の仲間達も寺を巣立っていった。他の仲間達はどうなったかは知らなかった...
0251ジョン・スミス
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2022/06/18(土) 08:09:07.06ID:SBsqTlKZ
「忘れな草をもう一度」後編

その後、和尚さんは工場勤めしている俺の所によく訪ねて来ては金を無心して
いくようになった。俺は和尚に、お世話になったという気持ちが強くて自分でも
あきれるほど素直だった。それもしようがないと思った。

しかし、それにも限度と言うものがある。ある日、思い切って和尚に言った。
「和尚、もう縁を切りたいんです。自由にしてください。誰にも束縛されない生活がしたいんです」
「分かった。じゃあ、二百万、用意しろ。それですべてを清算しようじゃないか。
俺も忙しい。しょっちゅう、こんな端金集金しに、ここに来るわけにもいかんのだ…」

- " 二百万円! " -  当時の俺にとっては大金だった。すぐに用意できる金でもなかった。
今となっては何とか工面すれば何とかなったかもしれないが、当時の俺はいろんな手段、
方法を考えるほど頭が回らなかったと言うか、…当時の俺は破局を望んで銀行強盗を
思いついたのかもしれない… 犬畜生として終わることを望んでいたのかもしれない… 

そして、ついに銀行強盗をしてしまった。銀行員を脅し金を奪い即逃げたが、警察に通報され、
パトカーに追われ、近くのラーメン屋に逃げ込んだ。逃げ切れずに、此処のラーメン屋の店員の女を
人質に二階に立て籠っていた。「出てきなさい! 周りは既に包囲されている。これ以上、罪を

重ねるのはよしなさい!人質を解放して、すぐ出てきなさい! お前が刺したガードマンは、
幸い軽い怪我で済んだ。今出てくれば罪もそんなには重くはない。だから、すぐ出てきなさい!!」
「近づくな!! これ以上! 近づくと、この女を殺すぞ!!」

人質に取っているラーメン屋の店員の女が「出血が酷いわ! そのままじゃ死んでしまいます…」
「別にいいさ…」「強盗したんでしょ。お金持っているからわかるわ。どうして強盗なんかしたんですか…?!」
「過去の腐れ縁を切る為のお金が必要だった… そんなことより、何か、何か食い物はないか…?!」

「食べ物…?! 砂糖ならあります…」「…砂糖…?!」「私、幼い頃から、掌に砂糖をのせて舐めるのが
楽しみなんです。おかしいですか… ?! …それだけが生きる楽しみだった時を思い出すからです…」

「…?!…」…女が掌に砂糖をのせて俺に差し出した… - " 思い出した ! " - こ、これは、この光景は、
あの時の、あのお寺にいた頃のちず、この女は、まさか、あの時の ちず か、「お、お前…」
「もう一度、巡り合うことだってあるよ…」…ちずは俺の腕の痣に気付いたのだった...

…幼い頃の記憶が...「ちず、おにいちゃんのこと、わすれないよ!」「ちず、ぼくもだよ!」
「おにいちゃんと、もういちど、あえるひがあるよね!」「うん! ちず、なんねんさきになるか、
わからないけど、かならずあえるよ…」「…うん!」
0252ジョン・スミス
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2022/06/19(日) 07:59:53.15ID:HsJCVgAX
「店の名はライフ」

スタイルの良い若い店員が銀のお盆を抱えて、
「いらっしゃいませー」―――

「久しぶりに来たけど…」 …店内をぐるりと見回す…
此処もすっかり変わってしまったなぁ...

… でも店の名は変わってはいなかった …
...あの頃を思い出す.........

…店の名は『ライフ』自転車屋の隣… どんなに酔ってもたどり着けた...
最終電車を逃したと言ってはたむろしていた学生たち...

おかみさんが作るカレーは辛かったけど、…とても旨かった…
 …三階は屋根裏… そして行き止まりの二階でも繰り広げていた運命論、人生論...
抜け道は左にあった安梯子。…あの壁の階段は塗りこめてしまったんだなぁ…
そう、学生時代は、よくみんなで語り合っていた.........

当時、あんなに盛んだった学生運動は途中から過激になり、多くの死傷者を出す結果となり終焉を迎えた。
…終焉を迎え鎮火した学生運動...   ...あの頃の学生運動とは、何だったんだろう...

…その後の政治に無関心な世代だった僕らは...  …世相などには、全く関心が薄く…
何においても熱くなりきれずに、興が冷めた傍観者のように振る舞っていた...

人生論などと言う大げさなものではなく、友人のこととか、恋愛のこととか...
そんなたわいのない話題で、よく徹夜して語り合っていた...。

僕らは皆、恵まれた時代の子供達であることをよく知っていた...
飛びぬけた人生は望まないまでも、ほぼ自分たちの将来を想像することは出来た。

そして誰もが、決まり事の様な人生のレールと言う約束の中で生きていた。
その約束のもとに、僕らは全てを適度にこなして、大人になろうとしていた。

...現実はやはり、想像していた通りのものだった......
全てはこの辺かなと言う適度な判断が出来た。僕らは落ちない為の人生のレールと言う
約束を果たしながら少しずつ歳を重ね、いつしか大人になっていった.........

…通りに面した窓際の席に座り... …過ぎ去った過去を… 懐かしんでいた...
...店内は雰囲気のある心地よいテナーサックスのスロージャズが流れていた...

...この前、久しぶりに学生時代の友人に会った......
「吉田、お前を久しぶりに見た時は、随分と変わっちまったなと思ったけど...
確かに、外見はすっかり変わっちまった。けどな、喋り方は昔から何も変わってはいないな、」

「平木、そんなこと言うお前も、見た目以外、昔のまんまだ! 話し方も、仕草も...
情けないほど、何一つ変わっちゃないな、ワハハハハ…」…そんな思いを巡らせていた...

スタイルの良い若い店員が銀のお盆を抱えて、目の前のテーブルの客に
ー「いらっしゃいませ…」ーーー
0253ジョン・スミス
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2022/06/20(月) 07:38:31.46ID:sM2v4kND
「LADY JANE」

渋谷や新宿と言った中心部から程よく近く、80年代頃からライブハウスや小劇場が、
点在するようになった下北沢。アパレルショップや雑貨店、飲食店などが密集しており、
その不思議な街並みに引き寄せられるように、近年は外国人観光客の姿も多くみられる。

そんなエリアに老舗のジャズバーがある。日々ライブが行われており、生のジャズ
演奏を聴きながらお酒が楽しめる。この店には、亡くなった松田優作さんが常連
だったことはよく知られており、キープしていたと言われるボトルがある。
現在も多くのミュージシャンや、演劇、映画関係者に愛されている。

店内に入ると天井には古き良き時代の映画ポスターが所狭しとひしめき合っている。
壁にはジャズミュージシャンたちの写真が飾られ、カウンター席とテーブル席のある
落ち着いた店内。カウンターの脇にはレコードプレーヤー、その奥の棚には、
古いジャズのレコードが所狭しと並んでいる。

「僕にとってジャズは戦いの音楽。生きる為の心の武器だった。だから、
イーストコーストジャズ、つまり、ブラックジャズしか聴かなかったですね。
映画も映画好きと言うよりも、映画館好きだったんです」とオーナーは言う。

オーナーは大学進学後、演劇部の門を叩き、1960年代のアングラ演劇に魅了される。
そして自らも小劇団を主催。「バイトをしては演劇につぎ込む日々だったが、30歳を
迎えるにあたり、定期収入を得るために、ここにジャズバーをオープンした」と言う。

「ジャズのライブは実験に勝るものは無い思っているから、和楽器奏者や
クラシック奏者など、垣根を越えて色々やって来た」と言う。

「時にはリズム隊なしの編成でジャズをやったり、今では普通の事になっていますけど、
当時はミュージシャンやお客さんに文句を言われることもありましたね」とオーナー。

…間接照明の柔らかな光の中で… グラスを傾け店内に流れるジャズを楽しむ客…
…心地よいジャズが流れている... …絶妙な配置の照明が客を照らす...

ホワイトラムで仕込んだ自家製の梅酒をお湯割りで頂いた。
…湯気と共にラムの香りがふんわりと漂う......
店の雰囲気と酒を楽しみながら、ライブが始まるのを静かに待っことにした。

     老舗ゆえに、様々なエピソードがある「LADY JANE」
0254ジョン・スミス
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2022/06/20(月) 07:42:52.87ID:sM2v4kND
>>253
下から2行目「待つことにした。」に訂正
0255ジョン・スミス
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2022/06/21(火) 07:41:13.42ID:DG5wyBk0
「一夜草」

ある夜、男が愛する女の家を訪ねて彼女の部屋の窓の下に立つ。
プロポーズの為の歌を届ける為だ。低く伸びやかな歌声に気付いた女が、
窓を開けて姿を現した。短いが情熱にあふれたセレナーデ...

最後の一節を歌い終えた男が、もう一度、…同じ歌を繰り返す…
女が一緒に歌い始めれば、それはプロポーズを受ける証。
しかし、歌声は重なることはなく、その代わりに一枚のハンカチがひらひらと舞った…

身に着けている物を投げてよこす… それは拒絶の証。
「私はあなたに、愛される資格なんてないわ!」そう言った女は、
窓辺に寄りかかるように泣き崩れてしまった。

「どうして?! 僕は、こんなにも君を愛している。君はとても、魅力的で愛に満ちあふれた女性だ!」
資格がないなんて言わないで、どうか僕と結婚してくれないか…?!」と部屋の明かりに
向かって膝まづく、祈るような言葉にも、ただ女は頭を振るだけ…
「いいえ、あなたは決して私と結ばれてはいけないのよ…!」

「そんなことはないさ! 君となら僕は、どんな困難状況にも打ち勝つて見せる。
君の望みも叶えて見せる。きっと幸せな家庭を築いていける。一体、僕たちの間に、
どんな障害があると言うんだ?!…」

国内各地で野外イベントが開かれる英国の短い夏。シェイクスピアの時代から
人々に親しまれてきたというオープン・エア・シアターという野外劇場は、気軽に
触れられる芸術のイベントの一つとして人気が高い。

これはロミオとジュリエットの現代版なんだろうなぁ〜と思って夜風に吹かれながら観ていた。
英国の夏と言っても日中に比べ、まだ肌寒い… 防寒具の用意は必要だったなぁ〜と少しは後悔した。
緑豊かに生い茂る美しい樹々に囲まれたロイヤル・パークにオープンしたロンドン最大級の野外劇場。
そんな帰り際、通路脇に健気に咲いていたスミレが劇場の照明に照らされ夜風に揺れていた...

日本では四月から五月頃が開花時期だろうか、まだ咲いていたことに驚く! 中には秋から開花する
ものもあるという。スミレの花言葉は謙虚・誠実・小さな幸せといいヨーロッパでは大変愛されている。
フランスの皇帝ナポレオンはニオイスミレが大好きでエルバ島に追放された時、「スミレが咲く頃には
戻ってくる」と部下の兵士に言い残したという。

オーストリア・ハプスブルク家の最後の皇妃エリザベートは、よくお忍びで城を抜け出し
街のお店でニオイスミレの花の砂糖漬けを買い求めたとか… 音楽家のショパンも砂糖漬け
を浮かべたホットチョコレートを特に好んでいたという。シェイクスピアの『夏の世の夢』では
スミレが媚薬(惚れ薬)として登場する。そんな見た目は可憐なスミレもアスファルト
舗装の割れ目から顔を覗かせるくらい意外と雑草並みの逞しさがある。
0256ジョン・スミス
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2022/06/21(火) 07:46:03.24ID:DG5wyBk0
>>255
14行目「打ち勝って見せる。」に訂正
0257ジョン・スミス
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2022/06/21(火) 08:07:48.53ID:DG5wyBk0
>>255
末尾
夜風に吹かれてセレナーデ... 夜風につられてセレナーデ...
   思わず知らずセレナーデ... 歌えてしまうよセレナーデ...
        罪つくりなセレナーデ...        …今夜の観劇の感想…
0258ジョン・スミス
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2022/06/22(水) 08:47:01.87ID:XGhrpX3C
「ひとり遊び」

…あれはいつの頃だろうか......
僕が未だ幼い頃、そう確か六歳の頃だったと思う...。

近くの原っぱでいつも遊んでいた。夕方になると、
みんなのお母さんが迎えに来るんだけど、日が暮れて夕方過ぎても
誰も迎えに来ない。独楽を回したり、鞠をついたり、影踏み鬼遊びを
しているひとりの女の子がいた......

...いつも気になっていた幼い女の子......

当時の僕より一つ下の五歳くらいだったと思う...
その子の家庭の事情はその頃の幼い僕には何一つわからなかった。
いつも夜遅くまで影踏み鬼のひとり遊びをしていた...

未だ引っ越して来たばかりで、周りの子になじめなかったのか、
それとも、何か、心閉ざすような、心に深い傷があるのか...
いつも、独りぼっちでひとり遊びにふける女の子...

その後、僕は引っ越すことになり、最後に見た光景が...
ーーー 真っ赤に染まった夕焼け空の下... 影踏み鬼のひとり遊び ーーー

…遠く懐かしい記憶の中の幼い少女の姿...
…日が暮れ......... 真っ赤に染まった息をのむほどに美しい夕焼け空の中… 
自分の影を一生懸命に、目に涙をため追いかけていた幼い女の子の姿が...
…心が震えるくらい美しかった...
        今でも...目に焼き付いてはなれない...

...僕の遠い昔の記憶の中にある...... 
    …息をのむほどに...  美しく真っ赤に染まった夕焼け空の背景に溶け込んだ
あの幼い少女の孤独なひとり遊びの姿が、今でも目に焼き付いて離れなかった......
0259ジョン・スミス
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2022/06/23(木) 08:20:23.51ID:rPprvxBK
「砂の船」

付き合って二年目になる彼女がいた。中学からの同級生で同窓会で二年振りの
再会で意気投合し付き合い始めた。彼女のことは好きで、きっと、こいつと、
結婚するんだろうなという思いがあった。

付き合って二年目の夏、「今年も花火、見に行こう! 夏祭りに出かけよう!」と彼女に言っていた。
結婚も現実味を帯び、今年はイベントを使ってプロポーズを考えていた。どんなメッセージがいいか、
喜んでくれるか、どう伝えれば彼女の心に響くのかと悩みに悩みプロポーズする日ギリギリまで考えていた。

やっとプロポーズの言葉も決まり、あとはメッセージ花火に乗せて伝えるだけ…
「彼女は驚くだろうか… 笑うのかな、それとも泣くのかな…?!」
喜んでくれると嬉しいと思いながらプロポーズの日を待った。

プロポーズのの前日の朝、彼女から「今日は友達と遊びに行ってくるね。明日の浴衣を
買いに行ってくるわ! どんなにのしょうかなぁ〜 楽しみにしててね…!」とメールが入った。

俺は想像を膨らませ仕事に出かけた。仕事が終わり帰宅しょうとした時、突然、 " 電話 が鳴った! "
彼女の家族からだった。至急、病院に来てくれという。 " 何で病院…?! " 若干、パニックになった
俺は急いで病院へ向かった。病院の入り口で彼女の家族が待っていた。

「何が、あったんですか?!…」と聞く俺に
「あのね、落ち着いて聞いてね。今日の朝、出かけた後、交通事故にあって、今、意識がないの…
今夜が山と言われて…」…俺は、頭の中が真っ白になった… 急いでICUに向かうと、スヤスヤと眠っている彼女。
その姿を見て、寝ているだけじゃないのか、朝になれば、目を覚ますんじゃないかと思った…

でも、朝になっても目を覚まさない。峠を越えたと思ったが、プロポーズの当日の夜になっても、目を覚まさない…
とうとう意識は戻らず、家族、友人に見守られ彼女は息を引き取った。

花火の時間になり、会場近くだった病院の周りは、人で埋め尽くされていた。 …病院の窓から見える花火…
本当なら、今頃は俺と彼女と友人たちと、この花火を一緒に見ていたはず… 
そう考えながら、外の花火を見ていると...

メッセージ花火の時間になった。会場からアナウンスの声が…
「○○さんから○○さんへ… 至らない俺やけど、これからの人生、俺の横で、ずっと、
その素敵な笑顔を見せてくれ!…」

...そんな俺のプロポーズの言葉と共に花火が打ちあがった.........
0260ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/23(木) 08:24:15.42ID:rPprvxBK
>>259
10行目「プロポーズの前日の朝、」に訂正
0261ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/23(木) 10:53:40.81ID:rPprvxBK
>>259
11行目「どんなのにしょうかなぁ〜」に訂正
0262ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/24(金) 07:33:59.00ID:+ZQf1dMJ
「あり、か」

その日の俺は、バイト先でこき使われていることの不満を
長い付き合いの友人と「聞いてくれよおー それでさぁ〜」
「それで、どうしたんだい…?!」

「…え?! … これもですか?! …ここも、やるんですか?!… 
ふざけんな…! って! …こき使いやがってよー … 
…酷えーよなぁ〜 俺はぁよぉ… それでさぁ〜
 …色々と不満はあったけど、…仕方なく…」ってな具合で
...そんなうっぷんや憂さを昔からの仲間と酒で晴らしていた......

…どのくらい飲んだんだろう… 自分でもわからなくなっていた...
酒に酔うと、痺れて全身の感覚がなくなり気分が高まってくる。

自分でも言うのもなんだが、過去こんなに酒を飲んだという記憶は
なかったように思う...「おい! お前、大丈夫か…?!」

「...大丈夫、 …  だ・い・じ・ょ・う・ぶ…!」
飲み仲間と別れ、千鳥足で繁華街を歩く…
 …飄々朗々として足元が定まらないくらいに酔う…

「踏み倒して、ただで済むと思うな!」としゃがれた声…
表通りのキャバレーから、ぼられた客が店の外に放り出されていた。
ぼったくりバーのお客か...
 …路地裏では猫がやたら大きな鳴き声で鳴いていた…

...意識がもうろうとなるばかり酔いしれる......
肌寒い夜風が酔った肌を心地よく刺激する… アルコールの酔いには、
その時の気分を増幅させる作用がある。適量で止めるつもりが、
つい酔いつぶれるまで飲んでしまった。 …足がもつれてうまく進めない…

...泥酔するほど飲んでしまったことを後悔していた......

 …ふらつく足… ふらつく夜… 含み笑いの夜...
どこから夢... どこまで夢... ねじれた糸が切れる、 

 …夜が回る… …ぐるぐる回る世界に翻弄されながら、
どうにか、俺の住み家1DKにたどり着いた途端、、、… " 噴射 ! " …嘔吐!… 
…ゲロ、ゲロ、、ゲロ、、、ゲローと … " 部屋の中にぶちまけた! " …

… " ゲロを吐いていた " …  …こんなことって... 「あり、か…」
0263ジョン・スミス
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2022/06/25(土) 07:48:28.07ID:d2zaIBCX
「蒼い時代」

「お姉ちゃん… どうしたの?!…」「てっちゃん! こっちに来て…」
何があったのか… ?! 小さい僕にはわからなかった...

お姉ちゃんにハグされた時、 " 奇妙な匂い " がした!
それはいつもハグされた時とは、 " 違う匂い " だった...

夕食の時、「徹! 何ぼやぼやしてんだよ! 早く食っちまいな!!」
「早飯、早糞も芸のうちってなぁ〜 ガハハハハハ…」「英二! 子供の前で、
そう言うくだらない冗談はよせ!」「あ、又、兄貴、マジになっちゃって嫌だなぁ〜

大学行っちゃったりすると我々庶民と話が合わなくて困るよ。なあ、父ちゃん!
アハハハ…」「うん! ガハハハハ…」…その日一日、子供ながらに僕は、
隣の千恵姉ちゃんの奇妙な匂いが頭から離れなかった...

…何の匂いだろう… 「徹、何かあったのか?!」「う、うん… 何もないよ幸一兄さん…」
「徹、食欲無いなら、牛乳だけでも飲んどきな…」と母ちゃんが言った。

- そうか! " 牛乳だ! " -  …あの匂いは、間違いなく乳の匂いだ!…
母ちゃんの胸に顔を埋めた。「徹、何やってんの?! 今日おかしいよ。熱でもあるんじゃないの?!…」

「徹、お前、小学生にもなって、又、母ちゃんのオッパイが懐かしいのか…?! なっ、父ちゃん!」
「うん! ガハハハハハ…」「母ちゃんのオッパイは、どうして千恵姉ちゃんみたいに
お乳の匂いがしないの…?!」僕の言葉に、家族みんなが " 驚き! " 静まり返る。

「千恵ちゃんのオッパイ… お乳の匂いがしたの?!…」「うん!」「そう言えば、千恵ちゃん、
最近、お乳が張っているような気がしたけどさ… もしかして妊娠…?!」
「母さん! 又、くだらないことを触れ回っちゃだめだよ!!」と幸一兄さんが言う。

しかし、母は町でも有数のいわゆるスピーカーと呼ばれる女の一人だった...
当時、16歳の少女の妊娠が発覚。妊娠によりお互いの両親に17歳と16歳と言う未だ幼い二人の関係が
明るみになり、少女の親はこの先、娘が背負うリスクを考え、少年の親は息子の将来を考え中絶を強要。

そして二人は引き裂かれた。泣く泣く中絶に同意した少女に少年は、
「10年経って、自分が立派な社会人になったら、きっと君を迎えに来る…」とそのようなことを
言ったと言う話を、後で理解できる歳になって知ったが、当時、小学校に上がったばかりで、
幼かった僕は、その後の事のいきさつを何も知らなかった.........

...実のことを言うと、中絶をしたのか、しなかったのか、本当のことは何も知らない...
0264ジョン・スミス
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2022/06/26(日) 07:11:41.18ID:zawtrWAO
「ボギーボビーの赤いバラ」

10時30分発の電車に乗った。閑散とした車両の中で私と妻は向かい合って座る。
会話を交わすこともなく、ぼんやりと車窓から過ぎていく風景を眺めていた...

今回の旅行は妻との離婚旅行でもあった。新婚旅行は沖縄だったが、それ以後、
長年連れ添った妻とは旅行らしい旅行はしてこなかった......

会社をリタイアしたら、海外旅行をしようと妻と話していたが、
その記念すべき海外旅行が、そのまま熟年離婚旅行になるとは全然思ってはいなかった。
半年前に、飛行機の手配をして、パリのアパートも一ヶ月の期間で借りて準備した。

今まで、一週間とか、二週間程度の海外出張は経験していたものの、一ヶ月という
比較的長い期間の海外暮らしは初めての経験であり、なんとなく、心が弾んでいく
のを感じていた... しかし、心の弾みとは別に、妻との関係は冷え切っていた。

子供と一緒に暮らしていれば、子供は夫婦のかすがいとやらで、案外うまくいった
のであろうが、子供達は全員独立し、私たちのもとから去っていった。

夫婦二人の生活は、気楽でいいですねと人からよく言われるが、実際は逆であった。
四六時中、顔を突き合わせて暮らすという生活に私たちは慣れていなかった。
若ければ、二人きりの生活はそれなりに、きっと、楽しいものにあるであろうが、
年を重ねてからの二人きりの生活は、他人が思うような労り深い生活ではなかった。

相手の欠点ばかりがやたら目立ち鼻につく… 些細なことでもすぐ、言い合いになり、
相手に負けじと頑張ってしまう。その結果、いつも、言い争いの口喧嘩になってしまう。
仲直りもせず、知らんぷりで元の生活に戻るが、また、何かの機会でほんの些細なことで
口喧嘩をしてしまう… この繰り返しで私も妻も、ほとほとに疲れ果てて嫌になった。

ついにどちらかともなく、離婚という言葉が口から出てしまったのだ。
一時だが、仲が良かった頃に予約した海外旅行。今更、キャンセルも出来ないので、
とりあえず行くことになった。この海外旅行から戻ったら、離婚届を出して
別れようということになったのだった.........
0265ジョン・スミス
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2022/06/26(日) 07:15:24.47ID:zawtrWAO
>>264
下から10行目「楽しいものになるであろうが、」に訂正
0267ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/27(月) 07:28:26.15ID:KqBlXgRo
「バス通り」

私は仕事帰りの商店街を歩いていた。ふと、ショーウィンドウに飾られた可愛らしい
ワンピースに目を奪われた。でも、数秒後には、その前をさっさと
通り過ぎる自分がいた...

ワンピースは確かに可愛い。でも、可愛らしいワンピースを着る勇気がなかった。
『勇気を出して可愛い服とか、もっと着ておけば良かったかなぁ〜』と
思いながらバス停まで歩いていた時だった。

急に雲行きが怪しくなって来た。灰色の雲が見えると思ったら一雨来そうな感じ...
" ああ、これは降るなぁ〜 " そう思った瞬間、頬にピシャリと雨粒が落ちてきた!

ぽっん、ぽっん、 ぽた、ぽた、 そして、…パラ、パラ、パラ、パラ… 
雨が音を立てて降ってきたと思ったら...  " ザーザー " と本降りになり、
 …地面を叩きつける激しい雨に変わった…  −突然降り始めた雨...

バスが来るまでは、まだ時間がある。私はバス停の近くの喫茶店に入り雨宿りして窓の外を見ていた。
…雨が " ザア― ザア― " と、ガラス窓を叩きつけている… …雨粒が断続的に窓を叩いていた… 
  …窓ガラスを水滴がどんどん流れる横殴りの激しい雨… … … … … … … … …   
    ... ... ... ... ... ... ... ... ...
 
...暫くすると、雨は少し小降りになってきた......
…傘をさして歩く人々… そんな小降りの雨の中...
…男女のカップルが、二人一つの上着で、雨をよけながら店の方にやって来る…
そのカップルは店に入って直ぐ、私の席の背中合わせに座った。

「いゃあ、まいったね! 急に降ってきて… 近くのコンビニでビニール傘、買って来ればよかったな…」
「そうね… でも、ここバス停のすぐ傍だから、駆け込みでバスに乗れるし…」「そっか、そうだな…」
身に覚えのある声が聞こえてきた。その身に覚えのある声の主は元カレだった...
そう、背中合わせの私のすぐ後ろに座ったのは元カレだったのだ。

二人の会話は世間話から、最近の話… そして、暫くして元カレは昔付き合っていた女の話を始めた。
…それは私のことだった... 「それで、それから、どうしたの…?!」「それからか、…」
 ...私の話をしながら二人で面白おかしく笑いながら話をしていた.........

...ついさっきまで、心地よく店の中に流れていた音楽が私の中で消えていた......

  " ショックだった! "  涙が溢れてくる  …私は慌ててバスの時刻を確認する…
バスは雨で遅れていた。 …ふと、聞こえるあなたの口癖も変わらないわね… それが辛いわ...

昔の女を誰かと噂するなら、辺りの景色に気を付けてからするものよ
まさか、すぐ後ろの席で今言われている私が涙を流して座っていることなんて
あなたは夢にも思っていないみたいね。…店の窓に映る談笑する二人の姿…

「もう、そろそろバスが来る時間かな…?!」と店の中の時計を探している元カレ…
背中合わせの席で私は無理して笑顔になろうとしていた...

…バスが来るのを、店の中で、ただひたすらに待っていた…
予定の時刻より6分遅れていたのだけど、待っている間の時間は、実際の時間よりも、
とても長く感じていた.........

- " バスが来た! " -  …まだ雨は降り続いていた…
 二人は慌てて、会計を済まし店を出て、
            …雨をよけながら二人一つの上着で駆けだして行く…

私は次のバスを待った。 …溜息みたいな...時計の音を聴きながら...
そっと、彼から貰って中々捨てずに持っていたガラスの指輪を静かに落とした...
0268ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/27(月) 17:44:04.50ID:KqBlXgRo
>>267
末尾
ガラスの指輪をごみ箱に捨てた。
0269ジョン・スミス
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2022/06/28(火) 07:41:33.91ID:YaUd4ZdQ
「忘れられるものならば」

俺は一人旅をしていた。そんな旅先の砂浜を歩いていた...
…海面を眩しい太陽の光がキラキラと揺れている…

...潮の香りとギラつく初夏の青く広い空と海......  
…海風がとても心地よい… 耳元で、しきりに心地よい風の音がする...
...潮風と波の音が心地よい......

歩くのをやめ、サンダルを両手で持ち素足を小さい波に洗わせて遠くを見渡す...
…遠くに家族連れ姿が見える… 子供たちが裸足になって賑やかに波打ち際を走り回っている…
...砂浜はまぶしいくらい白い... ...広い海の遠く先にヨットの帆が銀色に輝く...

…僅かな薄い雲が太陽を遮り、眩しすぎた大空は、難なく見上げることが出来るようになっていた。
あれだけ眩しかった初夏の午後の夏空は、いつの間にか日が暮れ始めていた......

そんな時、空を滑るように飛んでいく… 一羽のカモメを目で追っていると...
 一組の外国人老夫婦がこちらに向かって歩いてくる...

…何十年という長い歳月を寄り添って歩いてきたのだろう...
手を繋ぎ、ゆっくりと歩いている。老紳士は背が高く、ステッキをついて歩いている。
上品そうな老婦人は優し気な瞳に少し癖のかかった白髪を後ろでまとめている。
老夫婦と目が合った。…老夫婦が会釈をする… 俺も会釈を返す… 

...そんな老夫婦の姿が見えなくなるまで目で見送っていた.........

...時間が経つのも早い... あれから… どのくらい経ったんだろうか...
…海が夕暮れ近い斜の光線を受けて、色の褪せた鈍い光沢を放つ…
 
 …海は既にオレンジ色の鏡のように光っている...
…海面はオレンジ色の輝きを点在させながら静かに揺れていた...

「さてと、これからどこへ行こうか...」
そんな道草が多く、あてのない俺のぶらり旅も、もう暫く続けていくつもりだ...
0270ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/29(水) 08:21:44.49ID:FIQrBYoR
「肩に降る雨」

ひとり、ネオンが煌びやかな街を歩いていた...
…煌びやかな街灯… 華やかな衣装に包まれた笑顔の女。
それを優しく見守る笑顔の男。…そんな若いカップルの姿が眩しすぎる…

ふと、…店のショーウィンドウを覗き込む… ショーウィンドウに
…映る自分の惨めな姿… ポロポロと涙が流れてくる... もう見たくない。

底知れぬ深い悲しみ... 
そんなどうしようもない絶望感から、何度も死のうと思い大量の睡眠薬を飲んで自殺を図った。。。

重く立ち込めた雲に覆われた鈍色の空から、ポッリポッリと雨が降り始めていた...
そんな雨が降る中... 一つの傘に、二人並んで帰るカップルが、雨に濡れる私を見て通り過ぎる…

私のブラウスは雨で濡れて、べったりと身体に張り付いていた...
今の私には、そんな小さなことを気にするだけの心の余裕がなかった。

ただただ悲しくて、悔しくて、自分が情けなかった。それがいっそう自分を惨めにしていた。

肩に降る雨の冷たさも気づかぬまま歩き続けた...
肩に降る雨の冷たさにまだ生きてた自分を見つけた...

あの人なしでは1秒も生きてはゆけないと思ってた...
あの人がくれた冷たさは薬の白さよりなお寒い...

遠く瞬く光は遥かに私を忘れて流れてゆく… 流れてゆく...

幾日歩いた線路沿いは行方を捨てた闇の道...
なのに夜深く夢の底で耳に入る雨を厭うのは何故…

肩に降る雨の冷たさは生きろと叫ぶ誰かの声…
肩に降る雨の冷たさは行きたいと迷う自分声…

肩に降る雨の冷たさも気づかぬまま歩き続けた...
肩に降る雨の冷たさにまだ生きてた自分を見つけた。

…雨が降り続く街の片隅で…
             … 一匹の子猫がずぶ濡れのまま鳴いていた …
0271ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/29(水) 10:49:00.54ID:FIQrBYoR
>>270
冒頭「ひとり、ネオンが煌びやかに灯りだした夕闇の街を歩いていた...」に訂正
8行目「鈍色の夜空から、」に訂正
0272ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/30(木) 07:49:36.67ID:CNjlWFrz
「宙船」

薄っすらと汗ばむほど、体が温まったところで試合用のグローブを付ける。
ミット打ちを軽くこなし、体の切れを確認した。もう既に試合の5分前だった。

ガウンに身を包み控室を出た。入場用の音楽がかかった。客席を縫うようにして挑戦者の
青コーナーのレングへ向かう。リングに上がる直前、リングサイドに両親が座っているのが見えた。
来るはずもないだろうと思いながらも、とりあえず、チケットを送っておいたのだった... 
...そんな両親の姿を見ても、特に何の感情も浮かばなかった......

胸の前にグローブを揃えて、その中に顔を埋めるように頭を垂れ目を閉じた。
…最後の精神統一… 徐々に入場行進も、観客のざわめきも、声援も遠くなった...
不思議なくらいの静寂が全身を覆っていく… 目を見開いて、五段ほどの鉄の階段を一気に駆け上がった!

ロープを飛び越えてリングに上がると、四方の客席に向かって深く頭を下げた。
歓声が上がったが、不思議な静寂が自分の中で続いていた...

コーナーに戻ると、チャンピオンの入場曲が流れた。コーナーに頭を押し付けて、
静寂に身を任せていた。自分の名前がコールされるまでそのままの姿勢でいた。
コールと共に振り返ると、チャンピオンと目を合わせたまま軽く一礼をする。

すぐに振り向き、ロープに両手をかけた。レフェリーに呼ばれてリングの中央に出る。
セコンドを務める若い選手が一人脇についてくる。ロー・ブローやサミング、噛みつき、
バッティングなどの決まり事の注意をするレフェリーの話を熱心に聞き入る振りをする。

チャンピオンはしきりに眼で睨みつけ挑発してくるが相手にはしない。
レフェリーの注意が終わり、コーナーに戻ると、セコンドが口の中にマウスピースを突っ込む!
されるがままにして静かに立ち、…互いに睨み合いながらリング中央に出る…

「ファイト!」レフェリーの声の合図と共にゴングが試合会場に鳴り響き渡り歓声が上がった!
0273ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/30(木) 07:55:28.52ID:CNjlWFrz
>>272
末尾
「ゴングが会場内に鳴り響き一気に歓声が上がった!」に訂正
0274ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/30(木) 13:51:53.05ID:CNjlWFrz
>>272
4行目「リング」に訂正
0275ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/01(金) 07:27:57.31ID:yRNZ5ZiZ
「恋とはかぎらない」

ー ホテル ー
「ねぇ、恭平君...」「何だい…?! 里奈…」
「私たちってバカみたい...」
「バカそのものだよ... でも、こうしているのが楽なんだ…」

「ねぇ、恭平君...」「ん…?!…」
「...いや、何でもないの...」「どうした…?!…」
「何でもないのよ...」とシャワー室に行く里奈...

…車で里奈のマンションまで送る…

帰宅して、冷蔵庫から缶ビールを取り出して " プシュ! "
...そうか、里奈は結婚するのか......

人生って何だろう...結婚も出来ず、出世も出来ず、夢を見ることも知らず、
多分、子供の一人さえ、育てることのない人生を送る男が、…ここにいる…

里奈が彼に会ってくれと言って来たのは、それから数日後だった...
「小宮山正です」「あ、どうも…」「彼ね、働きながら大学院に通っているの…
変わっているんだよね、頭の中は、ほとんど専攻の数学のことしか考えていないだもん!…」

「別に変っちゃいませんよ。好きなことやっているんだから、当たり前と思うんですけどね…」
…連れて来た彼と話している里奈が、先に大人になっていくことに、正直、戸惑っていた...
…俺は少し傷ついていた…  何故、突然、見合い結婚をする気になったんだろう...

それから里奈が結婚式を挙げる日を迎えた。会社に電話をする。「あ、すみません…! 突然で、申し訳ございませんけど、
三日ほど、休ませていただきたいのですが...」「…わかりました」と電話を切られた。
…文句を言う筋合いはないが、自分から進んで会社から期待されない人間になったわけだしな…

...人生って何だろうな......駅まで行って会社に出勤せずに帰宅か...
何考えているんだろうな...俺は...まさか、子供じゃ...いや、まさか…
里奈が子供を産みたくて相手かまわずに結婚するってことは無いよな...
…そんなことはないさ… タクシー乗り場でそんな考え事していると、

「お客さん…! 乗るんですか、乗らないんですか…?!…」
「あ、いや、… 高崎セントラルホテルまで行ってください!…」

式場に着き、新婦の控え室【ブライズルーム】の中に居る花嫁姿の里奈を見つけ!
「里奈!」「...恭平君…?!…」「里奈、俺やっとわかったよ! 俺の生き方って
間違っていた! 人生を真面目に生きようとする考え方に照れていたんだ! 二者択一の

状況に出逢うと必ず、安易な道を選んでいた。でも、これからは違う。そんな生き方を
していたんじゃ、いつまで経ってもダメだ!… これからは、あえて試練の道を選んで
歩いて行こうと考えたんだ!それが人生なんだ!! それが生きている証であり、
生きてる証明なんだ!!考え直してくれ!… 俺と一緒になろう…!!! …俺が君を幸せにする…」
0276ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 08:11:38.06ID:1R8SV0Zj
「信じられない頃に」

大学時代に優しくて家庭的な、自分にはもったいないくらいの女性に出逢い順調に
交際をしていました。口下手で愛情表現が苦手な僕は、口には出さないものの、
この子とは、いずれは結婚するだろうなと感じていました...

彼女も僕のことを愛してくれていて、このまま何事もなく結婚に至るのだろうと
考えていたと思います。卒業後、国家公務員試験1種に合格し、官公庁で勤務を
スタートしました。官公庁の中でも、激務と言われる部署に配属され、彼女と

デートをする回数も徐々に減っていきました。それでも、彼女は僕の仕事を
理解し、そして尊敬してくれていたので、なんとか関係を続けることが
出来ていました。本当にごくたまの休暇には彼女に連絡し、少しの時間でも、
会うことが出来るように自分なりに努力をしていたつもりでした。

忙しすぎて一ヶ月に一度会えるか、どうかと言う関係なっていました。
それでも、彼女への気持ちが変わることはありませんでした。

そんな忙しい日々を過ごしていた頃、念願だった海外の大学院へ進学が決まりました。
官僚向けに設けられた制度で、行政官長期在外研究員制度を利用し、憧れだったパリの
ソルボンヌ大学へ二年間の修士課程の為に渡仏することが決まったのでした。

その頃の僕は、留学が決まって浮かれていて、久しぶりに会った彼女にも留学の事を
ウキウキしながら話していました。今思えば、彼女は何処か浮かない顔をしていて、
あまり僕とは視線を合わせようとはしませんでした。

留学がスタートすると、勉強が楽しすぎて正直、彼女ことを省みることは徐々に
無くなっていきました。初めのうちはメールや手紙のやり取りをしていましたが、
彼女からの返事が遅れがちになり、とうとう音沙汰がなくなってしまいました。

「彼女も、きっと、忙しいのだろうな…」と前向きに考えて、留学生活をエンジョイ
していました。留学が終わりになる頃には、メールをしても返事が返ってこなくなって
いました。楽しかった留学を終えて帰国をすると、直ぐに彼女に連絡をして告白ました。

留学を終えて、愛を告げ、昇進が決まったことを嬉しそうに話すと、
 …彼女の口から衝撃の事実を告げられた!…
彼女は両親の勧めで別の男性とお見合いをしており、既に挙式の日程までも
決まっているという...

あまりにも、急なことで動揺を隠せないでいると、「もう連絡はしないで欲しい…」と
告げられ電話は " プツリと切られた! " …  ツーッ...ツーッ...ツーッ... 
   ... ... ...固定電話機の電子音が、今でも耳から離れなかった...
0277ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 08:33:08.26ID:1R8SV0Zj
>>276
下から8行目「告白しました。」に訂正
0278ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 10:42:33.09ID:1R8SV0Zj
僕は中島みゆきから頼まれて書いているわけでもない。ゴーストライターでもない(笑)
彼女にゴーストライターがもしいれば、日本のシンガーソングライターはゴーストライター
盛りになるかもしれないね。お金をもらっているわけでもないし、本を出して商売している
わけでもない。単に一ファンとして趣味でやっているに過ぎない。それでいいんじゃないかな。
0279ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 11:12:49.15ID:1R8SV0Zj
中島みゆきに松任谷由実さんの商魂があれば、他の女性シンガーソングライターと同じく
金太郎飴のようにどこを切っても作風も似たり寄ったりで、僕はそれほど関心を持たなかった
かもしれない... 僕は中島みゆき独特の世界観が好きなのだろう...
0280ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 11:48:38.41ID:1R8SV0Zj
中島みゆき作品を僕なりの勝手な哲学的視点で解釈して物語(ストーリー)を作っているが、
彼女は女性だから、また違った視点で作品を作り上げているのじゃないのかな。
0281ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 17:45:09.99ID:1R8SV0Zj
6Gを超えたメタバースの世界を一言でいうと、この世に描く仮想現実の世界における
どんなことでも願いが叶う仮想天国のような世界ではないだろうかと思う... 

例えばピアノが弾けなくても人間拡張により一流ピアニストに誰でもなれる。
極端な話、誰でも超人になれる世界だと思う。どんなことでも願いが叶う仮想天国のような
世界ではないだろうかと思う。思考しただけで目の前に現れる天国のような世界だと思う。

人は天国から、もう一度この世界に戻って来たくなるのは、全てなんでも手に入り
叶うことが当然のように日常になると、人は感動や喜びを徐々に失ってくる。

苦労して目標を達成した達成感、悲願の優勝をした喜び、歓喜、感動…などは、そこまでの
血の滲むような努力があったらこそなのだ。この努力や苦労なくしては悲願の優勝場面の感動、
目標を達成した時のあれほどの感動や手にした時の喜びも生まれない。

それをもう一度、経験、体験したくて人はこの世に戻ってくると思っている。地獄に落ちたものが
この世に再び戻ってきたいのはわかりやすいが、この両方からこの世に来たがるのが多いのは
この世でしか体験、経験出来ない感動だと思っている。能力を得るための努力も必要ない世界は、

感動も徐々に失われていく世界でもあるのだ。実際の天国は死ぬほど退屈な場所ではないかと思っている。
この世に生まれてきた真の目的は、多分、経験、体験からの学びや達成感、感動を得るためだと思っている。
0282ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/03(日) 05:55:08.31ID:h/y+0Uy/
人はどうしても答えや結論を急ぐが、実はそのような最終的な結果よりも、それまでの過程、
プロセスが最も大切なのだ。最終的な答え、結論、結果がたとえ成功しようが失敗しようが、
そのこと自体が問題ではない。そんなことよりも、それまでのプロセス、経過、過程という
一生懸命頑張ったという体験、経験がこの世界での最も重要なことだと思う。

結果的に失敗を繰り返したり、大失敗して悔しさを滲ませ涙してもいいと思う。極論、
そのような結果で何にも成功しなくたっていいんだ。そんなことよりも重要なのは、
どれだけ頑張ったかだ。どうしても我々は成功することだけにこだわるけど、
それはあくまでも結果論であって、人生においてさほど重要なことではない。
成功だけが全てではないからだ。

例えどんな結果であろうと、そこまでの血の滲む努力、どれだけ頑張ったかが、
最も重要なことではないのかと思っている。この世界でしか得られない経験を
いかに多く積むことが最も重要だと思う。どうしても人は手っ取り早い答えを
聞きたがるが、最も重要なのはそこまでの過程、プロセスではないかと思っている。

九死に一生を得る人というのがいる。人間は何ども生まれ変わってきているから、
多分この人は潜在意識下の過去の記憶。このような意識に刻み込まれた記憶の中に
同じような経験があったため、瞬時に無意識で回避できたのではないかと思う。
この世での体験、経験は決して無駄ではないと思うのだ。

この世での経験が重要なのはそういうことだと思っている。この世で生きるという
ことの意味がそう言うことではないだろうかと思うのだ。生きている実感を味わいたくて
人はもう一度この世界に来る。人に生まれてくる確率は、1億円の宝くじに百万回

連続当選するくらいこの世ではありえない確率でもある。これは一匹の精子が卵巣を潜り抜け
卵子と結合し受精する確率なのだ。これは人間として生まれてくる前の段階に過ぎない。
あくまでも人は、この世の光を目にし産声を上げてこの世に誕生になる。
0283ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/03(日) 07:39:47.83ID:h/y+0Uy/
「真直な線」

彼女とはバイトで知り合った。彼女の方が年上で入った時から気になっていた。
「付き合っている人いないの…?!」「いないよ… 彼氏は欲しいんだけど...」
「じゃあ、俺と付き合おっか、」付き合うきっかけは冗談みたいな言葉からだった。

付き合ってから、実は彼女も俺のこと好きだったってことを聞いた。
二人でいる時、エッチを迫ったりしたけど、
でも、その都度、いつも、「ごめん… それだけはダメなの...」

腹いせって言ったらおかしいが俺は浮気をした。そんなので我慢できるほど大人ではなかった。
浮気がバレても彼女は怒らなかった。むしろ私が悪いんだからしようがないよ… みたいな感じだった。

俺は友達に「浮気もOKとか年上、最高…!」とか言ってた。
ある日、彼女から手紙が来た。「好きな人が出来たから、別れたいの...」
こんなもんかって感じだった。そして俺たちは別れた。

暫くして彼女の妹で、俺と同級生の子に呼び出された。
「お姉ちゃんには黙っとけって言われてるんだけど...」
そこで聞かされたのは、昔、乳癌にかかって乳房を片方切除したってこと、
それが原因ですべてを見せたがらなかったこと、癌が再発して、今、入院しているんだってこと、

好きな人なんかできてなくて、俺をまだ好きだってこと、俺と付き合っているときは、
お姉ちゃん幸せそうだったってこと、そんな話を聞いていると涙が出てきた。
そして自分がしたことを後悔した... 俺は彼女の病室を聞いて病院へ早速行った。

病室に入ると彼女は驚いた表情を見せた! …まるで違う人みたいに痩せ細っていた…
「ごめん! 俺が悪かった... もう一度、やり直そう… 言ってくれれば、よかったのに…
そんなこと気にするわけないじゃん…!」「ごめんね… 嫌われたくなかったの...

私なんか忘れて他の人探してよ…!」「お前より、いい女なんかいない… お前じゃないとダメなんだよ!…」
そんな俺の言葉に彼女の目から涙が溢れ出た。「ありがとう...」  …そして俺たちはよりを戻した…

それからも俺は病室に通った。暫くして俺は婚姻届けを彼女に見せた。
「俺の分は書いてあるから元気な時に書いて結婚しよう…」
…そんな俺の言葉に彼女は今まで見せたことのないような笑顔を見せた!…

「嬉しいけど、これは書けない。ありがとう... こんな幸せなの初めてかもしれない…」
「絶対、書けよ! ここに置いとくから!…」  ...その半月後、彼女は亡くなった...

無気力な状態が続いていたある日... 彼女の妹から手紙が届いた。
中には俺が書いてくれと渡した婚姻届けと短い言葉が書かれた手紙が添えて入ってあった。
「婚姻届けにサインしろと言われた時、涙が出るくらい嬉しかった。 
あなたに会えたことが幸せ! 最後に私の願いを叶えてくれてありがとう…」
0284ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/04(月) 07:48:52.44ID:72Fia3Ak
「てんびん秤」

朝早くから " チャイムが鳴った! "  
「○○さんですか?」「はい!」と言うと「主人のことで、お話が・・・」と
言うので「...どうぞ…」とマンションのオートロックを開ける。

再びチャイムが鳴ったので、テレビドアホンを覗くとドアの前に品の良いご婦人が立っていた。
ドアを開け、「ここでは、何ですから… お部屋の中へ、どうぞ…」と部屋の中へ誘導する。
「どうぞ、腰かけてください。今、お飲み物を作りますね…」「何もいらないわ!」

「何のことで・・・」と言いかけた途端、開口一番、「あなたと主人の事、主人より聞きました。
銀座のあなたのお店で、知り合い親しくなったとのこと、あなた方は男たちの一時の遊び相手。
あなたと主人のことだって、それ以外の何物でもありませんのよ。そんなこともわからないのですか…?! 
あなた方、お化粧のお化けは、薄暗い夜の明かりと、煙草の煙で澱んだ室内なくしては誤魔化しのきかない

毒々しいあだ花です。それもごく短い時間でしか咲くことの出来ないあだ花です。男たちの一時の
慰み者として、チャホャされるけど、みんな腹の底では笑っていますよ。男だって、みんなそれほど
バカではありません! いくら無教養な、あなたたち下等な女でも、自分がほんの短い間しか咲かない

花なんだとよく知っていますよね。女の本能かしら、だから、その間に何とかして財産のある男を
捕まえようとしているのでしょ。冗談じゃないわね。主人はマンションも持っているし、
財産もあるからって、ハイエナみたく言い寄ってくるのでしようけど、主人の財産の半分以上は、
私のおかげで得たのですからね。誤解しないことね。今度の問題で、おバカさんは、あなた一人ね!

早く目を覚ますことですね。あなたと私では女としての格が違うわね。主人もそのことはちゃんと
分かっていますよ。私はお嬢様育ちで世間知らずだったから、世の中には、あなたのような、
低級な性悪女もいるのだということを初めて知りました。今度のことはいい勉強になったわ。

人間やっぱり育ちよね。あなたなんかと格が違うから、今更、こんなこと言うのもバカバカしいけど、
私はあなたなんかには負けませんのよ。主人は私と別れることは出来ないの。主人より、
主人の財布が目当てなんでしようからね。本当にあきれた女ね。あなたって!!」と
室内のドアを強く締め言いたいことすべて言って帰っていった。
0285ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/05(火) 07:40:13.73ID:Ev2m9451
「夢の通り道を僕は歩いている」

あの親友の矢崎を、見かけたのは全く意外な場所だった...
刑事として先月の末に起こった新宿歌舞伎町での殺人事件の容疑者を
追って福岡にやって来た時のことであった。

…パトカーの中で…
「片田さん、その戸田ちゅう男は本当に博多におったとですか…?!」
「ええ、仲間から取られた情報ですが…」「いつ頃の話ですか…?」
「六年前と言う風に聞いています…」「この辺、一帯が戸田の元のシマです。

わし、ちょっと隠れときます。顔を見られたら警察の見回りゆうのがばれますけん…」
「あまりジロジロ見ん方がいいですよ。奴ら警戒心が強いですから、ま、仮に戸田
なにがしが来とってもこの辺をウロウロ歩いとるゆうことは無いでしょう…」

「ええ、それはわかっています…」「あ!、車を止めてください!…」
「どうしました…!? おったとですか?!…」「いや、別に…」
…組員の中に居たのは、 " あの矢崎だった! " … 
高校時代からの親友で突然、我々の前から姿を消したあの優秀な矢崎だった。

ー その後、親友の君原と電話で会話 ー
「あいつはな、俺と約六年間、航空学校と航空会社の訓練所に通っていたけど、
結局パイロットにはなれなかったんだ。誰だって驚くよな、全てにおいて、
俺なんかより優れているのにさ、俺なんか何の志もなく、あいつに影響され
航空学校に入った俺がパイロットになっちまってさ…」

「何か、訓練所で問題でも起こしたのか…?!」「いや、航空学校でも、訓練所でも、
あいつは常にトップ。生活態度も模範生だった。しかし、教官にパイロットとしての
適性に欠けると判断されたんだ…」「...?!」 … あの矢崎が …

署にいる時だった。「片田さん! 今連絡が入りました。緊急配備に付けと、
全面抗争になるのだけは何とか、食い止めろと言う連絡が入りました。暴力団同士の
対立で、警戒地区で矢崎と言う鉄砲玉が刺されて逃げたと言う事です!」

 …矢崎が刺された?!… 「矢崎は今どこにいるんですか?!…」
「それが分からないんです。やった方も、やられた方も現場から逃亡しています!…」

翌日、女の所に逃げていた矢崎が死体となって発見された!
「矢崎と言う鉄砲玉は飛行機の模型を持ったまま死んでいたと言う事です…」
「...?! 変わったヤクザやね…」…署内でそのような会話を聞いた…

…矢崎!… お前は、最後まで夢を捨てきれず持ち続けていたんだな...
子供の頃からの夢を... …矢崎… お前はやっぱり、夢を捨ててはいなかった...
...お前は夢を捨てられずに夢の通り道を歩いていた......... 
          ――――――――― 最後まで、夢を捨ててはいなかったんだな、
0286ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/05(火) 17:20:25.61ID:Ev2m9451
>>285
末尾
――――――――― 空を見上げると、空に飛行機雲がかかっていた。
0287ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/06(水) 07:50:51.02ID:QVhqQldy
「土用波」

俺の名は光男。俺は妻に隠れ不倫をしていた。四年間も妻を裏切り続けていた。
幸いずる賢く立ち回ったこともあり、妻には全くばれていないと思う。彼女と関係を持った夜、
遅く帰ってきても、ただ、にっこりと微笑んで迎えてくれる女だった......

「奥さん。私たちの関係に気付いていないかしら...?!」「大丈夫だよ!」
「女の感て鋭いのよ… 気づかないわけないわ。疑っているわよ、きっとね…」
「考えすぎだよ…」「私たちの関係。もう終わりにしましょ。あなたは奥さんの
所に戻った方がいいわ…」「なんだよ、 急に… ?!」「好きな人が出来たの…」

そんな関係がずっと続くわけもなく、彼女から別れ話を告げられた。
新しく好きな人が出来たとのこと。まあ、よくある話。独身の彼女からそう言われれば、
責めることも出来ない立場もあってか、ただ「よかったな…」と強がりを言い残して彼女と別れた。

…その頃、妻は… 「次は、いつ会える…?!」「そうね、来月の頭くらいかしら? 
旦那が取材旅行に行くって言っていたから… ちゃんとした日にちが決まったら、また電話するわ…」
そう言って私は車の中で彼にキスをした。

彼とは、もう長い付き合いになる。旦那と結婚する前からの付き合いなので、もうかれこれ五、六年くらいになる。
彼は所詮、妻帯者。そしてそれは私も同じ、旦那のある身で不倫をしている。彼は仕事の上司で、
出会った時には既に結婚していた。それを知りながらも惹かれるのを止められずに私達は恋に落ちた。

私は奥さんと別れてくれと何度も言ったが、その当時、彼の妻のお腹の中には子供がいて
「それは出来ない!」と断られた。優しい人だけど、とてもずるい人。

そんな彼に踏ん切りを付けるつもりで、一度は別れで結婚したものの、結局、私は彼を
忘れられず、彼もまた私の所へと戻って来た。今となっては、お互いになくてはならない存在で、
私はこの関係に一抹の不安を持ちながらも満足していた...

お互いに家庭と生活があって、刺激を与え合い適度な距離感で付き合っている。
もう彼と別れるという選択肢は私の中にはもうなくなっていた......

旦那と付き合う前から、彼とは付き合っていて、旦那にも彼は仲の良い上司として
既に紹介済みだった。そもそも旦那を私に紹介してくれたのは私の不倫相手でもある
隆だった。彼と旦那は学生時代からの付き合いで、先輩、後輩という間柄でもあった。

当時の私は、彼に奥さんとの離婚を迫っていて、彼も少しだけ辟易していた時期だった。
私が旦那と付き合えば、彼にとっても都合が良かったのだった...

...私にはすぎた旦那、お人好しで少し抜けているが、私は愛している......
だから、内心、このまま不倫を続けていいのだろうかと、…心は常に波のように揺れていた…
時には罪深さから、…土用波のごとく激しく海岸に打ち寄せる大波のようだった…

「ただいま〜」「お帰り、みっちゃん! ご飯できてるよ…」
0288ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/06(水) 08:04:19.19ID:QVhqQldy
>>287
下から2行目「心は常に激しく打ち寄せるうねりを伴った大波のようだった 〜〜〜 」に訂正
0289ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/06(水) 18:28:24.94ID:QVhqQldy
女性シンガーソングライターを考えた場合どこまで自分のわがままを貫き通せるか、
例えば、中島みゆき、松任谷由実、竹内まりやを比べた場合、松任谷由実作品は
松任谷正隆氏、竹内まりや作品は山下達郎氏、正隆氏、達郎氏の高いプロデュースの力
によるものが大きいだろうね。みゆきさんの作品に瀬尾さんは、この二人に比べて

そこまで口出ししているかというとそうじゃないと思う。瀬尾さんはアレンジ以外は
あくまでサポート役に徹しているんじゃないのかなと思うね。決定権は中島みゆきかなと思う。
それだけ自分の作品に対する強いポリシーがあるのではないだろうか...

昔は自分の意見を言い過ぎて、よくケンカすることが多かったという話は瀬尾さんが言っていた。
それで瀬尾さんは、会うまでは自分と会わないと思っていたらしい。頑固者なのかもしれないね。
なんでも任せっきりの人が多い女性アーティストの中で中島みゆきは自分の作品に対するかなり
強いこだわりというかポリシーがかなり高いアーティストだと思う。
0290ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/06(水) 18:43:35.21ID:QVhqQldy
>>289
会わない×
合わない〇
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