X



中島みゆきの名曲
レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
0001ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/11(金) 09:12:47.45ID:hN5svhY7
中島みゆきの名曲から物語(ストーリー)を作る
0002ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/11(金) 10:00:46.97ID:hN5svhY7
「本日,未熟者」

俺はボーイズで主力として活躍し、県内の名門校に進んだ。将来を期待され入った名門校。
甲子園を目指し血のにじむような努力をして頑張ったが中途退学した。

野球部になじめなかったのが表向きの理由だが、先輩のしごきが原因だった。
理不尽なしごきに耐えられず、先輩を殴り怪我をさせ退部した。

退学してからは、毎日のように繁華街に出て、自らの憂さ晴らしで喧嘩を売る日々だった。
ある日、いつものように繁華街で喧嘩の相手を探していると、一人のオジさんが歩いてきた。
俺はわざとぶつかり「どこ見てるんだ!! じじぃ!」と威嚇した。

「若いの、威勢がいいね。俺が相手するから、来てみな」と言われ、俺は向かっていったが、
そのオジさんの威圧感に圧倒された。オジさんの眼を見ると、さっきまでのオジさんの雰囲気
とは思えない鬼の眼と威圧感に体が震え冷汗が出た...初めて喧嘩で感じた恐怖だった。

ここで、くじけて弱みを見せたら男が廃ると思い、構わず拳を振り回したが、全て空振り、空を切り交わされた。
「この野郎!!!」と悔しさで叫び続けたが、オジさんの拳は確実に俺を捕らえ、的確にヒットしボコボコにされた。

初めて味わった敗戦だった。「それがおめえの実力だ! 力のある者の前では、おめえはちっぽけなひよっこだ!
心・技・体、そろって初めて強くなる。本当に強い者は自分の弱さを知っている。おめえはまだ若い。

下手に粋がるな! おめえは、人に涙を見せられる優しい人間じゃないのか? 無理して粋がって、
人生を粗末にする生き方はするな!素直に生きろ! おめえは、俺の若い頃と同じだ。
喧嘩で強くなっても、何にもならんぞ! 本当の強さは、腕力ではなく心の強さだ。

人に弱さを見せろ。そうすれば、皆、おまえを迎えてくれる。本当の意味で強い男になりたいなら、
自分の弱さを知って、人に弱さを見せ許す心を持て。決して腕力だけで生きようとするな!
腕力に頼っているうちはまだまだ未熟者だ!本当の強さは腕力ではない。あとで必ず後悔する。

後で後悔してからでは遅い。俺みたいになっても、何にもいいことはない。いずれ何が、
大切か知る時が必ず来る。拳に頼る生き方をやめて真面目に生きろ! それが一番いいんだよ。
分かったか、なあ、坊主、ワハハハ」と頭をポンと叩いて笑って去っていった。

のちに風の噂で聞いた話だと、そのオジさんは喧嘩空手の達人でヤクザの用心棒をやっていて、
 - その後のヤクザ抗争に巻き込まれ亡くなったという ーーーーーーーーー
0003ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/12(土) 14:05:19.05ID:b9mY923i
「ショウ・タイム」

私は30歳前後の女。まあ俗にいうアラフォーの女だ。今日は取材で新宿二丁目の
ゲイバーに行くことになった。もちろん行った事はなく、とてつもなく敷居が高い
気がして調べる段階から尻込みしそうになった。

まず注意しなければならないのは、ゲイバーには、たくさんの種類があるということ。
ゲイオンリー、ノンケバーなど店によっては様々という話。ゲイバーの中でも、
初心者向けは観光バーです。とはいえ、女一人で行くのは、やはり勇気がいるものです。

ということで、オネェママが経営する某有名ゲイバーに行きました。取材の予約を入れると、
「あら、一人なの?大歓迎よ。いらっしゃ〜い!」と、めっちゃいい人でした。
流石は接客のプロ! 心地よいテンポで弾む会話。

雑居ビルの多い新宿二丁目、目当ての店までたどり着くのに結構迷ってしまった。
本当にここで、あっているのだろうかという不安を抱きながら、そっと扉を開けると
「あら、いらっしゃ〜い!」" あっ! 電話の声の人だ! " 少し安堵した私は席に案内された。

お通しに駄菓子を渡され、システムの説明を受けました。セット料金3000円。
ドリンクメニューも500〜1000円くらいで、居酒屋とほとんど変わらない明瞭会計。

「あら、あんた!女が一人で来るなんて、どうしたのよ? ゲイバーは初めて? 
何飲む? 私なんてもう、ビールガブガブ飲んで、お腹タプタプよ〜ん」と
いきなりマシンガントークを繰り出す! 

するとすかさず隣の店員さんが
「もう、一気に質問したら、お客さん、ビックリするでしょ」と私をフォロー。

終始、この二人がツッコミとボケ、フォロー役を交代して会話をリードしてくれる。
とにかく会話が面白い。失敗談など面白おかしく話してくれて時間が経つのも早い。
会話のテンポがいい。

そこに「あら、おこげも歓迎よ! このメタバースの別世界へようこそ!」と綺麗な
ニューハーフ顔のお姉さまが参加。
「なによ、あんた! そのメタバースって? この子、目が点?になってるわよ! 
訳の分からないこと言って、ねぇ、」

「だってぇ〜 仮装空間の世界しょ。 オホホホ」「あほなんだから...ねぇ、」
私は二人の会話に思わず笑ってしまった。

私は「おこげって?」「あら、おこげも知らないの? 気持ちは女と思っているのがオカマ。
そのオカマが好きでついてくる女をおこげ。お釜の底につくのがお焦げでしょ オホホホ」
0004ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/12(土) 14:29:58.33ID:b9mY923i
>>3
下から4行目「仮装空間の世界でしょ。」に訂正
0005ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/13(日) 10:11:26.39ID:ZrFoKAfp
「36時間」

本日は現代物理の観点から、ノーベル物理学賞の○○先生に、おいでいただきました。
お話を伺いたいとおもします。

その前に、ノンちゃん「一日の時間は何時間だと思いますか?」
「バカにしないでください! 24時間です(;一_一)」

「そう怒らないで、ごめんね。ノンちゃん、時間という概念が、そもそもないらしいんだよ」
「えええーつ! ウソ!...信じられない! 本当ですか?(・・?」

「先生、本当はこの世に時間という概念が、そもそも存在しないということを聞きました。
時間は、人間の都合だと、本当なのですか? どういうことなのでしょうか、理解できません?」
「私も、先生教えて? ノン、頭おかしくなりそう(。´・ω・)?(・・?」

「ジュリアン・バーバーは宇宙には、時間は存在しておらず、時間とは、あくまでも人類の感覚としての幻想だと
主張しています。彼の主張に限らず、現代物理学では、時間という概念は存在しないのです」

「ノン、頭おかしくなりそう ??? (?_?)(◎_◎;)(・・?」

「日々時間に追われて、時間そのものが当たり前すぎて、その存在自体を疑うのが困難な状況になっていますが、
色んなことで説明ができますが、例えばブロック宇宙論では、過去、現在、未来に渡るすべての時間が空間的に
位置づけられている。すると、取り返しのつかない過去や、自分が確実に死んでしまっている一億年後の未来など
というものは存在しないと言う事になります。このことから時間とは、客観的物理世界に実在するものではなくて
[人間が生み出した幻想にすぎない]と言う結論に達します」

「先生、じゃあ、自分で勝手に自分の時間を作っていいんですか?」
「そうですね、人間が生み出した幻想にすぎないわけですから... 勝手にどうぞ」
0006ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/13(日) 10:46:26.10ID:ZrFoKAfp
「ユーミンは、アレンジを呼んでくるし、録音技術呼んでくる。中島みゆきは、
全然関係ねぇ。中島みゆきが歌えば、中島みゆきだ!みたいな。両方いいんですよ、
ジョンとポールじゃないけど。"マッカトニー・ユーミン"と、"レノン・みゆき"
みゆきさん、ハマるとデカイ」とやさしい夜遊びというラジオで桑田佳祐が語っていた。

これはどういうことを言っているのか、はっきりとは断定出来ないが、ユーミンは、
色々知識や情報を外から得ようとするタイプだと思う。反対にみゆきさんは、パソコンも
使ったことがないらしい。最近やっとスマホを使うようになったという話を確か
ラジオ瀬尾さんで聞いたような...そのくらいアナログ人間と言う事だ。

ユーミンがデジタル人間なら、みゆきさんはアナログ人間だと言う事だ。
ユーミンがラジオなどで自慢げに語る知識は誰かの受け売り、[受け売りの知識]

恋愛の教祖のユーミンのお言葉をありがたく思う恋愛依存症の信者ではない僕からしたら
自らは何も語らず歌詞の解釈さえ人それぞれに任せているみゆきさんの方に興味が尽きない。
確かに歌詞の解釈を語らず、聴く人それぞれの解釈に任せるみゆきスタイル。

百人いれば百通りの解釈。みゆきさんの「36時間」という歌を聴いて、時間の概念そのものが
ないことも知らないと思うね。ユーミンならそのことを知ったら自慢げに話すと思うね。
その差が面白い(笑) ユーミンは僕らと同じ凡人だと思うよ。だから恋愛依存症の子たちと
共感・共有ができるんだ。
0007ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/13(日) 11:09:31.43ID:ZrFoKAfp
一日し太陽が昇って沈み、もう一度、昇るまでの24時間ではなく、二度目に昇った
太陽を見届けて、それが沈むまでの時間(36時間)が一日だと、歌の冒頭に書かれている。
この36時間。普通の感覚では一日半だ。今よりテンポを落としてゆっくり生きても

いいのではないかという歌。時間に追われる現代社会。一日の体感時間は24時間よりも、
短く感じる。このせわしない時間間隔で生きていると心に余裕が生まれない。もっとテンポを落とし、
時間の感覚や概念を、ほんの少し変えてみるだけで心に余裕が生まれ生き方も違ってくるものなのだ。
0008ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/13(日) 11:12:30.30ID:ZrFoKAfp
>>7
冒頭の訂正
「一日の太陽が昇って沈み、」
0009ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/13(日) 12:44:51.14ID:ZrFoKAfp
ユーミンの根底に流れ見え隠れするブルジョワジー意識。選民意識的なものが
受け付けない。それは僕が日本人だからだと思う。

金の力が人の価値より上になっている。この権力構造の社会ではどうすることも
出来ない格差が生まれる。だからこそ虐げられている者たちに目を向けなければならない。
0010ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/13(日) 14:28:48.42ID:ZrFoKAfp
能ある鷹は爪を隠す。秘すれば花。日本にはこんなつつましい言葉がある。
才能とは自らひけらかすものではなく、他人が評価するものと心得る。
0011ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/13(日) 20:25:24.54ID:ZrFoKAfp
ユーミンファンには申し訳ない。ピラミッドの格差社会の格差が益々広がっている。
時代だからこそ、あえて言わせてもらった。弱者は切り捨てられ益々生きにくくなり、
助けることさえ困難になっていくかもしれないからだ。
0012ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/14(月) 10:29:39.43ID:Ltyp+Mze
「月はそこにいる」

「今まで色々と量子力学の話を聞いてきたわけですが、20世紀は理論物理学の大きな
転換期が起こった時代です。特に、一般相対性理論と量子力学の発見は、それ以前の

自然観を根底から変えてしまうほどの大事件でした。先生、最後に相対論を生み出した
アインシュタインと量子論の大きな違いは何でしょうか? 誠に失礼なのですが、
もう、残り時間が迫っているので簡単にお願いします」「君、これまた、難題を突き付けて来たね」

「アインシュタインは、自然の摂理には人間の意識を超えた客観性がある」と信じて疑わなかった。
それに対して、量子論のボーアは観測されて現実が確定すると、お互いの考えが相容れず論争になった。
アインシュタイン没後、これが実験で実証されてしまった。アインシュタインが納得できなかった量子論の
奇妙な遠隔作用が実験で証明されてしまった。そんなアインシュタインとボーアが論争していた時期に、

インドの詩人で哲学者のタゴールが、アインシュタインの別荘を訪れます。ノーベル賞同志の対談です。
アインシュタインが「例えば、私が見ていなくても、月は確かにあるのです」タゴールは「それはその通りです。
しかし、月はあなたの意識になくとも、他の人の意識にあるのです。人の意識の中にしか、月は存在しない
事は同じです」アインシュタインは「私は人間性を超えた客観性が存在すると信じます。ピタゴラスの定理は

人とは無関係に存在する事実です」タゴールは「しかし、科学は月も無数の原子が描く現象であることを証明
したではありませんか? あの天体に光と闇の神秘を見るか、それとも無数の原子を見るか、もし人の意識が
月だと感じなければ、それはもはや月ではなくなるのです」・・・・・・・・・。

「深い対話ですね。結局この対話は、噛み合わずに平行線のまま終わります。量子論的な解釈で考えると
タゴールの主張になります。人間の意識で状態が確定するからです」
0013ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/14(月) 10:42:24.74ID:Ltyp+Mze
先に言っておきますが、みゆきさんがアインシュタインとタゴールの対話のように
哲学的視点で「月はそこにいる」を作詞したのかどうかは分かりません。
0014ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/14(月) 11:02:43.47ID:Ltyp+Mze
>>12
10行目「ノーベル賞同士」に訂正
0015ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/14(月) 11:29:54.07ID:Ltyp+Mze
「私ごときで月は変わらない どこにいようと 月はそこにいる」
月が輝く夜の時間との対比として灼熱の砂漠 色んな解釈があるだろうが、
[全ての物事には意味がある]と解釈した。
0016ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/14(月) 11:41:32.30ID:Ltyp+Mze
Everything happens for a reason.

All things make sense.

I believe everything happens for a reason.

こういうことだと思うね
0017ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/14(月) 11:51:31.66ID:Ltyp+Mze
どんな時も月は変わらずそこに居る。
0018ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/14(月) 13:01:20.50ID:Ltyp+Mze
「全ての物事には意味がある」こう思うだけで特に女性は生きやすいと思うね。
男は基本、自分で問題解決できるから、特に、応援や励まし、勇気づける言葉を必要としない。
そんな男と違い女性は共感を得る言葉、勇気づける言葉が必要だと思うからだ。
0019ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/14(月) 13:19:01.52ID:Ltyp+Mze
太古の昔から、男は狩り出かけ、女は集落で共に助け合い協力し合ってきた。
部族間の闘争や狩りなどの外敵にいつ襲われるか分からない状況。常に生死の淵で
生き残る手段を模索して生き残って来た。そのようにサバイバルに強いのが男脳なのだ。

女性は想定しないことが起こると逃げるか、その場に蹲るか、オロオロするだけで
動けなくなるか、的確な判断は難しくなる。だが、男脳はサバイバルにはめっぽう強いのだ。

こんなとこ人が住んでいないだろう無人島や人気のない山奥で仙人のような暮らしで
意外と一人でも生きていけるのが男。サバイバルになったら女はコミュニティーかコロニーで
共に助け合っていく方が適していると思うのだ。
0020ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/14(月) 18:46:08.45ID:Ltyp+Mze
僕がユーミンよりみゆきさんに惹かれるのは、ユーミンの傲慢な性格が好きになれないからだと思う。
それはユーミンの傲慢な性格の中に自分を見るからだと思う。だから人のふり見てわが身を直せと
常に自分に言い聞かせている。そのように人とは不思議なもので人は自分を映す鏡でもあるわけだ。
本当に人間て不思議だ。
0021ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/14(月) 19:18:49.93ID:Ltyp+Mze
中島みゆき 松任谷由実 竹内まりや 3者三様 これだけ違う才能 
その中で中島みゆきの才能は性別を超え異才を放っている(笑)
戸川純とはまた違った異才 戸川純の方が遥かに異才だが
0022ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/15(火) 10:04:45.00ID:KnsOiDqA
「天鏡」

俺は一旗揚げようと田舎から都会へ出て来た。
着いて三日目の夜、都会の路地裏にある一軒の居酒屋に入った。

居酒屋で座敷席で一緒になった年配の男性と親しくなった。その男性に自分の
これからの夢を語った。その年配の男性は俺の話を興味深く聞いていた。

楽しく談笑しているうちに、酔いが回ったわけではないが、引っ越しの疲れが
出たのか、緊張がほぐれ、リラックスしたのか、強い眠気が襲って来た。

俺はうつらうつらし始めた。そんな俺の様子に気づいた年配の男性は
「そこの座布団を二つに折り枕にして、少し休んだ方がいい」と言われ、
お言葉に甘えて座布団を二つに折り枕にして眠ることにした。

 ...俺はある骨董屋の中に居た。骨董屋の店の中を色々見て回っていると、
導かれるように引き付けられたものがあった。 - それが " 手鏡 " だった -

 そんな俺の様子を見ていた初老の店のご主人は、
「その手鏡に映った自分の姿を眺めるだけで、全ての望みが叶うよ」
俺は「ええーっ、マジ?本当ですか?」半信半疑でもう一度、初老の店のご主人に念を押してみた。

「疑り深い人だね。ただね、注意しなければならないのは、望みは叶う反面、その逆の働きは同じ力を持つ。
叶う力も強いが、失う力も強い。得るものが大きいほど、失うものも大きくなる鏡だ。

そして多くのものが競って、この鏡の奪い合いが始まれば、大変なことが起こる。
そのくらい恐ろしい力を秘めている魔鏡だ。試してみるか、どうする?」と言われ、
俺は内心、ドキドキしながらもその鏡の魔力に引き付けられ買ってしまった。

それからというもの、やることなすこと信じられないくらいとんとん拍子で出世していく。
そして地位も財産も名誉も権力すべて手に入れ、いつの間にか国を支配するほどの力を持つ者になっていた。

その鏡の噂は近隣国から瞬く間に世界中に広がり、その鏡を手にいれようとする勢力及び、
世界中の権力者が、その鏡を手に入れようと躍起になる動きが一斉に始まったのだった。

この魔鏡の恐ろしさを聞かされていた俺は「大変なことになった!!! どうすればいいんだ!
どこかに隠そう。どこがいいんだ!」と慌てふためいていると、" 突然 " 爆発!
「わああああぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」 ......... - ここで、" 目 " が覚めた  -
「おう、目覚めたね!」と居酒屋で親しくなった年配の男性。

「俺、どのぐらい寝てました?」と聞くと、年配の男性は「ほんの数分じゃないかな」と言う。
「ええーっ、ほんの数分??? そんなバカな?」とても信じられなかった。
 あの「ロード・オブ・ザ・リング」の魔法の指輪の様な魔力を持った鏡の夢物語の栄枯盛衰。
 それがたったの数分の出来事?  - まるでキツネにつままれたような夢だった -

我々はこの世の96%は見えていないらしい。人が見えている世界は4%にすぎないという。
この宇宙は11次元だという。12次元にモナドという神の領域があるのではないかと言われている。
  それが[宇宙を映し出す永遠の生きた鏡] …  そしてこの世も実は自分を映す鏡だというのだ。
 - 宇宙を映し出す永遠の " 生きた鏡 " ... 
           それは、ひょっとしたら、我々を観察する巨大な " 瞳 " なのかも...
        
0023ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/15(火) 10:18:08.96ID:KnsOiDqA
「天鏡」天理教の話ではない。みゆきさんが天に鏡があるのではないかという考えから
作られたものだと思われる。先に言っておくが、僕は無宗教。人間が作った宗教全般には
あまり興味はない。ただそれで救われる人が居るならそれでいいと思う。

僕は基本何を信じようとかまわないと思う。信仰の自由があるから否定はしない。
ただ人に迷惑をかけず、自分たちで信仰しているならそれはそれで構わないと思う。
0024ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/15(火) 10:24:54.51ID:KnsOiDqA
僕は常々この我々の世界を覗いているというか、観察している大きな " 瞳 " の様な存在
があるのではないかと思っていたからだ。
0025ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/15(火) 10:33:17.90ID:KnsOiDqA
>>22
3行目「居酒屋の座敷席で」に訂正
0026ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/15(火) 11:38:26.92ID:KnsOiDqA
宇宙物理学、理論物理学のロジャー・ペンローズとアリゾナ大学准教授
スチュワート・ハメロフの量子脳理論では、私たちの意識は量子情報。
素粒子だと言う事だ。宇宙にはビッグバン発生時には既に存在していたであろう
[原意識]というものがある。人は死ぬと脳内の意識が量子もつれによって、
宇宙空間に存在する[原意識]と繋がるという。

これはどういうことかと解釈すると、原意識とはいわゆる神の様な存在みたいなものかな。
私たちが死ぬとこの原意識に観測され、脳内の量子情報、すなわち私たちの中にある
原意識(魂)が量子もつれによって繋がるのではないかという話。

この原意識が神という存在なら、普段からこの世に居る誰でも、構わないが、
誰か特定し観察しようとすると一瞬で繋がり観測している可能性があると思うね。
0027ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/15(火) 17:14:21.08ID:KnsOiDqA
>>24
この世界(地球)を支配し監視しているプロビデンスの目の支配者たちがいるんだから、
太陽系、銀河系、そしてこの宇宙の外からこの世界に住む我々を覗いている " 瞳 " が
あるのではないかと思っている。
0028ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/15(火) 17:30:24.44ID:KnsOiDqA
これから監視社会になっていくのだろう。人間の技術は神の領域まで近づくことはあっても、
神の領域を超えることはない。量子コンピューターが従来のコンピューター。

例えば、高性能計算9年連続1位のsupercomputer京。このスパコンが一万年もかかる
演算計算を一瞬で解いてしまうのが量子コンピューター。この核が量子ビット。

もし、この世が巨大な量子コンピューターだったら、この世の創造主(神とした場合)が
いたら、宇宙の外から、この地球にいる私たちを特定し、観察することは可能なのだ。
0029ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/16(水) 09:21:19.79ID:J/hshCp4
「Tell Me,sister」

幼い頃から、自分の容姿に自信がなかった。鼻は低いし、ブサイクだと
自分を責めて生きて来た。いつも自分を責め傷ついていた。

そんな私の内側に出来た傷は、いつの間にか化膿していた。
いつも自分の中で、美しい人だけが幸せになれるという人生観を持っていた。
だから綺麗な人を見るたびに、いつも羨ましく思って生きて来た。

そんな容姿と幸せを繋げた考えが、私の劣等感を作り上げていった。
そして私は壊れた。長く伸ばしていた髪の毛をバッサリと切り落としたのだ。
鏡に映る無造作に切り落とされたショートヘアー姿の私を睨みつける私。

どんなヘアースタイルにしても、どんな洋服を着ても、似合わない私に腹が立ったのだ。
自分の容姿を好きになれない可哀そうな自分。そうやっていつも自分を責めて生きて来た。

時は流れ、ある日突然、クラスの男の子たちの憧れ的存在だった、あの美しい彼女が亡くなって
いたことを知る。それは突然かかってきた友達の電話での話の中で知った。

彼女は私の理想でもあり、憧れの存在だった。彼女になれないと、分かっていても、
いつも彼女を理想にし、目標に生きて来た。整形も考えた。ブスな私に嫌気がさし、
何度も死のうと自殺を図り、リストカットを繰り返していた私。生きるって何だろう。

何のために生きているのだろう...ふと、そう思った時、空耳なのか、亡くなった
おばあちゃんの声がした気がしたのだ。いつも私が容姿に自信がなく悩んでいた頃、
口癖のように言っていた言葉。「そのままでいいんだ」そうやっていつも微笑むだけだった。

「そのままでいいんだ。お前は、そのままで十分可愛い。生きることは辛く苦しいことが
多いのは当たり前だ。それを乗り越えていくために生まれて来た。お前の体は神様から
授かったものだ。授かったものには何らかの意味がある。だから、そのままでいいんだ」
0030ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/16(水) 12:29:51.54ID:J/hshCp4
女性はどうしても自分を責めてしまうから、悩み事を聞いてくれる人が傍に居るといいね。
男と女の人では悩みも解決法も全く違う。女性は別に問題解決してもらわなくても、

心に寄り添い話を聞いてくれる人が居ればいいね。人それぞれに深刻度も違うけど、
男は問題解決策を練るが、女の人は心の癒しで十分なんだよね。どちらでもいいんだ。
0031ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/16(水) 22:02:22.71ID:62UQxUmq
「Tell Me,sister」いいよね。コンサートで唄ってほしい。
同じアルバムの「粉雪は忘れ薬」もいい。
0032ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/17(木) 09:53:23.51ID:4Sjc0qlZ
「サバイバル・ロード」

 - あれは去年の夏の終わり頃だった...
その日、仕事の合間に街のカフェでコーヒーを飲みながらゆっくりしていた。
不意に持っていたスマホが鳴った。取り出してから着信を確認すると会社からだった。

受信ボタンを押して出る。「はい、北村です」ー「あ、俺だ! 今すぐ帰社してくれ!」
ー「分かりました」社長の黒崎からだった。 一言言って切り、会社へ向かった。

ここからだと歩いて15分ほどで着く、ビル風を受けながら段々と、
夏が終わりかけていく街の光景を見る。

帰社すると、不意に前方からスーツ姿の壮年男性が近寄って来た。
恰好からして検事だ。 - 逃げられない ・・・
そう思って立ち止まると、 一人が、
「北村源治さんですね?」と
訪ねて来た。 案の定、検察官。
「○○地検まで、御同行願えませんか?」と言い。俺を連行した。
既に検察は鍵つけていたのだった。

あの不正な○○記録の実態を。
そして黒崎のいる社長室にも、ガサ入れが入っているようである。
これで一巻の終わりだと思った。地検で聴取される際、今回の件は、一切黙認しようと考えていた。

下手に口にすると、社に更に迷惑を掛けてしまうので警戒していた。
地検の調査は恐ろしいのだから・・・・・・・・・。

この連中にとって、会社の一つ潰すくらいのことは訳がないのだし・・・。
乾いた街の一角から、ワゴン車に乗せられる。そして車両は○○地検へ向かった...
0033ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/17(木) 09:58:45.13ID:4Sjc0qlZ
>>32
下から8行目「既に検察は嗅ぎつけていたのだった。」訂正
0034ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/17(木) 10:02:47.01ID:4Sjc0qlZ
>>31
いいですよね。僕も好きです。
0035ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/17(木) 18:43:11.03ID:4Sjc0qlZ
「サバイバル・ロード」

時間は午後10時に近かった。環状八号線の車のラッシュ時と
あまり変わらなかった。

「どこかで事故があったのでしょう」と遠山のお抱え運転手の吉田が言い訳めいた口調で言った。
高速三号線を下りてから、普段なら10分足らずの距離を倍近い時間をかけ、私鉄の上野毛駅を
過ぎてやっと右折する。途端に車は、落ち着いた住宅街の静寂な闇に包みこまれた。

「あと二週間か」と遠山が意味のない呟きをする。二子多摩川園に向かっていた車が右折、
大谷石で囲った門構えの二件目で停まった。薄暗い門灯が枯れた街路樹を映していた。
運転手の吉田が先に降り、門扉を開けてから車の後部座席のドアに手をかけた。

遠山がそんな運転手の吉田にうなづいて、車から降りようとしたその瞬間、どこに隠れていたのか、
黒皮のジャンパーとコートを着た屈強な三人の男たちが、降りようとした遠山のベンツを取り囲んだ。
運転手の吉田も男たちの気配に全く気付かなかったと見え「あっ!」と声をあげた。

パワーウィンドウを開ける指示をする。遠山が明けると
「大和電鉄の社長の遠山慶一郎さんですか?」
厳つい顔をした革ジャンの男が腰をかがめ気味に、遠山を確かめるように呟いた。

「君たちは何者だ?」そんな男たちの態度に、遠山をかばうように立ちはだかった
運転手の吉田が、懸命な口調で睨み返した。

一見して暴力団員とわかる服装の服装の男たちだけに、遠山は何が起こるかわからないと思った。
だが、革ジャンの男は首を振りながら不器用に表情を崩した。
「見てもらいたいものがあって待っていたんです」「なんだ?」
0036ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/17(木) 18:46:13.44ID:4Sjc0qlZ
>>35
下から8行目「遠山が開けると」に訂正
0037ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/17(木) 19:02:22.98ID:4Sjc0qlZ
>>35
下から3行目「暴力団とわかる服装の男たちだけに」に訂正
0038ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/19(土) 07:28:00.49ID:I8F4BTVn
「あした天気になれ」

俺には苦手な部長がいた。天邪鬼というか、へそ曲がりで、ひねくれ者、
俺のやることに対して、いつも何かと逆のことを言ったり、文句ばかり言う。

そんな変わり者で、飲みに誘っても来ることはないし、忘年会なんかでも、一人淡々と飲むようなタイプ。
そんな感じで、いつも怒られていた。そんなこともあって凄く苦手な人だった。

ある日のこと、部長の解雇を伝える社内ニュースが全員に届いた。
あのむかつく部長がいなくなる!! 心の中でガッツポーズ!!! したのは決して
 - 俺だけじゃないはずだ -  嫌な奴が居なくなって清々したのは  -

それから一週間後、部長の最後の出勤の日。
退社のセレモニーが終わるとみんなそそくさと帰っていったが、
部長と俺だけが居残って仕事を片付けていた。

送別会の開催も、自ら断った部長を苦々しく思っていると、
珍しく専務から呼び出された。しぶしぶ専務室に行くと、
常務と専務が待ち構えていた。

 - 俺は、そこで初めて常務から部長解雇の真相を知った。  - " 原因は俺だった " -

 ーーーーーーーーー 俺のミスの責任を全て部長がかぶってくれたらしい。

話を聞いていて、たまらなくなった俺は、急いで部署に戻ったが、既に部長の姿はなかった。

ふと、自分の机の上を見ると、封の開いた買い置きの煙草があった。
既に一本無くなっていた。
     ー 横に添えられたメモにはこう書いてあった ー

「これぐらいは貰っていくよ。 君には期待していた。君ならきっとできるよ。 頑張れ!」
0039ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/19(土) 13:34:23.08ID:I8F4BTVn
「驚いたね〜こっちも緊張したね〜女の人は苦手だね(笑) ステージで一緒にやるのは
僕は女の人は普通無いですね。まあ中島さんも、あんまり人とやるのは無い… 
ひょんなことで " やろうか ? " って言ってくれてね… (場内拍手)。

かまやつさんも中島さんもいい人ばっかりでね(笑) みんな歳を経て
来たからいい人になったんだよね(笑) 
若い頃は嫌な奴だったんだきっと(客席爆笑)」
「中島みゆきにもう一回拍手を… (場内拍手)」

みゆきさんも若い頃は突っ張っていた。生意気で頑固者でよく衝突していた。
僕もそうでした。昔の人はそんな人が多いと思います。
ユーミン、みゆきさんに拍手を 完璧な人間なんていません!
0041ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/20(日) 07:26:51.53ID:Tb7LEFXa
「時刻表」

その昔、大学の同級生の女の子にガリガリに痩せた子がいた...
細身の娘が好きだったおかげでお声かけ。...程なく恋仲に...

ある時「心臓に大穴が開いていて、苦しい... 子供も無理と
諦めるなら… 今のうち!」と告白された。

本人は死ぬ気だったらしい... 迷うことも無く、恋人のまま。
出来る手術があるのならと方々の心臓外科を探し回って...
何とか手術までこぎ着けた。  ー " ドキドキ " ー 無事成功した!

嬉しかった! 術後も良好。 でも、子供は無理と言われた! 受胎しないだろうと
言われた。当然、親同士は結婚に猛反対! 俺の親は勿論、向こうの両親も無視。
無視続けても、説得し続け、6年かけてやっと挙式、そして入籍。

10年後、余程経過が良かったのか、妊娠が発覚!
主治医に相談したら、妊娠できたのなら、出産は問題ないでしょう
「挑戦しましょう!」と言われ、俺の女房だぞ! 俺の子供だぞ! 
大丈夫なんだろうなぁー " ドキドキ "

無事出産! 3000g 「元気な男の子です」と言われ、
あまりの " 嬉しさ " に飛び跳ねていた!!!

半年後、かみさんに似たような心臓障害発覚!
「成長しないだろう」ってどういう事?
「様子を見ながら、出来るものなら、手術をしましょう」
かみさんの執刀医の紹介で、小児心臓外科の先生にお願いする。

大事な一粒種だぞ! 殺すなよ!! 頼むから…  - " ドキドキ " -
- 無事成功した - これ以上ないくらい喜ぶ!!!

 … あれから15年の歳月が流れたか、... …
朝から物思いにふけっていると、さっきまで台所に居たかみさんが
「何朝からボーっとしてるの。さっさと済ませて、遅刻するわよ!」と、
今、目の前にコロコロ太ったかみさんがいる。

ちょっと注意をすると
「うぜえんだよ! 親父!」と憎まれ口を聞く、ちょっと小ぶりな反抗期の男子高校生いる。

ここに、さえないサラリーマンのごく普通の一家がある。

家を出て、いつものように駅に着く...
今日も何気ないプラットフォームの人の流れの中でそっと時刻表を見上げる。
0042ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/21(月) 07:32:34.99ID:5RN2HtO1
「流星」

「ふあぁぁ〜」と仮眠をとっていたが、バスが止まった気配で目を覚ました。
トラックを降り、自動販売機に向かう。ガシャン!と缶コーヒーを取り出す。
ブラックがないなら仕方ない。甘ったるいけど、温まるならこれでいい。

長距離トラックの運ちゃんの仕事も、長くやっているとルートルートごとに決まった
サービスエリアに立ち止まる事が多くなる。いわゆる行きつけって奴かな。
「おばちゃん! 今日も元気だね」
「おうよ、あたしゃ、いつまでも現役だよ! あんたこそ、この頃、老け切ってるよ。
あたしより先に行くんじゃないよ!」
「言うなぁ〜 おばちゃんも。 ワハハハ」

食堂のおばちゃんとも、すっかり顔なじみだ。メニューも、ほとんど頭に入っている。
とはいっても、いつも食うのは、掛け蕎麦オンリーなんだけどな。

俺は、掛け蕎麦をいつものように5分ですすり、食器を返却棚に下げ、食堂を後にして、
トイレに向かった。そうそうトイレに行く途中に飲み物の自動販売機がある。

さっき飲んだけど、いつも食後に、缶コーヒーを買って飲む習慣になっている。
今日は一段と身体が冷え込む。「もう一本飲むか」
そんな時、「おじさん!」と言われ振り向くと「おっ! お姉ちゃん」

「おじさんとは、この前、あった時「お姉ちゃん、寒いからこれ飲めよ」って、
温かい缶コーヒーを投げてくれて、「じゃあな、」って
トラックで行ってしまって以来だからね! 今度は、私がおごるね」

「おう、アリガトね! ...俺にも、今はいないけど...
12年も前に病気で亡くなった一人娘が居てね。 ...生きていれば...
今年、成人式だったかなぁ〜」と俺は語った後、
- これ!- と言ってポケットから出して姉ちゃんに見せた。そんなボロボロになった革の財布。

「この財布は、亡くなって今はいない娘からの父の日のプレゼントなんだ。
だから、中々捨てられなくてね。ボロボロになっても大切に使っているんだ。
そして俺のお守りにもなっている。ワハハハ」

ーーー だから、俺の心の中には、幼い頃の娘の無邪気で元気な姿が今でもいるんだよ。
0043ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/21(月) 07:44:28.14ID:5RN2HtO1
>>42
8行目「あたしより先に逝くんじゃないよ!」に訂正
0044ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/21(月) 21:45:41.84ID:5RN2HtO1
>>42
13行目「そしてトイレから出た途中に飲み物の自動販売機がある。」に訂正
0045ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/22(火) 08:03:21.21ID:LaiXcapm
「希い」

閉めたままのカーテンの隙間から、日曜日の眩い朝の光が差し込んでくる。
家の外からは、まだ目覚めたばかりの街の外の通りから僅かな喧騒が聞こえてくる。

近くを走る車やバイクの通り過ぎる音。耳を澄ますと聞こえる小鳥たちの鳴き声。
カーテンの閉じ目から差し込む朝日が顔を照らし目が覚めた。カーテンの隙間から差し込む
あまりにも明るく強い光。ベットから起きて、壁にもたれかかって座りながら、

暫くの間、そんなとりとめのない街の僅かに聞こえる外の音に耳を澄ませていた。
夜遅くまで起きていたからまだ眠い。眠い目をこすり、重たく感じる全身に鞭を打って顔を洗いに行く。
台所では、おふくろがサバを焼いていた。無言の台所に響くのは、おふくろがひたすらに魚を焼く音。

青魚の油が熱せられ、台所いっぱいに香ばしさが広がっていた・・・
今日は休日だったなぁ〜 俺はテーブルに着くなり、先日、コーヒー通の木村が話していたことを思い出す。
そういえば、木村の奴、こんなこと言っていたなぁ〜 木村「インスタントコーヒーを飲む時に、
粉を水で溶いてから、お湯を注ぐと、インスタントコーヒーが、本格コーヒーになる」

俺「嘘やろ! 信じられん!! マジか!?」
木村「騙されたと思って試してみろ! 本当に美味しくなるから」と、ドヤ顔で、言っていたな...
半信半疑で、木村が言った通りにやってみると「おおっ! 香りも味もいい」やっと眠気が覚めた。

どれと、今朝の朝刊に目を通す。一面も三面記事も、どれも相変わらず、
人間の欲が引き起こす、欲にまみれた欲深い事件や事故ニュースばかりだ。

「おふくろ、ちょっと散歩に行ってくる」「もうすぐ出来るから。食べてからにしなさい」
「近くの神社まで、30分くらいの散歩で、すぐ戻ってくる。帰って来てから食うよ!」
「ほんとに、しようがない子だね」

神社に着くと、神社には絵馬が沢山あって「あまり良い趣味じゃないな」と思いながらも、
他人の色々な願い事などを見ていた。受験・合格発表・入学シーズンと言う事もあり
「大学に合格しますように」とかの願掛けが多かった。

他に商売繁盛、「○○さんと一緒になれますように」などの縁結びなど...
その中で、一番小さく安い絵馬板に書かれた幼く可愛い文字に目が釘付けになった!

-「おかあさんの びょうきを なおしてください かみさま おねがいします」- 
 多分、幼い女の子と思われる幼く不揃いな文字で書かれてあった...

...事情は、勿論分からない...どんな子なのかも、親がどんな重い病気なのかも知らない...
 - けど、この子の願い事が、叶うように心から願い祈る。。。。。。。。。

    … 希いよ届け! … この子の希い … " 願掛け " をした …
俺は、今まで願いなんて、口に出したことなかったけど...

- 本当に、この子のささやかな " 願い " が叶いますように...
   強く希えば必ず叶うだなんて嘘は言わないし、思わないけど... 
  
     ...どうか、神様、この子の願いを叶えてやってほしい!! ...
               切に望む ...切なる願い...お願いします!!!
...俺はこれほど強く願ったことは今までなかった... とても強く願うことを[希い]と言うらしい...
0046ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/22(火) 15:37:59.87ID:LaiXcapm
>>45
17行目「人間の欲が引き起こす、欲にまみれた欲深い事件やニュースばかりだ。」に訂正
0047ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/23(水) 07:50:44.34ID:oJmbypmN
「歌姫」

 … 初夏、私は麦わら帽子と白いワンピースで海辺に立っていた...
白く泡立つ波打ち際。濃い潮の香り、手に取ってみると、ざらざらとした砂の感触。

波打ち際を低く飛んでいたカモメが、遠くに見える灯台の方へ飛んでいく...
広く青い空、白い雲、その先に広がる水平線。水平線の彼方、遠くに船が見える。
産みの表面がキラキラと輝いて見える。

潮の香りと波の音が心地よく耳を優しく刺激する。たっぷりと潮を含んだ潮風が、
頬を撫でていく。海を渡る風が起こしたさざ波が、時折、水面を走り抜けていく。

私の目の前の白い砂浜の波打ち際を、若いカップルが燥いでいた。
女の子はパンプスを脱いで、両方の手に持って、波と追いかけっこを始めた。
男の子も、急いでスニーカーを脱いで彼女に駆け寄り、彼女と一緒になって波を
追いかけっこしている。波打ち際で、ふざけあっている二人が微笑ましく眩しい。

-「おう、冷てぇー」- と男の子が燥ぐ。まだ海水は冷たそうだ。
裸足になって、波打ち際を走り回り、やってくる波を楽しそうに蹴散らかしていた。
波は音を立てて砕け、そして勢いよく退いていく。白く細かいしぶきが眩しく
光っている。白く泡立つ波打ち際。眩しいぐらいの日差しの中、じゃれあう二人。

日差しが強いので、近くの木陰まで歩いて休息。そんなには遠くないところで、
砂浜に座って青年がハーモニカを吹き鳴らしていた。そのスローなメロディーが、
心地よく潮風と共に聴こえてくる。目を閉じて聴いていると、昔、外国船
クルーズに乗って船旅をしていた頃を思い出してくる...

痩せて背が高い外国人の船乗りが、ハーモニカを吹き鳴らしていた記憶...
そして遠ざかる船のデッキに佇む自分の姿が見える...
 - あの頃の自分が蘇ってくる ーーーーーーーーー
0048ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/23(水) 08:13:41.25ID:oJmbypmN
>>47
5行目「海の表面」に訂正
0049ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/24(木) 07:34:55.28ID:ijQQ0ZLP
「最後の女神」

私が8歳で弟が5歳の頃、当時、母が病気で入院してしまい、父が単身赴任中で、
私達は父方の祖母の家に預けられていました。

母や私達を嫌っていた祖母は、朝から夜遅くまで舞踊のお稽古に行き、私達の世話は
一切してくれません。そこで、私達はいつも近所に住む高橋さんという方の家で
ご飯を頂いていました。

ある日、母が一日だけの許可をもらって退院することになったのです。
本当は体がとてもきつかったのに、母は甘えつく私達を何回も抱っこしてくれたり、
夜は三人で歌いながら、楽しくハンバーグをこねて作っていました。

「今日は、お母さんが帰って来たので、ご飯はおうちで食べます」と、
高橋さんの家に、あいさつに行った時の弟の何か、誇らし気な表情を見て、嬉しくなった私は、
その紅潮した頬っぺたに何度も、自分の頬っぺたを擦り付けで家に帰りました。

家に着くと、料理が食卓に並べられ、母は暖かい牛乳を差し出して
「おばあちゃんが帰って来たから、ちょっと待っててね。皆で食べようね」「うん!」
私達が高橋さんの家に、行っている間に帰って来たらしい。暫くすると、
着物から着替えた祖母が台所に入って来た。

「お義母さん、お食事の用意が出来ていますので、どうぞお掛けになってください」
その言葉を遮るように祖母は「病人の作ったものが、食べられますか! 何が感染するかわからないのに!」と、
母が作った料理を全て残飯の入ったゴミ袋の中に捨てて言った。

「も、申し訳ありません...」
さっきまでニコニコしていた母の顔から、一気に血の気が引いていくのがわかりました。

「ばかやろ!」と " 突然 " 、弟が叫んで!!! 、祖母からゴミ袋をひったくった!!
小さな体で祖母の前に、仁王立ちになった弟は、祖母を睨みつけながらゴミ袋から母の作ったご飯を
手ですくって食べ始めた。「俺はなぁ...俺はなぁ...」… 小さな " 肩が震え " ている …

弟は後の言葉が、出てこず目から涙をボロボロ溢しながら貪り食っている。小さな肩を震わせ、必死に強がって、、、
それを見た私も、見てられずに大泣きしながら、ゴミ袋からハンバーグを掴み取って食べました。

その光景を見た母は「もう、いいのよ。やめて、二人とも。いいのよ。お願いだから...」
泣きながら止める母の声も無視して、私達は貪り食い続けました。

 これが、私達姉弟の...最後の母の味に......
 - 悲しさと悔しさ、涙いっぱいの最後のおふくろの味になりました.........
0050ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/24(木) 07:47:42.20ID:ijQQ0ZLP
この作品はTBSニュース報道番組news23のエンディングテーマソングとして作られた。
子供たちにとって、特に男の子にとって、自分を生んで育ててくれた母。
見返りを求めない母親の無償の愛は一番身近な女神だと思います。
0051ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/25(金) 07:34:44.57ID:ojXNpV18
平和ボケしているとわからないけど、パンデミックが始まった頃から気付いていた人は
気づいていたはず。今は慌てず、冷静の状況を見る必要がある。
0052ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/25(金) 07:44:09.76ID:ojXNpV18
ロシアのウクライナ侵攻が始まったから戦争状態突入ではなく、パンデミックが
始まった時から、既にそういう状態だった。だから今は慌てずに、冷静にこの状況を
観察する必要がある。我々には何もできないからだ。実は国、民族、人種ではなく、
この世界を支配している人たちが居るから起こる事。我々はどうすることも出来ない。
0053ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/25(金) 08:05:50.84ID:ojXNpV18
全ては天任せ。
0054ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/25(金) 09:04:28.00ID:ojXNpV18
人一人一人の意識、当然、支配者たちも含めた全人類の意識と地球の意識は繋がっている。
(地球も一つの生命体ガイア、テラ)と捉えた場合。

そしてこの宇宙とも繋がっている。そう考えた場合、この世で起こることすべてに
何らかの意味があると思っている。そして我々にはどうすることも出来ない以上、
状況をただ見守るしかないのだ。そういう意味での天任せ。
0055ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/25(金) 12:53:27.81ID:ojXNpV18
今年は特に注意深く状況を見ないといけない事態が増えてくるかもしれない。
ウクライナ、東シナ海、中東、これらの地域に ロシア対ウクライナ、
米国対中国、パレスチナ対ユダヤ 特に米中戦争が始まったら、日本は戦場だ。

中国の一番身近な敵国が日本だからだ。そうなると米国は引き上げ、日中戦争に
なるだろう。そうなると民族が近い者同士の骨肉の争い。中東戦争、日中戦争、
ウクライナ対ロシアの戦争 民族が近い者同士の骨肉の争いは長引く。
何故なら憎しみが深くなる危険があるからだ。
0056ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/25(金) 22:44:44.52ID:ojXNpV18
旧約聖書通りのエゼキエル戦争になったら人類は終わる。
ロシア、イラン、トルコなどの国がイスラエルにちょっかいを出すと世界は終わる。
最終戦争ハルマゲドン。新約聖書、コーランは旧約聖書から生まれた。旧約聖書の

写本が死海文書。そうなった時、人類の滅亡を救うのはイスラエルのメシア。
東方から現れるイエスの血を引く救世主。これが日本を差すと言われている。
北米最古の民族ホピ族の予言でも過去三度滅びた。四度目の文明が滅びようとしている。

その救世主は日本から現れると言っている。死海文書、ホピ族の頃にはヨーロッパの国々や
アメリカの国々がまだなかった頃、既に日本という国はあったのだ。
実は日本が世界最古の文明を持つ。世界は日本から始まったのだ。

日本に住む日本人も知らない歴史があるのだ。
エギゼエル戦争が起きると支配者も含めた人類は滅びるのだ。
実は今の支配者はそのことを知らないのだ。起きてしまってからでは手遅れだ。

自分たちの物差しでこの世界を見ている間は実は本当のことは解らないのだ。
プロビデンス目のピラミッド構造も、この世界のピラミッドの支配構造そのものが実は
バベルの塔だからだ。死海文書、ホピ族の予言どおり日本から本当に

救世主が現れれば人類は助かるはずだ。世界中の古い預言書や古書などに
人類の救世主は日本から現れるとなっていることが多い。
日本が救世主が現れなければ人類は滅びると言う事なのだろう。
0057ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/25(金) 23:00:11.12ID:ojXNpV18
シュメール文明は日本超古代文明から生まれた。
0058ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/25(金) 23:31:27.64ID:ojXNpV18
我々は学んできた物差しでこの世界を見る。そんな固定概念でこの世界を見ても、
本当のことは解らない。例えば「月は天体ではないよ。宇宙船の様な人工物か
もしれないよ」と言われたら、

「何馬鹿なこと言ってんだ! 馬鹿かおまえは! 中二病か? ワハハハ」となるはずだ。
「この地球が宇宙の監獄かもしれない」と言うと
「おまえ頭狂ったか? 馬鹿かおまえは!ワハハハ」となるはずだ。

そのぐらい我々は自分が学んできた固定概念という物差しでこの世界を見る。
実は学んできたこと自体が怪しいと言う事自体疑わないのだ。
0059ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/27(日) 18:25:46.90ID:qvT1nn13
ここでいう僕のつぶやきは中島みゆきとは全く関係ありません。当たり前のことだけど、
誤解する人が居るので一応言っておきます。
0060ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/28(月) 11:26:30.47ID:A5rcofvs
ウクライナの地域は過去ハザール帝国があった。ハザール系ユダヤ人の地域。
今イスラエルに居るアシュケナージム・ユダヤ人はハザール系ユダヤ人である。
0061ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/28(月) 11:47:52.24ID:A5rcofvs
戦争が長引くとヤバいかもしれない。
0062ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/28(月) 12:49:42.75ID:A5rcofvs
「ひまわり"SUNWARD"」

 …あれは去年の夏だった...。
休みで家でゴロゴロしていた俺に、嫁が息子の学校に忘れ物、
届けに行ってと言う。息子が忘れて行ったらしい。

仕方なく、学校に行くと、学校は中休みで、子供たちが校庭で遊んでいた。
夏の強い日差しの中、校庭の周りに咲くひまわりが真っ直ぐに太陽を見上げていた。

正面玄関を抜けた所にある花壇で、軽い障害のある子が、上級生らに囲まれて泣いていた。
頭にヘッドギアを付けた。おそらくは肢体不自由の他に知的障害もあるであろう
特殊学級の男の子がしくしく泣いている。その子に対して勝ち誇るように、

その中でガタイのデカイ、リーダー格の一人が「やれよ、時間がねぇんだよ!
やんなきゃ殺すぞ!!」と、凄んでいたのは、俺の " 息子 " だった!

俺は背後から、息子の髪を掴んで地面に叩きつけた!「何するんだ!! てめえ!!! あっ! 親父!?」
まさか、ここに居る訳のない親父の顔を見て、信じられない様子の息子。

その息子の胸ぐらを掴んで立たせて、顔面を殴った。生まれて初めて親父に殴られた恐怖に、
顔をこわばらせる息子。そんな息子に「その子の痛みが、分からんか!!! お前と違って、
大変な思いをして生きている子を虐めやがって!!!」… 俺の怒りはマックスに達した …

嫁が言うから、小さい頃から情操教育に気を使い、人に優しくあれと教えて来たつもりだった...
小さい子、弱い子を守る事の美徳を教えてきた。こんな陰湿ないじめをするクソガキに育ったのは
俺の責任だ! そう思うと、悔しくて情けなくて、また息子を殴った。親父の愛の鉄拳だ!
鼻血を出して、うずくまる息子。そんな息子を見下ろして仁王立ちになった俺。

その光景を見ていた担任や他の先生方が、
    …  一斉に職員室から飛び出してきて、三人ががりて止められた  …
0063ジョン・スミス
垢版 |
2022/02/28(月) 12:57:32.97ID:A5rcofvs
こういう場面での自分の息子に対して、こういう親父の鉄拳は時には必要だが、
国に対する侵攻となると、そう簡単にはいかない難し問題。早く終息を祈るしかない。
ロシアが撤退することを祈るしかない。
0064ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/01(火) 09:38:36.36ID:/elj6n/D
「愛だけを残せ」album version.

私には妻が居たが、一人娘が一歳と二か月の時、離婚することになった。
理由はもともと酒癖が悪く暴力を振るう癖があり、幼い娘に危害が及ぼす事を
恐れた妻が子供を守る為に選んだ道だった。

今は深く反省し、付き合いでも、一滴も飲まないようにしている。
だからと言って、よりを戻してくれなんて言えないことも理解している。
元妻と娘には幸せになって欲しい。その気持ちに嘘はない。

離婚する時、私は妻と約束をした。年に一度、娘の誕生日だけは逢いに来ても良いと言う事と、
自分が父親であることを娘に明かさない事。そして、私は娘の誕生日に普段着ないスーツを
着て会いに行った。元妻は、私のことを遠い親戚のおじさんと紹介した。

それ以来、娘は私のことを見知らぬおじさんと言うようになった。
娘が小学校に上がる年の頃。例年の通り、スーツを着てプレゼントを持ち訪れると、
元妻から突然、「もう会いに来るのは、最後にしてほしい」と言われた。

そろそろ色んな事を理解してしまう年頃だからという理由からだった。
娘もやがて一緒に誕生日を祝う友達が出来るだろう。元妻も再婚を考えている
のかもしれない。そんなことに見知らぬおじさんが居てはいけない。

年に一度、家族の時間を繰り返せば、いつかは二人が、私をお父さんと呼んでくれる日が来る
かもしれないと勝手に信じていた私が愚かだった。一度壊れてしまったものは元には戻らない。

それ以来、会うことはなくなった。でも、娘の誕生日は毎年プレゼントは贈り続けた。無記名で。
それを元妻は娘に渡していたかはわからない。それも今年で最後にすることにした。

それから一ヶ月ほど経ったある日、私のアパートに郵便物か届いた。差出人は書かれていない。
小さな箱を開けてみると、水色のネクタイピンとメッセージカードが添えてあった。

メッセージカードを開くと、「いつも、素敵なプレゼントをありがとう。私もお返ししようと、
思ったのだけど誕生日がわからなかったので、今日贈ることにしました。
気に入ってもらえると嬉しい...。 見知らぬ子供より」
 
 ーーーーーー つけっぱなしのTVでは今日は、「父の日」ですね。
                     ...皆さんは、どうしますかと語っていた...
0065ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/01(火) 09:50:28.88ID:/elj6n/D
>>64
15行目「そんなとこに見知らぬおじさんが居てはいけない。」に訂正
0066ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/01(火) 10:55:44.71ID:/elj6n/D
「愛だけを残せ」single version.

私が小学生の頃に、少し足し算、引き算の計算や会話のテンポが
周りの子よりも遅い男の子A君が居ました。

彼はよく空の絵を書いていました。
抜けるような色遣いに、子供心に驚嘆していた。

担任の男の先生は算数の時間、解けないと分かっているのに、答えをその男の子A君に、いつも聞く。
男の子は冷や汗をかきながら、指を使って、「ええと、、、ええと、、、」と答えを必死で
出そうとする姿を周りの子は笑う。担任の先生は答えが出るまで、しつこく何度も何度も言わせていた。
私はそんな担任の先生が大っ嫌いだった。

クラスもいつしか変わり、私たちは小学六年生になる前、その先生は違う学校へ転任することになった。
それで先生のお別れ会をやることになった。生徒代表でお別れの言葉を言う人が必要になった。

先生に一番世話をやかせたA君にやらせればいいと言い出した連中が居た。みんなもそうだA君がいいと言い出した。
お別れ会で一人立たされて、どもる姿をみんなが期待したのだ。

その日がやって来た。当日、A君は立ち上がり、先生の前でどもりながらも
「ぼ、ぼ、ぼくを、ふ、普通の子と一緒に勉強させてくれて、ありがとうございましたと
先生はみんなが帰った後、ぼ、ぼくに、恥を恐れるな、若い時の恥は、一時の恥、
今がんばれば、どもりも治せる。頑張れと励ましてくれました。本当にありがとうございました」

A君の感謝の言葉は15分以上にも及んだ。あんなに酷かったどもりもいつしかなくなっていた。
自分に自信がついたのだ。先生から水彩絵の具の色の使い方を教わったこと。

放課後、先生と算数の勉強をしたことなどを語った。その間、おしゃべりをしたり、笑ったり馬鹿にする子も
居ませんでした。みんな真剣に聞き入っていました。A君の話が終わった後、みんなが拍手しました。

...先生がぶるぶる震えながら...嗚咽を食いしばる声が体育館に響いた...
0067ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/01(火) 11:10:48.79ID:/elj6n/D
>>66
14行目「ありがとうございました。」に訂正
0068ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/04(金) 11:08:46.51ID:TrXETqvM
「瞬きもせず」

もがき苦しむ我が子の姿を目の当たりにしながら、その姿を見守り、願う事しか、
出来ない親の辛さは地獄の業火に焼かれる思いだった。「頑張れば幸せになれるよ」
小児癌と闘う我が子にかけた言葉。5歳の時に病魔に襲われた。ユーイング肉腫。

10万人に1人と言われる子供に多く発病する骨の癌。大変強い疼痛が特徴で、
同じ悪性の骨肉腫よりも強い痛みがあり、体中に転移しやすく強い抗がん剤で治療
しなければならない難病。子供にはあまりにも過酷な治療。ナオ君は痛みに耐え、
必死に病と闘っていました。

しかし、癌は全身に転移し、もはやなすすべもない状態になってしまいました。
目は開き体はよじれ、ナオ君は悲鳴ともつかない声で「苦しい!… お母さん!息が、息が出来ないよ!!!」と
訴える...もう、だめかもしれない。私は我を失い、泣き叫びパニックになった!

叫びながら、病院中を駆け巡り主治医を探し回った。研修医しか見つからない。
病状が収まらない我が子を目にし、半狂乱になった私は周りに怒りをぶつけてしまった。
「何もできないんだったら!あっちへ行ってよ!!」暫くして処置が効き始めたのか、

ナオ君の呼吸が落ち着いてきた。ほっとして、立ち尽くす私に医師が告げたのは、
「今は落ち着いていますが、おそらくあと半日くらいだと思います」という残酷な告知だった。
病室に戻り平静を装おうと必死な私。その気持ちをいち早く察知したナオ君は、

「さっきナオが、あのまま苦しんで死んだら、お母さんおかしくなったでしょ。だからナオ、
がんばったんだよ。それでも苦しかったけど。お母さんがナオのためにしてくれたこと、
ナオはちゃんとわかっていたよ。でも、安心して。ナオはああいう死に方はしないから、

ナオは生まれてくる時に、神さまからあたえられたしれんなんだ!だからさいごまであきらめず
がんばらなければならないんだ!だからナオはがんばるよ!」帝王切開で生まれたナオ君は
生まれた時から不思議な子でした。僕が、雲の上から神様とお母さんを選んで生まれて来たとか、

試練を貰って生まれてくることは大変名誉なことなんだ!とか、この世に生まれてきた意味は、
楽をすることではなく試練から学ぶことだと言う。一緒にTVを見ていた時、「なぜいじめってなく
ならないかしってる? お母さん」って聞かれたとき、答えに困っっていると、ナオ君は

「たのしいからだよ。いじめが楽しいから。実は何に楽しさを見つけるかがもっとも大切なんだ!
自分をみがくために生まれて来た。いろんなけいけんから学んで心を成長させるためなんだ!」
レベルの高い経験を積むことが大切だと言う。本当に不思議な子ナオ君。

あと半日の命と言われたナオ君。彼は渾身の力を振り絞って頑張ります。夜十時過ぎ、
突然落ち着かない様子で、体を前に泳がせる様な仕草をします。「前に行くんだ!前に進むんだ!
前に行こう!」私もビックリするほど大きな声で言う。そして、まるで目の前に追ってくる
死と闘っているかのように固く歯を食いしばっている。ギーギーという歯ぎしりの音が聞こえるほど。

痩せて衰えて、体を動かす元気もなくなっていたナオ君のどこに、これだけの力があったのかと
驚くほど力強く身体を前進させる。「代われるものなら代わってあげたい」私はよく口癖のようにナオ君に
言っていました。でも、そのたびにナオ君は力を込めて「ダメだよ」とかぶりを振り、
「ナオじゃなければ耐えられない。ナオでいいんだよ」という。

半日と言う死の宣告から、二週間後、必死で頑張ったナオ君は静かに息を引き取った。
最後の最後まで、諦めず必死で病と闘ったナオ君。そんなナオ君が口癖のように言っていた
「身体は滅びても、心、魂は永遠なんだよ」だから安心してと言っていた言葉。
私に生きる勇気と励ましを与えてくれた不思議なナオ君。
0069ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/04(金) 11:15:51.51ID:TrXETqvM
>>68
25行目「答えに困っていると、」に訂正
0070ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/05(土) 14:25:17.03ID:yM5F2jzL
「帰れない者たちへ」

 ...あれは昨年の10月頃だった。
日本を代表するホテルの孔雀の間、この豪華絢爛たる大広間に、今、千人近い日本の顔が集まっていた。
日本の政財界を代表する大物実力者を招いたパーティが行われている。まさに日本を揺り動かす顔が一堂に揃っていた。
各国駐在大使夫妻や武官も顔を見せていた。私は藤堂の顔を探していた・・・盛んに握手し合ったり、肩をたたき合ったり、

談笑し合う光景の中・・・「ほほう、早いな、分かった」と相手と談笑している脂ぎった精悍な顔つき・・・まさしく藤堂だ。
「やあ、君か、久しぶりだな」「お久しぶりです。昨年の赤坂の高級料亭・嵐月の離れ屋敷で会って以来ですね」
「そうだったな、ここではなんだから...君には話したいことがある。後で連絡させるから、私の別邸の方に来てくれないか」
「分かりました。では、失礼します」 ・・・・・・・・・

あれから数日後、指定された成城の屋敷に来ていた。屋敷の奥から品の良い老女が姿を見せ、丁寧に腰を折った。
その老女に案内されるまま、庭石伝いに居間に通された。「旦那様、中沢様でございます」「おう、よく来たな。そこに腰掛けなさい。
ところで君とは、もう何度くらい会っておるかね」「5度 ・・・ 位でしようか、今夜は核心を突こうかと考えております」

「わしは、君が知りたがっていることを話すつもりはない。あの世に持っていくつもりだ。ここに呼んだのは、そんなことではない。
わしは全てのものは手に入れた。だが、・・・」額に手を当て「そろそろ、わしも潮時かもしれんな ・・・ ・・・ ・・・
わしの読みが誤ったのかもしれん」彼の一言で一斉に動かせる影の黒幕とは思えない弱気な発言だ。

出征の秘密から人生訓、経済…金の仕組み、彼なりの哲学、陰陽学...あれこれ3時間聞かされた。
私が聞きたかったことは何一つ聞き出すことは出来なかった・・・

「バカヤロー!!! こんなのは、記事にはならん!! こんなことを聞き出すために、お前を送ったんじゃないぞ!! バカヤロー!!!」
デスクに怒鳴られた ・・・

     ・・・ その3か月後、フィクサーと呼ばれ恐れられた男、藤堂が亡くなった ・・・

「修羅の世を生き抜き、そこで一生を終え… そして黄泉の修羅の世界に行くのだろう… 類は類を引き寄せるからな。ワハハハ」
  .........これが彼が最後に言った言葉だった。
0071ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/05(土) 14:31:25.38ID:yM5F2jzL
>>70
下から7行目「出生の秘密」に訂正
0072ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/05(土) 17:07:04.21ID:yM5F2jzL
>>70
末尾追加
彼はこんなことも言っていた「天国を地獄に変えてしまう、わしは、修羅の世界から
足を洗うことは意識の世界に行っても出来ん。ワハハハ。大切なのはどんな生き方をして
来たかだろうな。ワハハハ。どの世界で生きて来たかだろうな。それがその後の行き先(黄泉の国)を
決める。ワハハハ」
0073ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/06(日) 10:11:50.75ID:JgZINf6b
「I Love You, 答えてくれ」

私が幼い頃、親に離婚されて、どっちの親も私を引き取ろうとせず、施設に預けられ、
育てられました。そして三歳くらいの時に、今の親にもらわれたそうです...

当時の私は、そんな記憶も自覚もなく、育ててくれた親を本当の親と思って中学二年まで
過ごしてきました。そして突然、父との別れが訪れました。脳梗塞で帰らぬ人になったのでした。

父の葬儀の時、「私と両親は血が繋がっていない」と言う事を親戚の方から偶然にも知って
しまったのです。葬儀の後、私は母を問い詰め、本当のことを聞きました。その時のショックを境に、
私は母を嫌いになりました。亡くなった父でさえ嫌いになりました。

多分、私の心の中で両親に裏切られた思いが強かったんだと思います。元々私の家は裕福で
はありませんでした。ですから、父が亡くなってから、母が働きに出ざるを得ませんでした。
母は、朝は近くの市場で働き、昼から夜にかけてはスーパーで働いていました。

それもこれも全て、私の為でした。高校・大学と進学させる為でした。ですか、当時の私は、
それすらも、うっとうしく思っていました。時には、学校に登校する時間と、早朝から出かけていた
母が市場から、帰ってくる時間がちょうど重なってしまい。友達と登校していた私は、エプロン姿で

市場で働いている母と、家族であることが友達に知られたくない気持ちが強く「行ってらっしゃい」と
言う母を無視しては、友達に「誰、あれ? 気持ち悪いんだけど」と言う悪口さえ言っていました。

それを察してか、次の日には、わざと目を伏せ、足早に私とすれ違って行きました。
でも、それでも母は、何一つ文句を言わずに働いてくれていました。

そんな日が、一ヶ月くらい続いていました。ある雨の日、雨合羽を着て市場から帰ってくる母と
すれ違いました。当然無言です。その姿は何とも寂しくて、哀しく、辛そうに見えました。

涙が溢れそうになりました。私は一体何をしていたのか、ボロボロになってまで私を育てて
くれているあの人に、私は何をうっとうしく思っているのかと、後悔の念が私を襲いました。

私は友達の目も気にせずに、そんな姿の母に駆け寄りました。でも、何を言っていいか分かりませんでした。
その時、ふと口に着いた言葉が「行ってきます」でした。私が言えた言葉は、たったそれだけでした。

でも、母は驚き! そしてその場で泣きました。そして、何度も何度も「行ってらっしゃい」と言ってくれました。
私が友達のところに戻った後も、母は私を見ながら手を振って「行ってらっしゃい」と言ってくれて...。

今では彼女こそが私の本当の母です。たとえ戸籍上ばどうあれ… そう思っています。恩は返しきれないほどあります。
母は「それが親の務めだよ」と、いつも口癖のように言っていた。 そんな母が昨日亡くなった.........
0074ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/07(月) 21:18:38.30ID:y02xM6BG
「観音橋」

私には根拠のない自信があった。それが崩れたのは突然だった。
私の生まれた町は、そこそこ発展してて、そこそこ田舎で、有名な観光地でも
無ければ、特産品も何もない中途半端な、そんな田舎町だった。

そのくせ伝統とか言って、古臭いしきたりだけが、一丁前にあって、よそ者を
とことん毛嫌いする。自分達と少しでも違うと排除しにかかる閉鎖的な、そんな町だった。

そんな町で生まれ育った私は、学校でも一際、目立つ存在でもあった。
成績も容姿も運動も、常に一番で、クラスの人気者でもあった。そんな私は、いつもみんなと
平等に優しく接していた。そんなわけで、いつも私の周りには人が集まっていた。

嫌われるとか、いじめられるとか、孤立するとかなど、そんなのとは無縁な存在で、
いつもみんなとワイワイガヤガヤ楽しく学校生活を送っていた。

そんな私が、私でなくなったのは小学校五年生になってからだった。小五の寒い冬の日、
東京から、この田舎の町に引っ越してきた女の子。あの子は何もかもが、完璧だった。
成績も容姿も運動も。そして心がとても温かくて、何か品が良くて、とても美しかった。

何もかも敵わない。人生で初めての敗北。それでも私は絶望しなかった。あの子と私。
どちらも才色兼備で優しい性格。それだけ聞くと似ている私達。でも、唯一、違うものがあった。
それはあの子が、よそ者と言う事。私は町の者で、あの子はよそ者。

結局、いつもみんなの中心に居るのは私。唯一、私が私でいられたのは、嫌われるとか、
いじめられるとか、孤立するとかとは、無縁の存在だったからだ。でも、あの子は違った。
よそ者というだけで嫌われ、いじめられ、そして孤立した。

よそ者というだけで、どこからどう見ても、私より完璧な、あの子を排除するなんて…
私が、あの子を少しでも手助けしたのならば、あの子は少しずつ学校にも、この町にも、
慣れたかもしれない。そんなのはわかっていた。けれども、私はそうはしなかった。

自分の居場所を無くすのが怖かったからだ。無視され、嫌われ、いじめにあう学校も、
相変わらず、よそ者扱いするこの町も残酷だ。私は私の為に、あの子を助けなかった。
私は優しくもなんともなかった。何よりも、私はそのことに愕然とした。今まで私がした
ことは、所詮、偽善でしかなかった。それは私の居場所を守る為の優しさだったのだ。

あの子を助ける力を持ち、よそ者だからと、嫌悪していないのは私だけだったからだ。
それでもあの子は、私に助けを求めなかった。みんなに相手にされず、無視され、時には、
いじめられ孤立するあの子。そんな姿をただ、茫然と立ち尽くし、見ているだけの私だった。

そんな私を、澄んだ瞳で優しく見つめるだけだったあの子。その瞳には何の感情もない。
口元はうっすらと微笑んでいた。賢いあの子は私の気持ちをわかっていた。私の気持ちを...

そしてある日、あの子と偶然二人きりになった。夕暮れの学校の校庭のブランコに座り独りぼっちだった。
あの子は、私を見ると、周りに誰もいないことを確認して安心したのか、ゆっくり一言。
「私、あなたと友達になりたかったの?」「.........実は...私もよ」
0075ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/10(木) 09:00:06.18ID:K4w2dznY
「愛していると云ってくれ」の元気ですかの朗読から玲子の流れがとても好き。みゆき節の真骨頂と言ってもよいと思う。
0076ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/10(木) 09:55:36.38ID:ZQUkacIe
>>75
あれはストーリーとして繋がっているからグッときますね。
0077ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/10(木) 11:10:54.29ID:ZQUkacIe
「齢寿天任せ」

80歳くらいのお爺さんとお婆さんが駅のホームで手を繋ぎながら歩いていて、
それだけでもう、ほっこりするのに、聞こえてきた会話が「俺だって、そりゃあ
嫉妬することもありますよ。幾つになっても、こうやって捕まえておかなければ」
「あら、そんな照れますったら」

さっき横断歩道渡る時に70歳くらいの老夫婦が「今日の晩御飯なんかなぁ…」
「ふふ、じゃあ、3択です! 1、おうどん、2、おうどん、3、おうどん」
「じゃあ、おうどんかな」「ぶー!お蕎麦でしたー」とかやってんの。
こんな他愛もない会話して...可愛いなぁ〜 こんな夫婦もいいなぁ〜

デパ地下の洋菓子売り場で見かけた老夫婦の会話。「ばーさんはアーモンドが好きだったな」
「おじいさんの好きな味でいいですよ」「何言ってるんだ! それじゃお返しにならん!
まったくもう… お前はいつもいつも」「あら、だって、どうせお茶菓子で一緒に
食べるじゃありませんか」「うふん!」と顔を赤らめるおじいさん...

帰りの新幹線の車内での老夫婦の会話...
お婆さんが「コロッケ食べたいんでしょ? 買ってきてあげるから、少し待っててくださいよ」
お爺さん「いらん!」お婆さん「なんで、そんな意地はってるの? 食べたいんでしょ?!」
お爺さん「お前のコロッケじゃなきゃイヤだ!」お婆さん「いやだわ、あなた...」

そういえば、学生時代ホテルのバイトをしていた時の老夫婦の会話を思い出すなぁ・・・
老夫婦がフロントにやって来たので、いつも通り「貴重品はありますか?」と私が聞くと旦那さんは、
少し考えた後に「こいつ」と奥さんを指さした。奥さんは顔を真っ赤にして「そんな大層なもん
じゃないです...」と恥ずかしそうに言っていたなぁ〜

ー 私達は近くのカフェに ー 「これからどんな時代になるかわからないけど、良い時代になって
ほしいわ。そして、良い老後が迎えられるといいわね」「そうだね。僕の夢は、縁側で日向ぼっこ
しながら、お茶やコーヒーをすすることかな」「慎ましい幸せね。そんな何気ない幸せが本当の幸せ
なのかもしれないわね」「そんなのでいいんだ。生きていることに幸せを感じられれば、それでいい。
何でもかんでも、欲を言い出したら限がないからね」「そうね」

楽しそうな声が聞こえてくる客席...
コーヒーポットから噴き上がる湯気が、天井に当たってゆっくりと店内に広がっている。
ショーケースの中には、可愛らしい自家製ショートケーキや焼き菓子たちが
お行儀良く並んでいる ・・・  〜 穏やかな時間が流れる店内 〜
0078ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/11(金) 08:32:02.28ID:SxwhkZsp
「倒木の敗者復活戦」

俺は大震災に遭遇し津波に呑まれながらも、危うく命を落としかけながら奇跡的に
九死に一生を得て助かったが、じいちゃん、ばあちゃん、そして両親、弟の家族全員を失った。

「笑っていなければ、亡くなった家族全員が心配する」と思い精一杯生きて来た。
人は皆、一人で生きていると思っていても、実は常に見えない何かの助けによって
生かされているかもしれないと思うようになっていた。

「ワン」「ツー」「立てっ! ジョー、立つんだー!!」
「スリー」「フォー」「立て―立つんだ!! ジョー!!!」
「ファーブ、」レフェリーがカウントを数えている…

リングの中央で、俺、立石譲は片膝をついていた。打撃の打ち終わりにガードが、
下がってしまったところを狙われ対戦相手のチャンピオンの一撃を喰らいダウンしていた。
手にはグローブ。足にはシューズ。腰には試合用のトランクス。

あれから11年、俺はボクサーとして、生身がぶつかり合う厳しい勝負の世界で生きていた。
それは何かと心が折れそうになる弱い自分に対しての生きる証を求めてなのか、
自分でも、はっきりした理由がなんなのかは未だに分からないでいた。

「ジョー! まだ大丈夫だ! 頑張れ!!」はっきりしていない意識の中で、
声の主を探した。無名のジムの為に、二人三脚で見えない道を歩んでいる
パートナーでもある所属ジムの会長だ。必死な形相で、こちらに向かって
叫んでいた。会長がリングを叩いている。「ハハッ!」 まるでゴリラだ!

周囲に意識が向いてくると、レフェリーが指でカウントを数えているのが見えた。
「やべぇ!」とダウンしていることを認識し、立ち上がった。足元がふらつく。
「大丈夫か?」と言うレフェリーの問いに俺は「大丈夫です」と答えていた。
ファイティングポーズをとり、ステップを踏んだ。

チャンピオンが笑みを浮かべ、こちらの様子を伺っている。
構えはそのままに、仕留める気、満々の気配がこっちに伝わってくる。
俺は口から出血しながらも、まだ踏ん張っていた。

俺にとって、やっとのことでもう一度、掴んだチャンスだった!
やられてたまるかよ!! 負けてたまるかよ!!!
レフェリーが試合再開の合図を送る。「ボックス!」

会場に入る前「世界ウェルター級チャンピオンシップ」そう書かれた看板を見た時、
俺は泣きそうになった。ついにここまで来たかと...「チャンプを取るまでは」と
自分に言い聞かせた言葉を思い出し、グッと堪えた。

前回の世界戦では勝てず、その後、東洋ランカーに落ち、そこからまた這い上がって
来た俺だが、年齢は34歳。これが最後のチャンスだった。俺は必死で戦っていた。
必死で生きている実感を肌で感じながら、おのれの人生を賭けた戦いを闘っていた。
それはまさしくおのれとの闘いでもあった。
0079ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/12(土) 09:58:20.69ID:DAK3aSgi
「幸せ」

自分で言うのも何だが、俺は会社では、かなり仕事が出来る方だった。
若かったけど、会社の企画を任されたりもした。会社でも信用は高かったし、
色んな人が俺をサポートしてくれた。

だから、俺もそれにこたえようと必死に頑張った。仕事に没頭した。おかげで、
仕事はもの凄く忙しかった。出張、出張で残業は当たり前。休みも急な呼び出しが
あれば、すぐに飛んで行った。もちろん、その分、給料はかなり良かった。

俺は家に帰って寝て、朝また仕事に向かうだけの日々・・・そんな毎日だった。
そしていつしか、俺と嫁は会話をしなくなった。家に居るのは本当に僅かな時間だった。
俺は疲れて帰って家ではクタクタになって寝ることが多かった。嫁はそんな俺を
色々とサポートしてくれた。けど、やはり話す時間は、ほとんどなかった。

それから数年後、ある休みの日、俺は荷物の整理をしていて、結婚式の写真を久しぶりに見た。
今思うと、あの時は最後にマイクを持ち大声で「一生、幸せにします!」なんて恥ずかしいことを
叫んでいたなと思い出し笑いをした。

そんな時、ふと我に返って家の中を見廻した。綺麗に片付いている部屋。だけど、俺が結婚前に
描いていた家庭ではなかった。俺が休みなのに、顔も合わせずに友達の所へ遊びに行く息子。まるで、
俺から逃げるかのように家事をし、終われば何も言わずに買い物に出かける嫁。

何だか、家庭は冷え切っているように感じた。これが本当に自分が思い描いた家庭なのか、
これで幸せにしていると言うのか、そんな思いが込み上げてきた。

次の仕事の日、俺は会社の上司に転属願いを出した。そこは、それまでの職場から比べると、
給料は圧倒的に低いところだった。だがその分、残業や出張が少なかった。上司からは、
止められたが、俺はそれを押し切って、その職場へ異動させてもらった。

そして異動が決まった日、いつもより早く家に帰った。俺が早く帰って来たことに嫁は驚いた。
息子は俺の実家に泊まりに行っていた。そんな嫁にシャンパンを買い、久々に嫁と二人でゆっくり
食事をしようと思っていた。しかし、いざ嫁と食事をしてみたものの、既に、ここ数年間ろくに
会話もない関係。いきなりスラスラと会話は進まなかった。

重い沈黙の中、俺と嫁は黙々と目の前のご飯を食べていた。その重苦しい空気が、その時の俺と嫁の
関係を物語っているような気がした。でも、それじゃダメだと自分を奮い立たせ、嫁に職場を異動した
事を告げた。最初は嫁もふ〜ん程度の反応で、一切興味を示さなかった。それどころか、俺と目を
合わせようとしない。多分、俺はただの同居人なのだろう。それでも俺は話し続けた。

家族の為と思い働いていたけど、家庭を顧みず、お前と息子には寂しい思いをさせたこと。
これからは、家に居る時間を増やして、家族と過ごす時を増やすこと。そういう話をした後、
嫁はポカンとしていたが、暫くして、その場で箸を持ったまま泣き出した。それから俺は、
出来るだけ早く会社を退社し、家に直行するようになっていた。

最初の頃は、俺が早く帰ると家のサイクルが狂うようで、なんか色々と嫁が慌てていた。
もちろん息子も動揺していた。それでも暫くすると、俺が家にいる生活にも慣れ始めた。
顔を合わせようとしなかった息子は、いつの間にか、今日学校で何があったか楽しそうに俺に
話すようになっていた。嫁もテレビで、こんな話を聞いたと自慢気に話しかけてくるようになった。

俺は、それが嬉しくて笑顔で話を聞いていた。嫁と寝室で寝るとき、俺は嫁に言った。
「幸せになる道には二つある。一つは願い事がうまく叶うこと。もう一つは願いなんか捨ててしまうこと」
ーーーーーーーーー 俺は、出世を捨てた代わりに、家族団欒の幸せをつかんだ。
0080ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/13(日) 09:08:02.44ID:e42Egm4m
「夜行」

私は幼い頃からずっと片親で育ってきた。母娘の二人暮らし。
母は私に寂しい思いはさせたくはなかったのだろう。
二人きりだけのクリスマスや誕生日も毎年してくれた。

けど、十代半ば、反抗期のせいで、母の優しさが、もの凄くうざく感じるようになった。

心配されることも、口を利くことも、全てがうっとうしくなった。
毎晩、夜遅く帰って来て、母親が心配してくれても、母に罵声を浴びせていた。
友達と遊ぶことが、楽しくて段々と家に帰らなくなっていった。

夜になると、仲間とつるんで夜通し繁華街で遊んでいた。
夜の繁華街。バカ騒ぎしながら歩く酔ったサラリーマンが通り過ぎる。夜のネオンが好きだ。
ガードレールに座って友達と談笑していたら、お尻が冷えて寒いと友達のアキが言い出したので、
みんなで駅構内に行くことにした。

「ちょっと、そこの彼女。もし、良かったら遊ばない?」とアキに若い男が声をかけて来た。
「きゃあ、何こいつ! マジ、ブサイクっつうか、マジなんかウケる」と気の強いアキが言う。
「なんだと! もうイッペン言ってみろ!このくそアマめ! テメエ、ただじゃすまないからな!コラァ!!」

「しっしっ、どっかに行きな」と追っ払おうとする強気なアキ。「コラァ!!!」とアキに掴みかかろうとした若い男。
その様子をちょっと離れた所で、ヤンキー座りをして見てた背が高く一際ガタイのいいシンジが立ち上がり
近づいて来て、「どうかしたんですか?」

「な、何だ、テメエ!! デカイな...まあ、今日の所は大目に見てやるよ。今度は許さんからな!お前ら!! 分かったか!!」と
シンジを見上げ、睨みつけ威嚇し、啖呵を切った後、その若い男は悔しそうにシンジの足元にある空き缶を蹴って去っていった。
その姿を見てアキ達は笑っていた。

そうやって夜遅くJR駅構内でたむろして、バカ騒ぎしていたら駅員に注意された。
仕方なく、近くのコンビニで朝方までたむろしている時もあった。

ただ友達と、夜通しつるんでたむろしているだけで楽しかった。
そんな毎日の繰り返し......

そんな暮らしのそんなある日、いつも元気なアキが神妙な面持ちで語りだした。
「夜はね、寂しさや悲しい感情も辛いことも全部食べてくれる。そして忘れさせてくれる。
だから私は、夜が好き!」そう言いながら夜空を見上げるアキ。

私も一緒に夜空を見上げる。満天の星空が私達を見下ろしていた。
いつも元気が良くて燥いでいるアキ。そんなアキが泣いた気がした。
夜だから涙は見えなくて、声が震えているわけでもなく、ただ彼女の
心が泣いているような気がしただけだった.........

そんな肌寒い夜、久しぶりに家に帰ったら、なんと、私の分のおかずと、ケーキが置いてあった。
もう誕生日も二日、三日過ぎていたのに… 置いてあって… 毎日ご飯作ってくれていたんだ…

いつ帰るかわからない私を、ずっと待ってくれていたんだ。テーブルに無造作に置かれた小銭入れ、
ボロボロになった小銭入れ… 私が母の日に、お母さんにプレゼントしたやつだった...

まだ使っていたんだ...まだ、こんなに夜遅くまで働いているんだ...と思うと… 泣けてきた。
- 私は何をやっていたんだろう .........お母さん......
0081ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/14(月) 08:45:23.63ID:0nvcIf6p
「PAIN」

私が17歳の誕生日に母が継母であったことを聞かされた。私を生んでくれた
お母さんは産後すぐに亡くなったと言う。産みの親より育ての親というが、その時の

私は今まで騙されてきたという思いと怒りで、慣れ親しんだ母が、急に他人に思え、
両親の話も聞かず、部屋で不貞腐れて泣いていた。

翌日から、母をおばさんと呼ぶようになった。そう呼ぶたびに母は、たまらなく悲しそうな顔をした。
その後、何かと私に気を使いだし、必死になる母を余計毛嫌いし、口も利かなくなってしまった。
何となく家に居ずらくなったので、夜は出かけるようになった。

それから一ヶ月が経とうとする頃、シカトし続ける私に母が部屋で読んでねと手紙を差し出してきたが、
私はそれを、その場でくしゃくしゃに丸め、ゴミ箱に投げ捨ててしまった。それを見ていた父が、私を張り倒し、
震える声で「母さんは、なあ...」と言ったが、私はろくすっぽ聞かずに泣きながら自分の部屋に逃げた。

ーーー 翌日、母は帰らぬ人になった。居眠り運転のトラックが赤信号を無視し、ママチャリの母に突っ込んだ。
即死だった。あまりに急な出来事の為、泣くことも出来ず、通夜が終わった後も、母の傍で呆然としていた私に父が、
ボロボロの紙切れを渡し、一言。これを読めと言った。それは、昨日、私がぐちゃぐちゃに丸めて捨てた手紙だった。

-「千夏ちゃんへ 17年間、騙し続けていて、ごめんなさいね。お父さんと話し合って、もっと早くに言おうとしていたんですが、
あなたに嫌われるんじゃないかと思い、あんなに遅くなってしまいました。あなたの気持ちはよくわかる。だってお母さん、
偽者だったんだもんね。でもね、お母さんは、あなたのことを本当のお母さんに負けないくらい愛しているんだよ。

千夏が成人しても、旦那さんが出来ても、ずーっと・・・」泣きながら書いたのか、字の所々が滲んでいた。
そして最後に、震える字でこう書いてあった。「・・・だから、 また、「お母さん」って呼んでね」

母は、私が感じた寂しさを17年もの間、耐えていたのだ。人の気持ちを考えられなかった私は、そんな母を苦しめたのだ。
-「お母さん!」- 久しぶりに発したその言葉は、今となっては、冷たくなった母の耳には届かない ーーーーーーーーー
0082ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/14(月) 23:26:15.29ID:/bxa0lyI
爆サイ、したらばはパチンコ店の資金で運営されてるステマ掲示板。

パチンコ店スレの工作員

1,
爆サイ、したらば経営者、高岡賢太郎。
女優、高岡早紀の兄。
脱税で逮捕。
脱税した金をキャバクラ嬢に貢ぐモテないブサイク男ハゲ(短髪坊主)。
脱税した金で女を釣るブサイク男ハゲ(短髪坊主)。
パチンコ店を批判するか書き込みをした者にハッキング、名前特定のために自宅、ネカフェまでやってきてネカフェの個室のドアのカギを何らかの方法で開けて違法に部屋に侵入して、動画サイト(Hulu)のカードを2枚盗む嫌がらせをした泥棒。
ネカフェの隣の部屋から壁を蹴る嫌がらせをしてきたブサイクハゲ(短髪坊主)。

2,パチンコ店長(ブサイク、低偏差値)

3,パチンコ店に雇われたネット工作会社ピットクルー(時給900円ぐらいのバイト)

パチンコ店スレは工作員1、2,3が連携しながら書き込んでる。
パチンコ、パチスロの大当たりは全て遠隔大当たり。
パチンコ店を批判しすぎると爆サイ管理人のチンカス高岡からハッキングされ、名前を特定しようと自宅やネカフェまでやってくる。

★したらば、爆サイの管理人を逮捕★

高岡早紀の兄 逮捕までの悪行放蕩づくし 
週刊新潮2020年3月5日号
どうもこの人の周りではよく逮捕者がでるらしい。
女優の高岡早紀(47)の実兄、高岡賢太郎(48)が法人税など5900万円を脱税したとして、2月20日東京地検特捜部に逮捕された。
元内縁の夫が詐 欺の疑いで逮捕されてから2年たらずだ。
0083ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/15(火) 08:41:21.59ID:Yfm0RBNL
「重き荷を負いて」

中学生になった僕の父親の職業は鳶職である。休日は定まっていない。
雨の日以外は日曜日も祭日もなく、お定まりの作業服に汚れた古いオンボロ車を

運転して仕事に出かける。仕事が終わると頭から足の先まで、泥や埃まみれで
真っ黒になって帰ってくる。

そして庭先で作業服を脱ぎ捨てパンツ一丁になって風呂場に行くのが日課である。
僕の友達が居ても平気で、そんな父の姿が恥ずかしくて嫌いだった。

小学校の頃、近所の友達は日曜日になると、決まって両親に連れられて買い物や食事に
出かけていくのが、羨ましく思いながら見送ったものだ。「みんな立派な父さんが居て
いいなぁ」と涙が流れたこともあった。

休みの時は、朝から焼酎を飲みながらテレビの前に座っている。母は「掃除の邪魔だからどいてよ!」と、
掃除機で追い払う。「そんなに邪険に扱うなよ」と、逆らうでもなく、焼酎瓶片手にウロウロしている。
「濡れ落ち葉という言葉は、あんたにピッタリね、この粗大ごみ!」「なるほど、俺にそっくりか。
ハハハ… うまいことを言うなぁ〜 ハハハ…」と、父は受け流して怒ろうともせずにゲラゲラと笑っている。

小学校の頃から、小遣いをくれるのも母だったし、買い物も、母が連れて行ってくれた。
運動会も発表会も父が来た記憶が一度もない。こんな父親は居ても居なくても構わないと思ったりした。

ある日、名古屋へ遊びに出かけた時、ふと気づくと、高層ビルの建築現場に「○○建設会社」と
父親の会社の文字が目に入った。僕は足を止め、暫く眺めて見て驚いた。8階の最高層に近い辺りで、
命綱を体に縛り、懸命に働いている父親の姿を目撃してしまった。僕は金縛りに遭ったように、

その場に立ち竦んでしまった。「あの呑み助の父が、あんな危険な場所で仕事をしている。
一つ間違えば死ぬ。女房や子供に粗大ごみとか、濡れ落ち葉とか、馬鹿にされながらも、
怒りもせずに、ヘラヘラと笑って返す、あの父が...」・・・・・・

 ・・・ 僕は父親の働く姿に身体が震えた ・・・
8階という米粒ほどにしか、見えない高所で作業している鳶職の父親の姿が、仁王さんのような巨像に見えた。
身体を張って命を懸けてぼくらを育ててくれている。何一つ文句も言わず、焼酎だけを楽しみに黙々と

働く父親の偉大さ。親父のように汗と泥にまみれて自分の腕、身体で黙って語らぬ生き様こそ、
本当の男の生き方ではないのか...男の仕事はスタイルじゃないよ...母さん!

汗と泥にまみれてもいいじゃないか...これが、男の生き様だよ! 
誇りに思っていいよ...母さん!! ...僕は、こんな父さんが好きだよ!
...そんな父さんの姿を見ているだけで、何か、 グッとくるんだよ! … 母さん!!!
0084ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/15(火) 08:43:18.71ID:Yfm0RBNL
>>82
荒らしはお断りします。
0085ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/16(水) 08:34:42.37ID:iN6D8sg4
「愛される花 愛されぬ花」

朝、目が覚めた。ぼんやりとしたまま手を伸ばし、鳴り響く目覚まし時計を止める。
ついでに時間を見ると、いつもの決まった時間だった。しょぼしょぼの目で洗面台へ

向かって水で顔を洗う。鏡を見て、「はあ...」と溜息をつく。
すっかり目が覚めてしまった。楽しいはずだった夢も少しも覚えていない。
今日、提出するはずのプリントは白紙のまま。そんな事に心がざわつく。

鏡の中には、何かを無くして途方に暮れる顔があった。母が用意した朝ごはんを
食べながら、テレビを点けた。ちょうど、今日の星占いをしていた。私の星座の
ラッキーアイテムは花柄の服。どうでもいいことだ。「行ってきます」と家を出る。

のんびり歩いて学校に向かう。何か曲を聴こうかと思ったが、家にイヤホンを忘れて来たので
諦めた。学校まで、あと少しの所で私はあるカップルを見かけた。幸せそうな笑顔を浮かべ
繋いだ手を小さく揺らす男女。女の子は同じクラスメイトで普段仲がいい子。

モテる友達が羨ましい。モテる友達が羨ましくて嫉妬してしまう。学校でも男の子に人気がある。
彼女と一緒に出掛けても、彼女はいつも常に、出かけた先で誰かしら男の子に話しかけられる。

私に気づいた二人が、「おはよう」と声をかけて来た。目の前の幸せそうな彼と彼女に息が詰まった。
キリキリと締め上げられて心が悲鳴を上げて泣いている。それを隠すように、慰めるように私は、

無理に笑顔を作って挨拶をした。仲の良さをからかうと、二人は顔を赤らめて照れて、惚気話の
ような言い訳を始めた。いつの間にかキラキラとして目で見つめ合っている。二人だけの世界に
入った彼らを置いて、足早に学校に向かう。今の私には辛すぎる光景だ。

車や自転車の走る音。鳥が囀る声。私は何気なく道端にひっそり咲く " 小さな花 " を見つける。
道端に咲いているその花。その花は、雑草から芽を出し、人知れず咲く雑草の花。「可愛いなぁ〜」
こんな誰も気に留めず、見過ごす目立たない雑草の花。そんな雑草の花でもこんな可愛い花を
咲かせるんだ。何か大切なものを発見した気がした。なんか逞しいな......

みんなに愛されて、植えられ大切に育てられた校庭の花壇も、同じ、
 ...咲いて散るひと春に、変わりはないのに...

- 今日は、何故か、そんな校庭の花壇よりも、この道端に、ひっそりと健気に咲く、
雑草の花が、ひときわ美しく見えるのは、気のせいだけなのだろうか......
0086ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/17(木) 10:29:25.26ID:o5x6P8cR
「雨月の使者」

俺が4つの頃、母を亡くしている。ぼんやり覚えていることがひとつある。
公園でいつも遊んでいた。夕方になると、みんなのお母さんが迎えに来るんだ。

うちの母ちゃんは入院生活が長くて、どうせ帰っても、お父さんは仕事だし誰もいない。
暗くなっても、遅くまでよく公園にいた。年の離れた兄貴が部活終わって公園に来てくれて
一緒に帰るのが日課だった...。

その日も、暗くなっても砂場で遊んでいた...そしたら、俺を " 呼ぶ声 " がした!
振り向くと母ちゃんだった。息切れしながら歩いて来たんだ。

「ママ―! ママ―!! ママ―!!!」ってバカみたいに " 叫んで " 走ったよ!
暗い中、ブランコに一緒に乗ろうって、母ちゃんが俺を膝にのせて暫くそうしていたんだ。
街灯に照らされて、公園の草地にひっそりと咲き、揺れている花があった...
「母ちゃん、あのゆれている花、何て言うの?」「月見草よ」

その後、何日かして母は病院で死んじまったんだ。後で、お父さんに聞いたら、
自分でも長くないと言う事を知っていたらしい。あの時は、そんな事情も知らず、
母ちゃんに「どうして、いつも病院にいるの?」ってしつこく聞いていたんだ。
あの時の母ちゃんは、どんな気持ちを抱えていたんだろう......

- 子供だったから、何も分からなかったんだ。「早く帰って来てよ!母ちゃん!」と
母ちゃん泣きついて、母ちゃんの傍を離れようとしなかったんだ。-

そんな母ちゃんが亡くなってから歳月が過ぎ、お父さんを親父と呼ぶようになり、
親父とも馬が合わず、中学の頃からグレだした。それ以来、ほとんど親父とも口を利かず、
家に居ても面白くない為。段々と家に寄り付かなくなり、遊びまわるようになっていた。
今となっては、恥ずかしいくらいグレていたんだ。

ある五月の雨の日、友達と遊ぶ金欲しさに、久しぶりに家に帰り、親父のいない部屋の
タンスの中を探していると、洋服が掛けてある奥にビデオテープがあった。
親父、こんなところに隠して、アダルトビデオかな、と思って動画再生すると、

病室のベットの上でお母さんが映っていた...「つよしくん、お誕生日、おめでとう。
おかあさん、何もしてあげられなくて、ごめんね。 お母さんが、居なくても、つよしくんは、
しっかりしたお利口さんだから、大丈夫よね。・・・・・・・・・」

- 15分くらいのビデオテープだった...... 言葉が出てこなかった ... 
「母さん...」......「ごめんね、母さん!」.........
0087ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/17(木) 10:35:21.53ID:o5x6P8cR
>>86
6行目「俺を " 呼ぶ懐かしい声 " がしたんだ!」に訂正
0088ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/17(木) 10:47:37.48ID:o5x6P8cR
>>86
17行目「母ちゃんに泣きついて、」に訂正
0089ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/18(金) 08:09:37.34ID:jq72duIi
「私たちは春の中で」

私達兄妹は仲が悪い。別に何か理由があるわけでもなく、同じ空間にいるだけで、
殴り合いになるのだ。殴り合いに至るような会話もなく、目が合うと喧嘩になるのだ。

とにかく二つ上の兄とは仲が悪い。親は最初のうちは止めていたが、今では無駄だと
悟ったのか見て見ぬふりしている。そんなことで、今日も元気に私は女だてらに
右ストレートを兄の左頬に決めた!「痛てーな! 女のくせに、くそ生意気な!」
「チッ、くたばれ!くそ野郎!」「てめーこそ、くたばれクソガキが!」

いつからだろうか、兄を「くそ野郎!」と呼ぶようになったのは...
そして兄も、いつからだろうか、私のことをクソガキと呼ぶようになったのは...
一応そんな風に、いつからそう呼ぶようになったのかは、今では遠い昔話でしかない。

私は兄の急所を狙い、キックとパンチを繰り返す。「お前! そんなとこ、狙いやがって!」と、
くそ野郎は、それでも、ものともせず、それからは私のキックとパンチの全てを避けていく。

それが悔しくて、ふと、そんな時、頭をよぎった! " 閃いた ! " 最近、このくそ野郎が、
また女を引っかけたのを思い出した。このくそ野郎を動揺させればと思い、口に出す、
「そういえば、このくそ野郎! てめー、また女、引っかけたんだってな! 今度は清楚系やめて、
セクシー系か、はん、てめーみたいな、くそ野郎は女に刺されて死ぬのが、お似合いじゃあ!」

動揺しねー 動揺した隙に、股間を狙おうとしたが無理だった。くそ野郎が言う「そう言う、クソガキは、つい最近、
男に告白して、女に見えねーって、振られたらしいなぁ〜」「て、てめえー、ど、ど、どこで聞いたんだ!
その話!」私の方が逆に動揺してしまった。動揺させるどころか、私が動揺させられている。
そうやって、この百戦錬磨のくそ野郎に、いつだって、何でも、勝った試しがない。

口喧嘩だって、完敗しっぱなし。そもそも兄は、文武両道の野生児と名高くスペックが違い過ぎる。
今日も、そんなスペックの違う相手にケンカを挑む。とにかく私は、このくそ野郎!が大嫌いなのだ。

悔しそうな顔をすると、このくそ野郎は、大層楽しそうにニヤニヤと誇らしそうな笑みを浮かべ、
「俺の情報網、舐めてるんじゃねーぞ!」「べ、別に気にしてねーし、私を振るような男なんて、
見る目がないから、むしろ清々したくらいだわ!」「はーん、ひとり部屋に籠って、お気に入りの
クマのぬいぐるみを抱えて泣いてた奴のセリフか、」と、おどけて言う。

一気に、頭に血が上り、顔が赤くなるのが分かる。恥ずかしかった。今まで、
このくそ野郎に弱みを見せないようにしてきたつもりなのに、どうしようもなく
悔しくて恥ずかしくて、私は攻撃するのを中断して部屋に駆け込んだ。

その後ろ姿を見て、ひとりニヤニヤ、くそ野郎は楽しそうに言う
「顔赤くしちゃって、カッワィ〜 本当に、どうしょうもなく可愛いなぁ〜 おめぇーは」
そんな歪んだ愛情しかできない。そんなくそ野郎!なのだ。 こいつは!
0090ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/19(土) 08:45:50.06ID:KVV8DM/1
「あの人に似ている」

お洒落なカフェで一息ついている。何気なく外の雪景色を眺めていると店員から声を
かけられた。「お客様、失礼します」コトンと置かれたそれは、湯気が立ち上がる
ホットミルク。「これは?」「あちらのお客様からでございます」見ると、

離れた席に居る男性が笑顔で手を振ってくれた。「あの」「はい」「彼にこれを」
たまたま持ち合わせていた飴玉を店員に渡した。年の離れた妹が「これあげる」と
今朝くれた飴玉。丁寧に受け取った店員は、そのまま彼の元へ持っていく。

涼し気な横顔があの人に似ていると何気なく見つめていると、彼と店員が笑顔でこちらを向いた。
彼は貰った飴を私に示してから、その口に放り込んだ。贈られたホットミルクに口をつける。
" 甘い、そして温かい " いつ以来だろう…? このシンプルな飲み物は… 最近の私には、
想像もつかないほど遠くに会った記憶。早すぎるときの流れ...あっという間に変わる景色…

一息つこうとしても… また、口当たりの優しいホットミルクを口に含んだ。ふわっと広がる白いミルク味。
身体の中に染み透る。ほっとするような温度。ホットミルクを、差し入れてくれた男性が、落ち着いた口調で
語りかけて来た。「こちらに座っても、よろしいですか?」「ええ、どうぞ」静かに彼が腰を下ろした。
「ホットミルク、気に入って頂けましたか?」「ええ、ありがとう。とっても美味しいわ」

彼は私と、テーブルを一緒にしながら、持ってきたカップで飲んでいた。「あなたは何を飲んでいるの?」
「僕はカフェオレを頂いています」「そう、とてもいいわね」「ええ、コーヒーもいいのですが、
今日は、なんだか甘い物を飲みたくなってしまいました」と言って白いマグカップを掲げた。

「ここに来るのは、初めて?」「いえ、実は三回目です」「あら、じゃあ、お会いしたことあるかも」
「実は、一度お見掛けしました」そう語った彼の声のトーンも、話し方も、何処か、あの人に似ている...
涼し気な横顔から、時折見せる寂し気な眼差しまで… そして明るく振る舞う処も… 

「実は、一度お見掛けした時、僕の昔の彼女に似ているなぁと思っていたんです。
彼女はホットミルクが好きだったんです。それで…」「実は、私も昔の彼に似ていると
思っていたの。あら、嫌だ。奇遇ですわね!」 " これは偶然 " その後の会話も弾み! 
......あっという間に一時間が過ぎた.........

「もう、こんな時間。じゃあ、そろそろ私、帰ります」「ああ、ありがとう」
「こちらこそ、ごちそうさまでした。とても楽しい時間が過ごせました」
「また、会えますか?」「きっとね、また、会えますよ」
「そうですか、楽しみに、お待ちしています」
0091ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/19(土) 08:52:23.07ID:KVV8DM/1
>>90
10行目「遠くにあった記憶。」に訂正
0092ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/20(日) 09:34:18.62ID:HTz1B1+g
「春までなんぼ」

「人生というものは、全く不思議なもんだよな」「ええ」「お前さんの人生は、
数奇だよな。大検を受けて医大に入り、今やこの街一番の病院の院長だ。それも自分の
過去が知られている。生まれ育ったこの街で、堂々と成功者として生きている。

あの手の付けられない不良だった、お前が更生したことが、今でも不思議て仕方ないんだよ。
何があったんだ!? まあ、言いたくなければ別にいいが、アハハハ」たまたま飲みに行った
居酒屋で、昔、お世話になった、今は警察署の署長と偶然出会い飲んでいた。

「実は私を立ち直らせてくれたのはヨシエなんです」「あの、頭のおかしい、おさせのヨシエ?!」
「あの人、頭おかしくは無いですよ」「あいつは、工場に勤めていて、男に捨てられたのがきっかけで
頭がおかしくなってあんな風になったと風俗担当の刑事がそう言ってたるなんでも田舎の家族が、

ヨシエのあまりの変わりように驚いて帰ってしまったと言う話だ」「田舎に連れ戻され、子供と別々に
されるのが嫌だったんですよ。あの時、ヨシエは17歳だったんです。あの頃の私と同じ年だった。
彼女は何度か私を誘った。背中に赤子を背負うヨシエに「不良のくせに恥ずかしいのか。結局お前もヤクザと同じだ!」

と言われた。そこに精神病院の救急車両が来てヨシエを捕らえ連れて行こうとする。「やめてよ!何するの!」と
ヨシエが騒ぐ。俺はその光景を見て「よせ、彼女は頭おかしくはない。やめろ!てめーらー!!」と救急車の連中を
殴り「お前らに用はない。さっさと消えろ!」と言う俺の背後に居たヨシエが、

「余計なことしないで、この人たちを呼んだのは私なんだから…」その言葉に俺は「えっ!?」と驚く。
すかさずヨシエが言う「もう限界なんだ。この子も物心ついてきた。物心つくまでは、誰にも邪魔されず、
母親としてやりたかったんだ。大事なものがあれば、人間どんなことでも出来る。お前なんか何もないくせに、
もっと人生大切にしなよ」と俺の背後でヨシエが言った。そしてヨシエは連れて行かれた。

子供が生まれて物心つくまで自分の手で育てたかった。そのわずか一年足らずで彼女は人生のすべてを捨てた。
その後、何度も彼女が収容された病院を訪ねました。しかし人に会える状態でないと会わせてくれませんでした。
ヨシエが意図的に会おうとしなかったのか、病院の方針なのか、あるいは本当におかしくなったのか、
ヨシエにはとうとう会えずに終わりました」

「会えずに終わった?」「私がインターンを終え、医師として面会に行った時にはすでに亡くなっていました」
「彼女を治してあげたい一心で医者を志したわけか?」「いえ、単にもう一度、ヨシエに会いたかった。
それだけです。彼女は私に生きることのい凄さを教えてくれた」
0093ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/20(日) 09:43:25.17ID:HTz1B1+g
>>92
9行目「刑事がそう言っていた。なんでも田舎の家族が、」に訂正
0094ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/20(日) 09:48:50.96ID:HTz1B1+g
>>92
4行目「今でも不思議で仕方ないんだよ。」に訂正
0095ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/20(日) 09:56:16.52ID:HTz1B1+g
>>92
末尾「彼女は私に生きることの凄さを教えてくれた」に訂正
0096ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/21(月) 07:13:26.30ID:Cow2GueJ
「明日なき我等」

時速150キロでバイクを疾走する競技、オートレース。この伝統のレース場が65年の
歴史に幕を下ろした「さらば!俺達の船橋オート」のTVドキュメントを見ていた。

「この春、日本から、男たちの聖地が一つ姿を消した」という味のあるナレーションで
番組は始まる...   ー 番組冒頭の船橋オートの優勝戦ファンファーレ ー

最後のレースが開かれた三日間の密着したドキュメントだった。親子二代で通う強者から、
イケメンレーサーの追っかけ、名物もつ煮込み目当ての客など、様々な人たちが押し寄せる。

日本に6競技場しかない公営ギャンブルのオートレース場の一つ船橋オートレース場の閉鎖までの
三日間のドラマ。中でもオートレースは競輪、競馬、ボートの4つの公営ギャンブルの中で、
最ものめり込んでしまう公営ギャンブルと言われている。

俺は公営ギャンブルは昔、競馬、競輪、競艇、オートと一通り経験していたので懐かしさも
あって画面にくぎ付けになった。大音響の爆音鳴り響く中、身銭を切って声援する人たちの映像。
あの大爆音の中、声援に集まる人たちの熱狂と興奮に久しぶりに熱いものを感じていた。

そんな65年間存続し続けたオートレース場が閉鎖される。1日目の第1レースから、初日は雨...
SGやG1になると、必ず、来ると言う車いすのおじさん。3連単4点を1000円づつ買うと言う
買い方をしていたけど、このレース、惜しくも外していた模様...。

また40年通ったファンのおじさん...そして食堂のおばちゃん達...
そんな関わって来た人たちの人生を思うと久々に熱いものがこみ上げて来た。
あの有名レーサーの登場に観客騒然!白熱のレースに空前の盛り上がりを見せていた。

爆音の中で眠る子供のシーン。名残惜しそうに、食い入るように白熱のレースを見つめる観衆。
「この船橋オートの爆音。このバイク音の響き方、他では味わえない。それは船橋が
他の場に比べスタンドの壁が走路に近いからだ。だから反響の仕方が違う。川口、伊勢崎、

浜松など他の爆音はもっと遠くに聞こえる。このバイク音はTVでも、通いなれている者には
「あ、船橋だ!」と分かる」そんな話を、お父さんが亡くなって最終節一緒に来れなかったと、
お父さんの遺影と一緒に来ていた男性が語っていた。そして遺影に語りかけていた...

...最終走路、走路に向かって...深々と頭を下げるおじさん...
多くの人たちの思いが詰まった一つの場所の終わり...選手にも、レース場にも、

...名残惜しむ多くのお客さんにも...それぞれの人生ドラマがある...
 ...蘇る昔、通った遠い記憶...さらば、船橋オート… ありがとう...
0097ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/22(火) 07:37:00.17ID:luGwnbtv
「愛よりも」

親しい編集者の女性とカフェにいた...
「以前にも話したことがあると思うけど、小さい頃から同じ夢を見るって話…
多摩川の河で銃声を聞いたと言う夢のことさ」「覚えているわよ。それがどうしたの?」

「警察官だった親父の自殺の原因が知りたくて、親父の上司だった人に色々と調べてもらったんだ。
そしたら二十五年前、署の始末書に親父の名前が載っていたんだ。思った通り銃弾一つ紛失させている。
僕が幼い頃、聞いた銃声は夢ではなく現実だったと思う。そう思うようになったのは、僕が雑誌記者

として銀座の高級クラブで " 戦後暴力団・組長列伝 " の取材中にヤクザ抗争に巻き込まれそうになったことが
あった。いきなりドアを開け、敵対する勢力のヒットマンが入って来て、組員に間違われて撃たれそうになった。
あの時、" 突然! " 僕は以前にも同じ様な経験をしたような感覚がいきなり脳裏を襲った! " 夢 " だと思って
いたあの光景が、突然、幼い頃の記憶が蘇ったんだ!三歳ごろ河川敷の原っぱで三輪車に乗って遊んでいたんだ。

そんな時、いきなり銃声が聞こえたんだ。そして僕は見たんだ」「一体誰だったのよ、その人?」
「親父だ! 警察官をしていた親父だよ」「な、何で、お父様が?! 殺された人は?!」
「おふくろだよ。今となっては、詳しいことは分からない。記憶が蘇ってから警察の資料室で調べてもらった」

何故、親父が母を殺したのか、理由は、今となってはわからない。愛していたからこそ、生真面目な父は、
母の生き方が許せなかったのか、幼い記憶にある銃声後、振り返った父の姿、泣き顔が忘れられない...
親父を恨むつもりはない。ただ、このまま総てを忘れてしまうことが出来ない。ただそれだけだった。

警察の資料室で父の上司だった桜井さんに調べてもらっていた。「戸倉由紀。確かに、その写真と同一人物だね。
売春で三回逮捕されている。担当は君の親父さんだ」「修一と言う三歳の男の子が居ますね。僕と同じ名前です」
「だからと言って、その子が君で、この女が君の母親と言う証拠はないんだよ。まして、この女は亡くなって

証拠もない」「僕の母です。多分、間違いないと思います」「修一君、君はどうかしているぞ、いいかよく聞け!
君の親父さんは立派な警察官だった!! 何故、自分の親父を信じられないんだ!!!」「僕は本当のことが知りたいんです
分かってください。僕の母親なら、どんな生き方をした人であろうと、僕は母さんと呼んであげたいんです」

その後、殺害現場である河川敷の本格的調査、探索が始まった。「どうして父は、自首しなかったんだろう?」
「それは愛していたからこそ、あなたを引き取って育てたんだと思うわ。愛していた人の子供だからこそ、
自分の手で、一人前になるまで責任を持って育てようと決心したのよ」「そうか、それで僕が大学を卒業した時、

自ら命を絶った。責任を果たしたと感じたんだな」「そうよ。殺人の時効がとっくに過ぎた二十年後、罪を
裁けるのは自分しかいないもんね」親父とおふくろにどんな事情があったかは、今となってはわからない...

そんな時、「おい! 何かあるぞ! 骨の様なものが」「頭蓋骨だ! 間違いない人の骨だ!」
「あたし、これ記事にするのやめるわね」「あ、ありがとう。俺、ちょっと、おふくろに会ってくるよ!」
0098ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/22(火) 07:41:57.25ID:luGwnbtv
>>97
3行目「多摩川の河原で」に訂正
0099ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/23(水) 08:04:47.23ID:30MqwR1f
「やまねこ」

「松沢、五か月だぞ!」「え!? まさか・・・!!!」
「産む産まないは、お前の自由だ! 監獄法12条により、満1歳までは獄舎で、
育てることも出来る・・・どうする?」「...」私は刑務所で子供を産んだ。

「被告人、松沢由香は内縁の夫、大崎宏の腹部を一度ならずも、二度三度と刺した
事は傷口から見ても疑う余地はありません! 更にその残虐な犯行の後に、被告人は、
自分の住むマンションのベランダに出て、愛人に電話をしていた。これらの点からしても、
計画的、かつ、充分なる殺意を持って夫である大崎宏を刺し殺した事は明確である」

私だって、好きであんなことをしたわけじゃない。それなりの理由があったのに・・・
誰も、その理由を代弁してくれない。私があの男と最初に会ったのは十二年も前だった...

あの男はヤクザだった。その日以来、あいつは私のヒモ。私はあいつが出資して作った
店のママとして、夜の世界で働くようになった。お店が私の全てになり、店が自分で、
自分が店。そうして、この世界で生きて来た......

「弁護人として、検察側に一つお願いします。被害者である大崎宏は内縁の夫でもありませんし、
あたかも、戸籍上、正式な夫であるかのような印象を与えるような呼び方はお止いただきたい。
ましてや、大崎宏が善良な夫の典型であったかのような意図的な発言はお止めいただきたい。

彼は広域暴力団の中堅幹部であり、被告人に対して日常的に殴る蹴るの暴力を働き、組との折り合いが、
悪くなり、収入源を失った最近では、店の売り上げを持ち出して、被告人の生活さえも、圧迫させつつあったのです」

弁護人の弁護が終わり、被告人の最終陳述。裁判官が「被告人は証言台の前に立ってください」
そして裁判官から「これで審理を終える事になりますが、最後に何か言いたいことはありますか」
判決言い渡し。右の者に対する、殺人被告事件について、当裁判所は検察官白石健吉出席の上、
審判して次の通り判決する。 【 主文 被告人を懲役八年に処する 】

ーーー あれから八年が経った。「松沢! 所長室へ行くように」「は… はい!?」
言われるまま、所長室へ行くと所長が「覚えているかな、ワシのことを」「はい」
「いよいよ出所だそうだね、おめでとう。八年は長かっただろう。よく頑張ったね!

ひとつだけ聞いていいかね。子供に会いたいか? 君が産んだ息子は今、あるところで元気に
育っている」「...」坊やのことは、思わなかったことは一度もなかった...

一度でいいから、この胸の中で抱きしめてみたい。名前も知らない私の子供...
どんな顔をして、どんな声を出して、どこで生きているの? ・・・
一度でいい、一度でいいから、その名前を読んでみたい......

刑期が終え出所の日が来た...。
「色々と、お世話になりました」「元気でね」「ありがとうございます」

爽やかな春風と共に桜吹雪が舞う並木道 ... 雪のように桜の花びらが舞う中...
その先に、所長と一緒にいる " 幼く可愛い坊や " の姿が見えた......
" 落ち着いて " と自分に言い聞かせる。そうだ、まず、これを聞かなければ、

幼い坊やに近づいて、坊やの目線まで膝を折って「お名前は...?」
「すすむ!」「そう、とってもいいお名前ね!」
0100ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/24(木) 07:30:53.61ID:cCOZrUgO
「泣きたい夜」

三つ下の妹が亡くなった。自ら命を絶った...
妹はいつも笑顔で悩みなんて口にしたことがなかった。
悩みなんてこれっぼっちも見せない。そんな子だった。

妹は成績は散々だったけど、いつも明るく元気な妹だった。
コミュニケーションが苦手な私は、そんな妹がとても羨ましかった。
何が原因だったのか? いくら考えてもわからない...

ただ行き場のない気持ちと、伝えたい思いが、今更のように押し寄せてくる。
いつも明るく元気だった結衣ちゃん。お姉ちゃんは、今でも信じられません。
現実を未だに受け入れられません。お母さんは毎日泣いています...
何があったか知らんけど、お姉ちゃんは、結衣ちゃんに生きててほしかった...

結衣ちゃんは、普段の笑顔の分、たくさん傷ついとんの、お姉ちゃん知っとった。
それなのに、何にも出来んかったお姉ちゃんは弱いね。ただ、今になって言えること見つけた。
お姉ちゃんは、あんたがめっちゃ羨ましかった。3っも年下なのに、お姉ちゃんより

しっかりしとる。けどさ、お姉ちゃん、羨ましかっただけで、あんたのこと、嫌いやない。
大好きやもん!大好きやけん!! 生きて欲しかった!!! 世の中は、理不尽で、不条理。
みんな自分の事しか考えてないけどさ。どんなに辛くても、ただ、生きとって欲しかった。

お姉ちゃん、いつもと違うあんた見て、あんたに「笑え!」って言ったのが、いかんかったん?
笑いよっても、しんどかったらいかんやん。あんたあほやん? 何で一人で抱え込むん?
何で相談してくれんかった? お姉ちゃん、そんなに頼りなかった? 誰かに嫌われるの、

確かに怖いね。お姉ちゃんも怖い。けど、みんなに愛される必要はないんよ。そう、すべての人に
愛されようとする必要はないの。みんなのヒロインになる必要もない。あんたは、お姉ちゃんの
ヒロインやったのに。苦しくても、悲しくても、泣いてもいいから、泣きたい夜には、

一人で泣かないで、お姉ちゃんを訪ねて来て欲しかった。お姉ちゃんの傍に来て欲しかった。
電話でもいいから、一人ですべて抱え込まないで打ち明けて欲しかった。電話口で、いつもお姉ちゃんを
心配させないよう気丈に振る舞っていた結衣ちゃん。お母さんも、お姉ちゃんも、結衣ちゃんが命やったんに。

今となってはこんなこと、言ってもしゃーないけどさ。何で結衣ちゃんいないの?
お願い、神さん! 結衣ちゃんの顔、もっぺん見せて。泣いとってもいいからさ。
思い切って抱きしめちゃるけん! ーーーーーーーーー 
0101ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/25(金) 07:36:53.37ID:/tWU5iZp
「儀式セレモニー」

「後ろに乗れよ!」差し出すヘルメットを思わず受け取ってしまった。
風の膜を突き破ってバイクは走り出す。狭くて細いタンデムシート。怖くて体が震える。
「俺に掴まれよ!」前から彼が怒鳴ってくる! 道に溢れる車… 車...

ビルと街路樹が現れては後ろに流れていく...市境に架かる橋を渡ると、大きなカーブ。
抜けると、少しRのきつい右カーブが連続して、道は峠へ向かっている。

後ろから彼にしがみついて、おでこを背中に着ける。背中なのに、彼の心臓の音が響くようだった。
「ねぇ」とその心音に向かって声をかける。聞こえないと思ったら返事が来た。また右カーブ。きつい。
バイクは、ガードレールに突っ込みそうなスピードでカーブに飛び込むと、燕のように急旋回する。

後輪が一瞬滑る。「カーブが来たら、ちょっと身体を倒せ!」「スピード落としてよ!怖いよ!」
「俺らは、このくらい。生き急がなきゃ、きっと間に合わないよ!」「分かんないよ。何言ってるの!?」

その間にも、バイクは傾いたままカーブを越えて、その先の直線に向かって唸りを上げて
加速していく。視界が平行になって、耳元でキーンと金属的な風の音がする。

峠に入ってようやく、彼はスピードを緩めた。ヘッドライトに金粉のような夕陽に
照らされた樹々の葉が舞って反射する...
「ねぇ」「何?」「私…」と言いかけたが、言えなかった...

彼もその後、沈黙し、もう一度、言おうか迷った... バイクは再び加速する…
展望台の先の灯りが、樹々の間から、私達二人を先導するように揺れて光っていた。
   ...単車の背中から...みつめた夕陽に...さよなら...
0102ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/26(土) 07:53:04.51ID:qNnMwM3G
「春なのに」

旅立ちの日でもある卒業。儀式が行われる当日は、別れ一色に染まる日。
明日からはこれまでのように会えない。それでも、絶対に会えないわけではない。
連絡先を交換すれば、また会える機会もある。今日というこの日だけが、
別れの理由ではない。

私に気づいてやってきた彼。
いつも通りの優しい笑顔で「会えなくなるね。寂しくなるよ」と
差し出された彼の手をそっと握り返す。ヤバい。すっごい " ドキドキ " する。

明日から毎日、顔を合わすことはないことに、彼も寂しさを感じているみたい。
でも、その寂しさは私のとは違う感じがする...
卒業という特別な高揚感の中で感じ、口にした言葉なのだろう...。

友達から、大きな声で呼ばれる彼。
「じゃあ」と軽く手を上げて友達の所に駆けていく...
結局はボタンをくださいと言えなかった。。。
心臓に近い第二ボタン…

私に見えているのは彼の背中…
ここで泣いては、いけないことはわかっている...... 。
あんなに寒かった冬から暖かい春へと変わった季節…
でも、素直に喜べない自分がいる。

移り変わる空を見上げては、こぼれそうな涙をこらえる。
心の中では、彼と二人で迎える春を想像していた...
夢のようなその思いは、春と共に消えてしまった。

周りに誰もいなくなれば、涙をこらえる必要もない。
あのお店なら、いつも通りに逢えると信じていた白い喫茶店。
結局、最後まで彼に本当の気持ちを素直に伝えることが出来なかった...
憧れだった彼への淡い恋心。届かなかった恋......... 。

 。。。 窓の外には、無数の桜の花びらが舞っていた 。。。。。。。。。
0103ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/27(日) 12:58:51.61ID:e58bYCwh
「紫の桜」

寺の境内には江戸彼岸系の見事なしだれ桜が境内いっぱいに枝を
垂らしていた。この日は、ほぼ満開で、既に花の色が白くなっていた。

背丈も幹の太さも枝張りも、ほぼ同じ様な姿の二本の桜。
互いに寄り添うように咲いていた。姿から夫婦桜と呼ばれていた。
樹齢200年。しかも、そのうち1本は連理の桜と呼ばれ、
二本の樹が根元で一つに繋がっていた。仲睦まじい姿から名付けられた夫婦桜。

境内いっぱいに樹齢100年、200年の江戸彼岸桜系の枝垂れ桜たち
夜間のライトアップされた枝垂れ桜。光の加減で、その静かな夜の薄闇の幻想的雰囲気の
紫の桜に見える夜桜。

今夜は強い月明りがライトアップされた枝垂れ桜だけではなく、
周りの樹々たちを照らしていた。夜なのに明るい。樹々や葉が微かに揺れていた。

月がこうこうと道を照らしているため、歩くのに全く困らない。
歩くこと20分、小高い丘の上に、月明りに照らされた樹齢300年の
枝垂れ桜が穏やかな春の夜風に美しく揺れていた。
「今年は、もう見られないかと思った」

私は愛おしそうに幹に手を触れ上を見上げた。
その枝垂れ桜は既に散り始めていた。
昨日、一昨日と寒い日が続き、やっと今日一日、暖かな日になった。
そこで、最後の蕾が一気に咲き、もう散り始めていた。

明日からは、また雨だと言う。今年は、今日が一年のうち、たった一日の見ごろなのだろう。
私はコートを脱ぎ、枝垂れ桜の根にそれを置き、仰向けに寝転んだ。

そのまま桜を見上げる。桜の花びらが、ひらひらひらひらと舞い落ちる。
次から次へと舞い落ちてくる。その花びらは月明りでキラキラと光っていた。
桜の花も、その幹も、満月に照らされて、静かに光っていた。
0104ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/28(月) 09:42:53.75ID:zliNpN0r
「桜らららら」

ーーーーーーーーー 僕は今日、恋をした...。
何の変哲もない教室で、今、窓の外を眺めているあの子を見て・・・

「なぁ、ケンジぃ〜? 今日から、転校生が来るって聞いたか?」
「そうなの?」「女子らしいぜ! 可愛い子だったらいいなぁ〜」
「ふ〜ん。そ〜うなんだ」バシッ!と " 突然 " 叩かれた!
「なんで! 叩くんだよ? 痛いな」と僕。

「あったり前だろ! 少しは驚けや! 転校生だぜ! 転校生」
「ま、普通じゃないの? なんか、ちょうどそんな時期なんじゃないの?」と僕。
「へっ! まあ、いいや。んじゃ、もうすぐ先生が来るし、また後でな」
そう言って、タイキは自分の席に戻っていった。

ちょっどその時、先生が入って来た。
「みんな、席に着け〜 !」ガヤガヤと騒いでいたクラスメイト達が、
ゾロゾロと席に着いた。
「よ〜し、知っている奴もいるかも知れないが、今日、このクラスに転校してきた
生徒を紹介する」「先生〜! 男子ですか〜 ? それとも女子ですか〜 ?」と
男子の一人が聞いている。

「おう! 女子だ! 燥ぐなよ男子!」と先生は言う。
「ひゃっほう!!」と途端にクラスの中の男子が騒ぎ出した。僕一人を除いて。
すると、僕の前に座っている女子が話しかけて来た。
「あれ! 松田君は、燥がないの?」

「まあね、よくある事だし、別に」
「こらっ! 少し落ち着け男子! さあ、佐々木さん入って来てくれ」
ガラガラとドアがゆっくり開いた。
「佐々木希です。よろしくお願いします」
0105ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/29(火) 12:05:27.71ID:9HzKytUT
「黄砂に吹かれて」

私は三年付き合っていた彼と別れて傷心を癒すためのたびに出ていた...
今、敦煌に居る。敦煌と言えば壁画。壁画と言えば敦煌。中でも、
その花は飛天。かってNHKが1980年頃に放映したシルクロード…

あの天の衣で天空を自由に飛び廻る天女… シルクロードを見て以来、
一度は行ってみたいと思っていた敦煌。とうとう来てしまった...

鳴沙山から月牙泉の眺望… 鳴沙山とラクダの列… 鳴沙山に沈む夕陽とラクダの群れ…
月牙泉と楼閣… 鳴沙山が美しい曲線を描いている...。

鳴沙山の麓にあるオアシス月牙泉には、何千年も絶えることなく湧き続ける不思議な泉がある。
地下を深く流れる澄んだ水… 泉の傍の楼閣と砂漠は敦煌の代表的な景色......
時折、吹く風に吹かれて思いを巡らせていた......... 。

砂を手に取ってみる。手に取った僅かな砂が風に流されていく.........
黄砂に吹かれて 彷徨う旅は 地下を深く流れる 澄んだ水に似ている 終わりのない旅
微笑みずくで終わらせた恋が 夢の中 悲鳴上げる... 

あなたに似ている人もいるのに あなたより優しい男も この砂の数よりいるのにね 旅人

「嘘つきむ」「嘘つき」「嘘つき」込み上げる...
あなたから少しでも遠くに離れたくて...遠くへ向かう旅に出たいの あなたから遠い国まで
誰にも会わない国まで 黄砂よ何故...嘘...見破るの...旅人...
0106ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/29(火) 12:09:16.91ID:9HzKytUT
>>105
下から3行目「嘘つき」「嘘つき」「嘘つき」に訂正
0107ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/29(火) 12:17:52.47ID:9HzKytUT
>>105
1行目「癒すための旅に出ていた...」修正
0108ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/30(水) 10:41:11.79ID:u8okJ/H5
「肩幅の未来」

「沢田さんてさ、営業先の子と付き合っているらしいわよ」
「私は、同窓会で再会した元カノと、ヨリを戻したって聞いたわよ」
「ちよっと、それよりもっと驚くことがあるわよ!」
「なになに、なによ!」

「福山君、エリちゃんと腕組んで〇〇〇カフェへ入るとこ見たのよ!」
「ええーっ!それは流石にマズイんじゃないの?」
「そうよ、めぐみさんと付き合っているのに、エリちゃんも、どういうつもりなのかしら...ねぇ」

・・・あの日、会社のパウダールームで交わされていた会話を… 聞いてしまった...。
よりによって、エリちゃんとは、エリちゃんは入社したばかりで私の直接の部下だった。

ケンカなんていつもだった。嫌いなんて言わなかった。ちょっと甘い、ちょっと苦い、夕暮れの溜息...
三月の終わりの日曜日、午後五時、彼とよく行っていた甘い香りが漂う「○○〇カフェ」に私はいた。
入口から、真っ直ぐ進んだ左角に設けられた空間は、お一人様ブースだ。その中の一席に私は座る。

この席に居ると、入口から奥まで店内の様子がよく見える。お店のメインである二人席、四人席は、
可愛い女の子達が、楽しそうにおしゃべりしている。そのテーブルには、色とりどりのトッピングがされた
パンケーキが並んでいた。このお店はいつも賑わっている。パンケーキブームで有名になったお店の姉妹店
と言う事もあり、単純に、ここのパンケーキが美味しいからだと思う。特にふわふわパンケーキが美味しい。

家から遠いが、ここの所、私は毎日通っていた。ただの一つを除いて、他のメニューすべて制覇した。
その最後の一つは、meet キャラメルパンケーキ。いつか彼と一緒に食べるはずだったパンケーキ。
今日注文したパンケーキはベリーベリーパンケーキ。イチゴとブルーベリー、ラズベリーが山盛りの
生クリームの上に、さらにこれでもかと乗っかっている。セットのドリンクはグレープフルーツジュース。

一番のお気に入りメニュー。甘いもの食べている時が一番幸せ… 店内に流れる曲も変わった...
今、その曲の歌詞が心を締め付ける...ナイフとフォークを手にしたまま、唇を噛みしめて上を向いた。
下を向いたら、きっと泣いてしまうから......そんな時! 入口の自動ドアが開いて、
身に覚えのあるカップルが入って来た!  ー " 彼とエリちゃん " ー だった!

      ・・・・・・・・・ 慌てて顔を 下に向けた ・・・・・・・・・
0109ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/30(水) 10:56:25.04ID:u8okJ/H5
>>108
3行目「ちょっと、」に訂正
0110ジョン・スミス
垢版 |
2022/03/31(木) 12:49:54.19ID:XvOvxaLs
「見返り美人」

「お前さ」「うん?」「お前の家、別に貧乏じゃないんだから、たまには服装の事、
気にしたら?」「おかしいかな?」「あのアパートだって、今時、あんな汚いとこないぜ」
「そうかな… でも、私、別に気にならないし、いいんじゃないの、ハハハ」

「友達として、たまには遊びに連れて行ってあげたいけどその恰好じゃな」「別にいいよ」
「お前、午後、アトリエだろ、俺引き続きここだから、じゃな」「森君!」「何だよ?」
「誘ってくれてありがとう。嬉しかった」「あぁ…」

東京に出て来て、三年にもなろうとしていながら、阿佐ヶ谷にあるこのアトリエと、予備校、
そしてアパートの間を、行き来するだけが私のすべてだった...

「お前、結構可愛いんだからさ、もう少しオシャレしろよ! そうすりゃ、色んなとこ連れて行ってやるぜ」
「ありがとう。でもいい。森君も私の事なんて気にしないで、こうやって、気か向いた時だけ来てよ」「…」
「あ…、お金?」「悪いなぁ、余分があったら、少し回してくれよ」「いいよ。10万円あるから好きなだけ

使って、私、アパート代とインスタント食品のお金さえあればいいもん」「そう…、じゃあ、3万円だけ借りるよ。
あんまり借りちゃうとな…、ほら、今までの分、結構溜まっているし、へっへへ」「遠慮しなくていいってば、
全部持っていきなよ。ある時に返してくれればいいって」「でも、そう? じゃあ、遠慮なくお借りします」

「…」「どうしちゃったの? 急に黙り込んで?」「私の昔の事…」「男の事か?」「そう高校の時、めちゃくちゃ
好きな人が居たの…」「それで…」「私のこと騙していたの。私、ほら、宮崎の銀行家の娘だから、財産目当てって

言うか、せこい男だったな、私は別にそんなこと、どうでもよかったんだけどね。結局、父親がその人に手切れ
金渡して、私も故郷に帰れない身というかさ、田舎だから噂話が、町中駆け巡ってさ…」
「お前も可哀想な奴なんだな。俺、お前のこと好きだよ」

その後、一週間が過ぎ、森君が仲間とつるんで私が働いている弁当屋の前を歩いて通り過ぎようとした時... 
森君に気づいた私は、弁当屋の作業着で「森君!はい、お弁当!」と渡そうとした時、森君の友達の一人が、
「プッ! あれ森の女かよ? 妙な奴!アハハハハ」「アハハハ」 ...あの時から、森君は変わった...

「俺に恥かかせやがって!」って何かにつけ暴力を振るうようになった...
「お前、見ていると心底滅入るぜ! 人に反抗することないのかよ! お前が、
一度でも来るなと言うなら来ないんだけどよ! 抱いてやるから! 金をくれ!」

「ない!この前、今月分、全部持って行ったじゃない」「なきゃ、作れよ! 
弁当屋なんかで働かなくても女なら、もっと効率のいい稼ぎ方があるだろう!」
「好きで、こうしているわけだから、ほっといてよ!」

ーーー それから一週間が経った...「おい! あんなのいたっけ?」「すげえ美形!どこのクラス?」
そんな予備校で森君と会う。「お前、あの砂場!?」「そうだよ」「し、信じられねぇ?」
「お望み通り、オシャレしてきた。整形なんかしてないよ」「うん、分かるよ。お前ちゃんと
化粧して身なりを整えれば、綺麗になるのは知ってはいたけど、それにしても...驚いたよ」

「じゃあ、頑張ってね。森君」「…」森君には感謝している。世の中にはこんなにも
くだらない男が居るってことを教えてくれたんだもの。無駄な時間を過ごすことも、
社会に出る為のモラトリアム期間と捉えれば、自分を見つめる為には必要なこと。

私は脱皮する .........これから新しく生まれ変わるんだ ...
0111ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/01(金) 13:45:26.46ID:Dot9sB5d
「一期一会」

僕が高校受験の日、列車事故により知らない駅で降ろされてしまった時のこと。
一人のお姉さんが「どうしたの?」と声をかけて来た...。

「高校の受験に行きたいんですけど、今どこに居るのかも、全くわからない...」と
話すと、そのお姉さんは即座にタクシーを捕まえて、僕を連れて行ってくれた...

千円位しか所持金がなかったのですが、せめてものお礼にと渡そうとした際、
「受験頑張ってね」とやんわりと拒否され、タクシーを降りる際に、
お礼を言おうとした時にも、「じゃあね」とすぐ去って行かれました...

二度とお会いすることは無いと思うのですが、あの方の様な素晴らしい大人になりたいと思いました。

その後、社会人になった時、こんな出会いもありました...
旅行先でたまたま入ったカフェレストランで歳は六十くらいの見知らぬおっちゃんと相席になり、
ご飯を食べながら世間話をしていました...そして食べ終わった時の事。

「お姉ちゃん! ここお勘定、二人分やで!」とそのおっちゃんが店の店員のお姉さんに言う。
僕は慌てて「そんなことして貰う訳には!」と言うと、僕を制して、おっちゃんは曰く
「いいか、世間は順送りや、わしも若い頃は、色んな人に、色んなことして貰ってきてるんや、

あんたもして貰ってる筈や、だから、わしは、それをちょっとずつ返す番や。で、あんたが、
返す番になったら、次の人に、返してくれれば、それでええんやで!」

 一期一会の良き出会いを大切にしたいと思った瞬間でした .........
0112ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/02(土) 14:11:55.36ID:Aap1v59C
「気にしないで」

… スマホが鳴った … 
「あ、俺だ! あのさ、この前のこと、悪かったよ。反省しているよ俺」
「… そう」と私。

「だからさ、良ければ又、会ってくれないかな? この前、あんなことで、
あんまし話も出来なかったし...」「...」

「あ、もちろん部屋でなくてもいいんだ! 外で、頼むよ。俺、あれから色々あって、
君に話したいこと、いっぱいあるんだ!」

「駄目よ。悪いけど、私、今忙しいんだもの... もう寝るから私、切るわよ」と
スマホを切った。

翌日の雨の夜、夕食の後片づけや洗い物をしていると、玄関のチャイムが鳴った!
「どなたですか?」… 今頃、誰だろうと思いドアを開けると、いきなり
「あなたね!」見知らぬ女の人が叫んだ!
その女は冷ややかに、感情を押し殺した表情で切々と語り始めた...

「あなたと主人のこと、主人から聞きました。銀座のあなたのお店で知り合い
通ううちに、親しくなったとのこと。軽薄そのものですね。おまけに身の程知らずに、
主人と結婚したいとおっしゃったとか、図々しいにもほどがあるわ!」

「あなた方は所詮、男たちの一時の遊び相手! あなたの言ったことを聞いて、
主人もあきれていますわよ。そりゃあ、主人はいい男ですよ。私が惚れたくらい
ですから、あんたなんかの他にも主人に言い寄って来た女は沢山いましたから...
私は離婚しません! 主人の浮気は、一時の麻疹みたいなもんですから、

直ぐに間違いに気づき、私の所に戻ってきますよ。あの人は、私が居なければダメなのよ。
そう、そんなダメな人なの。色んな意味でね! あの若さで、あのポストまで行けたのも、
私の父が関係しているの。だから主人は現在の地位や財産を捨ててまで、あなたみたいな
性悪女と一緒になるほど世間知らずではありません!」

   ーーーーーーーーー 主人は、私と別れたら、すべてのものを失うんですよ!
0113ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/03(日) 16:31:28.64ID:64Jmcrke
「こどもの宝」

...遠くに見えるのは...見覚えのある少年...私だ...遠い昔を抜け出して...
...私に気づかず...私の隣で...背伸びして佇んでいる...私を知らずに...
...私にもたれて...遥か未来を眺めている...私を見上げる...私は目を逸らす...
...遠い私を抜け出して...あの子の宝は何だろう...あの子の願いは何だろう...
               〜〜〜 〜〜〜 〜〜〜 
           ーーー 手術室 ーーー [手術中] ーーー
    ... ピッピッピッ ... ピッピッピッ ... ピッピッピッ ...

ーーー 「先生! 脳波が弱り始めました!!」 「うむ...」
「先生! 血圧が下がり始めました!!!」「脳波は?」 ーーー

 ーーー 病院の待合室 ーーー
「社長、岡田さんのご家族の方は、いらっしゃらないようですが、私が車で迎えに
行きましょうか!?」「その必要はない。奴には家族はいないんだ。一人で生きて来た。
俺もこの会社で長く生きて来たが、あんなに生きるのが下手な奴は見たことがない。
俺みたいなのが、まだ生きているのに奴に先に逝かれたらたまらんよ」

「社長、そろそろ磯村先生とのお約束の時間になります」「ここを離れる訳にはいかん!断ってくれ!」
「社長、でも!?」「岡田を何だと思っているんだ! あの岡田宗助は、日鈴自動車の創設時からの
メンバーの一人だぞ! 世界五位の会社を作り上げた最大のエンジニア、我が社の礎を築いた一人だ!

 陰の功労者だぞ! 岡田は中学しか出ていないんだ。うちの会社に特別行員として採用された」
「聞いたことあります。戦後、我が社にも特別制度があり、成績が優秀な青年に会社が独自で
三年間の教育をさせる制度ですね」

「あいつは頭が良かった。大学を出ている俺と同期入社だったが、とてもあいつにはかなわなかった」
「うちの会社の技術は、ほとんど、あいつが作り上げたものだ。俺はただ、あいつの技術開発の功績を
貰って出世していっただけだ。あいつが居なけりゃ、この会社も、俺も、ここまでにはなってはいなかった」

「なぜ? 岡田さんは出世を拒み、現場にこだわったのですか?」「それは俺にも、よくわからん。
現場で若いもんに技術指導や一緒に仕事するのが好きだったな」

 ーーー 手術室 ーーー [手術中] ーーー 点灯していた明かりが消え ーーー
手術を終えた医師が「ご臨終です」「そうですか…」と社長。「ご家族の方とか、身内の方は?」
「いません。戦後一人で生きて来た男ですから...」
... 働き続けた一生だったな...岡田、長い間、会社の為に貢献してくれて、
ありがとう...   
   ーーー 会社の為に、一生をささげた人生だったな... ゆっくり休んでくれ ーーー
0114ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/04(月) 13:51:42.93ID:y90YlE6J
「強い風はいつも」

「沖縄に行かない?」といきなり母から電話で聞いてきた。
当時、大学三年で就活で忙しかった僕は「忙しいから駄目!」って断ったが、

母はなかなか諦めない「どうしても駄目?」「今、大事な時期だから、就職、決まったらね」
「そう...」母は少し残念そうに電話を切った。急に何だろう...と思ったけど、
気にしないでいた。それから半年後に母が亡くなった...癌だった。

医者からは、余命半年と言われていたらしい。医者や親戚には息子が今、大事な時期で、
心配するから連絡はしないでくれと念を押していたらしい...

両親と三人家族で中学の頃、父が交通事故で他界。パートをして大学まで行かせてくれた母。
沖縄に行きたいと言うのは、今まで僕の為だけに生きて来た母の最初で最後のわがままだった...

叔母から、母が病院で最後まで持っていた僕が小学生だった頃の絵日記を渡された。
パラパラとめくると、写真が挟んであるページがあった。絵日記には「今日は沖縄に
遊びに来た。海がきれいで雲がきれいですごく楽しい。ずっと遊んでいたい! 
旅館に帰ってから、全身が焼けてむちゃくちゃ痛かった」と言うようなことが書いてあった。

すっかり忘れていた遠い幼い記憶が蘇って来た.........
今度は、僕が大きくなったらお金を貯めて両親を再び沖縄に連れて行ってあげるんだと
言うようなことをこの旅行の後、母に言ったのだと思う......
母は、それをずっと覚えていたのだった.........

その絵日記に挟んである写真には、自分を真ん中に砂浜での家族三人が楽しそうに映っていた...
僕は母が電話をしてきた時、どうして母の唯一のわがままを聞いてやれなかったのか...
もう恩返しすることは出来ないと思うと... 急に涙がぶぁっと溢れて来た...
0115ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/05(火) 11:22:53.01ID:V8XvuDb3
「小石のように」

ピッピッピッピッと呟く… 野鳥のさえずりを風が運ぶ…
林の中で、時折、バタバタと鳥の羽ばたきの様な音が聞こえる...

樹が狭い地面にひしめき合って、腫れ上がったようにこんもりしている。
笹の葉が、さやさやと風で揺れる… 風が木の枝をザワザワ揺すって通り過ぎる中...

樹の間を抜けると、禿た頭のように、何もない山頂に着いた。
ーーー 「雲一つない晴天だ!」 ーーー 陽射しが強い ーーー

「眺めがいいでしょう」
「いいねぇー」

夏になれば、芝生が生い茂っているのだろう...
...街が眼下に見下ろせる...区画された田園は美しい......
僕たちは、暫くそこに立って、美しい景色に見とれていた......

.........風の音... 鳥のさえずりしか聞こえない...
息を吸い込めば、その音、そのさえずりさえも身体に取り込めそうだ......

傾斜の急な波立ち、飛沫が上がっている渓流の早い流れは、下流の方の谷川の
せせらぎまで心地よい音を立てて流れている......

......柔らかい春の風が、足元をなぶって通り過ぎる......
水筒に入れたお茶を一口飲む。山で飲むお茶は、いつも飲むお茶の十倍美味しく感じる...

山で食う握り飯は格別に美味しい... 透明に澄んだ山の空気...
目の前に広がる雄大な景色... 疲労感と表裏一体の確かな充実感...
何を食べても、何を飲んでも「うまい!!」と感じさせる...

そよそよと春風が吹く爽やかな春の休日。午前八時前、登山口に到着した。
防寒具や食料を背負い、でこぼこの坂道や岩場を何時間も歩き続ける登山。

砂利や泥に足を取られ、息があがる中、樹々の枝葉をかいくぐって漏れるように
射し込む木洩れ日。。。。。。。。。苔...小川のせせらぎ......

立ち止まり、目を凝らし、耳を澄ませて...大自然を肌で感じる醍醐味。。。
山頂で食う最高のお昼ご飯。雄大な景色をバックに、果てしなく広がる空の下...
大きな岩の上に腰を下ろし、雄大な景色を見渡しながらパクパクと豪快に食らいつくおにぎり。
こんな絶景を見ながらのおにぎりは最高だ! 最高の贅沢、醍醐味。。。
0116ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/06(水) 13:31:01.85ID:uSGC1yyq
「愛から遠く離れて」

「お疲れさん。みんな休んでいいわよ。 あっ! お客さん。お茶でしたら電話で
言ってくだされば」「いや、お茶はいらない。君が昨日、私に言ったことを確かめに来たんだ。
一晩、二万円で客と付き合うと言ったこと、あれは、本当なのかね」「は、はい」
「今晩、私の部屋に来てくれるかね」「はい」  ... ... ...

やはり気づいていない...もし、人生に過去と言うものがなかったら、私はまた違った生き方を
していたに違いない...私がとった初めての客。部屋に戻ると「あ、おかみさん」「あんただけには、
してほしくなかったよ。あんなこと」「すみません」「謝ることはないさ、案外、私は心の中じや、
喜んでいるのかもしれないよ。あんたが客をとってくれたら、この辺の男たちも、うちに泊まりだすよ」

「やっぱり、あの人を客には出来ませんでした」「!? せっちゃん...もしかして、あの客、ここに来る前、
あんたの...」「ええ、三日間も泊まっていながら、私の顔さえ忘れていました。この十年間、私はあの人を
忘れる為だけに、ここで生きて来てバカみたい...」「じゃ、何故、そんな男と寝たんだい。何故、そんな

馬鹿なことを」「抱かれながら、お前が私を忘れたように、私もお前のことなんか忘れてるぞって、ただの客だと、
心の中で、笑ってやろうと思ったんです」「それで笑えたの?」「何なんでしょうね。男と女って...うっ...
何なんでしよう、一体...」… 私が外村を知ったのは、もう十年も前の事。仕事が終わって、通っていた定時制の
高校の英語の講師だった彼のアパートで「先生、まだ気にしているんでしょ。気にしないでください。私が勝手に

ここに来ているんですから」- 後悔はしてなかったし嬉しかった。 - そんな時 -  大家さんがドアを " 叩く "
「女の人から電話が」「今行きます! 君は帰った方がいい」「はい」- もう来ちゃいけないんだ… そんな時、
机の上にあった腕時計。「先生! これ、頂けませんか?」「そんなおもちゃの腕時計、いいよ。いずれちゃんとした
腕時計買おうと思っているから。でも、どうしたんだい。急にそんなもの欲しがって?」「さようなら!」と私は駆け出して行った。

暫くして先生のアパートの外から、明かりのついた部屋でカーテン越しに男女が抱き合っている姿影を見る...
後悔はしていなかった。ただこの街を離れたかった。でも戻る事なんてなかった...そんな過去を回想をしていると...

「お客さんがお帰りだよ」とおかみさんの声。「こちらに来る機会がありましたら、ぜひ寄らせていただきます」
「ありがとうございます。帰りは、真っ直ぐお帰りですか?」「いえ、ちょっと船で花崎まで行って、列車に乗り換える
つもりです」「そうですか」そんなおかみさんとのやり取りを聞いていた私は「では、船着き場までお送りしますわ」

船着き場まで一緒に歩いている途中、「どこかで君と会ったことはなかったかな?」「いえ...」「そう...」
しばらく歩いて船着き場に着く。「あの、お客様、腕時計をお忘れでは?」「いゃあ、元々、僕は腕時計をしないんだ」
「そうですか」「昔は貧乏でね、腕時計も買えない時期があってね。あの頃を忘れないように思って、腕時計はしない

ことにしてる。そう言えば、おもちゃみたいな腕時計をしていた時期もあったな。アハハハ」荷物を渡す時、
私がしている腕時計を見て「?!!...も、もしかして、き、君は...」...タンタンタンタンと船着き場から
船が出ていく.........タンタンタンタン...見送った後、もし、人生に過去というものがなかったら...
腕時計を海に捨てる...過去を引きづって生きて来た時間...私はようやく過去の時間を捨てられる.........
0117ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/06(水) 17:14:28.87ID:uSGC1yyq
>>116
7行目「私は心の中じゃ、」に訂正
14行目「何なんでしょう、一体...」に訂正
0118ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/07(木) 14:40:43.85ID:c56UfROf
「彼女によろしく」

「ねぇ、私たち、そろそろ別れない」
「突然、何言ってんだよ! 俺たちこれからも、ずうっと一緒だぜ!」
「彼女によろしくね!」

「誰だよ、彼女って! 俺に、そんなのいないぞ! 何か、勘違いしていないか?!
おい! 何だよ! どうしたってんだよ?!」
ーーー " そこで 目が 覚めた " ーーー 

彼女に突然別れ話を言われてから、変な夢を見るようになった...
起床後に身体に残る鈍い疲れも大分取れた。クーラーボックスを肩にかけ、
竿を担ぎながら、釣り場へ向かう。今日はよく晴れている。海面には
朝日が当たり、無数の小さな眩い光が規則的に生まれては消えていく…

突き出した岬と、防波堤に挟まれて入り江のような形になっているそこは、
元々漁港だったのだろう。コンクリートが、打たれ波打ち際の傾斜ではその名残か、
朝焼けを浴びて、オレンジが強くなったブイが揺れている。

バイト先の店長から、聞いたこの場所は、釣り場としては穴場らしい。
だが、既に先客がいた。「何で? お前がここにいるんだよ!?」
レジャー用の小さな椅子に腰掛けて釣り糸を垂らす女の姿を見たとき、
思わず叫んでしまった!

「別にいいじゃん! 何で? ここで釣りをするのに、許可がいるの?」
保育園からの幼馴染の絵里だった。

「うるせぇ! とにかくお前が居るなら、俺は帰るぞ!」
「いいけどさ、帰ってこれからずーっと家でゴロゴロするの?」
絵里に背を向けて立ち去ろうとしたが、そう言われて思わず立ち止まり、
竿と仕掛けを準備し始めた。

「ジャジャジャジャーン! こんなに大きいのが連れちゃったわ!」と
俺に見せながら絵里は大はしゃぎしていた。
0119ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/07(木) 14:45:32.70ID:c56UfROf
>>118
下から2行目「こんなに大きいのが釣れちゃったわ!」に修正
0120ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/08(金) 18:58:40.12ID:vS19w5uq
「裸足で走れ」

昭和○○年、僕が中学生の頃。
僕はいじめられっ子だった...。
靴を隠されるのは、もう慣れっこだった。

放課後、校庭の隅に呼ばれて、訳もなく殴られたり、
ズボンを脱がされたり、毎日、何らかの嫌がらせを受けていた...
でも、今日は、許せないことが起こった。

それは昼休みに起きた。僕の家は、母子家庭で貧乏だった。
お金がないのに入学祝で母が、僕の為に態々高い方の革の学生鞄を買ってくれた。
だから、いつも大切に使っていた革の学生鞄。そんな革の学生鞄を壊されたのだ。

中学校で必要な筆記用具を面白がってバキバキに折られたり、踏んづけられたりされた。
教員室に行き担当の教師に、このことを言ったが、取り合ってくれなかった。

教室に戻ると、僕の机の上には、案の定に
「バカ、死ね、クズ、カス、ゴミ、ゴミクズ、学校にくんな・・・」
等々がマジックで書かれてあった。

もう我慢が出来ない! 僕は、堪忍袋の緒が ・・・ 切れた、、、、、、!!!
僕は、コンパスを握り絞めていた! コンパスの先でぷっさ刺そうと思っていたのだ!!
だけど、それは出来なかった。

ごっつい腕に、強く捕まれたからだ!! 振り返ると、
そこにはクラスのリーダー的存在の矢吹が真剣な表情で僕を見つめて言った。
「今、それをやったら、今までの我慢がすべて無駄になるぞ!」

「こんなの俺が消してやる」と机に書かれた落書きを消し始めた…
そして矢吹は机の落書きを消しながら僕に言った。
「そんな危ない物使ってやったら、今までの我慢がすべて無駄になる。

運悪く相手を殺したりでもしたら、一生棒に振るぞ!お前のその後の人生台無しに
してしまうほどの相手か? 一生面倒見なければならない傷害を負わせても同じだ。
後で後悔して悔やむのはお前の方だぞ! 相手に取られて、お前が怪我しても損だ。

余計憎しみが深くなる。だから、そんな危ないものは二度と使うな。分かったか!
いいか、お前は頭がいい。もっと努力して頑張って、立派になって、
いつかあいつらを見返してやれ!」
0121ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/08(金) 19:11:46.94ID:vS19w5uq
>>120
16行目「ぶっ刺そうと思ったのだ!!」に訂正
0122ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/08(金) 19:43:22.92ID:yyNP57Iy
スターグループをご存知でしたか?
0123ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/08(金) 21:06:23.52ID:vS19w5uq
>>122
知りません。何ですか?
0124ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/09(土) 08:01:11.78ID:7zbW6Lwt
>>120
下から3行目「そんな危ない物を使おうとするな。お前の母ちゃんが悲しむぞ!分かったか!」に訂正
0125ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/09(土) 15:47:59.76ID:7zbW6Lwt
「海よ」

耳元で、しきりに風が鳴っている...
まだ冷たく、たっぷりと潮を含んでいる
波は音を立てて砕け、そして勢いよく退いていく…

白く細かいしぶきが眩しく光る。。。。。。
辺りには人影がなく、広い入り江の波打ち際を低く飛んでいた
カモメが遠くに見える灯台の方へ飛んでいく…

一面に輝いた海が、キラキラと霞んでいるように見える静かな海…
そんな海は色んな顔を見せる。。。
晴れて風もないのに、海岸に大きな波を打ち寄せる。。。

夕暮れ近くになると、斜の光線を受けた静かな海は、
色の褪せた鈍い光沢を放つ...

...遠くに見える灯台......
ずんぐりと黒く、ちょうど鐘をすっぽりと伏せたような形をしている。

日が沈み… 薄い残照の中に青みが流れる...鐘の取っ手の部分にオレンジ色の
ライトが灯り、それがゆっくりと回り始める… 灯台の回る灯りが夕暮れの中、
辺りを照らし始めていた.........

 ...思春期の頃、泣きたい時は、いつも夕暮れの海に向かって語りかけていた...
そんな私も、まだ幼く小さい頃は、夜の海がとても怖かった。

そんな海の声を恐ろしく感じなくなったのは、
いつ頃からだろうか...
0126ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/10(日) 11:28:58.23ID:j3l2+Xpm
「恋文」

教室に行くと座席表が書いてあった。
私の席は廊下側の前から二番目。彼は窓側の一番後ろの席。離れてしまった。
でも、同じクラスでよかった。

クラスになじんできた頃、私と彼はいつも一緒に帰っていた。
元々口数は少ない彼。でも、最近はあまり話したがらないというか、
クラスにいても、もちろん帰り道でも全然話さない。なんで?

その日のメールで「話せなくてゴメン!」ってきた!
私は「ううん、私もだから、気にしないで!」と返した。

それから彼が学校に来る日が少なくなっていった。
誰に聞いても理由が分からなかった。
でも、毎日メールをした。理由を聞いても風邪としか言わなかった。

ある日、彼の友人が私に言った。「あいつ、癌で入院しているよ」
それを聞いて私は驚き泣き崩れた。泣いた。声を上げて泣いた。
何故、私に本当のことを言ってくれなかったのか...

お見舞いに行こうと思った。でも、友人の話だと、彼は私に会いたくないらしい。
癌の抗がん剤の副作用で髪の毛が抜け、私に見られたくないらしい。
それでも私は毎日メールをした。一回だけ来たメールが  …「アリガトウ」… それだけだった。
それ以降、メールの返事は来なかった...

後で振り返ると、このメールが彼とのやり取りの最後の言葉になったのだった...
何もしてあげられないもどかしさから、ただ、学校で起きた一日を彼に送り続けた。
そして良くなることを願った。

ある日、先生が言った。
「文化祭が終わってから、4日後に亡くなった」と。
初めて知った。ちょっと具合が悪くなったと言う話を私達は聞いていただけに
周りの友達はみんな泣いていた。

家に帰ったら一通の手紙が届いていた。消印は文化祭の次の日。
母に問い詰めたら、「今日届いたのよ」と母は言った。
私は手紙を握りしめて自分の部屋に走った。
ベットの上に座り、手紙を読んだ。

「マミヘ この手紙は、文化祭が終わって三週間後に届けられるようにしてあるんだ。
これを読んでいる時は、俺は、もう、この世にはいないかな。マミにはたくさん謝ん
なきゃいけないことがある。学校で喋れなかったし、一緒に帰る時も話せなかった。

今、俺すごく怖い。いつ死ぬかわからない。でも、これだけは言っておく、
マミ、好きだよ。君が大好きだ! だから俺を忘れて、素敵な恋をしてください。
 今まで、ありがとう」
0127ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/11(月) 14:15:12.01ID:HSLyvgs6
「た・わ・わ」

今日も元気に揺れてるおっぱい! 男なら誰しも好きなオッパイ!!
今日も俺は放課後の教室の窓から… それを眺めていた...

そう、俺のいる二年三組の教室の窓からは、ちょうどグラウンドが見える。
そこで陸上部の女子たちが元気いっぱいに練習していた。

彼女たちはTシャツに短パンという薄着で、跳んだり走ったりを繰り返している。
そしてその動きに合わせてTシャツの下で揺れるおっぱい…
なんて素晴らしい眺めなんだ! ひとりニヤニヤしながらグラウンドの女子を見ていたら、

 " バシッ! "  いきなり教科書で叩かれた! 振り向くとユキだった。
「お前! いきなり何なんだよ?! びっくりしたな、脅かすなよ!」
「何って、マナブが陸上部の女子をいやらしい目で見ていたから、からかいに来たに決まってるじゃん!」

「別に、変な目で見てたわけじゃないぜ。運動部の連中、今日も頑張ってるなぁ〜 そんな感じ…」
「嘘、ウソつけ! 顔がゆるゆるだったぞ!」ユキは後ろから手を伸ばし、俺のほっぺをいきなりつまむ!
「ウッせーな! 俺が、いつどこで何をしようと、どんな顔しようと、お前には関係ねぇーだろ!」
「あるよ」「えー!」…背中に当たる胸のふくらみ… この感触 …

「こうしてマナブの背中に当たっているでしょ。私のおっぱい」と言いながら、ユキは更に俺の背中に
胸を押し付けて来た… おおう・・・おっぱいが、おっぱいが俺の背中に当たる!!

「陸上部の女子のおっぱいを見ていたでしょ」「え、あぁ… はい」「おっぱい好きでしょ」「あ… はい」
「もっとおっぱいを感じたいでしょ」ゴツン! 痛っ!!  ーーー " 目が覚める " ーーー

電車の座席端に座って眠り込んだ為、座席端のポール(握り棒)に頭が当たり目が覚めた!
ーーー ガタンコトン、ガタンコトン轟音が鳴り響く ーーー 変な夢を見た。
......... 俺は久しぶりに旧友たちと飲んだ帰りだった。

無茶な飲み方をしたせいか、睡魔に襲われコクリコクリと舟をこいでいたのだった...
......こんな夢を見たのも、旧友達とこんな会話からだった...

「お前、ユキちゃんのおっぱいに転がったんだって(笑)」ワハハハ あははははとみんなが笑う…
「まったく、おっぱいってのは罪づくりなもんだ。おっぱいに惑わされ、ハメたつもりが、ハメられて、
ガキが出来たら、カアチャンというなんていう違う生き物になって、男の稼ぎを全部持っていっちまう(笑)」
おっぱいは、実は人類史上最強の生物兵器じゃないかと・・・」ワハハハハハハ・・・ 
0128ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/11(月) 20:04:57.24ID:3cYLGYCw
スターグループなら全国に系列店があるから安心
0129ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/12(火) 15:50:52.22ID:RK+Tyt4N
「フォーチュン・クッキー」

頭が痛くて痛くて、明るいうちから
布団に入って朦朧としていた...
4歳の娘、完全放置。

ご飯も買って来た納豆巻きをテーブルに置いただけ。
「ママね、おくちあけてね! いっこだけでもね。たべたらね、げんきになるんだよー」と
言いながら、ちょっとお醤油をつけた納豆巻きを私の口に入れて言った娘。

ちゃんと歯を磨いて、パジャマに着替えて、居間の電気を消してから、
「よーし、めぐもいっしょにねてあげるからね!」と潜り込んできた娘。

「なっとうまき、まだのこしてあるからね。あとでおきたら、きっと、
おなかすいているから、たべるんだよ!」と言って眠りにつく娘。

夜中、少しは良くなって回復してきたので起きたら、テーブルの上に納豆巻きがない。
あちこち探してみたら・・・
冷蔵庫の野菜室の中に、輪ゴムでぷきっちょに封をした納豆巻きのパックがあった。

大型冷蔵庫に最近買い替えたばかりで、普通の冷凍室には、手が届かなくなったから、
何処に仕舞ったらいいか娘が一生懸命考えている様子を想像したら・・・ちょっと、ウルっときた。

今朝、目覚めて最初に「ママ、もう、あたまいたくないの?」
「もう、大丈夫よ!」「わぁあ、よかった! げんきになって!」

「ママ、ママ、こんなのでてきた! これなんて、かいてあるの?」と娘。
昨日、娘と行ったディズニーランドで買って来たフォーチュン・クッキー。

そんなクッキーを最初に開けて食べた甘菓子から出て来た紙を持ってきた娘。

-「これ!」- と娘が持ってきた紙を見ると、
      ーーー { Happiness brings by your daughter } ーーー
0130ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/12(火) 16:04:08.36ID:RK+Tyt4N
>>129
6行目「私の口に入れて居間の方へ走っていった娘。」に訂正
0131ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/13(水) 15:44:53.61ID:uTgerIF0
「木曜の夜」

その人の顔を見れば、良く知っているはずなのに...一体、誰だったのか、
まるで思い出せない...。

休日なので、私は化粧もほとんどしないまま、ラフな格好で近所のスーパーに
買い物に来ていた。誰だったか、誰なのか… 思い出せないまま・・・
色々考えたが、中々思い当たる人はいなかった。それでも、何とか思い出そうと

考え込んでいたら「まみ! ちょっと前見て!」とレジの列が進んでいるのを注意された。
今日は、仲の良い友人とスーパーに買い物に付き合っていたのだった。
私が気になっていたその人は、隣のレジに並んでいた。

「どうしたの? 誰か知っている人でも居たの?」
私がその若い男性を、ジッと見ていたことに、気づいた仲の良い友人めぐが聞いてきた。
「ううん、何でもないわ。ちょっとね」私はなんだか、照れ臭くなって慌てて首を振った。

…それにしても、一体、誰だっけ? もしかして、知り合いに似ているだけで、
実は別人なのだろうか… あるいは、どこか芸能人に似ていて、それで知っているような
気がするだけなのかもしれない… それとも、本当にテレビに出ているタレントだったりして…

だけど、そんな感じでもないな… 絶対に知っている人だ! どこかで、会ったことがあるのは確か。
それがどこなのか、全く思い出すことが出来ない… 私はめぐに気づかれてしまうのが恥ずかしくて
あまりじろじろと見つめる訳にもいかなくなった。今度は横目を使って、こっそりと確かめる。

買った商品を、レジ袋に入れながらも考え続けていたら、卵のパックを一番下に入れそうになって、
又、めぐから注意されてしまった。結局、店を出るまでに、それが誰だったのか思い出すことは出来なかった。
それに向こうは、私のことなど、まるで気にもしていないようだった。知り合いだと思ったんだけど、

やっぱり、気のせいなのかな… 「ハンサムな人だったね。まみは、ああいう人がタイプなんだぁ〜」と
いきなりめぐから言わて、私は " ドキッ " とした! 私の視線と態度でめぐは気づいていたのだった。

冷やかすように、そう言われると、そんなつもりは全然なかったのに、私は自分でも、
耳まで赤くなっているのが分かった。「何言ってんのよ。そんなわけないでしょ!」

「ああぁ、卵が割れちゃう… ごめんごめん、冗談よ!」照れ隠しに私が、
買い物袋を乱暴に振り回すと、めぐは慌てて謝ったが、その声は何処か楽し気に聞こえる。

- 仕事帰りの駅のプラットフォーム - プラットフォームの時計を見上げると、夜11時だった。
木曜の夜11時半、  " 突然、私の脳裏に浮かんだ!"  そうだったか、あの人だった!

昨日のスーパーで見かけて気になっていたひと。引っかかっていた疑問が、突然解けると、
実にスッキリした気分になった。いつも仕事帰りのスーツ姿しか見たことがなかった。
あんなラフな格好の姿が記憶と結びつかなかったのだった...。

分かってしまえば、本当にあっけない。あれは… いつだったか、木曜の夜11時半、
駅のプラットフォームのベンチに腰掛けていた私に、声をかけてくれて、一度だけ
お話した人だった。すっかり忘れていた。顔もうろ覚え。でも、会話してて、
その時は、楽しかったし息の合う人だった。でも、それっきりだった。

偶然、たった一度しか、会ってお話しか、したことなかった彼...
......何故か、不思議と、心に引っ掛かり気になっていたひと。
0132ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/13(水) 15:57:43.87ID:uTgerIF0
>>131
下から11行目「夜11時半だった。」に訂正
0133ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/15(金) 11:42:44.86ID:FzfVrjPx
「熱病」

私は昼休みによく屋上でお昼にする。ここはほとんど誰も来ない。
いわゆる穴場スポットと言うやつだ。ただ一人を省いては...「やっぱり居た!」
私が屋上のドアを開けると、前髪がうっとうしい男の子がこっちを向く。

私は彼のもとへ歩いていく。「よう!太田!! 元気か!」
彼の名前を呼びながら、私は彼の横に腰を掛ける「ここで飯食っていいか?」
私はパンを右手に、そう聞くと、彼は無言のまま頷く。

私は「ありがとうよ!」と許可を貰うと、パンの封を開けて口へと運ぶ。
私がパンを食べていると、彼は弁当箱を取り出して蓋を開ける。

私は彼の弁当箱の中身を " 覗き込む! " 
そこには栄養バランスを考えた中身が綺麗に並べられていた。
私は「いつもながら、本当に愛情こもった弁当だよな」と彼に話しかけるが、
彼は返事もなく、お弁当を食べ始める。

「それ、太田のお母さんが作っているのか?」と私は彼の顔に近づけて話しかける。
彼は首を横に振る。「まさか、太田?! お前が作っているんか?!」
彼は無言のまま頷く。!!「すげーな! お前! 私なんか、卵焼きも、ろくに出来ねーのによ!」
私の話を聞いてか、彼の口元が少し緩んだ気がした。

これを機にと、私は恐る恐る口を開く「なあ、ちょっと、ちよっとだけ、貰ってもいいか?
ちょっと待って! 私! 箸、持ってないわ!!」私のその言葉に、彼は手を止める。
暫くして、彼は箸を自分の口に持っていこうとすると、私は、とっさに彼の手を掴む!

「太田! その、ごめん!」と私は我慢できずに、彼が持っている箸に向かって、自分の口を
持っていき、そのまま食べた!「う、うっま! … ご、こめんな?」…
 … 私は自分の顔が赤くなっているのに気づき、目を背ける …

...暫く無言が続く... 私は立ち上がって「なんか、ほんとごめんな。でも、美味しかったよ。アリガト」
「あ、あの...別にイヤとかじゃなかったから。その...」と彼が言葉に詰まった時、一瞬、
不意に風が吹き、前髪が顔にかかり、うっとうしい。

私は「うん、やっぱりお前、髪切った方がいいよ!」と彼が髪を整える姿に笑いながら
「また明日な!」と一言だけ残して私は屋上を後に教室に帰っていく。
ー 何か、不思議と彼にドキドキする自分がいた ーーーーーーーーー
0134ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/15(金) 11:57:39.44ID:FzfVrjPx
>>133
初めに
「私は上が厳しい兄で、下がやんちゃな弟の男兄弟二人に挟まれて育った為、
幼い頃から、おてんばな男勝りな性格になった。」追加
0135ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/15(金) 12:09:42.87ID:FzfVrjPx
>>133
下から8行目「… ご、ごめんな!」… に訂正
0136ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/16(土) 10:45:42.69ID:JN3AlxnM
「風の笛」

私は継母。一緒に住むようになって一年が過ぎました...
息子は、なかなかお母さんと言ってくれない。

つい最近、あなたはお母さんではないからねと息子から突き付けられることになる。
家族で夕食を食べている時、不意に息子が「お母さんはさ…」と亡くなったお母さんの
話をしだした。亡くなったお母さんの話をしてほしくないと全く思っていなかったので、

私は構わなかったけど、夫が焦って、食事の後で「ごめんね。まだ子供の言う事だから
気にしないでくれ」と言って謝ってくれた。

...何気なく結婚して間もない頃、夫に言われたことを思い出した.........
この結婚に賛成してくれた息子だけど、息子曰はく「俺のお母さんは、俺を産んでくれた
お母さん一人だけだから」と言われたと...... 

「でも、気にしないでくれ、子供の言うことだから... 君なら息子の気持ちを変えられると思っている。
心配していない」と最後には夫が慰めてくれたが.........

確かにそれは凄く当たり前に聞こえたし、私の心は納得したけど、胸の奥に何かが突き刺さっていた...
純粋な分だけ、当たり前だと思えるだけに、突き付けられた変えようのない事実として時々私をざわつかせた。
息子が言ったその言葉を夫から伝え聞いた時は、「うん、それはそうだね」と頷いたけど、
心の中では多分、随分ザワザワしていたんだと思う...

その場では平常心を装っていたが、お風呂に入っていたら涙があふれ出た...
一人になったら泣いていた.........

そんな折、息子が最近、泥まみれで帰ってくることがあった...
「何があったの!?」と尋ねでも、何も答えてくれず、すぐ風呂場に行く。

一緒に帰宅した娘が私に・・・
「お母さん、お兄ちゃんね。いじめっ子に、お前の母ちゃん! まま母なんだろ!
本当の母ちゃんじゃないんだろ!」と五人組のいじめっ子にいじめられていたと...

それで泣きながら、お兄ちゃんは
「お母さんは、お母さんはな、、、お母さんは俺のお母さんだ! 世界一のお母さんだぞ!!
文句あるか! この野郎!!!」と、取っ組み合いの喧嘩をしてきたんだと言う事を知った・・・

 ・・・ 言葉が出ない ・・・ 
「お母さん! ・・・実はね、お兄ちゃんから、口止めされているの・・・お母さんに、言っちゃダメって!」
0137ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/17(日) 10:07:32.61ID:c1ZMnEnS
「たかが愛」

「ありがとう… 光栄だな。関口さんにお酌してもらえるなんて...」
「関西支社に行っても、お体に気をつけて頑張ってください」「ありがとう」

休日を利用してデートしていた。彼は明るく、話もうまく、むしろ私なんか興味を
持たなくとも女性はいくらでも他にいるだろうと思っていた...

家に連れて行き、父に引き合わせたこともあった。父も彼を気に入ってくれた。
多分、結婚してもいいと思ってくれていたと思う...でも、私は...。
「みわさん! 一体、どうしたんだ?! 説明してくれ! 一つだけ聞かせてくれ!
俺のどこが、気に入らなかった?!」…「...ごめんなさい... さようなら...」

… ごめんなさい... これでいいんだ… 私が諦めればいいだけなのだから…
 
ー 帰宅 ー 私「ただいま」父「おかえり」- 私は決して父に悲しげな顔を見せたことは無かった...。
母が出て行ってから、シングルファザーの男で一つで、育ててくれた父が脳梗塞で倒れてから...
後遺症が残りリハビリ中の父を一人には私には出来なかったのだ。彼には、私の父の事を理由にはしたくなかった。
私が我慢すればいいこと。たかが愛じゃないか。悩んだ末、私が決めたことだもの.........

「みわ」「あ、お父さん! 遅くなって、ごめんね! これから作るね」
「前野君、大阪に転勤するそうじゃないか」「え! … お父さん! どうして、そんなこと知ってるの?!
そうか、前野君ね… お父さんの所に言ってくるなんて、男らしくない人だわ」

「みわ… 」「何、お父さん?」「...あの時の、お前の顔、今も忘れないよ」「いつの時の?!」
「お前が、前野君を連れて来て、私に紹介してくれた時の顔だよ」「だ、誰だって、恥ずかしいものよ。
付き合っている男性を親に紹介する時は...」「恥ずかしがっていると言うんじゃなくて、何か、

ほっとした顔をしていた。穏やかで、実にいい顔だった...あんな、お前の顔を見たのは、
あの時以来だったな...」「あの時?!」「私が仕事の都合で早く帰れた時だ。雨が降っていて、
お前は、まだ小学生で雨の中を走って帰る途中だった...そんなお前を傘に入れ、雨宿りした

甘味屋で見せた時の顔だ・・・『美味しいか?』と私が聞いたら、『うん!』とお前が答えた。
その時のお前の嬉しそうな顔...」「...そ、それは、お父さんと久しぶりに散歩したからよ」

 ー「みわ... 彼の傘に入ってみるのも… 悪くないと思うなぁ〜 私のことなど心配しなくていい」
「お父さん! ・・・ うん!」ー たかが愛と諦めかけていただけに...捨ててしまえない… たかが愛
彼も同じ気持ちだったことを父から知る ...涙が止まらなかった...... 
0138ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/17(日) 10:15:17.45ID:c1ZMnEnS
>>137
12行目「父を一人にすることは私には出来ない…」に訂正
0139ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/18(月) 08:27:01.48ID:21JT9kJF
「友情」

「俺、戸塚っていうんだ! よろしくな。まだ17歳か、若いんだな。アハハハ。
この部屋の半分、使っていいからよッ! 遠慮なんかするなよ。一応、俺が先輩だけど、
一緒に働く仲間だから上下関係ナシで行こうぜ! アハハハ」
僕は引っ越しサービスの運送業に就職した。

「おお、着いたよ。それにしても豪邸だね。さてと、一仕事だ! ケンちゃん」「はい!」
「気を付けてくださいよ! この大理石のテーブルは、わざわざイタリアから取り寄せた
ものなのよ。入口も気をつけてね。そのドアは、ノルウェーで作らせたものですから」と奥さんの声。

「ご苦労さん、ご苦労さん」と旦那さんの声に、奥さんが「あなた、この方々にイチイチお礼を
言う事なんかありませんよ。これが、お仕事なんですから、ね! 運送屋さん」「は、はい!」と
言って旦那さんの顔を一瞬見ると、ー " 赤瀬だ!" ー 重いタンスを持ち上げている時だった!

ズルッ!「ケンちゃん! 力を抜くな!!」ギグッ!! ぎゃっ!! 「あ痛ッ! あ痛たたたた…」
「戸塚さん!! すみません!!」「大丈夫、家具に傷つけていないでしょうね。傷つけたら弁償して
もらうわよ!」と奥さん。その後、一応一通り仕事をこなし帰宅した。戸塚さんは、ぎっくり腰で、
病院に入院することになった。

「すいません! 僕が不注意だった為に・・・ 申し訳ありませんでした」「気にするなって、
大丈夫、これくらいなんでもないって。それに俺、四十半ばだし、今までの無理が祟っているのよ。
でも、どうしたわけ? ケンちゃん、あそこのオヤジ見て急に驚いて力が抜けちゃったみたいだったけど…」

「え、ええ」「知っているのか?!」「知っていると言うより、忘れようとしても、忘れられない男です。
あいつの為に、姉ちゃんは死んじゃったもんだし、僕だって故郷も出ることなかったんです。
ちょうど五年以上も前のことです…」...あの男は突然、僕たちの山小屋にやって来ました...

「酷いもんだ!」と赤瀬。「先生! 問題ありますよね。留蔵じいさんは、別に悪気で子供たちの
面倒見ているわけじゃないんですが…」と同行した役場の助役。「あたりめえだ。オラはただ、
親に捨てられて不憫に思って世話しているだけだ。好きでやっているわけじゃねぇ。
ひでえ、親になると、ここの噂聞いて、入り口に、ほっぽとくのもいるんだ!」と留蔵じいさん。

「我々役場としても、決して、ほっといたわけではありません! 前々から、何とかせないかんと
思っていましたが、いかんせん予算がない為、こんな状態でして」と助役。
「助役、私が、人肌、脱ぎましょう。この子たちを見た以上、ほっておけません! ただし、
私に任せていただきたい」と赤瀬。「留蔵! おめえからも、お願いしねぇか!」と助役が言う。

「だって、おらぁ、別にっ!」と留蔵じいさん。- 当時、赤瀬金一は売り出し中の教育評論家だった。-
この男が何をしょうとしているのか!?、留蔵じいさんも、僕ら身寄りのない子供達もわからなかった...

留蔵じいさんは山小屋をやり、親に捨てられた子供達の面倒を見てくれていた。ある意味では、
自分たちを捨てた親以上に、家族として自然に生活していたのかもしれない。赤瀬は、月に、二、三度、
知らない人たちを連れて来ては、僕たちに一切関わらずに帰っていくだけだった...。

それがテレビ局の人達で、全国放送されていたのだった。赤瀬はTVの前で「社会の矛盾、教育の矛盾が、
この子たちにも表れていると言う事です! 綺麗ごとや卓上の空論ではなく、私のように自らも、
身を汚さなければ、教育なんか出来るものではありません! この子たちは、私の生きた教育論に

則って生活しています。見てください! みんな、いい表情をしているでしよう! 私は、
この子供達の生き生きした顔を見るだけで満足なんです!! 私財を投げうってやっていることに
一度たりとも悔やんだことなどないのです。私はね、こういうものを全国に作りたい! 

教育を通した愛と[友情]の輪をどんどん広げていきたいと思っているんです」と赤瀬はTVで、
さも全て自分がして来た手柄のように言っていたんです。そして僕たちを紹介したTVを通して
全国から集まった寄付などの善意のお金を着服していたらしいんです。三年前、留蔵じいさんが
亡くなる前に僕たち子どもたちの前で言ったことがあるんです。

「あの男からは一文も、貰っちゃいねぇ。あいつに、会っても絶対に頭なんか下げるこたぁねぇ。
愛も[友情]も形じゃねぇ・・・カタチじゃねぇべぇ」って.........
0140ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/18(月) 20:07:17.21ID:21JT9kJF
>>139
下から3行目「僕ら、子供達の前で言ったことがあるんです。」に訂正
0141ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/19(火) 10:24:36.67ID:I1SRcJF2
「成人時代」前編

あの時、俺は出勤中の電車の中にいた。今日は女房が家から出て行く日だった...
朝早くから、スーツケースに衣装を詰め込んでいた...今思えば...

結婚して、六年間...大過なくやってきたつもりだったが・・・
どういう訳か出て行くと言う...分からないと、考えている時だった...

― !!! " ガシャン! " !!! ー 「おい! 何が、起こったんだ!?」
「事故らしいぞ!!!」 ― " 電車内で乗客が騒ぎ出した!! " ―
ー 只今、踏切で事故が発生した模様です。事故の状況が、判明するまで、そのまま、暫くの間、お待ちください ー

- 冗談じゃない! 今朝の会議には、俺の将来がかかっているんだ! -
俺は慌てて電車を降り、急いで隣の駅まで行けば、何とかなるんじゃないか… 
電車が折り返して、運転されるはずと思い… とにかく懸命に隣駅まで、走りに走った! …

 …隣駅に着き、急いで駅員に聞くと、「事故の詳しい内容や、架線等への影響も全くつかめていない状況なんです。
折り返し運転までは、多少、時間はかかると思います」と言う。

「冗談じゃない! 今朝は絶対に遅れては、いけない用事があるんだ!」と俺が言うと、
「まもなく武蔵野西線まで、バスによる振り替え輸送を行う予定です。そちらの線を
利用されたらどうですか、」と駅員が言った。なんとか、時間内に会社に滑り込めるか、
一応、電話をしておくべきだな… 今と違って携帯、スマホのない時代だった...

 振り替え輸送のバスに並んでいた俺は「すみません! 電話して、すぐに戻りますので、
この場所を取っておいてもらえますか?」とすぐ後ろの女性に言うと「ええ」と女性が答えた。
早速、公衆電話ボックスに駆け込み、会社に電話をしょうとするが、いや、待て! 電話は、

やめた方がいい、会議は定刻より多分、遅れると思う… 多少の遅刻ならごまかせる。まして今日の
会議で、提出する計画書は重役達にも、かなりインパクトを与えるはず、態々、遅刻するなんて、
電話を入れるのは得策じゃない… と思い直し、「どうもすみませんでした」と

並んでいた列に戻ると、「ずるいことはやめてもらおう!」と割り込んできたと勘違いした年配の
男性から言われた。「いや、違うんです! 私は最初から、この女性の前に並んでいたんです。
場所を取ってもらっていたんです」と言うと、その年配の男性は「あんたのことは知らん!

後ろに並びなさい!」と言うので「何とか、言ってくださいよ」と列の場所を頼んだ女性に
言ったら「私は知りません」と言われてしまった。結局、仕方なく列の最後尾に並ぶ羽目になった。

- " 待てよ ! " - もう折り返し運転が始まっているかもと、その場を離れ、また駅の方まで走る… 
…駅に着くと…「只今、運転を見合わせています」の放送が流れていた... 
ちょっと、女房のことが気になり、家に電話をするが、通じない… 一体、俺の何が、不満なんだ!

一生懸命、働いて来たし、同期じゃ、トップを走っている… 郊外とはいえ、四十坪の土地と家を
持ち年収740万だ。俺の歳では悪くはない。いや、サラリーマンの一般の水準より、
稼いでいる方じゃないのか… 
0142ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/19(火) 11:09:46.76ID:I1SRcJF2
「成人世代」後編

もう、時間は9:30になっていた。こりゃマズイ! とにかく会社に電話をしなければ、
「企画開発一課の吉沢です。至急、第二会議室の酒井課長に繋いでください!」
こんなことなら、連絡だけは先にしておくべきだった。

「あ、酒井課長ですか? 吉沢です!」「バカ者!! 君は、今朝の会議の重要性が、
分かっているのか?! 役員の方々も、とっくに着いておる!」「申し訳古材ません!
実は、電車事故がありまして...」「言い訳はいい! どんな状況であろうと、
直ぐに来い!! 私は君みたいな部下を持って情けない。とにかく早く来なさい!」

「・・・」「吉沢君! 聞いているか?!」「…私にも、自尊心はあります。この
十年間、昼夜の区別なく働いて来て、たった一度の踏切事故の為の遅刻で、私を
評価すると言うんですか?! …たった一度のミスの為に、ご自分の評価が下がった
為に、部下を無能呼ばわりするんですか?!」「とにかく、来てから話し合おう。

会社に向かっているんだろう?! 今、どこかね?」「...踏切近くにいます…」
「事故があったと言う踏切か!? とにかく、早く来なさい!!!」「...今日は、
休みます。何か、...馬鹿なことして、無意味に時を、過ごしてみたくなりました…」
と言い残し電話を切った。 ...これで、俺の出世は事実上終わった...

...考えてみれば、くだらない時間の過ごし方さえ、分からない人間になっていた...
自分の出世は、世間並みか… 貯蓄は、平均に達しているか… 家は、持っているか…
まるで、心の貧しさを、比べているような幸せ競争に、取り憑かれてきた全てが…
一番くだらない時間だった.........

「踏切事故で、子供が亡くなったらしいわ」「可哀想にね...」と近くの主婦たちが話をしていた。
踏切事故で亡くなったのは子供なのか... 俺も、2年前に子供を亡くしていた...
近くの花屋に行き、花を選んでいると「どなたかのお見舞いですか?」と聞かれたので、

「今日、踏切で亡くなったお子さんに、せめてもの花でもと思いまして...」
「あの子は、可哀想な子でしてね。両親が共稼ぎでね。 いつも一人で、この辺で三輪車で遊んで
いたんですよ」「そうですか…」 ...事故現場に行き、花を供え、手を合わせる...

そうか、今日という日を体験できたのは、とっても有意義だったんだ...
今日初めて、自分を顧みることが出来た。自分の人生を冷静に考える気持ちを
持つことが出来た......

…電車が通り過ぎ… 遮断機が上がると、 " 目の前には、女房がいた! "
「…ごめんなさい... また、戻って来ちゃった!」…「とにかく、どこかで、夕食でも食うか、」
0143ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/19(火) 11:16:09.51ID:I1SRcJF2
>>142
5行目「申し訳ございません!」に訂正
0144ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/19(火) 11:26:48.11ID:I1SRcJF2
>>141
「成人世代」
タイトル間違い訂正
0145ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/20(水) 13:00:29.57ID:CYbZhml9
「狼になりたい」

不適切発言で常務解任と何かと世間を賑わしている吉野家だが、
僕の吉野家デビューは五つの頃でした...

ある冬の朝、親父と漁港で、未だ暗いうちから釣りをしていた。早朝の五時半ごろだったかな、
海風が強い日だった。キンキンに冷えていた。こりゃー無理だって! 話になって、さっさと
片付けていたら、親父が「ケンボー! 吉野家に行くぞ!」って。僕はキン肉マンでしか、
吉野家を知らなくて、親父が連れて行ってくれるんで、それはもう嬉しかったのを覚えている。

近所に吉野家がないから、港から十五分くらい車を走らせる。ちょうど今の時期、海の向こう側に
少しだけオレンジの明かりが見える頃。結露に滲む朝焼けの空気とその重さ。今思えば、僕が子供の頃の
空気は、もっと密度が濃かった気がする。夜明け前の薄暗くてガラガラの道を親父は車を走らせる…

遠くに煌々と光るオレンジ色の看板が見える… そう、それが吉野家だった。片田舎のロードサイドの
吉野家の明かりは、なんか独特の頼もしさがあった。駐車場に車を止め、親父と連れだって入店。

90年代前半の吉野家の空気感は、今みたいなファミリー感はない。大人の男が、黙々と、ただ食うだけの
場所という感じ… 家族席なんてない! U字型のカウンターで、前に小さい埋め込み型の冷蔵庫。
そこにサラダと御新香が冷えている。椅子も、子供なんか一切想定していない高さ。五歳児の僕では座れなかった。

それで僕は親父に抱き抱えられて席に着いた。ちょうど、向かいの席では、近所の漁師さん二人組が、
一仕事を終えて、牛皿とビールを飲んでいた。もう、それは大人の世界そのものだった...

目が合うと、一瞬、" ギロッ " と睨まれたような記憶がある。今思えば、あの時間に幼い子供が来るのが
珍しかっただけだと思う… 子供ながらに " 緊張 " しながら座っていると、親父が「ケンボーは、何にする?」て、
聞いてくる。メニューなんか知らない… で、困った顔して、確か分からないみたいなことを親父に伝えたと思う… 

すると親父が店員にこう伝えた「ギュウドンツユダクダクタマゴトオシンコ、アト、ギュウシャケゴハンダイ」
店員は目の前の冷蔵庫からお新香を取り出して、僕の前に置いた。僕は牛丼を食べる前に、これを食べないと
駄目なのかな?と思ったのを覚えている。僕の目の前に牛丼と卵が! 親父の前に牛鮭定食が差し出された。

どう食えばいいのか、迷っていたら、親父が「一番、旨い食い方を教えてやる!」と言って卵を溶き始めた。
「ほら、一口食って、卵入れる穴を作れ」そう言われて、一口食って " たまげた! " こんなにも旨いもんある?! " 
ってくらいの旨さ! 痺れるくらいの " 旨さを感じた! " すると、親父が「ほれほれ、スペース、スペース」って
言いながら、卵の穴を掘ってくれて、その穴に卵を流し込んでくれた。温かいご飯とつゆの茶色のコントラストが美しい…

黄金色の溶き卵が注ぎ込まれる。「よし、混ぜろ!」って煽る!親父。それでガシガシとかき混ぜた! 
それにお新香を入れてさらに混ぜて口に放り込んだ! ふわっふわっになったつゆだくの卵ごはん!
甘っ辛くて炊かれた牛の旨さと玉ねぎのコク。そして、お新香のさっぱり感が混然一体となった!
旨すぎて無我夢中に食べた! 五歳児なのにペロッとあっという間に一人前を平らげた!!

すると、ふと、親父のものが気になった!「何で、この人は、牛丼屋で鮭を食べているんだ?」と
それで親父に「何で、父さんは、その定食なの?」って、親父は「大人は、これが旨いのさ」と。
そんなもんかーと幼い僕は納得していた時だった.........

 - 向かいの席のオヤジが「ビールはまだかーーーーーーーーー?!」 -
0146ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/21(木) 08:01:56.85ID:t260CkT7
>>145
13行目「U字型のカウンターの内側に小さい埋め込み型の冷蔵庫。」に訂正
0147ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/21(木) 12:10:36.31ID:t260CkT7
「朝焼け」

昨夜から、海の近くのシーサイドホテルに泊まっていた。
私は、繰り返す波の音が気になり… 中々眠りに着けなかった...

普段は、心地よい波の音でも... 今の私には、何故か眠れなかった...

夜が明ける前に、雨で曇った大きな窓ガラスの外を見ると、なんか寒そうだった...
―――――― 一人歩いて海を見に行けば、たどり着く前に凍りそう ――――――

地上で、餌をとっていたカモメたちの何羽かが空に舞い上がり、
小さな群れとなって、グルグルと飛び回っている。そんなグルグルの輪を
描いて飛んでいるカモメたちが、地上にいる仲間たちの上を
かすめるように飛んでいる……

そんな見渡す限りの水平線が、広がるオーシャンビューの部屋から
向こう側に見える赤紫色の雲… 赤く染まった雨上がりの霧の……
朝焼けの海を眺めていた......

あの人は... 今頃は... 例の人と二人......
心も荒んで もう、あの人など 不幸せになれと思う自分がいる。
...昔、読んだ本の中に... こんな日を見かけた...

私はソファに腰掛けた。正面の大きな窓から、真っすぐに陽が射してきて、
久しぶりに浴びる、早朝の光は傷心の身体中に染みてくるようだった...
0148ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/22(金) 10:52:11.04ID:Wp9luPIF
「踊り明かそう」

昭和○○年...
今日は東京へ旅立つ日。俺はホームに立ち、列車が来るのを待っていた...
荷物は既に送ってあるから、背中に背負ったリュックだけ。中々気分が晴れない。
何故なら、隣に見送りにやって来たマミがいて暗い表情をしていたからだった...

しかも今日は顔を合わせた時からずっと、何も喋らず雰囲気も暗い。いつもなら、
太陽みたく明るくて、バカみたいに大声張り上げて冗談でも言ってくるのに...

なんか調子が狂う。ハジメ兄ちゃんがいれば、空気は変わるんだろうけど、軽トラで
僕たちを駅まで送ったら、さっさと帰っちまった。

気を遣って二人きりにしてくれたんだろうけど、俺としては居心地が悪くて
「マミ、退屈なら家に帰っていいんだぞ!? ここまで見送りに来てくれてありがとうな」
「・・・」… やっぱり反応がない … 口を固く閉じたまま。視線を地面に向けたまま。

離れて暮らすことになって、寂しいのは分かる。やがて遠くから列車の音が聞こえて来た。
それはあっという間に、大きくなってホームに到着する。「じゃ、俺は行くからな! これでサヨナラだ」
俺が列車に歩み寄ろうとした " 瞬間 " 、俺は背中から抱きつかれて、前に進めなくなった!

温かさと柔らかな感触、…そして小刻みな震え… 手には強い力が入っていて、引き離すことが
出来ない!「行っちゃー やだぁああああぁーーっ!! 行かないでよおぉぉぉお!!!」
後ろから、泣き叫ぶマミの声が聞こえて来た! まるで子供みたいに激しく泣いてしがみ付く!

当然、列車の運転手さんは " 目を白黒 " させながら、こちらを見ている!
「バ、バカっ! 恥ずかしいことするなよ! 早く手を放せ! 列車に乗れないって!」
「なんで、東京になんて行くんだよぉっ! ハジメ兄ちゃん見たく役場に勤めなよ!」

その間にも、列車の運転手さんはこっちを見て、ドアを閉めるのを待ってくれている。
「俺の将来の選択幅を広げる為にな! じゃあな! 列車の運転手さんが困っているだろ!」と

俺はマミの手を振りほどいた。マミは俺の頭を小突いたり身体を叩く! そして俺は運転手さんに
手を振り合図を送る… すると、運転手さんは小さく頷き、ドアを閉め切って運転席へ…

 ー 直後に、甲高い汽笛を鳴らし、程なく、列車は駅から発車して行った ――――――
0149ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/22(金) 15:06:30.63ID:Wp9luPIF
>>148
下から6行目「ハジメ兄ちゃんみたく役場に勤めなよ!」に訂正
0150ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/23(土) 08:47:31.50ID:u67MXuvr
「今日以来」

僕の小学校は、有名私立校なんだ。みんなお金持ちの子で、
みんな頭のいい奴ばかりで、車で送迎してもらう子もたくさんいる。
でも、僕は学校が終わると、いつも全力疾走で、家まで帰る…

僕の家は母子家庭で、きっとクラスの中で一番貧しくて...
だから、僕の家が友達にバレるのが、恥ずかしかったのだ。

「ただいま!」「お帰り」黙って喫茶店の中を通り過ぎる…
「正一! お客さんに挨拶くらいしたら?!」「いいんだよ、ママ」
この人は常連客の一人で売れない漫画家の吉岡さん。

「本当に、愛想のない子でしょ」「アハハハハハ」と笑っているのが、
これまた売れない作家の外崎さん。この二人がいつもの常連客。
…常々退屈でつまらない男だと母さんは言っていた。人生に失敗した大人たちだと言っていた…

…夜、僕が寝たのを見計らって 母さんは出て行った… とうとうその夜、母さんは帰ってこなかった...
朝学校に行くと、授業が始まる前に、担任の先生から職員室に呼ばれた! 警察の人が来ていて、
「お母さんから連絡あったら教えてほしい」と言う事だった。刑事さんが「君のお母さんは、
何もしていない。一緒にいる男に騙されているだけなんだ! その男は、会社の金を盗んで逃亡しているんだ」

... ショックだった ... 母さんも、人生に失敗した大人の一人なんだ! ...
授業が終わり、その日の僕は、一目散に走って帰った。走りながら、心の中で… もう、家に帰っても誰もいない…
お店も開いていないんだ...母さんは、僕のこと、なんとも思ってはいなかったんだ.........

 - あれ?! -  …誰もいないはずなのに?… 店に[営業中]の看板がかかっていた...
「お帰り!」- なんと!、そこには母さんと、いつもの常連客の吉岡さんと外崎さんが居た!

話によると、会社の金を横領した男は捕まったらしい。母さんは、その男と逃げるつもりだったが、
僕のことが、どうしても気にかかり引き返したと言う… 思いとどまったと言うのだ!
 … 母さんは、その男が会社の金を横領したことは知らなかったらしい … 

こうやって、常連客と自分の失敗談を話しているお母さんを見るのは初めてだった...
僕のお母さんは、見栄や体裁を繕うのが好きで、お金がないのに、無理して僕を今の有名私立校に入れたのだ。

亡くなった父さんは酒好きで、いつも陽気でチャランポランな性格… 僕はそんな父さんが大好きだった...
そんな父さんがある日、交通事故で亡くなった。葬儀が終わり、僕と母さんの二人きりになった時、
遺影に向かって母さんは、「酔っぱらって、ひき逃げされるなんて最低ですよ! おまけに掛けていた保険を

勝手に解約して小遣いに充てていたなんて、呆れてものが言えません! あなたみたいな人を世間では、
人生の落後者と言うんです」と泣きながら語っていた... そんな母さんが、今、失敗ばかりの人生を、
笑いながら語っている...... そんな母さんが、僕は、ちょっとだけ好きになった...
0151ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/24(日) 08:56:35.31ID:QRnESdPH
「伝説」

「今日の試合のヒーロー! 柴崎選手です。試合を決めたサヨナラホームラン
凄かったですね。今日は母の日。良いプレゼントになりましたね」

「はい! ありがとうございます。いい場面で打てて、結果が残せて嬉しいです。
これからも、しっかりコンディションを整えて良い結果を残して、チームの為に優勝争い
していけるよう頑張りたいと思います!」「今日のヒーロー! 柴崎選手でした」

ヒーローインタビューの壇上から降りた俺は、今日が母の日であることをすっかり忘れていた。
――― 幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに俺を女手一つで育ててくれた。俺は、
比較的遅い時期に生まれた子供だった。これといった学がなかった母は個人商店の手伝いみたいな
仕事で生計を立てていた。それでも当時住んでいた土地は、まだ、人情が残っていたので、
何とか母子二人で質素に暮らしていけた。

娯楽をする余裕なんてなく、日曜日には、クリームパンとコーラをよく買ってくれた。それが楽しみだった。
ある日、母が務め先からプロ野球のチケットを二枚貰って来た。俺は生まれて初めてのプロ野球観戦に興奮し、
その日が来るのがウキウキ待ち遠しく、その日の前日は、なかなか眠れなかった。その日の母はいつもより
少しだけ豪華な弁当を作ってくれて、普段、着なれないハレの日の装いで決めて家を出た。

野球場に着き、チケットを見せて入ろうといると、係員に止められた。母が貰ったのは招待券ではなく、
優待券だった。チケット売り場で一人1000円ずつ払ってチケットを購入しなければならないと言われ、
帰りの電車賃くらいしか、持っていなかった僕らは、外のベンチで弁当を食べて帰ることになった。

電車の中で無言の母に「楽しかったよ!」と言ったら、母は「母ちゃん馬鹿でごめんね。母ちゃん、お前に、
何もしてやれなくて... 本当にごめんね」と言って涙をこぼした。俺は、母に辛い思いをさせた貧乏と無学が、
とことん嫌になって、好きな野球をしながら一生懸命勉強した。新聞奨学生として大学まで進み、いっぱしの
社会人になった。それまでなかなか結果を出せなかった野球が、社会人野球で開花し、それまでの努力が

実を結び、やっと能力が評価され、ドラフト6位でプロの世界に入った。これから母に楽させられると思った。
その翌年に母は亡くなった。働きづめの過労死なのか、死因、脳内出血。あまりにもあっけなく、あまりにも短く、
幸せの少ない女の生涯だった.........

今日、プロに入って6度目のヒーローインタビューを受けた。そんな俺にとっての伝説のヒロインはあなたです!
俺を、この厳しい世界で生きていける一人前の人間に育ててくれた母。あなたが、俺にとっての伝説のヒロイン。
何度も、心の中で... ありがとう...... と言っていた.........
0152ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/25(月) 07:54:33.93ID:6pvyNyEj
「糸」

私は、小さい頃からよく祖父の家に泊まりに行っていました。
本当に優しくて、みんなから頼りにされていて、絶対に辛いとか
愚痴ひとつ言わない人でした。

そんな大好きな爺ちゃんが亡くなった...祖父の病名は肝臓癌。
医師から余命あとわずかであること.........

そのことは、私の親夫婦と叔父夫婦だけに告げられていました。
私達孫と爺ちゃん本人とばあちゃんは何も知らず、3年間は今まで通りの生活をしていたのでした。
しかし、段々と病気が進行し、入退院を繰り返すようになっていました......

検査入院だと、本人や周りに嘘をついていた叔父夫婦や親夫婦は、とても辛かったと思います。
爺ちゃんは、お見舞いに行くたびに決まって「いつ帰れるんだ」と聞いてくるので、

「爺ちゃん、元気になったら、又、みんなで楽しく暮らそうね」と爺ちゃんを見舞った際の
合言葉のようにみんなで励ますように言っていました......

お腹が妊婦さんのように膨れ上がり、ご飯が食べれなく息が苦しそうで寝てるばかりでした。
それでも本人は辛いはずなのに明るく笑っていました。そしてそれが最後の入院になりました。
一週間後、爺ちゃんは息を引き取りました.........

そして爺ちゃんの一周忌が過ぎた頃に、父がおばあちゃんに一通の手紙を渡したんです。
おばあちゃんの心の落ち着きを見計らったように・・・ 衰弱し、震える手で書かれた文字は、
書道で師範格であった祖父。そんなお爺ちゃんが書いたとは、とても思えないほど、
弱々しかったのですが、文面から感じられる優しさと慈しみが祖父。爺ちゃんのそれでした・・・

「おばあちゃん元気ですか? 共に過ごした時間は、長いようで短い六十年でしたね・・・。
あなたに会えたこと。そして子供たちを育ててくれたことに感謝します。僕は幸せ者です。
幸せな人生をありがとう。又、会う機会があれば、また一緒に暮らしたいものです」

 ... 爺ちゃんが書いた最初で最後のラブレター ... 
...それを何度も読み返す、おばあちゃんの背中が震えていました ...
0153ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/26(火) 08:26:19.99ID:1QLp/BYf
「リラの花が咲く頃」

春の訪れを感じる一方で、不安定な陽気だった...
晴れになって青空が出ていても、雲が押し寄せて、
雨がぱらついたり・・・ なんて日が多い...ウィーン。

ウィーンも、かなり広い街だから、自分が今居るところが
青空で晴れていても、遠くに見えるカーレンベルグやウィーンの森界隈の
上空には暗い雲があって、明らかに、そこは雨が降っていることが
確認できることがよくある。

まだまだ厚手の上着を着て、歩いている人を多く見かける。
日中の温度が、12℃前後である日が多いこの時期...
ウィーンの至る所で見かける春を感じる花。ライラック。
ドイツ語ではフリーダー。フランス語でリラ。
モクセイ科、ハシドイ属の落葉樹。原産はバルカン半島。

そうアンナがコソボにいた頃... 家の庭に今の季節になると毎年咲いていた花。
アンナは2008年にセルビアから一方的に独立を宣言したコソボに13年前まで暮らしていた。

コソボは人口約185万人。旧ユーゴスラヴィア連邦セルビア共和国の自治州だったが、
独立を目指して、1998〜99年にセルビア治安部隊と武力闘争を展開、国土は荒廃した。
独立後も経済は低迷。国民の1割が1日1.2ユーロ(約163円)以下で暮らす貧困状態で
失業率は56%に及んでいた。

当時、夫が死別し、幼い子供と乳児を抱えて途方に暮れていたアンナは一大決心し、
子供たちを養うため幼い子供たちを連れ、国外脱出し、セルビアを経由して違法ルートで
ハンガリーに入国した。その後、移民の目的地であるオーストリアのウィーンに移り住んだ。

今でも、暮らしは楽ではないけれど、コソボにいた頃に比べれば、当時、幼かった子供も、
今では親の手を離れ自活していて、アンナの生活にも少しはゆとりが出来ていた。

――― アンナは、この季節、この花を街中で目にするたび、祖国のことに想いを馳せるのであった...
0154ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/27(水) 08:28:27.52ID:8w64ofz/
「孤独の肖像」

薄暗い部屋。空気は淀んでいる。シーツからは、もう落ちることのない煙草の匂いがした。
俺はベットの上で寝返りをうった。身体が普段の倍以上重く感じる.........。

そろそろストックしてあった食料も底をついてきた。新しい食料を仕入れなければならない。
しかし、俺はなかなか外に出る気になれなかった。俺は机の上の煙草に手を伸ばした。
あれほど、吸わないと自分に誓った煙草。禁煙もそう長くは続かなかった...

今の心境は、これ無しではいられない気分だった。きっと、俺の肺は真っ黒になっているのだろう。
煙草に火を点け、肺いっぱいに煙を吸い込み、ゆっくりと吐き出した.........
.........俺の存在理由って、何だろう?

俺は机から財布を取り出し、財布の中を確認する! 幸い食料と煙草を買う分の金は入っていた。
俺は部屋を出て、アパートから一番近いコンビニへと足を運んだ。

そこで、カップ麺やら、何やらをカゴに放り込んでいく…
そして、それを持ってレジへ向かう。
レジの店員と目を合わせることも無く、カゴを置き、一言。「13番3つ!」
店員は、棚から煙草を3箱持って戻ってくる。俺は無言でパネルを押した。

「あ、あの...」と不意に店員が声をかけてきた。俺は心底、面倒臭そうに顔を上げた。
そこで、目の前に店員と目が合う。若い女の子の店員は、不思議そうな顔を俺に向けて言った!
「正晴君...、だよね?!」と、 ...どこか嬉しそうな声...
俺は、久しぶりに呼ばれた名前に、 " 一瞬、固まった "
しかし、俺は、直ぐに視線を下へと流した…
「人違いです...」

「え、... そ、そうでしたか......。 すみません...」
店員は、か細い声で言った。
...無言のまま... 店員は、バーコードの読み込みを行い、金額を小さな声で言った。
俺は財布から、その金額を取り出した時、慌てたのか無作法に転がしてしまった。
そのまま、ビニール袋を引っ掴むと、足早に店を出ようとした。

「ま、正晴君...」と店員の声に、俺は立ち止った!
「やっぱり! 正晴君だよね...?!」
その不安げな声に、俺は何も言えなかった。
俺は何も言わずに、逃げるようにコンビニを出ようとすると、
「まって! 私よ!! 高校の時、同じクラスだった... 岡崎友理奈」
0155ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/27(水) 08:41:39.53ID:8w64ofz/
>>154
16行目「目の前の店員と目が合う。」に訂正
下から8行目の「そのまま、」の前に
「転がした小銭を拾って、渡した後、」を追加
0156ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/27(水) 08:42:57.51ID:8w64ofz/
>>155
下から8行目ではなく6行目に訂正
0157ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/28(木) 08:05:31.79ID:aeYAOzn7
「悲しみ笑い」

あれは確か、1980年から90年代にかけて日本を沸かせたバブル景気の頃の話だった...
長く付き合っていた彼が亡くなった。バイクに乗っていて車と衝突、即死だった。

私は彼を忘れる為に思い出いっぱい詰まった田舎を後にした。東京に出てからは、
彼を忘れる為に毎晩のようにディスコで踊り狂っていた… 「俺ね、絶対に店長に、
なってみせるよ。そして毎晩あの店を取り仕切るんだ。知っているだろう。
あの店の客筋!?」「すごい人ばかりね! この前も有名人がいっぱいいたもん!」

「そうだろ。見てた! 俺に声かけてくれた人。売れっ子の○○○○だぜ!」「すごい!」
「常連なんだ! 結構俺のこと、可愛がってくれるんだ!」「今、凄く売れてるよね!
この前もTVに出ていたわ!」他人の事なのに、まるで自分たちのことを語るように、
ディスコで働いていた新しい彼。そして私達は付き合い始めた...

この都会で自分を語れば、あまりにも惨めになる。他人の事を自分の事のように錯覚出来る
毎晩の仕組みがここにはあった.........

…そんな日々の中… ある日、田舎から同級生の晴美が悟と一緒に遊びに来た。
三人でディスコに行くことになった。悟「スゲーな! 東京は」私「あ、紹介するわ。
高校の同級生で悟と晴美」彼「俺に声かけなかっただけホメてやるよ」私「!!」
彼「せっかく、ここ一年で築いてきた俺の人間関係、滅茶苦茶にされたら困るじゃん!」

私「ご、ごめんなさい!」悟「よくわからんけど、大袈裟だなぁ〜 あんた!」
彼「分からんでしょうよ! あんたみたいな田舎もんには! ここをどこだと、思ってるわけ、
田舎とは、違うんだぜ! 時間も空間も」悟「要するに、俺が、ここに来たことを
怒っているんですか?」彼「当たり前! ハッキリ言って、あんた! 場違いなわけよ!

ミーコ(私)と一緒じゃなきゃ、とても入店、出来ない人間なんだよ! アンタのその恰好は!」
悟「何をそんなに、怯えているんですか?」彼「怯えているって?! 俺が!? あんたね、
この店のルールというもんがある。知ってる?!」悟「俺は、好きで来たわけじゃない!
こんな虚飾にまみれた子供騙しのカッコつけだけの世界! 一時のブームで終わるよ!必ずね!」

彼「一時のブーム? カッコつけの子供騙しの世界??? あんた! 本気で、そんなこと言っているんか!?
あのな、ここに集まってくる人は、一流の有名人ばかり、誰だって知っている人ばかり、あんたみたいな
田舎丸出しのが居るだけで困るんだよ!店の質が下がるだよ! ここをどこだと思ってんだよ! 
入店チェックの厳しい。かの有名なディスコなんだよ! 本来、あんたは、NGなんだよ!!」

私「私が、無理に誘ったの」彼「どういうつもりなんだ!」と叩かれた!
それを見た悟が「この野郎!!」と彼を殴った! 私「やめて! 喧嘩しないで!!」
店の中で大騒ぎになり、黒服が数人駆け付けて、取り押さえられ店からつまみだされた!

亡くなった彼を忘れようと、遊び歩いた挙句の恋… 別れやすそうな相手を選んで
二度と涙流さないような軽い暮らし続けていくつもりだった...

だって、仕方がないじゃないの… 亡くなったあなたは二度と戻ってこないし…
一人暮らしをするのは辛い… 酒と踊りと歌を覚えて… 暗く輝く街へ出かけた…
そこで覚えた暮らしがいつか生まれながらに思えてくるまで...

田舎での思い出を忘れるつもりだった...あの頃... 今思っても、お笑いだけど…
数人の黒服につまみだされた私達… あの時の私は、惨めさと悲しさで笑うしかなかった...

...だから 笑い続けるだけよ 愛の傷が 癒えるまで 喜びも 悲しみも 忘れ去るまで...
0158ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/28(木) 08:33:34.48ID:aeYAOzn7
>>157
2行目「長く付き合っていた彼に捨てられた... 捨てられたというよりも
逃げられたと言った方がしっくりくるかもしれない......」に訂正
下から8行目「私の前から突然消えた彼を忘れようと、」に訂正
下から6行目「あなたは二度と戻ってこないし…」に訂正
0159ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/28(木) 08:44:12.20ID:aeYAOzn7
>>157
3行目の「私は彼を忘れる為に」の前に
「そして彼を待ち続けたけど、彼は帰ってくることは無かった。」追加
0160ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/28(木) 09:06:37.81ID:aeYAOzn7
>>157
下から2行目「数人の黒服につまみだされた私達… あの時の私は、」を消去
「色んなことがあった私の人生...惨めさと悲しさで笑うしかなかった...」に訂正
0161ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/28(木) 09:17:54.99ID:aeYAOzn7
>>160
「惨めさと悲しさ、色んなことがあった私の人生...笑うしかなかった...」
このように、言葉を並べ代えると又、意味合いが違った来るね。
辛く苦しい時や悲しい時ほど笑った方がいいね! 心が癒されるからね。
0162ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/28(木) 13:51:34.80ID:aeYAOzn7
>>157
下から13行目「店の質が下がるんだよ!」に訂正
0163ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/29(金) 08:45:59.77ID:DIu5l13Q
「野ウサギのように」

ここは路地にひっそり佇む個室付きの居酒屋。
「ごっめ〜 ん… 時間に遅れちゃって・・・」

「いいよ、いいよ。私も今来た、みたいなもんだし… ほら、閉めて閉めて」とハルミ。
「あ〜ありがと…っ、はぁ〜 落ち着くぅ―」

「何、その頭?!」とハルミ。「オカシイ!? 変?」
「変わったね! 何よそれ! ワハハハハ」と大声で笑う自信家のハルミ。

「そんなに変?」「やめなさいよハルミ! 冗談よ、別に気にしなくていいわ」と
アケミが慰めてくれる。アケミは続けて「ハルミはすぐユリをからかって面白がるんだから。
それにしても、どうしたの? その銀髪。何か、心境の変化?」「可笑しい?」
「可笑しくはないけど、どうして銀髪にする気になったの?」とアケミ。

「彼に言われて・・・」「また、あの男! あいつの言いなりになってない?!」とハルミ。

ハルミが続けざまに「あいつの都合のいい女になってない?! 信じられるのは彼だけの、
あいつに依存していない? それはね、自分に自信がないからよ。男にとって都合のいい女で
終わらない為には、たまには、わがまま言った方がいいわよ。恋愛依存症になりすぎてもダメなのよ!」

「やめなさいよ、ハルミ!」とアケミが遮る。

「アケミ、いいの。ハルミの言う通りよ。私、彼の都合のいい女になってた。
彼なしでは生きていけない。彼と離れるなんて考えられない。信じられるのは彼だけの...
そう、あいつに依存していた。彼の好みに合わせて、ファッションや髪型を変えてみたり、
無意識にスマホで彼のアカウントを追ってた...

あいつに捨てられたくないから恋愛依存症になっていた... ハルミの言う通り。
確かに、恋人が変わるたび...恋人が「これ似合うと思うよ!」と言った次の日からファッションチェンジ!
毎回、ファッションやメイク、髪型をガラリと変えていた」
0164ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/30(土) 06:42:49.30ID:ml5VScWm
「泣いてもいいんだよ」

先日、予期せぬ人の涙を目撃した...
最も涙とは、無縁の人と思っていたので、強く心を揺さぶられた...。

男が公衆の面前で泣く事についてちょっと考えてみた。
そういえば、生まれてこの方、いわゆる公衆の面前で泣いたことは無いような感じがする。

誰かの前で、泣いたこともあったような記憶が、ぼんやりとあるのか、ないのか、それは、
既に霧の中で… はっきりと思い出せない... それは多分、かなり幼い頃のことなのだろう...
「男たるもの女々しく泣くな! 人前で泣くな! みっともない」と親父から幼い頃...
泣いてばかりいた俺に向かって聞かされた言葉だった.........

そんな俺も母が亡くなった時は泣いた... 自然と涙が零れ落ちた......

亡くなる一週間前、俺は結婚後、初めて子供、妻を連れて帰郷し
病院に入院している母の看病に行っていた。

その頃、既に母は食べ物を食べては吐き、一日に口に出来るものは、
スプーン一杯のアイスクリームだけだった...

夜七時、夕食が運ばれてきた。母はそれに気づかず、辛そうに眠っていた...
そして午後八時になって、食器を片付ける音が聞こえて来たので、俺は母をそっと起こし
少しでもいいから食べて寝るように勧めた。

母は、ゆっくり起き上がると、茶碗を手に持って目をギュッとつむって、おかゆをかきこみはじめた。
俺が「そんなに急いで食べたら、また、吐いちゃうから、ゆっくり食べなよ」と言うと、
母は「だって、自分が早く食べて、学を家に帰してやらなきゃあ、家で待っている美枝子や孫が、可哀想だ」

...そんなこと言っていた母が、それから一週間後の今日、
 僕ら兄妹や僕の家族(妻・子供)みんなが見守る中で息を引き取った.........

男だって、人前で泣いてもいいじゃないかと思う... 
 ...そうさ、
       男だって、人前で... 泣いてもいいんだよ...
0165ジョン・スミス
垢版 |
2022/04/30(土) 06:47:23.72ID:ml5VScWm
>>161
意味合いが違ってくるね。
0166ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/01(日) 07:37:45.71ID:lcsFanEP
「ひとりぼっちで踊らせて」

あれはバブル景気真っ只中の1992年。ジュリアナ東京が芝浦に開業し2年目の頃だった...
街のを歩く人々が白い息を吐き始めた11月の夜。俺はいつものように三人の仲間と煙草を
ふかしながら歩いていた。「なあ、俺達いつも安いディスコばっか行ってるだろ…
実はさ、この近くに洒落た店が出来たんだぜ! 値踏みがてら覗きに行こうぜ!」

ノボルが周囲に聞こえるくらいの大きな声で遊び場の提案を始めた。
「お、いいな。たまには、冒険してみないとな!」
ノボルの提案に俺達は、ほとんど反射的に頷いていた! 俺はノボルとタケル、ミツルが、意気揚々と談笑して
いる少し後ろに立ち、銜え煙草で三人の会話を聞いていた。
俺たちは、こうして毎晩のように欲望と悲哀にまみれた夜の街を歩き続けていた...

10分ほど歩くと、周囲の地味な店に対して、一段と際立った円形の大きな建物が見えて来た。
「あれだよ、あれな、 スゲーだろ! あの外観!! 如何にもって感じだな。 いい女もきっとたくさんいるぜ!」
この頃の俺達は気の利いた酒と女に夢中だった。ネオンサインに彩られた豪華絢爛な外観が、
接近するにつれ、ホール内から漏れてダンスミュージックの激しいユーロビートが聴こえてくた。

随分な音量で流すもんだなぁ〜と少し驚いた! 入口付近にいる2名の男が、近づく俺達を品定めするような
目線で見て来た。俺達はいつも夜の街に出かける時は、きちんと着飾ることにしていた。
無事、ドレスコートとボディチェックの様なものが済んだ。「随分と厳重なんだなぁ〜、値段高そうだけど、
大丈夫かな…」ミツルの独り言の様な言葉を俺以外の連中は誰も聞いちゃいなかった。

ノボルとタケル湧き出る好奇心を抑えられず、子供のように駆け出して行った。そして、ホールへと続く大きな
扉を勢いよく開けた! 扉の向こうに現れた空間は、日常のしみったれた生活空間とは、全く異なった様相をしていた!
「へへっ、お前ら、ダンスホールなんて来た事ないだろう?! 主に目当ての女と踊る事なんだよ!
まあ、適当に、いい女見つけて、楽しくやろうぜ!!」「こんなとこ...スゲー高いんじゃないのか!?」

いつも行く満員電車さながらのディスコとは違い、人の数はそれほど多くはなかったが、今まで
見て来たどの空間よりも広く大きかった。それでも数百人はいた。せわしなく周囲を照らす
ミラーボールもなければ、天井や床がリズムに合わせて光りだすわけでもなかった。
清潔感に満ちた紳士淑女達がヒューマントラックのリズムに合わせて控えめに踊っていた。

こういう落ち着いた場所も、悪くはないと俺は素直に思っていた。俺は、暫くホールの隅に立ち尽くし、
一番安い酒を注文して、喉を潤しながら周囲を観察していた。カップルが踊る中、
    ふと、10メートルほど先で、ひとりで踊る女性に目が留まった!
    ー 赤いドレスと肩まで伸びた髪がふわふわと揺れていた ー
0167ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/01(日) 07:47:03.98ID:lcsFanEP
>>166
2行目「街を歩く・・・」に訂正
13行目「ユーロビートが聴こえて来た。」に訂正
下から12行目「ノボルとタケルは・・・」に訂正
0168ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/02(月) 07:15:29.87ID:aZ9w22kF
「夜の色」

あれは1995年の頃...私は...
ドイツ北部の大都市ハンブルグ、その中央駅からユーロシティに乗り込んでいた。

行先はデンマークのコペンハーゲン。正面が真っ黒のちょっと異様な姿の車輛で北欧への旅が始まる。
 …まずは、美しい街並みの旧市街が、世界遺産に登録されているリューベックに到着。
 ……… 車窓からも天に向かって聳える教会の尖塔の数々が眺められる ………

北の荒涼とした大地を列車は坦々と進み、優美なフェーマルン橋で海を越えて島へ渡る。
その突端のプットガルテンでドイツの旅は終わり列車はそのままフェリーに乗り込んでいく。

列車ごとフェリーに乗り込む。船旅はおよそ1時間。多くの乗客は、列車から降りて船内で食事をしたり、
デッキから、バルト海を眺めたりして過ごす。公海上でもあるので免税店で、買い物をする人も多い。
私は船内で軽い食事をした後、デッキからカモメが飛び交うバルト海を眺めていた......

 ...ふと、そんな時、脳裏に浮かんだ......
        ...旅の途中で出会った、とある女性が語った話を思い出していた......

 ...ある日、私は長い欧州旅行の途中、ドイツで出会った一人の年配の女性と出会う......
彼女の名前はエリカ。エリカは自分の体験談を私に話してくれた。お母様は、自分は死に向かいながら、
私を生に向かって投げたと言う。ユダヤ人強制収容所へ向かう貨物列車の中、沢山のユダヤ人を
すし詰めにしたその貨物列車の小さな換気用の窓から赤ちゃんが外に放り投げられた。

貨物列車が、強制収容所の門をくぐれば2度と帰れないであろう。その事実を知った母親が、
せめて、我が子だけでも助かるのならと、祈る気持ちで列車がある村を通る時、スピードが
落ちたところで、母親は赤ちゃんを外に投げた。その赤ちゃんは、近くにいた心ある女性に

拾い上げられ引き取られた。誕生日を決めてもらいエリカと名付けられた。そこまで
危険を冒してエリカを引き取った女性は、とても愛情深くエリカを大切に育ててくれた。
その後、エリカは21歳で結婚し、3人の子供に恵まれ、今では孫もいると言う...

...そんな話を思い出していた......
 ... 人は生きていると同時に、生かされているのだと感じた ......

ーーー そんな時、海上を低く飛んでいた渡り鳥が白夜の空高く飛んでいった ーーーーーーーーー
0169ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/02(月) 09:04:29.18ID:aZ9w22kF
>>168
下から14行目「...旅の途中で出会った。故郷へ帰るところだと言う
とある女性が語った話を思い出していた......」に訂正
0170ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/02(月) 10:58:46.25ID:aZ9w22kF
>>157
「かなしみ笑い」タイトル訂正
0171ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/03(火) 07:34:01.24ID:iLaiHGWe
「五月の日差し」

高校を卒業して、大学入学してからは暫く、実家から通っていたけど、
実家から離れて一人暮らしすることにした。通う大学が実家から遠かったからだった...

自立する為に思い切って両親に相談すると、父の反対を受けた。そんな父を
母の協力もあって、やっと説得して許可をもらうことが出来た。実家へは電車で三時間。
寂しそうな父の姿が目に浮かぶ...

 …暖かい五月の日差しの中...実家で引っ越しの為の準備をしていた......
今日、この住み慣れた場所から、引っ越しをするんだと思うと、…胸が熱くなった…
衣装を段ボールに詰め、部屋を整理していると、押し入れの奥に、
 …長い月日が過ぎて...色の褪せたリボンで結んである " 小箱 " を見つけた!

- そっと、リボンをほどいて、その小箱を開けてみると -
 …綿にくるまれたどんぐりが入っていた......

...これは、当時、仲の良かった " あの子 " からのプレゼントだった。
 ...まだ幼かった頃の遠い日の記憶が蘇って来る ...
⋯楽しかったけど、ちよっと切なくて甘酸っぱい記憶が⋯⋯⋯
…幼い頃のあの子との…どんぐり拾いの記憶………

- " 突然 " - あの子から渡された! 渡されて、黙ったまま逃げ帰ったあの子...
その後、互いに顔を合わせることも無く、話しづらくなっていった...
...そんな遠い記憶...。  ...その後、あの子は引っ越していった...

.........あの純真で素直な頃のあの子の笑顔を思い出す・・・
今では、あの子の気持ちが痛いほど分かる。

...あの時、何故? 素直に「ありがとう」と言えなかったのだろう...
    ......... 素直に『ありがとう』で、良かったのに...ね。
0172ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/03(火) 07:39:18.79ID:iLaiHGWe
>>171
「五月の陽ざし」タイトル訂正
0173ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/04(水) 06:44:14.06ID:z5dFw4XV
「ジョークにしないか」

「すみませーーーん! 生、もう一杯、お願いしまーーーす!」
俺はいつもの居酒屋で同僚と日ごろの憂さ晴らしをしていた...

「いゃあ〜 仕事終わりのビールは旨いなぁ〜」上機嫌で同僚が言う。
「ああ、そうだな」と俺は頷く。

「お前さ、この頃元気がないぞ! どうしたんだ!? 悩み事でもあるんか?! 言ってみろ! 
聞いてやるぜ! ワハハハハ」「いゃー、娘を慰めるつもりで思ってもいないこと言っちゃってね。
それ以来、娘とうまくいかなくてね...」「面白そうだなぁ〜 どんなこと言ったんだ」

「男に振られて落ち込んでいた娘を慰めてやろうとしてね。『お前、人間は顔じゃないぞ!』と、慰めるつもりが、
『お前の顔は人間じゃないぞ!』と言ってしまった! …それまでお父さんの言うことをよく聞くいい子で、
素直だった娘の反抗期が始まった...」「ワハハハハ… 笑える、笑える… お腹がよじれる… お腹がよじれるよ…
可笑しくて、可笑しくて… ワハハハハハ…」「笑い話じゃすまないんだから…」「わかった、わかった… 

ごめん、ごめん…ワハハハハ…」「それと、最近さ、娘だけじゃなく嫁とも、うまくいかなくてさ…」
「まあ、よくあることさ。気にすんなって… ワハハハハ…」「最近、嫁が怖くてさ、もう大変! すぐに怒るし… 
ほんとに変わった。昔は、亭主関白じゃないとダメとか、言ってたのになぁ〜」「人間、そんなもんだって… ワハハハハ…」

「俺のこと何かにつけ御託並べてウルサイと、ウルサがるくせに!、何かと、いちいち小言がうるさくってさ…」
「そんな時は、パシッと一言! 『いい加減にしろー!』って怒鳴れば! ワハハハハ…」
「そうか、よし! 今度、馬鹿な小言煩く言うと『このバカモノ!」って言ってやるよ!」
「小言を言う。小言が多いのが女という生き物。そう、そんな時は、それでいいんだよ。 ワハハハハ…」


...それから一週間経った...休みの日の前日の夜のことだった......
いつものように嫁があまりにも煩く馬鹿なこと言い出したから、
「このバカモノ!」と怒るつもりが、「このバケモノ!」と怒鳴ってしまった! 
…その後、口喧嘩は夜明けまで続いてしまった........
0174ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/05(木) 07:40:35.29ID:Dk1gljkX
「Maybe」

「加山さんっ」お局のもとに馳せ参じる。「はい。何でしょうか?」
「これっ、コピー取って来て頂戴! 出来たら急ぎで。この後、会議で使うのよ。20部ね」
「分かりました。コピーが終わったら原本とコピーを持っていきます」
「原本はこちらに戻して、コピーは会議室に運んでおいて」「分かりました」

私は、とある商社の経理部に所属する入社1年目のOLだった。若くて初々しいOLが、
書類を堤出してくれば粗を探してやり直しを命じ、就業時間を過ぎて、まだ更衣室で鏡を
眺めている子が居れば「あなた、化粧ばかりに力を入れないで、さっさと仕事してくれる?!
いくら可愛くたって、経費計算は進んでくれないのよ?!」と嫌味を言うお局様がいる。

私は、このところ仕事のミスが重なり、お昼も外へ食べに行くことも出来ず残業していた...
だましだましやっていたが、さすがに今日は体調が良くない。ストレスを溜込み過ぎたのか、急な吐き気に、
襲われてトイレに駆け込んだところだった。息を整えていたら、若いOL達が化粧室入って来た。
パウダールームで化粧を直しながら声高に話す若いOLたち。お局様の陰口を言っていた...

 ...私はお局様に誘われて一度だけ飲みに行った時に言われたことを思い出していた...
「あなた、バカね。もっと要領よくやりなさい! 仕事なんて、適当にやって愛想ふりまいている
人間が勝つのよ。真面目にやったって、要領のいい子には、かなわないんだから...

愛想を振りまくことも、仕事で手を抜くことも出来ないのなら、誰もが無視できない
ぐらいの戦力になって、それを誇示しなさい! 私は嫌われてなんぼだと思っているわ」

確かにお局様は仕事が良く出来た。どんなに嫌味なこと言っても、どんなに若い子に辛くあたっても、
誰も彼女を無視することは出来なかった。そんなことをしてボイコットでもされれば、自分たちの仕事が、
回らなくなるとみんな分かっていた。もし、お局様がおとなしくしていたら、おそらくみんなにいいように

使いまわされて終わりだっただろう。だから彼女は己を誇示するのだ。嫌味を言い。敵に回すと厄介な
存在だと示す。その嫌味ですらも、決して間違ったことを言っているわけではなかった。

確かに私が真面目に仕上げた仕事が、いつの間にかほかの女の子の手柄になっている事態があった。
その子はふわふわとしていて、化粧が上手くて甘え上手で、いうなれば男受けのいい子だった。

確かに、常々そんな愛想が良くて要領のいい子にはかなわないと思っていたところだった...
そんなモヤモヤした気持ちとストレスを抱えていた私... そんな私の気持ちを、
救ってくれたのは苦手だったお局様のあの時の言葉だった.........
0175ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/05(木) 11:10:15.28ID:UXIrPg2B
オールワン清掃

又野たいきん


きちがい8
0176ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/06(金) 06:20:02.06ID:2NFy5olm
>>174
11行目「若いOL達が化粧室に入って来た。」に訂正
0177ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/06(金) 08:08:10.16ID:2NFy5olm
「シニカル・ムーン」

…月が雲に見え隠れする… まだ肌寒い春の夜...
ふたり歩くのが似合いそうな春の夜は四月
片寄せ合い桜の花びらが散る中をふたりで歩いていた...

すこし肌寒いくらいの風が寄り添いやすい
言いたい言葉だけ 言わせないつもりか 皮肉な流し目
…分かったような顔で月が私たちの心を見透かし覗く…

好きだと言えば不安になる 言われていなきゃ不安になる
…言えないことから伝わってしまう… 皮肉なものだね…

肩に回した指に積もる花弁がひんやり冷たい!

ちよっと驚きながら
ここで、 ーーー " 目が覚めた " ー

私の不安が夢になって表れたと思った。
私は、何とも言えぬ苦笑いの気持ちを噛みしめつつ、
ベットの中、隣では彼がまだスースー寝息を立てながら横になっていた。
彼を起こさないように、静かにベットから降りて出窓の外を眺める。

月が高いところで冴えた光を放っていた。
月の光が眩いほど窓のガラスを光られていた。

月って地球の衛星にしては大きすぎるよね。
月って不思議だなと、月をずっと眺めているうちに
何故か、月は何でも知っていると思うようになっていた...
0178ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/07(土) 05:31:48.77ID:enV4VqQu
「鶺鴒」

ーーー チチッ チチチチッ ー 甲高い囀りで鳴く鳥の声で目を覚ます。
我が家は川沿いにあり、鶺鴒は一年中、見かける鳥。つがいで行動していることが多い。
しきりに連絡を取り合うのでよく鳴く。姿が見えなくても、あ、いるなと気づく!

七十二候の「鶺鴒鳴(せきれいなく)」は白露の第二候で9月12日頃。
鳥にあまり詳しくない方は、秋に鳴き始める鳥と思われるかもしれないが、

鳴き声は一年中、聞こえる。鳴き声は、高く鋭いので秋の始め澄み渡った
高い空に、一層、響き渡るように感じられ、大気が澄んできたことを、
感じさせるからかもしれない。

鶺鴒は、水辺を好む鳥で古くから日本にいる身近な鳥。『古事記』ではイザナギ、
イザナミに夫婦の交合を教えた『嫁ぎ教え鳥』として登場したり、人が稲を
背負って家に入る頃に、鳴く稲負鳥が鶺鴒と言われている。

鶺鴒は作物などにつく害虫を、捕って食べる益鳥なんだからと、遠い昔、
お年寄りから聞かされた。鶺鴒は地面で、餌をついばんでいる時でも、
飛び回っている時でも、雄と雌は離れることなくいつも一緒。この仲睦まじい
様子を見て、昔の人は夫婦も恋仲にある男女も、こうあるべきだと教えられたと言う。

昔の本に、鶺鴒の別名オシエドリともいうと書いてある。男女の付き合い方を教えた
オシエドリが訛ってオショーデンになったと言われている。

そんな河原や田んぼに降りて、長い尾を上下に振って歩く鶺鴒は、昔の人に
益鳥であるばかりではなく、男女の恋とは何か、愛とは何か、について
教えてくれた貴重な鳥でもあったと言う。

昔の人には毎年、田んぼの畦塗の頃に、鶺鴒の夫婦がやって来て、農作業を見守るように
すっと傍にいて、高らかに歌ってくれたり、掘り起こした土から出てくる虫を
食べてくれて、人を怖がらずに畦に舞い降りて、チョコチョコと寄って来る
鶺鴒は身近に感じ親しみやすい鳥だったのだろう。

そんなチョコチョコ歩きが得意な鶺鴒は、人が近づくと少し歩き、近づくと、また少し歩き、
警戒しながら、一定の距離を保とうとする傾向があり、その様子が何となく愛らしく、
人の目にも止まりやすい鳥でもある。

ーーー 新緑の季節、明日は、少し遠出でもして
          山歩きなどのトレッキング、自然探索でもしてみるか、
0179ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/08(日) 07:24:22.79ID:C2B6/Bgi
「ごまめの歯ぎしり」

俺は大卒入社五年目の会社員。まあ、そこそこに仕事はこなすが、特に何か
良くできると言う事もなく、稀にミスをする。昇進して人の上に立って
やろうという気もあまりない。

自分が何をやりたいのかなんて事を深く考える事も無い。それでも、仕事内容に
不満があるわけでもない。給料面でも恵まれていた為、辞めようと考えることも無かった。
しかし、そんな俺にも、唯一、会社に来たくなくなる原因があった。それが、
上司でもある課長の清水だった。

「おい、この書類、間違っているじゃないか!」
その日も、俺のデスクに書類を叩きつけた課長の激が飛ぶ!

パソコンの画面をぼーっと眺めていた俺は、その声でハッと我に返ると、
書類に目を通すか、通さないかのうちに、椅子から立ち上がり、課長の前に頭を下げた。
「すみま・・・」と言いかけたところで、俺は額を課長の頭頂部にぶつけた!

俺は身長が180センチ。課長は160センチ足らず。予想に反して近くにあったその頭に
激突してしまったのだ! …悶絶する俺… 悶絶する俺に呆れながら、課長は特に痛がる
様子もなく渋い顔で俺を睨みつける…

「今日中に直しておくように、出来たら私のデスクまで持ってこい! いいな」
それだけ言うと、その場を後にした。俺は額を押さえ、周りのみんなに笑われている
のを感じながら、恥ずかしい思いで身を縮ませて椅子に座った。

仕事帰りの夜、俺は会社の同僚と行きつけの駅前の居酒屋に来ていた。
乾杯が終わると、話題はすぐに今日の俺のヘッドバットの話題で盛り上がった。

「それにしても、今日のお前のあれ、笑いを、堪えるのに必死だったよ。ワハハハハ…」と
同僚の一人が大笑いしながら言う。「そうそう、何が一番可笑しかったって、課長が全く痛がって
いないんだよなぁ〜 ワハハハハハ…」今日は頻りにその話題で盛り上がり、酒のつまみにされていた。

「もう、その話はさ、もう済んだことだし、やめてくれよ!」と課長に個人的に嫌われている俺は、
いつもこいつらと飲むときは、課長の愚痴をよく零すが、今日は自分の醜態を晒したのが、
恥ずかしかったこともあり、あまり長く、この話題を引きずって欲しくはなかった。
でも、いつも以上に悔しい思いをしていたのだった......

終電が近くなり、みんなは帰ると言うので、駅前の居酒屋で、みんなと別れた俺は、
まだ肌寒い夜風に吹かれながら、ネタにされた悔しさもあってか、いつにも増して深酒になった。
路地を抜けた所にある自宅マンションに向かい千鳥足で歩いていた.........
0180ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/08(日) 07:31:20.05ID:C2B6/Bgi
>>179
下から2行目「ネタにされた悔しさもあってか、いつにも増して深酒になったことを後悔した。」に訂正
0181ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/09(月) 07:59:48.30ID:/PDq86ym
「ロンリーカナリア」

彼から私が住むマンションに午後五時に迎えに来る約束。久しぶりのドライブの
約束だった。その言葉を信じて、約束の時間の五分前からマンションの前に立っている。
もう、約束の時間をとっくに過ぎている。一時間も、携帯には何の連絡もない。

久々に会えることに舞い上がっていた気持ちが、もう既にマンションの前で、
ひたすら待つ自分を惨めに思う気持ちに変わっている...

もうすぐ来るかもしれないと、信じて待っている自分がいる。
もう部屋へ戻ろうとした時、彼からもう少しで着くという連絡が来た。

苛立ちを伝える言葉を送ろうかと思ったが、取り敢えず気を取り直して
分かったとだけ返事を送る。それから10分ほど経つと、彼の車がやってきた。

私の前に止めて、車から降りずに、運転席から窓を開けて笑顔でこっちに手を振る。
それを見て私は、車に駆け寄り、助手席のドアを開け車に乗り込む。

「ごめん! 最近、テレワークの仕事が忙しくて、夢中になり、約束した時間を過ぎちゃった!
本当にごめんね」と申し訳なさそうに彼は苦笑いで言う。私たちはとっくに冷めている...

こっちだって忙しい中で、約束したんだよと言いたい気持ちを飲み込む...
彼が仕事で忙しいことは十分知っている。それはわかっていても...
こちらも笑ってごまかすことにした。

...何気ない仕草でも、些細な変化で気付いてしまう......
…そう、彼の何気ない変化が...

少し前までは、高ぶっていた気持ちがあった。異性として好きという気持ちは、
...いつの間にか消えてしまった.........
彼のこと好きだったから...小さなことでも気づいてしまう......

...このまま自然消滅していくのだろうか.........
私が困らせること言うと、あなたの目がさみしく曇る...
...苦い蜜 かじってみた小鳥みたい...震えてる Lonely canary…

そんな時、「連れていきたいとこがあるんだ。今から行ってもいいかな?!」と聞いてきた。
そう聞かれて軽く頷くと、

緊張を隠すように真っ直ぐ前を見て運転している彼が言う。
「夜景が綺麗に見えるスポットがあるらしいんだ」
0182ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/10(火) 08:16:45.55ID:yQZ3oYqB
「あばよ」

しばらく姿を見せなかった尚子が突然訪ねてきた。ショートケーキが入った
紙の小箱を持っていた。尚子は私の部屋におしゃべりに来る時は、たいてい
駅前のケーキ屋さんでケーキを買って来る。

紅茶を入れ、しばらく他愛のないおしゃべりをしたのだが、なぜか、尚子の
様子がおかしい。彼女はひどくおしゃべりな女で、たいていは一方的にしゃべり
まくり一人で笑い転げたりして大騒ぎする。それが今日は何故か、いつもと違った。

いつもの元気がない。私は「どうしたの? 元気ないみたいね」と思わず言った。
「うん...」と、彼女は、何か辛そうに、煮え切らない返事をした。
「わかるぅ… ?」と彼女は甘えたような声を出す。
「わかるわよ」と私は答える。大体は想像がつくのだ。

「でもさぁ、私も落ち込んでいるけど、あんたも元気ないじゃん」といきなり彼女から
発した言葉にギクッ!とした。自分では気づかなかったが、どうやら私のほうも様子が、
おかしかったらしい。しかし、私の方は何がどうあろうと、この口の軽そうな女に、

私の直面しているトラブルを打ち明ける気はなかった。私は気を取り直してこう言った。
「私は普通よ。ちょっと体の調子が悪いだけ…」あまり上手な言い訳でもなかったが、
彼女の方は、自分が直面している悩みで頭がいっぱいらしく、私のことを
追及するどころではない様子だった......

「聞いてくれる…」と彼女が言い出した。
私に聞いてほしかったらしく、私も「うん」 … 彼女が「…実は...」
0183ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/11(水) 07:48:26.92ID:yhm0q/PA
「夜を往け」

最近は、夜中に気の向くままに走り続け… 日が出たら、たどり着いたところで、
食事処を探して食事をして家に帰るということが続いている…

気まぐれな俺のマイブームが、いつまで続くか、わからないが、今こうやって、
…ただ、何も考えずに走るのが好きだ…

今夜も、こうしてバイクを走らせている… 少し遠出のツーリング… 深夜のツーリングは楽しいものだ。
なんと言っても他の車がいないのが快適だ。真っ暗な中にバイクのライトだけという微妙に
見通せない視界が、走ることに集中させ、頭をクリアにさせる。

また夜ならば、夏の炎天下の道路で遠赤外線で、じっくり焼かれることはない。
この辺りは、住宅街だろうか… 誰かが捨てたであろうコンビニのビニール袋が風に
…吹き上げられて空中で弧を描いて舞っていた……… ……… ……… 

やや広い道路には人気はなく、電球の切れかけた街灯が一つ… …遠くの方でチカチカと輝く…
街灯も少ないが、見通しは悪くはない。真っ暗な中、自分のバイクのヘッドライトの
明かりに浮かび上がる周囲の真っ黒な住宅... そのまま住宅街を抜ける………
 ......まだ目的地は決めていない......

  ー 今夜は目的地を決めずに、行けるとこまで行ってみようと思った ー
何故か、そんな気分だったのだ。とにかく西へ向かうということだけは頭に入れている。
既に中京圏まで視野に入れていた。何もかもが忘れられる。…そんな当てのない旅… 

 ……… ツーリングの世界に一人きりになったような心細さと開放感が心地よい ………
0184ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/12(木) 07:09:08.14ID:3DLwDc6j
「100人目の恋人」

私は海を見下ろす小高い丘にある白いリゾートホテルに来ていた。
このホテルは、どの部屋の窓からも海を一望に眺めることが出来る。

「素晴らしい眺めね! 広い海が一目で見渡すことが出来るわ」と私は、
一人で燥いでいた! 彼は部屋のイミテーション暖炉の傍らのソファで銜え煙草で炎を
見ながら「お前、あいつに俺から手を引けと嚇したんだってな」と言う。

「嚇していないわよ! 諦めて欲しければ、嚇したらどうかしら…」と言っただけよ!
私は続けざまに「実は、彼女から先に脅してきたのよ! 私に彼から手を引けと、
それに汚い手使ってもいないのに、勝手に妄想して… 汚い手使うのはやめてって、

言って来たのよ! 私、何も、汚い手なんか使ってもいない。ただ、彼が好きで愛しているだけよ」と
言ったわ! そしたら彼女、『この尻軽女! 売女!と罵って来たのよ! そして続けざまに、
あなたは所詮、彼の遊び相手!、一時の遊び相手よ!! そんなことが分からないの!!

彼は、真剣にあなたなんか愛してなんかいないわよ! どうして、そんなことが分からないのよ!!』と
散々罵られたから、だから私、言ってやったわ! 『私、続かないたちだから、
私の昔の恋人を並べ立てて彼に言ったらどうかしら』ってね」

「それで100人目の恋人って言ったのか?!」と彼は大笑いしながら言う。
「何笑って言うのよ!」と私が言うと、彼は「いゃあ、ごめんごめん…
悪かった。100人目の恋人ね… 女にとっちゃ、何にも自慢にならないね。
逆にマイナスだ。そんな女、好きになる男っているか?! 中には、居るかもしれんが...」と
彼は笑いながら言ってる。

私はほっぺを膨らませ、怒って背中を向けた!
そんな私の背後に近寄り、耳元で「そんなことで、君を好きになったんじゃないよ!」
0185ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/12(木) 07:28:40.30ID:3DLwDc6j
上島竜兵さんが亡くなった。志村けんさんの時よりもショックだ!
人柄が滲み出ていた芸人さんだけに悲しい...
謹んでお悔やみ申し上げます。
0186ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/13(金) 07:57:56.03ID:kiayazGB
「あほう鳥」

「慎吾のバカ!! もう知らない!!!」
アイツの言葉が頭の中でずっと、ずっと、一日中、こだましていた...
俺、坂下慎吾は今日、彼女と喧嘩しました。

喧嘩の理由は、俺の浮気。
浮気そのものは、これまでも何度かしたことがあったが、ああやって怒鳴られたのも
頬を叩かれたのも初めてだった。

浮気がばれる二、三日前は、
「きっとさ、世界には、決められたレールってものがあって、あたしたちはその上を
歩いているだけなんだよ」
昼休みの学食。俺の彼女である、目の前に座る女は、割り箸を
割りながら、いきなりそんなことを言い出した。

「だけど、あたしたちはそんなものは見えないし、そのレールから無理やり外されることも
出来ないし、外れたと思っていても、実はまだレールの上だったりしてさ」
そう言って素うどんを啜る彼女。

俺はあまりの訳の分からなさに、少し奮発したカレーライスに手を付けられずにいた。
「そしてその人のレールは、至る所で交差したりするんだよ。そうして人と人は出会うわけ」と
いう彼女に「...悪いけども、お前が何が言いたいのか、俺にはサッパリわからん!」

「だからさ…」彼女は、うどんを食べる仕草を中断し、俺の目を見ながら言ってきた。
「きっと、あたしたちは、出会うべくして出会ったんだよ」
そう言って、彼女はニコリと笑い転げて言い続ける。

「いわば、運命ってやつかな?! ...運命の人。赤い糸。呼び方は色々あるけど、
多分、あたしにとってあんたは、そういう人なんだと思うよ!」

「運命か、… ジャジャジャジャーンか... そんな大それたもんじゃねぇと
思うぞ! 俺は…」「それじゃあ、何?! 偶然?!」
少し不貞腐れたような顔で、詰問してくる彼女!

「その割には、出来過ぎてるだろ…」「じゃあ、何よ!」
「決まってんだろうが!」俺は、笑みを浮かべて言葉を重ねた。
「必然!」キョトンとした顔つきで彼女「いゃだあぁー」

ワハハハハ わははははと互いに笑い転げる俺たちは、バカカップルのアホウドリだった......
...俺の浮気がバレる、二、三日前までは.........
0187ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/13(金) 15:54:54.41ID:kiayazGB
>>186
下から2行目「バカップルのアホウドリだった......」に訂正
0188ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/14(土) 08:27:21.85ID:fr68UwUc
「泥は降りしきる」

「え? … これ、どういうこと?!」
私は、目の前の光景が信じられず、
持っていた買い物袋を床に落とし " ボー然 " とした!

童顔のせいか、実際の歳よりも若く見られる。
30歳と言うと " 一様 に驚かれる " !
高校生に間違われることもあるくらいだ。

そんな私にも、合鍵を渡し合う彼氏がいる。付き合って二年目になる。
彼とは、頼み込まれて行った同じ会社の他の部署との合コンで知り合い
なんと、お互いに " 一目惚れ! "

180pを超える長身で、イケメンな彼! 性格も面倒見がよく、結構よくモテると言う噂を
聞いたことがあった。そんな彼と目が合った時、 " ビビっと来た! " のだった...

" 一目惚れ " なんて信じていなかったが、これには自分でもビックリした!

そんな運命の相手と思っていた彼が今、 " 目の前 " で他の女性の肩を抱いていた!
今日はお互いに、早く帰れると言う事で、夕食を作りに行く約束をしていた...
つまり、私が、この時間に、この部屋に来ることは、百も承知のはず!
結果、この " 光景 " とは… 私に見せつける為なのか、...?!

…裏切られた思い... そんな悔しさと、悲しさと、情けなさで...
… " 合鍵 " を彼に投げつけ! … 私はその場から逃げ出した! …

-「おい! 待ってくれ!!! 誤解だ!! … 詳しいことは、後で説明する! … 美香!」-
背後から、私の名前を呼ぶ声が聞こえたが... 知ったことじゃない! ...
      ― とにかく、その場から、一刻も早く逃げ出したかった! ―

      ……… 私は、涙と鼻水で顔を、グシャグシャにしながらひたすら走った ………
0189ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/15(日) 09:05:54.73ID:xBj+K/7r
「湾岸24時」

「首都圏を走りながら、見える夜景を楽しもうか…」と彼に言われ、
車はマンション近くの、細い道から大通りを走り出した…

カーステレオからは、どの局かもわからないラジオがずっと流れている...
運転している彼は、ペラペラ話すことはなかったが、会えて良かったとか、
元気そうで良かったとか、こちらを気遣う言葉をぽつぽつとかけてきた。

以前だったら、彼の優しい言葉に酔って穏やかな気持ちになっていただろう...
しかし、これまでの気持ちが嘘のように、彼の言葉はカーステレオのラジオの
ように聞き流す対象になっていた......... 

それでも、適当に相槌を打ちながら、体中を巡っている別れの予感を無視しようとした。
お互い、しばらく無言のまま... 彼は、真っ直ぐ前を見て運転している。

コロナ禍の影響もあってか、車が少ない… 車はスピードを
緩める事も無く、首都高を走る… 首都高を走りながら見える夜景。。。

首都高都心環状線 芝公園入口 芝公園付近with東京タワー …
芝公園ICから浜崎橋JCT方面へと進み… 全長約14qのC1をぐるりと
左回りに一周… ビル群を間近ですり抜け、赤坂のオフィス街や丸の内のビル群…

再び、芝公園IC、東京タワーが現れる。レインボーブリッジを目指している…
左手に東京湾内の夜景... 橋を抜けて豊洲... 有明の夜景が続く......

...私は、無言のまま夜のハイウェイ首都高を走る景色を眺めていた.........
0190ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/16(月) 07:31:25.53ID:l+oCPA+N
「追いかけてヨコハマ」

横浜駅東口を【ベイクォーターはこちら】の標識に従って歩くと
見えて来たベイクォーター … 横浜港の入り江に位置するベイクォーター 
テラスのあるレストランや洋服屋、家具屋などが並ぶ商業施設・・・

今、この中にあるカフェでお茶をしている私。あの人を追いかけて横浜までやって来た。
…突然、私の前から逃げるように姿をくらましたあの人。手掛かりは何一つなかったが、
何故か、この街にあの人はいると思った。この街のどこかに、あの人は必ずいると思ったからだ。

みなとみらいランドマークタワーで少し時間を潰す。コスモワールドの観覧車から一望する景色を
眺めてから、次は中華街へ向かって海沿いを歩く… 中華街では肉まんや小籠包などを食べ歩き…

そして今、山下公園にいる。海の脇を歩きながら、いい具合のベンチを見つけ腰を下ろした。
…陽射しは強かったが、樹々が直射日光を遮ってくれていた。先ほどまで、滴るほどの汗をかいて
いたけど、座って暫くするとじんわりとした汗に代わっていた。

海ならではの " ザバーン " という波が打ちあがる音はしない。そんな初夏の静かな海を眺めていた。
後ろでは、芝生で幼稚園児とみられる幼い子供たちの遊んでいる声が聞こえてくる...

本当に相性が良い二人なら、目と目が合った瞬間に分かり合えるものなのかもしれない。
相手を追いかける様な恋は疲れるだけだし、きっと、うまくはいかない...

相手も、逃げたくなるのだろう… 後から振り返ると追うだけ時間の無駄たった
なんてことになるかもしれない… わかっている。自分では十分わかっていた。

恋愛の達人、女友達のミキは「素敵な男性ほど、追いかけてはいけない!」と言う。
「素敵な男性と出会い。自分から積極的に追いかけてみたけど、残念ながら付き合え
なかったり、例え付き合うことは出来ても、恋愛が始まったら頑張りすぎて短命に
終わってしまうわよ」と聞かされていたのだった......

せっかく追いかけても、数か月後には、彼が新たな女性に走ってしまうわよと、
女が追いかける恋愛は、うまくはいかないわよと、大切にしてくれないわよと、
 …女から追う恋愛が失敗しやすい理由を、
   ...ミキの苦い経験談から色々と聞かされていたのだけど......
0191ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/16(月) 18:32:29.82ID:l+oCPA+N
>>190
1行目「【BAY QUARTER YOKOHAMA】の標識に従って歩くと」訂正
0192ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/17(火) 07:32:21.96ID:5LDrcSt9
「噂」

午後から、神楽坂のモンマルトル風のカフェの窓際の席で
...外に降る雨を眺めていた......

神楽坂のメインストリートである神楽坂通りから少し路地を
入ったところに、しっとりと落ち着いた雰囲気のあるお店がある。

...お茶をしながら、ゆったりとした午後の時間を楽しむ女性客の姿...
外のざわめきは消えて、代わりに楽しそうな声が飛び交う客席...
...さっきまで、流れていたレイモン・ルフェーヴルのメドレーから...
テナーサックスのスロージャズが流れる店内......

...温かい一杯のコーヒーがあれば、心がほっとする......
…そんな時、待ち合わせの彼が来た!…

「おう、遅くなって悪いな! 五月の編成の番組で、打ち合わせが
長引いちゃってさ…」「いい仕事しているわね!」
「それよりよ! お前、あいつとの噂... 二股という噂?!」

「そんなこと、本気で信じてるの?! 私が信じられないの? あなたが、
そうやって一人前の役者面していられるだって... 私のお陰でしょ…」

「お前が、信じられないから言ってんだよ! 話を誤魔化すな!」と
椅子から立ち上がり大声で怒鳴った!

「チョット、周りのこと考えてよ…」ー「あ、...すまん! そうだったな…」

…その光景を見ていた周りから、ひそひそ話が聞こえる...
「ねぇ…、 あの二人、俳優の○○と女優の○○じゃないの?!…」
「そういえば…、週刊誌で噂になっていたわね… 女優の○○は二股という噂よ、
確か…」ー「しっ…、聞こえるわよ…」 ...堅気女たちの ひそひそ話...

…悪いことばかり信じるのね... 見たがるのは告白...
...あなただけは、世界中で刑事じゃないといってよ...

 …枝のように、あなたが揺れる… …噂なんて、きっかけに過ぎない...
...どこかで、この日を待ち望んでいたあなたを知ってる......

- 何もなかったと言えば...疑う心に… 火を注ぐ… 
…何かあったとからかえば… ほらやっぱりとうなづくの...

「…疑った俺が、悪かった... ごめん... 謝るよ…」
「もういいの… じゃあね! 私、帰るわ」「...」
…私は、疑っているあなたを置いて、その場を後にした......

 … これで、あなたとは終わりと、… 私は、心の中で " 疑う男 " を捨てた! …
...外は5月の雨......
         ...さてと、これから、どこへ行こうか、.........
0193ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/17(火) 07:40:03.17ID:5LDrcSt9
>>192
下から4行目「…私は、疑う男を置いて、その場を後にした......」に訂正
0194ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/18(水) 07:23:02.08ID:8qyx+Mod
「ギブ・アンド・テイク」

- スーパー銭湯 -
「何と言っても、運動後の風呂はいいですなぁ〜 アハハハハ」
「運動?! お宅、運動なさっているんですか?!」
「ラグビーをやっています! 学生時代から、ずっとやっています。
どうですか、お宅も、やってみませんか?!」「私は...とてもとても…」

「仲間になってくださいよ。ワハハハ」「長く連れ添った妻が、昨年亡くなりましてね。
それからと言うもの、生きがいを失い息子夫婦にも、一緒に暮らすのを嫌がれて一人暮らしです」
「それはいかん! 家族の為に働き続けて来たんです。胸を張って堂々と生きるべきです!」

「私はあなたが言われるような立派な生き方をしていません。職を転々としていましてね」
「そんなことは関係ない。長く生きて来たと言うだけで立派なんです! 人間として大したもんです。
自信を持ってください。実は、自分で言うのもなんですが、他人に言うほど、立派な人生ではないんです。ワハハハ」

「恥ずかしい話ですが、私は人の言うままに生きている方が楽なんです。自由な時間が怖い…何をしていいか、
分からんです…」「全くですな。私らの時代は仕事に追われ、それだけの人生でしたから、自由に生きる習慣なんて
なかった。今の若い子が羨ましいですな。ワハハハ」「仕事仕事で生きてきましたからね。でも、あなたは、
実にうまく自由を使いこなしていますよ。ラグビーやっておられるんでしょ…」「いや、そういう風に

見せているだけです。本当は何しても楽しくはありません。生きているふりをしているだけですよ」
「生きるって難しいですね…」「...同感ですな。ワハハハ… 明日、私のラクビーの練習、
見に来ませんか?!」「どうせ、毎日、何もすることがなく暇ですから、いいですよ…」

翌日、- ラグビー場 -  トライ!  パチパチパチ! 
「私にも教えてもらえませんか?! ラグビーを…」「え! かなり激しいですぞ! ワハハハ」

...それからラクビーを初めて一週間が経った......
ワハハハ… アハハハ…「タックルしますぞ! よろしいかな?!」ー「なんの! これしき…」
ドスッ! ドカッ!  - アハハハ… ワハハハ… - ヨシャー! アハハハ… 
「ハァ、ハァハァハァハァ… 前田さん! スジがいいですな、初めて一週間で、大したもんだ!」

「ハァ、ハァ、ハァハァ… ハァハァ、ハァ...そうですか、まだ捨てたもんじゃないですか?!」
「ハァハァ、ハァハァ、ハァ… 大したもんです。自信を持ってください! ワハハハ…」

- アハハハ… ワハハハ… - 「妻に先立たれ、息子夫婦から嫌われ一人暮らしで、生きる希望を
失いかけていたんです。でも、あなたと出会い。生きる希望が、持てるようになりました。

私から仕事をとったら何も残らん男です。こうやってラクビーの楽しさを教えて
もらって感謝しています」「そんなことないですぞ! 私こそあなたに感謝しています。
ギブ・アンド・テイクです。お互い与えあっているんです。持ちつ持たれつの対等な関係です。

ラクビーボールをこうやって二人でお互いキャッチし合って走っているようなもんです。
何かを与えたら、代わりに何かをもらう。何かを貰った代わりに何かを与える対等な
互助関係が大切なんです」人生は見えない困難な強敵と闘うラクビー場みたいなもんです。

そのためには見極める眼が必要です。だから、気心知れた信頼できる仲間を見つけ
スクラム組んで理不尽で不条理な人生という強敵に立ち向かっていくことも時には必要です。
一人て立ち向かっても、解決できないこともあります。

 … そんな時は、肩を組んでお互い協力し合い助け合っていきましょう …
「今度は、私のラクビー仲間と一緒にやりますか?!」ー「はい! お願いします!」
0195ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/18(水) 13:51:20.05ID:8qyx+Mod
>>194
ラクビー×
ラグビー〇
0196ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/19(木) 07:17:59.67ID:H6blaS6n
「不良」

私はケンジの幼馴染。だけど仲が良かったのは小学生まで。同級生にからかわれるまで、
いつも一緒に遊んでいた。今じゃすっかりただのお隣さん。今日、私は教室の窓の外を見ていたら、
校庭を一人寂し気に帰るケンジの姿を発見! -「また停学かな」-「当たり前だろ、隣の高校と又、

喧嘩したんだ」…私はそんなクラスの連中の会話を聞きながらケンジの姿が消えるまで見ていた。
「あんな不良野郎のどこがいいんだ! アキ、お前さ、男見る目、危ないんじゃねーの?!」
周りから、そんな風に言われることが悲しかった。ケンジは元々、そんな乱暴者じゃない。
でも、変わっちゃった! きっと寂しいんだ。でも、クラスの連中には何も言えなかった。

いつもの帰り道。土手で寝ている人影に目を凝らすと " ケンジ " だった!

思わず駆け寄って隣にそっと座る。我ながら大胆だ。隣にいきなり人が寝ていたら
ビックリするかなぁ〜と苦笑いする。そうだ、私も土手でお菓子食べれば不自然じゃないかも、
カバンの中にあるチョコを探していると、「なんだアキか!」とビックリした顔をしてケンジが

目を覚ます。私はわざとらしく、起こしたことを照れながら謝ると、ぶっきらぼうに
「別に…」の一言。その言い方が昔と全然変わらなくて、私は思わず笑ってしまった。
「笑うなよ」「変わっていないんだもん! その言い方…」

...そんな二人が、見上げる青空は夕焼けに色を染めようとしていた......
…途方もなく穏やかな空気が流れる… 随分、久しぶりに会話をした。
やっぱり優しいケンジだった。話し方は無愛想だけど...

そんな時だった! 「ケンジ! 今日は女連れかよ…」冷やかすような口笛…
一緒に帰ろうとした私たちの後ろに、いかにもガラの悪そうな男三人組がいた。隣の高校の制服…

「うちのテツと遊んでくれた借り、返すから受け取ってくれ!」と言い放つと駆け出して向かってくる三人組…
ケンジは私を背中に回して逃げるよう指示をする。「このまま逃げろ!早く行け! 巻き込まれるぞ!!
早くしろ!!!」…しかも、三人の一人はバットを振り回していた… それでもケンジは怯まない。

激しくぶつかり合い、殴り合う。肉が弾ける音! …ケンジは、いつもこんな日常を過ごしていたのだと気づく…
…私は、怖くて逃げることも何も出来ないでいた… 「女が寂しそうにしているぜ! おお、中々、可愛いじゃん!」
ただ茫然と、立ち尽くす私にニヤニヤしながら一人の男が近づいてきた!  " 怖い " 声も出ない! 
 - それに気づいたケンジ - その男を土手の斜面に蹴り飛ばす!「触れるんじゃねーよ!!」
ケンジの背後でバットを持った男が笑う。私はとっさに声を上げ叫んだ! 「ケンジ!危ない! 後ろ!!」
ケンジは咄嗟に身をかわし、バットを持って笑う男の顎を蹴り飛ばす!!!  …三人がうずくまっている間…

その隙にケンジと私は逃げた! …必死で逃げた… 何処までも… 
…追ってはこないことを確認した… ケンジと私は、近くの海岸まで来ていた...

             ーーー 真っ赤な、夕焼け空に染まって沈む夕陽 ーーーーーーーーー
0197ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/19(木) 07:26:05.46ID:H6blaS6n
>>196
末尾
「ーーー 真っ赤な、夕焼け空に染まって沈む夕陽がとても美しかった −−−−−−−−−」に訂正
0198ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/20(金) 07:49:34.02ID:HhsOgPIN
「YOU NEVER NEED ME」

まもなく28歳になる女。エマが一回り歳が上の男、レオと不思議な縁で再会する。
エマは、レオに熱い思いを抱きながらも、なかなか決断がつかないでいた...

レオの脳裏には、忘れることが出来ない女。オリビアがいたからだ。
悩んだ末、エマはレオの元に1通の手紙を残す...

レオが部屋に帰ると、夕食の準備がされたテーブルに1通の手紙が残されていた。

「今日で、あなたと出会ってから、ちょうど、9か月になります。
これからも、二人の時間は続いていけるものと信じていました。
でも、あなたは、私があなたを思うほどに私を必要とはしていない。
今まで、ありがとう... さようならレオ」

 ーーーーーーーーー そこに残されていたのは彼女の置手紙だった。

『YOU NEVER NEED ME』というミュージカルを私は彼と観劇していたのだった。

観劇後、近くのフレンチレストランへ
しゃれた扉を押し開けると、軽やかな鈴の音と共に
黒いベストに黒色のエプロン店員さんが、

「いらっしゃいませ!」「予約した斎藤です」
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ!」
「ねぇ、こんな高そうなお店で、食事するなんて大丈夫?!」

「ああ、大丈夫だよ。割引クーポン二人で九千円!」「本当?!」
「今日は、君の誕生日だったね! 奮発するよ」
「こちらのお席へどうぞ! ご注文は、いかがいたしましょうか?」

「クーポンのディナーコースで…」
「お飲み物も付きますが、いかがなさいますか?」
「赤ワインを二つ、それからチェーサーも…」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」

「チェーサーって何よ?」「お酒を飲むときに、一緒に飲む水のことだよ」
「あらっ、随分とカッコいいわね!」

私は、あなたが好き。もしも、あなたがいなければ、私は生きる甲斐がない。
息をすることと、同じくらいあなたが必要。でも、もしも私がいなくても
あなたは困らない......

              .........そう、私は薄々知っていた。
...あなたは私に隠れて例の彼女と会っていることを.........
0199ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/20(金) 11:54:16.31ID:HhsOgPIN
>>198
下から2行目「.........そう、私は薄々知っていたわ。」に訂正
0200ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/21(土) 07:36:30.85ID:vCrvVP55
「僕たちの将来」

若いカップルが、深夜の24時間レストランにいた。
ここは、歓楽街のど真ん中にある大衆食堂のような古ぼけたレストラン。

「あたしたち多分、大丈夫よね…」
彼女が、フォークにスパゲッティを巻き付けながら言っている。
気付いている?! あたしたちもうヤバいよ!と言う彼女の彼への探りの言葉だった。

「大丈夫じゃない訳って、何さ?!」と言いながら
ステーキの筋が多いのか、肉が切れにくそうにしている彼は、
ナイフに力を入れながら彼女に尋ねる。

見た感じだが、彼も二人の関係の危うさに気付いている素振りだった。

さりげなく、彼女の方を振り向く彼。ちょうど、そんな時、彼女はTVを見ていた。
テレビでは暑い国の戦争が語られていた。

彼は「見知らぬ海の向こうの話よりも、・・・」と言いながら
切れにくいステーキに腹立てているようだった。

「人間、いつ死ぬかわからないんだよ! 例え戦争になっても、ならなくてもさ、
僕らは、明日のことなんて、わからないんだよ。だから、いつ死んでも後悔しない
生き方が大切なのかもしれないな。精一杯、今を生きれば、それていいんじゃないのかな…」

「何言ってんの?! 何、訳の分からない、見当違いのこと言ってんのよ!
私はね! 私たちの関係、ヤバいんじゃないのと、言ってんのよ! ちゃんと、分かってんの?!」

「分かってるよ! いちいちうるさいな…」と若いカップルが揉めていた。

そんな時、「オヤジ、お愛想!」「生ビールと、食事で、ちょうど千円です」
「はい、これ…」「ありがとうございました!」
カウンター席で、黙々と食事をしていた常連のオヤジが店を出て行った。

向かいのテーブルのカップルの会話を聞いていた俺も・・・ そろそろ帰ろうとするか...
0201ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/22(日) 07:47:32.98ID:KiM7s4Su
「03時」

窓の外、反対側の車輛。動き始めた… あたいの乗っている電車と
動き出そうとする対向列車。

動き出した対向列車… ごく自然にあいつの姿を探す...
窓際の席に、必ず乗っているはずだと、視線を向けて目で追う…
その先で、確認したあいつの姿。「あいつだ!」
 ...やっぱりあいつだった......

小さな呟きは、動き出した車輛の音にかき消された...
ほんの数秒、わずか数秒と言う… たったそれだけの出来事だった...

昨夜の電話口での会話...
「さっきの話・・・、 嘘だよね?!」
「残念だけど・・・、 本当なんだ!」

「どうして、今まで黙ってたの?! もっと早く言ってくれれば・・・
あたいだって・・・」
「・・・わかってる…」

「じゃあ、どうして?! 自分から告白しておいて、突然、もう会えなくなるって
言われて誰が納得できるの?! そうやって私の真剣な気持ちを踏みにじって
心の中で笑っていたの?!」

「違う! 好きなのは本当だよ。だって笑った顔が可愛かったし、俺みたいに
ひねた奴にも優しかったし、 ・・・だから、少しでも長く笑顔でいて欲しかった。
それで言いそびれたんだ。

言いたくはなかったんだ... だって考えてみろよ。
この街を離れるまでの間、好きな人に笑顔でいて欲しいって思うことって
そんなに・・・ そんなに悪いことなのか?!」

「話をそらさないで、苦労したっていいじゃない! 二人で手を取り合って
行けば何とかなるよ。一緒に居たいのよ!」
「駄目だ! やっと掴んだチャンスだ! 此処を逃せば、一生、次は無い。 今しかないんだ
分かってくれ。 ちょっとの辛抱だ。 後、3年待ってくれ!」

文字通り、次のチャンスはない、あいつが掴んだ逃してはならない最後のチャンスだった。
ここで一歩でも、退けば他の奴がチャンスをものにして抜き去っていく...
世渡り上手でもない要領の悪い、あいつが掴んだ最後に回って来たチャンスでもあった。
ーーー そのまま切るなと話は続く ーーーーーー

初めて本気で好きになった人だった... 一緒にいて、楽しかった思い出・・・
その後、3年待ったけど... (あたいとの約束を忘れたのだろう)連絡は一切取れずに、
 ...いつの間にか自然消滅した恋.........
あの頃のあいつは...今頃、どうしているのだろうか・・・

…今となっては、遥かに遠い昔のことだが・・・ 窓の外、反対側の車輛。動き始めた
あたいが乗る寝台特急と動き出した対向電車がすれ違った瞬間… そんな寝台列車の旅していた夕方、
座席に座り、窓の外を眺めていたら、そんな古い記憶が蘇ったのだった......

...つい最近の出来事のように今でも思い出す...... あたいも若かったなぁ〜
0202ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/23(月) 08:22:53.80ID:9wo1oDSr
「竹の歌」

僕は幼い頃に両親に捨てられ、色んな所を転々として生きて来た...
親せきをたらい回しにされた挙句、最後には児童養護施設に預けられた。

施設の子とか、いつも同じ服を着た乞食とか、色んな事言われました。
たまに同級生の子と遊んでいても「〇〇君の家に行こう!」とかなって、僕が遊びに行くと、
そこの家のお母さんが「〇〇君と遊んでは、いけないって、あれほど言ったでしょ!」と、

連れて来た我が子を叱る声が聞こえ、僕を汚いものを見るような眼で「〇〇は、
今日は遊べないの…」と言われることは日常茶飯事でした。僕は弱い人間なので、
そんなことが重なるうちに独りでいる事が一番傷つかず、一番楽なのだと
いつの間にか思うようになっていた.........

けど、僕にも、言いたいことは一杯あった。汚い服、同じ服着ていても、僕は人のものを盗んだり、
傷つけたり、悪いことは何もしていない。両親はいないけど、僕にはどうすることも出来ないんだ!
僕だってお父さん、お母さんが欲しいんだよ! 僕は、なるべく人と接しないように生きて来た。
自分の精神、心を守る為にそうせざるを得なかった......

...誰にも迷惑を掛けずに生きていく... 高校に進学した時のことだった...
朝学校に行くと、僕の机には「死ね」「乞食」「貧乏神」「親無し」等… あらゆる悪口が書かれてあった。
僕は目の前が暗くなった。僕が何かしたのか?! 僕は何か・・・ ただ立ち尽くすだけだった...

…その時、僕の目の前から机が無くなった… クラスで人気者で大人びたY君が、僕の机を抱え上げていた。
僕は、机で殴られるのかと思い目を閉じた。「行くぞ!」とY君はぶっきらぼうに言い放つと廊下に出て行く…
僕は後に従った。Y君は技術室に行くと、紙やすりで僕の机の落書きを一生懸命に消し始めた…

Y君は、ただ一言だけ「こんなつまらんことしやがって… あいつらに負けるなよ!」と言いながら、
黙々と紙やすりで落書きを消している。「放課後、もう一回、ここてニス塗ろうぜ! そしたら元通りだ!」と、
言ってニッコリ笑って見せた。僕は泣いて頷いた。Y君は照れ笑いをして「俺も小学生の頃はいじめにあっていた。

理不尽で不条理なことが多いけど、負けるな! くじけるな! 強く生きろ! そのために生まれて来たんだぞ!
この世界で何を学び、どんな生き方をして来たかだ… 地下に根を張る竹林のようにな… 小学生の頃、
いじめにあって泣いて帰って来た俺を見たオヤジに怒鳴られた。どんなことがあっても負けない強い心を持て!

 そんな心の成長が最も大切なんだ! これからは…」
                ...そして己に厳しく、どれだけ人に優しくなれるかだと思う......
0203ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/23(月) 08:28:09.90ID:9wo1oDSr
>>202
下から7行目「ここでニス塗ろうぜ! ・・・」に訂正
0204ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/24(火) 08:06:39.92ID:peo8cYax
「オリエンタルボイス」

「いらっしゃい!」…しがないサラリーマンでしかない俺は、
今日も、いつもの居酒屋に来ていた。就職してから会社に行く日は
仕事帰りにはいつもこの店に通っていた。

もう、ここに通うのも、かれこれ三年目になろうとしていた...
その頃になると、店員さんも俺の顔を覚えてくれて、注文しなくても
席まで運んで来てくれるという状態だった。

俺はこの日も、いつものカウンターの奥の席に座っていた。
「はい、生ビール大ジョッキと枝豆、裂きイカ、お待たせしました。
ごゆっくり下さいませ!」「ありがとう…」俺は、いつもと同じように礼を言う。

「くうぅぅー」…冷たい生ビールが喉に染みるぅ… ビールは味わうものではなく
喉ごしを楽しむものだなと、しみじみと満足に浸り… 喜びを味わいひとり悦に入り、
店の中をぐるりと見回した。…結構、人が入っているなぁ… 向かいの席では、
外国人のゲイなのか、日本人のオカマなのか、分からないが、それ風の二人の会話が聴こえて来る…

外国人の厳ついゲイ風の男は、長く日本で暮らしているらしく、日本語に堪能で流暢に話していた。
「日本の田舎に行くと、子供が凄い見てくるよね。マクドナルドでハンバーガーを食っていた時よ、
小学生くらいの男の子が、俺のテーブルの周りをクルクル回って物珍しい珍獣でも発見したように
見てくる。近くまで来て、ジッと凝視してくるんだよ! 俺、あまり見られるので、日本語喋れるけど、

" Don`t Stare at me! " と、つい口が出ちゃった! そしたら、その子が指さして「ママぁ〜、見て!
外人が、なんか言った!」「ホンマやなぁ〜」とその親が言うよる。何がホンマやねん!(笑)…」
「アハハハ、笑っちゃうけど、でもね、そんなこと言う、あんた!…あら、私だって、昔、フランスの

ド田舎の元カレの家に遊びに行った時、地元のスーパーで買い物していたら、地元の子供たちが、
後ろからゾロゾロとついて来て、ハーメルンの笛吹き男状態になって困ったこと、あんたの話を聞いて、
思い出したわよ! 何処の国も一緒よ! 東京はそんなことはないけど、特に田舎に行けば行くほど…

ド田舎に行けば、どこの国も一緒よ! 私なんかよく中国人に間違われるし、女装して歩いていたら、
オリエンタルビューティーって言われたし、フランス人の元カレには、『君は、オリエンタルヴォイスだね。
魅力的な声をしている。何て美しく魅力的な声なんだ…』って、今となっちゃ笑っちゃうけどね…」

 …聞いていて思わず微笑んでしまう… そんな微笑ましい会話が聞こえてくる居酒屋...
0205ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/24(火) 08:28:40.79ID:peo8cYax
>>204
「オリエンタル・ヴォイス」にタイトル訂正
0206ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/25(水) 08:20:54.25ID:1uA1sZbu
「NOW」

翌日、村で過ごせる最後の日。村中の馬車が、出発に向けて荷造りしていた。
食料、水、衣類の他、高価な家具、装飾品の類から、生活に必要なこまごました
ものが積み込まれていた。再び、ここに戻ってこれる望みは薄い...

特に高価で換金性の高い品物が選別され、荷台に積まれていた。
そういったもので荷台が山積みになり、ギシギシいっている馬車もあった。

父と叔父の馬車に積まれた家財がとりとめもなく、がらくたから本当の
高級品まで雑多に積まれているのを少年アダムは不思議に思っていた。
実はその選別には意味があったのだった。

翌朝、旅立ちの時、真新しい幌の下、カラカラと乾いた車輪の音を聞きながら、
少年アダムは必死で生まれ育った家を目で追い続けた.........

今、この時、少年アダムは、人生のとてつもなく重要な時にいるのだという確信があった。
ここから一歩、踏み出したら、もう二度と元には戻れない... だから・・・
菩提樹の枝の向こうに、とうとうその姿が見えなくなった時、ようやくそのもどかしい
思いを表す言葉を見つけた気がした。

ーーー こうして、いつ終わるとも知れない長い旅が始まったのだった.........

長い長い難民の列… 街道の幅いっぱいに、広がった馬車や徒歩の人々の群れは、
同じ方向を向き、みんな一様に頭を垂れ、押し黙って疲れ切っていた...

歩いてきた人々は、道の上にそのまま座り込み。なかなか動こうとはしない。
難民たちは荷台からテントを下ろしている。

丘は酷い石ころだらけの場所で、テントを張る場所をめぐって難民同士で
あっちこっちで騒動が持ち上がっていた。そうこうするうちに時間は経ち
街のほうからばらばらと物売りがやって来ていた。

平たいパンや食料を、積んだ台車を押した物売りが、露骨な表情を見せながら刺々しいだみ声で
パンや食品を意味するらしい言葉をがなり続けていた。

そんな物売りの周りにさえ、一斉に言葉が通じない難民が群がり、見るからに
粗悪で割高な食料を争って買っていく… 誰もが疲れ切って、ここに来て酷く苛立っていた。

父や祖父たちは、何とか丘の中腹に場所を確保しテントを張った。
幼い少年アダムの様子がおかしいことに気づいた母マリアは、
埃が舞うテントの入り口を勢いよく閉ざし、床に敷いた絨毯の上に幼い息子を寝かせた。

  ーーー これから始まる長い苦難の道でもあった ーーーーーー

      *** *** ***   *** *** ***   *** *** ***

緞帳が降り、ここで一幕が終わった。休憩。新作ミュージカル『難民』を私は観劇していたのだった。
0207ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/26(木) 07:37:56.96ID:oMkKb5oI
「You don't know」

思い出してみると、いつもかなわない恋をしていた。
そんな私も社会人になっていた。

先輩たちは、みんなすごく仕事が出来て、同期のみんなも
私より作業が早くて、このままじゃクビかなぁ〜って、毎日ビクビク…
しながら終電まで頑張って、持ち帰るのは怖いから朝早めに行って
前日の残りをやって、気づけば、季節がいくつも変わっていた。

季節がいくら変わろうと、仕事が出来ないのは変わらなくて、
去年の忘年会の二次会の後、先輩に駅まで送ってもらったのにも関わらず、
終電を逃してしまった時、せっかく送ってもらったのに、
また、ミスをしてしまったと落ち込んだ。

そんな時、先輩は「店を出る時に、引き止めちゃったから…」と言って
謝ってくれて、タクシーを拾うと運転手さんにお礼を渡して
「彼女の家まで、お願いします…」と言って私を車内に押し込んだ。

閉まったドアの窓越しに、先輩は「気を付けてね!」と言って別れた。
そんな先輩が、いつの間にか好きになっていた。

その後も先輩は、仕事のフォローもしてくれたし、上司に叱られて落ち込んている時に
夕ご飯に誘ってくれたりもした。私が叱られるのなんてしょっちゅうだから
週に一度は飲むようになり、いつの間にかホテルに誘われ関係を持つようになった。

...実はそんな先輩には、付き合っている彼女がいる......
0208ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/27(金) 07:33:27.11ID:PzU/7CDs
「ふたつの炎」

風呂上がりに、 " プシュ! " と缶ビールを開ける。
一口目を一気に喉の奥に流し込む!
…心地よい喉ごしと共にキンキンに冷えたビールが火照った身体を急激に冷ます…

今日も缶ビールを片手に、リビングの椅子に腰掛ける。後は新聞や
テレビを見ながら、ちびちびと楽しむ...

三十代を過ぎた頃から、毎日欠かせないようになっていた習慣だった。
そのせいもあるのだろうか、若い頃、あれほど逞しかった身体は今では腹周りが大きく
肥大し、肩や腕の筋肉質の部分は若かりし頃の面影はなくなっていた......

今日も、ビール片手にリビングの椅子に腰掛けると、いつものように新聞を手に取った。
なんとなく開いていたページに目を落とすと、夫婦のセックスレスの統計と言う記事が目に留まった。
「何々、セックスレスの夫婦は現代に多く、二十代では11% 、三十代で26% 、四十代で36%が、
セックスレスだと言われています」と書かれてあった。

『なるほどねぇ...うんうん…』と頷きながら " ふと " 考える。
「あれっ、そういえば、最後にしたのって、いつだったかな?! 
 ...半年前、いやいや、もっと前だぞ!」

 …考え込むように、視線を新聞から外す… 
...そういえば、いつから妻の名前を呼ばなくなったのだろう.........

俺には、連れ添ってから今年で早12年になる恵美と言う妻が居る。お互い若い頃は、
俳優、女優として活躍していた。恵美は結婚を機に引退したが、美容にはこだわっているのか、
その辺の同年代と比べてみても綺麗で若々しく見える俺の自慢の妻でもあった。
それが、いつの間に名前を呼ばなくなっていったのだろう...

自然と特に理由もなく、それとなく呼ばなくなっていた。同じようにそれとなく
セックスレスにもなっていた。再び新聞を読む。「ふむ… セックスレスは、お互いの
コミュニケーションが取れなくなってきている兆候で、夫婦の間にすれ違いが、生じやすい
状態とも言えます」か、そういえば最近、まともな話をしたことがあっただろうか…

いや、話はしている… そりゃ夫婦だ! 毎日、顔を合わせれば会話だってする。
...でも、どんな会話だっただろう... まともな話と言う話をしていない様な気がするぞ… 
…ああ、俺はいつも、あいつの話を話半分に聞き流しては、適当な相槌を打っているような・・・
0209ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/28(土) 07:16:26.38ID:uvVCNrCG
「あばうとに行きます」

何だか、全てが窮屈に感じて街を出てみたくなった。
知らない路線の電車に乗ってぶらり旅がしたくなった。

とても天気が良くて外に出たかったので行先も決めずに電車に飛び乗った。
駅のホームには、まあまあ程よく人がいて、それなりに人がいた。
…電車が入って来た… 凄い速さで、私の前を通り過ぎてゆっくり止まった!

…ドアが開く… 人が5、6人出てきて、私も電車内に入った。ぽつぽつと席が
空いていて、私は真ん中あたりに座った。右隣は女の人。左隣はおじさんだった。
目の前にはおばあちゃんが座っていた。

そのおばあちゃんは、品の良い着物を着ていて小柄で、とても可愛いおばあちゃんだった。
…電車が動き出す…徐々にスピードが上がる…景色が流れていく…遠くに行くほどに
流れは遅く…近くに行くほど流れは速い… おばあちゃんは真っ直ぐ前を見ている。

私の頭上のあたりの窓から、外の風景を見ているのだろうか… 私もおばあちゃんの頭上の
窓から外の景色を眺めていた。次の駅に着いて電車が止まる。止まる瞬間にみんなの体が同時に
…カクッと揺れる… おばあちゃんの隣の席の人が降りた。その席にまた別の人が乗って来た。
凄く体の大きい人だ。その人は席に着くなり、窮屈そうな顔をして " ふうっ " とため息をつく。

おばあちゃんは体の大きい人に気を遣い、幅を狭めて小さくなって着物の裾を自分の方に寄せて
また前を向く。次の駅で電車が止まり、多くの人が乗り降りをする。私の隣の女の人も降りた。

私の隣には、中年のおじさんが座った。おじさんに挟まれた。凄く嫌だった。おばあちゃんは、
私の嫌そうな表情を見たのか、少しクスっと笑った。その表情が、また何とも愛嬌良く、
とても可愛らしいおばあちゃんだった。

次の駅では大勢の人がこの車両に乗って来た。その人の波で …おばあちゃんの姿を見失った…
外の景色も見えない。私は仕方なく、下を向いたまま…ぼーっと…していた。

次の駅でかなりの人が降りた。そのせいか混雑して息が詰まりそうだった車内が、一気に視界が広がり
あのおばあちゃんの姿が見えた! おばあちゃんの目には私が、どんな風に見えているのだろう...
そう思いながら流れる外の景色を眺めていた......

次の駅では、小さな男の子が電車に乗って来た。その子は、お父さんらしき人に何かを訴えているけど、
まだ言葉が、あまりうまく喋れないのでうまく伝わっていない。おばあちゃんは、その男の子の方を向き、
覗き込むように見ながら微笑んでいる。もしかしたら、お孫さんと同じ歳くらいなのかなぁ...

次の駅でおばあちゃんは降りた。窓の外、目を凝らして追ったけど、おばあちやんは人ごみに紛れて
どこにいるか、一瞬で分からなくなった。きっともう二度と会えないんだろうなぁ...
一度くらいお話がしたかった。そう思っているうちに、電車は次の駅に向かってゆっくりと動き出した…

 …私も次の駅で降りよう… これから、何処へ行こうか... ...
知らない路線の電車に身を任せ... あばうとに行きます そんな旅もあるでしょう...
0210ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/28(土) 13:48:58.12ID:uvVCNrCG
>>209
下から5行目「おばあちゃんは人ごみに紛れて」に訂正
0211ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/29(日) 08:01:33.63ID:40Y9Ek13
「流浪の詩」

アメリカ南部のルイジアナ州に位置するニューオーリンズはジャズ発祥の地。
ニューオーリンズのダウンタウンはCBC(ビジネス街)や旧市街フレンチクオーターを
はじめ周辺には有名観光スポットが沢山あり、ニューオーリンズ観光の中心地と
なっており、観光客は行く機会が多いエリアだ。

ダウンタウンの治安は比較的良い方だが、繁華街におけるスリや置き引きには
注意が必要だ。また人通りの少ない路地などは、麻薬の売人がいて治安が悪い場所も
あると聞いていた。

ダウンタウンが治安が良いといっても、夜は気を付けた方がいいと聞かされていたが、
今、ダウンタウンに位置するバーボンストリートにいる。夜間でも人通りは多い。

バーボンストリートをビール片手にぶらつくだけで、いろんな音楽が楽しめる。
古き良きディキシーランドジャズ。ニューオーリンズと言えばジャズと言うイメージが、
強いが、ロックやブルース、ブラスバンドなど街中から音楽が溢れている。

夜はなるべく人通りが少ない所は、立ち入らない方がいいと聞かされていたが、
ちよっと足を延ばしてみた。突然、変な男が話しかけてきた! 無視して歩くが、
ひっきりなしに話してくる。その場合は、徹底的に無視してくださいと

観光ガイドから、前もって聞かされていたので、徹底的に無視続けた。
背が高く、いかにも怪しそうな黒人青年だったが、やっとあきらめたのか、
引き下がって立ち去って行った......

近くでは、酔っ払いが小競り合いをしていた。街灯の灯りがオレンジ色に滲んでいる。
その街灯の下にオレンジ色の光を浴びて5、6人の若者たちがたむろしていた。

その若い黒人たちの中に、黒猫を抱えたシンディ・ローパー似の白人の可愛い少女がいた。
...黒猫を抱え、こちらをジッと見ていた......
0212ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/29(日) 08:12:12.11ID:40Y9Ek13
「流浪の詩」には二種類の歌い方がCDに録音されている。セカンドアルバムに入っている
ポップカントリー風サウンドと、今回の物語の題材にした『時代-Time goes around-』 
歌い方からしてアメリカ南部のイメージがしたので、こちらを今回の物語の題材にした。
0213ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/30(月) 08:12:14.50ID:AWh1MtJe
「ほうせんか」

三年付き合っていた彼に振られた。
それはもう、最後は彼が言ったとは思えないほど、酷い言葉で・・・ 
どんなに好きだと言っても復縁は叶わず、音信不通になってしまった...

半年後、 " 突然! " 彼から電話があった時も、出ないで、その後は着信拒否設定にした。
それから一年後、彼の友人から連絡があった。彼が亡くなったということだった...
それも半年も前ことだった。半年前と言えば、突然、彼から電話があった頃。。。

詳しく話を聞いてみると、彼の携帯を使って彼のお母さんが電話したという。
その後も何度も電話を試みたが、私が着信拒否の設定をしていた為、
通じなかったということらしい。その後、彼の友人から彼が書いた日記を手渡された。

そこには、「入院二日目、こうやって日記をつけてみたけど、俺のことだから長くは続かんだろうな、
あいつは、今頃、元気にしているのかなぁ〜 最後に傷つけちゃったけど、新しい男でも見つけてくれんかなぁ」

「入院○○日目、今日は、TVでディズニーランド特集をやっていた。あいつと一緒に行った頃を思い出した。
あいつ買い物が大好きだから、買い物に付き合わされた時は、疲れていて、いい加減にしろと思ったりもしたが、
でも、帰りに買ってくれたミッキーは嬉しかったよ。今も枕元にある。友達には、からかわれるから、
みんなが来る時は隠してある。あいつと別れちゃったけど、今でも大好きなんだ!」

「入院○○日目、夢に、あいつが出てきた! もう何か月も会っていないなぁ… 別に大した夢じゃないけど、
喋ったよ。それだけでも幸せだよ。何故か、突然!目が覚めちゃった! 今頃、誰と喋ってんだろうなぁ〜」
「入院○○日目、やっぱりあいつが忘れられないのかなぁ〜 よっぽど好きなんだな、夢の中の世界の一つ一つに
あいつが出てくるよ。あいつを傷つけた俺は大馬鹿者だな!」…それは、もはや日記ではなかった...
... 私のことばかり書かれてあった ...

「入院○○日目、体がだるい。起きるのも大変だ。医者は、はっきりと言わないけど、俺はわかる。
思えば、治らない病気と医者から聞いて、もう、一年が過ぎようとしている。通院から入院へと、

もっとあいつと、一緒に居たかった。入院する前に、あいつに、あんな酷いこと言って振ったことを
ずっと後悔している。あいつは綺麗だし、すぐ彼氏が出来るだろう。こうやって書いていることも辛い。
俺のことは、早く忘れて幸せを掴んでほしい…」

 ...彼が集中治療室に運ばれていった時、
 ......この日記を病室のゴミ箱の中から、彼のお母さんが見つけたという.........
0214ジョン・スミス
垢版 |
2022/05/31(火) 08:48:08.63ID:ex6OSSkE
「家出」

なんと私のおばあちゃんはおじいちゃんと若い頃、
駆け落ちして結婚したらしいのです(^_-)-☆

それを聞いた時は、私、ドキドキしっぱなしでした… (*^-^*)
だってよく考えると、その頃の時代は恋愛結婚は珍しいはず...

うちのおばあちゃんカッコイイ!!と思いました! (*^^*)
聞いた話、昔、おばあちゃんは、金持ちのお嬢様らしく、近くに住む、
おじいちゃんと恋に落ちてしまったらしいの...

でも、身分の違いから、交際は内緒にしていたそうです。(*^▽^*)
でも、ある日、おばあちゃんに結婚の話が舞い込んできたそうです。

それは親が決めた政略結婚だったらしく、それを聞いたおじいちゃんは、
おばあちゃんを連れて東京に逃げたと言うのです。

" 凄い!胸キュン!! "   …ピーチすぎる(*^。^*)… 
おじいちゃんカッコよすぎ!(#^.^#) でも、おばあちゃんは家族と別れるとき、
寂しくなかったのかなぁ〜 (;´Д`)...

おばあちゃんはよく、お母さんの若い時の話とか、おじいちゃんの昔話とか、
よくしてくれるけど、自分の家族のことは、何も話してくれません! (≧▽≦)

 …引っかかることあるのでしょうか… (。´・ω・)? ...

でも、おばあちやんは、おじいちやんが亡くなった時、若かりし頃の写真や
...おじいちゃんの遺影を見ながらひとりで泣いていました.........
0215ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/01(水) 07:47:51.12ID:MJg+Zv8i
「サメの歌」

...親しい叔父の危篤の電報が届いていた......
僕は海辺の村に向かっていた。かって叔父は僕の一族のホープ的存在だった。
週に一度、一族が集まって早朝会議をする。昨年亡くなった祖父は、
最後まで僕の父が座っている今の席に、叔父さんを座らせたがっていた。

昔の叔父は本当に厳しかった。今の姿からは、想像も出来ないくらい情熱的でエネルギッシュな人だった。
「なんだ宏! この成績は?! お前が会社に出る時は、英字新聞くらい読めなきゃビジネスが出来なく
なっているんだ!! 国際化社会、情報化社会の波は、もうそこまで来ているんだぞ! お前は、俺達が、
世界中を相手に血の汗と涙で勝ち取って来た北条一族の財産を食い潰すつもりか!!!」

「叔父さん! 金が全てではないと思う! 僕は英語や経済なんか興味ないんだ!! 小説や詩を読んだり、
音楽を聴いたりすることが性分に合っているんだ!!!」「この馬鹿者!!!」と思い切り殴られた!!! 

「そんなこと言ってられるのは今のうちだけだ! 金だ! 金が全てなんだ!! 好き嫌いじゃなく、
そういう時代なんだ!! 馬鹿者!!!」…実際、叔父の世界経済に対する洞察力、動向予測は確かに凄いものがあった。
海外に出向いてたそんな叔父が、変わったのは、アフリカに行くようになってからだった.........

…叔父の入院する病院に着いた… 医師から癌が末期で全身に転移していることを聞かされた。
叔父の病室に行くと、「よく来たな。もう駄目なのか…」「いえ、そんなこと…」「言わんでも、分かっておる。
俺はあとどのくらいだ…」「叔父様、一つ聞きたいことがあるんです。アフリカで何があったんですか?!」

「...石油の埋蔵量が、あと30年分しかないなんて、嘘を俺は見抜いていた。石油パニックなんて、
でっち上げられたものだ。次に多国籍企業が作り出すパニックは鉱物だと、思っていた俺はアフリカに視察に行った。
工場誘致の仕事もあった…」「はい、知っています。年に何回か、行かれていたことも知っています」
「サバンナで子供に会った。俺の子供だった…」「え!」「数年前に訪れた時、ロッジで働いていたメイドとの間に出来た俺の子供だ。

確かに、あの頃は俺も有頂天だった。やることなすこと俺の予想通りに上手くいっていた。俺は、アフリカという未開の土地に
文明の光を当てようと努力した。飢えと病気に苦しむこの土地に豊かさをもたらそうとした。物質的に豊かになることが、
彼らの幸せだと考えていた。そもそもその考えが、間違っていたのだ。実に短絡的な考えだった。俺達は先進国の
傲慢さからくる豊かさの押し売りをしているに過ぎなかったのだ。開発と言う名の侵略を… そんな折、俺はロッジで

働いていたメイドと深い中になった。数年後、再び訪れた時、その女が亡くなったことを知る。死因はお産だった。
その時に生まれたのが俺の息子だ。子供は生きていた。アフリカの大地に根付いたようにしっかりと立っていた。
俺は日本に行こうと誘った。お前には俺の血が流れている。日本は飢えも病気もない豊かな生活が待っているぞと伝えた。
息子は「僕は嫌だ! この土地で生まれたんだから、ここで生きていく…」と言い放った。

それから俺は日本に帰り、この浜で暮らし始めた。日本人は国際的になったと言っても、まだまだ他の国との
関わり合った歴史が浅いだけに、外国人との付き合い方が下手なんだ。世界の国々で価値の物差しはそれぞれ
違うことを知った時、俺は今までの自分を恥じた。金が全ての時代に、俺はマネーゲームから降りた。

宏、俺の家に帰ったら、俺の机の一番下の引き出しを開けてみろ… この十年間の経済動向を
まとめ上げた資料が入っている。それをお前にやる。うまく使っていけ… これからの北条家を
背負っていくのはお前しかいない… もう一度、海が見られるのかなぁ〜 ワハハハ…」

その一週間後、叔父はこの世を去った... もう一度、海を見ることもなく...
 …胸の内を思い切り吐き出して55歳という短い生涯を終えた.........
0216ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/01(水) 11:00:46.09ID:MJg+Zv8i
>>215
6行目「お前が、社会に出て会社に勤める頃は、英字新聞・・・」に訂正
0217ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/01(水) 14:45:09.34ID:MJg+Zv8i
>>215
1行目「...親しい叔父が癌で入院したことを知る......」に訂正
0218ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/01(水) 14:54:37.82ID:MJg+Zv8i
>>215
2行目「僕は海辺の町に向かっていた。」に訂正
0219ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/01(水) 15:25:42.79ID:MJg+Zv8i
>>215
下から8行目「差し伸べた手を、息子に見事にはじき返されて " 目が覚めた! "
それから俺は日本に帰り、この浜で暮らし始めた。」に訂正
0220ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/02(木) 07:40:35.25ID:+Er3a4dQ
「女なんてものに」

あいつが亡くなった...。
昔からの飲み仲間で、二人でよく飲み歩いていた...
酒の席で、あいつとは、いつも言い争っていた。何かに付け、女はと言う
あいつに、いつも腹立てて言い争っていた。

そんなあいつが昨日、亡くなった知らせをあいつの友人が聞かされた。
あまりにも " 突然 " の知らせだった...
あいつとは、大喧嘩して以来、暫くは会っていなかった。

交通事故死だという。バイクで走行中、対向車と衝突! 
…衝突事故…で帰らぬ人となった...

享年38歳。あいつはバイク歴22年のベテランだったが、危機回避を
行うには、あまりにもスピードを出し過ぎていたと言う......
バイクは、車と違い身を守るものが極端に少ない為、
衝突による転倒で簡単に命を失う...

...あいつと大喧嘩する前、よく飲み歩いていた頃を思い出す......
カランと音を立てて、グラスの氷が崩れる。
ハイボールを喉に流し込むあいつ。

さっきまで、饒舌に話していたあいつも、話題に尽きたようで、
「つまり、またフラれたんだなぁ…」
「はっきりと言わないで! まぁ、そうなんだけどさ…」

そういうことだった。随分と長く腐れ縁のあいつに、やけ酒を付き合ってもらっていた。
「あんたには、わからないけどさ…」「うるせーよ! だから女と飲むの嫌いなんだよな…
野郎と飲んでいる方が楽しいんだよ! 所詮、女なんてものは・・・」と、あいつは
言いかけて止める。

「何よ! 女がどうだって?! 何で、そこでやめるのよ! 言いたいこと、あるなら言いなよ」と私。
「女は打算的。打算的な心の働きを、恋愛感情と錯覚しているだけ…」と言うあいつに対して
 私は「は?!、そうかなぁ〜」とつれない返事で返す。

すかさずあいつは「それと、女心と秋の空。男からしたら、女心は秋の空らしいけどな…」
「なに、それ…」何だかあいつの話し方が面白くて、つい笑ってしまった。
お酒に酔っているのだろうかとぼんやり考えていた。

「おっ? やっと笑ってくれたな。やっぱり、お前は、笑っているのがいいよ!
ショボくれているとらしくないぜ!」とケラケラ笑いながら言うあいつ。

「別に、ずっと笑ってないわけじゃないからね。フラれてから三日間でも、
笑うことあったし…」と私。「俺は見てねぇんだよ! お前、独りで悩んで毎日、泣いて
メソメソしているんじゃねーのか、どうなんだよ?!」とあいつが誇った顔をして言う。
「あれっ?!、心配してくれてるの? 嬉しいねぇ〜」と言い返す私。

「ハイハイ、絡んでないで、不満なり、愚痴なり、ぶちまけなって、俺が聞き流してやるからよ…」と、
あいつが偉そうな口ぶりで言う。「そこは受け止めてほしかったな… そんなこと言うから、あんた!
モテないんだよ!」と怒っていう私に、あいつは「余計なお世話だっつーの!」

         ーーーーーーーーー もう、そんなあいつは帰ってはこない.........
0221ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/02(木) 07:40:36.02ID:+Er3a4dQ
「女なんてものに」

あいつが亡くなった...。
昔からの飲み仲間で、二人でよく飲み歩いていた...
酒の席で、あいつとは、いつも言い争っていた。何かに付け、女はと言う
あいつに、いつも腹立てて言い争っていた。

そんなあいつが昨日、亡くなった知らせをあいつの友人が聞かされた。
あまりにも " 突然 " の知らせだった...
あいつとは、大喧嘩して以来、暫くは会っていなかった。

交通事故死だという。バイクで走行中、対向車と衝突! 
…衝突事故…で帰らぬ人となった...

享年38歳。あいつはバイク歴22年のベテランだったが、危機回避を
行うには、あまりにもスピードを出し過ぎていたと言う......
バイクは、車と違い身を守るものが極端に少ない為、
衝突による転倒で簡単に命を失う...

...あいつと大喧嘩する前、よく飲み歩いていた頃を思い出す......
カランと音を立てて、グラスの氷が崩れる。
ハイボールを喉に流し込むあいつ。

さっきまで、饒舌に話していたあいつも、話題に尽きたようで、
「つまり、またフラれたんだなぁ…」
「はっきりと言わないで! まぁ、そうなんだけどさ…」

そういうことだった。随分と長く腐れ縁のあいつに、やけ酒を付き合ってもらっていた。
「あんたには、わからないけどさ…」「うるせーよ! だから女と飲むの嫌いなんだよな…
野郎と飲んでいる方が楽しいんだよ! 所詮、女なんてものは・・・」と、あいつは
言いかけて止める。

「何よ! 女がどうだって?! 何で、そこでやめるのよ! 言いたいこと、あるなら言いなよ」と私。
「女は打算的。打算的な心の働きを、恋愛感情と錯覚しているだけ…」と言うあいつに対して
 私は「は?!、そうかなぁ〜」とつれない返事で返す。

すかさずあいつは「それと、女心と秋の空。男からしたら、女心は秋の空らしいけどな…」
「なに、それ…」何だかあいつの話し方が面白くて、つい笑ってしまった。
お酒に酔っているのだろうかとぼんやり考えていた。

「おっ? やっと笑ってくれたな。やっぱり、お前は、笑っているのがいいよ!
ショボくれているとらしくないぜ!」とケラケラ笑いながら言うあいつ。

「別に、ずっと笑ってないわけじゃないからね。フラれてから三日間でも、
笑うことあったし…」と私。「俺は見てねぇんだよ! お前、独りで悩んで毎日、泣いて
メソメソしているんじゃねーのか、どうなんだよ?!」とあいつが誇った顔をして言う。
「あれっ?!、心配してくれてるの? 嬉しいねぇ〜」と言い返す私。

「ハイハイ、絡んでないで、不満なり、愚痴なり、ぶちまけなって、俺が聞き流してやるからよ…」と、
あいつが偉そうな口ぶりで言う。「そこは受け止めてほしかったな… そんなこと言うから、あんた!
モテないんだよ!」と怒っていう私に、あいつは「余計なお世話だっつーの!」

         ーーーーーーーーー もう、そんなあいつは帰ってはこない.........
0222ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/03(金) 07:17:44.55ID:1JVQbent
「あぶな坂」

『那智の滝の山林で死体発見という記事に目が留まる!』…死後七年、和歌山県警は
殺人事件として被害者の身元割り出しに全力をあげるという… 記事を読んだ俺は、
紀伊勝浦駅まで来ていた。「いや、万が一と言うこともある。バスはやめておこう」

タクシーを止める。「那智の滝まで行ってくれ!」…タクシーの中で回想していた…
…俺に社長の娘の縁談が持ち上がった。その時、俺には付き合っていた女がいた。
「まあ、飲みなさい」「は、はい!」「さっきの話だが、どうだろうか、君さえよければ、

娘のこと考えてみてはくれまいか、君のような優秀な人物が、我が家の一員に加わってくれるなら、
私としても非常に心強いんだが…」「はあ、それは、もう… はい!」…社長の娘と結婚する。
こんな約束されたパスポートはない。野心家だった俺は、二人の女を天秤にかけた…

「照子、旅行に行こうか、どこがいい?!」「う〜ん、そや! 勝浦温泉がいいな!」「勝浦?! 南紀ま那智勝浦か、」
「うん、子供ながらに決めていたんや! うちも大きいなって新婚旅行に行く時は勝浦や、絶対に勝浦に行くんや!ってね。
それが夢やったんや!」…その後、俺は社長の娘と結婚。子供が出来て七年が経つ… 照子の死体は確か、あすこに
埋めたはずだが、一体、どうして発見されたんだろう.........

那智の滝の現場から、待たせてあったタクシーに戻る。「いゃあ、待たせたね!」「あれっ、お客さん。ひょっとしたら、
七年前、ふもとの大社口からバスに乗らんかったかね」「え!」「ほら、あの雨の日、私よく覚えているんですよ。
あの日が、私のバスの運転生活最後の日でね。つまり、あなたが私の最後のお客でね」「いや、何かの間違いでは…」
「あれっ、覚えていませんか、私はちゃんと覚えていますよ。あなた、あのバスに忘れ物しはったでしよう。

写真ですよ写真。私こんな商売ですからね。お客さんの忘れ物は、ちゃんと保管しとくんですよ」
…しまったあの時の写真、ポケットから滑り落ちたんだ…「まあ、バック類とか、身元の分かるものは
すぐ送り届けるんですが…」「その写真は、今どこに?!」「私の自宅にあります。ここから近いから
行きますか?! やっぱり大切なものだったんでしょう。あの写真とっておいて、本当に良かったなぁ〜」

言われるままに運転手の自宅まで行き「これですよ、これ!」と、見せてもらうと照子と一緒の写真だった。
車の中で「その人、奥さんですか?!」「いや…」 …そうだ! ビクビクする必要はない… 

「ところで運転手さん、最近、那智大滝の滝壺の近くで白骨体が発見されたそうですね」「ええ、ひと月ほど前にね、
身元不明らしいですね。近頃は、化学が発達して骨格や骨相からある程度復顔出来るらしいですよ」… 復顔 !? …
「我々の商売や旅館などは、復顔写真が回ってきますよ。こんな顔見たことないかってね」

…な、何だと、そんな馬鹿な!…「ちよっと、止めてくれ! トイレだ!」…あの男は覚えている。照子の写真を
持っていたんだ! 咄嗟に外で拾った大きな石でタクシーに戻り、運転手を殴りつける。運転手がハンドルに倒れ、
…警報音が鳴り響く… その音に慌てて逃げ出すが、近くを通ったパトカーに「どうしました?! 止まりなさい!」

捕まり、警察署で「照子殺しがバレるのを恐れて運転手を殴りつけたというわけか、それで、那智の滝のどこに埋めたんだ!
お前は先月発見された白骨体が、照子だと勝手に勘違いしたが、あれは男のホトケだ。どうやら藪を突いて蛇を出したようだな、
そして運転手は、今、息を引き取ったそうだ。お前は二人殺したことになる。お前もドジなことしたな」「刑事さん、家に

電話させてください!」…「はい、橘でございます…」「私だ…」「あら、あなた、二日も無断で家を空けて、
どういうつもりなの。今、どこにいるのよ!」「今、急用が出来て、和歌山に居る。ところで、まみはいるか?
いたら電話に出してくれ…」「まみ、パパからよ〜 早くしなさい!」「もう、めんどくちゃいなぁ〜 もちもち…」

「まみ、まみ聞こえるか?! ...パパだよ…」「うん! パパいちゅ、かえってくるの? パパ、きこえてるの?!…」
「...パパはね、...遠い所へ行くんだ! ずっと遠い外国に… しばらくは帰ってこれないんだ! ママの言うことを
聞いて、いい子にしているんだよ… いいね!」「うん! おみあげかってきてね! じゃあね、パパ…」

…受話器を持ったまま、遠くに聞こえる娘の声…    ー「ママ、パパ、げんきだって!」ー
0223ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/03(金) 07:25:04.63ID:1JVQbent
>>222
10行目「勝浦?! 南紀の那須勝浦か、」に訂正
0224ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/03(金) 16:35:06.34ID:1JVQbent
>>222
末尾 ―「ママー!、パパげんきだって!」― に訂正
0225ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/04(土) 08:35:45.03ID:snlj+2y4
「ふらふら」

「いらっしゃいませー!…」
...店内は客ではち切れんばかり...
「何名様ですか?…」「はい5名様…」

「はい、こちら、ご注文の焼き鳥になりやぁす!…」など、
 …活気のある店員の声が飛び交っている…

「ごめぇん! 遅くなっちゃったわ! めっちゃクチャ良い匂いっ!」
「先にやっているよ」「○○さん!… こっち、こっち!…」など、
   …店内は賑やかな声が飛び交っている…

「こちら、4名様ね!… こちらへどうぞ!」と案内され席に着く。
早速、メニューを開き、お目当てのページをしばしば眺める。

「好きなの頼んでね。決まったら、どんどん注文してね!」
「いいの?! 悪いね。お言葉に甘えて… 何、頼もうかなぁ〜」
それにしても、ここは実に賑やかな居酒屋だ。みんなそれぞれに注文が決まったようだ。

声量は無いが、間の取り方が上手かったのか、タイミングよく店員を捕まえることが出来た!
私は、サイドメニューを二、三品手早く注文! そしてとりあえず、みんなで乾杯!

 … ワイワイ、ガヤガヤ、わはははは … 何時間経ったのか......
お酒もいつの間にか、ビール、ハイボール、日本酒、ワイン、そしてカクテルになっていた...
「もう、こんな時間、俺、女房がうるさいから帰るよ! 御馳走様!」「またねー」

「まだ飲むのか?!」「私は、まだ飲むよん!…」「俺も、明日、仕事早いから、ごちそうさまね!」
「また明日…」「じゃあ、俺も、そろそろ帰るとしようか… 今日は、本当に、御馳走様でした… 
じゃあ、また明日!」「またね!…」 

      ...おごり目当ての取り巻きもずらかって......
...もう、何時間飲んだのか...既に、時間を忘れて酔いが回っていた.........
      
   ... ... ... ... ... ... ... ... ...

「おい! あそこに座って飲んでいる女、この前、○○が連れていた女じゃないの?!」
「そう言えば... そうだな…」
0226ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/05(日) 07:29:52.54ID:mBiC6whm
「ふたり」

「脱走した内藤が後藤組に逃げ込むわけがねぇ! 
逃げ込めば、口封じに消されることくらいわかっているはずだ…
とすれば、奴は単独で身を潜めているに違いねぇ…

だが、ここまで見つからないと言う事は、既に始末されているのか、あるいは、
既に、外国に高飛びしているのか… だとしたら俺は、何の為にあの女を
マークしているのか... いや、生きているなら、きっと、ここに来る…
女の所に...」

そう呟きながら刑事の阿部はトイレから出る。マークしていた女がいたカフェの
店内に戻ると、「しまった!、 ここにいた女は?!」と店員に聞くと、
「ついさっき、男の人と出て行きましたよ…」 … " くそっ! 内藤だ! " …

「今、非常線を張れば、必ず捕まえることが出来る。そんなに遠くには行っていないはずだ…」

*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***

...二日後、内藤と女は死体となって発見された......
現場は、裏通りの静かな場所だった。 十メートル幅のドブ川に倒れていた。
銃で撃ち抜かれ即死だった.........

「内藤の野郎! とうとう口を割らないまま死にやがって...」
「阿部さん、内藤と女は、ここで殺される前、教会で二人だけの挙式をあげたらしいです。
教会の神父さんに聞いたところによると、奴は足を洗って堅気になることを
神の前で誓ったそうです…」

「そうか、奴もまともな人間になろうとしていたんだな...」

 ...その後、事件現場に花が供えられていた......

――― あの世で『ふたりは』幸せに暮らしていることでしょう......
            と言うナレーションが流れる.........

*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***

緞帳が下がり、客席からカーテンコールが沸き起こった。
「どうだった…」
「この世では、幸せになれなかったのね… 可愛そうだわ...」
「...そうだね。 でも、最後は幸せだったんじゃないかな…」
0227ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/05(日) 07:37:03.80ID:mBiC6whm
>>226
「ふたりは」タイトル修正
0228ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/06(月) 07:21:53.43ID:4W2Tivj4
「麦の唄」

…なだらかに流れゆく丘陵に沿って…
...陽に微睡む麦の穂が淡く豊かに実を結び...
…風が金色になびくさざ波を立て揺れる………

……見渡す限り、麦の穂の波……  ……地平線まで広がる……

......なだらかな丘陵地帯......... 
...あたり一面、巨大な黄金色の波が風にあおられ......
 …横一列に手を繋いで走っていく…… …… ……

...このまま晴天が続けば、明日にでも、収穫できるだろう......
…麦の出来栄えに手ごたえを感じ、昼食をとるためにトラックに戻っていく…

すると、そこに、俺のトラックの裏にもう一台トラックが止まっていた。
おじさんは俺に気づいたのか、降車して声をかけてきた。

「おーい! 遠藤さーん! 小麦さ、良いあんべで、できょるね。
うちのジャガイモは、いるか?!…」

「いつも、ありがとうございます。今年は、いい出来ですよ!
あっ、小麦、持って行きます?!…」俺は、いたずらポイ笑みを浮かべで言った!

それに対して、おじさんは苦笑いし、顔の前で手を振った。
「なんも、いらんて、小麦さ、そのまま貰っても小麦粉に変えられんて、その代わり、
週末… いつもの頼むな…」

「了解です!」そう答えるとおじさんは満足気にうなずき、「またな…」と言って
トラックによじ登り、独特のエンジン音と共に立ち去って行った。

『おっと、俺も帰ろう』とトラックに乗ろうとした時、「帰ってきちゃった!」
なんとそこに立っていたのは、田舎暮らしが嫌で都会に出て行った亜紀だった。
  ...「帰って来たか! …」 ...「うん!」
0229ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/07(火) 08:42:57.36ID:e3eAmu8b
「怜子」

「美恵子お帰り…」「ねぇ、どうだった?! こっちと違って、色んなこと
あったんでしょ… 東京じゃ!?」「同じよ! 何処で暮らそうと一年は一年、
そんなに変わったことなんてないわよ…」「それで、どうしたの? 毎日ちゃんと
仕事しているの?」

「当たり前じゃない! 私の勤めるマック青山店なんか、毎日、有名人が来るんだよ。
別に、○○だからって、特別扱いはしないわよ。私たちにとっちゃ、ただのお客。
一介のタレントにすぎないのよ…」「で、誘われたの?… ええっ!? 本当なの!?」
「嘘ォ!?…」「凄ーい…!」「で、デートをOKしたの…?!」

「断ったわよ!… 趣味じゃないもん!」「ええっ!… やだぁ、もったいない!
どうして…?!」「じゃあ、その話は、それで終わっちゃうの?!… つまんないなぁ〜」

私は年に一度、東京での見栄の作り話を女友達数人に、喋る為に、ここ(田舎)に帰って来る。
...まるで、自分の一年の出来事を話すように......

東京での自分を語れば、あまりにも惨めになる...
…ファーストフード店のキッチンで、毎日が同じことの繰り返し…
何一つ、変わったことなんて起こらない。

「じゃあ、明日、迎えに行くね!」
「今年は、私の彼の車あるから、大丈夫よ。(* ̄▽ ̄)フフフッ♪」

「怜子、恋人が出来たの!?…」
「へへへ... 笑わないでね。 ダッサイ男なんだ! てへへ…」
「笑わないわよ! …誰?!…」

怜子の代わりにめぐみが、
「ほら、美沙も知ってるでしょ! シ・ン・ゴ… !!、 ねぇ、怜子!」

- " 慎吾!? " - ... " あの慎吾 " ...

...「じゃあ、明日ね!…」と彼女三人と別れる.........
0230ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/07(火) 09:08:46.85ID:e3eAmu8b
>>229
末尾
彼女三人  ×
彼女ら三人 〇
0231ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/08(水) 08:31:24.88ID:T9OyZszS
「背広の下のロックンロール」前編

【あなたは何によって人を評価しますか?! 美しさですか? 職業ですか?
血筋ですか? 貴方には優しい言葉をかけてくれる人がいますか? ...】

「あ!、あれっ…?!」 …いけない電車を間違えちゃった…
『うん、もう… 電車が行っちゃった... 何やってんの… 私ときたら…』
女性誌「女の自立」に夢中になりすぎて間違えちゃった。

駅員に「すみません! 次の下りは何時ですか?!…」「30分後です。それが、
終電になりますので乗り遅れないでください!」「は、はい!」プラットフォームの
ベンチに腰掛け、再び女性誌の続きを見ていると、背中合わせに " ドン! " と中年の
酔っぱらったサラリーマンが腰かけた。

「ヒック、ヒック…」…頭来るなぁ、ベタついて乱れた髪、首が締まらなくなったワイシャツ、
二重結びのネクタイ… 多分、ツータックのズボンなんか、一本も持っていないに違いないと
思っていたら、 " ゲーッ、ゲーッ… " と吐いている…   - " もう最低! " -

次の日の休みの日、同僚が入院している病院にお見舞いに行って「そして最後に " ゲーッ…!" って吐いてるのよ。
あんな男と一緒にいる奥さんて、どんな気持ちで生活しているんだろうね。きっと、海外旅行なんて、新婚旅行の時だけよ。
それも多分、ハワイ…」「ごめんね恭子。私の仕事まで押し付けられて、疲れていない。そんな途中の駅で突然、

降りちゃったなんて…」「そんなこと気にしないで、早く良くなってよ。そろそろ冬のボーナスよ。冬休みの海外旅行の
プラン立てなきゃね! これどうかな…」「カナダでスキーかあ、私たちの旅行も来るとこまで来たって感じね…」
「六年前、セブ島、スキューバダイビングツアーから始まってアメリカ、ヨーロッパに、今年のオーストラリア… よく回ったわよね…」
「そうねぇ、私たち貯金ないの当然ね…」「そうね、ハハハ…」「アハハハ… じゃあ、また来週来るね! バーイ…」
0232ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/08(水) 09:19:04.12ID:T9OyZszS
「背広の下のロックンロール」後編

翌日会社に行くと、入院している彼女に代わり新人が配置転換になっていた。
知らなかった。一流企業の社員て何があっても保証されると思っていたけど、
うちの会社、三か月入院すると、どんな配置転換されても文句言えないんだ。

それに半年以上になると、給料までカットされるなんて初めて知った。
同僚の男性社員にそれを言うと「そんなことも知らないの?!」「知ってた?!」
「もちろん! 当たり前だろ。こちらは君らと違って、家族と住宅ローンがある。
そんなノー天気で生きてない…」

そっか、入院している川島さんが駄目なら、川島さんの代わりに入ったこの子と一緒に
行っていいもん!と新人の子をさっそく誘う。「貴方、海外旅行、行くでしょ… 当然よね!」
「私、行きませんよ!」「あらっ、どうして…?!」「だって、OLの団体ツアーなんて、
農協のお上りさんと全く同じですから… 要するに、旅行会社と航空会社のカモでしょ…」

「え!、でも、素敵よ! 海外旅行って一生の思い出になるわ…」「自分の人生ですから、
自分の思い出は自分で演出します!」「そ、そんなこと言ったって、中々一人じゃ…」
「ガールズバンドやってるんです! 他の会社のOL達と、仕事が終わると毎日歌っているんです…」
「貴方、歌手になりたいわけ…?!」「いいえ、好きだからやっているんです。ただそれだけですよ…」

仕事が終わり、更衣室で着替えていると「アハハハハ… それはおかしいでしょ…」「でしょ… もう、
典型的な思い出作り症候群よ。いきなり海外旅行って素敵よ! 一生の思い出になるわだってさ… 
ワハハハ…」「プーッ…」「うちの課にもいるわよ! 言うこと全て例の女性誌【女の自立】の通りに
生きてるの…」「うちなんか、あの手の雑誌に出てくる店でしか食事しないのが…」

「全て、他人に決めてもらって喜んでいるんだもの…」「流行を人に決めてもらって、もう電車の行き帰りに
必死で、目を皿のようにして読んでいるんじゃないの… アハハハハ…」「キャハハハハハハ…」

私が、すぐ裏のロッカーにいることも知らずに... 彼女らが帰った後、私もロッカーを後にする。
そして帰りの駅のプラットフォームの椅子に腰かける。  " ドン!" とまた例のくたびれたサラリーマンの姿が…

今日も酔っぱらっていた。ベトついた乱れた髪、首が締まらなくなったワイシャツ、二重結びのネクタイ…
そしてバーゲンで買った替えズボン付き背広… 家族の為に、生きているんだなぁ...

...生き方ってカタチ、スタイルじゃないのね......
0233ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/08(水) 13:44:09.03ID:T9OyZszS
>>232
末尾追加
…海外旅行に行かなくても、家族の思い出が、ぎっしり詰まっているんだろうな…
0234ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/09(木) 19:46:44.07ID:pxBWg+KB
「傾斜」

私の家の近所は坂道が多い。その中でも一際長く高い坂道があって、
上に着くと、更に階段がある。その階段を登ると、鉄棒と砂場と滑り台が
あるだけの小さな公園がある。そこがその坂道の頂上。

今私が居るところだ。街の風景を見渡せるこの場所は私のお気に入りの場所の一つだった。

春にはタンポポや桜が咲き、花の匂いに囲まれたこの坂道。
夏は暑くて大変だけど、今の季節は、ポカポカ暖かくて心地良くて風が髪を掠めていく…

傾斜10度はあるその坂道を、紫色の風呂敷包みを手に持った腰の曲がった
おばあちゃんが少しずつ少しずつ登っていた。苦しそうに草履を横滑りしながらも登っていた。
そしてやっと登り終えたおばあちゃんの姿を見て安心した。

そのおばあちゃんの顔を見て… 誰かに似ているなぁ〜 
「誰だろう?! … あっ! そうだ! 思い出した…!」
そういえば、うちの近所には、昔、近所でも仲が悪い嫁と姑一家が住んでいた。
 ...その姑さんに似ていたのだった......

気が強い姑さんとそれに負けない嫁さん。お互い文句をポンポン言い合う様な関係だった。
ある日、とうとう姑さんが病に倒れた。姑さんは「あんたの世話にはならんよ! あっちへ行け!!」

嫁さんは「ハイハイ、うるさいよ! 黙って、言う事を聞いてりゃいいんだよ!」と
嫁さんも負けじに言い合う。お互い譲らない。でも、そんな姑さんのことを
一番理解していたのは嫁さんだった。

近所の姑さんの仲間うちでは「全くきつい嫁だよ。あれじゃ○○さんが可哀想だ…」
そんな中、嫁さんは一生懸命に介護したんだけど、姑さんが亡くなった後、一通の手紙が出て来た。

「○○(嫁の夫=息子)へ、○○(嫁)を大事にするんだよ。私は多分、もう駄目だろうから、
あんまり働き過ぎないように言ってくれ、くれぐれも身体を大事にするようにな。
嫁とあんなに喧嘩出来たのは嬉しかったよ。あんなに出来た嫁を貰ったお前は幸せ者だよ。

○○(嫁)がお前を選んでくれたことは、私の育て方が間違っていなかった証拠だよ。
ババア孝行してくれた○○(嫁)へ、今まで本当にありがとう...」
その嫁さんは、私にその手紙を見せてくれながら、涙を滲ませて色々と語ってくれた。
 ――― 義母と嫁、同居五十年、親子以上の何かが生まれていた ーーー

...としをとるのはステキなことです そうじゃないですか......
0235ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/10(金) 09:44:42.05ID:ysxbAbEv
「バラ色の未来」

- " 目が覚めた! " -  …枕元の時計は4:30を指していた…

この世の全部が一日を始める前の準備をしているみたいな静けさ...
この一年、大学を卒業してから、色々あった...
社会の理不尽さ… 自分の無力さ… 周りとの空気感との違い...

知らない人たちとの複雑な関わりが、僕の頭の中をぐちゃぐちゃにかき回した。
器用に上手く立ち回れない自分に嫌気がさし、嫌いになる自分がいた。

...窓から見下ろす、4時半過ぎの外の景色場全てが青かった......
  …絵の具が滲んだみたいに街の風景も、空も薄っすらと青い…
窓を開けると、夜明け前の冷たい風が入ってくる...

東の空は段々と白く光り始めていた。もうすぐいつもの日常が戻って来る。

何気なく机の引き出しを開け、ごちゃごちゃになった
机の引き出しを整理していると、
――― 古い日記帳が奥から出て来た ー

『たとえ、未来が、どんな未来であろうと、しっかりと生きていく。もう迷いはない。
ただ輝かしい未来を信じて、そんな未来を進んでいこう… 失敗を恐れちゃいけない。
失敗を恐れるばかりで、怖がって進めなかった道も、いざ進んでみたら大丈夫だった。

自分に自信がないから、失敗するんだ! 弱い意志のままだと、いつまで経っても、
先へは進めない…  どうせ未来を目指して行くしかないのさ…』

…そこには自分を鼓舞し、未だ先の見えない…
   ー 不安を払拭しようとする自分、明るい未来を信じて生きてきた自分がいた ー
0236ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/10(金) 09:54:11.35ID:ysxbAbEv
テスト
0237ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/10(金) 09:54:36.39ID:ysxbAbEv
誤字修正が出来ない
0238ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/10(金) 10:03:08.92ID:ysxbAbEv
誤字訂正が出来ない。規制が入る? わからない(。´・ω・)?
0239ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/10(金) 10:05:51.64ID:ysxbAbEv
誤字の訂正がもう出来なくなった。こんなことってある?(。´・ω・)?
0240ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/10(金) 10:15:35.30ID:ysxbAbEv
7行目「外の景色は」に訂正
0241ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/10(金) 16:35:08.20ID:ysxbAbEv
てすと
0242ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/11(土) 07:09:06.11ID:qbBbrSNv
「空がある限り」

カスピ海に面するアゼルバイジャン。日本人にはあまりなじみがない国。
その首都バグ―は、国の東端の半島に位置する都市。かっては、シルクロードの
街として栄え、商人たちで賑わった旧市街は世界遺産にも登録されている。

ペルシャ語で風の街を意味し、 …今日も強い風が吹く… … …
バグ―はコーカサスのジョージア、アルメニアを含めた三か国の中でも最大の都市で、
大きな港町でもある。コーカサスの三か国の中で唯一のイスラム国でもある。

バグ―は、かって二重の城壁で囲まれた街だったが、今では12世紀末に造られた内壁だけが残る。
そんな旧市街は、イチェリ・シェヘルと呼ばれ歴史的にも貴重な見どころが集まっているため、
バグ―観光では外せない場所にもなっている。

この地域は古来、南はペルシャ、ゾロアスター教の遺跡が残り、西はギリシア、ローマ時代の
ビザンティンの影響を受けて来た。今では、石油と天然ガスが豊富で第二のドバイと言われ、
オイルマネーで潤うバグ―のシンボル、超近代的なフレームタワーが旧市街を見下ろすように
聳え立つ。夕暮れになると、ビルに炎が投影される。夜になると " これはまさに圧巻だ! " 

そんなバグ―を、夫がアゼルバイジャン人で日本人旅行者相手に観光ガイド、通訳をしている
女性と歩いていた。独立直前にソ連軍の介入があり、市民に犠牲者が出たと言う。
ソ連軍が放った銃弾の跡が王宮の壁に残っていた。

「アゼルバイジャンにはナゴルノ・カラバコフなど紛争が起きている地域があります。そのような
地域を訪れてしまうと紛争に巻き込まれてしまう可能性があるので注意してください」と言う。

とてもやんちゃな六歳半の息子がいると言う話もしてくれた。ここが好きだと言う。
この街が好きだと言う。そんな観光ガイドで通訳をしてくれている日本人女性の話を
聞きながら、夕暮れ近くなった街を歩いていた。

どんないきさつがあって、日本から遠く離れたこの地、アゼルバイジャンに来て
住むことになったのか、色々とその女性の人生が少し気になった...... 

 ...人には様々な事情があり、それぞれの人生ドラマがある.........
0243ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/12(日) 07:07:27.92ID:i4/XtpJB
「進化樹」

私は父が嫌いです。最低の人間だと思っています。この人を見ていると、いつも母の
ことを思い出してしまう。私はよく母に連れられて多摩川の土手をよく歩いた。
幼かった私は事情が良く分からなかったけど、母の悲しみは私に伝わった......

浮気はするわ… 家にお金は入れないわ… 好き勝手な生き方をしていた父が許せなかった。
そんな父を兄から頼まれて仕方なく預かった。仕事帰りに付き合っている彼と食事...
…私がこの年まで結婚しなかった原因に、もしかしたら父の存在があったのかもしれない…

「そろそろ帰るわ。時間だもの…」マンションに帰ると管理人さんと住人のママさん達が
「冗談じゃないわよ! 全く… だからさ、管理人さんから言ってよ!」「あ、若林さん!
お宅のお父さん、何とか、なりませんかね…」「え?!…」ママさんが「お宅のお父様、

このマンションの子供たちを捕まえては、やれ行儀が悪いだの、挨拶が出来ていないだの、
やたらとお説教をするんですのよ。お説教だけならいいんですけど、ほっぺをつねられて、
すっかり怯えてしまって…」「うちの子も言葉使いが、なってないって、頭を叩かれたと
言うんです…」「どうもすみません! 申し訳ございません…」と、住人のママさん達と
管理人さんに頭を下げた。

マンションの自宅に戻るなり、「お父さん! どういうつもりよ!!! 近所の子供たちに説教する資格が、
お父さんのどこにあるのよ!!」「何だそんなことか、どうせ自分達の躾の悪さを棚に上げてワシが、
怒った事ばかり責めとるんだろう。全く、親がそんな調子だから子供がダメになる…」

「お父さん! 何故、私が商業高校へ行ったか分かる…?!」「何だ、突然…!」「家に大学行くお金が
ないと思ったから、卒業してすぐ就職に有利な商業高校へ入ったのよ! 家はいつも貧乏たったでしょ。
何故、貧乏だったかは、お父さんが良く知っているわよね…」「…」「お父さんが家にお金を一銭も
入れないどころか、お母さんの働いたお金まで持ち出して、他に女を作って遊びまわっていたからよ!!

お母さんや私達を泣かせて、あなたは好き勝手に生きて来た。そのあなたが、どうして親の躾がなって
いないなんて、言えるわけよ!!」私は、早速、兄夫婦から預かった父を引き取ってもらおうと、
父を連れて兄夫婦の家に行くと、「ふざけんなよ!!!」という怒鳴り声が聞こえる。

「自分の息子はバカだから、どの会社にも受からず、家で惨めたらしくしていますって言ったのかよ!!」
「お父さんは、そんなこと言っていないわ! 息子の身体の調子が良くないと言っただけよ…」
暴れる息子を必死で兄夫婦が止めていた。「そんなわけねーだろ! 俺が遊ぶ金をサラ金から借りたこと
話したんだろ!」物凄い勢いで暴れている。息子の家庭内暴力だった。

父が私の手を掴み「危ないから、ほっときなさい。ああなると見境がつかん! いいからお前は帰りなさい…」
「お兄さんの家庭が、どうしてこんなことに…?!」「当たり前のことだ。子供を甘やかしたことと、子供は
親を見て育つ。特に男の子は、甘やかしてはならん!」

帰りの電車の中… 「ママーっ! きついよ!」と子供が言う。隣に座っていた父が「こらっ! きつかったら
立っていなさい! 君は、後から乗ったんだから、それくらいのことはわかるだろ…」とその子に言うと、
「どけよ! じじい!」と小さい足で父を蹴飛ばす!…「こらっ! まだわからんか!」と父が、その子の頭を

小突くと泣き出した。それを見たその子の母親が「何すんのよ!」父は「子供が可哀そうです。どんな立派な
教育を受けさせようと、この子はダメな人間になる。甘やかすことと、愛情は別です。はき違えてはいませんか?!」
…この人は父として、自分の人生を取り戻そうとしているのではないだろうかと、ふと、思った...

母や子供を愛して、生きてこなかったことを後悔しているのだと思った。父親としての役割をしてこなかった
自分に対して怒っているのだと思った。人に偉そうなこと言えるような完璧な人間なんていない。

こうやって生きていることが、生きるための術であり、学びなんだと言うことに気付いた。
人生、生きている間、常に学びなんだと… 生きること全てが、学びなんだと言うことを...

...人はなんて幼いのだろう 転ばなければわからない.........
0244ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/13(月) 08:38:31.22ID:5C1DuFxk
「雨...」

ザーザーーー ザーザーーーーーー

雨...  「雨か...」
…いつの間にか降っていた...
窓を開けた私の顔にも、雨粒が降り掛かって来る。
窓を閉めても、 …雨の流れる音がする…

よく見ると、遠くの空が光っている。 …あまりにも激しい雨音…
時折、遠くに聞こえる雷… - " ピカッ! " - … " ゴロゴロゴロ " ・・・ …

…雨が窓ガラスを強く打ちつける…  …殴りつけるような雨…

…凄まじい響きを立てて窓を打つ雨の響き、雨音…  …時間と共に、あんなに激しかった...
にわか雨の雨音が、いつしか心に染み入るように静かに降る小降りになっていた.........

机の引き出しを整理していると、机の引き出しの奥から、当時、大好きだった人との写真が出て来た。
そこには、 ...あの頃の二人の幸せそうな笑顔が映っていた.........

…あの日も雨だった...あの日の雨はこんな夕立のような激しい雨ではなく、小糠雨だった...
低い雲が垂れ込めて視界が茶色く煙り、しとしとと音もなく降り続ける細かな雨模様だった...

…あの頃の手が届きそうで届かなかった恋… ただ胸を締め付ける思いだけが残る...

「そう、騙したのは私… ずるい女だと思うでしょ。貴方には帰るところがあるけど… 
私にはないの…」「君が分からない! 何故なんだ…?!」「さようなら...」
「ちょ、ちよっと、まってくれ…!?」「ごめんなさい…」 ......

そうよ 騙したのは私 心こわれたのは貴方 どうせあなたも嘘つきな旅人と思ってたのよ
裏切られた思い出に いつか覚えた氷芝居 寂しがり屋の貴方には それが一番の仕打ちだった

生まれてはじめて会う人が 貴方ならよかったけれど 裏切られ過ぎて 私は今更、素顔になれない
こわれた心を抱えて貴方は優しい人に出逢う 幸せになってゆくなら 何にも言えやしないけど

今でも、雨が降ると時折、思い出す… あの雨の日の孤独な佇まいの貴方...
…私が壊して自然消滅した恋... もう一度、貴方に会いたい...

貴方がこんなに 愛しい… あの頃の貴方に… 冷たい雨、雨、雨、雨......
...私をあの頃に連れて戻って... ... ...
0245ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/14(火) 07:42:48.45ID:1PpTGC7b
「小さき負傷者たちの為に」

駐車場に住んでいた地域猫が、矢で刺さったような穴が開く怪我を負った状態で
見つかった。その駐車場は○○湾のすぐ近く、人気のない場所だが、猫好きの人達に
見守られて暮らしていた。そんな時、起きた事件だった。近くのお弁当屋さんから

怪我しているとの連絡が入り、駆け付けると、肩の内側に2センチ大ぐらいの深くて
丸い傷があった。早速、動物病院に連れて行くと獣医が「ほっておいたら前足切断か、
下手したら死んでいた」と言うほどの傷だった。傘の先で突かれたり、ボーガンの
矢で撃たれたような人為的な穴だと言われた。入院治療のかいもあり順調に回復した。

こういう動物虐待もそうだが、最近は我が子を虐待する親が増えていると言う。子供にとって
親は絶対的権力者である。祖父母が居た大家族と違い今は核家族、一人っ子が多い。一人っ子が
増えれば子供は両親の前で抗弁するのさえ難しい。ストレス社会の現代、どんな親も子供に当たる
毒親なる可能性は十分にある。ある関東に住む30歳の女性の幼い頃の辛い体験を聞かせてもらった。

『私が三歳くらいの頃だった。パパはママの再婚相手だった。私がジュースをこぼしたり、
きちんとフォークやスプーンが使えないとパパがビンタ。私の腕に煙草を押し当てた。
「ギャー!」って悲鳴を上げたらパパがケラケラ笑ってる。パパが「何で使えないの? 犬か? 
だったらこうやって喰え!」と髪の毛を引っ張って、お皿に顔を押し付けて食べさせられた。

ママは「笑える。ワンって言ってみな!」って髪の毛を引っ張って頬を抓る。痛くて怖くて
早くやめてほしくて「ワン!」と言ったら、「こいつ、ワンって言ったよ!」と笑う二人。
それから私の食事は床に置かれた。スプーンやフォークは渡されず、手づかみで食べようと
するとパパは怒る! パパは「お前は犬。口で食え…」髪の毛を引っ張られて、お皿に顔を

押し当てられた。顔の周りや服も汚れた。パパが「汚ねぇな、しかも臭せぇし…」って
私の髪を引っ張ってお風呂場に連れて行き、冷たい水のシャワーで私の髪を濡らした。
冷たくて「やめて!」って叫ぶと、「ギャーギャーうるせぇよ、汚い顔して泣きゃがって黙れ!」って
お風呂に私の顔を沈めた。苦しくてもがいて顔を上げ、泣き声を上げたら、また沈められた。

「お前は臭い。汚いんだよ。綺麗にしてやってんだよ。ありがたいと思えよ。クソが!…」
どのくらい経ったのか… 意識を失って、気が付くと親戚のおばさんの顔が目の前に…
あまりにも悲痛な幼い子供の叫びが響き渡り、ご近所の人が警察を呼んでくれた。

叔母が駆け付けてくれて、中々家に入れようとしない両親を振り切り、私を探し周り、
見つけて愕然としたと言う。その後、おばあちゃんのところに引き取られた。
その後、成人するまで育ててくれたおばあちゃんが、入院先で息を引き取る直前、

「パパとママを怨んじゃダメ。怨むなら、おばあちゃんを怨みなさい!…」と言った。
大好きなおばあちゃんを怨みたくない。悲しませたくない。ただそれだけの気持ちで
生きて来たと言う。戦後、高度経済成長と共に核家族化が急速に進展したと言われる。

都市化、核家族化によって、児童虐待の増加が深刻化しているとして2000年に児童虐待防止法が
制定される。どの家庭でも虐待は起こり得ると言う認識のもとに対策が行われ出したと言う。

幼児虐待は核家族が起こした問題点と言うよりは、大人になり切れない若い親の、
...親として子供を育てるという意識や自覚の欠如にあると思う......
   最大の問題点は、血の繋がった親子ほど幼い子の傷は深くなるところだ。
0246ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/15(水) 09:08:07.59ID:WTynmkr/
「C.Q.」

...僕はコンビニで働いて三年目になっていた......
いつも来る小さな男の子がいた。その子は生まれつき目が見えないらしく、
白い杖をつき母親と一緒に週に二、三度うちに来るお客さんだった...

ある日、その子が一人で入口の前に立っていた。入り口のドアが引くタイプの
ドアだったので、僕はドアを開けようとした。

その瞬間、同学年らしき悪ガキ二人が、「お前さ、目が見えねぇんだろ?! 
素直に、親帰ってくるまで、おとなしく留守番でもしてろよ。バカだなぁー」と、
そんなこと言っていた。

さすがの僕も、障害を持った人間に冷たくする人間は許せなかった。
この悪ガキどもに説教しようと、入り口に向かったその時、悪ガキの片方が
「ほら、先に入れよ。ドア開けといてやるからよ…」と言って、
その子の手をとり「何買いに来たんだ?!」と二人組の片方が尋ねると、

その子は「お母さんが、すごい熱を出しているんだ! だから水枕に入れる氷買いに来たの…」
「ああ、そっか、いいよ。俺が出しといてやる!」と言い、レジまで氷を持って来て
「これいくら?」と聞いてきたので「398円です」と言うと、「お前、あるか…?!」
「だいじょうぶ… ある。あるよ!…」と二人は小銭を確認しあっていた。

二人で小銭を出し合いテーブルの上に置き会計を済ますと、
「お前の、家どこ?!」「○○丁目の○○の隣…」「あっ、そこなら知ってる…」
二人の片方が氷を持ち、もう片方は、その子の手をとり手を繋いで帰っていった。

...僕はその可愛らしい姿の小さな子供たちの背中を見送った......
0247ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/16(木) 08:03:50.17ID:L5tSe6Zs
「涙-Made in tears-」

店の前には公園があり、夕方になると公園のベンチに
二十歳くらいの若い女性が座ってサンドイッチを食べていました。

お昼時なら若いOLが賑やかに談笑している光景をよく目にする。
そんな中、いつも夕方になると、同じ時間にベンチでサンドイッチを食べている
若い女性が気になっていました......

...ある小雨の日、多くの人が傘を持って通りすぎる中......
いつものようにベンチにいる女性を見かけると、その女性は泣いていました。

...サンドイッチの入った紙袋は小雨で濡れていた......
その若い女性から見ると、決して若くはない私は、思い切って声を掛けました。

「お嬢さん、サンドイッチが濡れますよ。どうしたんですか…?!」
話を聞くと、愛していた人を交通事故で亡くしたというのです。
葬式にも呼んでもらえなかったという女性...

私は慌てて、「素敵なお顔が台無しになりますよ…」と言いました。
するとその女性は、「貴方に私の何がわかるの… 何も知らないくせに...」

その女性のきつい言葉に私は、「わかりません! 僕には何もわかりません。でも、夕方、この公園で、
ここ二週間と今、お見かけしていた貴方は、素敵な人に見えたということだけは... そのことだけは、
無礼を承知で言わせてください! 人生とは、そういうものです。思うようにいかないのが人生...
泣かないでください... 時が解決します。いつか、笑って話せる日が来ますよ...」
 
0248ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/16(木) 12:48:04.93ID:L5tSe6Zs
「涙-Made in tears−」

…忘れようと心決めた… 
もう所詮、終わってしまった恋...

…近くで賑やかに燥ぐ子供たちの声が飛び交う… それを見守る親たちで賑わう公園があった。

その公園の近くの喫茶店にいた。…少し前まで、あれほど子供たちの歓声で賑やかだった公園…
子連れママたちがいなくなった公園。 …夕方になり、ひっそり静まりかえった公園...
そして見渡すと、その公園のすぐ傍を通る道の人通りがめっきり減った公園通り......

その公園通りにある見た目が派手なケバい喫茶店。まるで、あの頃の自分のようだった...
見栄え、体裁を繕うことに一生懸命だったあの頃の私… 見た目だけを取り繕って生きていた。
彼に合わせて頑張り、背伸びをして、できる女を演じていた。一度メッキが剥がれて
しまえば一気にボロが出る。そんな安っぽい女だった。

それを隠すために、高価な洋服に身を包み、バッグも高価なものを選び、
身に着けるアクセサリーも高価なもの靴も車も豪華な物にこだわっていた...

いくら豪華な物で身の回りを埋め尽くし、見た目を華やかにしても中身は高が知れてる。
そんな虚飾にまみれた世界で生きていた。「今頃、どこでどうしているのだろうか...」

私も彼も見栄を張り背伸びをしていた。外観を飾ることに精一杯で中身がなかった。
周りを意識して、見た目や、他人によく見られようとうわべの体裁ばかりを考えて
生きていた...

決して男運ば悪くはなかったと思う... あんないい人いなかった。
人間的には決して悪い人ではなかった。人が良くてお調子者。ただ心が軽かった。

この街も出会った頃は、さえない街だったのに、都市開発が進み、ここも一気に
綺麗なビルに変わった。彼と出会ったあの頃は、ちょうどバブル期の真っ只中で、
都市開発、都市再開発でビル建築ブームに沸いていた。

…猫も杓子も、世の中全体がバブルに浮かれる… そんな時代だった...
0249ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/17(金) 07:23:09.95ID:ANGF5Ila
「結婚」

公園でうちの子とたまたま遊んでいた男の子。
息子と同い年の六歳くらいの子だった。
...最初は、その光景を微笑ましく見ていたのですが......

その男の子は、じゃんけんをすれば自分が勝つまでうちの子に難癖付けてやり直し。
どうしても思い通りにならないと大泣き! 親は一緒にいましたが、この行動には
何も言いません! たまにこのようなトラブルになるのは理解出来ますが、
二時間近く遊んで、ずっとこんな調子でした。

「ぼくは、おまえと、けっこんするぞ!」と、うちの子が言うので、私はビックリ?!
驚いて、それは出来ないことなのよと私は論じた。
そしたら、幼い二人は、「どうして?! けっこんできないとおもうのさ…」と、
口を尖らせて言う!

私は、ふと、思い当たった! もしかしてお前! 「決闘と言いたいの… ?!」
幼い二人の男の子は、「そうだよ!!」と口をそろえ胸をそらして言う!

翌日、私はオフィスで、その話を職場の同僚でもある若いOL達みんなに話していた。
その場にいた年配の社員の一人が、「結婚と決闘かぁ〜 同じ場合もある…」と意味深な発言をした。
その話を聞いた周りのみんなは、し〜んとなってしまった......
私も話を途中でやめてしまった。

「みんな... しらけた… ?! …お呼びでない?! ...お呼びでないね、ね、、、
こりゃあ! また失礼しました!!… しらけ鳥… とんでゆく南の空へ… みじめ… みじめ…」と、
後ずさりしていく... いつものおちゃらけ原田さんに戻る姿に...

「何よ… ! あれっ… ?!」と若いOLの一人が指差し…  " みんなは大笑い! "
0250ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/18(土) 07:17:44.58ID:SBsqTlKZ
「忘れな草をもう一度」前編

僕がお寺の境内を竹ぼうきで掃除している時、女の子が立っていた。
「なんだ、おまえ…」と聞くと、その4歳くらいの女の子が「おかあさんが
なくなっちゃった…」と住職あての手紙を持って立っていた...

…それが彼女との最初の出会いだった… 当時の僕と二つ違いだった。当時、お寺の住職が
身寄りのない子供達を引き取って育てていると話題になりマスコミ関係が取材に来ていた。

「お忙しい所、長々とお邪魔しました。ありがとうございました」「いやいや、大げさに
書かないでくださいよ。困りますから、大したことしているわけじゃないですから。
いや、本当に当たり前のことをしているに過ぎないですから。ワハハハ…」

「いや、とんでもありません! いくら住職でも、身寄りのない子供達を引き取って
育てるなんて並大抵の事じゃ出来ません。このお助け寺の事を書かせてもらいます」
そう言って取材は終わり帰っていった。

僕が寺の廊下を雑巾がけしていると「馬鹿者! 何だ! その拭き方は! もっと命がけでやらんかい!
ここに来なければ所詮、野良犬のように果てる運命だったんだぞ! 何だぁ! その目は! もっと
素直にならんか! もっと素直に…!」今思えば、此処の子供達は、体のいい下働きだった。

その様子を覗いていた来たばっかしの女の子とその後、親しくなる。「おにいちゃん! これ…」
「だいじょうぶか、だいどころのさとうをぬすんだりして…」「だいじょうぶ、おしょうさん、
ケチだから、ほかのは、まいにちしらべるけど、さとうのりょうまでしらべないの…」

「うまい! ちず、おまえもなめてみろ…」「おいしい!」…僕らはいつもひもじかった…
あの頃は、甘いものと言えば砂糖くらいしかなかった。それは切ないほど甘く… 
雪のように白く… 口の中に入って、一瞬のうちに溶けていった...。

「おにいちゃん、どうしたの… このあざ?!」「おしょうさんにせっかんされたんだ…」
「...おにいちゃん! おおきくなったら、きっと、えらいひとになるよね…」
「え、どうして…?!」「そうなってほしいんだ! おにいちゃんなら、きっとなる。
そしたら、そのとき、ちずをおよめさんにしてね!」「うん!」…照れながら頷く…

...それから一年後、ちずは養女として、どこかへ貰われていった......
その後、他の仲間達も寺を巣立っていった。他の仲間達はどうなったかは知らなかった...
0251ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/18(土) 08:09:07.06ID:SBsqTlKZ
「忘れな草をもう一度」後編

その後、和尚さんは工場勤めしている俺の所によく訪ねて来ては金を無心して
いくようになった。俺は和尚に、お世話になったという気持ちが強くて自分でも
あきれるほど素直だった。それもしようがないと思った。

しかし、それにも限度と言うものがある。ある日、思い切って和尚に言った。
「和尚、もう縁を切りたいんです。自由にしてください。誰にも束縛されない生活がしたいんです」
「分かった。じゃあ、二百万、用意しろ。それですべてを清算しようじゃないか。
俺も忙しい。しょっちゅう、こんな端金集金しに、ここに来るわけにもいかんのだ…」

- " 二百万円! " -  当時の俺にとっては大金だった。すぐに用意できる金でもなかった。
今となっては何とか工面すれば何とかなったかもしれないが、当時の俺はいろんな手段、
方法を考えるほど頭が回らなかったと言うか、…当時の俺は破局を望んで銀行強盗を
思いついたのかもしれない… 犬畜生として終わることを望んでいたのかもしれない… 

そして、ついに銀行強盗をしてしまった。銀行員を脅し金を奪い即逃げたが、警察に通報され、
パトカーに追われ、近くのラーメン屋に逃げ込んだ。逃げ切れずに、此処のラーメン屋の店員の女を
人質に二階に立て籠っていた。「出てきなさい! 周りは既に包囲されている。これ以上、罪を

重ねるのはよしなさい!人質を解放して、すぐ出てきなさい! お前が刺したガードマンは、
幸い軽い怪我で済んだ。今出てくれば罪もそんなには重くはない。だから、すぐ出てきなさい!!」
「近づくな!! これ以上! 近づくと、この女を殺すぞ!!」

人質に取っているラーメン屋の店員の女が「出血が酷いわ! そのままじゃ死んでしまいます…」
「別にいいさ…」「強盗したんでしょ。お金持っているからわかるわ。どうして強盗なんかしたんですか…?!」
「過去の腐れ縁を切る為のお金が必要だった… そんなことより、何か、何か食い物はないか…?!」

「食べ物…?! 砂糖ならあります…」「…砂糖…?!」「私、幼い頃から、掌に砂糖をのせて舐めるのが
楽しみなんです。おかしいですか… ?! …それだけが生きる楽しみだった時を思い出すからです…」

「…?!…」…女が掌に砂糖をのせて俺に差し出した… - " 思い出した ! " - こ、これは、この光景は、
あの時の、あのお寺にいた頃のちず、この女は、まさか、あの時の ちず か、「お、お前…」
「もう一度、巡り合うことだってあるよ…」…ちずは俺の腕の痣に気付いたのだった...

…幼い頃の記憶が...「ちず、おにいちゃんのこと、わすれないよ!」「ちず、ぼくもだよ!」
「おにいちゃんと、もういちど、あえるひがあるよね!」「うん! ちず、なんねんさきになるか、
わからないけど、かならずあえるよ…」「…うん!」
0252ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/19(日) 07:59:53.15ID:HsJCVgAX
「店の名はライフ」

スタイルの良い若い店員が銀のお盆を抱えて、
「いらっしゃいませー」―――

「久しぶりに来たけど…」 …店内をぐるりと見回す…
此処もすっかり変わってしまったなぁ...

… でも店の名は変わってはいなかった …
...あの頃を思い出す.........

…店の名は『ライフ』自転車屋の隣… どんなに酔ってもたどり着けた...
最終電車を逃したと言ってはたむろしていた学生たち...

おかみさんが作るカレーは辛かったけど、…とても旨かった…
 …三階は屋根裏… そして行き止まりの二階でも繰り広げていた運命論、人生論...
抜け道は左にあった安梯子。…あの壁の階段は塗りこめてしまったんだなぁ…
そう、学生時代は、よくみんなで語り合っていた.........

当時、あんなに盛んだった学生運動は途中から過激になり、多くの死傷者を出す結果となり終焉を迎えた。
…終焉を迎え鎮火した学生運動...   ...あの頃の学生運動とは、何だったんだろう...

…その後の政治に無関心な世代だった僕らは...  …世相などには、全く関心が薄く…
何においても熱くなりきれずに、興が冷めた傍観者のように振る舞っていた...

人生論などと言う大げさなものではなく、友人のこととか、恋愛のこととか...
そんなたわいのない話題で、よく徹夜して語り合っていた...。

僕らは皆、恵まれた時代の子供達であることをよく知っていた...
飛びぬけた人生は望まないまでも、ほぼ自分たちの将来を想像することは出来た。

そして誰もが、決まり事の様な人生のレールと言う約束の中で生きていた。
その約束のもとに、僕らは全てを適度にこなして、大人になろうとしていた。

...現実はやはり、想像していた通りのものだった......
全てはこの辺かなと言う適度な判断が出来た。僕らは落ちない為の人生のレールと言う
約束を果たしながら少しずつ歳を重ね、いつしか大人になっていった.........

…通りに面した窓際の席に座り... …過ぎ去った過去を… 懐かしんでいた...
...店内は雰囲気のある心地よいテナーサックスのスロージャズが流れていた...

...この前、久しぶりに学生時代の友人に会った......
「吉田、お前を久しぶりに見た時は、随分と変わっちまったなと思ったけど...
確かに、外見はすっかり変わっちまった。けどな、喋り方は昔から何も変わってはいないな、」

「平木、そんなこと言うお前も、見た目以外、昔のまんまだ! 話し方も、仕草も...
情けないほど、何一つ変わっちゃないな、ワハハハハ…」…そんな思いを巡らせていた...

スタイルの良い若い店員が銀のお盆を抱えて、目の前のテーブルの客に
ー「いらっしゃいませ…」ーーー
0253ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/20(月) 07:38:31.46ID:sM2v4kND
「LADY JANE」

渋谷や新宿と言った中心部から程よく近く、80年代頃からライブハウスや小劇場が、
点在するようになった下北沢。アパレルショップや雑貨店、飲食店などが密集しており、
その不思議な街並みに引き寄せられるように、近年は外国人観光客の姿も多くみられる。

そんなエリアに老舗のジャズバーがある。日々ライブが行われており、生のジャズ
演奏を聴きながらお酒が楽しめる。この店には、亡くなった松田優作さんが常連
だったことはよく知られており、キープしていたと言われるボトルがある。
現在も多くのミュージシャンや、演劇、映画関係者に愛されている。

店内に入ると天井には古き良き時代の映画ポスターが所狭しとひしめき合っている。
壁にはジャズミュージシャンたちの写真が飾られ、カウンター席とテーブル席のある
落ち着いた店内。カウンターの脇にはレコードプレーヤー、その奥の棚には、
古いジャズのレコードが所狭しと並んでいる。

「僕にとってジャズは戦いの音楽。生きる為の心の武器だった。だから、
イーストコーストジャズ、つまり、ブラックジャズしか聴かなかったですね。
映画も映画好きと言うよりも、映画館好きだったんです」とオーナーは言う。

オーナーは大学進学後、演劇部の門を叩き、1960年代のアングラ演劇に魅了される。
そして自らも小劇団を主催。「バイトをしては演劇につぎ込む日々だったが、30歳を
迎えるにあたり、定期収入を得るために、ここにジャズバーをオープンした」と言う。

「ジャズのライブは実験に勝るものは無い思っているから、和楽器奏者や
クラシック奏者など、垣根を越えて色々やって来た」と言う。

「時にはリズム隊なしの編成でジャズをやったり、今では普通の事になっていますけど、
当時はミュージシャンやお客さんに文句を言われることもありましたね」とオーナー。

…間接照明の柔らかな光の中で… グラスを傾け店内に流れるジャズを楽しむ客…
…心地よいジャズが流れている... …絶妙な配置の照明が客を照らす...

ホワイトラムで仕込んだ自家製の梅酒をお湯割りで頂いた。
…湯気と共にラムの香りがふんわりと漂う......
店の雰囲気と酒を楽しみながら、ライブが始まるのを静かに待っことにした。

     老舗ゆえに、様々なエピソードがある「LADY JANE」
0254ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/20(月) 07:42:52.87ID:sM2v4kND
>>253
下から2行目「待つことにした。」に訂正
0255ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/21(火) 07:41:13.42ID:DG5wyBk0
「一夜草」

ある夜、男が愛する女の家を訪ねて彼女の部屋の窓の下に立つ。
プロポーズの為の歌を届ける為だ。低く伸びやかな歌声に気付いた女が、
窓を開けて姿を現した。短いが情熱にあふれたセレナーデ...

最後の一節を歌い終えた男が、もう一度、…同じ歌を繰り返す…
女が一緒に歌い始めれば、それはプロポーズを受ける証。
しかし、歌声は重なることはなく、その代わりに一枚のハンカチがひらひらと舞った…

身に着けている物を投げてよこす… それは拒絶の証。
「私はあなたに、愛される資格なんてないわ!」そう言った女は、
窓辺に寄りかかるように泣き崩れてしまった。

「どうして?! 僕は、こんなにも君を愛している。君はとても、魅力的で愛に満ちあふれた女性だ!」
資格がないなんて言わないで、どうか僕と結婚してくれないか…?!」と部屋の明かりに
向かって膝まづく、祈るような言葉にも、ただ女は頭を振るだけ…
「いいえ、あなたは決して私と結ばれてはいけないのよ…!」

「そんなことはないさ! 君となら僕は、どんな困難状況にも打ち勝つて見せる。
君の望みも叶えて見せる。きっと幸せな家庭を築いていける。一体、僕たちの間に、
どんな障害があると言うんだ?!…」

国内各地で野外イベントが開かれる英国の短い夏。シェイクスピアの時代から
人々に親しまれてきたというオープン・エア・シアターという野外劇場は、気軽に
触れられる芸術のイベントの一つとして人気が高い。

これはロミオとジュリエットの現代版なんだろうなぁ〜と思って夜風に吹かれながら観ていた。
英国の夏と言っても日中に比べ、まだ肌寒い… 防寒具の用意は必要だったなぁ〜と少しは後悔した。
緑豊かに生い茂る美しい樹々に囲まれたロイヤル・パークにオープンしたロンドン最大級の野外劇場。
そんな帰り際、通路脇に健気に咲いていたスミレが劇場の照明に照らされ夜風に揺れていた...

日本では四月から五月頃が開花時期だろうか、まだ咲いていたことに驚く! 中には秋から開花する
ものもあるという。スミレの花言葉は謙虚・誠実・小さな幸せといいヨーロッパでは大変愛されている。
フランスの皇帝ナポレオンはニオイスミレが大好きでエルバ島に追放された時、「スミレが咲く頃には
戻ってくる」と部下の兵士に言い残したという。

オーストリア・ハプスブルク家の最後の皇妃エリザベートは、よくお忍びで城を抜け出し
街のお店でニオイスミレの花の砂糖漬けを買い求めたとか… 音楽家のショパンも砂糖漬け
を浮かべたホットチョコレートを特に好んでいたという。シェイクスピアの『夏の世の夢』では
スミレが媚薬(惚れ薬)として登場する。そんな見た目は可憐なスミレもアスファルト
舗装の割れ目から顔を覗かせるくらい意外と雑草並みの逞しさがある。
0256ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/21(火) 07:46:03.24ID:DG5wyBk0
>>255
14行目「打ち勝って見せる。」に訂正
0257ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/21(火) 08:07:48.53ID:DG5wyBk0
>>255
末尾
夜風に吹かれてセレナーデ... 夜風につられてセレナーデ...
   思わず知らずセレナーデ... 歌えてしまうよセレナーデ...
        罪つくりなセレナーデ...        …今夜の観劇の感想…
0258ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/22(水) 08:47:01.87ID:XGhrpX3C
「ひとり遊び」

…あれはいつの頃だろうか......
僕が未だ幼い頃、そう確か六歳の頃だったと思う...。

近くの原っぱでいつも遊んでいた。夕方になると、
みんなのお母さんが迎えに来るんだけど、日が暮れて夕方過ぎても
誰も迎えに来ない。独楽を回したり、鞠をついたり、影踏み鬼遊びを
しているひとりの女の子がいた......

...いつも気になっていた幼い女の子......

当時の僕より一つ下の五歳くらいだったと思う...
その子の家庭の事情はその頃の幼い僕には何一つわからなかった。
いつも夜遅くまで影踏み鬼のひとり遊びをしていた...

未だ引っ越して来たばかりで、周りの子になじめなかったのか、
それとも、何か、心閉ざすような、心に深い傷があるのか...
いつも、独りぼっちでひとり遊びにふける女の子...

その後、僕は引っ越すことになり、最後に見た光景が...
ーーー 真っ赤に染まった夕焼け空の下... 影踏み鬼のひとり遊び ーーー

…遠く懐かしい記憶の中の幼い少女の姿...
…日が暮れ......... 真っ赤に染まった息をのむほどに美しい夕焼け空の中… 
自分の影を一生懸命に、目に涙をため追いかけていた幼い女の子の姿が...
…心が震えるくらい美しかった...
        今でも...目に焼き付いてはなれない...

...僕の遠い昔の記憶の中にある...... 
    …息をのむほどに...  美しく真っ赤に染まった夕焼け空の背景に溶け込んだ
あの幼い少女の孤独なひとり遊びの姿が、今でも目に焼き付いて離れなかった......
0259ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/23(木) 08:20:23.51ID:rPprvxBK
「砂の船」

付き合って二年目になる彼女がいた。中学からの同級生で同窓会で二年振りの
再会で意気投合し付き合い始めた。彼女のことは好きで、きっと、こいつと、
結婚するんだろうなという思いがあった。

付き合って二年目の夏、「今年も花火、見に行こう! 夏祭りに出かけよう!」と彼女に言っていた。
結婚も現実味を帯び、今年はイベントを使ってプロポーズを考えていた。どんなメッセージがいいか、
喜んでくれるか、どう伝えれば彼女の心に響くのかと悩みに悩みプロポーズする日ギリギリまで考えていた。

やっとプロポーズの言葉も決まり、あとはメッセージ花火に乗せて伝えるだけ…
「彼女は驚くだろうか… 笑うのかな、それとも泣くのかな…?!」
喜んでくれると嬉しいと思いながらプロポーズの日を待った。

プロポーズのの前日の朝、彼女から「今日は友達と遊びに行ってくるね。明日の浴衣を
買いに行ってくるわ! どんなにのしょうかなぁ〜 楽しみにしててね…!」とメールが入った。

俺は想像を膨らませ仕事に出かけた。仕事が終わり帰宅しょうとした時、突然、 " 電話 が鳴った! "
彼女の家族からだった。至急、病院に来てくれという。 " 何で病院…?! " 若干、パニックになった
俺は急いで病院へ向かった。病院の入り口で彼女の家族が待っていた。

「何が、あったんですか?!…」と聞く俺に
「あのね、落ち着いて聞いてね。今日の朝、出かけた後、交通事故にあって、今、意識がないの…
今夜が山と言われて…」…俺は、頭の中が真っ白になった… 急いでICUに向かうと、スヤスヤと眠っている彼女。
その姿を見て、寝ているだけじゃないのか、朝になれば、目を覚ますんじゃないかと思った…

でも、朝になっても目を覚まさない。峠を越えたと思ったが、プロポーズの当日の夜になっても、目を覚まさない…
とうとう意識は戻らず、家族、友人に見守られ彼女は息を引き取った。

花火の時間になり、会場近くだった病院の周りは、人で埋め尽くされていた。 …病院の窓から見える花火…
本当なら、今頃は俺と彼女と友人たちと、この花火を一緒に見ていたはず… 
そう考えながら、外の花火を見ていると...

メッセージ花火の時間になった。会場からアナウンスの声が…
「○○さんから○○さんへ… 至らない俺やけど、これからの人生、俺の横で、ずっと、
その素敵な笑顔を見せてくれ!…」

...そんな俺のプロポーズの言葉と共に花火が打ちあがった.........
0260ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/23(木) 08:24:15.42ID:rPprvxBK
>>259
10行目「プロポーズの前日の朝、」に訂正
0261ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/23(木) 10:53:40.81ID:rPprvxBK
>>259
11行目「どんなのにしょうかなぁ〜」に訂正
0262ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/24(金) 07:33:59.00ID:+ZQf1dMJ
「あり、か」

その日の俺は、バイト先でこき使われていることの不満を
長い付き合いの友人と「聞いてくれよおー それでさぁ〜」
「それで、どうしたんだい…?!」

「…え?! … これもですか?! …ここも、やるんですか?!… 
ふざけんな…! って! …こき使いやがってよー … 
…酷えーよなぁ〜 俺はぁよぉ… それでさぁ〜
 …色々と不満はあったけど、…仕方なく…」ってな具合で
...そんなうっぷんや憂さを昔からの仲間と酒で晴らしていた......

…どのくらい飲んだんだろう… 自分でもわからなくなっていた...
酒に酔うと、痺れて全身の感覚がなくなり気分が高まってくる。

自分でも言うのもなんだが、過去こんなに酒を飲んだという記憶は
なかったように思う...「おい! お前、大丈夫か…?!」

「...大丈夫、 …  だ・い・じ・ょ・う・ぶ…!」
飲み仲間と別れ、千鳥足で繁華街を歩く…
 …飄々朗々として足元が定まらないくらいに酔う…

「踏み倒して、ただで済むと思うな!」としゃがれた声…
表通りのキャバレーから、ぼられた客が店の外に放り出されていた。
ぼったくりバーのお客か...
 …路地裏では猫がやたら大きな鳴き声で鳴いていた…

...意識がもうろうとなるばかり酔いしれる......
肌寒い夜風が酔った肌を心地よく刺激する… アルコールの酔いには、
その時の気分を増幅させる作用がある。適量で止めるつもりが、
つい酔いつぶれるまで飲んでしまった。 …足がもつれてうまく進めない…

...泥酔するほど飲んでしまったことを後悔していた......

 …ふらつく足… ふらつく夜… 含み笑いの夜...
どこから夢... どこまで夢... ねじれた糸が切れる、 

 …夜が回る… …ぐるぐる回る世界に翻弄されながら、
どうにか、俺の住み家1DKにたどり着いた途端、、、… " 噴射 ! " …嘔吐!… 
…ゲロ、ゲロ、、ゲロ、、、ゲローと … " 部屋の中にぶちまけた! " …

… " ゲロを吐いていた " …  …こんなことって... 「あり、か…」
0263ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/25(土) 07:48:28.07ID:d2zaIBCX
「蒼い時代」

「お姉ちゃん… どうしたの?!…」「てっちゃん! こっちに来て…」
何があったのか… ?! 小さい僕にはわからなかった...

お姉ちゃんにハグされた時、 " 奇妙な匂い " がした!
それはいつもハグされた時とは、 " 違う匂い " だった...

夕食の時、「徹! 何ぼやぼやしてんだよ! 早く食っちまいな!!」
「早飯、早糞も芸のうちってなぁ〜 ガハハハハハ…」「英二! 子供の前で、
そう言うくだらない冗談はよせ!」「あ、又、兄貴、マジになっちゃって嫌だなぁ〜

大学行っちゃったりすると我々庶民と話が合わなくて困るよ。なあ、父ちゃん!
アハハハ…」「うん! ガハハハハ…」…その日一日、子供ながらに僕は、
隣の千恵姉ちゃんの奇妙な匂いが頭から離れなかった...

…何の匂いだろう… 「徹、何かあったのか?!」「う、うん… 何もないよ幸一兄さん…」
「徹、食欲無いなら、牛乳だけでも飲んどきな…」と母ちゃんが言った。

- そうか! " 牛乳だ! " -  …あの匂いは、間違いなく乳の匂いだ!…
母ちゃんの胸に顔を埋めた。「徹、何やってんの?! 今日おかしいよ。熱でもあるんじゃないの?!…」

「徹、お前、小学生にもなって、又、母ちゃんのオッパイが懐かしいのか…?! なっ、父ちゃん!」
「うん! ガハハハハハ…」「母ちゃんのオッパイは、どうして千恵姉ちゃんみたいに
お乳の匂いがしないの…?!」僕の言葉に、家族みんなが " 驚き! " 静まり返る。

「千恵ちゃんのオッパイ… お乳の匂いがしたの?!…」「うん!」「そう言えば、千恵ちゃん、
最近、お乳が張っているような気がしたけどさ… もしかして妊娠…?!」
「母さん! 又、くだらないことを触れ回っちゃだめだよ!!」と幸一兄さんが言う。

しかし、母は町でも有数のいわゆるスピーカーと呼ばれる女の一人だった...
当時、16歳の少女の妊娠が発覚。妊娠によりお互いの両親に17歳と16歳と言う未だ幼い二人の関係が
明るみになり、少女の親はこの先、娘が背負うリスクを考え、少年の親は息子の将来を考え中絶を強要。

そして二人は引き裂かれた。泣く泣く中絶に同意した少女に少年は、
「10年経って、自分が立派な社会人になったら、きっと君を迎えに来る…」とそのようなことを
言ったと言う話を、後で理解できる歳になって知ったが、当時、小学校に上がったばかりで、
幼かった僕は、その後の事のいきさつを何も知らなかった.........

...実のことを言うと、中絶をしたのか、しなかったのか、本当のことは何も知らない...
0264ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/26(日) 07:11:41.18ID:zawtrWAO
「ボギーボビーの赤いバラ」

10時30分発の電車に乗った。閑散とした車両の中で私と妻は向かい合って座る。
会話を交わすこともなく、ぼんやりと車窓から過ぎていく風景を眺めていた...

今回の旅行は妻との離婚旅行でもあった。新婚旅行は沖縄だったが、それ以後、
長年連れ添った妻とは旅行らしい旅行はしてこなかった......

会社をリタイアしたら、海外旅行をしようと妻と話していたが、
その記念すべき海外旅行が、そのまま熟年離婚旅行になるとは全然思ってはいなかった。
半年前に、飛行機の手配をして、パリのアパートも一ヶ月の期間で借りて準備した。

今まで、一週間とか、二週間程度の海外出張は経験していたものの、一ヶ月という
比較的長い期間の海外暮らしは初めての経験であり、なんとなく、心が弾んでいく
のを感じていた... しかし、心の弾みとは別に、妻との関係は冷え切っていた。

子供と一緒に暮らしていれば、子供は夫婦のかすがいとやらで、案外うまくいった
のであろうが、子供達は全員独立し、私たちのもとから去っていった。

夫婦二人の生活は、気楽でいいですねと人からよく言われるが、実際は逆であった。
四六時中、顔を突き合わせて暮らすという生活に私たちは慣れていなかった。
若ければ、二人きりの生活はそれなりに、きっと、楽しいものにあるであろうが、
年を重ねてからの二人きりの生活は、他人が思うような労り深い生活ではなかった。

相手の欠点ばかりがやたら目立ち鼻につく… 些細なことでもすぐ、言い合いになり、
相手に負けじと頑張ってしまう。その結果、いつも、言い争いの口喧嘩になってしまう。
仲直りもせず、知らんぷりで元の生活に戻るが、また、何かの機会でほんの些細なことで
口喧嘩をしてしまう… この繰り返しで私も妻も、ほとほとに疲れ果てて嫌になった。

ついにどちらかともなく、離婚という言葉が口から出てしまったのだ。
一時だが、仲が良かった頃に予約した海外旅行。今更、キャンセルも出来ないので、
とりあえず行くことになった。この海外旅行から戻ったら、離婚届を出して
別れようということになったのだった.........
0265ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/26(日) 07:15:24.47ID:zawtrWAO
>>264
下から10行目「楽しいものになるであろうが、」に訂正
0267ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/27(月) 07:28:26.15ID:KqBlXgRo
「バス通り」

私は仕事帰りの商店街を歩いていた。ふと、ショーウィンドウに飾られた可愛らしい
ワンピースに目を奪われた。でも、数秒後には、その前をさっさと
通り過ぎる自分がいた...

ワンピースは確かに可愛い。でも、可愛らしいワンピースを着る勇気がなかった。
『勇気を出して可愛い服とか、もっと着ておけば良かったかなぁ〜』と
思いながらバス停まで歩いていた時だった。

急に雲行きが怪しくなって来た。灰色の雲が見えると思ったら一雨来そうな感じ...
" ああ、これは降るなぁ〜 " そう思った瞬間、頬にピシャリと雨粒が落ちてきた!

ぽっん、ぽっん、 ぽた、ぽた、 そして、…パラ、パラ、パラ、パラ… 
雨が音を立てて降ってきたと思ったら...  " ザーザー " と本降りになり、
 …地面を叩きつける激しい雨に変わった…  −突然降り始めた雨...

バスが来るまでは、まだ時間がある。私はバス停の近くの喫茶店に入り雨宿りして窓の外を見ていた。
…雨が " ザア― ザア― " と、ガラス窓を叩きつけている… …雨粒が断続的に窓を叩いていた… 
  …窓ガラスを水滴がどんどん流れる横殴りの激しい雨… … … … … … … … …   
    ... ... ... ... ... ... ... ... ...
 
...暫くすると、雨は少し小降りになってきた......
…傘をさして歩く人々… そんな小降りの雨の中...
…男女のカップルが、二人一つの上着で、雨をよけながら店の方にやって来る…
そのカップルは店に入って直ぐ、私の席の背中合わせに座った。

「いゃあ、まいったね! 急に降ってきて… 近くのコンビニでビニール傘、買って来ればよかったな…」
「そうね… でも、ここバス停のすぐ傍だから、駆け込みでバスに乗れるし…」「そっか、そうだな…」
身に覚えのある声が聞こえてきた。その身に覚えのある声の主は元カレだった...
そう、背中合わせの私のすぐ後ろに座ったのは元カレだったのだ。

二人の会話は世間話から、最近の話… そして、暫くして元カレは昔付き合っていた女の話を始めた。
…それは私のことだった... 「それで、それから、どうしたの…?!」「それからか、…」
 ...私の話をしながら二人で面白おかしく笑いながら話をしていた.........

...ついさっきまで、心地よく店の中に流れていた音楽が私の中で消えていた......

  " ショックだった! "  涙が溢れてくる  …私は慌ててバスの時刻を確認する…
バスは雨で遅れていた。 …ふと、聞こえるあなたの口癖も変わらないわね… それが辛いわ...

昔の女を誰かと噂するなら、辺りの景色に気を付けてからするものよ
まさか、すぐ後ろの席で今言われている私が涙を流して座っていることなんて
あなたは夢にも思っていないみたいね。…店の窓に映る談笑する二人の姿…

「もう、そろそろバスが来る時間かな…?!」と店の中の時計を探している元カレ…
背中合わせの席で私は無理して笑顔になろうとしていた...

…バスが来るのを、店の中で、ただひたすらに待っていた…
予定の時刻より6分遅れていたのだけど、待っている間の時間は、実際の時間よりも、
とても長く感じていた.........

- " バスが来た! " -  …まだ雨は降り続いていた…
 二人は慌てて、会計を済まし店を出て、
            …雨をよけながら二人一つの上着で駆けだして行く…

私は次のバスを待った。 …溜息みたいな...時計の音を聴きながら...
そっと、彼から貰って中々捨てずに持っていたガラスの指輪を静かに落とした...
0268ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/27(月) 17:44:04.50ID:KqBlXgRo
>>267
末尾
ガラスの指輪をごみ箱に捨てた。
0269ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/28(火) 07:41:33.91ID:YaUd4ZdQ
「忘れられるものならば」

俺は一人旅をしていた。そんな旅先の砂浜を歩いていた...
…海面を眩しい太陽の光がキラキラと揺れている…

...潮の香りとギラつく初夏の青く広い空と海......  
…海風がとても心地よい… 耳元で、しきりに心地よい風の音がする...
...潮風と波の音が心地よい......

歩くのをやめ、サンダルを両手で持ち素足を小さい波に洗わせて遠くを見渡す...
…遠くに家族連れ姿が見える… 子供たちが裸足になって賑やかに波打ち際を走り回っている…
...砂浜はまぶしいくらい白い... ...広い海の遠く先にヨットの帆が銀色に輝く...

…僅かな薄い雲が太陽を遮り、眩しすぎた大空は、難なく見上げることが出来るようになっていた。
あれだけ眩しかった初夏の午後の夏空は、いつの間にか日が暮れ始めていた......

そんな時、空を滑るように飛んでいく… 一羽のカモメを目で追っていると...
 一組の外国人老夫婦がこちらに向かって歩いてくる...

…何十年という長い歳月を寄り添って歩いてきたのだろう...
手を繋ぎ、ゆっくりと歩いている。老紳士は背が高く、ステッキをついて歩いている。
上品そうな老婦人は優し気な瞳に少し癖のかかった白髪を後ろでまとめている。
老夫婦と目が合った。…老夫婦が会釈をする… 俺も会釈を返す… 

...そんな老夫婦の姿が見えなくなるまで目で見送っていた.........

...時間が経つのも早い... あれから… どのくらい経ったんだろうか...
…海が夕暮れ近い斜の光線を受けて、色の褪せた鈍い光沢を放つ…
 
 …海は既にオレンジ色の鏡のように光っている...
…海面はオレンジ色の輝きを点在させながら静かに揺れていた...

「さてと、これからどこへ行こうか...」
そんな道草が多く、あてのない俺のぶらり旅も、もう暫く続けていくつもりだ...
0270ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/29(水) 08:21:44.49ID:FIQrBYoR
「肩に降る雨」

ひとり、ネオンが煌びやかな街を歩いていた...
…煌びやかな街灯… 華やかな衣装に包まれた笑顔の女。
それを優しく見守る笑顔の男。…そんな若いカップルの姿が眩しすぎる…

ふと、…店のショーウィンドウを覗き込む… ショーウィンドウに
…映る自分の惨めな姿… ポロポロと涙が流れてくる... もう見たくない。

底知れぬ深い悲しみ... 
そんなどうしようもない絶望感から、何度も死のうと思い大量の睡眠薬を飲んで自殺を図った。。。

重く立ち込めた雲に覆われた鈍色の空から、ポッリポッリと雨が降り始めていた...
そんな雨が降る中... 一つの傘に、二人並んで帰るカップルが、雨に濡れる私を見て通り過ぎる…

私のブラウスは雨で濡れて、べったりと身体に張り付いていた...
今の私には、そんな小さなことを気にするだけの心の余裕がなかった。

ただただ悲しくて、悔しくて、自分が情けなかった。それがいっそう自分を惨めにしていた。

肩に降る雨の冷たさも気づかぬまま歩き続けた...
肩に降る雨の冷たさにまだ生きてた自分を見つけた...

あの人なしでは1秒も生きてはゆけないと思ってた...
あの人がくれた冷たさは薬の白さよりなお寒い...

遠く瞬く光は遥かに私を忘れて流れてゆく… 流れてゆく...

幾日歩いた線路沿いは行方を捨てた闇の道...
なのに夜深く夢の底で耳に入る雨を厭うのは何故…

肩に降る雨の冷たさは生きろと叫ぶ誰かの声…
肩に降る雨の冷たさは行きたいと迷う自分声…

肩に降る雨の冷たさも気づかぬまま歩き続けた...
肩に降る雨の冷たさにまだ生きてた自分を見つけた。

…雨が降り続く街の片隅で…
             … 一匹の子猫がずぶ濡れのまま鳴いていた …
0271ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/29(水) 10:49:00.54ID:FIQrBYoR
>>270
冒頭「ひとり、ネオンが煌びやかに灯りだした夕闇の街を歩いていた...」に訂正
8行目「鈍色の夜空から、」に訂正
0272ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/30(木) 07:49:36.67ID:CNjlWFrz
「宙船」

薄っすらと汗ばむほど、体が温まったところで試合用のグローブを付ける。
ミット打ちを軽くこなし、体の切れを確認した。もう既に試合の5分前だった。

ガウンに身を包み控室を出た。入場用の音楽がかかった。客席を縫うようにして挑戦者の
青コーナーのレングへ向かう。リングに上がる直前、リングサイドに両親が座っているのが見えた。
来るはずもないだろうと思いながらも、とりあえず、チケットを送っておいたのだった... 
...そんな両親の姿を見ても、特に何の感情も浮かばなかった......

胸の前にグローブを揃えて、その中に顔を埋めるように頭を垂れ目を閉じた。
…最後の精神統一… 徐々に入場行進も、観客のざわめきも、声援も遠くなった...
不思議なくらいの静寂が全身を覆っていく… 目を見開いて、五段ほどの鉄の階段を一気に駆け上がった!

ロープを飛び越えてリングに上がると、四方の客席に向かって深く頭を下げた。
歓声が上がったが、不思議な静寂が自分の中で続いていた...

コーナーに戻ると、チャンピオンの入場曲が流れた。コーナーに頭を押し付けて、
静寂に身を任せていた。自分の名前がコールされるまでそのままの姿勢でいた。
コールと共に振り返ると、チャンピオンと目を合わせたまま軽く一礼をする。

すぐに振り向き、ロープに両手をかけた。レフェリーに呼ばれてリングの中央に出る。
セコンドを務める若い選手が一人脇についてくる。ロー・ブローやサミング、噛みつき、
バッティングなどの決まり事の注意をするレフェリーの話を熱心に聞き入る振りをする。

チャンピオンはしきりに眼で睨みつけ挑発してくるが相手にはしない。
レフェリーの注意が終わり、コーナーに戻ると、セコンドが口の中にマウスピースを突っ込む!
されるがままにして静かに立ち、…互いに睨み合いながらリング中央に出る…

「ファイト!」レフェリーの声の合図と共にゴングが試合会場に鳴り響き渡り歓声が上がった!
0273ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/30(木) 07:55:28.52ID:CNjlWFrz
>>272
末尾
「ゴングが会場内に鳴り響き一気に歓声が上がった!」に訂正
0274ジョン・スミス
垢版 |
2022/06/30(木) 13:51:53.05ID:CNjlWFrz
>>272
4行目「リング」に訂正
0275ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/01(金) 07:27:57.31ID:yRNZ5ZiZ
「恋とはかぎらない」

ー ホテル ー
「ねぇ、恭平君...」「何だい…?! 里奈…」
「私たちってバカみたい...」
「バカそのものだよ... でも、こうしているのが楽なんだ…」

「ねぇ、恭平君...」「ん…?!…」
「...いや、何でもないの...」「どうした…?!…」
「何でもないのよ...」とシャワー室に行く里奈...

…車で里奈のマンションまで送る…

帰宅して、冷蔵庫から缶ビールを取り出して " プシュ! "
...そうか、里奈は結婚するのか......

人生って何だろう...結婚も出来ず、出世も出来ず、夢を見ることも知らず、
多分、子供の一人さえ、育てることのない人生を送る男が、…ここにいる…

里奈が彼に会ってくれと言って来たのは、それから数日後だった...
「小宮山正です」「あ、どうも…」「彼ね、働きながら大学院に通っているの…
変わっているんだよね、頭の中は、ほとんど専攻の数学のことしか考えていないだもん!…」

「別に変っちゃいませんよ。好きなことやっているんだから、当たり前と思うんですけどね…」
…連れて来た彼と話している里奈が、先に大人になっていくことに、正直、戸惑っていた...
…俺は少し傷ついていた…  何故、突然、見合い結婚をする気になったんだろう...

それから里奈が結婚式を挙げる日を迎えた。会社に電話をする。「あ、すみません…! 突然で、申し訳ございませんけど、
三日ほど、休ませていただきたいのですが...」「…わかりました」と電話を切られた。
…文句を言う筋合いはないが、自分から進んで会社から期待されない人間になったわけだしな…

...人生って何だろうな......駅まで行って会社に出勤せずに帰宅か...
何考えているんだろうな...俺は...まさか、子供じゃ...いや、まさか…
里奈が子供を産みたくて相手かまわずに結婚するってことは無いよな...
…そんなことはないさ… タクシー乗り場でそんな考え事していると、

「お客さん…! 乗るんですか、乗らないんですか…?!…」
「あ、いや、… 高崎セントラルホテルまで行ってください!…」

式場に着き、新婦の控え室【ブライズルーム】の中に居る花嫁姿の里奈を見つけ!
「里奈!」「...恭平君…?!…」「里奈、俺やっとわかったよ! 俺の生き方って
間違っていた! 人生を真面目に生きようとする考え方に照れていたんだ! 二者択一の

状況に出逢うと必ず、安易な道を選んでいた。でも、これからは違う。そんな生き方を
していたんじゃ、いつまで経ってもダメだ!… これからは、あえて試練の道を選んで
歩いて行こうと考えたんだ!それが人生なんだ!! それが生きている証であり、
生きてる証明なんだ!!考え直してくれ!… 俺と一緒になろう…!!! …俺が君を幸せにする…」
0276ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 08:11:38.06ID:1R8SV0Zj
「信じられない頃に」

大学時代に優しくて家庭的な、自分にはもったいないくらいの女性に出逢い順調に
交際をしていました。口下手で愛情表現が苦手な僕は、口には出さないものの、
この子とは、いずれは結婚するだろうなと感じていました...

彼女も僕のことを愛してくれていて、このまま何事もなく結婚に至るのだろうと
考えていたと思います。卒業後、国家公務員試験1種に合格し、官公庁で勤務を
スタートしました。官公庁の中でも、激務と言われる部署に配属され、彼女と

デートをする回数も徐々に減っていきました。それでも、彼女は僕の仕事を
理解し、そして尊敬してくれていたので、なんとか関係を続けることが
出来ていました。本当にごくたまの休暇には彼女に連絡し、少しの時間でも、
会うことが出来るように自分なりに努力をしていたつもりでした。

忙しすぎて一ヶ月に一度会えるか、どうかと言う関係なっていました。
それでも、彼女への気持ちが変わることはありませんでした。

そんな忙しい日々を過ごしていた頃、念願だった海外の大学院へ進学が決まりました。
官僚向けに設けられた制度で、行政官長期在外研究員制度を利用し、憧れだったパリの
ソルボンヌ大学へ二年間の修士課程の為に渡仏することが決まったのでした。

その頃の僕は、留学が決まって浮かれていて、久しぶりに会った彼女にも留学の事を
ウキウキしながら話していました。今思えば、彼女は何処か浮かない顔をしていて、
あまり僕とは視線を合わせようとはしませんでした。

留学がスタートすると、勉強が楽しすぎて正直、彼女ことを省みることは徐々に
無くなっていきました。初めのうちはメールや手紙のやり取りをしていましたが、
彼女からの返事が遅れがちになり、とうとう音沙汰がなくなってしまいました。

「彼女も、きっと、忙しいのだろうな…」と前向きに考えて、留学生活をエンジョイ
していました。留学が終わりになる頃には、メールをしても返事が返ってこなくなって
いました。楽しかった留学を終えて帰国をすると、直ぐに彼女に連絡をして告白ました。

留学を終えて、愛を告げ、昇進が決まったことを嬉しそうに話すと、
 …彼女の口から衝撃の事実を告げられた!…
彼女は両親の勧めで別の男性とお見合いをしており、既に挙式の日程までも
決まっているという...

あまりにも、急なことで動揺を隠せないでいると、「もう連絡はしないで欲しい…」と
告げられ電話は " プツリと切られた! " …  ツーッ...ツーッ...ツーッ... 
   ... ... ...固定電話機の電子音が、今でも耳から離れなかった...
0277ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 08:33:08.26ID:1R8SV0Zj
>>276
下から8行目「告白しました。」に訂正
0278ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 10:42:33.09ID:1R8SV0Zj
僕は中島みゆきから頼まれて書いているわけでもない。ゴーストライターでもない(笑)
彼女にゴーストライターがもしいれば、日本のシンガーソングライターはゴーストライター
盛りになるかもしれないね。お金をもらっているわけでもないし、本を出して商売している
わけでもない。単に一ファンとして趣味でやっているに過ぎない。それでいいんじゃないかな。
0279ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 11:12:49.15ID:1R8SV0Zj
中島みゆきに松任谷由実さんの商魂があれば、他の女性シンガーソングライターと同じく
金太郎飴のようにどこを切っても作風も似たり寄ったりで、僕はそれほど関心を持たなかった
かもしれない... 僕は中島みゆき独特の世界観が好きなのだろう...
0280ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 11:48:38.41ID:1R8SV0Zj
中島みゆき作品を僕なりの勝手な哲学的視点で解釈して物語(ストーリー)を作っているが、
彼女は女性だから、また違った視点で作品を作り上げているのじゃないのかな。
0281ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/02(土) 17:45:09.99ID:1R8SV0Zj
6Gを超えたメタバースの世界を一言でいうと、この世に描く仮想現実の世界における
どんなことでも願いが叶う仮想天国のような世界ではないだろうかと思う... 

例えばピアノが弾けなくても人間拡張により一流ピアニストに誰でもなれる。
極端な話、誰でも超人になれる世界だと思う。どんなことでも願いが叶う仮想天国のような
世界ではないだろうかと思う。思考しただけで目の前に現れる天国のような世界だと思う。

人は天国から、もう一度この世界に戻って来たくなるのは、全てなんでも手に入り
叶うことが当然のように日常になると、人は感動や喜びを徐々に失ってくる。

苦労して目標を達成した達成感、悲願の優勝をした喜び、歓喜、感動…などは、そこまでの
血の滲むような努力があったらこそなのだ。この努力や苦労なくしては悲願の優勝場面の感動、
目標を達成した時のあれほどの感動や手にした時の喜びも生まれない。

それをもう一度、経験、体験したくて人はこの世に戻ってくると思っている。地獄に落ちたものが
この世に再び戻ってきたいのはわかりやすいが、この両方からこの世に来たがるのが多いのは
この世でしか体験、経験出来ない感動だと思っている。能力を得るための努力も必要ない世界は、

感動も徐々に失われていく世界でもあるのだ。実際の天国は死ぬほど退屈な場所ではないかと思っている。
この世に生まれてきた真の目的は、多分、経験、体験からの学びや達成感、感動を得るためだと思っている。
0282ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/03(日) 05:55:08.31ID:h/y+0Uy/
人はどうしても答えや結論を急ぐが、実はそのような最終的な結果よりも、それまでの過程、
プロセスが最も大切なのだ。最終的な答え、結論、結果がたとえ成功しようが失敗しようが、
そのこと自体が問題ではない。そんなことよりも、それまでのプロセス、経過、過程という
一生懸命頑張ったという体験、経験がこの世界での最も重要なことだと思う。

結果的に失敗を繰り返したり、大失敗して悔しさを滲ませ涙してもいいと思う。極論、
そのような結果で何にも成功しなくたっていいんだ。そんなことよりも重要なのは、
どれだけ頑張ったかだ。どうしても我々は成功することだけにこだわるけど、
それはあくまでも結果論であって、人生においてさほど重要なことではない。
成功だけが全てではないからだ。

例えどんな結果であろうと、そこまでの血の滲む努力、どれだけ頑張ったかが、
最も重要なことではないのかと思っている。この世界でしか得られない経験を
いかに多く積むことが最も重要だと思う。どうしても人は手っ取り早い答えを
聞きたがるが、最も重要なのはそこまでの過程、プロセスではないかと思っている。

九死に一生を得る人というのがいる。人間は何ども生まれ変わってきているから、
多分この人は潜在意識下の過去の記憶。このような意識に刻み込まれた記憶の中に
同じような経験があったため、瞬時に無意識で回避できたのではないかと思う。
この世での体験、経験は決して無駄ではないと思うのだ。

この世での経験が重要なのはそういうことだと思っている。この世で生きるという
ことの意味がそう言うことではないだろうかと思うのだ。生きている実感を味わいたくて
人はもう一度この世界に来る。人に生まれてくる確率は、1億円の宝くじに百万回

連続当選するくらいこの世ではありえない確率でもある。これは一匹の精子が卵巣を潜り抜け
卵子と結合し受精する確率なのだ。これは人間として生まれてくる前の段階に過ぎない。
あくまでも人は、この世の光を目にし産声を上げてこの世に誕生になる。
0283ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/03(日) 07:39:47.83ID:h/y+0Uy/
「真直な線」

彼女とはバイトで知り合った。彼女の方が年上で入った時から気になっていた。
「付き合っている人いないの…?!」「いないよ… 彼氏は欲しいんだけど...」
「じゃあ、俺と付き合おっか、」付き合うきっかけは冗談みたいな言葉からだった。

付き合ってから、実は彼女も俺のこと好きだったってことを聞いた。
二人でいる時、エッチを迫ったりしたけど、
でも、その都度、いつも、「ごめん… それだけはダメなの...」

腹いせって言ったらおかしいが俺は浮気をした。そんなので我慢できるほど大人ではなかった。
浮気がバレても彼女は怒らなかった。むしろ私が悪いんだからしようがないよ… みたいな感じだった。

俺は友達に「浮気もOKとか年上、最高…!」とか言ってた。
ある日、彼女から手紙が来た。「好きな人が出来たから、別れたいの...」
こんなもんかって感じだった。そして俺たちは別れた。

暫くして彼女の妹で、俺と同級生の子に呼び出された。
「お姉ちゃんには黙っとけって言われてるんだけど...」
そこで聞かされたのは、昔、乳癌にかかって乳房を片方切除したってこと、
それが原因ですべてを見せたがらなかったこと、癌が再発して、今、入院しているんだってこと、

好きな人なんかできてなくて、俺をまだ好きだってこと、俺と付き合っているときは、
お姉ちゃん幸せそうだったってこと、そんな話を聞いていると涙が出てきた。
そして自分がしたことを後悔した... 俺は彼女の病室を聞いて病院へ早速行った。

病室に入ると彼女は驚いた表情を見せた! …まるで違う人みたいに痩せ細っていた…
「ごめん! 俺が悪かった... もう一度、やり直そう… 言ってくれれば、よかったのに…
そんなこと気にするわけないじゃん…!」「ごめんね… 嫌われたくなかったの...

私なんか忘れて他の人探してよ…!」「お前より、いい女なんかいない… お前じゃないとダメなんだよ!…」
そんな俺の言葉に彼女の目から涙が溢れ出た。「ありがとう...」  …そして俺たちはよりを戻した…

それからも俺は病室に通った。暫くして俺は婚姻届けを彼女に見せた。
「俺の分は書いてあるから元気な時に書いて結婚しよう…」
…そんな俺の言葉に彼女は今まで見せたことのないような笑顔を見せた!…

「嬉しいけど、これは書けない。ありがとう... こんな幸せなの初めてかもしれない…」
「絶対、書けよ! ここに置いとくから!…」  ...その半月後、彼女は亡くなった...

無気力な状態が続いていたある日... 彼女の妹から手紙が届いた。
中には俺が書いてくれと渡した婚姻届けと短い言葉が書かれた手紙が添えて入ってあった。
「婚姻届けにサインしろと言われた時、涙が出るくらい嬉しかった。 
あなたに会えたことが幸せ! 最後に私の願いを叶えてくれてありがとう…」
0284ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/04(月) 07:48:52.44ID:72Fia3Ak
「てんびん秤」

朝早くから " チャイムが鳴った! "  
「○○さんですか?」「はい!」と言うと「主人のことで、お話が・・・」と
言うので「...どうぞ…」とマンションのオートロックを開ける。

再びチャイムが鳴ったので、テレビドアホンを覗くとドアの前に品の良いご婦人が立っていた。
ドアを開け、「ここでは、何ですから… お部屋の中へ、どうぞ…」と部屋の中へ誘導する。
「どうぞ、腰かけてください。今、お飲み物を作りますね…」「何もいらないわ!」

「何のことで・・・」と言いかけた途端、開口一番、「あなたと主人の事、主人より聞きました。
銀座のあなたのお店で、知り合い親しくなったとのこと、あなた方は男たちの一時の遊び相手。
あなたと主人のことだって、それ以外の何物でもありませんのよ。そんなこともわからないのですか…?! 
あなた方、お化粧のお化けは、薄暗い夜の明かりと、煙草の煙で澱んだ室内なくしては誤魔化しのきかない

毒々しいあだ花です。それもごく短い時間でしか咲くことの出来ないあだ花です。男たちの一時の
慰み者として、チャホャされるけど、みんな腹の底では笑っていますよ。男だって、みんなそれほど
バカではありません! いくら無教養な、あなたたち下等な女でも、自分がほんの短い間しか咲かない

花なんだとよく知っていますよね。女の本能かしら、だから、その間に何とかして財産のある男を
捕まえようとしているのでしょ。冗談じゃないわね。主人はマンションも持っているし、
財産もあるからって、ハイエナみたく言い寄ってくるのでしようけど、主人の財産の半分以上は、
私のおかげで得たのですからね。誤解しないことね。今度の問題で、おバカさんは、あなた一人ね!

早く目を覚ますことですね。あなたと私では女としての格が違うわね。主人もそのことはちゃんと
分かっていますよ。私はお嬢様育ちで世間知らずだったから、世の中には、あなたのような、
低級な性悪女もいるのだということを初めて知りました。今度のことはいい勉強になったわ。

人間やっぱり育ちよね。あなたなんかと格が違うから、今更、こんなこと言うのもバカバカしいけど、
私はあなたなんかには負けませんのよ。主人は私と別れることは出来ないの。主人より、
主人の財布が目当てなんでしようからね。本当にあきれた女ね。あなたって!!」と
室内のドアを強く締め言いたいことすべて言って帰っていった。
0285ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/05(火) 07:40:13.73ID:Ev2m9451
「夢の通り道を僕は歩いている」

あの親友の矢崎を、見かけたのは全く意外な場所だった...
刑事として先月の末に起こった新宿歌舞伎町での殺人事件の容疑者を
追って福岡にやって来た時のことであった。

…パトカーの中で…
「片田さん、その戸田ちゅう男は本当に博多におったとですか…?!」
「ええ、仲間から取られた情報ですが…」「いつ頃の話ですか…?」
「六年前と言う風に聞いています…」「この辺、一帯が戸田の元のシマです。

わし、ちょっと隠れときます。顔を見られたら警察の見回りゆうのがばれますけん…」
「あまりジロジロ見ん方がいいですよ。奴ら警戒心が強いですから、ま、仮に戸田
なにがしが来とってもこの辺をウロウロ歩いとるゆうことは無いでしょう…」

「ええ、それはわかっています…」「あ!、車を止めてください!…」
「どうしました…!? おったとですか?!…」「いや、別に…」
…組員の中に居たのは、 " あの矢崎だった! " … 
高校時代からの親友で突然、我々の前から姿を消したあの優秀な矢崎だった。

ー その後、親友の君原と電話で会話 ー
「あいつはな、俺と約六年間、航空学校と航空会社の訓練所に通っていたけど、
結局パイロットにはなれなかったんだ。誰だって驚くよな、全てにおいて、
俺なんかより優れているのにさ、俺なんか何の志もなく、あいつに影響され
航空学校に入った俺がパイロットになっちまってさ…」

「何か、訓練所で問題でも起こしたのか…?!」「いや、航空学校でも、訓練所でも、
あいつは常にトップ。生活態度も模範生だった。しかし、教官にパイロットとしての
適性に欠けると判断されたんだ…」「...?!」 … あの矢崎が …

署にいる時だった。「片田さん! 今連絡が入りました。緊急配備に付けと、
全面抗争になるのだけは何とか、食い止めろと言う連絡が入りました。暴力団同士の
対立で、警戒地区で矢崎と言う鉄砲玉が刺されて逃げたと言う事です!」

 …矢崎が刺された?!… 「矢崎は今どこにいるんですか?!…」
「それが分からないんです。やった方も、やられた方も現場から逃亡しています!…」

翌日、女の所に逃げていた矢崎が死体となって発見された!
「矢崎と言う鉄砲玉は飛行機の模型を持ったまま死んでいたと言う事です…」
「...?! 変わったヤクザやね…」…署内でそのような会話を聞いた…

…矢崎!… お前は、最後まで夢を捨てきれず持ち続けていたんだな...
子供の頃からの夢を... …矢崎… お前はやっぱり、夢を捨ててはいなかった...
...お前は夢を捨てられずに夢の通り道を歩いていた......... 
          ――――――――― 最後まで、夢を捨ててはいなかったんだな、
0286ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/05(火) 17:20:25.61ID:Ev2m9451
>>285
末尾
――――――――― 空を見上げると、空に飛行機雲がかかっていた。
0287ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/06(水) 07:50:51.02ID:QVhqQldy
「土用波」

俺の名は光男。俺は妻に隠れ不倫をしていた。四年間も妻を裏切り続けていた。
幸いずる賢く立ち回ったこともあり、妻には全くばれていないと思う。彼女と関係を持った夜、
遅く帰ってきても、ただ、にっこりと微笑んで迎えてくれる女だった......

「奥さん。私たちの関係に気付いていないかしら...?!」「大丈夫だよ!」
「女の感て鋭いのよ… 気づかないわけないわ。疑っているわよ、きっとね…」
「考えすぎだよ…」「私たちの関係。もう終わりにしましょ。あなたは奥さんの
所に戻った方がいいわ…」「なんだよ、 急に… ?!」「好きな人が出来たの…」

そんな関係がずっと続くわけもなく、彼女から別れ話を告げられた。
新しく好きな人が出来たとのこと。まあ、よくある話。独身の彼女からそう言われれば、
責めることも出来ない立場もあってか、ただ「よかったな…」と強がりを言い残して彼女と別れた。

…その頃、妻は… 「次は、いつ会える…?!」「そうね、来月の頭くらいかしら? 
旦那が取材旅行に行くって言っていたから… ちゃんとした日にちが決まったら、また電話するわ…」
そう言って私は車の中で彼にキスをした。

彼とは、もう長い付き合いになる。旦那と結婚する前からの付き合いなので、もうかれこれ五、六年くらいになる。
彼は所詮、妻帯者。そしてそれは私も同じ、旦那のある身で不倫をしている。彼は仕事の上司で、
出会った時には既に結婚していた。それを知りながらも惹かれるのを止められずに私達は恋に落ちた。

私は奥さんと別れてくれと何度も言ったが、その当時、彼の妻のお腹の中には子供がいて
「それは出来ない!」と断られた。優しい人だけど、とてもずるい人。

そんな彼に踏ん切りを付けるつもりで、一度は別れで結婚したものの、結局、私は彼を
忘れられず、彼もまた私の所へと戻って来た。今となっては、お互いになくてはならない存在で、
私はこの関係に一抹の不安を持ちながらも満足していた...

お互いに家庭と生活があって、刺激を与え合い適度な距離感で付き合っている。
もう彼と別れるという選択肢は私の中にはもうなくなっていた......

旦那と付き合う前から、彼とは付き合っていて、旦那にも彼は仲の良い上司として
既に紹介済みだった。そもそも旦那を私に紹介してくれたのは私の不倫相手でもある
隆だった。彼と旦那は学生時代からの付き合いで、先輩、後輩という間柄でもあった。

当時の私は、彼に奥さんとの離婚を迫っていて、彼も少しだけ辟易していた時期だった。
私が旦那と付き合えば、彼にとっても都合が良かったのだった...

...私にはすぎた旦那、お人好しで少し抜けているが、私は愛している......
だから、内心、このまま不倫を続けていいのだろうかと、…心は常に波のように揺れていた…
時には罪深さから、…土用波のごとく激しく海岸に打ち寄せる大波のようだった…

「ただいま〜」「お帰り、みっちゃん! ご飯できてるよ…」
0288ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/06(水) 08:04:19.19ID:QVhqQldy
>>287
下から2行目「心は常に激しく打ち寄せるうねりを伴った大波のようだった 〜〜〜 」に訂正
0289ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/06(水) 18:28:24.94ID:QVhqQldy
女性シンガーソングライターを考えた場合どこまで自分のわがままを貫き通せるか、
例えば、中島みゆき、松任谷由実、竹内まりやを比べた場合、松任谷由実作品は
松任谷正隆氏、竹内まりや作品は山下達郎氏、正隆氏、達郎氏の高いプロデュースの力
によるものが大きいだろうね。みゆきさんの作品に瀬尾さんは、この二人に比べて

そこまで口出ししているかというとそうじゃないと思う。瀬尾さんはアレンジ以外は
あくまでサポート役に徹しているんじゃないのかなと思うね。決定権は中島みゆきかなと思う。
それだけ自分の作品に対する強いポリシーがあるのではないだろうか...

昔は自分の意見を言い過ぎて、よくケンカすることが多かったという話は瀬尾さんが言っていた。
それで瀬尾さんは、会うまでは自分と会わないと思っていたらしい。頑固者なのかもしれないね。
なんでも任せっきりの人が多い女性アーティストの中で中島みゆきは自分の作品に対するかなり
強いこだわりというかポリシーがかなり高いアーティストだと思う。
0290ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/06(水) 18:43:35.21ID:QVhqQldy
>>289
会わない×
合わない〇
0291ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/06(水) 21:26:51.69ID:QVhqQldy
中島みゆきのポリシーとは、多分、「自分の作品だから、人任せにはしたくはない。
伝えたいことがあるうちは作品を作り続ける」のかもしれませんね。
心に寄り添う歌だからね。
0292ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/06(水) 21:38:07.52ID:QVhqQldy
ユーミンの歌詞は正隆氏との共同制作って聞いたことあるけど、それはまりやさんも同じだと思うね。
みゆきさんの歌詞に果たして瀬尾さんは口出しするのか? そこまではしないと思うね。
多分、そんな女性アーティストはみゆきさんだけだと思うね。
0293ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 05:21:40.69ID:Btd+OTrb
こんなこと言うと、達郎氏は反論してくるかもしれない。彼は音楽の職人だからね。
まりや作品にかかわったら、音一つでもこだわりが強いと思う。夜も寝られないくらいにね。
自分が納得するまでとことんこだわる。打の職人イチロー氏と同タイプ。みゆきさんも
達郎もイチローもそのくせ普段はふにゃふにゃした人だと思うね。
0294ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 05:41:44.07ID:Btd+OTrb
子供の頃、バッティングセンターで毎日、夜遅くまで自分が納得するまでひとり遊びしていたイチロー氏。
達郎氏もみゆきさんも遊び出したらどこまでもひとり遊びが好きな人だと思うね。この3人に共通するのは、
どんな好きなことでも、いざ仕事になると苦痛になるが、この3人に共通するのは仕事も遊びも差はない。

この遊び感覚は普通の人が考える遊びではなく真剣な遊び感覚。それは大谷さんも同じだと思う。
遊びであって真剣な遊びだからその辺の遊び感覚ではない本人にとっては仕事なのだ。
0295ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 05:51:16.35ID:Btd+OTrb
何か夢中になっていた子供の頃の感覚を忘れない人ではないかと勝手に思っている。
0296ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 05:57:49.34ID:Btd+OTrb
大谷さんの心は今でも野球少年だよ。多分ね。だからマネーは関係ないと思うね。
0297ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 06:13:16.41ID:Btd+OTrb
みゆきさんにとって歌詞は言葉遊び。達郎氏にとって音楽は音遊び。
0298ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 06:27:57.49ID:Btd+OTrb
仕事と遊びを分けて考える人にとって、仕事を遊び感覚でするなんて不謹慎なと
思うかもしれないが、それは普通の感覚。なんて言えばいいのかな、そうじゃない
その辺の遊び感覚ではない真剣な遊び感覚を持てるかが重要。なんでも仕事だと

思うと長くは続かないし、苦になるがこれだと苦にならない。みゆきさんも達郎氏も
イチロー氏も大谷さんも探求者だと思うね。物事を極めるまで苦にならず
とことんまで追求できる人でもあるのかな。自己流の哲学みたいなもの。
歌詞、音、打、二刀流などのものを極めた自己流哲学者かもね。
この4人に共通するのはね。
0299ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 07:11:42.65ID:Btd+OTrb
みゆきさんは一歩間違えば、戸川純のような才能はあっても一般受けせず超個性派の
アーティストで終わっていた可能性もあったわけで、一つの世界にこだわらず、
試行錯誤したことが結果的にプラスになった。すべて中島みゆきの世界になったからだ。
「うらみ・ます」から「麦の歌」そして提供曲は大人のしっとりしたちあきなおみの歌から
「愛がある」の西田ひかるの歌詞まで幅広い。
0300ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 07:17:57.43ID:Btd+OTrb
言い方を変えれば聴く人を選ぶ戸川純になっていた可能性もあったと思う。
0301ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 08:33:32.67ID:Btd+OTrb
「仮面」

彼はかって、一世を風靡したタレントだった...
彼が出演する番組は軒並み高視聴率を叩き出した。プロデューサーや
ディレクターは彼をまるで王様の様に扱い、そして彼は天狗になっていった。

しかし、人気はいずれ落ちるものだと言う事を、この時期の彼は知る由もなかった。
視聴者に飽きられれば、いずれは見捨てられると言う事も、彼も御多分に漏れず、
年を経るごとに人気が落ちていった。そうなると、金魚の糞の様にくっついていた
人間は次第に彼の元から離れていくようになり、気が付いたら周りには誰もいなかった。

そう彼は孤独になっていた。そして今日も行きつけの酒場で飲んでいた。
頼るものは酒だけになっていた。「先生、飲み過ぎですよ!…」と背中をさすってくれる
ママを無視して、彼は咳をしながら飲み続けていた。

「うるせえ! バカ野郎!! 飲む、飲まないは、俺の勝手だ! 文句あるか!!
おい! ママ!! 酒だ! 酒をくれ!! もっと酒をくれ!!! もっと酒を飲ませろ!!!」と
持っていたグラスをテーブルに勢いよく叩きつける!

「何だと! うるせえな!! なんか文句あるんか!!!…」と
何か言われたらしく、隣のお客に泥酔し悪態をついていた。
彼は自暴自棄になっていたのだ。そしてすべてのことを忘れたかったのだろう。

…隆盛を極めた後に、落ちぶれてしまった。そんな哀れな男がここにいた…
「本当に、しょうもないわね…」と、それを横目で見て呟く女がいた。
 かっての輝きを失いボロボロになってしまった男の姿、
        ...その様子をずっと見守っていた女......

ー 内心では彼に、もう一度、花を咲かせてほしいと願う そんな女がここにいた ーーー
0302ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 10:52:08.38ID:Btd+OTrb
イチローや大谷さんなどのスポーツ選手は自分の能力をとことん追求できるが、
こと音楽、特に歌詞は万人受けしなければ売れない。この万人に好まれるもの
=女受けするものなのだ。特異な才能はあるよりもない方がいい。特異な才能を

そぎ落とし何の変哲もない可もなく不可もない誰もが共感するものにしていく
必要かある。特異な才能。異才は万人には共感されないからだ。異才こそ天才なんだけどね。
音楽は万人が理解できない才能、異才=天才である必要はない。理解できない部分を

そぎ落とし、万人に理解され、好まれるもの、共感を得るものにしていかなければならない。
男はそういう才能を好むが、万人受け=女性は女性が共感を得るものを好む。
アーティストと呼ぶが、本物の芸術家である必要はない。この異才と万人受けのバランスの
境界感覚が優れているのが中島みゆきかなと思う。
0303ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 11:30:26.66ID:Btd+OTrb
【出る釘は打たれる】ということわざがあるが、実は女の世界そのものではないかと思うのだ。
0304ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/07(木) 11:38:49.93ID:Btd+OTrb
【出る杭は打たれる】でしたね。女だけの職場 どうですかね。横並び意識が強いのは
女性の方だと思う。
0305ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/08(金) 08:49:35.53ID:JPzvSrVf
「時効」前編

あれはちょうど日本がバブル景気の頃だった...
「社長。電話が入っています!」「あ、すまん。… はい、及川ですが...」
「私よ、覚えているかしら… レイコよ! ねぇ、浩でしょ… 私よ花園玲子!」
…どうやって調べて来たのか、私の一番会いたくない女から、突然、オフィスに電話があった…

…15年前と同じ声で…  ― 15年前 ― 当時の俺は国内でも持っているのが少ない超難関の
資格を仕事に活かし職場で頑張っていたが、上司から何かと目の敵にされていた。「うちの職場は、
優秀な人はやめていくんだよね…」「期待されたあの人もやめちゃった…」そんな話を居酒屋で
同僚から聞かされ飲んだ帰りに事件は起きた。通りすがりのチンピラにしつこく絡まれ、

酒の勢いもあり、そのチンピラを撲殺してしまった... 「もう、大丈夫だよ。 死んでる…」
その女の声に「えっ…?!…」と驚き振り向くと、煙草を吸って立っていたのがレイコだった...

通りすがりに絡まれたチンピラを撲殺してしまった。あの夜から俺はレイコと一年間一緒に暮らした。
「どこへ行くの…?」「あ、あぁ…、ちょっと、煙草を買いに行ってくる…」ガチャ! タンタンタン!と
二階建てのボロアパートを降りて行く… レイコは俺を脅すわけでもなく、金をせびるわけでもなく、
ただ何となく俺の部屋にいた...

当時、俺達のそういう同棲生活が周りの人間に不思議に思われない時代背景もあった...
自由こそが当時の若者の絶対的価値観だった... 「煙草を買ってくる」…そう言って、そのまま俺は、
その足でアメリカへ旅立った… 一年間のアルバイト代と友人たちから集めた出来る限りの借金をもって
日本を離れた。警察に捕まり、自由を剥奪されるという恐怖感が、俺をアメリカへ行かせた...

俺は死に物狂いで必死に昼も夜も働き続けた。この自由の国で、生まれ変わって人生をやり直そうと決心した。
運も良かった。出逢った人たちが良かった。彼らが俺にもう一つの人生を切り開かせてくれた。二年もすると俺は、
大学の経営学を学べるまで余裕が出来た。どうやってライバル会社を潰すかの徹底したシミュレーションを

繰り返す合理的な利益追求型の実践教育だった。この街は全てが実力社会だった。恐ろしいほど合理化された
システムの中で生きている。その荒涼とした人間的温かみが排除された荒野の様な街が俺は好きだった...
大学を出て三年目に俺は年俸一億のアナリストになっていた...
0306ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/08(金) 09:34:45.29ID:JPzvSrVf
「時効」後編

ここでは30歳で年収一億のアナリストは取り立てて言うほど珍しくはない。
ここ数年、全ての大手企業… とりわけ金融、証券は日本を狙っていた。
金融自由化の波は時間の問題だと確信し、その前に日本での地固めを始めていた。

日本、その言葉に恐怖と同時に不思議な熱さを感じていた。
「大丈夫さ… あれから15年も経っているんだ...」そして俺はこの日本に戻って来た。

日本は全てが変わっていた。俺がいた当時とは、比べ物にならない程変わっていた...
バブル景気で全てが豊かになっていた。しかし、同時に胸の中にポッカリと
空いた大きな空洞を持っていた。あの事件以来、俺は過去を捨てた。

自分の歩んできた歴史を捨てるなんて、今の幸せは紙の上描かれた絵空事じゃないのか、
そんな虚しさを感じていた... そして今、レイコの店で飲んでいた...
「ごめん、呼び出したりしちゃって…」「君が店をやっているとは知らなかったよ。

そして今日で終わりってことも…」「うちだけじゃなく、この辺一帯、もうすぐなくなっちゃうの…
都市再開発で、でっかいビルが建つらしいのね。でもね、私、思うの、いくらビルが建ったって、
街が綺麗になったとは言えないんじゃないかってね。人が住んでるぬくもりがなきゃ荒地と同じだよ…」

「そうだな...」「ごめん、呼び出したりしちゃって… でも、会えなくなっちゃうしさ、
昔の事は忘れていいんだってこと、それだけ言いたかっただけ…」「人を殺したのは、忘れないさ…
この15年、一日たりとも、忘れたことは無かった... どんなに豊かな生活をしてようと、

荒地で生きているようなものだった...」「昔のことは、忘れていいんだって… いいのよ。
人間、済んだことは、全部忘れて… そうじゃなきゃ、生きていけないもん…」

「ついて来てくれないか…」「どこへ…?!…」「警察だ…」「え、どうしてよ…?!…
バカみたいじゃない! 15年も前の事、告白したって…! 誰も幸せにはなりゃしないわよ!
みんなそんなことは忘れているわよ…!」「...よかったよ。君の店でこうやって、

君と会えたのも神の思し召しだと思っている。それで決心がついた。やっと僕は人間に返れる…」
「本当にいいの…!?… 自首なんかしちゃって、後悔しない…?!」「後悔はするだろう…
苦しむと思う… 人間だもの。当たり前じゃないか、ずっと、それに縛られ続けていた...

いつも罪の意識に苛まれて生きていた... 心休まる日なんてなかった...
「そ、そうだね。それが人間だよね...」
0307ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/09(土) 08:33:46.80ID:kk8b1VNH
「サーチライト」

ジンジャーエールを啜りながら、二杯目のドリンクを頼もうかどうか迷っていた。
コロナ禍で店の中はガラガラで、僕の他には3人しか客はいなかった。時刻を確認する。

午後8時10分。演奏時間は午後8時のはずだが、今のところライブが始まる
気配がまるでなかった。隅のテーブルに楽器が置いてあるが、演奏者たちの姿は見えない。

他の客たちはと言えば、一人はタバコを吸っていて、もう二人は互いに知り合いらしく
世間話をしていた。この店では、いつもはほとんどライブをやっている。

ステージ前に備え付けられたスピーカーからは、聞き覚えのあるジャズボーカルが、
控えめな音量で流れていた。ほどなくして、今日の演奏者と思しき人たちが店に
入ってきた。楽器が置いてあるテーブルに、集まって少しばかり打ち合わせをしている。

暫くして演奏者たちはステージに上がり、それぞれの持ち場についた。
テナーサックス、ギター、ベース、ドラム、ピアニスト、そしてボーカルの

若くて可愛い女の子。その女の子がメンバーの準備が出来たことを確認して、
軽くドラマーにアイコンタクトを送るとドラマーが頷き、ドラムが短い
イントロを出し演奏が始まった。

ゆったりとしたテンポのシャッフルビート。タムを叩いて、大きく
クレッシェンドをかけるシンバルの鳴るタイミングに合わせて、
ベースとギターが入ってきた後、一拍の休符をおいてテナーサックスが奏でる。
演奏は相当うまい連中だ。

可愛い女の子のボーカルは、思ったよりも凛として低く通る声だ。
1曲が終わったところで、「こんにちは! コロナ禍の中、
ご来場ありがとうございます…」とあいさつ、そしてメンバー紹介の後、
2曲目が始まる頃には、ちらほらと客も集まり出していた。
     そして2曲目が始まったーーーーーーーーー
0308ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/09(土) 13:59:09.83ID:kk8b1VNH
みゆきさんはヘッドホンの左右を気にせず全く無頓着に頭にかけるという話を瀬尾さん
がラジオで話していたか、分からないが何かで聞いたことがある。彼女は仕事にはこだわりを
持って取り組むが、それ以外の事など、あまり細かいことにはこだわらない人だと思う。

人間全くの無頓着の人はいない。何かにこだわりを持つが、何かが欠けているのが人間なのだ。
どこにこだわりを持つかだと思う。普段どんなにちゃらんぽらんに見える人でも、人間である以上、
どこか人の見えないところに必ずこだわりがあるはずなのだ。それでないと他と違う性質を
持った人たちがここまで生き延びては来れないからだ。みゆきさんは横並びのみんなに合わせる

タイプではなくバランスを取ろうとするタイプだと思う。みんなが一斉に同じ方向を向きだしたら、
他人と違う視点でバランスを取ろうとする反対の意見を言うタイプかなと思う。これが人によっては
あまのじゃくに見える場合がある。イチローさんもそんなところがあるんじゃないかな。
0309ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/10(日) 08:28:18.37ID:0d42EZ2Z
「シーサイドコーポラス」

......いつからだろう この綺麗な景色を眺めて楽しむことを忘れたのは...

砂漠の枯れ果てた中でオアシスを探すように感情が、毎日の雑踏の中で心が渇き、
心に安らぎを与える場所を求めていたのかもしれない… 日々繰り返す日常生活の
中で無意識に渇いた心のオアシスを探していたのかもしれない.........

「お盆には帰ってこれるの…?!」始まりは、そんな母からの電話だった...
「まだわからないよ…」「相変わらず、忙しいのねぇー」とがっかりした母の声を聞いた途端、
申し訳ないと言う気持ちが瞬時に胸に広がった...

「仕方ないよ… 20代後半なんて、会社としてはバリバリ仕事をこなしてもらいたい時期だしね。
やることが山積みなんだ…」「去年も、そんなこと言って帰ってこなかったじゃない… せめて
盆暮れくらいはねぇ…」 …そんな母の言葉が決め手になったわけじゃない… 

段取りよく仕事が片付き夏季休暇を迎えられたものの、休みを期待していなかったお陰で
予定も無し、加えて雑踏の都会を離れたいという思いも手伝ってのことだった...

…懐かしい景色… 停車する音は、老朽化した車体が上げた悲鳴のように聞こえた。
傍らのショルダーバッグを掴みホームに降りた。小さな待合室。屋根もない吹きさらしのホーム。
肌を焼く強い日差しにうんざりしながら、蝉の声に歓迎されつつ、無人の改札を抜ける。

「時間が止まったみたいだな...」
…駅前通りと呼ぶのもためらうほどの寂れた街並みを抜け、海岸通りを進む…
この道筋は実家へと向かう通いなれた道だった。駅から15分ほど歩くと、
大海原が顔を覗かせる。町の寂しさを補うように波の音が届く… 

…風が潮の香りを運んでくる… 「寄り道していくか...」
心を落ち着かせてくれる波の音と ...懐かしい港の魚の油の匂い...

目の前にあるのは、どこまでも広がる大海原の青... それと境界を描くように
立ち込めている入道雲の白... この二つのコントラストと潮の香りが胸を躍らせ
夏の到来を実感させる… やっぱり帰省したのは正解だった...

海の近くにある古びた二階建てアパート。 …その近くで遊ぶ子供達の姿… 犬が吠えてる…
… 大海原の地平線に小さく見える白い船 …  …  …  …  …  …  …

  ・・・ いつからだろう この景色を楽しむ心のゆとりを忘れたのは ・・・

... あれから、どのくらいだったのだろうか ...... 
夕暮れ近くなったのか、 ...母親の子供らを呼ぶ声がする......

さてと、…実家に帰るとするか… 「母さんびっくりするだろうなぁ〜」
    ...実は親に帰省することは知らせてはいなかったのだった......
0310ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/10(日) 09:01:13.46ID:0d42EZ2Z
>>309
「シーサイド・コーポラス」タイトル修正
0311ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/11(月) 07:37:59.15ID:XvZYhdE8
「遍路」

私は塀に囲まれた古民家風のわりと大きな家の前に来ていた。
門に木製の看板があり。毛筆で【瞑想道場 一如庵】と書かれてあった。

インターホンを押すと返答があり、還暦少し過ぎたくらいの男性が
出てきた。一見して只者ではないと思わせる雰囲気をまとっていた。
「初めまして、昨日電話した望月です。よろしくお願いします…」
「初めまして、当瞑想道場を運営している三島です。どうぞ中にお入りください…」

案内されるまま門の中に入ると、枝ぶりのいい松の木などの植栽が見事な庭があった。
庭石が効果的に配置されていて、小さな池もあり、池のほとりには鹿威しがあり、
" カコーン! " と音が響た。地面は苔で覆われていて、歩く所だけ丸く平たい御影石が、
点々と続いている。それほど広くはないが、とても風情のある庭だ。

その男性の後に付いて歩いていると、あまりにも美しい歩き方に見えたことに驚いた。
普通に歩いているだけなのに何故か、周りと調和しているように感じられて不思議だった。
庵は草木や竹などの材料で作った質素な佇まいの小住居。昔話に出てきそうな雰囲気である。

案内された和室で座布団に座って待っていると、暫くしてお茶をお盆にのせて持ってきた。
床の間には掛け軸が掛けてあり相田みつをの書の掛け軸が掛けてあった。

「私はマンション暮らしなので、こういう床の間のある和室に憧れがあります。相田みつをの
言葉は当たり前のことを言っているのだけど何か不思議な説得力があっていいですよね。
『 道 歩くから 道になる 歩かなければ 草が生える 』まさにそうですね…」

「その通りです。私は弘法大師の修行の跡とされる四国八十八か所を巡り歩いて感じたこと
がそれなんです。人は人生という旅をする旅人である。人生そのものが冒険であり、
旅のようなものです。そこで経験したことが大切なのです。この世は理不尽で不条理な世界です。

沢山嘆いて悲しみや絶望に暮れてもいいのです。人生に無駄なことは何もない。たとえ失敗しても
それば素晴らしい経験。その経験があったらこそ、今の自分があると、そう思える日がきっとくる。
その為にも、そのあとの最初の一歩が大切なのです。どんな一歩を踏み出していくか、だと思います…」

「同感ですな… この世で肉体を持って生きることは様々な制約が伴う。思い通りにならなくて
嘆く人がいるけど、人生そのものが、思い通りにいかないものと悟ことで気が楽になりますものね…」
「全くその通りです… ワハハハ…」「この物質世界でのお金も物も、手に入れた全ての物は、

あの世には持っていけないですからね。だから体験から学ひ得た潜在意識の記憶… だから何事も
この世での『経験』が大切と言う事ですね… だからこそ、この世に生まれてくる意味があると...」
0312ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/11(月) 15:03:34.63ID:XvZYhdE8
色んな所でやり方は違えど中島みゆきを少しでも多くの人に知って欲しいと頑張っている人は
僕のことは気になさらずに頑張って続けてください。僕は単に一日一曲ストーリーを自分に

課せて趣味、遊びでやっているだけです。ただ中島みゆきを少しでも多くの人に知って欲しいと
言う気持ちは一緒だと思います。人それぞれでいいんです。気になさらずに頑張ってください。
0313ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/11(月) 19:07:58.64ID:XvZYhdE8
ここは僕が思っているよりも、見てくれている人が大変多いみたいなので嬉しいです。
感謝してます。一日一曲と自分に課せて、続けていますがどこまで続けられるか
わかりません。歌詞にあった物語にするのが大変難しいので、全曲制覇は
とても無理だと思います。
0314ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/11(月) 20:44:27.81ID:XvZYhdE8
プロの作家は大変だと思います。それを職業にしている以上、完全オリジナル作品。
小説でないといけないですからね。僕はプロの作家でもないし、プロの作家になる
つもりもありません。小説のオリジナルストーリー作りが最も大変なのです。
0315ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/11(月) 21:04:54.39ID:XvZYhdE8
最近はプロの小説家でも他の作品の二次創作を描いている作家もいますね。昔のように
完全オリジナル作品を作り続ける小説家は減りつつあるのかもしれません。
0316ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/12(火) 07:58:47.33ID:90eV74DS
「夜風の中から」

春はあけぼの... 夏は夜... 秋は夕暮れ... 冬はつとめて早朝...
誰が言ったか知らんが...でも、俺は、夏の夕暮れ時が一番だと思っている...

そして夕暮れ時のアパートの窓を開けると、
どこからか、 " … ちりりん!… "  という …風鈴の音が聞こえてきた…  
「もう夏なんだなぁ〜」
多分、下の階の人が吊るしているのだろう…

そう言えば、夏になると実家の軒下に吊るされた風鈴を思い出す... 
「おじいちゃん! ことしも、ふうりんをつりさげるの?…」
夏真っ盛りになってくると、実家の軒下に爺ちゃんが風鈴を吊り下げでいた。

「ああ、そうだよ。今年も、これで涼しさを感じるんだ…」
「ほんとに、すずしくなってくるのかなぁ〜」
幼かった俺は風鈴の音で本当に涼しさを感じるものなのか疑問に思っていた...

大人になって風鈴の音の涼しさが何となくわかってきた気がする...
…昼の猛暑、酷暑の暑さが、なんだか少し和らいだ気がする…

西の空はいつまでも暮れきらずにオレンジ色に色づいていた...
少しずつ少しずつ薄暗くなっていく... 外の様子を眺めながら...
キンキンに冷えた缶ビールを片手にベランダで一杯。

たまの休日、ベランダで沈んでゆく夕陽を肴に一杯やるのも、なかなか粋と言うか、たまらんね。
そんな夏の夕涼み、幼い頃の記憶に残る窓を開けて団扇で揺ら揺ら扇ぎながら耳に入ってくる
風鈴の鈴の音、遠くから聞こえてくる蝉の声… 暗くなるにつれ聞こえてきたそんな虫の声が懐かしい...

そんな時だった! …聞き覚えのある女の声が聞こえてきた…
夜風の中から聞こえてくるあのけたたましい …女の笑い声… 
と思ったら、その直後、

その声をかき消すほどの …突然の激しい雷雨と、にわか雨… … … … 
「驚いたな、突然のにわか雨…」
「あいつ、大丈夫かなぁ〜 雨で震えているんじゃないのか... 」と心配する俺いた...
     −−−−−−−−− そんなあいつのことを突然、気になりだした俺…
0317ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/13(水) 06:47:20.62ID:dVrmqIVc
>>316
末尾追加
「…遠い昔の記憶が... ふと、そんな懐かしい記憶が、
マンションのベランダて夜風に吹かれながら久しぶりに飲んでいると
何気に思い出した… 何のことはない記憶なんだけど...」
0318ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/13(水) 10:56:55.37ID:dVrmqIVc
「月夜同舟」前編

日本にも、一億総中流意識を持っていた時代がかってはあった。
それがいつの間にか、格差社会へと移行した。俺がこの会社ら入社した頃には既に、
この日本も格差社会になっていた。その中で揉まれながらも、どうにか俺は、
主任、係長、課長、室長... 一流企業の次長にまで上り詰めた。

我ながら、よくここまで来たと思う。郊外に家を持ち、息子も、それなりに出来が良くて
まあ、それなりの私立校に通っている。会議が終わると、「次長、奥様からお電話です…」
「お、ありがとう。はい、私だが、なんだ…」「うちの土地が、都市再開発の地域に

入っているんですって… それで不動産屋さんが言うには、思い切って都心のタワマンと
買い替えないかって…」「あ、分かった。色々調べてみるから、軽はずみな返事は、しないように…」

仕事終わりに、近くのビルにある書店で本を読み調べてこれはと言う本を購入し、帰りのエレベーターに乗った。
エレベーターにいる数人の中の一人の女性の顔に見覚えがあった!   … " あ、あれは、直枝た! " …

…俺に気づかないのだろうか… それとも俺の顔を忘れてしまったのか… 直枝の後をつけレストランに入る。
そして背中合わせの席に着いた。 …いゃあ、気づいている、気づいているはずだ! 気づいていながら
気づかぬふりをしているに違いない… 同行している使用人の手前、話しかけられずにいた。

…俺に気づいていて、態々、レストランに入ったに違いない。俺が後ろにいるのを知っているんじゃないか…
俺を忘れるはずがない。それにしても、随分と恵まれた生活をしているようだな… 

使用人が「失礼します…」と帰りかける。 …よし、 " 今だ! " … 俺がさりげなく彼女の前に 座れば、
気づくはずだど動こうとした時、直枝は「岸本、お前もコーヒーを飲んでいきなさい…」
使用人は「は?…」 …俺も?!… 直枝は「休んでいきなさい…」「し、しかし…」
「○○学園に息子を迎えに行くまでには、まだ時間があるでしょ。少し休んでいきなさい…」

…○○学園と言えば、俺の息子が落ちた学校じゃないか…   あれは十年前...
「係長、すみません。少し前借り出来ないでしょうか?!…」「何だ、話って、そんなことか…
いいとも、前借りなんてしなくても、私が貸してやるよ…」

その夜に俺達は初めて関係を持った。その後、俺に縁談話が持ち上がり俺は3年間続いた不倫を
俺の方から一方的に解消し彼女を捨てた。その後、彼女は会社を去った...
0319ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/13(水) 11:02:41.32ID:dVrmqIVc
>>318
2行目「会社に入社」に訂正
下から8行目「気づくはずだと」に訂正
0320ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/13(水) 11:53:04.13ID:dVrmqIVc
「月夜同舟」後編

あの直枝が... 全く女の運命ってドラマだな… 直枝が使用人に、
「○○○○と言う会社を知っていますか?…」 …俺の会社じゃないか…
「え、…はい! …もちろん存じております。○○○の最大手ですし、
確か旦那様が大株主でもある有名な会社ですから…」

「○○○○だけじゃなく、グループ全体の大株主でもあるわ。主人が亡くなった
お父様から受け継いだものよ…」「よく存じております…」 …知らなかった…

「主人は変わり者で、私みたいな者と結婚しました…」「あ、いえ、そ、そんなことは…」と使用人。
…まずいぞ! 直枝は、俺が後ろに座っていることを知って、態々、あんな話を聞かせたんだ!…
こりゃマズイ!、俺は直枝を別に、どうこうするつもりは全くない。直枝の旦那から、社長にでも、

…変なこと言われたら俺は破滅だぞ!… そうだ! 俺がこのまま、ここから消えちまえばいいんだ!…
そう思い急に席を立った瞬間! " ガタン! ドン、バシッ! "  背中合わせの俺の椅子の背もたれと
彼女の背もたれ椅子にぶつかり、その拍子で、自分の股間にコーヒーが零れ、そして彼女の持っていた
コーヒーが、洋服に… カップはテーブルの下に落下! " ガシャン! "  とカップが割れる音! 

…周りのお客が一斉に振り向く… 「奥様! 大丈夫ですか、?!…」と慌てる使用人。
そして「おい! 誰か、おしぼり、早く持ってこい!」と使用人が怒鳴る!
「申し訳ありませんでした!」と俺は慌てて土下座した!

帰りの電車の中で …なにも、土下座までは、することはなかったんだ!…
ただ謝れば、それでよかったんだ… あそこまで、自分を惨めにすることはなかったんだ!…
大株主の女房だろうが、俺には関係ないさ! …もし、気に入らないなら、クビにすればいい!…

俺は誰よりも、頑張って働いて来たんだ!! だからこそ、この歳で次長にまで、
上り詰めたんだ! 俺をクビにすれば、困るのは俺じゃなく会社の方だ!! 畜生!!!

…帰路に向かう電車の中、俺は心の中で叫んでいた!… 俺は一体、何と比べているんだ!
いつも、何かと比べて生きている… そんな必要なんて、ないんじゃないのだろうか…
格差関係がなんだ! みんな同じ舟に乗っているんじゃないのか、人生と言う舟に...

乗り合わせて、…揺らいでいるに過ぎないんじゃないのか… 涙こぼれても、揺らいでいる…
他人と比べて生きることが果たして必要なのだろうか…
〜 〜 〜今宵も舟ゆらら〜 〜 〜
0321ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/13(水) 12:26:48.80ID:dVrmqIVc
「月夜同舟」という言葉は彼女の造語なのだろう。彼女はシンガーソングライターの中でも、
独特な造語が多い。彼女の造語が既存の言語になるケースも過去あった。同舟とは同じ船に
乗り合わせることを意味する。これを物語の中でレストランで背中合わせに座る場面にした。

敵対していたり、仲が悪いものが同じ場所に居合わせることを意味する言葉で「呉越同舟」
がある。これも少しもストーリーに混ぜてみた。
0322ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/13(水) 12:56:06.22ID:dVrmqIVc
>>321
少しも×
少し〇
0323ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/13(水) 19:33:33.81ID:dVrmqIVc
>>318
下から5行目「あれは15年も前...」に訂正
0324ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/14(木) 08:31:41.16ID:p1rLaN7R
「強がりはよせョ」

付き合って三年目の彼女に唐突に振られた...
「他に好きな人が出来たの、ごめんね!」
就職して二年目。そろそろ結婚とかも、真剣に考えていた。
突然、 " 目の前が真っ暗になった! "

俺は彼女が本当に好きだったし、勿論、浮気もしたことがない。
そりゃあ、俺は格別いい男って訳じゃないけど、彼女のことは
本当に大事にしていたつもりだった...

なのに、すっげーえ、あっさりスッパリと断られた。どーにもこーにも収まりが
付かなくて、電話するも着信拒否! 家に行っても、いつも留守。バイト先も辞めてた。
徹底的に避けられた。もー ショック!で、スゲー荒れた! 仕事に打ち込みまくった。

それから半年、お陰て同期の中では断トツの出世頭になっていた。彼女のことも、
少しずつ忘れ始めていた... そんな矢先のある日、スマホに知らない番号の電話が
掛かって来た。最初は悪戯とかだと思って無視していたんだけど、何回もかかって来る。
仕方がないから出た。別れた彼女の妹を名乗る女が、「お姉ちゃんに会いに来てくれませんか?…」

…聞いた話によると、彼女は白血病にかかっていて入院していた。ドナーがやっと見つかったものの、
状態は非常に悪く、手術をしても助かる確率は五分五分だと言う。入院したのは、俺と別れた直後だった...。

俺は早速、病院へ駆けつけた。無菌室にいる彼女をガラス越しに見た瞬間、俺は周りの目を忘れて怒鳴った!
「お前!、何勝手な真似してんだよっ!… 俺は、そんなに頼りないかよっ!!…」
彼女は俺の顔を見て!  " 暫く唖然 " としていた… どうして俺がここにいるのか、分からないと言う顔だった。

その姿は本当に小さくて、今にも消えてしまいそうだった… でも、直ぐに、彼女は " ハッ " と
我に返った顔になり、険しい顔でそっぽを向いた! この機に及んで、まだ、意地を張る彼女。

その日から手術までの二週間、俺は毎日病院に通った。だけど、彼女は相変わらず頑固に俺を拒絶し続けた。
そして手術の日、俺は会社を休んで病院に着いた時には、もう手術室の中だった。手術は無事成功。
だけど、安心は出来ない状態だった。抗生物質を飲み、経過を慎重に見なくてはならない状態だと
医者は言った。俺は術後も毎日病院に通った。彼女は相変わらず俺の顔を見ようとはしなかった。

ようやく退院出来る日が来た。定期的に検査の為、通院しなくてはならない。薬も飲まなくてはならないけど、
日常生活を送れるまでに快復していた。俺は当然、彼女に会いに行った。お祝いの花束を持って
「退院おめでとう!」そう言って花束を手渡した。彼女は無言で受け取ってくれた。

俺はポケットの中から、小さい箱を取り出して中身を見せた。俗にいう給料の三か月分だった。
「これ、貰ってほしいんだけど、俺、本気だから…」そう言ったら、彼女は凄く驚いた顔をして
「バカじゃないの!…」 …彼女の肩が小刻みに震えていた… 「うん!、俺、バカだよ…」

「私、これから先だって、どうなるか、分からないんだよ…?!」「知ってるよ。
色々とこれでも勉強したから… で、どうかな…?!… 俺の嫁さんに、なってくれる…?!」
彼女は顔を上げて、涙いっぱいの目で俺を見つめて言った。
「ありがとう…」  ...俺は彼女を強く抱きしめて一緒に泣いた...
0325ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/15(金) 07:23:19.62ID:QAFuG/ul
「お月さまほしい」

君は最後は笑って帰っていったけど... 
「今頃、泣いているんじゃないかと思ったんだ…」

君の寂しい後姿が脳裏に焼き付いている...
「ひとりだけで泣いてるんじゃないかと思ったんだ…」

こんなこと言っても、信じてもらえないかもしれないけど、本当に大好きだった...

私は遊び相手 時折、別の女を家に入れては 私を相手にしない。
寂しいとは言わない 女が出ていけば 私をかまってくれるから
いつもそばにいるのに 私以上にあなたを知る人はいないのに

君の女友達や今でも交流のある昔好きだった女性にも色々と焼きもちを焼いて、
何度か些細なことで君と大喧嘩した… そして今夜それが決定的になってしまった...
そしてついに君と別れた.........

君の寂しい後ろ姿が目に焼き付いている...
そんな君の事、もっと別れる前に、もっともっと理解してあげたら...

君の心の痛みもわかろうとせず、些細なことで君のことをたくさん傷つけた。
君のことが本当に大好きなのに、大喧嘩して別れてしまった...
心で泣いている君をどうすることもできず自分の無力さを思い知る。

どんなに酷い一日の終わりでも… 笑って帰っていった君だから...
「夜中にひとりで泣いてるんじゃないかと思ったんだ…」

君をかばう勇気も 慰めも 何一つ浮かばずに見送った...
己の情けなさに さいなまれて 君に何か渡してあげたくて 
何かないか、何かないか、 探し回ったんだ

元気づけようとして何ん贈りたくて、探し回った結果、見つけたものは
夜空に浮かぶお月さまだった...

夜中の屋根で猫が跳ぶ 呼んで跳ぶ 泣いて跳ぶ 君に贈ってあげたいから
   − − − − − − − − − お月さま ほしい  
                           「ニャーォ…」

         
0326ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/15(金) 08:37:02.75ID:QAFuG/ul
>>325
下から5行目「何か贈りたくて、」に訂正
0327ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/16(土) 08:19:27.11ID:VL3ncBnn
「シュガー」

…暗闇をスポットライトが切り裂く… 
鮮やかなショッピングピンク色の強い光の刺激に、二、三度瞬いて目を開くと、
舞台の中央に薄いパープルのスーツに身を包んだスタイルの良い女性が、
正面に半身を向け腕組みをして立っていた。

ブルネットの髪はアップ。軽快なポップスナンバーが流れ始めると、
エナメルのパンプスを履いた右足でリズムを取り、全身に行き渡らせたところで
ステップを踏んでいく。スカートから伸びた長い脚が躍動する。

腰が揺れると、長い両腕が水平に広がる。目元涼しいシャープフェイスで、こちらを向いて
純白のブラウスの前をパッと両手で開ければ、ゴールドに縁どられた深紅のコスチューム。
激しくフラッシュするライトに、エナメル調の胸元が光り輝き開ける。観る者に強烈な
インパクトを与える舞台は暗転… 次に灯りが燈った時の彼女の姿を想像しながら

視線を塞がれた観客が痺れを切らす寸前、燐然と輝く光を受けて羽飾りを付け登場したのは、
深紅のチューブトップバンドゥビキニ姿の女性。足元はパンプスと同じ深紅のピンヒールブーツ。

すっと、両足を開き、腰に両手を当てるポージング… 曲が物哀しい調子に変わり、
クライマックスを迎えるとゆっくり曲調に合わせピンポイントのライトの怪しい光の中、
深紅のピンヒールブーツを脱ぎ捨て、深紅のチューブトップバンドゥビキニの上から
ゆっくり曲調に合わせ脱いでいく…  かぶりつきのお客が息をのむ瞬間だ!

最後のバンドゥビキニショーツに手がかかり両足をバタつかせて、ゆっくり剥ぎ
取られるように脱ぎ捨てられた下半身が露になる。静かなピアノバラードに変化する… 
ヒロインが顔を上げ吊るされたロープを手に取り自らの裸身の上を滑らせる。

黄金のロープが生き物のように這い回り、盆を転げまわる彼女の体に巻き付く。
ロープに足裏を掛けた長い右足が宙に伸びる。お決まりのポージングに沸き立つ拍手。
スポットライトを浴び透き通るような白く輝く脚に投げ縄のようにロープが絡みつき滑り落ちる。

大きな拍手に満足したかのように立ち上がった。裸のヒロインは優雅にラストポージング。
盛んな拍手に送られ舞台を照らす照明が消えた。1館、また1館と劇場が閉館し、風前の灯火の
ストリップ業界。それでもこの世界で生きようとして、それを支える人たちがいる。

20代の若手から、この道30年というベテランまで幅広い年齢層の踊り子たち。
それを舞台で支える男達。そして熱心に劇場に足を運ぶサポーターごときお客たち。

「この世界には、本当に色んな人たちがいます。それぞれの立場や事情は違うけど、
話を聞いてドキッとすることが多いですね…」とある踊り子は言う。
色んな人生模様がここにもある。みんな一生懸命生きているのだ。
0328ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/17(日) 07:50:14.23ID:qzvdb+Uh
「夏土産」

…あなたと同じ場所からの貝殻と恋人たちの写真…

今年の夏が終わって友達から届けられた夏土産。貝殻と一緒に贈られてきた
一枚の写真。そこに映っていたのは送り主の友達一緒のあなただった。
  … 海辺の崖から吹き上げる風に紛れて映る二人 …
...教えてくれたのは、大学からの友人の女友達だった......

そうだろうと思ってはいたけど、訊かないように
知らないふりしてきたのは、私まだあなたを好きだから………

あなたの心は私にないことは知っている。私の友人と恋人状態なのは
わかっていた。友達と一緒に出掛けると言っていたあなた。男友達ではなく、
その友達が私の友達だと言う事も知っていた………

「今年は、友達と一緒に海に行く約束だから、お前も、好きなところへ友達と行けば…」 
 …そんなこと言って出かけた。男友達と出かけるふりして出かけたあなた…

嘘ついているのは、目つきで分かるけれど、…それを言っても仕方がない…
帰ってきて、「カメラ忘れて行って、何も取れなかった…」って言っていたけど、嘘...
届いた私の友達と一緒に映るあなた...

私はつば広の麦わら帽子と白いワンピースで海岸沿いを歩いていた。
太陽はさんさんと輝いている。坦々たる道を黙々と歩き続け白い砂浜に出た。
あなたと出会ったのは、こんな夏の白い砂浜だった………

私の友達と海辺を歩いていた時、あいつに声をかけられた...
…あの時もつば広の麦わら帽子に白いワンピースと言う清楚な出で立ちだった………
   −−−−−−−−− 今日は、なんとなく広い夏の空と夏の海が見たいと思った。
0329ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/17(日) 08:15:13.82ID:qzvdb+Uh
>>328
3行目「友達と一緒のあなただった。」に訂正
下から3行目「あなたに声をかけられた...」に訂正
0330ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/17(日) 11:06:03.61ID:qzvdb+Uh
>>328
下から8行目「カメラを忘れて、何も撮れなかった…」に訂正
0331ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/17(日) 11:11:08.95ID:qzvdb+Uh
>>328
下から7行目「届いた写真に写る私の友達とあなた...」に訂正
0332ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/18(月) 07:55:15.73ID:R8dk6fQW
「紅灯の海」

「奥さんに怒られませんか…?」「なあに、タクシーさえ使わんかったら大丈夫、 
ちょっと、知り合いの店があんねん。 もうちょっと、つきあってえな…」
仕事帰りのサラリーマンたちの会話が聞こえる。俺はそんな夜の繁華街を歩いていた。

オレンジ色の看板に赤提灯。…近づくにつれて焼き鳥の香ばしい香りが俺を誘う…
開けっ放しのドアから入る。「へい、いらっしゃい!」と出迎えてくれる店員。
おしぼりを持ってきてくれた店員さんに、「中生、お願いします…」とオーダーをする。

そして壁に貼ってあるメニューを眺める… ほどなく注文した生が到着。
そのタイミングで店員さんに、「ハツ、カシラ、砂肝を一本ずつ…」と一先ず注文。
「タレ? 塩? どうされますか…?!」「う〜ん… タレで…」

暫く、その店で飲んでいると、明らかに昔は相当やんちゃしたんだろうなという
40代くらいの厳つい男が入ってきて俺の隣に座った。

その歩き方と口調、眼つき。ちょっと肩を揺らして店に入って来る感じと謎のヤンキー歩き…
そしてちょっと下から上目遣いで人を見て、「俺はよぉ〜」って感じのあんちゃん。

初対面だったが、なぜか不思議と意気投合した。意外に気さくな奴だった。
話を聞くと、近くの市場で働いているという。子供の頃は汚い、臭いで、
親がここで働いていると友達に言えなかったと言う。

そんな彼も何故か、子供の頃、あれほど嫌っていた親父と同じ職業に就くように
なったと言う。あれほど嫌っていたゴムエプロンにゴム長に、ねじり鉢巻き。
魚を扱っているわけだから、そりゃ当然、魚臭い、生臭いマグロの仲卸。

マグロの解体職人。今では、そんな自分に誇りをもって仕事していると言う。
「昔は、やり直しやり直しで、何度も怒られたけど、今は本当に感謝している。
俺、怒られる方が好きなんだよ。構ってもらっているようで…」

彼はここの強烈な縦社会に放り込まれ、そこで腕を磨く技術で生きていくことを
教えられたのだった。怒られることで目をかけてもらっている。気に入ってもらっている。

怒る人は、自分のことを一番に考えてくれる。ありがたいという。
そんな彼の気さくな身の上話に花が咲いた夜だった...
0333ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/19(火) 08:28:37.91ID:wi8t9fPg
「あたいの夏休み」

- " ゴトン! " -
「ああ、新聞配達ね…」配達員のタッタッタッという足音と共に、
キーホルダーだろうか、鈴のリンリンという音が重なる… 

- 時計を見る -  まだ、朝が早い… 4時だった。もうひと眠りと思い寝ようとするが、
起きてしまった目は中々言うことを聞かない。軽い頭痛と無理やり閉じた瞼の下の目が
じんじんいっている。しばらくそのままにしていると私は再び眠りに落ちた...

" ピピピッ! " という目覚ましの音で再び目を覚ました!
鉛のよう重くなっている腕をゆっくり上げ、目覚まし時計を止める!

時刻は朝の6時半。軽く伸びをして、起き上がりカーテンを開けると、
朝日が開ききっていない私の目を半ば強引に開けさせた!

ー うん。…いい天気だ! ー 意識が起きてきた!!

…ドアの下に落ちている朝刊を取りに玄関に行く…
拾い上げると、中に挟まれている広告紙をとり、ゴミ箱へ…
見出しには大きく昨日のニュースで言っていた外国とのいざこざが取り上げられていた。
リビングに向かいリモコンでテレビのスイッチを入れる。

NHK特集なのか、1986年頃の人気絶頂期の避暑地。  … 清里が映っていた …
 …人や車でごった返す、当時の清里駅周辺の光景がそこに映し出されていた…

あの頃の自分の記憶が蘇って来る… 付き合っていた彼と別れちょうど、
失恋で自暴自棄になっていた時期だった...
 …独り寂しく清里のユースホステルに泊まっていた自分…

テレビに映る清里は、追憶のバブル当時の高原のメルヘンチックな建物から
そこに溢れる賑やかな人々達を映し出していた...

当時のソフトクリームを頬張りながら歩く若いカップルの姿...
そんな懐かしい当時の光景… かっての自分は、自分だけが嬉しいと思えることが
幸せだと思っていた。だから、自分が幸せになることが全てだった...

心のどこかで人と比べている自分がいた。人と比べるから自分が辛くなる。
根っこは同じなのに、あいつらとは違うと思いたい自分がそこにいた。

...そんなささやかな幸せの差に翻弄されていた自分......

…人と比べることでしか、己を評価できない。そんな哀れな自分がそこにいた…
0334ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/20(水) 07:53:19.83ID:TkTekeGK
「ファイト!」

私には10歳の息子がいます。ある病気を持っており、車いすの生活で、
投薬の副作用もあり、一見ダルマの様な体型しています。知能レベルは
年齢平均の為、辛さを感じるのか、何かと辛い思いをして生きています。
息子にとって、生きることそのものが自分との闘いの日々です。

今日、通院日でバスに乗った時、いつも通り車いすの席を運転手さんが、
声をかけて開けてくれたんですが、どうやらそれで立たされた人が、
ムカついたらしく、酷い言葉の暴力を浴びた!

「ブクブク醜い。何で税金泥棒の為に立たされなきゃならないの、
補助金で贅沢しているくせに、役に立たないのに、なんで生かしておくかなぁ?…」

それもこちらに言ってくるのではなく、雑談のように数人で、コソコソ言ってる。
それは、まだ小さい子連れママグループの呟きだった...

息子がその囁きに気づいて、「お母さん、降りようか…?!…」と言ってくれた。
実は耳が聞こえにくい為、声が大きく発音が不明瞭な息子の声を聞いた
母親グループの一人に「きも!」と言われた。

私はその言葉に切れて「何か、息子の件で、ご迷惑でも…?!」と言ったら、
母親グループの一人が笑いながら「何か?!、だってww 受けるwww」と嘲笑された!
更に「うちは娘だから、あんなのに目をつけられたくないわ! アタマがないから、
レイプされても泣き寝入りだもんね〜」とも言われた。

流石にもう降りようとしたら、運転手さんが、バス停に止まって、
「えー、奥さん、ここで降りてください!」と言われる始末。

「あーもーいいや、苦情だけ入れて二度と、この路線を使うもんか…」と思いながら、
車いすを外そうととたら、「あ、お母さんではなくて!…」と私を見て、
運転手さんが続けて言ったのは、「後ろの奥さん方、あなた方が乗っていること自体が、
他のお客さんに迷惑ですので、こちらで降りてください!」

私も息子も、名指しされた子連れママさん達も …呆気にとられポカーン…

そしたら後部座席から「さっさと降りろ! ウザいんだよ!…」
「食べこぼしは、片付けていきなさいよ!…」「ほら、さっさと出て行きなさい!」
などの声が聴こえて来た。そんな乗客の声にママさんたちは降りる時、
運転手さんに「クレーム入れてやる! 覚えとけ!…」

その言葉に運転手さんは、
「はい、どうぞ、乗車賃はいりませんから、さっさと降りてください!」

ママさんたちが下りてから運転手さんにお礼を言ったら、
「迷惑行為排除は私たちの務めですから気にしないでください。大変な思いをして、
一生懸命頑張って生きている人に浴びせる言葉ではありません! 聞いていて、

腹が立ちました。普段の生活は大変でしょうが、辛くてくじけそうになっても、
くじけず精一杯、生きることに価値があります。頑張ってください!
私は応援していますよ…」と言われてしまい。 …私はもう涙目… 

 息子も普段の辛さも忘れて …涙目に笑顔…
…冷たい視線ばかりと思っていたのに、世の中、捨てたもんじゃないと思った…
0335ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/21(木) 07:44:00.19ID:JHYsaYQS
「鷹の歌」

○○ホテルの孔雀の間。この豪華絢爛たる大広間に今、千人近い日本の顔が一堂に
集まっていた。『トップ・フェスティバル・イン・ジャパン』と呼び、その名に
ふさわしい日本政財界を代表する大物実力者たちが招かれていた。

まさに、日本を揺り動かす顔が一堂に揃ったのであった。各国の駐日大使夫妻や
武官も顔を見せ、また脇役には名の知れた大勢の芸能人も呼ばれていた。
頭を下げたり、互いに盛んに握手し合ったり、肩をたたき合ったり、談笑し合う

光景が見える。新総理、中沢正義主催のパーティ。中沢は新総理として初めて
主催するこのパーテイで己の隠然たる権勢を内外に示したかったのであった。

とりわけ強烈な総裁選争いを展開した宿敵の前総理、福井義三に対しては、
執念にも似た敵対心を抱いていた。だが、表向きには和やかに進んでいた。
総理の椅子を中沢に奪われたとはいえ、七年八か月と長きにわたり、

総理の座についてきた男である。「総理、お話中のところ、恐縮ですが…」
内閣官房副長官の加藤浩平が、スッと中沢に近づいて、何事かを囁いていた…

まだ四十半ばの若さで、既に官房副長官の地位を手にしている加藤は、
中沢からの信頼を受け、その将来を期待されていた。

東大法学部とオックスフォード大学をいずれも首席で卒業し、党内からも
カミソリ加藤と異名が付くほどの切れ者でもあった。

「福井さん、悪いが、ちょっと失礼…」中沢は福井に愛想笑いを投げかけると、
軽く頭を下げて、加藤と共にその場を離れようとした時だった...
ゆっくりと杖を突いて歩いてくる老人がいた。

...巨大な大和グループ総帥、遠山総一郎だった......
0336ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/22(金) 07:53:25.94ID:BlMB4T+/
「幸福論」

「頑張りますとか、一生懸命とか、曖昧な言葉を使うな! 必ず期限と数字を入れろ!
お前の言う頑張るは、俺からすれば全く頑張っていない! そういう時は死ぬ気で
やりますだ! それが俺の頑張るだ! 俺は中身のない綺麗ごとは言わん! 
見込みのない奴には、何も言わん!」と課長から叱咤された。

それから「何度も同じことを言わせるな!」
挙句の果ては「お前は、気楽でいいよな…」と言われる始末...。

「めんどくさいことを後回しにすると、後で更にめんどくさい状況を生むだけだからな…
俺は、これからもお前をボロクソに言うだろう。何でか、分かるか…?!、 

お前を嫌いだからじゃない。俺はお前の嫌われ役でもいいと思っている。
お前は、やりゃ出来る。やれば出来るんだよ! だからもっと頑張れ!」
今まで一度も俺を肯定することは無かったから、素直に嬉しかった。

そんな激励を受けた翌日、なんと、重大なミスを犯していた...
部下に伝えなきゃいけない重大なことを伝え忘れていた!

連絡事項は新製品の入荷状況とかで、すごく些細なことだったが... 大切なことだった。
普段から何かと、問題を起こす部下の一人が当時、精神的にかなり参っていて...
不安定だったのか...いきなりオフィスのドアを開けて、血走った目で俺の方へ来て、
「お前! ふざけんなー!!」っていきなり胸ぐらを.........「あっ!…」

ー そこで目が覚めた ー  「あ、夢か... 良かった…」と胸を撫でおろす...
目覚まし時計を覗くと午前九時半。昨夜の酒がまた残っている。喉が渇いたので、
ふらつきながらもキッチンで水を飲む。 …冷たい水が身体中に沁み込んでいく…

昨夜は会社の飲み会で、会社近くの居酒屋で大騒ぎした...
飲み会でしか笑わない課長の隣に座ってしまい。
「飲み放題なんだから、遠慮せずに飲め…」と勧められて

焼酎をストレートで一気飲みしたのがいけなかった...
記憶がぷっつりと途切れている。 …昨夜はどうやって帰って来たんだっけ…

勤め人として都会に住んでいると、たまに無性に田舎や自然のあるところに行きたくなる。
俺が辞めたいって言った時の課長の一言。「その国の総理大臣が辞めたって国は動いていく。
それと同じように、君が辞めても会社は動いていくから大丈夫。それが会社だから…」と
突き放された。

俺のミスでトラブルを起こし、この仕事に向いていないからやめようと、そんな課長に相談した
時、「辛い時が、一番人間的に成長する時でもあるんだ。コンクリートの上を歩くより、
砂の上、泥の上を歩くように意識する。歩くのは大変だけど、そうすれば足跡は残る。

俺の言いたいことが分かるか、選ぶときは辛い方を選ぶことが自分の力になるんだ。
それと、『急がば回れ』と言うことわざがある。何かを物事を成し遂げようといるときは、
なるべく、急いで近道を選ぶより、遠回りしろと言う事なんだけど、単純に考えると、
近道の方が絶対にいいと思うだろ、なぜ態々遠回りしなきゃならないんだよと毒突かれ

そうだけど、危険な近道よりも、遠回りしてでもいいから、安全確実な道を選べと言う
諺の深い意味がそこに隠されている。分かりやすく言えばこんなことだ。俺はお前には
期待はしていない... けど、頼りにしている。頑張れよ!」と言っていた課長。

「男の仕事=家族を養う。人は生きる為、食うために働くことが仕事だ。最近、妻に
『私と仕事、どっちが大事なの…?!』と言われたよ。女は恋愛、男は仕事を命とする生き物。

太古の狩人の時代から家族を養って来た。男は好きな仕事している時が、一番幸せ
じゃないのかな… 天職と思える仕事が見つかれば、そりゃ最高だけど、仕事に
ありつけるだけでもいいんじゃないのかな…」と課長。
0337ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/22(金) 08:45:31.05ID:BlMB4T+/
我々はこの競争社会で他人と比べて生きている。幸せの価値は、他人と比べて生きる
ことですか、お金持ちになることですか、お金、確かに沢山あったらいいですね。
そんな物欲ですかね、何に幸せを感じるか、幸せの価値感なんて人それぞれで
いいじゃないですか、お金持ちになっても幸せになるとは限りません。

何気ない日々の生活の中には見落としがちな小さな幸せは転がっています。
見つけることはそんなに難しくはありません。
大きな幸せ探すよりも、何に幸せを見出すかだと思いますね。
0338ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/23(土) 07:25:23.81ID:qgDNT9KY
>>336
下から11行目「何か物事を成し遂げようとしているときは、」に訂正
0339ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/23(土) 07:58:02.36ID:qgDNT9KY
「美貌の都」前編

    ー 植田加奈ファッションショー企画推進会議室 ー

" ゴホッ! … ゴホッ!!、ゴホッ!!! " と咳をしていると、
「加奈ちゃん! どうも、その咳、気になるな。一度、医者に行ってみてよ…」
「大丈夫、何でもないですよ。生まれてこの方、病気知らずの身体ですから…」

「いや、すぐ行きたまえ! このイベントはスポンサーなしの先行投資で、一億円近い金が
掛かる。早く言えばね君を売り出す為のイベントだ! イベントの後で、君に倒れられたら
元も子もない… 我々は君を売り出して、マスコミに乗せて、初めて利益が出るからね…」

私は言われるままに近くのクリニックに行くことになった。「どうも結核ですね…」と医師が言うと、
一緒に付き添っていた代理店社員の一人が、「俺はすぐ部長に連絡して、イベントの中止と、
他の部に予算を取られないよう社内の根回しをしておくから、お前は、代わりのイベントを企画出来る

外部スタッフを至急集めろ!!」「じゃあ、あれがあります。一応、万が一の時の代役として、
準備していたんです…」「あれって…?!…」「英 都子ですよ。最近メキメキと売り出し中の、
今や植田加奈に追いつく勢いの新進デザイナーです…」「あ、そうだったな…」

「ちょっと、待ってよ! 人の人生を、何だと思ってんのよ!! あなた達にとったら、
単に仕事の一つに過ぎないでしょうけど、私が独立するまでに10年もかかっているのよ!!
結婚生活まで犠牲にして、働きづめで頑張って来たこの10年をどうしてくれるのよ!!!
私は今回のファッションショーは絶対に潰させないわよ!! 倒れてもやり抜くわ!!! 

冗談じゃないわよ!!…」「あなた、バカなこと言わないでくださいよ。いま、無理をしたら、
それこそ、治るものも、治らなくなりますよ。結核を舐めたらいけない。一昔前なら、
死に至る病だったんだ。それにあなたは、他人に感染させる恐れがあります。
すぐ入院することをお勧めします…」と医師が遮るように言った。

「加奈さん、先生のおっしゃる通り、身体が第一です。まず、しっかり治してから、
一緒に仕事しましょう…」  私は言われた通りに入院することになった。
0340ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/23(土) 08:38:53.11ID:qgDNT9KY
「美貌の都」後編

医院の屋上で煙草を吸っていた。私の担当医が傍に来た。「あ!…」「別に吸ってもいいですよ。
ご自分のお身体ですからね…」「神崎先生ってニヒルなんですね。フフフ…」「普通です…」
でも、不思議だわ。ここにいると、今までの自分の生活が嘘のように思えてくる...

都心の真ん中に、こんなにも静かな場所があって、自分が、あの摩天楼の群れの中で、
生きていたなんて、嘘みたい... 変な病気だ。身体は何処も痛くはないし、
別に日常生活に支障をきたすほどの症状もない。ただ心静かに寝ていなければならない。

ー 夜七時 ー 「あ、知らないわよ。婦長さんに見つかっても…」と同室の女の人に言われる。
冗談じゃないわ! 此処に何か月も寝ていたら、私は忘れられてしまう。その程度のデザイナーと
言う事を私が一番よく知っている。デザイナーになる事は子供の頃からの夢だった...
その足で早速、病院を抜け出し、広告代理店本社ビルに向かった。

もう既に "『英 都子コレクション企画会議室』" に代わっていた。
私はショックで、泣きながらそこを飛び出し、あてもなく街を彷徨い続けた...
百貨店のショーウィンドウのディスプレイは、既に【英 都子夏物コレクション】になっていた。

ちょっと前までは、私のが展示されていたのに・・・ 無意識に知らないビルの屋上にいた。
私は負けた。そして飛び降りようとした時、突然、 " 右腕を強く掴まれた! " 振り向くと、
「神崎先生…?!…」「君が抜けだしたと言う知らせを聞いて、広告代理店へ行った。
君はそこにいた。その後の君の後をつけさせてもらったよ…」

それを聞いて " わーっ!" と私はその場で泣き崩れた!
「バカなことはやめろ! 仕事がなんだ! 命より大切な仕事なんてない! そんな仕事なら、
辞めてしまえ!!」「でも、私からデザイナーの仕事を取ると何もないんです…」

「華やかな舞台で脚光を浴びることだけがデザイナーの仕事なのか…?!」「…?!…」
先生は屋上のボルトを拾い、「このボルトを見ろ! この形だって、名前は表に出ないけど、
これも立派なデザイナーの仕事だ!」そして屋上のドアのドアノブを指し、「このノブだって…」

そして屋上のフェンスを指さし、「この模様だって、立派なデザイナーの仕事だ!…
帰るぞ!!」「は、はい!」

それから三年後、「神崎先生、植田加奈さんと言う方から、お荷物が届いています…」
「俺に、何だろう…?!」と開けてみると、コートと手紙が添えてあった。

「先生、入院中はありがとうございました。色々とお世話になったお礼として受け取ってください。
これが私がデザインして業者に縫製してもらったコートです。私の再起、第一作です。
これからは、地味でも人に喜んで貰えるデザイナーとして生きていくつもりです」
0341ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/24(日) 07:27:30.38ID:qlNUDVRN
「難破船」前編

僕は朝っぱらから、いつものように飲んで酔っていた。俗にいう小原庄助さんだ。
" ガラッ! " と店の戸を開ける。店主が出てきて、「冗談じゃないよ! 口開けに、
てめえみたいな、酔っ払いに来られちゃ困るんだよ…」と追い出される。

ふらふら歩いて、やくざ風の男と肩が触れる! 「てめえ!」と殴られ、
「なんだ、またお前か、いい加減にしねぇと本当に死ぬぞ…」

父さん、今、僕は父さんが嫌いな人間になっています… 僕も今の自分を決して、
気に入っているわけではないのです。 " ヒック、… ヒック … " 幼い男の子が寄ってきて
「おじさん! なにのんでるの? それおいしいの?!」「おじさんが怖くないの…?」
「こわくないよ!」 …僕も子供の頃から、今の自分のような大人が好きだった…

幼い僕が浮浪者のような、そんな大人を家に連れて行った時、「子供をだまして、
家に入り込むとは何事か!貴様のようなクズが来るところではない!」と
追い返そうとする父。「やめてよ! 父さん…」僕は必至で抵抗した。
僕の大好きな大人は、いつも父さんの大嫌いな大人でした。

そして月日がたち大学生になった頃、「雄二、お前も明日から大学生だ。一流の大学に
入ったんだから、大人として立派な生き方をしなければならない…」「はい!」
「大人には二種類の人間がいる。金を持つ者と、持たぬ者だ。お前がならなきゃ
いけない大人は、金を持つ大人だ!」 …そんな父さんも亡くなった…

残ったのは父の遺産と持て余す時間だった。結局、父さんの望む大人にはなれなかった。
放蕩暮らしの末、結果的に父の会社を潰してしまった。それは父さんが嫌いで反抗し毎日、
お酒を飲み続けたり、人にお金を与え続けたわけじゃない。…なんでこうなったんだろう…

多分、あれが原因ではないかと思い当たる出来事があった。それは僕が友人と居酒屋で飲んでいた時のことだった。
偶然、父さんを見かけたんだ。あの時は、 " 本当に驚いた! " 酒場にいる父さんを見るのも、あんなに酔っている
父さんを見るのも初めてだったからだ... あの時は、 " 本当に僕は目を疑った! "  嘘だろ、あの父さんが…

人違いかもしれないと思いながら後をつけたんだ! あんなに酔いつぶれた父さんを初めて見た!
その父さんが、自分の足元に酔って倒れている労務者風の男の傍に行き… その時、僕はその男に
辛いことをするのではないかと思って見ていたんだ! だけど、父さんは、

「おい! 大丈夫か、しっかりしろ…」と肩を抱き、腕にゲロを吐かれても、
「よし、俺が運んでやる。どこだ、家、分かるだろ…」と、その酔っ払いの
家まで送っていく姿を見てしまった。僕はあの時の父さんの
 …顔、姿を今でも、脳裏に焼き付いて忘れられない…

そこにいた父さんは誰よりも優しかった。この時、僕は祖父の話を思い出したんだ。
貧乏でだらしかなく、いつも飲んだくれていた祖父を… 本当は父さん! あなたは、
大好きだったんじゃないかと… 僕はあの時の父さんの顔が大好きだよ! 本当は、
その時、 … 傍に行って父さんを、助けて一緒に歩きたかったんだ …
0342ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/24(日) 07:59:01.23ID:qlNUDVRN
「難破船」後編

そんな過去のことを振り返っていると「おじさん、何考えているの…?!…」
「いや、何でもないよ…」 …その男の子と一緒にいるそんな時だった…

「貴様、ただの酔っ払いだと思っていたが…  坊やね、浅間君だね!」
「うん!」「浅間家から捜索願が出ている。身代金、要求するつもりだったのか…
ちょっと署までこい!」と近くをパトロールしていたお巡りさんが言う。

「身代金…???」「この子が、浅間興業会長の孫だと知って誘拐を考えたんだろ!」と、
無理やり署まで連行された。色々と調べられた挙句、3時間後に解放された...

「あの子から話は聞けた。あの日は幼稚園を出て、家に帰りたくなくて公園で一人で
遊んでいたそうだ。まあ、早合点した俺も悪かった。調べたところによるとお前は、
以前は結構いい暮らしをしていたそうじゃないか… どうして急に酒なんかに溺れる
様になったんだ…」「毎日、昔のあの時の父のことを思い出していたんです…」

「酒なんか、飲まなくても、親父のことくらい思い出せるだろ…」
「僕が見たあの頃の父の本当の姿、あの一瞬の顔、姿が大好きで… いつも、
その顔、姿を思い出していたんです。酔っぱらって、だらしがなくとっても、

優しかった父の顔… 姿を…」「...その一瞬の父親の姿に近づきたくて
飲んでいたというわけか… だからと言って、自分が酒に溺れちゃいけないだろう…」

「あるんですね。何十年という時間より、 … 価値がある一瞬の時間て …
その為だけに、生きていける一瞬て...」「どうやら、何十年ぶりかで、
酒が抜けたようだな...」「はい! 実に長い日々でした... 

そんな父の思い出という幻をいつまでも追っていた自分にやっと
決着をつけることができました。あの子に感謝しているんです。
もう一度、働いて生きていける気がする。久しぶりでした。

人の肌に触れたのが... それも、あんな素直で、純真無垢な
子供の手に触れて... いいですよね。人が人に触れる一瞬って… 
自分が人間であることを思い出させてくれる瞬間でもある...

あの子のおかげです。あの子のおかげて一瞬だけど、素敵な時間が過ごせた...
あの子の優しい手のぬくもりに触れていなければ、まだ続いていたと思います...」
0343ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/25(月) 07:29:10.02ID:PR7V6SsT
「惜しみなく愛の言葉を」

あれは、私が大学を出て某証券会社に入社したばかりの頃だった...
その男が来るとすぐわかった。あの匂いだ。その男に会うまでは私は葉巻と
言うものを外国の映画やテレビでしか知らなかった...

 …葉巻から立ち上る煙のこの不思議な匂いは蠱惑的ですらあった…
毎日10時頃に訪れ、午後の取引の様子を伺い1時半頃に帰っていた。
 … その男に私は興味を持って見ていた …

翌日になり、出社すると、「お前は、今日でクビだ…」と突然、
支店長から言われた。その先にあの葉巻男の秘書の女性が立っていた。

「社長、お連れしました…」「やあ、君は優秀らしいね。どうかね、ちょっと話でも…」
何故、俺なんかに興味を... それから彼の会社に入り、私はすぐに留学させられ、
戻るとあの葉巻男、近江の秘書として、ほぼ24時間つききりで近江と生活を共にした。

近江は主に貿易の仕事していた。そこで得た資金で為替や株を運用し膨らませていた。
私と出会った頃は、既に充分な資金を得ており株の運用資金で賄っていた。私は近江から
仕事のノウハウや私生活、食事のマナーから物事全てに対する考え方に至るまで厳しく

徹底的に敲き込まれた。そんな矢先だった。近江が運転を誤り崖から落ちて亡くなった。
近江の死は、日ごろ彼が求めていたダンディズムからは、あまりにも程遠いものだった。

 ...あれから5年の歳月がたっていた......
「私はずっと近江さんのような大人になりたいと思って生き続けた…」「あなたを見ていると、
昔の社長を見ているようだわ。あなたは見事に、ご自分の望みを実現なさったんじゃありませんか…」
「そう、近江さんが亡くなってから、秘書の君も含めて仕事を丸々引き継いでしまったからな…」

「そうね、あの事故から、ちょうど5年が経ちました。私はを今でも社長は自殺したと信じています…」
「何故、そんなことをする必要が...」「あの人は、自分のダンディズムを永久に残すため、
あなたに投影したの、決して衰えず、老いのない自分の姿をあなたに重ね、あなたに託して死んで

いったのよ。近江はそんな男です。近江とともにあなたを証券会社で、初めて見た時、
『あいつはモノになる。俺はあいつに賭ける。あいつは俺の後釜になれる。そう睨んだ… 
俺の目に狂いがなければな…』とおっしゃっていました。これでようやく私も辞められるわ。
長い間、ありがとう…」と近江と長く付き添った水野が、俺の前から去っていった。

俺は、社長室の窓を眺めながら考えていた。…もしかして俺は、近江と最初の出会いから、
大きな間違いをしていたんじゃないのか… 俺は近江を見ていたんじゃなく、いつも近江の
傍に立っていた水野、 …" 君を見ていたんじゃないのか "…   証券会社にいた頃、

午前10時の蠱惑的な葉巻の香りではなく...  …水野、君の香りだったんだ!…
そう思ったら… 居てもたってもいられず、…水野!…水野…、待ってくれ!… 行かないでくれ!
俺は君の後を追った! …俺は近江よりも、実は君を愛していたんだ… 君を愛していた証拠がある。

近江から、君を抱けと言われた時、近江よりも愛していた君を抱けなかった...
あの時の …君の香りが、そのまま残っている… 午前10時の時のあの時の香りだ…
" 俺は勘違いをしていたんだ! " 俺はあっちこっち、必死で探し回った! 

暫くして駅前の人通りが多い中で、 " 水野を見つけた! " 「水野!」と、
俺は後ろから強く抱き寄せた。  " その光景を目撃! " した通行人が、
「あら、…まっ!?…」「どうしたの…?!…」「何があったの…?!…」と

不思議そうに周りを囲んで見ている中、俺は、「行かないでくれ… 好きなんだ。
 愛している…」「恥ずかしいわ、 …周りの人たちが見ていますよ…
 
  ...私をいくつだと思っているんですか...」
      ――――――――― 水野の瞳から一筋の涙が頬を伝わって零れた...
0344ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/26(火) 07:50:41.74ID:UccWQ0+U
「BA-NA-NA」

外側が黄色で中身が白。「見た目はアジア人で中身は白人」白人に迎合的で
卑屈なアジア人。バナナは黄色い皮をむけば中身は白いので、黄色人種なのに
中身は白人のつもりの人を指す。又はアジア生まれのアジア人が北米で生まれ
育った移民の子孫が外見はアジア人だが言葉や文化、思想などは欧米的

であることを指して揶揄的に使う場合が多い。差別用語と言うよりも、ジョークと
して使う事の方が多い。アメリカや他の他民族が一緒に暮らす国に行くと、

何処でもそれぞれのコミュニティがあって、自分たちの文化を守りながら現地に
溶け込んでいく背景が見える。アジア系の人達はアジア系の人達と生活し、

中南米系は中南米系、アフリカ系はアフリカ系、それぞれのコミュニティの暮らしがある。
でも、例えばアジア系の中で二世、三世とかになってくると、小さな頃から白人社会の中で学校へ
行って生活して、彼氏や彼女は白人でと言う事がある。そうなった時に使われる言葉でもある。

単にアジア人なのにアジア人とは付き合わず、いつも白人と一緒にいるような人を指すこともある。
留学生の中には、「私は英語を勉強しに来たんだから、日本人とは絶対に話しません。基本的には
白人の方がいいので、アジア人全般とも付き合いません」と言う人もいる。
こんな人も現地の人から言わせると " BANANA" なのかもしれませんね。

英語を勉強する目的であっても、友達作りはうまくバランスを取りながら出来ればいいですね。
僕は白人から差別を受けている黒人たちが日本人を非難する時に使っていたのだと思っていました。
フィギュアスケートの高橋大輔選手が優勝したカナダ大会で白人のおばちゃんが大きなバナナの
ぬいぐるみを渡している光景を見たことがあって、 …どういう意味なのだろう…?!…

イエローモンキーでもないし、 …人種差別的意味???… 高橋選手の演技で会場は
一斉に盛り上がっていたし、大きなバナナのぬいぐるみを、態々探して会場に
 …持ってきた情熱…?!… それで僕は、サウスカロライナに住む妹に聞いたところ、

「差別的な意味ではないよ。こっちの人の感覚だと、アジア人だけど、
先進国だから白人の仲間みたいな感じ…」と言っていた。

アジア人なのに白人ぶりたがる日本人のことを反感と軽蔑を込めてBANANAと
呼ぶとばかり思っていたけど、色々調べると、そんな悪い意味より良い意味で
使われることも多いみたいですね。外国に行くと何かと思い知らされる
ことって多いと思います。

あぁ、 今日も思い知らされる BA-NA-NA-NA-NA-NA
あぁ、 今日も思い知らされる BA-NA-NA-NA-NA-NA
0345ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/26(火) 08:02:19.05ID:UccWQ0+U
>>344
3行目「アジア生まれのアジア人、又は北米で生まれ」に訂正
0346ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/26(火) 08:08:34.37ID:UccWQ0+U
>>344
5行目「使う場合も多い。」に訂正
0347ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/26(火) 09:03:10.80ID:UccWQ0+U
中島みゆき 色んな意味で規格外のシンガーソングライターではないでしょうか
0348ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/27(水) 07:34:56.36ID:pXiWmr0N
「金魚」

夏祭り。…夜店が並ぶ道… 神社までの通り道。浴衣に袖を通して、髪に髪留めをして
あんまりしない薄いピンクの口紅をして、旅の途中で知り合った旅暮らしの彼と
いっぱい寄り道しながら祭りの屋台の間を歩いていた。この街の夏祭りは
初めてだと言う彼を私が誘ったのだった...

道は混んでいた。行きかう人、人、人...。夜店で狭い通路をひしめき合いながら歩いていた。
並んで歩くなんて無理だから、すぐ後ろをついていたけど、なんだか逸れてしまいそう...

…必死で彼の背中を追う… そんな時、「ほら、」と、目を合わさないまま、
…振り返って出された片手… 手を取ると、素っ気ないふりをして私に気を掛けてくれる彼。

輪投げ屋や焼きそば屋の前には、大勢の人だかりができていた。
私の視界の左端に、 " 一つの屋台が目に入った! " その屋台は【金魚すくい】
何となく懐かしかった...

私が小さい頃からある馴染みの綿あめ、りんご飴、お面とか焼きそば、フランクフルト、
くじ引き、玩具、かき氷...。それらの今も昔も何ら変わらない …夜店の屋台の光景…
その中でも、金魚すくいはとっても楽しかった思い出があった...

「・・・どうしたの?!」と彼。どうやら私は金魚すくいの屋台を見つめたまま動かなくなっていたのだった。
そんな私を見て彼が言った。「やりたいのか?!、金魚すくい…」「いや、私、見ているから、やってみて…」

目の前ではちょうど、下駄をはき、品のよさそうな浴衣姿の若い女性が和やかな表情を
浮かべたまま、膝を抱えて静かに金魚すくいをしていた。

彼が「俺、こう見えても、金魚すくい得意なんだぜ! 見ていてくれ!」と金魚屋に網を貰い金魚すくいを始めた。
彼は網を振るい、金魚を取ろうと横から拾い上げるように掬う… 水に濡らす面積を小さくしながら金魚を
掬おうとするのだけど、 …中々上手くいかない… 一つの網が破れ、次の網もすぐ破れ、
いくら経っても金魚が掬えない。 …隣の品の良い女性の方が上手く掬っている…

暫く金魚すくいを続けていたが、一向に金魚は掬えなかった。それでも金魚すくいを続ける彼…
この網もダメだと、 …破れた網を手に溜息をついている…

一匹も救えなかったね。本当に要領が悪いんだから...
「浮いてきたところをすくわなきゃ ほら、シャツの袖が水浸し…」
でも、表情は笑っている。

    ――――――――― でも、嬉しいみたい すくえなかったことが
0349ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/28(木) 08:03:35.65ID:Q0RJWwWS
「横恋慕」

私はキーを受け取るとエレベーターで上がった。キーの番号を確かめ、
エレベーターを降りた脇の案内板で、部屋の見当をつける。西大久保辺りに
集まっているラブホテルは色々と工夫が凝らしてある。

大きなベットを備えた部屋に入り、備え付けてあるテレビのスイッチを入れた。
NHKは19時からニュースを放映していた。椅子に座り一息ついてから、浴室のお湯を
バスタブに入れ始めた。部屋のドアをノックして彼が入ってきたのは、

テレビのニュースが終わってすぐだった。バスタブには、まだ半分しかお湯が
溜まっていなかった。「相変わらず、時間は正確ね…」と背広を脱いだ彼に、
ポットのお湯で紙パックのお茶を入れながら私は上目遣いで笑いかけた。

「打ち合わせをすっぽかしてきたからね。あとで、会社に電話しなければな、」
彼は色の薄いお茶をすすりながら言った。

「私のためだったら、打ち合わせをすっぽかしてくれないんでしょ…」「え、」
「自分の事なら、大事な打ち合わせも、そうやってすっぽかすくせにさ…」

「何言ってんだよ。ちゃんと、このホテルを指定したじゃないか…」
「たまに抱いてやらないと、あとで困るからと思っているんじゃない…」
「変に勘ぐるなよ…」「でも、いいわ… 今夜は私、嬉しいのよ…」

「何が?…」「抱いてほしかったってこと…」
「じゃあ、いいじゃないか…」と彼は軽く笑って言った。

「お風呂もう少しなんだけど、どうするの…」
「俺は、あとで入る。君が先に入れよ…」
私が浴室に入り、浴室から出ると、彼は先にベットの中にいた。

「おいで…」と言うからベットに入ろうとした " 瞬間! " 、
私の横に置いてある彼の携帯が鳴った!

彼に渡そうとしたら、彼が「出てくれ…」と言うので出たら、女の人からだった。
0350ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/29(金) 07:57:38.97ID:6C8vvQ1D
「まつりばやし」

あれは今から、ちょうど一年前の、22歳の夏の終わり頃だった...

・・・ 太鼓の音と神輿を担ぐ若い衆の挙げる掛け声が聴こえる中 ・・・

突然、携帯が鳴った! 着信画面を見ると彼の親友からだった。
なんだろう珍しいなと思って電話に出ると 「美紀さん、これから言う事を
落ち着いて聞いてください! 孝が事故に遭った…」…あまりに突然の、
 …予測もない事態に私は固まった…

「彼は…?!… どうなの? 無事なの???」私の台詞に、その人は暫く沈黙した後、
搾り出すように…「...即死だって!」「嘘でしょ…!?… ねぇ、そんな...嘘でしょ???…」
聞きたくはなかった。その言葉が信じられず、その後のことはよく覚えてはいない...

告別式の出棺直前、花を入れる為、私は棺に近づいて見る。息をしていない彼の顔。
死んでいるなんて信じられないくらい綺麗に眠る顔。そしていよいよ出棺の時、
霊柩車の中に運び込まれたその時、彼が亡くなった現実を目の当たりにし、
この後のことはよく覚えていなかった...

一緒に居た友人によれば、今まで見たこともないくらい取り乱していたとのこと...
「いゃだ!孝!! どこへ行っちゃうの? 行かないで!!!」
「やめて!! 孝!! 行かないで! 行かないで!!」

ひたすら叫び、泣き崩れ、走り去る霊柩車を追いかけようとし、周りにいた人に
止められていたと言う。それからの私は抜け殻の様な生活を送っていた...

一年後の彼の命日。私は彼のお墓参りに行きました。そこでお墓参りに来ていた
彼のご両親に会いました。彼のお母さんが「あの子を好きになってくれてありがとう。
あなたとお付き合い出来て、あの子も幸せだったと思うわ。あの子はもうこの世には

いないの。あの子はあなたを幸せにすることは、もう出来ないの。どうか、
あの子のことは忘れて幸せになってください…」 …その言葉を聞き私は泣き崩れた…

そんな私を彼のお母さんは優しく抱きしめて涙声を詰まらせて
「ありがとう…」と繰り返しながら、背中を優しくいたわるようにたたき続けてくれました。
0351ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/29(金) 11:18:47.56ID:6C8vvQ1D
>>350
6行目「…予測もない事態に私は固まった…」の後に
「なぜなら、ついさっきまで二人で二階の窓にもたれて祭囃子を見ていたからだった...
「そろそろ俺帰るよ」と言って帰って行ったばかりだったからだ。」を追加
0352ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/30(土) 08:16:33.87ID:CHoNIHRq
「旅人よ我に返れ」

「約束したよね。ずっと一緒だって…」 …私は微笑む…
全く同じタイミングで、 …ミカも微笑んだ…  まるで鏡に映したように...

瓜二つな私たちは時折、両親でさえ見分けがつかないくらいよく似ている。
昔は入れ替わって、よくいたずらをした。今でも、時折することがある。
「生まれてくる前から、ずっと一緒に居たいの。だから、これからもずっと一緒よ。
そうでしょ…」「そうよ。だって約束したじゃない…」

お互いが同じタイミングで頷く… そう約束した。世界で、たった一人きりになるような
悪夢の果て、私たちはたった二人互いに寄り添い合った。どんなに怖くても、ミカと一緒
なら怖くはなかった。ミカに向けて手を伸ばし、ミカもまた私に向けて手を伸ばす。

触れ合った指先… 冷たくてかたい。「………リカ」 …突然聞こえた声に振り返る。
視線の先にお母さんが悲痛な面持ちで立ち尽くしていた。
その目は、間違いなく私を見ていた。 …どうして?!… なにも悪いことしていない。

" どうして?! お母さん! "  …私はただミカとずっと一緒に居たいだけ…  
ただそれだけなのに、どうして?! 
「いい加減にしなさい −−− ミカはもう、いないのよ。生まれてくる前に亡くなったの……」

足元で、 " 突然、" … 何かが割れるような音がした ! …

−−−−−−−−− ここで目が覚めた!−−−

また不思議な夢を見た。

私には、私じゃない誰かがいる。でも、私は私一人しかいない。でも、私を守る何かがいた。
私は生まれてくる前、一卵性双生児だった。姉のミカはへその緒が首に三重に巻き付いて
絡まったのが原因で死産。私だけが生きて生まれてきたのだった...

あなたのぬくもりをどこかに感じながら… 探し求めながら・・・
         ーーーーーーーーー 今日も生きている

「帰ってきたら結婚しよう!」 …そう言って搭乗ゲートへ歩いて行った彼…
あれから3か月、何の音沙汰もない.........

いつものようにマンションのエレベーターに乗る。6回に着いた。 …ドアが開く…
エレベーターを降りると、信じられない  " 光景が目に飛び込んできた! "

「り、良介…?!…」と私。「鍵をなくしたんだ…」と彼がそう言った。
私は彼めがけて駆け出した。
「帰ってきたよ。約束通り、結婚しよう!」「......うん!」
0353ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/30(土) 08:20:23.35ID:BkqDq4L7
>>352
下から5行目「6階に着いた。」に訂正
0354ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/30(土) 08:55:32.81ID:BkqDq4L7
>>352
タイトル修正
「旅人よ我に帰れ」
0355ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/31(日) 07:50:08.75ID:DKkuK2hr
「囁く雨」

いつもは見慣れた風景が、今日はどこか遠い場所の様に思えてくる...
駅に着くまでの間、二人はずっと無言のままだった...

電車を降りて駅に着くと、二人はそのまま駅を出て、
駅前の所で立ち止まって、あなたは私に「ごめん...」と一言。

私たちはずっと駅前に立っていた。
そしても空から雨が降ってきた。傘もささずに、
ただじっと見つめあった二人。 …降り注ぐ雨… 
そんな雨の中を通り過ぎる人たちがふたりをそっと盗み見る。

雨の中、あいつの目が濡れているのがわかる。
私は人目を気にせずに、泣いてしまいたかった...
あいつが先に泣いてしまった。それで泣きそびれた。

雨の中通り過ぎる人々が二人をそっと盗み見る。
「ぶん殴ってしまえば?」と やきもき雨がそそのかす
「いつまでも、あいつに良く思われたい嘘つきね」

 ――――――――― あいつとよく行った夏の海 
              単車の背中から 見つめた夕日...

...そんな仲が良かった頃を思い出していた...... 

私に隠れてあいつが浮気をしていた。私より若い女。あいつと同じ年頃...
「何で…?!…」私に隠していたことが許せなかった。

悔しかった。 …雨の中、通り過ぎる人たち… 私たちを見て
この子たちは、いったいこんな雨の中で傘もささずに何をしているのだろうと
不思議そうに通り過ぎていく... 雨がだんだんと強くなってきた。
  ...ずぶ濡れで、ただ、佇む二人......
0356ジョン・スミス
垢版 |
2022/07/31(日) 07:55:55.28ID:DKkuK2hr
>>355
6行目「そして」に訂正
0357ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 07:10:49.27ID:r6DKFFaw
「永久欠番」

私は、TVでおなじみのある和尚さんの取材に来ていた。
「まあ、こんなところで立ち話もなんですから… あちらでお茶でも入れよう…」と
和尚さんに茶室に案内され色々と世間話から人生について語り合っていた...

「私たちがこの世に存在する理由とは何なんでしょうね… 例えば、たった一時間前に亡くなった方の、
しかもニュースで全国に伝達された方の氏名すら記憶から瞬時に忘れ去られますものね。
このようにニュースで流れた方の名前をいちいち憶えている人がいないように… 

今、私が死んでしまったとしても、家族や身内や親しい友人関係以外、悲しんでくれる
人はいないですものね…」「確かに、そうですね…」「人間の存在何て僅かなものであり、
誰の記憶にも残らない。私が消えたところで、社会が変わるわけでもなく、なんの影響もなく、
身近な人以外には私が死んだことすら気づかれない。人とはそんなちっぽけな存在でもある。

そんな人がこの世に生きる意味、理由とは何でしようかね…?!…」「仏教では、私たちが
生きる理由や意味は特にないとしています。しかし、そのような人生の中で生きる意味を自ら発見して
いくことによって、生きる意味が生まれるのではないでしょうか… 命とは私たちに与えられた
時間だと思います。人生を大切に生きるとは、すなわち時間を大切に生きることではないでしょうか…

与えられた時間を精一杯に生きる。そして人間、生きている限り、何処で死ぬかわからないから、
何処で亡くなっても後悔しない生き方が大切だと思います。人生は旅によく似ています。
旅に出ると、同じところに長くはとどまりません。人生も昨日から今日、今日から明日へと、

時の流れを刻々と刻んで進んでいます。旅の途中は晴れの日ばかりではなく、曇天もあれば、
雨や風雪の日もあります。台風に見舞われることもあるでしょう。そして調子のいい時ばかり
でもありません。上り坂もあれば下り坂もある。有頂天から『まさか…?!」と急転直下、
どん底に落ちる日もあるでしょう。そんな順境、逆境の中、旅を続けていかなければなりません。

何かを得るために生かされているのかもしれません。困難を乗り越えたとき生きていてよかった。
と思える時が必ずあると思います。それでいいのだと思います。それと釈迦が誕生した時、
言ったとされる言葉として自分とはこの世でただ一人しかいない尊い存在であると同時に、
自分が一番だと、うぬぼれることとして天上天下唯我独尊という言葉があります。

これの本当の意味は、自分だけが偉いのではなく、どんな人も尊い目的を果たすために
生まれて来たのだと私は解釈します。私たちは一人一人がとても大切で特別な存在として、
この世に生まれてきています…」「人間はこの世に生まれてくること自体が大変なこと
なんだという話は聞いたことがあります。私は無宗教なんです。人間が作った宗教は

どうしてもお金、そして権力と繋がろうとします。だから私はこの世に生まれるチャンスを
与えてくれた存在しか信じません。それがこの世の創造主。その創造主から与えられた
チャンスをものにしたものだけが人として生まれてきたと思っているんですよ。私はね…」

「それでいいと思います…」「この物質世界で肉体という物質をもって生きるということは
意識にとって大変貴重な経験なんじゃないかと思っているんです。そんな経験をする為に
人はこの世界にやって来たと思っています。人生、長いようで、意外と短い...

その人生をどう生きるかが、最も大切なんだと思います。色々と話が聞けて良かったです…
ありがとうございました」「こちらこそ、ありがとうございました」 
0358ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 08:00:33.73ID:r6DKFFaw
僕は基本的に無宗教です。宗教を考えた場合、政教分離という言葉がまず第一に来ますね。
政治と宗教が結び付くと巨大な権力になるからです。特に今叩かれているカルト教団は
その傾向が強い。哲学と宗教の違いを考えた場合。哲学は人生や色んな事を考える。

宗教は、特にカルトは教祖が絶対的権力。教祖と信者の関係が対等ではない主従関係。
信者は思考停止。言いなりになる。ここが哲学との違い。哲学は色々考えることが基本。
男の哲学に対し、共感、共有脳の女性は共感する相手、共有する相手を探す。そして

哲学よりも宗教を好む。男なら哲学に行くところが女性の場合、ほぼ宗教に行く。
女性にとっておまじない占い、宗教の方が論理的に考える哲学よりも身近なのだと思う。
自分で問題解決できる脳をもつ男は基本論理的思考をするのが好き。よって、宗教に頼るよりも

哲学的思考を好む。でも世の中の半分は女性。そして男の半分はこの女性とほぼ同じ思考行動をする。
それだけで全体の75%が人を頼りに生きる側の人間。実際は80%から90%を超えるだろう。
男の中に自分なりの哲学を持ち、何かに頼らず、確りした考えをもって生きれる者が果たして
どのぐらいいるのだろうかという問いがある。男の中でほんの一握りだろうと思う。
0359ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 08:40:51.92ID:r6DKFFaw
ユーミン信者からの嫌がらせを受けこのスレ以外書き込めなくなってしまったけど、
アマの頃からコンサート荒らし、いくつもの賞や世界音楽祭グランプリで場慣れ
していたみゆきさんと、歌も下手な素人女性をどうにかして本人のスターになりたい
願望通りレコードデビューさせようと、有能なスタッフで固めスタートした
ユーミンとはかなり違うと思う。一緒には出来ないと思うね。

ある面、ユーミン、みゆきも一種の宗教みたいなものだけど、僕自身はみゆき作品を色んな
角度から分析、洞察し、物語を作っている。ユーミン信者の特に女性にマンセーではない。
0360ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 08:42:29.25ID:r6DKFFaw
>>359
ユーミン信者の女性の様にすべてマンセーではない。
0361ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 08:59:37.05ID:r6DKFFaw
中島みゆきは歌のうまさというよりも、アマ時代から場数を踏んでた分、表現力。
ライブでの表現力かなと思う。政治も芸能界もでたらめと言えばでたらめの世界。

極端な話、誰でも万人受けのスターにできる。多く売れたからって、そのこと自体
たいしたことではない。ミリオンにならなくてもひとりでも多くの人に
感動を与えられるかが、シンガーとしての大切な部分だと思う。
0362ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 09:20:09.48ID:r6DKFFaw
ユーミン信者は某カルト信者と同じく嫌がらせが凄くて困っている。
だから某カルトとの繋がりを考えてしまう。違うのであるならばやめてもらいたい。
何故中島みゆきスレにまで来てユーミンの宣伝や嫌がらせをやるかなぁ〜と思うね。

なぜそこまで布教活動する。女性信者だと思うね。昔からそんなことするのは
ユーミン信者だけだと思うね。
0363ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 10:54:49.13ID:r6DKFFaw
もう一言、言わせてもらうと中島みゆきの解釈は「人それぞれでいいです」という
スタンスを取っているところ。百人いれば百通りの解釈があっていいというスタンスを
取っているところだと思う。それでいいと思います。色んな解釈があっていい。
0364ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 12:10:52.49ID:r6DKFFaw
対称性の破れからビッグバンが起こり生まれた宇宙。でありながら、バランスという調和を
保とうとするのが宇宙。個人的には宇宙はもともと始まりも終わりもなく、永遠に膨張と
収縮を繰り返しているとするビッグバウンズ理論だと思う。宇宙の始まりはビッグバン

ではなかったと思う。だど宇宙誕生時に消えた物質と同じだけあった反物質の謎。
時間の矢やエントロピー増大の法則、輪廻転生などすべての謎が解決すると思うからだ。
0365ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 12:27:24.39ID:r6DKFFaw
>>364
3行目「宇宙の始まりと称するビッグバンではなかったと思う。」に訂正
0366ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 12:43:02.85ID:r6DKFFaw
もしこの説が正しいとするならば、宇宙が膨張と収縮を繰り返すように、人の人生も
トータル的に見れば喜び悲しみを繰り返す。この世だけではなくこの世界の
重ね合わせの世界でのトータル的に見なければわからないということになる。
全てはそういうバランスで成り立っているということになる。
0367ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 14:10:22.44ID:r6DKFFaw
>>364
下から2行目
だど×
だと〇
0368ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 14:36:12.54ID:r6DKFFaw
この世での人生そのものが、気が遠くなるほど果てしなく続く悠久の意識(魂)の
一コマに過ぎないのかもしれませんね。もっと言えば、一瞬。だから気が遠くなるほどの
果てしない意識(魂)の歴史からすると取るに足らない悲しみも経験だから、貴重な経験と

捉え次に生かせればそれでいいんだと思うね。われわれの想像を遥かに超えた意識(魂)の
悠久のスパンで見なければ本質は見えてこないと思うね。
0369ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 15:04:47.34ID:r6DKFFaw
量子実験で「時間の矢」が逆転することが実証されているから、ほぼ間違いないと思うね。
0370ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/01(月) 16:45:57.64ID:r6DKFFaw
宗教についてなんだけど、信仰の自由がある以上、他人に迷惑をかけず、
自分たちの範囲内で信じてやっている分にはいいいんじゃないかと思うね。
それで本当に心が救われるなら問題ないと思う。
0371ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/02(火) 05:11:21.41ID:ehIWJlHX
女性は子供、家族愛などの信頼できる身近な家族単位の人間関係が大切だと思うね。
子供にとって母親の愛情が最も大切だからだ。女性にとっても心のよりどころが大切。
支えあって生きることが出来るそれが女性の最も素晴らしいところだと思う。
0372ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/02(火) 05:50:56.81ID:ehIWJlHX
>>371
カルト教団に母の巨額の献金で山上容疑者の家族が崩壊などのニュースを目にすると
親がカルト教団に走り家族崩壊という話はよく聞く話。女性にとって何が大切かと
考えた場合。一番身近な信頼できる家族。
0373ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/02(火) 06:26:01.81ID:ehIWJlHX
人は何が最も大切か、常に普段から考えて生きないと最も大切なものを失ってしまうことがある。
0374ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/02(火) 07:22:01.25ID:ehIWJlHX
「時代」前編

「小坂はん、もう終わりや、諦めえな。お互いに、もう、スッキリしょうやないか。
今ならあんたら夫婦に、入ってもろうた生命保険で何とか、片が付く。そうしい、な!

人生、無理は禁物や。諦めが肝心やで…」「あ、あなた達は主人と私に死ねとおっしゃ
るんですか…」「ただ死なれても困る。人知れず、樹海なんぞで死なれたらかなわん!
保険会社で死亡確認してもらわへん。あのな、ええところ、知っとんのや。熱海にあるやろ。

あそこの錦ヶ浦や。何故、あっこが自殺の名所か知ってるか? 断崖下に、洞窟があるねん。
飛び込んでも潮の関係で、遺体は必ず、あの洞窟に入りよる。それで遺体の確認が出来る
からなんやで… ホンマ、うまいこと出来とる…」

...あれはちょうどバブルが弾けた年だった......
「お願いします。か、必ず、必ず、短期返済、いたしますので、何とぞ…」
銀行で融資を断られたところで、諦めるべきだった...

無一文になっても、何とか出直すことも可能だった。だが、破滅することは
分かっていながら俺は無理をした。小さな会社だったが、自分一人で築いてきた会社。

それが時の勢い… そうバブルの勢いに乗って浮かれていた時だった...
一気にバブルが弾けたのだ。潰したら俺のこの十年間も、夢も、全てがフイになる。
冗談じゃない! 俺はこんなところで潰れる訳にはいかないのだ!
しかし、結局はすべてが裏目に出た。
とうとう闇金にまで手を出してしまったのだった...

そして闇金に言われるまま熱海に来ていた。熱海の旅館に泊まっていた。
そんな時、「どうした…?!」「熱が…」子供が熱を出したのだった。
早速、フロントに駆け込み、「医者を、医者を呼んでください!!
一歳六か月になる幼児なんですが、凄い熱を出しているんです!!!」

「一応、この体温計で計ってもらえませんか、なんせ、この町には一軒しか小児科が
ないんで往診はしてくれないんですよ…」そう言われ体温計をもらい計ったが、
息子の熱は上がったり下がったりを何度も繰り返した。
「あなた、私、やっぱりこの子だけは道連れにしたくはありません!…」
0375ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/02(火) 08:28:05.85ID:ehIWJlHX
「時代」後編

朝になって町に一軒しかない小児科に行くことにした。
「頼みます!! 急に熱が出て! どうしても先に見ていただきたいのです!!!」
「保険証をお願いします…」「旅先なもので、昨日の夜から、急に熱が上がって
急患です! どうか、先に見てください!!!…」

「保険証がなければ普通料金になりますけど、いいですね!…」「そんなことより、
早く子供を診てください! お願いします!!!…」「風邪のようですね。お薬が出ますので、
待合室の方で名前を呼ばれるまでお待ちください。 はい、次の方…」

「ちょっと、待ってください! あなたは看護婦さんじゃないですか…?!、ぜひ、先生に
診ていただきたいんです。ちゃんと診てください! お願いします!!」俺の声が聞こえたらしく
ムスッとした顔した先生が出てきて、ただ見ただけで、「風邪だよ。風邪…」

「いくら、町に一軒の小児科でも、いい加減すぎないか!!」…俺は息子を抱いて妻を連れ小児科を後にした…
風邪、ただの風邪か… だから心配はないか… 「この子をここに置いて行っても、この熱なら、
どうせ死んでしまう。この子を連れて行こう。きっと、こいつも、俺たちと離れたくないから、熱を出したんだ。
きっと置いて行かれたくないから、こうやって俺達から離れないようにしているんだ! そうだろ哲夫。

最低でも親は親だもんな…」と断崖の上に立つ。 …強い風が吹いていた… 熱を出している息子が
…俺のネクタイを握り締め引っ張る!… 「ぱぱ…」「哲夫!…」「あなた、お願い! もう一軒だけ連れて行って!! 
お願い!!!…」そして隣町の小児科に行くことに… やっとたどり着くと、「何だ、あんたら…?!」と

医者が俺が抱えている子供を見て、「馬鹿野郎!!! 子供が死んでしまうぞ!!」と
俺の手から息子を奪い診察室に連れて行った。妻はその瞬間、崩れるように号泣きした。良かった...。  

子供は助かった。それからというものその小児科医に何から何までもお世話になった...
「ほれ、新幹線の切符だ。それからこれは東京駅からのタクシー代…」
「何から何まで、本当にすみません!…」「あんた方にやるんじゃないぞ! ぼうずを
外気にあてねぇ為のタクシー代だ。だが、その後のぼうずの人生は、あんた方が責任を持て。

事情は聞いた。知り合いの弁護士に相談した。自己破産してやり直せ…」
「何から何まで、ありがとうございました…」「どんなに世知辛い世の中でも、
まあ、希望は捨てるな… 希望を持って生きれば、必ず道は開ける。

失敗から学び、これを肥やしに、これからは後悔しない生き方をすればいいだけさ。
人は常に普段から何が一番大切なのか、考えて生きないと最も大切なものを
失いかねない。生きている限り、これからも倒れたら、何度でも生まれ変わって歩き出せばいい。

あんたらは、息子に助けられたんだぞ! このぼうずを大切に育てなきゃいかんぞ! わははは…」
0376ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/03(水) 08:57:18.72ID:SgQeufQs
「川風」

「じゃあね。さよなら...」そう言ってあの人をただ遠ざけた...
八月の夜、あの人といた頃は二人でよく来てた河川敷、 

   … … …蝉の鳴き声… … …

ひんやりと冷たい空気が頬をかすめた。自分勝手な別れから何年かが過ぎた...
私は昔と同じように河川敷に来ていた。昼間の暑さを忘れてしまうほどの
 …涼しい風が心地よい…  私はそのまま座り込んだ。

そして私は今、あの人のことを思い出していた...
完全に縁が切れてしまったあの人は、今、どこにいるのかもわからない。
自分から別れを切り出したくせに、未練がましくあの人のことを思い出していた。

もしかしたら、私はあの人がいなくなったことを少しは寂しく感じているのかもしれない。
だから今でも思い出してしまうのだと思う。もし、どちらかが離れないと言ったのなら、
未来は変わっていたのだろうか... あの人は優しくて、一緒にいると楽しくて

正義感の強い人だった。あの人といた頃は嬉しいこと、楽しいことばかりだったのに...
人に好かれることに対して臆病で、弱い自分が嫌いで、甘えたい気持ちが強くて、
それなのに、人一倍、自分の気持ちを偽ることが得意だった...

取り繕って笑って、あの人には別の人がお似合いだと、私はどうあがいても
あの人の一番にはなれないんだと思っていたんだ。そしてあの人に言いたいことを
言えずに、私じゃダメなんだって勝手に思い込んでいた.........

今になって、あの時の私は、まだ子供だったんだと感じる。 …今は自分の気持ちに素直になれる…
― 川風よ伝えて ― あの人に伝えて ―

あの人といた頃は 毎日いいことばかりあったから 嬉しいこと 綺麗なものばかりで
だから もしも離れたならば なにもいいことなくなりそうで それが怖くなった。

あの人といなければ いいことなくなるのが怖かったの 
でも、それは あの人を大切にすることとは違ってた。

「バカね、私...」…今思い出す…
ずっとあの人 寂しくて それで離れていったのね。

― 川風よ伝えて ― あの人に伝えて ― あやまりたいのと ―
0377ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/04(木) 07:45:59.86ID:tq4ec4/N
「遠雷」

ー 遠くで雷が鳴り響く ー 
閃光が暗がりの部屋に … " チラチラ明滅し瞬く中 " …

私はベットからゆっくりと起き上がった。
「どうした?」と聞く彼。

「いや、何でもないわ…」ちょっと間をおいて返事をしたが、
うとうとしていた直後だったから、頭がぼんやりして、
真っ直ぐにはベットを降りて動き出せなかった。

私は無意識に髪に手をやりながら、部屋の明かりを点ける。
「冷蔵庫に、缶ビールがあるんだけど、飲む?」と私は彼に聞いた。
「あぁ、頼む…」と彼が言う。彼と暮らして3年目になっていた。

私は寝室を出て、キッチンの方へ行き冷蔵庫の中を覗き込み、
缶ビール2缶と、棚からおつまみを探し彼の所へ持っていく。

「ありがとう…」と銜え煙草にライターで火を点けながら彼が言った。
 …ゆらりと彼が手にした煙草の煙が揺れる…

ガレージの車には " 違う口紅 " があった。 見ないふりするのも
これまでよと言いかけようとしたけど... 言えなかった。
愛しさ極まって 何かしでかしそうなのに...

「このままでいいじゃないか」あなたの煙草
切り札を躱されて 私の煙草
唇で溶け合って そこからMidnight.
 
こぼれるのは ため息ばかりの 遠雷の夜
答えなど求めないそんな女はいないわ

あぁ、今夜もほだされて、舞い戻る腕の中
切なく乱されて 遠ざかる雨の音
0378ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/05(金) 08:22:24.70ID:uvQlO7nd
「産声」

俺に妹がいてさ、俺が17歳の頃亡くなった。今からもう8年も前。
まだ6歳だった。「にーやん、にーやん!」って、いっいも俺の後ついてくる。

街のケーキ屋のショートケーキが大好きでさ、一週間に1回くらいバイトの
帰りに買ってきてやると、「おいしいー!」って満面笑みで美味しそうに食べる。

その姿が可愛くて、とっも可愛くて… そんな可愛い妹が発作で倒れたと聞いて
俺、学校からバイク飛ばして病院へ駆けつけた。妹は色んな機械つけて眠っていた。
おかんとおばあちやんが「もうだめだぁー」って言ってる。

おかんが「シノを連れてかんといて―! お願いや!」と呼ぶ!
俺も「シノ!シノ!!」って呼ぶと意識が戻った。
「にーやん、あんねー シノ、ショートケーキ食べたいん…」

「いっぱい買って来てやるから死ぬな!寝るな! 起きてんだぞ!!」って
俺はケーキ屋に走り、ケーキ屋にあるだけのショートケーキ全部買ってきた。

俺がショートケーキ買って来て、病室にドア開け、「ほら、買ってきたぞ!
シノ、食って元気出せ!!」って一口食わせたら、「おいしいー ありがと、にいや…」
それがシノの最後の言葉になった。

棺桶に入るときに、気に入っていたおかんが作ったフリルのいっぱいついたドレスを着ていた。
ばあちやんが作ってやったお手玉も入れてやった。お気に入りのテディベアも入れてやった。
俺はそれ以来一年くらい立ち直れんかった.........

部屋の壁には誕生日に『にーやんの顔』6歳の妹が書いてくれた俺の似顔絵が飾ってある。
それ見るたびに泣けてくる。

その後、俺にも好きな人が出来て、何度かのデートで、いつ告白しようか、迷っていた。
そしてしばらく経ったある日、彼女から告白された。

そして結婚、しばらく経って実家にシノとじいちやんの墓参りに行った時、墓前で、
俺の奥さんが、「そういえばね、不思議なことがあったの… あなたに告白する前にね、
不思議な子にあったの。お店で買い物していたら、ちっちゃい女の子に声をかけられた。

可愛いフリルのドレスを着てて、その子が言うの『おねーさんは、にーやんのこと好きですか?』
私が『にーやんって誰?』って聞いたら『だいじょうぶ、にーやんもおねーさんのこと好き。
こくはくしてごらん! いいことあるよ!』って言って消えちゃったの...

不思議なことに、その子がいなくなった後、あなたの顔が頭に浮かんだのよ…」
その話を聞いて俺は驚いた! 

実家に戻って茶の間に飾ってある妹の写真見て「この子!!」って驚いた顔をして
言ってた。俺はこの縁はシノがくっつけてくれたんだと思った。

暫くして嫁が妊娠。無事出産。健康な女の子。今年で3歳になる。しぐさが何故か
妹のシノに似ている。笑い方とかしゃべり方とか、性格も...

そしてショートケーキが大好きなところも... 実家に帰ると、もうみんな
猫かわいがり、ばーちゃんも大興奮! おかん、連れてくと離さない…
とても元気で、いたずら盛りの我が家の娘。大切に育てよと思う...
0379ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/05(金) 08:28:38.68ID:uvQlO7nd
>>378
2行目「いっも俺の後をついてくる。」に訂正
0380ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/05(金) 08:43:55.19ID:uvQlO7nd
>>378
7行目「おばあちゃん」に訂正
0381ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/05(金) 08:53:01.84ID:uvQlO7nd
>>378
13行目
病室に×
病室の〇
0382ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/05(金) 19:22:53.05ID:uvQlO7nd
>>378
下から2行目「おかん、連れてかんといてー! 置いていって離さない…」訂正
0383ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/05(金) 19:28:22.30ID:uvQlO7nd
>>382
置いて行ってと離さない…
0384ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/06(土) 08:40:27.60ID:0u7A3JnH
「人待ち歌」

終戦記念日にお会いしたおばあさんの話。広島県の海岸沿いに呉という市がある。
その街を一望できる高台に呉海軍墓地があり、現在は長迫公園という名称になっている。

そこを訪れた時のことだった。軽巡洋艦神通の戦没者の慰霊碑を一生懸命掃除している
おばあさんがいた。私が、「こんにちは。いい天気ですね…」と挨拶すると、
物凄いチャーミングな笑顔で、「ああ、こんにちは。いい天気だねぇ…」と答えてくれた。

時間があったので、一緒に掃除の手伝いをさせてもらった。
その時に、そのおばあさんから聞いた話...
軽巡洋艦神通には、おばあさんの初恋の人が乗艦していたという。

相手には、おばあさんの気持ちを伝えられないままだったそうだ。
あの時、自分の気持ちを伝えられなかったのが今でも苦しいという。

「私はね、もうすぐお迎えが来ると思うけど、それが今からとっても
楽しみなんよ。あの世に行って、あの人に会えたら本当は私、
あんたのことが、大好きじゃったよと言うのが楽しみ...

でもね、あの人は若いまんまで、私はこんな、おばあさんじゃあ、
笑われるかもしれんねぇ…」と笑いながら話してくれた。

不覚にも、お話を聞きながら涙が零れた。それを見たおばあさんが、
「ええ若いもんが、めそめそしなさんな、昔の男は、親の死に目に会っても
泣かんかったんよ。しっかりしんさい…」と笑いながら言ってくれた。
0385ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/07(日) 07:52:25.03ID:XFvTR0Gs
「我が祖国は風の彼方」

あれは、まだベルリンの壁が崩壊する前の年だった......。
墓参団で行った時、吉田のおばあちゃんが撮った写真の中にユリちゃんに似た顔が
あったと、「ほらっ、清一さん! この右から二人目の人、ユリちゃんに似とらんかのう…」
「.........これは、ユリだ! こりゃ間違いなくユリだ!!」

「皆さん! 右手に見えるのが、旧王子製紙の建物です…」とモデルのようなスタイルの金髪の
ロシア人バスガイドが日本語で説明してくれた。ついにやって来た。ワシの長年の夢だった
サハリンにやって来た。ここを引き上げる時、この土地に置き去りにしたワシの娘に
やっと会えるかもしれない。終戦になった後で、二万人ほどの日本の兵隊さんが

樺太の戦闘で亡くなった。その中にワシの弟の英二もいた。亡くなった弟は仕方ないとして
娘のユリは生きとるかもしれん。生きとったら親としたら会いたい。

― 昭和22年 ― 「ユリやっと帰れるぞ!」「うん!」その時だった...
ロシア人憲兵がワシの方を掴み「ムスメサンノ。コセキガ、オカシイ。10サイデ、
ケッコンスルノ、オカシイ? シバラクノアイダ、アズカリマス…」
「待て! ユリを放せ!! ユリ!!」とワシは叫んだが連れていかれた。

当時、若い娘を持っている引揚者は、みんな仮婿さんの配給を受けた。仮に結婚させ、
娘たちを安全に日本に帰そうとした。ワシも念には念と思って、10歳のユリに
戸籍上の結婚をさせた。これが結果的に裏目に出た。「娘を返してくれ!! ユリ…!!!」
走り去るトラックの中から聞こえる娘の声… 「お父ちゃん…!!」―――――――――

旧王子製紙の建物に着くと、ワシはあたりを見廻した。前回の吉田のばあさんが墓参団で来た時も
ユリは日本から来た人達を遠巻きにして見ていたからだ。もし、あの写真に写っているのがユリなら、
今回も必ずここに来ているはずだ。そう思い必死で辺りを見廻す… " あっ! " 「ユリ...」ー

「ユリ! お父さんだよ! ユリ…!」…ワシに気付いたのか逃げる… ワシはその後を追いかけようとした。
近くの背の高いロシア人に、「ニエット! ダメデス! ミナサンノ、トコロニ、モドリナサイ…」

「あなた一人の勝手な行動で我々墓参団全員が迷惑するんです。墓参団を受け入れてもらうまでに
我々が、どれだけ地道な努力を続けて来たか、ご存じですか!? 肉親に会いたいという、はやる気持ちは
あなただけじゃないんです。もう少し自重してください…」「申し訳ございません…」ワシは墓参団の代表に頭を下げた。

そんな時だった。 " コンコン! " とドアを叩く音。「はい!どうぞ…」「コレ、オトドケスルヨウニ、イワレマシタ、ドウゾ」
「誰に、誰に頼まれたんだね。教えてくれないか…?」「ワタシ、ニホンゴ、ワカラナイ?!」とベッキーに似た女の子が言った。

その子が「コレ…」とワシに渡してくれた手紙。その手紙を開けて読む。「ワーニャです。お父さんの孫です。
花売りをしながら育てた私の娘です。12歳です。私はロシア人男性と結婚しましたが、五年前に死別して、現在、この娘と
二人で静かに暮らしております。日本の事、お父さんの事を思わない日はありません。もし、私が鳥だったら、すべてを捨てて

すぐにでも、日本に飛んでいきたいと何度も願いました。でも、私は子供を置いて、自分だけ日本に帰るということは出来ません。
私のような思いを娘にさせる事はとても出来ません。さようなら、お父さん。私はお父さんを恨んだことは一度もありません。
ただ戦争を恨んでいます。ごめんなさいお父さん。あなたに会ったら、その気持ちに自信が持てなくなります」
0386ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/08(月) 07:48:12.63ID:ZB+8FAq0
「生きてゆくおまえ」

昔、貧しい裏町にメイリンとその友人が住んでいました。メイリンにはメイという
乳飲み子がいました。メイリンは病気で乳が出ず、貧乏でミルクも買えません。
メイはどんどん衰弱して、とうとう泣かなくなりました。

そんなある日、友達が夢のような幸せを掴んだことをメイリンに打ち明けました。
それは二人が幼い頃、夢見た幸せ者だけが辿り着くと言われた夢のお城シャングリラに
見初められてお迎えが来るというのです。メイリンは、私たちの中から幸せ者が出ると

共に喜び合いました。ところがメイリンはひょんなことから、その話が真っ赤なウソ
だということを聞いてしまったのです。メイリンは急いで友達に知らせようと駆けだした
その時、泣くことすら出来ないまでに衰弱していたはずのメイが突然泣き出しました。

メイリンはまだメイが生きている。私が友達の代わりにシャングリラに行けばメイは
助かると思ったのです。メイリンは迎えの車を待つ友達に眠り薬を飲ませて、メイを
置いて迎えの車に乗り込みました。

それから30余年の月日が経ちました。メイは成長してOL勤めをしていました。
そんなある日、メイは新聞の求人欄で、見覚えのある名前を見つけます。その名はメイリン。
メイにとって、メイリンとは自分の母を騙して母の幸せを横取りした憎き女の名前だったのです。

メイは真相を確かめる為にメイリンの屋敷を訪ね、ローズと言う偽名を使って、住み込みの
メイドとして働くことになります。メイは屋敷の掃除をする傍ら、何か証拠になるものが、
ないか物色をするのですが、何も見つける事は出来ません。ただ一つだけ鍵がかかって

開かないチェストがありました。幼い頃に母に眠り薬を飲ませて、自分が母になりすまして
大金持ちの家の女主人となり、幸せな日々を送っている母の友達。母は不幸な運命のまま
亡くなってしまった。メイはその家のメイドとして働き、少しずつ母の代わりに復讐を
とげようとするのだが... メイリンは屋敷中の家具や食器が置き換えられ、

昨夜現れた赤い服を着た若き日の友人の姿を思い出し、メイが自分のことを憎んでいることを悟り、
再び持病の心臓発作を起こします。それでも何とかメイに本当のことを伝えなければと思い
メイリンは必死でメイドのローズを探し続けるのですが、とうとう力尽きて倒れてしまいます。
メイリンは最後の渾身の力でメイの名を呼びます… 「シャオメイ」――――――

やがて、メイドのローズが買い出しから戻ってきて倒れているメイリンと開かなかった
チェストの中を知り、真相を知ることになるのです。  ― おしまい ―

「あら、もう眠ったのね。 おやすみなさい…」と絵本を閉じてテーブルに置き
      ――― お母さんは娘に布団をかけ部屋の明かりを消して部屋を出て行きました。
0387ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/09(火) 07:34:41.83ID:FRRvO1oQ
「阿壇の木の下で」

――――――――― 僕はサトウキビ畑に来ていた ―――
…広く、広く… 海の近くまでサトウキビ畑が広がっている...

おばぁは僕にも凄く優しくしてくれて、お菓子をくれたり、サーターアンダギーを
揚げてくれたりしてくれる。おばぁがおじさんと話すときなんかはガチな沖縄弁に
なって僕にはチンプンカンプンだったけど、それを含めても僕は優しく穏やかな
おばぁのことが大好きなんだ。

僕が中学生になった時、社会科の授業で、『太平洋戦争』について学んだ。
日本が太平洋戦争で負けたこと... 日本の沢山の街が… 沢山の人たちが空襲で
燃えて亡くなったこと... 神風特攻隊として決死の作戦に参加した青年たちの事...。

広島と長崎に投下された原爆の事... そして太平洋戦争で唯一地上戦となった
沖縄戦について学んだ。沖縄戦について興味を持った僕は今度、おぱぁに会ったら
話を聞いてみようと思っていた...。

そして床に就いた時、 ― 妙な夢を見たんだ ― 
モンペ姿のおばぁが倒れた...。 " 銃声で! " 二等兵は涙をこぼしていた...。
おかっぱ頭の少女が銃で撃たれた! すすり泣く二等兵...。
いがぐり頭の少年が、持たされた手榴弾で自決する...。 集団自決だった...。

― " 目を覚ましたら " ―  身体中が汗びっしょりだった。なんでこんな夢を見たんだろう...

翌日、僕が親友の家へ遊びに行った帰りに、おばぁの家に寄ってみた。
おばぁは僕のことを温かく迎え入れてくれた。僕はお菓子を用意してくれる
おばぁの背中に向かって、「おばぁ、聞きたいことが、あるんだけど、いい…?!…」と尋ねてみた。

おばぁは振り返って、「なんだい…?!」とのんびりした声で返してくれた。
おばぁは僕の質問に答えてくれた。沖縄戦の当時、おばぁは今の僕よりももっと
小さな子供だったこと… 子供だったおばぁはその当時、最初は何が起こっているのか
分からなかったこと… 1944年10月10日の空襲も酷かったけど、

アメリカ軍が本島へ上陸する前に行った艦砲射撃と空爆では空襲よりも、
もっと大きく大量な爆発音が昼夜を問わず鳴り響いていたこと…
アメリカ軍の兵士たちが上陸してからは家族や親せきたちと樹々が生い茂る山の中や畑の中を

あっちこっち逃げ回ったこと… 鳴り響く爆発音や銃声に怯えていたこと…
アメリカ兵が怖い。日本兵も怖い。そんな日々を過ごしていたこと…
そんな話を僕にしてくれたおばぁ。いつもとは違った悲しそうな笑顔で...。

あれから10年が過ぎた... そんな優しいおばぁも今はいない...
...阿壇の木の下で静かに打ち寄せる波をいつまでも見ていた......
0388ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/09(火) 09:36:23.21ID:FRRvO1oQ
>>387
11行目
おぱぁ×
おばぁ〇
0389ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/10(水) 08:02:20.08ID:bEdUdTFw
「妬いてる訳じゃないけれど」

港湾に面した沿道は、白昼の激しい陽射しの名残りを夜気で溶かし
白熱灯をぶら下げた屋台から威勢のいい呼び声と美味しそうな匂いが溢れている。

夏祭りが行われている神社の方には多くの人々が集まっていた。
賑わう参道… 普段はひっそりとしている神社も今日は縁日で明るいうちから
祭囃子の太鼓や笛の音が鳴り響き、参道は色鮮やかな浴衣姿のカップルや家族連れで賑わっていた。

そんな祭りの中を歩いていると、 …屋台のりんご飴の甘い香りが漂ってくる…
屋台は一人一人が通るのがやっとなほど沢山の人達でごった返していた。

私はそんな祭りの中を抜け波止場、埠頭の方へ歩いていた...、
波止場にいた船が港から出るのか、 …汽笛の音がする…
巨大な港が遠くに見えてくる。

何本ものクレーン、浮きドック、箱の倉庫、貨物船、高層ビル...
そういったものが見渡せる。右手を見渡すと、内側に向かって湾曲した海岸線に沿って、
静かな住宅街やヨットハーバー、酒造会社の古い倉庫が続き、それが一区切りついた
辺りからは工業地帯の球形のタンクや高い煙突が並び、その白い煙がぼんやりと空に吐き出されていた...

港から " ボーーーーーーーー! " と汽笛を鳴らしゆっくりと船が出て行く… 

  色んなことがあったこの一週間...
        妬いている訳じゃないけれど、
                   どうしても現実を受け入れられない自分がそこにいた。
0390ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/11(木) 07:55:26.66ID:HHVwZFaw
「目を開けて最初に君を見たい」

昨日、彼が亡くなった。長い闘病生活の末、亡くなった。
病室のベットで私が握った手を握り返す力もなく... 彼が言う。

「目を閉じる前に君に会えてうれしい。誰よりも最後に君に、こうやって逢えて嬉しい...
これが愛と言うのかな... 俺は幸せ者だ...」と彼は私の目を覗き込むように言った。
私は彼のやせ細って、握り返す力もなくなった両手を持って、 …その場に泣き崩れた…

これが彼の最後の言葉だった... それから翌日、彼は帰らぬ人になった...

通夜が終わって病院に置いて来た荷物を改めて取りに行ったら
その荷物の中に私宛の手紙が入っていた。

「なあ? 俺さぁ、もう駄目みたいだなぁ、君に出逢うまでは毎日が、
ただ生きているだけの、つまらない退屈な日々を無駄に過ごしていたんだ。

でも、今の俺はすげえ生きたい。生きてお前、いや君と一緒になりたい。
一日たりとも無駄に出来ないくらい一日一日が自分の中で大切になっている。

何で病気に勝てないんだ!? 悔しいな! 俺、いつからこんなに弱くなった!?
毎日、死に近づいているのが分かる。もっともっと生きたい!

今まで、沢山の幸せと愛情をありがとう。君の顔を見れたから
最後に君の顔が見れたから これも日頃のなんとやら、なのかな?
今までありがとう 本当にありがとう。

俺の人生は普通の人よりも短かったけど、君と一緒に過ごせたことで普通の人よりも
ずっと幸せな日々を送れた。君に感謝している。ありがとう」と書いてあった。

ちょっとしたことで、挫けそうになる私の心をいつも温かく励ましてくれた彼...
人生について色んなことを気づかせてくれた彼... 感謝しているのは私の方だった...
0391ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/12(金) 08:35:14.11ID:aOJkbwq1
「愛情物語」

仕事を終え帰宅すると、いつもは出迎えてくれるあいつが家にいない。
テーブルの上に置手紙があった...

「おかえりなさい あなた。
今日もお仕事ご苦労様でした。これを読みながら、また上着を脱いでネクタイとって
シャツのボタンを外しながら、ズボン脱いでって、いい加減、その全部脱ぎ散らかさないと
着替えられない癖、どうにかなりませんか?! それと、一回履いた靴下は、ちゃんと

洗濯籠に入れてくださいね。帰ってきて、きっと、1本目の煙草吸ってこれを読んでいるのね。
健康の為に煙草の本数は減らしてね。それと、お風呂上りに、いつもパンツ一丁で、
部屋の中をうろつくのはやめてね。今頃、ビールを飲んでいるのかな? お酒もほどほどにね。

外食の回数もなるべく減らしてね。私がいなくても毎日ラーメンやカップ麺ばかりではなく、
ちゃんと自炊してご飯はちゃんと食べるのよ。分かった! 私がいないからって自堕落な生活にならないでね。
暫く実家に帰っています。今まで長い付き合いだったけど、もう十分頑張ったと思うの。

潮時っていうのかしら、もうあれから何年経つのかしらね。子育てに追われてあっという間だったわ。
月日が経つのが本当に早いわね。よく持った方だと思うわ。子供たちが、みんな独立して家を出た今が、
ちょうどいいタイミングだと思ったの。実はね。近頃ずっと感じていたのよ。
暫くは別々に暮らしましょう。

夕飯はテーブルの上に用意してありますから、電子レンジでチンして食べてね。
当分の間は別居でもいいと思ったの。本当に今までありがとう。  妻より 」

煙草に火を点け銜え煙草で置手紙を読み終えると、無言のまましばらく煙を吐き続けた...
部屋に靄が立ち込めたようになったので、俺は重い腰を上げて、窓を少し開けた。
大した風があるわけでもないのに、何故か不思議と部屋の中の煙は勢いよく
外へ流れ出した.........  「三行半、…?!…  まさか...」

俺は銜え煙草でベランダに出て、空を見上げていた......
墨のように重い黒い雲がかかって、今にも泣きだしそうな空模様だった...
     ――――――――― あいつ ずっと、我慢してきたのか...
0392ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/13(土) 08:30:35.31ID:zYz7QKbq
「あなたが海を見ているうちに」

...眩しすぎるくらいな真っ青な空......
空の色を反射して輝く海… 一面に輝いた海が、キラキラしている。
...インクを溶かしたように青く静かな海.........

真っ青が目に染みる海。海の方から風が吹いて、微かに潮の匂いがする。
彼と付き合っていた頃、よく来ていた海に私は今いる。

つば広の麦わら帽子と花柄の白いワンピース姿で午後の海辺に立っていた。

 …潮風が心地良い… 波の音や砂、遥かな海、 …中空にスッと光る雲…
...自分さえ白く光って空気に溶けていきそうに見える浜辺...

波打ち際で水遊びをしている幼い子供たち… 近くで見守る、その親たち…
家に閉じ籠っているよりは、明るいお日様の下で爽やかな海風と波に戯れている方が
ずっと気持ちがいい… その微笑ましい光景を時間を忘れて見とれていた...

私もサンダルを両手に持ち、 " ザブン! " と波打ち際の海の水に浸かる...
素足を生暖かい海水の小さい波に洗わせている...

泡立った白く見える白波が足元で " ザブン!ザブン!" と …砕ける…
しぶきがまるで生き物のように勢いよく …飛び散る…
 …海面を渡る海風が本当に心地良い…

私の近くで幼い子供たちが波打ち際を元気に …走り回っている…
やって来る波を燥ぎながら …蹴散らかしている…

  ― そこに立っているだけで、あの頃の記憶が蘇ってくる―

...私は彼と夕暮れ近くになった夏の終わり海辺にいた...... 
私たちは、ただ黙って二人で静かな海を見ていた...

私は「忘れないでね…」あなたは「忘れたいんだ…」と言ったきり黙り込んでしまった。
(確かに、あなたばかり責めた私にも原因がある。だからと言って私ばかり責めないで!
あなたにも原因があるのよ…)と言いたかったけど言えなかった...

ただ二人の間に沈黙が続いていた。ただ黙って、静かな海を見ているあなた...
私はその場にいられない気まずさ、精神的に耐えがたい気持ちでいた。
そんないたたまれない気持ちを抱いて、私は、ただ黙って海を
見つめているあなたの傍を静かに離れていった...

そこから海づたいの国道まで歩いていた。夕風が心を抜けていく...
誰か車で待っているみたいな少し気取った甘い足取りで...
気づいたあなたが、追いかけてくるかもと思った私の最後のお芝居だった...

どこまで行けばバスが来るのかしら... 遠い後ろで車の音がした。
あなたの車かと思い、 …少しだけ急ぎ足になった私…
そんな私の目の前を、一気に追い越していく二人連れフェアレディZ...
0393ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/13(土) 08:35:17.10ID:zYz7QKbq
>>392
下から15行目「夏の終わりの」に訂正
0394ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/13(土) 08:39:53.50ID:zYz7QKbq
>>392
下から12行目「私を責めないで!」に訂正
下から11行目「あなたに原因」に訂正
0395ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/14(日) 07:27:16.07ID:Kn/G7GJa
「妹じゃあるまいし」

「あのね、お姉ちゃん! あたし好きな人が出来たの…」
「あら、奇遇ね… 私も好きな人がいるのよ…」
「そうなの?… じゃあ、お姉ちゃんからどうぞ…」
「あら、あなたから言って頂戴…」
「...じゃあ、一緒に言おうよ!…」
「…… 分かったわ…」

実は、――― 私たちは同じ人を好きになった。
初めて出会ったとき、不思議な気がした。鏡より、妹よりも私となんとなく
雰囲気と言うか、性格が似ている人を見つけた気がした。もちろん、外見は全く違うけどね。男と女だし…

私は1階のリビングで、あの人と一緒に妹の里奈を待っていた。隣ではあの人がコーヒーを
飲んでいる。とても優しい人。私と里奈はあの人に告白した。普通ならあり得ないことだわ・・・
二人と付き合ってくれるなんて… でも、あの人は受け入れてくれた。とても心の広い人だと思った。

私も里奈も大喜びしたわ。私の可愛い妹、里奈。けれど、いくら可愛くても、あの人を待たせるのは、
納得がいかないわね… 私は階段の所へ行って妹に声をかけた。すると、「もうちょっと待ってて…」
と言う元気な声が返ってきた。その声を聞いて思わず微笑んでしまう。私たちは双子の一卵性双生児。

見た目は、…驚くほどそっくり… 両親でさえ、時々、間違えていたわ。見た目は見分けがつかないけど、
性格は正反対。あの子はよく、私の事を羨ましいと言うけど、私から見れば、妹の方が羨ましいわ...

お互いがお互いの足りない部分を補っているのね、双子って… そんなことか考えていると...
妹が勢いよく階段を下りて来た。初夏の日射しが眩しい中、私たちはショッピングモールへと
買い物に来ていた。あの人の右には私が、左には妹。あの人はちゃんと歩くスピードを合わせてくれる。

「あ、あれ可愛いな―」妹が何か見つけたのか、一軒の雑貨屋さんに近づく… 私たちもつられて…
そんな感じで、あたしたちは周りのお店を物色しながら歩いた。  ―――――――――

そんな楽しかったショッピングデートの翌日、あたしはお姉ちゃんと一緒に食事に来ていた。
昨日行ったショッピングモールにあるお店。メニューを見たけど、色々あって、どれも美味しそうで
中々選べないな... いっそ何個が頼もうか…!?… と思っていたら...
「一つだけに、しておきなさいよ…」と見透かしたかのようにお姉ちゃんに言われてしまった!

少し経って、あたしの所にはトマトソースのパスタが届いた。パスタを食べようとした時、
何かが、 " 目に映った! " …あれっ…?! あれは?… 彼かな?!… 

「お姉ちゃん、あそこにいるの彼じゃない…?!」とあたしが言うと …お姉ちゃんも振り向く…
私も、 …もう一度、見直す… そしてフォークを落としそうになった! 
 …彼と一緒に女の人がいたから…   綺麗で清楚な感じの人だった...

雰囲気がお姉ちゃんに似ている。雰囲気が似ているだけで別人。彼と女の人は、とっても仲が良さそう…
楽しそうに、幸せそうに笑っている ――――――――
0396ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/15(月) 07:45:36.40ID:ZxPq9W8B
「荻野原」

...久々に会ったあなたは少年だった......
懐かしい野原で遊んでいる... 風が吹く野原で髪が舞い上がっても...
 ...笑いながら、走っている後ろ姿......

白く揺れる野原は...まるで波のように揺れている...
それでも、あなたに会えたことが嬉しくて抱きつこうとしたら... 突然、笑って消えた。
――― そこで " 現実に戻った ! " ー 私はデリヘル嬢。知らぬ人の腕の中にいた。
心が泣いていたのか、何故か、涙が一筋流れていた.........

今頃、どこで、どうしていることやら... ちよっと白髪交じりで
お腹のたるみが気になるおじさんになっているのだろうか......
同じ空の下、どこかの街角で幸せに暮らしていることを願う。

――― 昼下がりのティータイム ーーーーーーーーー
カフェで一緒に紅茶を飲む仕事仲間にその話をしたら、彼女が
「昔の人はね、夢に出てくる人は、あなたに会いたくて夢の中に
会いに来るんだって…」
「へえー」

…だったら、私はあの人の夢に毎日登場することになってしまうわ…?!…
思わず、熱い紅茶をゴクンと飲み込んでしまって目を白黒させた!

「あれ?! 何か、思い当たることがあるのかなぁ〜???…」
「べ、別に… そ、そっちこそ、急に、どうしちゃったの…?!」
「いや、何でもない…」

「さっきの話さ、どちらかって言うと、自分が好きだから
夢に出てくるんだと思うよ…」

「そんなの分かっているって、ロマンチックじゃないよね…」
ジェネレーションギャップを感じる程度には年下の、
可愛いらしい彼女が口を尖らせた。

「幾つになっても、乙女心は忘れちゃダメだとおもいますぅ…」
「そうねぇー、忘れないでいたいものだけど、日々の生活、
生きる為に精一杯だからナァ…」

思い出せるあの人は、いつも少年の頃だった... 
...私が憧れる世界は無邪気に遊んでいた子供の頃の思い出なのかもしれない...
0397ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/16(火) 07:39:44.24ID:VxOK+yJe
「蕎麦屋」

「私ってダメだなぁ...」と仕事のちょっとしたミスで、上司からこっぴどく
叱られ、自分一人だけがいらないような気がして落ち込んでいた時、突然、
お前から電話が来た。「あのぅ、蕎麦でも食わないかぁ…」って...

別に今更、お前の顔見て、蕎麦など食っても仕方がないんだけど、
でも、結局、付き合うことにした。

そんなあいつとの出会いは、近所のスーパーのレジで並んでいる時だった...

目の前には、背の高い男が... 歳は私と同じくらい。
カゴにはトイレットペーパーやティシュなど日用品がいっぱい入っている。
ありゃ、これは時間が、かかりそうかなと思ったそんな時、

" チャリン!、チャリン!! " その男性が財布を広げた途端、小銭が何枚か零れ落ちた。
「あっ!」とその男性は慌てて小銭を拾い集める。私も一緒になって小銭を拾うのを手伝う。

「はい、どうぞ!」と私は拾った小銭を目の前の背の高いその男性に手渡す。
「ありがとう。俺って、本当におっちょこちょいだからなぁ…」と
その男性は照れた顔で申し訳なさそうに言う。

私は会計を済ませた後、レジ付近の袋詰め用サッカー台に移動して袋詰めしている
そんな時、また、その男性と一緒になった。「お荷物多いですね…」と私が語りかけると、

「あ、はい。今年から一人暮らしなもので… 今まで実家から送ってもらったものを
使っていたんですけど、早くも切れちゃって… 初めてですよ。トイレットペーパーとかを
買ったのは…」とその男性が言う。私は「じゃあ、大学一年生?」と聞くと、
「ええ、そうです…」とその男性。

「実は、私もなの…」気が付いたら、こんな感じで会話を交わす私がいた。
すっごく不思議。今までは絶対に、そんなことは出来なかったのに...
その男性の自然体というか、素朴で全く飾らない雰囲気がそうさせたのか...

今ではわからないけど、とにかくそれが、あいつとの最初の出会いだった。
0398ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/16(火) 08:02:02.31ID:1CtFStCa
>>397
1行目から「手痛い失恋の痛手で、まるで自分ひとりだけが、
いらないような気がして落ち込んでいた時、 突然、」の2行目まで訂正

手痛い失恋の痛手の方が、ストーリーとしてコントラストの差が出ていいかなと思いました。
0399ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/16(火) 08:19:01.98ID:1CtFStCa
実際「蕎麦屋」の登場人物が醸し出す飾りっ気がなく素朴な雰囲気だけでもいいんですけどね。
0400ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/16(火) 08:31:09.64ID:1CtFStCa
中島みゆきそのものがあまり飾らない人だと思うね。
0401ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/17(水) 08:03:40.62ID:jXhGfxt0
「海に絵を描く」

大会前から色々とゴタゴタ続きで心配されたが無事閉会式を迎え終わった昨年の東京五輪。
そんな東京五輪の新種目のサーフィン競技で五十嵐カノアは19年の世界チャンピオンである
イタロ・フェレイラ(ブラジル)に敗れ銀メダルになる。

台風8号の影響で荒れ狂う波… その波に苦戦し、旨く波に乗れず、競技中に
両手を広げて何とも言えない表情を浮かべた。「チャンスがなかったのは、本当に悔しい。
このスポーツは、そういうこともある」金メダルを強く意識してきただけに、
競技直後は負けを受け入れることが出来ず、暫く海から上がることが出来なかった。

その後、波打ち際で正座し、海に深々と座礼する。「悔しかったけど、悔しい中でも
ありがたいと思って… 海の神様にありがとうと言った。4年間の準備があった。
ここまでよくやったなと自分でも思いました」競技が終わると空には虹がかかっていた。

ビーチに座り込み顔を覆うカノアの背中に滲む無念さがTVの画面からも感じ取れた。
東京五輪種目として、多くの注目を集めた中での快挙を達成したのだが、裏では熱戦に
水を差す残念なことが起こっていた。カノアは準決勝で世界ランク1位のガブリエウ・メジナ
(ブラジル)を大逆転で撃破した。採点に不満を抱いたブラジルのファンがカノアのSNSに

「決勝を盗まれた!」「あなたは審判の助けがなければ何も出来ない」など心無いコメントを
書き込む事態に… 決勝で同じブラジルのフェレイラが勝つと、今度は煽るコメントを書き込み
ブラジルからのコメントで埋め尽くされた。ブラジルのファンの気持ちもわからぬではないが、

選手は一生懸命頑張った。採点はあくまでもその結果だ。海のスポーツは風や波も読まなければ
ならない。カノアの自然の大きさの前に生かされていることを感じ海の神様に「感謝」する気持ち…

波に恵まれなかったが、自然に敬意を示す気持ち… これからもサーファー人生を生きていく
うえでも大切な姿勢だと思う。その時の気象条件に大きく左右される競技だからこそ
大切な姿勢だと思うのだ。そのような気持ちは、なにもサーフィンという自然を

相手にするスポーツに限ったことではない。太古の昔、自然と共存していた
先住民族、海洋民族がそうであったように人生においても大切なことでもある。
0402ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/18(木) 07:28:27.83ID:sYuGmGDR
「氷中花」

あれは結婚して3年目の夏だった...
今でもあの時の光景が映像として …フラッシュバックする…

私が勤める会社にある男の子が入社して来た。顔立ちがパッと光っている訳でもなく
妙に落ち着いた感じだけど、雰囲気がある男の子だった。社会人1年生とは
思えないくらい大人社会に溶け込んでいる子だった。

配属先は私と同じ営業で、OJTってことで、研修期間の3か月間、私が受け持つことになった。
最初は正直、ちょっと変わった子だなくらいにしか思わなかった。研修期間の3か月は
特に何もなく無難に過ぎていった。でも、その子は残業も嫌がらずに、接待にも
一緒に行ったりして徐々に成長していった。

可愛い弟が出来たみたいで、私も大変だったけど楽しかった。そして研修期間が終わって
私の手が離れる日にお疲れさんってことで二人で飲んだ。このままお別れってのも寂しかった
ので携帯のアドレス交換をした。「なんかあったら、お姉さんに相談しなよ…」くらいの
気持ちで、その時は別に好きだとかそんな感情は無かった。

彼が私の手を離れて2か月を過ぎた頃、アドレスを交換したことを忘れかけていた私の携帯に
彼からメールが届いた。「やっと商談がまとまりました!」って内容だった。どうやら私に
最初に伝えたかったらしい。「おめでとう。よく頑張ったね!」って返した。

彼が外回りから戻って来た時に、もう一度、おめでとうと言って「今夜、時間空いていたら、
ご飯食べに行こうか! ご褒美、おごってあげる!」って軽い気持ちで言ったら
「え! いいんですか?! 行きますよ…」って彼も乗って来た。

彼に対しての気持ちは全然なかったから、同僚と食事するくらいの気持ちで誘った。
その時に、彼が別れた彼女の話を聞かせてくれた。彼女に好きな人が出来て彼の事を

考えられなくなったこと。「要するにフラれたんですよ…」って彼は言った後、
「でも、僕には好きな人っていうか、心に入り込んできた人がいて彼女に
悪いから、お互いの為には良かったのかもしれません…」と言う。

ちょっとドキッとした。正直、親近感みたいなものを感じていたし、帰り道で彼に告白された。
「好きです…」と。ああ、彼の心に入り込んじゃったって、ちよっと申し訳なくなった。
この日のやり取りのせいで、彼の事を色々深く考えるようになってしまって、
気が付いたら好きになっていた。

それから2週間に一度くらい飲みに行くようになって、何回か二人で飲んだ帰り道に、
彼に抱きしめられてキスをして、「私も好きだよ…」って言ってしまった後、始めて彼に
ホテルで抱かれた。一度踏み外してしまうと感覚が麻痺しちゃうもんだなって

その時は気づいてはいなかった。気づいたら2週間に一度のお酒とその後のホテルに
行くのが定番化していった。浮気しているんだけど、頭の中では浮気と言う考えはなかった。

でも、旦那にバレたらマズいってことだけは、分かっていたから携帯のメールは極力使わない
ようにしていた。帰りが遅くなる日が極端に増えたわけではないが、旦那は気づいていた...

ある日、彼と一緒にホテルから出たところに車が止まってて中から旦那が出て来た。
「え、何故…?!… どうして???」
  ――――――――― 私は、その瞬間、 ” その場で一瞬で凍り付いてしまった! ”
0403ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/19(金) 07:39:00.44ID:2L2aRn0B
「夜曲」

音がした!  " チャリーン! "  身に覚えのある音。
それは半年前まで、付き合っていた彼が腰につけていたキーチェンの音だった。

思わず振り返って姿を探す… 人が行き交う交差点。一瞬だけど聞こえた音…
そんな音を頼りに特定の人を見つけるのは不可能に近い。そう考えて私は自嘲する。
私は一体、何を考えているのだと.........。

「どうしたの…?!」と前を歩く同僚が心配そうに声をかける。
私は首を振って「何でもないわ…」と同僚に告げる。

「あんまり交差点で、ボーっとしていると危ないよ…」
「ちょっと靴擦れが痛かっただけ…」「今日も、散々歩いたからね... 
大丈夫…?!」同僚は私の足を気遣い、歩くスピードを落とした。

「もう大丈夫、大丈夫よ。さあ、早く行こう… お腹すいちゃった!」と
わざとらしくそう言って私は、歩幅を大きくして歩き出した。
不意に思い出した懐かしさを振り払うように近くのレストランで食事後、
営業先から会社へ戻り、一通りの仕事をこなした後、残業もせずに早めに帰宅した。

帰宅後、すぐ入浴。シャワーを浴びた後、胸をバスタオルで包み、狭い浴室を出ると
冷蔵庫を覗き込む。奥の方に彼が好きだった缶ビール黒ラベルとエビス缶がまだあった。
立ったままエビス缶を開け、一口あおった。 …喉越しがいい爽快な気分に浸る…

あのうだるような日中の暑さ、寝苦しい夜はすっかり消え、夏の終わりを感じる夕方…
日没後のオレンジ色に染まった夕暮れ… そんな夕暮れから夜にかけての月を見ていると、
何故か心が落ち着く… 気持ちを落ち着かせるリラックス効果があるのだろうか...
そんな感じて彼の事を思い物思いにふけっていた.........。

彼は自由奔放な性格だった。自分の気持ちに素直で、よく言えば真っ直ぐな人と言えなくもないが
彼を知る友人は口々に彼を子供だと言った。半年前、突然、思い立ったように旅に出ると言い出した。
今にして思えば、彼にしてはごく自然なことだったのかもしれない......

元々、出会った時から写真が好きでカメラマンになりたいと言っていた彼...
大学を出ると、迷うことなく写真家への道へ進んだ。自由気ままな彼が誰かの下について
腕を磨くなんて地道なことが出来るのかどうか心配だった。好きなことに対しては
ストイックなほど打ち込む性格の彼は意外と楽しんでいるようだった。

私もその姿に安心していた。その三年後に、突然、私の目の前から消えるなんてこと...
その当時は思いもよらなかった。「俺、そろそろ自分の写真を撮ろうと思うんだ!」

いつものデートの後、彼はまるでちょっとそこまでといった感じで言った。
それが今から半年前のことだった。「俺、ちよっと、旅に出ようと思っている…」
「は…?!」突然、思いもよらぬ。彼の言葉に私は戸惑った。

「ちょ、ちょっと待ってよ! 何で急に・・・ てか、仕事は…?!…」
「うん、師匠にはOKをもらった。好きなように、やってみろってさ…」
心底嬉しそうに笑って語ったその顔が私の記憶にある彼の最後の笑顔だった...
0404ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/20(土) 07:38:17.65ID:DXRFB32q
「渚へ」

小さな海辺の街。...辺りから聞こえる潮騒の音...
泊まっていた海辺のホテルから出て波打ち際に立っていた。
穏やかな浜辺に一人佇み海を見ていた。生暖かい海風が吹いている...

...小粒の貝殻が程よく散らばった静かな浜辺の波打ち際......
ちょうど砂浜と海との境辺りで波がやって来たかと思えば、また引き返していく...

波はとどまることを知らずに繰り返し繰り返し同じ動作を繰り返す...
独特の音を立てながら・・・

沈む夕陽の中、波が打ち寄せて弾いては引いていく浜辺を歩く...ゆっくりと...
雲間の薄いピンクに染まり、徐々に濃さを増して光が地平線へ落ちた。
西の地平線が赤く滲むのを私はじっと眺めていた...

沈む夕陽。燃える地平線。その先で、きっと新しい朝が来るのだろう...

悪い相性と占われても身の程知らずがまだ止まらない... 海風のせいね…
壊れる理由を言え波頭 壊れる行方を言え夜光虫…

昼間は赤潮が発生したのだろう... 海洋のプランクトンが大量発生すると
夜に光輝いて見える夜光虫… 青白い光が発光する夜光虫が大量発生した海はとても幻想的...
妖しく煌めく夜光虫のほの青い光... 波打ち際にキラキラ光る夜光虫の水面...

裏切りなんかじゃないというのに 謝られたのが何より辛い...  …食えない奴よ…
追いかけて手練手管は裏目のダイス... 「誰か教えてよ 大人しくしてりゃ戻ったというの…」

 ――――――――― 夜光虫の青白い光が発光する幻想的な夜の海をいつまでも見ていた ――――――
0405ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/21(日) 08:23:57.53ID:uC+c5RSO
「御機嫌如何」

玄関に入り靴を脱ぎつつネクタイを緩める…
左手には郵便ポストから持ってきた一通の封筒。
純白のそれに記されているのは、もちろん俺の住所と名前。
裏にはあいつの名前があった。

乱雑に靴を脱いだまま、靴を揃えることもなくリビングに向かう。
ドサリと勢いをつけてソファに腰を下ろすとスプリングが軋む。
「ふぅ...」 …両手を広げて天井を見上げる…

そして目を閉じ、しばしの沈黙。今日のことを整理する。
それを終えると、ゆっくりと目を開け周囲を見渡した。
何の変哲もない自分の家。そして目は封筒へと向ける。

手紙を持った左手を持ち上げ目の前に… 明かりに透かして見てみる。
中には便箋。当たり前だ! これはあいつからの手紙なのだから...
本来なら封を切って開けて読むべきなのだろうが…… 俺はそれが出来ずにいた。
何が書かれているのか、ちよっと知るのが怖い。

あいつとは酷い別れ方をしたのだから…… すべての原因は俺の浮気。それで大喧嘩。
そして喧嘩別れしたのだから…… あいつには悪いことをしたと思っている。
全ては俺が悪いのだ。

それでも、今、このタイミングで読まないと、きっとこの封筒は
机の奥深くへと追いやられてしまうだろう...
俺のあいつへの思いと同じように・・・

俺は封筒の端に指を掛けると、一気に " ビリリッ ! " と破った!
「拝啓 ○○様。 御機嫌如何ですか、私は相変わらずです。・・・」
封筒と同じく真っ白な便箋。そこに、ブルーブラックのインクで
綴られている文字は紛れもなくあいつの筆跡だった。
0406ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/22(月) 07:52:28.75ID:edYOho8w
「南三条」

私は人ごみに紛れ込みながら、人の流れに押されて立ち止まることも出来ず、
そのまま人の流れに乗って改札を出ていた。そこから地下街に向かって歩いている時、

" 突然! " 袖を引かれた! 振り向くと、「懐かしいわ!」と笑顔で、
息を切らし汗をかきながら、「なんて懐かしいの…」と無邪気にに声をかけて来た。
地下鉄の人込みで会いたくない女と出会った。
それはかって自分の男を奪った女だった。

「会いたかったわ、会いたかったわ…」と無邪気は、あの日のまま...
会いたくはなかったわと私は心の中で呟き、急ぐ振り…
「どこまで行くの…?!」と

背中に眠る赤子を揺り上げながら、
「ワタシ老けたでしょ… 貴方より年上みたいね…」と
幸せを見せつけられる。

自分のもとを去った男との間に出来た子どもなんか見たくもないと思っていると、
「この人なのよ…」と紹介された男は、心当たりのない男だった...
 …そんなはずはない… あの人と幸せになっていたはず...

戸惑う私に、彼女は気づいて私に教えてくれる。
「貴方の知っているあの人とは間もなく切れたわ...」と
屈託のない声で言う。
そんなこと知らなかった...
彼といるとてっきり思っていた。

女はとっくに前の男と別れて別の男と幸せを手に入れていた。
もしもあなたなんか来なければ、今もまだ私達続いていたのに...
  今更ながら後悔が・・・

―ーー 泣きながら走った あの 南三条が 思い出と共に 蘇って来る −−−
0407ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/22(月) 08:17:06.40ID:edYOho8w
この歌詞の物語の完成度は高いのでほぼそのままにしました。
0408ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/23(火) 08:02:42.38ID:c/GvkoY+
「もう桟橋に灯りは点らない」

ふたりでよく来ていたあの桟橋...
海が一望できる。カモメが海面に近い高さで風を受けて
飛んでい行く姿がここからは見える...

船を横付けにして、人の乗り降りや貨物の積み下ろしなどを
する為に造られている桟橋。海や湖へ行けば当たり前のようにある桟橋...

あの桟橋は海に向かって伸びていき、夏の日、一番先から海を眺めていると
心地よい潮風が吹いて気持ちが良かった...

夕方、灯りが点りオレンジ色の夕日が、とても美しく綺麗だった印象が今でもの残っている。
日没後に、西の空が赤く染まる夕焼け… 夕暮れに染まる桟橋… 夕闇に包まれる桟橋…
夜は桟橋の先まで行くと、360度の満天の夜空に星座が見渡せた。天の川もはっきりと見えた。

星に例えて名前を付けたあの夏の日の思い出...
秋の夜長、夜の長さが変わるのを待てないあの秋の日...
冷え切った身体で寒さに震え二人肩を抱き合って眺めたあの冬の日...
桜が舞い散る中、互いに似合わないスーツ姿に笑い合って
夢の様な話をしていたあの春の日......

そんな無邪気だったふたりが、いつも隠れて逢っていたあの桟橋...
そんな無邪気だった頃の記憶が蘇って来る...

そんな人気がなく灯りが点っていた頃のあの桟橋にも
もう灯りは点らない...
ただ潮風たけが置き去りにしたまま......。

ふたりたけになれるスポットだったあの桟橋も、
今は、ただ鉄条網だけが冷たく光っていた。

よく見ると【関係者以外立ち入り禁止】になっていた。
大桟橋ふ頭ビルになるらしい...
0409ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/23(火) 08:06:25.74ID:c/GvkoY+
>>408
8行目「今でも残っている。」に訂正
下から4行目「ふたりだけ」に訂正
0410ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/23(火) 11:39:05.26ID:c/GvkoY+
>>408
下から4行目から修正
「ふたりだけになれるスポットだったあの桟橋も、
よく見ると【関係者以外立ち入り禁止】になっていた。
大桟橋ふ頭ビルになるらしい...

――― 今は、ただ鉄条網だけが冷たく光っていた ―
0411ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/24(水) 07:18:07.77ID:YO/eKB54
「HALF」

うちは母子家庭だった。母ちゃんは地元のスーパーのパートで働いて俺を育ててくれた。
親父の記憶はない。会った記憶もない。親父がどんな人だったかの記憶がないのだ。
気づいたら古い小さな集合住宅で母ちゃんと二人暮らししていた。

俺は重度の小児喘息の持ち主で、毎晩、寝入りばなと夜明けの体温し空気の温度差が、
激しくなる頃に発作が出て、吸入器を加えさせられて、収まるまで母ちゃんが背中を
さすってくれた覚えがある。時々泡を吹いて息が出来なくなった俺を、母ちゃんが
救急病院までタクシーで連れて行ってくれた覚えがある。

まだ小学校に上がる頃のある日、自分の激しい咳の発作で目が覚めた俺を見て、
母ちゃんが慌てて部屋の電気を点けた。 ― 俺は、あまりの息苦しさと咳の激しい発作で意識が飛んだ! ―

――――――――ー それから暫くしたある日、家族で隣の街の有名な祭りを見に行くことになって
俺と両親、それに4歳になったばかりの妹と車に乗り込んだ。土曜の午後のお祭りを見て楽しんだ。
日も落ちたので帰ることになった。高速に乗る前に、何か食べるものを買っていこうと、

高速入り口近くのスーパー出足を止めた。妹は店内を走り出したので、両親は「おい、おい…」と
追いかけていた。俺は小学生だったので、自分の食べるものを選ぼうと、お総菜コーナーへ行ってみた。

そこで三角巾を付けたおばさんが値札のシールを張り替えていた。俺は何気にその横顔を見て、
" ハッ!" と気付いた! ー " 母ちゃん…?!… " ー  白髪交じりの疲れたおばさんが、
こっちを見た! ー 母さん! ー 自分の状況を理解できず、全く声を出せないでいると、

おばさんは「僕、大丈夫…?!…」という顔で笑った!(母ちゃん?! 俺だよ! 名前、なんだっけ?!
あなたの息子です! よく背中をさすってもらっていた。でも、これどう言えばいいんだ?!
なんて言えば、伝わるんだろう…?!… 分からないまま茫然としていると…)

「どうしたの僕?! 迷子…?」とおばさんはしゃがみ込み、俺の目線に合わせて聞いてきた。
懐かしい顔が目の前にあった。何年も会いたかった母ちゃんの顔がそこにあった。

子供心に(いいんだ! 今の世界が、どう混乱しても母ちゃんにお礼を言いたい!
背中をさすってもらいたい。ただ母ちゃん、ありがとうと言いたい!)と
覚悟を決めて呼びかけようとした時、不意に後ろから抱きつかれた。

「お兄ちゃん〜 いたぁー」その声に驚いて振り向くと
妹が無邪気な笑みで笑いかけて来た。その後から両親が来たのを見て
母ちゃんは「あら、見つかって良かったね!」と笑って立ち上がり、
俺の両親に会釈をすると奥へ消えていった。

お母さんが頭をなで「お菓子も買っていこうか…」と言った。
俺は奥の方に消えた母ちゃんを見送ると「うん! そうだね…」と答えた。

それ以来、その人とはあっていません。高校生になった頃、そのスーパーへ行ってみたけど、
もう既に潰れてなくなっていました。あれはいったい何だったのか...???...

そんな摩訶不思議な出来事があって以来、俺は
 ―――身体は意識・魂の乗り物に過ぎないのではないだろうかと思うようになっていた。
0412ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/24(水) 07:25:58.43ID:YO/eKB54
>>411
13行目「スーパーで足を止めた。」に訂正
0413ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/24(水) 08:58:15.12ID:YO/eKB54
あなたの人生はあなたのもの。神様のものでも親のものでもなくあなたに
与えられた人生。だから最終的には自分を信じて生きるしかないと思いますね。
宗教に惑わされずにどれだけ自分を信じて生きていけるかだと思いますね。
0414ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/25(木) 07:28:21.72ID:dTN6qlmI
「渚便り」

波の音がザアー... ザアー... ザアー...
寄せては返す波... ... ...
それを眺めながら、その波の音を聞いていた。誰一人いない夏の終わりの海...

砂浜は音を立てて砕け散る。そして勢いよく退いていく... ... ...
 …白く細かい飛沫が眩しく光っている…

穏やかで 遥かに澄んだ青い海。 白くサラサラの砂...
...この景色の中に溶けていきそうになる......

なくしたものを思い出したくて、 …誰もいない海に来ていた…
なくしたくないものを思い出したくて 渚で立ち尽くし打ち寄せる波を待っていた…
波打ち際で打ち寄せる波を膝を折って待っていた... ... ...

 …打ち寄せる波に洗われる貝殻… キラキラキラ光の中で輝いていた。
波に転がる小石... 言えなかった言葉が砂になる…

目を閉じると、彼と一緒に過ごした思い出が次から次へと波のように押し寄せてくる...
彼と歩いたこの白い砂浜... 

波打ち際を低く飛んでいたカモメが一羽 
波から波の飛沫を越えて遠くに見える灯台の方へ飛んでいった...

涙色した貝は …私の心… あなたの指から 零れ落ちた 波のしずく
サヨナラは 砂の色 私の手を離れ キラキラキラと光の中で 輝いているわ

風に吹かれて 渚にいれば みんな 綺麗に 見えてくる
悲しいはずの 思い出も やさしい出来事に 見えてくる
0415ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/26(金) 08:02:06.78ID:YKRWdh3S
「兆しのシーズン」

いつもより早めに寝たのだけど、あいつのことを考えると眠れなく
真夜中に起きてしまった。 窓の外は雨… 窓を叩く雨… 
冷蔵庫を開け、…缶ビールをグラスに注ぐ… 

パソコンのラジコを聴く。机の上のパソコンのラジコから、
スロージャズが流れている。暫く聴いているとパーソナリティを務める

男性の低く渋い声が流れる…
「そろそろお別れの時間がやって来ました。本日のお相手は、あなたの心の恋人○○○○と
DJ○○○でお送りしました。それでは皆様が心地よい安らかな眠りに着けますように…」

そんな締めの言葉をパーソナリティの男性が言い終えると、後ろで流れていたBGMは次第に
フェードアウトしていき、やがてラジコからは深夜3時を伝える時報が流れ出した...

カーテンを開け、窓の外を覗くと、もうあれだけ激しかった雨は既にやんでいた。
パソコンの電源を切り、デスクライトの淡い光だけを頼りにクローゼットからパーカーを
取り出すと、それを部屋着の上から羽織りポケットにスマホを持ち部屋を出た。
そしてマンションの外に出ると夜道は雨上がりで黒く光っていた...

路上は時折、 …通る車のライトで濡れ輝く… 心地の良い夜風が冷たくひんやりと頬に
当たるのを感じながら、雨に濡れた白い街灯のぼんやりとした光の輪に向かって静かに歩き出した。

私は夜が好き。雨上がりの夜はまた違う。肌に触れる空気の温度、湿度や辺りに漂う透き通った
雨上がりの夜の匂い… そんな雨上がりの夜も、普段の夜も夜を構成するすべてが好き。
夜には無駄なものが一切ない。  …夜空と濃い青色をした暗闇と真っ白な光の粒…

真昼あれだけ忙しく動き回っていた人や車も夜には、そのほとんどが活動を停止したような、
まるで時間そのものが動きを止めてしまったような世界が静まり返る。昼と夜、同じ世界でも、
時間が変わるだけで、 …こんなにも世界の見え方が変わってくる…

――― つくづく不思議なものだなぁと思う。雨上がりの外は既に秋の兆しだった......
0416ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/27(土) 08:03:54.61ID:mxc4RgYb
「過ぎゆく夏」

大学の夏休みに友達と海へキャンプにいきました。
男女混合の6人グループだったんですが、妙に気が合う仲間たちで
性別意識があまりなく一緒に遊んでいました。

女性陣が元気よく、男性陣がやや、草食系と言うか、気遣いが出来るタイプ
だったので相性が良かったのかもしれません。

とはいえ、いくら元気が良くても… そこは女性。
キャンプは力仕事が多いので、なんたって男性は頼りになります。

テントを立てたり、重いクーラーボックスを運んでくれたり、
テキパキと作業している男性は、普段よりカッコよく見えました。

いつもはいい奴だとだと思っていましたが、この時ばかりは私の中で
――― カッコいいヤツに変わりました ―――――――――

日中は、燥いで遊び、夜はまったりと花火を楽しみ、酒を酌み交わすうちに
何だかロマンチックな気分になって来ました。一緒に居る時間が長いと、
普段見えなかった面が見えて来て、より親密に感じます...

次第にある男の子を、異性として意識するようになっていきました。
でも、今まで友達として接してきたので、どうやって行動すればいいのか分かりません。

グループ内で、ぎくしゃくするのも嫌だなと思ったこともあり、
結局、自分の気持ちを相手に伝えられずに夏は終わってしまいました...

キャンプが終わると、普段通りの生活に戻ってしまい…
友達から男と女の関係になるキッカケが掴めずに、そのまま卒業してしまいました...

たまに、今でも、あの時に告白していたら、
今頃はどうなっていたんだろうと思うときがありますが、
あれは、あれで良かったのかもしれません ・・・
...爽やかに過ぎた夏の思い出になりました...

過ぎゆくものよ すがしきものよ...
...過ぎゆく夏の爽やかな思い出 ・・・ 

 …みんなみんな幻かもしれないから… 
いいじゃないか 夏だったでいいじゃないか...

 ...いいじゃないか 爽やかな夏だったでいいじゃないか......
0417ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/28(日) 07:24:12.78ID:M6530Lnw
「銀の龍の背に乗って」

俺の祖父は過疎化し寂れた漁港の小さな診療所の医者だった。いつも家には金は無く家は
ボロボロで食事なんか庭の野菜とお茶漬け、それに患者さんからの頂き物だけだった。

毎朝4時に起き、身寄りのいない身体の不自由なお年寄りの家を診察時間ギリギリになるまで
オンボロ自転車で何件も走り回り往診してくる。

診察時間になると、戻ってきて待合室に入りきらないで外まで待っている患者さんを診察していく。
昼休みはおにぎりを片手にまた往診。午後の診療をこなし食事を素早く済ませてまた往診に行く…
夜中に玄関口に患者が来たり、電話があればいつでも駆けつける。一年365日、休みなど全く無かった。

自分の体調が悪くなっても、自分を必要としている人がいるならと、病院にもいかず診療を続け、
無理やり家族に病院に連れていかれた時には、もう既に手遅れ状態のステージ4の末期癌だった。
どうせ治らないなら入院はしないと痛みをごまかし死ぬ間際まで往診に走り回っていた。

遺産なんか何もないし、残ったのはボロボロの家だけ。聞けば治療費を払えない人ばかりを診療や
往診に走り回っていた。そんな状態でほとんど収入なんか無かった。でも、葬式の時は驚いた!
患者さんだけで千人... 町のほとんどのお年寄りが来たといってもいいくらいの数が訪れた。
中には車椅子の人や付き添いの人に背負われながら来る人たちもいた。

みんな涙ボロボロ流して「先生、ありがとう、ありがとう…」と拝んでいた。
毎年命日には、年々皆亡くなっていくから数は少なくなって来るけど患者さんたちは線香に訪れてくれる。
かって治療費を払えず無償で診ていた人から毎月、何通も現金書留が届く…

いつも忙しくしていたから、遊んでくれた記憶、甘えた記憶など、数えるほどしかないけど、
今でも鮮明に思い出すことがある。それは俺が中学の時に、悪に憧れて万引きだの恐喝だのを繰り返していた時、
たまたま隣町で万引きして店員に捕まったことがあった。親の連絡先を教えろと言われて親はいないと嘘をついた。
どうせ、じいちゃんは往診でいないだろうと思ってじいちゃんの連絡先を告げた。

そしたら、何処をどう伝わったのか知らないけど、すぐに白衣を着たじいちゃんが店に飛び込んで来た。
店に着くなり、床に頭をこすりつけて「すみません!本当にすみません!!」と土下座を繰り返していた。
自慢だったじいちゃんのそんな哀れな姿を見て自分が本当に情けなくなって俺も涙を流しながら、
いつの間にか一緒に土下座をしていた。帰り道はずっと無言だった。

怒られるでもなく、何か聞かれるでもなくただ無言だった。逆にそれが辛かった。家にもうすぐ着くという時、
ふいにじいちゃんが「お前は男だ。悪いことしたくなる時もあるだろう。どんな悪いことしてもいい。
ただ筋の通らない悪さはするな、」と言われて何だか緊張の糸が切れて、ずっと涙が止まらなかった...

それから俺の人生が変わった気がする。じいちゃんのような医者になるって決めた。その後、必死で勉強をした。
元々頭はそんなには良くはないから、二浪したけど国立の医学部に合格した。今年晴れて医学部を卒業した。
じいちゃんが残してくれたボロボロの家の他に残してくれたものは、毎日首にかけていた聴診器...
あの土下座していた時も、首にかかっていた聴診器。その聴診器をやっと使える時が来た。

それとじいちゃん愛用の自転車。そのどちらもさび付いているけど、…俺の宝物… 
俺もじいちゃんみたいな医者になると決めた。
0418ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/29(月) 07:45:51.18ID:kkz/ABE0
「忘れてはいけない」

「ハハハ… ミカちゃんのまけだよ!」「あ、いたいよ! おめめに砂がはいったぁー」
「だいじょうぶ?! ミカちゃん!」「えーん… えーん…」
小学校低学年だった僕は同級生のミカちゃんと放課後、ミカちゃんのお母さんが
迎えに来るまで一緒に校庭の砂場で遊んでいた......

「だから言ってあるでしょ!! こんな子と一緒に遊んじゃダメだって!!
どうしてあなたはママの言いつけを守れないの…?!」と学校に迎えに来たばかりの
お母さんが飛んで来てミカちゃんを連れて帰った... 「ミカちゃん...」

そんな時だった!「天地!! ちょっと来い…」「あ、いけざわ先生...」宿直室にいた
池澤先生がそんな僕を呼んだ! 先生に呼ばれて宿直室に行くと僕の為にラーメンを作ってくれた。
「このラーメン、うまいだろ… 天地、先生はな、お前のことが好きだぞ! 勉強が出来るからじゃない。

お前は素直で良い子だからだ。先生はな、お前には立派な人間になってもらいたいんだ。頑張れ!
負けちゃだめだぞ! な、アハハハ…」…先生は子供の僕に対してまるで独り言のように色々と
語っていたが、僕はわかっていた。先生が何を言いたいのかわかっていた...

俺は中学生になっても池澤先生に可愛がられていた。先生は宿直の日は必ずと言っていいほど、
俺に夕飯をご馳走してくれた。「どうだ、中学校は面白いか?!」「はい!」「あ、いけねぇ、
こいつをこんな所に置いといちゃ大変だ! 生徒から集めた修学旅行の費用だもんなぁ。

明日、旅行業者に渡すまで金庫にしまって置かなきゃな、大金だからな… えーと、
金庫のダイヤルは…と、あ、これだ!、右に15、左へ4、もう一回、右へ9だ...」

「右に15… 左に4… そして右にいくつだ…?!」…二十五年前のその日は、
修学旅行の代金を旅行業者に支払う為のお金が金庫に保管されていた… 「お、おい、
やめようか…」と俺が言うと、「バカ野郎! ここまでくれば、やってもやらなくても
同じなんだぞ!! おい! 豊!! 次は何番なんだ!」「…も、もう一度、右へ9だ…」

当時通っていた小学校の校庭の砂場に俺は満を呼び出して過去のことを語っていた。
「俺たちのやったことで、先生は学校を辞めざるを得なくなった。先生の人生を狂わせて
しまったのは俺達だ…」「いまさらそんなこと言っても、何の意味もない… 少なくとも、
あの盗んだ金で、俺たちは大学まで行けた。あのお金のおかげで今日の我々があるんだ…」

「俺な、先生は俺が金を盗んだことを知っていたんじゃないかと思えてしょうがないんだ。
知っていて黙っていた… そんな気がしてしょうがない…」「バ、バカな… そんな訳、
ないだろう… いくらあの人がお人好しだって、そんなことある訳ないだろう…」

俺たちはある共通の状況を背負って生きて来た。口に出さずともそれはお互いに分かり合えた。
俺たちはいつも迎えに来る親と幸せそうな親子の姿を夕暮れから、辺りが暗くなるまで校庭の
ブランコに座って見ていた... 「お前も俺も、あの当時の俺たちと違って、幸せを手に
入れているじゃないか…」「本当にそう思っているのか…」「豊、いい加減にしろ!

何をくだらないことウダウダ言ってんだ… 俺たちは間違いなく成功者だぞ! 俺は、TV番組制作
ディレクターで、お前はTV番組制作プロデューサーだ! 豪邸建てて、高級車乗って、今一番、
売れている女優を情婦に持って、今更何を…」「家はあるが、帰ってはいない… 家族はいるが、

愛し合っていない。俺は決心した…」「どうしろと言うんだ! 血と汗で築いてきたものの全てを
捨てて、このくたびれかかった中年に、もう一度人生をやり直せとでも言うんじゃねぇだろうな!!」
「盗んだ金を基にして築き上げた人生なんて、最初から無効なんだ…」「狂ってるぞ! お前…

あの事件は刑法上とっくに時効が成立しているんだぞ!」「俺は心の問題を言っているんだ… 
今でもあの職員室の窓から先生が呼んでくれる夢をいまだに見る… もう一度、人生をそこから
やり直したい。あの時、盗んだ金は十分な利子を付けて先生に返すつもりだ。今でいうと、

五百万以上になると思う…」「…そうか、そ、そうだな… 俺も出来る限りの金を用意するよ…
で、これから俺たち、どうするんだ!」…そんな時だった…  ー「天地…!」―――――― 
「先生…?!」――――――――― 俺たち二人は、同時に同じ幻覚を見たのだった ー
0419ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/29(月) 08:01:12.06ID:kkz/ABE0
>>418
下から15行目「辺りが暗くなるまで校庭のブランコに座って、そこから見える街の風景…
買い物帰りの親子連れの姿を見ていた...」に訂正
0420ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/30(火) 07:52:57.07ID:NCyev8TX
「帰郷群」

美香が何度も夢の中でフラッシュバックするようになったのは毒親に育てられたことと
過去の学校でのいじめにあって苦しんでいた頃のトラウマがまだ心の深層にあるからだと知る。

思い出すなら... 幸せな記憶だけを...
楽しかった記憶だけを... と願っているが...
無理に消し去ろうとしても消えないトラウマの記憶...
克服しようとしても克服できないトラウマの記憶...

美香は、そんな過去のトラウマによるPTSD(心的外傷ストレス障害)に苦しんでいた。
そんな美香は過去のトラウマの記憶を少しずつ少しずつ上書きして、トラウマの
反応を変えていけばいいと考えた。ただ逃げてしまいたいものだったトラウマ...

そんなトラウマから逃げるのではなく、トラウマを怖がらずに、トラウマと真剣に向き合い
トラウマを認めたうえで、トラウマの記憶を書き換えていく選択を選んだのだった...

夜空を見上げた直後、目の前に飛び込んできたのは、 …満天の星空…
普段は街の明かりが邪魔で星なんて気づくことさえない生活を送っていた...
街から明かりが消えたこの世界では、星々が、ただ美しく、私は目を心を奪われてしまった。
小さな光が一つ… 二つと繋がり、連なり、 …夜空を輝かせる…

  ー プラネタリウムで見た夜空、星空など比べ物にならないほど美しさだった ー

夜空を埋め尽くす眩い光の群れ、群、仰向けになった私は、いつの間にか立ち上がっていた。
目だけじゃなく、全身でこの美しい光景を焼き付けたい… そして忘れたくないと思った。
 …流れ星が流れる… 流星群でも来るのだろうか、流れ星は一つにとどまらず、

いくつも流れていた… それはまるで夢の景色の様に美しい… 夜空をザックリと斬り裂いたように
光が一直線に走って消えた!  一秒にも満たない刹那的瞬間だった...
 …太い光跡が夜空を横切った…    …息を呑むほどに強い光…

その後も数分おきに光が走った! 最初に見たものほどの大きな流星はなかったが、
白糸を引くように、時折、小さな光跡が夜空を引っ裂いた! 引き裂かれた闇の裂け目から
光が漏れ、それがすぐに修復され、また元の闇に戻っていく......

こちらが真っ黒い袋の中にいて、その外側には ……眩い光の世界があるように見えた……
この僅かな瞬間に、何かを祈ればいいのだろうか......... 

この美し夜空がそうさせたのだろうか... 気づくと、自然と涙が頬を伝わって流れていた...
――― そこで目を覚ました! ー いつの間にか眠ってしまっていた私......
0421ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/31(水) 07:25:41.94ID:P907rYqK
「DIAMOND CAGE」

入学して一か月、ユリにはたくさんのお友達が出来た。
クラスのみんなと仲良くやっていた。毎日友達に囲まれて楽しく過ごしていた。
ところがそんなある日、突然悲劇が起きた。

ある日、ユリは女友達のアキの好きな人、アキラ君から告白された。
アキの好きな人を知らなかったユリは、初めて告白され舞い上がり、二つ返事で
OKしてしまう。そこを、ちょうど通りかかったアキが刺すような視線で見ていたのだった。

そんなこととは露知らず、帰り際にユリはアキにその話をしてしまう。
ユリにしてみれば、いきなり怒り出して帰ってしまったアキに… トボトボ帰りながら
考える。(何で…?!… 分からない?!…)やはりわからなかった。頭を抱え、なかなか眠りに
付けなかったけど、とうとう睡魔に耐え切れずに寝てしまった.........

――― 朝起きて、覚悟を決めて、謝ろうと思い学校へ行くと ―――
「おはよう…」と教室にいた友達に挨拶したものの、「・・・」次々と無視された。
(なんで・・・ 無視するの…?)「・・・」いくら話しかけても無視され、
(も、もう、いい…)と限界に達したユリは目に涙を浮かべ席に座った...

チャイムが鳴り、担任の女の先生が入って来た。「はい、皆さん、おはようございます…」
「おはようございます!!」「じゃあ、出欠を取りまーす」そう言って担任の先生は名簿を手にする。

その時、男子の千葉大樹君がおもむろに手を挙げる。「先生!」「あら、大樹君?! なあに…?」と
疑問の顔をした担任の女の先生が聞くと、ニヤニヤしながらアキの方を見ながら大樹君は答えた。
「まだ沢田ユリが来ていないでぇ〜すっ! 先生!!」

その大樹の発言に、既に泣きそうだったユリは歯を食いしばり声を張り上げる。
「わっ...わた、し… は、ここに居ますっ!!」
「...そう、よね?! どうしたの大樹君・・・」と問い直す女の先生に
大樹はあざ笑うように答える。「あれっー、全然気づかなかった。お前、影うすっい!

なあ、みんな!! ワハハハ!!!」「大樹君! 何言っているの! 
今すぐ沢田さんに謝りなさい!」と担任の女の先生が言った。

「はい、はい、すみませんでしたぁ〜! っとお…」と大樹がおどけて言うと、
その光景を見たクラスのみんなは大笑い。大樹の謝りとも言えない謝り方に、ユリはグッと唇を噛んだ。
そんなユリの表情を見た大樹が、担任の先生に聞こえないようにぼそりと
「影が薄いお前が、わりーんだろが…」と呟く...

その言葉を聞いたユリは顔中を涙で濡らし、嗚咽しながら机に顔を伏せた。
その後、体調が悪くなったユリは、先生に心配されながらも早退し家に帰ることになった。

――― それからユリの不登校が始まった。家に引きこもり、
      ―――自分の殻に閉じこもるようになっていった ーーーーーーーーー
0422ジョン・スミス
垢版 |
2022/08/31(水) 07:48:47.98ID:P907rYqK
>>421
下から3行目「ユリ、どうしたの…?! しようがない子ね…」を追加
0423ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/01(木) 08:31:17.02ID:mIWsKaYw
「アンテナの街」

俺はここの田舎で生まれ育ちました。過疎で若い人はあまり外を歩いていないです。
そんなド田舎に住んでいるんですけど、稀に都会から移住して来られる人がいます。
その人が良く言っていた言葉が、「田舎は噂が広がるんが早いけん嫌やわ…」

確かに、ここの田舎はお年寄りしかいないのにすぐに噂は広がります。
ここの田舎は、人が少なくスーパーで買い物している人もみんな知り合いか、顔見知りなんです。
噂は、みんな包み隠さずに話していくからすぐに広まってしまいます。

しかも、必ず噂話って大きくなるんです。例えば、誰かが誰かに挨拶したのに
返事が返ってこなかったとします。例え相手が普通に気付かなかっただけでも、
挨拶が返ってこなくて他の人に、「○○さん、ええ人やのに、挨拶返してくれんかったんよ…」って
すると、「○○さんが○○さんに無視されたらしいわよ…」ってまた自分の考えが入って
大きくなってしまい、それを聞いた人が、「○○さんと○○さん喧嘩しているそうよ…」って
尾ひれはひれが付き、どんどん話が大きくなってしまうんです。噂話は聞きたくなるのが
人の性かもしれません。悪い噂ほど、尾ひれはひれが付き話が誇張されるんです。

俺の好きな千恵ちゃんは、都会に出て会社に勤めていたんだけど、上司といい仲になっちゃって、
相手は45歳くらいらしいんだ。奥さんも子供もいて、おろせと言われたらしい。
でも、千恵ちゃん「産みたいと言って…」会社辞めてこの田舎に帰って来て、この田舎でおろした。

ここの田舎、噂が広まるの早いんだ。それで俺は、「一緒になろう。この田舎を出て俺と一緒になろう。
俺がその子の面倒を見る…」と千恵ちゃんに言ったんだ。そしたら千恵ちゃんはビックリして泣き出したんだ。

 ――― 俺の親にも言ったら、" 親父にいきなり殴られた! "  ー
        ――――――――― 今夜、千恵ちゃんと駆け落ちする決心をしたんだ!
0424ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/02(金) 08:02:16.49ID:/v6bGeHV
「泥海の中から」

妻と喧嘩した。原因は夜更かしして寝不足だった俺の寝起きの悪さのせいだった...

「仕事行くの嫌だな…」と呟いた俺。あいつもそれをよく知っているから何も
言わなかった。それもわかっていたけど、なんだか馬鹿にされているような
気がして、つい八つ当たりしてしまった。

凄く美味しそうだったのに、せっかくあいつが作ってくれた味噌汁もおかずも
全部ぶちまけて暴言を吐いてしまった。あいつは泣きながら残りの味噌汁の鍋を
流して捨てていた。物凄く後悔したけど、用意してあった弁当も持たず、
虚勢を張ったまま謝りもしないで俺はそのまま会社に出かけてしまった。

夜になっても、気まずい思いを抱きながら帰宅したが妻はいなかった。
もしかしたら、妻は実家に帰っているかもしれないと内心不安だった...

その一時間後くらいに俺の携帯に着信が来た。妻の携帯からだった。
かけて来たのは病院の人だった。この携帯の持ち主が事故に遭って意識不明ですと言う。
それを聞いた俺は慌てて病院へ向かった。

病院に着いた時には既に手遅れだった。妻は近くのスーパーに買い物に行く途中、
横断歩道を渡っている時だった。信号無視で直進してきた車にはねられたというのだ。

その後、現場検証を終えた警察が来たり、妻の身元確認をしたり、俺は熱を出して
倒れたりで一日入院した。駆けつけて来た妻の両親と一旦、家に戻った。

そしたら、家を出る時には、なかったはずの雑炊が、鍋の中で冷めていた。
卵とネギ、ショウガが、これでもかと入った妻の味… 風邪をひいたり体調を
崩した時に必ず作ってくれた雑炊… 前日に家を出る時には、
ーーー 確か、無かったはずだが・・・

それを火にかけ温めると、卵、ネギ、ショウガ、野菜の優しい甘みが…
ほのかに伝わり、まるで目の前で手軽に作ってくれたかのように美味しく頂けた…
 
 ――――――――― その瞬間、堪え切れずに、頬を熱いものが伝わった ー
0425ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/03(土) 07:23:40.72ID:4rDUr3jx
「五才(いつつ)の頃」

俺は別れた妻と娘に逢う為に約束のカフェレストランで待っていた。
「こんにちはハパ!」と娘。「じゃあ、私これから用があるから…」と元妻。
「あぁ…」と俺。「ママは、これからデートよ!」と娘が言った。

「ふん、また、新しい男でも、見つけたのか、いい年してみっともないと思わんのかね…」
「そういうことをママの前ではっきり言ったら…」と娘にたしなめられる。

「何となくな、元夫婦と言っても、向こうは売れっ子のヘアーデザイナー。これだけの
貧富の差がつくと話しづらい… ワハハハ…」と俺は娘の前でおどける。
「パパ、今度、務めた会社の景気はどうなの…?!」「さあね、景気が良かろうが、
悪かろうが、俺には関係ないさ、どうせ、嫌になったらやめるんだから… ハハハ…」

「パパって、落ちこぼれの典型だね。ふふふ…」「こらっ! こいつ、言ったなぁー 
まあ、そうだな… ワハハハ…」そんな娘とのたわいのない会話をしていると、
頼んだものがやっと運ばれてきた。

「もっと、ゆっくり食べなよ。パパ…」「今頃、食べ方を変えられないさ…
家庭の教育っていうやつさ、文句言うなら死んだバアちゃんに言ってくれ!…」
「あのさ、私、こんなことパパに言いずらいんだけどね。もう、この一週間に
一度の、デート辞めたいんだよな…」「…どうして…?!」

「どうしてって、元々は、ママが私をちゃんと育てているか、どうか確かめる為の
条件だったわけでしょ。離婚する時の…」「あ、ぁ…」「私も、もう高校生だしさ。
今頃、ちゃんと育っているも何もないと思うんだよね。それに、ママにしても、

私にしても、日曜日の午後を毎週、こうやって拘束されるの… うっとうしいしさ…」
「.........ママに、そう言えと言われたのか…?!」「ううん、私の正直な気持ち…
自分の意志で、パパに話しているの…」

「そうか… なるほどな、確かに、お前は、もう大人だ。そうやって自分の意志で何でも
決められるほど、ちゃんと育った。ハハハ… 分かった! これで、最後にしょう…」
「ごめんね、パパ…」 … 一週間に一度、娘と会う楽しみな時間が無くなった …

娘の成長を感じたと同時に寂しさを感じる... そんな娘と別れ、暫く歩いて...
近くの公園の背もたれのあるベンチにドカッと腰を下ろした。

...ベンチに座り、公園で子供たちが遊ぶ姿を眺めていた......
子供たちが遊んでいる光景は、まるで過去の娘と公園で遊んでいた頃を見ているかのような時間になる。
ブランコを見ると、あの頃の娘と乗ったブランコを思い出す... 確か娘が五つの頃だったと思う...

俺の五つの頃の記憶と言えば、それまで三輪車に乗っていた俺に、オヤジが幼児用自転車を自転車屋から
担いで家まで持って来てくれた思い出がある。本当にうれしかった。そしてそれまでの三輪車の世界を
広げてくれた。当時の幼い俺は、心地よい風を切って毎日嬉しくて自転車で走り回っていた... 

その頃と同じ柔らかな風が心地よく感じる... 頭上の樹々の緑を見上げる。まだ紅葉には早い季節… 
心地よい風が吹くと樹々がざわめき、 " カサ、カサッ! " と乾いた音を立てていく... 

...この公園から見る街の景色を、見ながら俺は五つの頃の思い出に浸っていた.........
0426ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/04(日) 07:57:40.91ID:Hb9iPg4B
「Good Morning,Ms. Castaway」

――――――――― 私は目を覚ますと、そこは浜辺だった...
途切れた記憶の破片から、自分が助かったのだと分かった。
私は旅客船に乗ってに船旅に出ていたのだった...

私の乗った船は嵐に遭い、岩礁に衝突! そして沈没… 
板切れとなった船の破片に掴まって私は幾日か海に漂っていた.........

そしていつの間にか白い浜辺に打ち上げられていたのだった...
周りを見渡したが... 誰一人浜辺にはいなかった...
みんな海に飲み込まれたらしい...

おそらく助かったのは私だけ... 一緒に乗った彼は...
彼を探したけど見つからない... 乗っていた者の中で
最も若かった彼の体力ですら助からなかったのか...
それにしても酷い嵐だった...

私は気力を振り絞り、重い腰を上げて立つと他に人がいないか探し回った...
トボトボと白い砂浜を歩きだす...   …助けを呼ばなければ…
そして家族に自分の無事を知らせねば… お腹もすいてきた...

仲間たちも探さなければ... 私は太陽に照らされて...
歩いていると、見慣れない人に出会う… 出会う人々が私に話しかけてくる…
「どうしたの…?!…」「ずっと待っていたわ…」「聞かせてよ… 色んなこと…」

私たちはまだ知らない この海の向こうで
誰が何をしていたのか 今何があるのか

「聞かせていろんなこと…」LaLa...

「どこへ行ってきたの…」「ここは時間の谷間…」

変わりもせず忘れもせず 戻ることも出来ず
ただ明日に耳を澄まし 未来を聞いている

「どこへ行ってきたの…」「どこへ急いでいるの…」
「ねぇ、どこへ急いているの…」

Good Morning,Ms. Castaway  Good Morning,Ms. Castaway
Good Morning,Ms. Castaway   Good Morning,Ms. Castaway

{Good Morning,Ms. Castaway!}

{Good Morning,Ms. Castaway!}
「なんだよ! うるさいなぁ〜 日本語でしゃべりなよ! わかんないよ…」
―ーー ここで目が覚めた! ー

目の前には、金髪の可愛い男の子が立っていた!
私は泥酔して、このガード下の通路に横たわっていたのだった...

{Come here!}近くで、その子の親らしき外国人が呼んでいる。
 ―――その男の子は親らしき外国人の所に駆けていった。
0427ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/05(月) 07:30:21.14ID:BHeo3SCE
「船を出すのなら九月」

― 本日は川巡り橋巡りの水上バスを、ご利用いただきまして誠にありがとうございます ー

ー 運転席 ー 「並木さん、ここんとこ、また、乗客増えたんじゃないか…」
「ああ、TVドラマで、この観光汽船が紹介されると、ドッと増えるけど、そのうちまた元に戻るさ…」
「あれっ、又、あの女が立ってるぜ!…」「え…?! あ、本当だ!…」

その女は9月に入ってから今頃の時間になると、必ず勝鬨橋の上から、まるで私達が乗っているのを、
確かめるように立っていた.........    「お疲れさん…」「ああ、お疲れっ!」
その女の件を除けば隅田川を往復するだけの平穏な毎日に何の変化もなかった...

「今日は非番でしてね。どうもあんたのことが気になってしょうがない。毎日、この時間になると、
決まってここに立っているもんでね…」と勝鬨橋の女の元へ行って話しかけてみた。

「気になりましたか、それは申し訳ございませんでした…」と頭を下げたので、
「女の人が一人橋の上にいると、ちょっと心配になってね... 
いゃあ、申し訳ない… 何か訳でもあるんですか…?!」

「心配かけてごめんなさい… 本当に心配はいらないです。ただ、船が通るのを
見ているのが好きなんです…」とその女の人は言ってはいたが...

そう言っても、何か深い事情というか、大きな悩みを抱えている様子だった...
「あなたに、どんな事情があったかは、これ以上、問わんから心配しなくていいですよ。
辛い時は、泣くだけ泣いてスッキリしたら、又、歩き出せばいいと思います。

ただね、人間と言うのは無理しちゃいかん。自分の器に合った生き方を見つけるのが
一番幸せだと思うよ。何かを失えば、知らぬ間に何処かで、その失った分、得ているもんよ。
お天道様と川の流れは変わらない。それで十分ですよ。余計なお世話だったらごめんなさいね…」

「お気遣いありがとうございます。あなたの言葉に気が楽になりました。本当に感謝します。
愛を失っても、一つ失ったに過ぎない… 愛は星の数… 砂のようにありますもんね…」

「おっ! そうじゃ… 良いこと言うね! そう、そういう心の切り替えが大切だね。
こんな爺さんも、今では偉そうなこと言っておるが、そんなワシも若い頃は、
人の痛みがようわからん人間だった... 人の痛みが分かるようになって

初めて一人前になったと言うんだろうね。今度、私の船に乗ってみるといいよ…
橋の上とは、また違った景色が見えて来るよ。ワハハハ…」
「はい! ぜひお願いします…」

― 永代橋が出来た当時、現在の深川佐賀町は永代島という名で呼ばれていました。
前方に見えますのが、勝鬨橋でございます。東洋一の可動橋ですが、橋の上の交通が
激化して、現在は橋の開閉は行われてはおりません ―

ザザーッ… ザザーッ... ドドドッ… ドッドッドッドッドッドッ...
ザザーッ…ザザーッ... ゛トッドッドッ…

「水上散歩も良いもんでしょう… 世の中、どんなに変わっても人間ていうのは変わらんねぇ…
人間ていうのは、無理をしないで何かしらの生きていけるこういう空間・時間を見つけるのが...
一番良いのかもしれないねぇ〜」「はい! 私もそう思います...」――――――
0428ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/06(火) 07:56:27.88ID:UJOm5ngO
「歌をあなたに」

私は事故に遭い足が不自由になってしまいました。
車椅子なしでは外出も出来ません。トイレも昔のようにスムーズに
行うことが出来ません。そんな私から友人たちも離れていきました。

でも、たった一人、事故に遭う前から、ずっと私の傍には彼が居てくれるんです。
何度も八つ当たりしました。物を投げつけたり、酷いことを言ったり、
自殺を図ろうとしたり... 今思うと恥ずかしいのですが、この世で自分が
一番不幸だと、思っていました。でも、彼は私の傍から離れていきませんでした。

リハビリ、トイレなど嫌な顔一つせずに介助してくれます。引きこもりがちな私を
何度も外に連れ出してくれます。そんな彼とこの間、食事に行った時の事です。

順番待ちをしていると、偶然、彼の友人達とばったり会い、誘いもあったので相席
することになりました。そして食事中、彼の友人達が笑いながら話しかけて来たのです。

「まだ付き合っていたんだ! 大変だろ… まだ若いんだし、新しい彼女を作った方が、
いいんじゃない? あれも、出来ないんじゃなぁ〜 普通に分かれるよね…」

その言葉に対して彼は、「うん、そうだな…」と答えたのです。私は心が痛みました。
やはりお荷物だったか… 同情だったのか... 言葉では表現できないショックを受け、
私は涙があふれ出そうになった。

しかし、彼はそのすぐあとに言葉を続けた。「でも、俺は迷惑だとか思ったことは一度もないし、
違う彼女が欲しいと思ったこともない。お前らの彼女の基準はあれが出来るか、出来ないかなのか?
だったら寂しいな… 足が不自由だろうが、彼女は彼女だ! 俺は、この先もずっと
彼女と一緒に居るよ…」と言って食事代をテーブルの上に置き、

「さあ、行こう…」と車椅子を押して私を連れ出してくれました。
店から出た後、「そういうことだから… もう泣くなよ。俺が生きる希望を無くしていた頃、
お前と出会って、お前に助けられた。だから今度は、俺がお前を助けるんだと決めたんだ!」
0429ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/06(火) 17:11:00.46ID:UJOm5ngO
>>428
13行目「普通に別れるよね…」に訂正
0430ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/07(水) 06:28:12.06ID:8f4zRnGh
>>1
中島みゆきが何時キャラを生み出したのか?
0431ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/07(水) 07:42:59.29ID:yKErh+sl
「あしたバーボンハウスで」

女は羽が舞うように、ふわりとスツールに腰かけた。
カウンターに両肘をつき、組んだ手に顎を乗せて、可愛い眼差しで
私の背後の酒棚に瞳を走らせ、早速に、お目当てのものを見つけたようだ。

「何にしますか?」「キール・ロワイヤル…」
「シャンパン、それともスパークリングワイン?!」

「ねぇ、マスター… シャンパンとスパークリングワインの違いはなあに…?!」
「仕事柄、私が言うのもなんだけど、簡単に言うと、生産地の付加価値の差かな…
フランスのシャンパーニュ地方で伝統的な製法で作られた発泡性の高いワインを

シャンパンと言い、それ以外の発泡性ワインをスパークリングワインと呼ぶ。
味風味にそれほどの差はない。ただ価格に大きな差があるだけ。商品ブランドの差かな…」
「じゃあ、スパークリングワインで、お願いね…」「はい、分かりました…」

私はカシスをシャンパングラスに入れ、良く冷やしたスパークリングワインで満たし、
軽くシェアし差し出す…  

  ・・・ 何を考えているのか、グラスの香りを楽しんでいるのか ・・・

キール・ロワイヤルを飲み干すと、
「イースターエッグ作ってい頂けないかしら…」
私は頭を下げ、カクテルシェイクし、クラッシュアイスが入ったグラスに注ぎ、
チョコレートで飾り、女に向かってグラスを差し出す… 「どうぞ…」

女は辺りをチラリ、チラリしながら落ち着きがない...
・・・ 「誰か、お待ちですか…?!」
「いや、別に...」
――― 女は明らかに誰かを待っている様子だった ―――

「飲みっぷりがいいですね。新しいの作りましょうか…?!」
「お勧めは…?」
「ドライマティーニか、バーボンソーダ―なんて如何でしょうか…」
「じゃあ、バーボンソーダ―にするわ…」

    ......... ......... .........

「お客さん… お客さん! 店閉めますよ…」と私に肩を叩かれた。
「ウムムム... ああぁ〜 !!!  …もう、こんな時間!?…」
「気持ち良さそうに眠っていましたよ...」
0432ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/07(水) 08:00:55.64ID:yKErh+sl
>>430
オールナイトニッポンと言うラジオ・パーソナリティを始めた頃からかもしれませんね。
私に聞かれてもその辺のことはよくわかりません。多分、ラジオ・パーソナリティを
始めてからだと思います。断定はできませんが...
0433ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/07(水) 08:14:43.39ID:yKErh+sl
>>429
元々朴訥と言うか質素で飾り気がなく自然体の人かもしれませんね。
0434ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/07(水) 08:16:21.44ID:yKErh+sl
>>429×
>>430
0435ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/08(木) 08:11:44.33ID:LlZ7nszL
「それは愛ではない」

私は久しぶりに味わう失恋の痛手に苦しんでいた...
仕事が手につかない… あんな奴のことは早く忘れてしまおう...

元彼はいい意味でも悪い意味でも、自分の意見をあまりはっきり言わない性格だった。
俗に言う流されるタイプ。私の好きなように振り回せる都合のいい奴だった。

「稲葉さん! 稲葉さん!…」突然、私を呼ぶ主任の声が耳に入って来た!
「えっ、は、はい!」…私は間の抜けた返事をした…
「今日は締め日なんだから、シッカリしてください!! あと、この間の書類に不備が、
あるんだけど、ちょっと、いいかしら…?!」

私は慌てて、席を立ち上がり、主任の所まで向かおうとした。
その拍子に机の上に積み上がった書類が雪崩のように机の下に崩れ落ちて行った!
その後も、細かな失敗を繰り返した。だんだんと職場に行くのが億劫になっていった。
結局、そんなことで私は仕事を辞めてしまった...

「まゆみ! いつまで眠っているの…?!」
私の部屋のドアの向こう側から母の元気な声が聞こえて来た。
「今、起きるから!」負けじと私も大きな声で言い返した。

「全く、しょうがない子ね… 大学出てニートなんて恥ずかしくないの…?!」
母のデリカシーのない言葉に私は怒りすら覚えた。
「うるさいわね!」と思わず怒鳴ってしまった!

「ご飯できているから、冷めないうちに食べるのよ…」
それを言ったきり、母の気配はなくなっていた。
きっとリビングにでも行ったのだろう...

私は昨晩、夜遅くまで夜空の満天の星を時間が経つのを忘れて眺めていた...
ひと時の人の心に倒れこみたくなる… 何もかも行く先を誰かに委ねたくなる…
でもそれは愛ではない それは甘えだと思う… 今はそれでもいい...

そんな感じで、あれこれ考えて寝るのが遅くなってしまったのだった...。
0436ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/09(金) 07:57:51.20ID:E39vVtWR
「りばいばる」

小さな路地を歩いていた。路地に連なる家々の灯りは疎らで、
夜も更けて来たことを感じさせる。ある家では笑い声が…
ある家では犬の鳴き声が聴こえて来る。

そんな人の生活をよそ目に一人路地を歩き続けていた。
目当ての店まで、いつもの道を一人歩き続けている。数分歩き続けると、
赤提灯と店の暖簾が見えた。魚の匂いが徐々に濃くなり、まるで誘われるかのように足を速めた。

店に集まる人の声が耳に届く… 片手で紺の暖簾をかき分けて、
いつものように、「大将、やってる…?!」

「当然だろ! おめぇさんには赤い提灯が見えねぇのかい!!」と、
豪快に店の大将が「ガハハ…」と笑う。
「じゃあ、いつもの頼むよ!」いつものと言うと、俺の場合はスルメと熱燗になる。

禿頭にねじり鉢巻き、タンクトップにジーンズ姿の近くの卸売市場の常連の酔いどれオヤジが、
カウンター席でもう既に出来上がっていた。

俺はテーブル席で出された枝豆を一つつまみ、いつものようにタオルで顔を拭く…
この瞬間が疲れがふっと軽くなる最高の瞬間だ! まもなくスルメと熱燗が目の前に出される。
「あいよ! いつもの…」と大将が笑顔で差し出す! …昔懐かしい歌が店の有線から流れていた…

「この歌、又、流行っているんだってよ! リバイバルヒットって言うのかね… もうかれこれ
20年も前のヒット曲だぜ !! わからんもんだね…」と酔いどれオヤジが大将に話しかけている。
確かに、今流れている歌は20年も前のヒット曲だった... リバイバルヒットして、
ヒットチャートを賑わしていたのだった.........

――― 懐かしい… まだ若かったあの頃の記憶が蘇って来る......
あの頃は良かったなんて管を巻くつもりは毛頭ないが......
...でも、あの頃は本当に良かった.........

そんな風に昔を懐かしがり物思いにふけってカウンター席に目をやると、
カウンター席の端に見慣れない若い女性が座っていた。

酔いどれオヤジもその子に気づいたのか、その子の所へ行き、
「見慣れない顔だね…」と声を掛けている。

「ここは初めてなの…」とその子が言うと、「そうかそうか、ま、ゆっくりしていきな…
ほう、それにしても日本酒のロックとは、お嬢ちゃん、なかなか通だね!」と酔いどれオヤジが言っていた。
0437ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/09(金) 19:32:52.13ID:E39vVtWR
夏場は日本酒にロックはおすすめですね! 氷を入れたグラスに日本酒近頃、
流行っているみたいですね!
0438ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/10(土) 07:23:10.14ID:CsgAA06M
「パラダイス・カフェ」

...あの頃の僕らは若かった.........
一生懸命働いて貯めた資金を元手に、「ロサンゼルスも行きたいけど、ラスベガスも行きたい!」
「一度でいいから、アメリカのだだっぴろ〜い道を走ってみたい!」と相棒が言うので、
僕らは、ここアメリカのロサンゼルス空港に来ていた......

せっかくアメリカに来たんだから、ラスベガスまで「アメ車で行こうぜ!」と相棒が言う。
昔からアメリカへ行くことと、アメ車でアメリカ横断の旅をするのが夢だったと言う相棒。

ここロサンゼルス空港から移動するために空港近くでアメ車をレンタカーした。
相棒は本当はクライスラーなどの高級車をレンタルしたかったようだが、
なんせ、直前のレンタルでは希望車は残ってはおらず、フルサイズのアメ車を考え、
ハマーH3にした。ラスベガスまでの片道は約5時間程度と言う。

AVISレンタカーエリアの出口ゲートで国際免許証と契約書を係員に見せ、いざ出発!
カーナビの指示通り5分くらいで高速に… 土曜日なので少々混んでいる感じ…
ロスの高速を乗り継ぎ、最初の目標高速15号線、分岐点右へ...
15号を北へ向かう… 徐々に景色が変わって来る… ちょうど午後4時半くらいだった...

混んだり、空いたりを繰り返していた… そしてしばらく走って… 
ロサンゼルス郊外の山を越える頃には、どんどん建物が無くなり、だんだんと
アメリカらしい感じの砂漠地帯へと... 景色が砂漠地帯へと変わって来る…

平らな砂漠が広がる... 暫くすると岩山が… それを越えるとまた砂漠が続く...
「結構な距離を走ったのに、ほとんど、広い視界の景色が変わらないなぁ〜」
「どこまでも同じ景色が続く… 流石は、広大なるアメリカ大陸だ!...」
景色を眺めながら、運転する相棒と談笑し、燥ぎながら、そんな砂漠の道をひたすら走っていた...

2時間くらい走ったところで、高速脇に見えて来たタンガーアウトレットへ…
トイレ休憩。カルバンクラインの横の通路にあるトイレを借りた一休み...

土曜の夕方だけど結構空いている。暫く休憩後、運転を交代し再び高速15号に戻り、北ラスベガス方面へ走行…
途中、いくつかの分岐点がある。相棒は調子に乗って、相変わらずふざけて騒いでいるが、
俺はひたすら運転に集中し15号を北へ向かう…

夜7時過ぎになると、段々と暗くなってきた。そんな夜の砂漠地帯をひたすらに走る...
そしてそんな砂漠に突然現れる巨大イルミネーションの街「ラスベガス」に着いた。
時刻は夜9時だった...

給油は中間地点のバーストゥという町で、半分くらいになったガソリンタンクを満タンにした。
日本で長距離を走ると疲れる。アメリカのロサンゼルスからラスベガス間はほぼ一直線で、
疲れはなかった。かなり気持ちよく走れた...

色とりどりのネオンが溢れていた。深夜まで人の流れが絶えず賑わうと言う
そんな眠らない街・ラスベガスの中心地であるストリップ沿い。ラスベガスはそんな
「ストリップ」と呼ばれる大通り沿いにカジノ・ホテルが建てられている。

そんなラスベガス・ストリップ沿いに面したホテル・ベラッジオ・ラスベガスを背に
突然始まった!!!   … … …『ベラージオの噴水ショー』… … … 
その迫力ある音楽に合わせて踊る圧巻の噴水ショーに僕らは興奮し圧倒されていた…

その近くのスタバで購入したカップサイズがデカいスタバ・タンブラーに入った
キャラメル・フラペチーノを片手に砂漠の中の豪華絢爛な米最大の夜の
不夜城『ラスベガス』に高揚し、ただ圧倒され眺めていた...

―――――― その派手な演出と、煌びやかなネオンサインの砂漠の中の楽園に僕らは圧倒され甘い夢を見ていた ー
 
  ―――――――――その証拠に「カジノでテーブル・ゲームしようぜ!」と
       相棒は興奮冷めやらぬ状態で感情が高ぶり、そんな華やかさにとっくに一人で舞い上がっていた...
0439ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/11(日) 07:24:25.61ID:DKrhytkb
「月迎え」

――――――ー――「私は、月に帰らなければなりません...どうか、いつまでも、
お元気で… さようなら...」かぐや姫はそう言うと月の使いと共に天に昇っていきました...

これは日本昔話の絵本『かぐや姫』の月に帰る時の最後の言葉...
まだ幼い娘に、読み聞かせているうちに娘は寝てしまった。

薄いカーテンを透かして月の明かりが射し込んでいる...
―――縁側に出て夜空を見上げる。頭上に浮かぶ大きな月。

丁度、雲が晴れて月が顔を出していた… 2年連続で今年も満月だった...
中秋の名月とはよく言ったものだ。月を眺めながら俺は酒をすする…
思い出を独り噛みしめ今夜は月見酒...

「月見酒、女房がいた頃と違って、ひとりで飲むとまた違った味わいがある...」
俺は誰ともなくそう呟くと、小さなお猪口を満たした透明な液体をグッと飲み干した。

視界の先には、 …見事な満月が映る… 月見酒は日本酒に限る。
このご時世には、珍しい小さな平屋建ての我が家。女房に先立たれて幼い娘と二人暮らしに
なってから、管理が面倒だからと、既に都会に所帯を持つ兄に、半ば強引に押し付けられた
両親の遺産に引っ越して来たばかり... 仕事も見つかり、幼い娘と二人何とか生きている。

なかなかどうして、俺は幼い頃からの思い出が詰まったこの家を気に入っている。
それほどでもないと思っていたものが、それどころか思っていた以上に良い...

元々都会は好きではない。何よりこの縁側がいい... 大して広くもない縁側だが…
月明かりに照らされた庭に目をやれば、そこそこ大きな桜の木が今は寂しいその枝を
満月を背にして広げている...... その足元では背の高いススキが月の光を
受けて淡く控えめに輝いていた。…聴こえてくるのは虫の声ばかり… … …
――――――秋の夜を感じさせる。

俺は暫く目を閉じて、 ……儚い命の鳴く声に耳を傾けた…… 
脇に置かれた徳利に手を伸ばし、もう一度、空になったお猪口を満たした...
 「美味い!」――――――

近くのスーパーで買って来た月見団子をつまみ、口へと運ぶ…
ただ月を見上げて、こうして月を見ながら酒を飲むのは随分と久し振りの事だった...

月明かりはこんなにも、まぶしいものだったろうかと、ふと俺は思った。
辺りは相変わらず、鈴虫の鳴き声がこだまのように響いている…

「こうして、縁側に出て、月を眺めながら、鈴虫の鳴く声に耳を傾け…
月見団子をつまみ、日本酒を飲む… 改めて日本人で良かったと思う…」

ーーーーーーーーー 微風に吹かれてススキが微かに揺れ動いた...
0440ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/12(月) 07:28:29.02ID:3VIZbGQ6
「月の赤ん坊」

アパートの窓辺に立ち窓の外を見ると、
ひとりの青年が、向かいのアパートの一室の窓からぼんやりと月を眺めている...
窓辺から覗く月は今にも折れそうな三日月だった... …辺りには鈴虫の鳴き声が響いていた…

今日も信じられないくらいの暑さで、衣替えなんて出来そうにないとへこんでいたけど、
今夜、気付けば結構涼しかった。急に夏が姿を隠したみたいな感じがして、
窓を開けたら、辺りはなんとなく秋の匂いがする...
秋が少しだけ顔を覗かせていた...

そんな具合で、夜は昼の暑さを殺し、涼しさを提供してくれていた...
シャツしか着ていない為か、少しばかり肌寒いくらいだった。
とはいっても、少し寒いくらいが丁度良い。

肌寒い風が、どことなく寂しさと愁いを運んでくる...
月の明かりに、誘われて外の散歩に出かけてみたくなった。月明かりに照らされスラっと伸びる自分の影 ―――――――――
細道に月影を受けて横たえる。自宅に背を向け、細い平坦な道を宛てもなく歩く.........

― 群青色の夜空に中秋の名月。ススキが風に吹かれてザワザワと波打ち揺れている ―

ススキの中心には澄んだ池があり、満月を映し出す水面は静かに揺らいでいる...
月はまるで天空に丸い金箔を張り付けたように… 闇の中で輝いていた…

水面には、はっきりと月が映っていて、 " チャポ! " ...という水音を立てた…
手を伸ばして、水をすくってみると、手の中の小さな水たまりにも月が映る…

まさに月の赤ん坊を手に入れたような気分だった...
次の瞬間、手の中の月の赤ん坊は、 " ふっ、" と消えた! 
おや?と思って見上げると、月に薄い雲がかかっていた...

月の光に照らされた雲が風に乗って左から右へと流れている...
雲の切れ間にチラチラと月が見え隠れする… 雲が切れた…

再び水面に映った月を見る。水面に映った月は小さな波に揺らいでいる…
夜と闇と静寂の中で揺れ動く月の光は、 …まるで生き物のようだった…

小さい頃から、大人のやり口、ずるい部分を見て来たから、大人になんかなりたくないと、
思ってきたけど... そんな私が、いつの間にか大人のやり口を知らぬ間に覚え
あれほどずるいと嫌っていた大人に変わっていた...... 

そう言えば、「おねぇちゃん! ぼくはおとなになんかなりたくない!」と言っていた純真無垢だった幼い弟も、
あれほど嫌っていた大人になっていた。あんなに幼い頃、独りになるのも、夜のトイレに行くのも怖がっていたのに…
今では何も怖いものなどない立派な大人になってる。大人になることが本当に幸せなのだろうかと思う時がある。

今でも時々、大人になった自分が嫌になり… 子供に戻りたいと思う時がある―――
子供と大人の違いとは何だろう... 大人になるって何だろうと思う...

―――子供とは未来の自分を夢見る者…  大人とは過去の自分を顧る者... 
...そして大人とはそれを省みる者なのかもしれない.........
0441ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/12(月) 07:53:09.44ID:3VIZbGQ6
精神的に深い意味で言うと
大人になりたいと思うのが子供。子供に戻りたいと思うのが大人なのかもしれませんね。
ある意味ね。
0442ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/12(月) 08:10:25.67ID:3VIZbGQ6
子供に戻りたいと思った時点で、充分に、あなたは立派な大人になっているということです。
0443ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/12(月) 09:42:12.35ID:3VIZbGQ6
>>440
上から15行目
満月×
月〇
0444ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/13(火) 07:54:24.74ID:Q6GDJ6wQ
「月の夜に」

夕方に家を抜け出した... 散歩がてらに、いつもの海岸通りを歩く…
深夜でもないのに嘘みたいな静寂が広がっている... 時たま、思い出したように…
長距離トラックのボゥワっとしたテールランプが通る…  
深夜のような静けさががあった...

灯りが付いている家は、所々まだ、まばらで無機質な街灯の光がやけに明るく感じる…
夜空を見上げると、雲の切れ間から見事な満月が顔を覗かせている......

夜風がひんやりと冷たい... どのくらい歩いたのだろうか・・・ 
ウォーターフロントの夜景。水辺の公園。知る人ぞ知る穴場的夜景スポット。
ロケーションを最大限に生かした水辺の街に来ていた...

テラスの一角にある小さな遊歩道。水面に映し出される対岸の光と
タワーマンションの光が優しく目に映る。 …水面に映る月輪の揺らぎ…

水面が大きいほど、反射し、映し出す世界が広がる。 …反転された美しい世界…
水門付近で停泊している屋台船。 …水面に映る月輪の微かな波紋… 
 ...月輪の揺らぎ... ...水面に映る月は妖しく揺れ動く...

海に近い街ならではの沢山の橋や水門、運河沿いの開放的レストラン、
ショップ、アートギャラリー ・・・などの店が並ぶ…
ボードウォーク沿いに歩き、近くのカフェに入る。
― 店内では心揺さぶられるナンバーが流れていた ―――――――――

あの人との思い出が浮かんでは消えていく・・・
息遣いや肌のぬくもりだけが... あの、私の部屋の片隅に残っている...
眠れない夜… 言えばよかったことが 月の中に揺れている...

言わなければ良かったことが 水面の月に揺れている...
―――何故か、街の夜に騙されて 涙を抱きしめる。
      「バカヤロー―――――――――!」と心の中で叫んでいた―――
  
0445ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/13(火) 08:03:42.82ID:Q6GDJ6wQ
>>444
末尾
―――街の夜に騙されて 涙を抱きしめる。
何故か、「バカヤロ―――――――――!」と心の中で叫んでいた―――
0446ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/14(水) 08:10:46.98ID:PtPUNfFt
「タグ・ボート」前編

先日、ここの港に自衛艦が来ていた時、出航の手伝いをしていたタグボート。
操縦が神業的で、一体、どんな人が操縦しているのか気になっていた...
これを熟練の技と言うんだろうと感心して見ていた。

俺はよく時間があると、ここの港によく来る。以前、あまり大きくない石油タンカーが、
離岸する時、押して向きを変えて出航した時、岸壁に何か忘れたみたいで、それを岸壁の
作業員が見つけ、手を振って知らせていたが、船は進んでいるので戻れない状況だった...

そんな時だった。岸壁へ全速力で急ぐタグボート。岸壁に近づく手前で逆噴射!
いゃあ、船だからなんて言うんだろうか、... ともかくそれでピタッと
船の先端が岸壁に… で、忘れ物受け取って、ぐるりと方向を変えてタンカーへ
まっしぐら… 今度は、進んでいるタンカーにピタリと横付け!

それで忘れ物を届ける... この一連の作業が素晴らしいくらい見事で...
この人達は再就職の心配はいらないんじゃないだろうかと、
全然関係ないことまで、考えたりしながら一連の作業を感心しながら見ていた。

こういう技を持って、この世界で生きている人たちが気になった。そこで、タグボートの船長に先日、
取材を兼ねてお話を伺った。タグボートは船舶や水上構造物を押したり、曳いたりする船の事をいい、
湾港で船舶が岸壁や桟橋に離着岸するのを補助したり、動力を持たない作業船を移動させたり、
河川、運河で艀などを動かすほか、水先人の乗下船補助なども行うと言う。

また、マストの天辺に消化銃を備え、海上火災の消火活動を行ったり、座礁船や
エンジントラブルを起こした船の救助を行うこともあると言う。

「一通り全ての業務を経験していますが、近年は離着岸の補助が中心で、毎日4〜5件の
作業をしています。今でも作業ごとに自分なりの出来不出来がある。水先人や同乗の
クルーと意思の疎通が仕事の出来を大きく左右します…」と言う。
0447ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/14(水) 08:43:47.40ID:PtPUNfFt
「タグ・ボート」後編

船長は常に視界や通信内容、クルーの作業状況などを確認したうえで、迅速かつ確かな
判断が求められるのだ。「港内の状況は刻々と変化します。他の船も沢山出入りしているし、
思わぬ事態に出遭う事もある。だからこそタグボートが存在する意味があるのです。

横浜や川崎などの港は、タグボートがなければ、大型船の出入りは不可能でしょう…」と
強い使命感を持ち日々仕事に勤しむ船長。その毎日は実にハードなのだ。

毎朝5時、6時には出航の準備を始める。本船の入出港の予定時刻に決まっているものの
前後することが多く、1回の作業にかかる時間が読めない。早朝から夜まで、身心とも
消耗する仕事が続くうえ、月に3〜4回の夜間勤務もある。「睡眠時間は普通の人の半分位
ですね。だから、休日はしっかりと身体を休めるようにしています。体調管理も仕事の

うちです…」と言う。長年に渡りタグボートに従事してきた者だけに備わった時間軸。
そしてベテラン船長としての自負も沁み付いている。「船長はクルーにとって尊敬と
畏怖の対象。実際、厳しく叱ることもありますが、それはあくまでも指導です。

この仕事は経験でしか学べない。でも、部下を萎縮させてしまっては、一つの目的に
全員が心を合わせて取り組むと言う仕事の勘どころが損なわれる。そうならないよう
常日頃から心がけています…」と言う。叩き上げでここまで歩んできた彼は、若き日の

実感を思い起こしながら、部下に中身の濃い経験を積ませるよう努める。まさに職人の
名に相応しい勘と技を教える為に地道に育成に日々努めている...

そんな話を先日伺ったばかりだったタグボートの仕事ぶりを見ていた...
「ママ―! みて、ちいさいおふねが、おおきなおふねをひっぱってるよ―――!」
「あら、良く気付いたわね! ママね、大きいお船の方ばかり見て、

全く気付かなかったわ。小さいけど、とっても力持ちなのね!…」
「うん! ちっちゃいのに、すごいんだよ!! ママ―!」
小さい男の子が頬を紅潮させて燥いでいた!

― 大いなる人々の水平線は 大いなる船の上 甲板の高さ
   大いなる人々は その足よりも低い所にあるものを 見ることはない ―
         〜 タグボートは今日も上機嫌 〜
0448ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/15(木) 08:02:28.51ID:VJinIPcJ
「もういちど雨が」

両親を亡くして、天涯孤独の身となってから、旅先でアルバイトで働きながら
旅をしている。旅先で働いてみて、初めて気づくことも多い…
今ではこの地が気に入り長く定住していた...

この街で知らない人などいない程、有名な牛丼チェーン店でバイト生活している。
このバイトを始めて、今日でちょうど半年になる。ここで食べる牛丼が大好きで
僕は毎日、朝と夕方の二回、この店を訪れていた...

だから店長も、僕の顔を覚えていてくれていたらしく、僕がバイト志願者として
面接に訪れた時、受け取った履歴書なんか見もしなかった。

「あ、どうも。こりゃー驚いたなぁー」なんて一言から始まって、
簡単な話をした後で、直ぐに採用と言う返事をもらった。

今日も天気が良くない。雨が降ったりやんだり… 此処の所、ずっと、ぐずついた天気だった。
「いらっしゃいませー!」と元気よく声をかけた僕は、直ぐにお茶の入った湯呑を手に取った。

透き通ったグリーンのお茶からは湯気が立つ… 湯呑は触っても熱くないほど丁度いい温まり具合。
お客さんに提供するにはベストな状態のお茶だ。いつも来店する常連のおっちゃんだった。
おっちゃんは穴だらけの手袋と汚れた作業着で、肉体労働だと一目でわかる。

いつも頼む一番安い牛丼の並みだけを頼むおっちゃん。
おっちゃんは、いつも、その牛丼をガツガツ一気に流し込むと豪快に、
「ごっそさん!」と言ってお代の400円を置いていく。

いつものように並みを頼んだおっちゃんに、今日は奮発して大盛なみのご飯を
盛って出した。おっちゃんは、いつものようにガツガツ平らげ、「ごっそさん!」と
言って大盛の料金を置いて出て行った。 「ありがとうございました!」
「もういちど雨が降りだしたみたいだね…」と言うお客さんの会話を耳にする。

―――――― 周りのお客さんのことを考えると、僕は余計なことをしたと思った。
0449ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/16(金) 07:25:42.93ID:Y1dFPSNG
「うそつきが好きよ」

…ガヤガヤ騒がしい居酒屋店内…
久し振りに俺は一人で飲みに来ていた。

店員たちはビールジョッキを両手に持てるだけ持って、
テーブルや座敷席を行き交っている。

「ちょっと、ショックなこと言うけどさ、あんた! どんだけ努力しても、
あんたの悪口を言う人って、必ずいるものよ! それを理解しないと、
悪口言われたら、自分が悪いと思って、悪口言う人の意見ばかり気にしちゃうわよ。
それってさ、逆だと思わない?…」

「ねぇ、聞いてよ… 私、嫌いな奴を好きになっちゃった! 何故…?…」
「嫌いは、好きに転じやすいのよ… いつの間にか、ファックューがファックミーね…」

「何で男って! 浮気するの…?!…」
「仕方がないの・・・ なんせ、ドラゴンボールをぶら下げているから摩訶不思議なの…」

「良い男はね、自分で育てるの…」「そうなの…?!…」「そうよ!」

「女は化粧代がかかるから、食事くらいおごられて当然よね!」
「私たちオカマだって化粧代がかかるけど、食事は全部おごってやるわ。
しかも、相手は完全にノンケ…」と、隣の席のオカマと若い女のトークが聞こえてくる。
そんなトークを聞いているだけで笑いがこみあげてきて面白い…

「ねぇ、いいオトコ、どこかに落ちていないかしら…?
    ちよっと、そこのお兄さん! ねぇ、お兄さんたら…
       あらっ! こちらのお兄さんたら、イケメンじゃないの〜」
           ひとりで騒いでいる騒がしい女がいた。

深酒で酔い潰れて、酒癖が悪くなっているのか、酔って、誰とはなしに、声を掛けたり、
絡んだり、もたれ掛かったりしている若い女...

顔を見ると、 …笑い上戸になって顔が火照っている…
隣の禿げ頭のオヤジのわずかに残る毛をつまみ上げいたずらぽく振舞っていた。
0450ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/16(金) 08:50:08.57ID:Y1dFPSNG
>>449
>>449
13行目「いい男はね、自分で育てるの…」に訂正
0451ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/16(金) 14:26:31.48ID:Y1dFPSNG
チャナとスパチョークのコンビネーションが見たい!
0452ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/16(金) 15:34:45.86ID:Y1dFPSNG
>>451
別のスレッドに書くつもりが誤って
誤爆しました(笑)
0453ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/17(土) 07:27:41.31ID:VsACeNTL
「アザミ譲のララバイ」

この間、懐かしい友人と麗子の店で飲んで以来、随分とご無沙汰していた麗子の店。
一ヶ月ぶりに麗子の顔が見たくて、麗子が女将のお店。小料理屋に足を運ぶ…
立ち寄って見ると、どうしたものか、廃業になっていた......

そう言えば... あの日、麗子との再会は偶然だった......
――――――――― 「あらっ、由紀夫ちゃん!? 由紀夫ちゃんだよね!
びっくりした! いゃあ、誰かと思ったら、 お久しぶり…
こんなところで会うとは思わなかったわ…」

あの時の俺は日々の仕事に疲れ切っていた。そんな疲れた顔をして地下鉄のベンチに座っていた...
その時、偶然、出会ったのがあの麗子だった... 「あたし、小さなお店やっているの… 
暇だったら、是非、寄ってね…」と名刺を渡された...

そう言われても、仕事の都合上、会議が多すぎて残業時間がかさみ、
なかなか麗子の店に行く機会を失っていた... そんな時だった...
スマホに着信が入った!「はい、どちら様でしょうか…?!」

「由紀夫ちゃん! 私よ… 麗子」「あ、麗子か… なんか、随分にぎやかだね…」
「今からおいでよ!昔の仲間、全員いるから… みんな、あんたに会いたいって! 
おいでよ!早く… 待っているから…」と麗子からの誘いの電話だった...

行かないわけには、いかないだろうと苦笑いしながらも... いつもより早めに仕事を切り上げて、
この前、地下鉄のベンチで麗子と出会った時、渡されていた名刺の住所を頼りに、繁華街を探しながら
歩いていると、細い路地を入った奥まった一角にある小さな小料理屋が見えた。

路地を行き交う人影もまばらなこの一帯には、こじんまりとした酒場が寄り添うように軒を並べていた...
近くを通る酔ったお客の交わす賑やかな会話が、時折、店の前を通り過ぎていくそんな中…

俺は、夜風に小さく揺れる暖簾をくぐった。「いらっしゃい! あら、由紀夫ちゃん!! みんな! 
来たよ! ほら、由紀夫ちゃんだよ!!」と和服姿の袖を縛った女将の麗子が嬉しそうに燥ぐ…
店の中には、懐かしい友人達が飲みに来ていた。   ... ... ...

「俺達も、随分と変わったけど、お前、カッコよくなったな…」と学が言った。
「バカヤロー! あの頃は、こういうのは、カッコわりぃ… って、言ってたじゃないか… 
ワハハハハ…」と頭頂部が、随分と寂しくなった町田が言う。お調子者の原田が、
「とにかく今夜は、ぱぁ〜っと行こうぜ…! ワハハハハ…」 ―――――――――

...楽しい時間も、あっという間に終わった.........
麗子と二人きりになった。「みんな、早々と、ご退場… 家庭持っているんだもん。
しょうがないよね… ごめんね、由紀夫ちゃん。呼び出したりして...」―――
 ... ... ... ... ... ... ... ... ...  

――― 今思えば、あの時が、店をたたむ決心をした日だったということか...
 あの日、昔の友人たちを集めて、俺を誘ったのも... そういうことだったのか...
   
   ―――閉められたシャッターに貼られた
            閉店のお知らせの日付を見て知った―――――――――
0454ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/18(日) 07:34:21.98ID:Ty5+IY/t
「バクです」

うちには4歳になる息子と2歳の娘と3か月の次男がいる。
息子はすでに反抗期で、何かと暴れて、部屋を散らかす…
そんな4歳の長男の悪行三昧を見てまねようとする2歳の娘。

次男を妊娠中の時に、嫁がトイレで股から大量出血し、切迫早産で
即入院することになった...

大量出血と救急車に運ばれる場面を目撃してしまった息子!
その晩、とりあえず家に帰り、子供達を寝かせようと電気を消したら
息子が、「ママと、もうずっと会えないの? お星さまになったの?」と

今にも泣きそうな声で言った。きっとあの衝撃的シーンを目撃してしまい
幼いながらにビックリしたのだろう...

「ママは赤ちゃんを産む為に、病院にお泊りなんだよ」と言い聞かせた。
だが、その後、病院で嫁はそのまま新たな命と引き換えに他界した...

息子に嫁の死の説明に困ったが、察している様子でもあった。
あからさまに嫁の死後、あんなにやんちゃだった息子の性格が変わった...
いいお兄ちゃんになった。

部屋の片づけもするし、娘、次男の面倒を見る。お利口さんな長男になった。
息子よ! 色々ありがとう。父さんは嬉しいよ! 無理していないか?!
まだ4歳なんだから堂々と泣いていいんだよ! 父ちゃんはわかっているぞ!

最近は毎日、「ママー ジュース取って!」「ママー 手をつないで!」
「ママー ママー」と泣きながら寝言、言っているから父ちゃんは心配してるんだぞ!

嫁よ、お前が産んだ子供たちは母親が居なくて毎日、辛い思いしながらも頑張って生きてる。
たまに、子供たちの夢の中に来てやってくれ! そして抱きしめて褒めてやってくれ! 
0455ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/18(日) 07:38:29.03ID:Ty5+IY/t
>>454
冒頭部分の訂正
「うちには4歳になる息子と2歳の娘。それに妊娠中の嫁がいる。」
0456ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/18(日) 07:42:39.33ID:Ty5+IY/t
>>454
4行目「妊娠中の嫁がトイレで股から大量出血し、切迫早産で」に訂正
0457ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/19(月) 07:22:13.87ID:4oBXReua
「雨が空を捨てる日は」

ポッリ... ポッリ... 突然の雨が降り出した......
...外は冷たそうな雨が激しく降って来た.........
近頃、よく通うカフェでコーヒーを口にしながら、あたしはザーザーと降りしきる雨を眺めていた。
―――あの日のことを思い出す... 

いつの間にか、気持ちが離れ...自然消滅したあいつ...
...あいつのことは、本当に好きだった......... 
...この時期の冷たい雨はあたしの心に深く染みる.........

...忘れた昔が 戸を叩く.........
あの日、あいつと待ち合わせをしていた。あいつとの待ち合わせの時間はとっくに過ぎていた...
そして帰ろうと思った時、あいつはやって来た。

「遅くなって… ごめん! 待たせたね…」
「ううん、大丈夫…」
「いゃあ、それにしてもすごい雨だね…」
「ほんとね…」

あいつは駐車場から、土砂降りの雨の中、雨をよけながら走って店に入って来た。
ワイシャツはびしょ濡れだった... ここのカフェは駐車場からは少し遠いのだ。

そんなあいつが話を切り出した。
「俺さ―――」
あいつは嬉しそうな顔で言った。
「彼女が出来たんだ!」

 ……カフェの窓を " 激しく叩く雨の音 " が、幾分、強くなった気がした………
 …頭の中が真っ白になる…
...今、なんて.........

「こないだの土曜日さあ―――」
あいつはそれからも色々と話したが... あたしは何も聞こえちゃいなかった...
何十分経ったのだろうか......... ようやくあいつの話が終わった。

それからも、あいつの話にしばらく付き合っていた......
あいつが話す会話のネタ、内容、話題は話半分に聞き、適当に相槌、頷き、うわの空に聞いていた......

(心の中で雨が止むのを待っていたのかもしれない...)
あれほど、激しく降っていた雨は、店を出る頃には既に上がっていた...

あいつがあたしの家まで送るという申し出を断って、あたしは帰り道を独りで歩いた...
どうして... 両思いだと勝手に思っていたのはあたしだけだった......
...思わず帰り道で涙が零れた......... 

雨は止んだけど、あたしの心に涙雨が降っていた...
空は風色 溜息模様 人待ち顔の 店じまい
雨が空を 見限って あたしの心に 降りしきる
0458ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/20(火) 08:22:21.35ID:+OfsheES
「霧に走る」

フロントガラスに打ち付ける雨… … …
単純な往復運動を繰り返すワイパー ―――
雨粒が車体をノックするような激しい雨が降る中、車は走り続ける…
    … … … … … … … … …

どのくらい走ったのだろうか...。 あんなに降っていた雨は、既にやんでいた。
  カチ、カチと鳴くウインカー −−− 点滅する深夜の赤信号 ーーー
対向車のいない車道。助手席の私。霧に煙る信号の点滅が青に変わった。
左折し、暫く直進――― 

街灯が立つ片側一車線。車は黒くそぼ濡れる車道を滑らかに加速していく―――
視界が悪くなってきた。丘を登る街道。道路の白い線も、ガードレールも、
どんどん霧に包まれて見えなくなっていく... 対向車さえすれ違う直前まで
軽なのか、トラックなのかさえ判然としない… 

お互いのライトの光が拡散するばかりで、目の前を照らすどころか、
自分の位置と大きさ、距離を知らせると言う役目まで放棄し、今やお互いを幻惑させようとさえしている。
「これほどとはね。 あと3時間くらい走ると帰れるのだけど... 少し休むか…」

道路脇に薄ぼんやりと灯りが浮かぶ… 彼はその灯りの方へウインカーをあげハンドルを切る…
道の横、砂利を敷き詰めた駐車場。色のさめたプラスチックのベンチが二つ。
そして霧の中で光を放つ… 自動販売機。

彼は車の中にいる私に缶コーヒーを笑顔で渡した後、手に持った缶コーヒーのプルタブを引きつつ、
湿ったベンチに腰を下ろした。辺りを照らすのは自動販売機と車のスモールランプ…

辺りの景色を横目に見ながら煙草を銜えで火を点ける… あたりの霧は少しづつ晴れてきていた...
彼は缶コーヒーを飲み干し、ベンチに挟まれたごみ箱に放り込むと再び車に乗り込みドアを閉め、
冗談やギャグで私を笑わした後、エンジン音を響かせ、ウインカーをあげた車はうっすらと
霧がかかる中を再び静かに走り出した―――――――――

 ―――どのくらい走ったのだろうか ―――――――――――――――  
 辺りを見廻す… 身に覚えのある建物…(あ――― この景色ーーー 
私の家の近くだ! 次のシグナル 右に折れたら 私の家。 寄っていってと
もう何度も 心の中では話しかけてる... けれども車は 走り続けているー

―――ああー 外はなんて 深い霧 車の中にまで いっそ こんな車 壊れてしまえばいいのにー――
       ―――「やっと目が覚めたみたいだね! もう直ぐで着くからね…」
0459ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/21(水) 08:11:00.61ID:zdLTAnkk
「まるで高速電車のようにあたしたちは擦れ違う」

人は日々の生活の中で、たくさんの感情を経験しながら生きている。
朝起きてから夜寝るまでの間に、誰かと話し、仕事をこなし、人と出会い、
趣味や娯楽を嗜む。その一瞬一瞬に、私たちは私たちが感じる
感情を感じ取っている...

感情を一切感じずに生きる人間はいない。
笑うことも、泣くことも、その場限りのあたしたちだけど
思うことも、喋ることも、その場限りのあたしたちだけど
怒ることも、歌うことも 大嫌いも 大好きも

私たちは一日の中で、とても多くの出来事を通して、
数えきれないほどの感情を嗅ぎ取っている。その一つ一つの感情に
いちいち反応していたら精神的に疲れ果ててしまうだろう...

人は身体を動かしたり止まったり、寒暖の差を感じ、
季節に合ったものを身に着けたり脱いだり、
何かに憧れたり、何かに共感したりしながら
日々生きている。

例えば、身体を動かす止まるなどの動作、停止の瞬間の動き一つでも個人差は生まれてくる。
その個人差が、スポーツでは身体能力の差になり、一瞬の動作の正確さが勝敗を分ける。

球技では野球のボールを当てる。キャッチするなどの単純な動作から、サッカーの高度な
リフティング技術の空中にあるボールを上手く扱える能力。一瞬でDFをかわしたり、
掻い潜りゴール枠内にシュートを決めるなどに必要な能力が空間認識能力。

そんな一連の動作の中で一瞬の判断、決断、決定能力の高さを
要求されるのがスポーツ選手。

そんな空間認識能力の高い人でなくても、私たちは日々の生活の中で、
一瞬一瞬に何かを感じ、嗅ぎ取って生きている。
―――何かを感じ取る能力、一つとっても、人って素晴らしい――――――
0460ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/21(水) 08:22:56.80ID:yXIMM1S6
スポーツ全般における一連の動作の中での位置や方向・姿勢・形状や大きさ・高さ・間隔などの
物体が3次元空間に占めている状態や関係を素早く一瞬で認識し正確に捉える能力が
空間認識能力と言える。これが高い人ほどスポーツでは有利と言える。
0461ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/21(水) 10:59:00.60ID:yXIMM1S6
>>460
ここで言う「姿勢」とは、目視で確認した対戦相手の姿勢。
フォーメーションなどの配置、陣形、形態も該当する。
0462ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/22(木) 07:54:08.20ID:Oe/hnj5U
「あのさよならにさよならを」

私が学生の頃、大好きな人がいました...。
好きで… 好きで...好きで...。 17歳から、22歳までの5年間。
彼の事だけを考えていました...。

でも、大学卒業後、上手く就職出来なかった彼。フリーターと言うより、
ほぼニートの様になってしまって、生活も自堕落になっていきました。

私はそれでも、彼の事が大好きで、好きで好きで仕方ありませんでした。
初めての恋、初めてのキス、初めての・・・ すべての初めてを彼に捧げました。
彼も私を愛してくれていたと思います。でも、付き合いが長くなるにつれて、
彼は私を当たり前の存在として、大切にしなくなりました。

私の親友にその話をすると、付き合うのを止められました。
「人に心配をかけるような恋なら、しない方がいいわ…」と言われました。
大好きだけど、愛しているけど、一緒に居ても、お互いの為にならない...

立ちすく私たちには あらすじもなく予告編もない
思いつかなくていい心配や疑いが 私たちを傷つける

色々悩んだ末、別れようとついに決心し、それで私は彼に、「さよなら…」を言いました。
涙が止まりませんでした... 

あれから十数年が経ちました。先日、駅で偶然にも彼と再会したんです。
運命かと思いました。「今どうしているの? あの時は・・・ など、
ぽつりぽつりと思い出を語り合いました。

彼が、「あの時は、僕が悪かった。愛していることは本当だから...」と
泣きそうになりながら語ってくれました。

  思い出さなくていい後悔や悲しみが 私たちを迷わせる

もう彼には、奥さんも、子供もいるそうです。もう、あの時の私たちには戻れない。
私の幼かった恋。一番綺麗だった頃の私をきっと全部捧げた人。思い出もすべて... 。
結ばれることのなかった恋。色々悩んだ末、決断したあの時の別れ、「さよなら」

約束を交わしましょう 今からの日々のため
ーーー あのさよならにさよならを送りましょう ―――――――――
  嘆いている代わりに...    何故なら、嘆いている時間などないから...
0463ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/22(木) 08:37:45.74ID:Oe/hnj5U
>>462
13行目「立ちすくむ私たちには」に訂正
下から11行目「」のセリフ
「今どうしているの? あの時は・・・」
0464ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/23(金) 07:47:05.94ID:BdcP1mlc
「やさしい女」

男でも女でも夜のお仕事をしている人の事を世間はどう思っているのだろう...

また世間では風俗営業をしている人はふしだらであるとか、
異性を扱うのが上手いと言われるけど、実際、働いている身になると、
自分を魅力的に見せる事だけで精一杯...

自分自身が商品なのだから… だから誰にでも優しくすると思われやすい...
こんな仕事をしているような女だから、誰とでも仲良くする女と思われやすい...
信じてもらえる柄でもないけど… 信じてもらえる柄でもないけど…
あたしにだって嫌いな奴は一杯いる。だけど誰にも嫌いだと言えない...

部屋着を脱いでから、脇の下に軽く香水を振り、ドレスに着替えてバックを持つ。
毎晩、銀座のクラブに出勤している。ホステスは何かと大変。お客様相手に気を遣う。
何かと神経が参るお仕事... この世界に足を踏み入れて、もう十年目になる。

多少の苦労は振り払って、食べていく為に始めたお仕事。
いつも自宅マンションの最寄りの駅から地下鉄に乗る。そしていつものように電車に
揺られながら銀座へと向かう… 昼間、きちんとお仕事している人が電車内で居眠り
してしまうことが私にも分かる気がする...

水商売と言うのは何かと偏見で見られがちである。(ああ、あの女は、そうなのか…)と。
だけど、ホステスほど、きちんとした夜の商売もないだろう...
高いお金を払って、酒を飲みに来たお客様をもてなす責任がある。

駅で地下鉄を降り、お店へと歩き出す。お店に入ると、
ママが、「おはよう。ナナちゃん!」と挨拶。
「おはようございます。ママ」

「支度をして、スタンバイしててちょうだい! すぐにお客様が来られるからね…」
「はい! わかりました…」と言い終えて、直ぐにロッカールームへと歩いていく…

中には既に同僚のホステスたちがいた。声を掛けてから、自分のロッカーを開け、
付いているミラーでメイクを直す… そしてもう一度、香水を振り直す… 念入りに…
それから店のメインフロアへ向かう。

恋愛にこじれて、女として自信を失った。けれども人として認めてもらいたい。
そう願っている女です...

ーーーーーーーーー ひとりぼっちになるのが怖くって、こんなに笑って生きてる ーーー
0465ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/24(土) 07:57:09.29ID:D+D1YSqj
「海と宝石」

...青く澄んだ高く広い空に秋の静かな雲が斜めに流れている......
空の天井が抜けたような早朝の秋の空... 水色に澄んだ秋の空が...
気が遠くなるほどに... 高く晴れ上がってがっていた...

よく眠れなかった昨夜。早朝の朝、私は近くの浜辺に来ていた。
遠くに見える白色の灯台... そこに映る朝の光が眩しい中、飄々と飛んでいる白いカモメ...

私はそんな夏の終わりから、秋にかけての季節外れの辺りには人影もなく
...誰一人いない静かな早朝の海......

海辺の岩場に腰掛けて、波の音が単調に反復を繰り返す、季節外れの海を眺めていた...
波の轟... 響き... 心にかぶさるような、そんな波の飛沫… 波の音...。

波は音を立てて砕け… そして勢いよく退いていく......
白く細かい飛沫が眩しく光っている...

最近は喧嘩ばかり… 多分、もう、愛想をつかされただろう... 。
冷たそうな女が 身について 彼を傷つけることだけが得意になった。

フラれたかな? 今度は... また苦笑い...
いつも待たされるのは私の方だったのに...。

愛しているという彼の言葉に、上手く答えられなかった... 。
大好きなのに、同じように愛しているとは、言えなかった...
そんな言葉を口にすれば、すべてが嘘になる気がした。
置き去りの約束だけが、ゆっくりと色を失っていく...

 …太陽の光に照らされて宝石のように輝く…
砂浜に打ち上げられた陶器なのか... ガラスの破片なのか...
そこに映る朝陽... 朝の光が眩しい まるで宝石のようだった...

だから 愛してくれますか 私の頬が 染まるまで…
だから 愛してくれますか 季節を染める風よりも 甘やかに...

…でも、もしもあなたが困るなら 海にでも 聴かせる話だけど......
0466ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/24(土) 08:11:01.30ID:D+D1YSqj
>>465
6行目「そんな夏の終わりから、秋にかけての季節外れの辺りには人影もない」に訂正
0467ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/24(土) 10:45:53.17ID:D+D1YSqj
>>465
下から5行目「砂浜に打ち上げられたガラスの破片なのか...」に訂正
0468ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/25(日) 07:37:45.91ID:eWUdp67/
「真夜中の動物園」

僕の名前はまさし。今年の誕生日で6歳になる。
僕は日曜日の今日、お父さんとお母さんと3歳になる妹で動物園に来ていた。
キリンさん、カバさんもいて、家族みんなで楽しく動物たちを見ていたんだ。

そしたらね… 僕の後ろから、視線を感じたんだ! 何か、とっても強い視線を感じたんだ!!
恐る恐る… 振り返ると、後ろには大きなシロクマさんが檻の中にいたんだ!
僕は恐る恐る... そのシロクマさんに近づいて、、、 …じっと目を合わせたら…?!

一瞬だった! ー 実に " 不思議なこと " が起こったんだ!!! ー
??? Σ(・□・;) " 次の瞬間 ! "  なんと、僕とシロクマさんが入れ替わってしまったんだ!!
「え、ええー ?! …どういうこと…???…」

お母さんが僕を呼んでいる! 正確には、 …人間の方の僕を呼んでいる…
僕は必死になって!! 「お母さん! 僕はこっちだよ!! ねぇ、お母さん!!!」
そう叫んでも、僕の声は、「ウウゥーーー ワァァーーー」とシロクマさんの鳴き声で
  …いくら叫んでもお母さんには届かない…  

...お母さんが連れて行ったのは僕の身体と入れ替わったシロクマさんの方だった......

僕とシロクマさんが入れ替わった後、僕は見世物になった。
沢山の子供たちが… 家族連れが… 僕の方を見ている。
僕を見て、手を叩いて僕に話しかける。

「シロクマさん! こっち向いて!」「あ、こっち向いたぁ〜 あ、こわい…」
「なんだか…?! 機嫌が悪いみたいだね…」「芸とかしないの…?!」
「お腹すいているのかな…?!」「今、シロクマさん、何考えているんだろうね…?!」

「僕、シロクマより、パンダが好き…」   …みんな勝手なこと言ってる…
シロクマになった僕は、話していることが理解できるからとても辛いよー

時間が経ち真夜中になった動物園。そんな真夜中の動物園の檻の中に居る他の動物たちの声…
叫び声が聞こえてくる… 人間はおろかで実に身勝手だと… 人間はみな同じだ!
一人一人が自分のことしか考えない… 身勝手な奴らだと… 

「ああぁぁぁー お母さん! 僕、おうちへ帰りたーい!! 家族にあいたいよー
おうちへ帰りたーーーい!!!  だ、だれか、ここを出してよー 助けて― 
ぼ、僕は人間だよ! 誰か、ここから出してぇーーー!」―――――――――

ー そこで " 突然、目が覚めた! " ー  あ、夢、夢だったんだ! ー
" あぁ、良かった! " と思ったと同時に、
――――「何故か不思議と動物園の動物たちの心の声を聞いた気がした!」と
  同時に、何故か不思議とその声は...
        この僕たち人間の心の声なのかもしれないと思った!
0469ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/26(月) 08:01:22.42ID:Hk0vPLB1
「誕生」

初めての出産でわからないことばかりの中で、出産を迎え不安でいっぱいでした。
赤ちゃんが生まれ産声を聞いた時、思わず、「凄い!」と感動した!

この世にひとりの人間として、生を受けた瞬間を目のあたりにした感動は言葉では語りつくせない!
こんなにも小さな身体をしているのに、自分のお腹から出て来たパワー 「私が生んだんだ!」
様々な思いがこみ上げて来て言葉にならない… 初めての妊娠、出産、産声を聞いた感動!

生まれて産声を上げた " 瞬間の声! " を聞いた時、それまでの苦労、苦痛、痛みはどこかへ吹っ飛んだ!
「元気に生まれて来てくれたことに感謝! 本当に生まれて来てくれてありがとう!」という
気持ちでいっぱいでした。

私は母になったんだと言う実感と、自分の母親に対する感謝の気持ちがこみ上げて来ました。
嬉しくて、嬉しくて、生まれて来てくれたことが本当に、嬉しくて… ありがとう…」

「あなたが、この世に生まれたのは あなたを必要としている人がいるから
                    そしてあなたを必要としている世界があるから…」

        赤ちゃんは、本当に神様からのプレゼントだと感じます

... ... ...
〇月○○日、今日は朝から体調がすぐれない。旦那を送り出した後、ソファで横になっていると、
息子が私の横に来て、「ママ、ママー おめめ、ぱっちりあけて!」と起こしてくれる。

目が覚めると、息子の大好きなバナナを、「ママ、ママ― おくちあけて!」と私の口に入れて来る。

        朝から寝てなんかいられない。この子の為に頑張らなきゃー
        
... ... ...
ある日、何気なく母の本棚を勝手に漁っていたら、可愛い表紙の日記帳を見つけた!
そこには僕がこの世に生まれて来た時から、その後の成長記録がいっぱい書かれてあった。
それに気づいた父さんが、「母さんの日記を勝手に読んじゃダメだぞ!
帰って来たら怒られるぞ… 君はな、生まれて来ただけで、価値がある存在なんだ…」
0470ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/27(火) 08:11:22.65ID:Lw9Fkgwe
「思い出だけではつらすぎる」

「今もあなたは私の心の中で生きている。この世のどこかで生きているのよね…」

その日は付き合って3年目の記念すべき夜だった...
しかし、仕事が長引いてしまって約束の時間に帰宅することが出来なかった。
せっかく彼が用意してくれたお手製の料理が冷めて台無しになってしまった...

いつも通りに軽く謝って事を済まそうとしたが、その日の彼はいつもの彼と違い、
私に対してきつく当たって来た! 私もちょうど気分もすぐれず、仕事のストレスも
あってか、そんな彼と口論になった。「もういい! こんな些細な事で、そこまで
怒ることないでしょ!! 貴方は自分の都合でしか物事を考えられないの!?」

そう言って腹が立ったから、そこら辺にあるものを彼に投げつけた!
私の怒りの言葉と態度に彼は黙った...  少しの間の後で、
少し言い過ぎたと思い、私はそのまま家を出た。

いつも通う小さなカフェで、1時間くらい時間をつぶした。
あの人も、ただ単に怒りに任せて私に怒鳴り散らした訳じゃない...
それだけ今日のこの日のことを大切に思っていたからかもしれないと思った。

そんな彼の気持ちを思うと、明らかに私の振る舞いは最低だった...
身勝手な自分の態度を改めて彼に謝ろうと思い自宅に向かって歩いた。

帰ってみると、彼は家にはいなかった。料理もスマホも机に置いたまま...
マメなあの人がスマホを忘れるなんて珍しいと思った。近くにいるのかと思い
私は家の近くを歩き回って探した... しかし、いくら探しても彼は見つからない。

公園や近くの空き地も見渡したが、彼の姿はどこにも見当たらない...
彼の実家やスマホを調べ、彼の友人宅などにも電話したが、来ていないと言う。

...帰宅してから、もう二時間も経っていた......
私は帰ってきたら頬をつねってやろうと考えていた。いくら何でも心配させ過ぎた。
悪ふざけが過ぎる。明日は休日だからこんなことをするんだろうと思っていた...

...それが彼との最後の夜だった.........
事故現場は自宅周辺の一方通行の十字路だった... 飛び出して来た車と衝突!
即死だった... ちょうど私が家を出て数分経過した時刻だった...
私の後を追って、家を飛び出し事故に遭ったのだった......... 
0471ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/28(水) 08:12:57.13ID:VyrTKYDL
「慟哭」

あたしは高3の女子高生。男とため口で話すため女扱いされない!
俗にいう男勝りな性格だ。それでいいと思っている...
常に男と対等でいたいからだ。

「よ、山田!」前髪がむさくるしい男の子の山田に挨拶する。
「おっ、中田!」「お前! 前髪、切った方がいいよ! その方が男前になるよ!」
「大きなお世話、お前なんかに言われたくない! いちいち、うるせぇー!」

学校では男友達とは、まあ、いつもこんな感じだ。女として見てもらっていない(笑)
あたしは今まで恋をしたことがない。仲のいい男子はいても、せいぜい友達止まり。
そんな男友達のひとりに格別仲のいい奴がいる。

学校帰りに、「翔太! 久々にマックしない?!」「マックか…」
「うん、ここから歩いて10分くらいのところにある店。あたしも最近、ほとんど行ってなかったから…」
「分かった! 何か、やっぱ、妙にお腹すいたなぁー 行こうぜ!」

あたしたちはハンバーガーに貪りつく。フライドポテトやチキンナゲットを
つまみながら翔太はアイスコーヒー、あたしはシェイクを飲みながら、
あいつが照れた顔して、「実は、俺に彼女が出来たんだ! これ俺の彼女…」と言って

スマホの画面をあたしに見せる。うちの学校の子じゃなかった...
どこの学校の子... どこで知り合ったのと、色々と聞きたいこと、言いたいことがあったけど、
何故か止めた。そんな気分ではなかったからだ。あまりにもショックが大きすぎたのだ。

「美咲…」「何…?!」「本当は、俺のこと、どう思っている?」とあいつがあたしの
顔色を窺って言って来た。「どうって、単なる友達だよ」「そうか、そうか、ワハハハ…
俺達みたいな関係って、友達以上、恋人未満って言うんだろうなぁ〜 ワハハハ… 
お前も早く、誰かいい人、探せよ。な、」とあいつが笑いながら言う…

そんな風に軽く言えるのは、あたしのことを単なる友達としてしか見ていないのか、
あたしは内心ではショックを隠せなかった。

あいつと別れたあと、自宅への帰り道。重い足取りで頬に当たる風が冷たかった...
家に帰りあたしは部屋に閉じこもり、久々に声を上げて泣いた。一晩中泣いた...

そして、ハッキリわかった。友達なんかじゃないという想い...
あいつに見せられたスマホの画像の中のあいつと仲睦まじい彼女に嫉妬したあたし…

――――――――― あいつに恋心を感じていた自分がいた ー
0472ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/29(木) 08:04:36.91ID:lIHUXr8m
「ミルク32」

いつもの帰り道なのに、今日はいつもより少し足が重い...
考えたくもない… 重い足取りで辿り着いた小さな公園。

そんな通りがかった公園のベンチで一休み。
私の心の中にぽっかりと穴が開いてしまった。

小さな女の子二人がブランコではしゃぎながら漕いでいる。
小さな男の子たちがアニメのヒーローごっこをしながら遊んでいた。

いつの間にか時間も忘れて、
...ぼんやりと夕方になるまで、その光景を眺めていた.........

小さな子供たちがいなくなった公園。そのブランコに私は腰を下ろし、
...夕暮れの街の風景をしばらく眺めていた......

そんな時だった... 急に雲行きが怪しくなり、ポッンと雨粒が落ちて来た。
かと思った途端、雨がバタバタと落ちて来た。みるみるうちに地面が街灯に照らされ雨に濡れていく...

急に雨も風も強くなってきたので、振り出す雨に打たれながら公園の近くのビル影へ走る…
雨は肌に容赦なく当たり、パシッパシッと音を立てて跳ね上がる…… やっと近くの
ビル影に入って雨宿り。暫く雲を見つめて、雨の小やみを待っていた...

幾分、小降りになったので、とりあえずこの先に見えるコンビニまで走った…
コンビニでビニール傘を購入。購入した傘を差し雨の中を歩いて、ふと思った...
いつも通るこの繁華街の通りには昔から馴染みの小さなBARがあった。
そういえば長らくここには来ていなかったことに気付く...

前の彼と別れた時も、よく通っていたレンガ造りの古い『BARミルク』
なぜか不思議とフラれたとき、ここに足が向く... 来たくなる(笑)

小雨が降る中、入り口付近に無造作に置いてある花壇の花が夜の街灯に照らされて揺れていた。
迷うことなく扉に手をかけていた。押すとカランカランとベルが音を立てて扉が開いた。
0473ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/30(金) 08:29:41.61ID:cODw+olF
「Clavis ー 鍵 ー」

家に着いたが、ポケットを探っても、 " 何故か、" 鍵がない!
近くに自動は販売機。喉が渇いた… でも、買えない… 
 …お金は家の中だった…  鍵はどこに忘れたのだろう...

キョロキョロと辺りを見回してみるが、鍵らしいものは落ちてはいない...
...遠くで子供たちがこちらを見て笑っている......
首からぶら下げているのは鍵だ! 鍵っ子と呼ばれる子供たちだった...
... ... ...   ― ここで、 " 目が覚めた! "  ―

両親は共働きで僕は鍵っ子だった。いつも学校が終わり、家に帰宅し、
いつも通り家事をして、洗濯物を取り込み畳んだ後、宿題をして
親が帰って来るのを待っていた。

その後、間もなく父は女を作り家を出て行った。それから母は女手一つで僕を育ててくれた。
「ただいま、遅くなってごめんね。今から、ご飯作るから、待っててね…」―――

... ... ...
そんな過去を回想している時、不意に " チャイムが鳴った! "
急いで玄関へ向かってドアを開ける。彼女だった。
彼女が遊びに来るようになってから、彼女も色々と問題を抱えていることが分かった。

彼女は数年前に母親と死別し、父親と二人で暮らしていることを打ち明けてくれた。
父親はアルコールに依存するようになり、精神的に不安定だということも知った。

お互い孤独な身の上だということがわかり、彼女とは何かの因縁があるように思えた。
僕らは、僕らだけはうまく支え合っていかなければならないと思った。
そういう縁や絆のようなものを感じずにはいられなかった。

その夜、僕の隣で眠っている彼女は眠りにつく前、私を離さないでと言った。
 …その言葉は僕の生きる意味になった…  彼女と背中合わせで横になって
時計を見ると真夜中の2時頃だった。…僕はまだ眠りに付けないでいた...

彼女と出会ってから半年もたたないうちに僕は生きる為の鍵を見つけた気がした。
いや、正直に言うと、これからどうなるかわからない...
 ...だからこそかもしれない...... 
    ――――――――生きる為の鍵を見つけたいな君と...君と... 君と
0474ジョン・スミス
垢版 |
2022/09/30(金) 08:33:10.74ID:cODw+olF
>>473
2行目「自動販売機。」に訂正
0475ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/01(土) 08:01:24.82ID:Tg7pfsJi
「3分後に捨ててもいい」

「タクシー 俺が停めましょうか?! この時間だと、なかなか捕まりませんよ…」
「いいの、歩いて帰れるところだから…」

店で親しくなった女性客を送った後、部屋へ帰ったのは、3時過ぎたった...
裸になり、バスルームに飛び込む… 湯舟の中でシャワーを浴びる…
いつもはシャワーで済ます。よほど身体が冷えた時に、浴槽に湯を満たすくらいだ。

湯気でバスルームの中が曇り始めたる。ヒリヒリと渇いた喉が快く湿りを帯びてくる…
湯を浴びている時間は名も考えない... 湯に打たれる肌が神経を拡散させていく...

気づくと、30分もシャワーの中に立っていた。バスローブを羽織り、寝室に向かう。
すぐには眠れなかった。昔は、人並みに朝起き、夜寝るという生活をしていた。
明け方まで起きているようになったのは、この仕事(水商売)を始めてからだった。

 …静けさが肌を突き刺してくる… そんな時間が、いつの間にか好きになった。
何を考えているわけでもない。缶ビールを開けて飲み干し、一服すると、
…ベットに入り眠りについた.........

... ... ...
...俺は市街地のはずれにあるホテルの玄関の傍に車を停めた......
約束の時間に女が出て来た。俺は助手席のドアを開けた。「明日も雨かしら...」と女が言う。
俺は片手でハンドルを握りながら銜え煙草に火を点けながら「この時期の雨は嫌だね...」

この女がうちの店で働き始めたころ店のママに尋ねたことがあった。
『あの娘(子)はね、いい娘よ。ひとりできちんと生きていこうとしてんだから、どんな
事情かは知らないけど、あたしは応援しているよ…』ママからそんな話を聞いていた...
 
「どんなものでも過ぎ去れば幻(まぼろし)ね...」と女が走る車の外の景色を
見ながら突然、ボソッと言い出した... 「あぁ、確かに...」と俺はハンドルを握りながら頷く… 

「こんなビルの隙間にも、白いカモメが飛んでいる…」
「多分、ウミネコじゃないですかね。海辺で繁殖するウミネコがここ数年、都心のビル街で増えているらしいです。
約10年前に台東区のビルの屋上で営巣が確認されて以降、周辺の墨田区や江東区、中央区にまで広がっているみたいです。

俺も日本橋近辺を走行していた時、「ミャー、ミャーー」という鳴き声でウミネコが滑空する姿を目撃しています。
最近、緑化されたビルの屋上が多いですから、ウミネコのたまり場になっているみたいですね…」

「私、ここに来る前、ススキノで働いていたの、海のない札幌のススキノや閑静な住宅街をカモメが
滑るように飛んでいるのを見たことがあるわ。当時、いきなりあの大きな鳴き声を聞くと横浜港などの港にいる気持ちになったわ…」

「人生って...この世って、不思議ね… ひょっとして幻… 幻影…… 幻想 …… 
と思う時があるわ。この世のあらゆる存在は一見、そこにあるように見えるけれど… まぼろし...
幻である世界をそこにあるように錯覚しているに過ぎないんじゃないかしら...

...実体のないスクリーンの映し絵の魔法の世界じゃないかしら...... 
…… 幻影でもあり、幻想 …… 私もあなたも... この世はすべては幻じゃないの…」

「君は実に面白いことを言うね。不思議な娘だね… 脳が作り出した幻か、
そこに宿る意識(潜在意識)が作り出した幻を見ているのかもしれないね。
夢か現か幻かという言葉があるように夢も現実も幻に過ぎないのかもね。 ワハハハ…」

 ...ひょっとして、
       これは俺の意識が作り出した夢か現か幻か.........

                   ―――朝になり夢の中の出来事だと知る。
           「夢も現も幻か... そうだな。 ワハハハハハハハハハ…」
0476ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/01(土) 08:07:52.34ID:Tg7pfsJi
>>475
6行目「曇り始める。」に訂正
7行目「何も考えない...」に訂正
0477ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/01(土) 11:30:10.97ID:Tg7pfsJi
色即是空とは般若心経にある言葉で現世に存在するあらゆる事柄や現象は全て実体ではなく
空無であるとする考え。この世が実体のない世界とする考えは、人によっては色んな解釈が出来る。
解釈や捉え方で大きく意味合いが違ってくるからだ。

どうせ実体のない世界なのだから好き勝手に生きようとするものも生まれるだろう。
中には物事を深く考えず自分の欲望のままとんでもない生き方をする者も出てくるかもしれない。
物事はそう短絡的なものではない。因果応報の世界でもあるからだ。物事には必ず、原因と結果がある。

物理的な現象としての作用反作用の法則というものもある。そしてこの世界には重ね合わせの相反する
働きがある。人の心から宇宙まで絶妙な調和というバランスで成り立っている。どこかで何かを得たら
どこかで知らぬ間に何かを失っている世界なのかもしれない。プラスマイナスゼロのバランス。

だから完璧正しいもの、答えのない世界とも言える。それゆえに実体のない世界とも解釈できるのだ。
地位や名誉や財産などにどうしても私たちは目を奪われるが、肉体が消滅後、これらのものも跡形もなく
消え去る。残るのは心・魂と言う意識。肉体の消滅後、何が大切か思い知らされるかもしれない...
0478ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/02(日) 08:12:27.73ID:35IFi1zk
「遺失物預り所」

遺失物係に不審物が駅構内に置きっぱなしになっているという電話が入った。
今は朝のラッシュ、駅員や車掌は忙しく、そんなことに構っていられないから
こちらに来たと言うわけだ。

よく見てみると、大きなボストンバッグだった。
普通の荷物のようにも見える... 。

しかし、このご時世、何が置かれているかわからんぞ!
爆発物なんてことは無いよなぁー ???
心の中で、そんな冗談を呟き...

荷物にゆっくり近づいた " 途端 !" 、カサカサ、、、ゴソゴソ、、、と音がした!
" 一瞬で全身の血が引いた! " あの中に何かが居る! " 何かが動きまわっている様な、 
 …落ち着かない音…  何か得体のしれない動物だったらどうしよう...

恐る恐る、、、 バックのチャックを引くと... 何かが飛び出して来た!!!
ー わああああああぁぁぁーーーーーーーーー ! ー  飛び起きた!! ー

ー「夢か、...」ー …胸を撫でおろし… 時計を見ると、「やぱっ!…」―――
「朝食食っている場合じゃない!」 …慌てて支度をして、懸命に走りに走り… 

…走りながら色々考えていた... 昨日、駅長から杞憂に呼び止められて、
「伊藤君、来週から落とし物係だね。よろしく…」そんな軽い感じで、駅長に告げられた...
最初に心に湧き上がって来たのは、(何か、問題でも起こしたのだろうか...)と言う
危惧だった... 入社してからと言うもの、駅係員、車掌と順調にキャリアを積み重ねて来た。

そして去年、試験を突破して念願だった運転士になれた。
それなのに、こんな短期間で異動になるなんて... 
もしかして、昨日の酔っぱらいに対する対応が、マズかったのだろうか...
そんなことを考えながら走っていた。

駅に滑り込みセーフ何とか間に合った! 「おはようございます!」「おはよう…」
駅に着くなり、そのことを駅長に問うと、「前任の北沢君が異動して、君が面倒見いいから
適任だと思ってね。お客さんの対応も親切だしね。それに君は、後輩たちの評判も
いいんだよ! 周りに相談したら、君がいいってみんなが言うんだよ…

 ―――あそこでやっていけるのは… 君しかいないってね!―――
0479ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/02(日) 08:17:27.20ID:35IFi1zk
>>478
16行目「昨日、駅長から急に呼び止められて、」に訂正
0480ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/03(月) 07:07:52.90ID:95DOmRei
はみ出してはいけない画一化された現代社会の歯車の中で
何か大切な忘れ物(落し物)はないですか?
0481ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/03(月) 07:12:44.77ID:95DOmRei
「NEVER CRY OVER SPILT MILK」

床に落として割ってしまった茶碗。飼い猫が鼻先で嗅ぐのを
私は見ていた。とにかく猫を抱え上げて別の部屋に運んで扉を閉め、
ゆっくりゆっくりと割れた茶碗の破片を丁寧に拾い集める。

大事にしていたのに、どうして落としてしまったのだろうと自分を責めたり
数少ない食器の一つだから、今日の午後にでも、新しいのを買いに行くしかないなと
冷静に考える自分がいる。割れたご飯茶碗。そのご飯茶碗は別れた元カレが選んで
くれたものだった。

このご飯茶碗が床に落ちて割れてしまった時、封印が解けたかのように、
彼との過去が頭を駆け巡った。箒でご飯茶碗の破片を一か所にかき集め、塵取りに収める。
割れた茶碗は元には戻らない。恋愛も同じだ! 一度壊れた関係ってなかなか戻すのは難しい。

...こぼれたミルクを嘆いても仕方がない.........
女は自分からフラれて未練が残っている時期までしか、復縁を考えないと思う...

一度気持ちが離れたら、二度と戻ってこないのが女。男は、「もったいない、もったいない」と
言いながら、半年か数年前に自分がこぼしたミルクをストローでチューチュー吸い取る
真似をする人が時折いるという話を聞いたことがある。
もう既に、ミルクは腐っているのにね... 。

経験上、最初から相手をそれほど大切とも思ってないのに付き合った男が、
そういうことをやるのではないかと思う・・・

でも、きっかけさえあれば人は考えも変わっていくのだろうか...
「結婚なんか一生しない!」と言っていたあの子が、私より先に結婚した。
本当に、人の心って不思議だなぁ〜 と思う... 。
いつの間にか
     ――― 私の気持ちは揺れ始めていた ーーーーーーーーー
0482ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 07:20:39.11ID:/SbESyg3
「下町の上、山の手の下」

皇居辺りを境に、東京の西側が山の手、東側が下町というようなことになっている。
これは位置的な分け方で、雰囲気としては山の手と言えば、高台の高級住宅地。
下町と言えば義理と人情の庶民的な長屋のイメージかな...

JR山の手線の内側と外側で住民の雰囲気が変わると聞いたことがある。
江戸時代から明治初期の頃、商人の街、下町に対して武家屋敷の並ぶ高台地域を山の手と称していた。

僕の個人的見解で言うと、
下町と山の手の違いは駄菓子屋にもんじゃ焼きがあったかないかでも別れると思うだよね...
あれは東京の名物みたいに言われてますけど、昭和の時代には僕が住む山の手線の西側にはなかった。

僕の下町ぽさの僕なりのイメージとしては、路地が多い… 小さな町工場が多い…
主に植木鉢による道路の占有… 野良猫が多い… 塀が少ない… 細くくねくねした道路の形状などかな。

江戸時代から職人たちが住んでいたのは、長屋と言う名の集合住宅だった。
大商人の小僧たちは、おそらく店の敷地内に住んでいた...

下町はそういう意味からも、江戸時代からあまり変わっていないのかもしれない
と思いながら「男はつらいよ」でおなじみのフーテンの寅さんの故郷。葛飾柴又を僕は歩いていた。
―――そう、腐れ縁の彼女のところへ向かっていたのだった――――――

僕が住む山の手より、下町の雰囲気が好きで高校生くらいから下町によく遊びに来ていた。
その時知り合ったのが今の彼女だ。彼女はおてんばなチャキチャキの下町娘。

そんな彼女はよく僕のことを気取り屋と言うが、僕は気取り屋たちのゲームからこぼれた皮肉屋。
 山の手の連中からは、あいつはと見下された皮肉屋(笑)

思い出はすれ違う話せば話すほど ケンカにもならないイライラの繰り返し
そして彼女は下町へ 僕は山の手へ 帰りついて初めて彼女が必要だと気付く

性格の違いかいつも口喧嘩はよくするけど、直ぐ仲直りの腐れ縁(笑)
彼女は山の手に 僕は下町へ 気に障る相手の元へ歩いていく
 ―――もう一度、油断させてくれ―――――――――
0483ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 07:24:35.28ID:/SbESyg3
>>482
7行目「思うんだよね...」に訂正
0484ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 13:54:52.61ID:/SbESyg3
中島みゆき統一スレVol.124
熱狂的ユーミンによってこのスレに書き込めなくなったのでここで言わせてもらうけど
859名無しの歌姫(ワッチョイW 6fe3-PUws)2022/10/4(火)08:20:29.74 ID:POclLOqX0
一部の中島みゆき信者のゆーみん敵対視も気持ち悪い
2人は尊重し合ってんのに

この質問に対し率直な感想を述べさせてもらうと、みゆきファンは別に敵対視なんて
持ってはいないと思うね。特定のユーミン信者がユーミンを売り込むために中島みゆきを
利用する傾向がある。例えば一例としてTwitterなどで

「ワシは中島みゆきやな〜♦昭和、平成、令和...どの年代にも象徴する名曲を生み出す凄み 
なぜユーミンだけが経年劣化しないのか#SmartNewsoricon.co.jp/special/60689/  
このようなユーミンの宣伝活動をしてくるし、敵対しているわけではなく、
ただウザいんじゃないかなぁ〜  ただそれだけだと思うよ(笑) 
0485ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 13:59:41.20ID:/SbESyg3
>>484
2行目「熱狂的ユーミンファンによって」訂正
0486ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 15:45:24.81ID:/SbESyg3
女性はポジティブ信仰に支配されやすい。前向きに前向きにポジティブにポジティブにと…
ネガティブ思考やネガティブな感情をなんとかしょうと躍起になる。躍起になればなるほど、
無理やりにでも気持ちを立て直そうとする。「何とかしなくちゃいけない!」と思っている

状態こそ、それを敵視しているのと同じなので、より何とかしなくちゃいけない事態に
見舞われる。ネガティブ本能とは物事のポジティブな面よりも気づきやすい本能だからです。
人にネガティブ本能が強く備わっているのは生存率を上げる為。狩猟採取民族だった時代に

さかのぼって考えてみれば、ネガティブ本能が弱い人間ほど生き残れなかった。
ネガティブ本能が弱い人間は、木の実を採りに森の奥にどんどん入っていき、獰猛な肉食獣など
に襲われやすくなる。魚を捕りに川にバシャバシャと入り込みワ二に襲われる。

このように最悪の事態を想定でき、それを乗り越え対処できたネガティブ本能が強い人間が生き残った。
今、地球上にいる人類はそうやって強いネガティブ本能が強い人間が生き残ってきたと言うこと。
だから何もネガティブを恐れる必要はないと言うこと。そのネガティブを恐れる気持ちが

心のバランス調和が崩れ、幸せを遠ざける結果にもなる。ポジティブだとかネガティブだとか
どうでもいいのです。そんなものに振り回されているうちはダメなんだと思いますね。

ポジティブ信仰そのものがネガティブの恐れを生み助長している。自分の中のマイナス面を
恐れるあまり、心のバランスを欠く。大切なのはポジネガを認めた上での心のバランス。
全てを認め受け入れた心のバランスが最も大切なのです。心の自然体が最も大切だと思います。
0487ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 16:01:56.47ID:/SbESyg3
心の浄化としてのカタルシスも大切。この世に存在するもの全ての意味がある。
0488ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 16:03:05.77ID:/SbESyg3
>>487
「全てに意味がある」訂正
0489ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 16:06:24.93ID:/SbESyg3
>>486
下から5行目「心のバランス調和を崩し、」に訂正
0490ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 18:10:47.80ID:/SbESyg3
ユーミンの歌詞を明るいと思ったことは無いね。決して明るくはない。みゆきさんの
麦の歌の様な突き抜けた明るさは無い。中島みゆきの振れ幅の大きい歌に興味がある。
0491ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 18:32:51.92ID:/SbESyg3
色んなことに対して言いたいことは山ほどあるけど、なかなか言えない辛さがある。
このでたらめな世界で生きていくためには必要なことと認識し生きていかなければならない辛さはある。
0492ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/04(火) 21:16:50.20ID:/SbESyg3
音楽業界や芸能界のことなどあまり興味がなく普段音楽なんて聴かない僕が、唯一、興味を
持ったのが中島みゆきだった。はっきり言うとそれ以外のアーティストには全く興味がない。

中島みゆきに惹かれたのは人生を達観したような歌い方なのか、歌詞がそう感じさせたのか
わからないが... そんな感じの歌は、酒を片手に今でもよく聴く...
本人はそこまで人生を達観しているのかはわからないけどね。
0493ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/05(水) 06:53:23.07ID:MbK48+13
「ファイト!」と違ってほとんど知られていない「カーニヴァルだったね」もいいね!
このあまり知られていない歌一つとっても、ただものじゃない達観した視点を感じる。
男にしかわからない良さがある。
0494ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/05(水) 08:14:35.84ID:MbK48+13
「すずめ」

ここはイチョウ並木沿いにあるオシャレなレストラン。
通りに植えられたイチョウ並木がテラスまで伸びていた...

柔らかな秋の日差しというよりも、また夏に再び戻ったような強い日射し―――
眩しいほど晴れ上がった午後。席はほぼ満席…

でも、15分ほどの待ちで並木沿いの最高のテラス席に座ることが出来た。
ティータイムだった為、メニューはパスタとピッツアくらいしかなかった。
金色の木漏れ日の中で彼と食べるランチ。彼はランチとコーヒー。私はランチと紅茶。

― 現実は違った! ― 雨降る夜更けに呼ばれ、彼から海外赴任の話を聞かされた!
――――――――― ショックだった! ―――
「少しの間の別れだから…」そう言われても、永遠の別れではないことを言われても…

それでも寂しいものは寂しい... 彼は半年後に帰ってくると言う。
彼と同じ会社だから知っている。最初の期限は半年。半年の予定が年内、年内の予定が
次年度の3月まで伸び伸びになって現在は・・・『ほぼ無期限に・・・!』なりましたという
人を知ってる。一度海外赴任になると中々帰らせてもらえない気がする...

特に大手でないうちは、その辺、良くも悪くもきっちりとしていない。
私と出会う前の彼の新しい環境で自分を変えてみたいと言う入社前の希望だから仕方がない。

―――あれから、とうとう彼が旅立つ、その日がやって来た――――――――

彼が搭乗する飛行機の時間まではあと5時間。今日、彼はこの街を、この日本を去ってしまう...
今日は絶好のフライト日和。時刻はちょうど昼を過ぎた頃、私と彼は約束していた銀杏見物の
ベストポイントにあるイタリアン・レストランの並木沿いの最高のテラス席で一緒にランチをしていた。
(そう、現実はそういうことだった......)

...金色の木漏れ日の中でのランチ.........
この後、彼はタクシーを拾って駅まで行く… そこから空港まで行く...

 あなたの傍を 離れたくない なのに なのに ふざけるばかり 
                     すずめのように 燥いでるばかり... 
0495ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/06(木) 01:59:27.71ID:A4RTZvWi
満島ひかりの「ファイト!」いいね!
0496ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/06(木) 07:39:27.97ID:2k4btz9K
「悲しいことはいつもある」

「会議をすっぽかして、今までどこへ行ってたんだ!!
何の会議かわかってんのか! 君が穴開けた資金の補填をどうするか
検討する会議だぞ! この馬鹿垂れが!!」
「申し訳ありません!!」

俺はこの現実から逃げたかったのだった...
自分のデスクに戻った。
「主任、お仕事がなければ、そろそろ引き上げたいと思います…」
「あ、もうこんな時間か、悪いね。帰っていいよ…」
「失礼します…」

今年の夏はいつもの年よりも活気に満ちていた。全てがコンピューターのように順調に作動していた。
自分が望むように世の中が動いているような気さえした。そしてそのことを俺は当然のように思っていた。

会社の資産運用を任され、それを株式投資に充てていた。狙った株はことごとく値上がりし、
同時に俺の社内での評価は株価のように上昇していった。

しかし、暴落は実に簡単にやって来た。あっけないほど日常的な些細な出来事のように...
こうなることを本当はわかっていた… わかっていながら… 走り続ける以外、
俺には道がなかった。俺だけじゃなく、このフロアのマネージャーたちもそれは同じだった...

「主任… 私、今日が最後になります。長い間、色々とお世話になりました。
ありがとうございました…」
「あ、そうだったか、今日だったね。悪かった。すっかり忘れてしまっていた」
「こちらこそ、長い間、アシスタントを務めさせてもらって…」

公私にわたりアシストしてくれた百合子。俺は百合子に夢中になった...
今でもわからない… 俺と彼女のあの熱い夏の日が、何故、
突然終わってしまったのか... どうしてもわからない...
さようなら... 百合子...

俺はデスクを片付け仕事を終えると、近くのホテルのカフェラウンジに入った。
広いスペースにはグランドピアノが置かれてあり、落ち着いた雰囲気があった。
丁度、ピアノの生演奏をバックにひとりの女性が歌っていた...

―――その気だるいジャズ風のボーカルの歌い回しを聴いているだけで癒される―――

...そんな何気ない歌だけど、
     その何かを悟っているような独特な雰囲気、佇まいに引き込まれる自分がいた...
0497ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/06(木) 08:01:47.42ID:2k4btz9K
>>495
「ファイト!」だけではなく「ミルク32」を
聴いていると流石は女優さん。役者ですね。
役に扮して演じている。
0498ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/07(金) 07:27:37.19ID:UO3osJra
「裸爪ライオン」

「何で僕ばかりいじめるのさ! やめてくれよ!」
「お前がバカだからよ。ドジで間抜けで、泣き虫だからだよ…」
僕が学校の不良連中から公園でいじめられていた時だった...

「なんだよ!爺ぃ!俺たちに何か文句あるんか!!」
口ひげを生やしパイプを銜えた初老の紳士風のおじさんが
「文句なんてないさ。ワシに構わず続けなさい。終わったら、少し、そこの弱虫を借りようと思ってね。
散歩しか楽しみがないご老人でな。その弱虫を連れて散歩しようと思うとる…」

「何だよ! この爺ぃ!」「きもいな!この爺さん!」「構わず行こうぜ!」
「そ、そうだな。明日もいじめてやるからな! 覚えてろよ!!」と不良連中が帰っていった。

その後、この公園のベンチで爺さんと二人になった。
「お前は、このワシが金持ちと思っとるだろう… こう見えても、ワシは貧乏人だ。
実に情けない金額の年金暮らしじゃ… 煙草代がない時は多少、食べるものも減らす生活をしておる。
でも、ワシはそういう風に見えるか…?!」「...いいえ…」

「そうだろう... たとえ貧しくても心豊かな人間なら豊かに見えるもんだ。
お前は何でいじめられている…?!」「...」「答えたくなければ、無理に答えなくてもいい…」

「ぼ、僕のお母さんはキャバレーで働いているんだ。それも、父さんがサラ金で借金作って、
どこかの女といなくなっちゃったんだ… それで母さんが普通の仕事では借金が返せないから、
ああいうところで仕方なく働いている。いくつも転校したんだけど、すぐに知られいじめられる」

「そういう事情か... ワシは若い時に交通事故で妻と息子を同時に失ってな...
家族はおらん。以来、ずっと、独りで生きて来た。お前がこの公園で、よくいじめられているのを見て来た。
お前はいじめられるのはお母さんの職業のせいにしておるが… そんな親の職業を
恥じてる情けない奴は、一生いじめられっ子だ!」「ぼ、僕はただ…」

「お前は母さんがキャバレーで働いているからいじめられてもしょうがないと思っておる。
ワシの知り合いにも、そんなのがおってな、自分はダメな人間だ… 社会の役に立たない駄目な奴だと、
そうやって自分を責め自信を無くして生きておるのがいる。お前のようにな...

自分を卑下するな! 自信のない生き方をしているからいじめられるんだ! もっと自信をもって生きろ!
母さんの仕事のせいにするな! 親の仕事を恥じるな! お前を食わす為に必死で働いておる。
そんな頑張っている母さんを何も恥じる必要なんてない。母さんの仕事に誇りを持て! 
そんな自分に自信のない生き方をしている奴はいじめられても仕方がない!」

「学校の先生に相談しても聞いてくれないんだ…」「そんな先生なら、あてにするな! 自分で考え解決するんだ!」
「明日も、僕、ここでいじめられる...」「そんなんだからダメなんだ! 明日、ワシもここに来る。いじめっ子と

ワシの前で、
『僕の母さんは、僕を育てる為に一生懸命に頑張っているんだ! なんか文句あるんか!!』と言ってみろ!」

 ―――あれ以来、いじめはなくなった―――――――――
色んなことがあった。そんな中学・高校の学校生活も無事卒業を迎えた。
何で自分だけ...と、そんな情けない自分を責めてばかりいた。そうじゃないんだ。
辛くて当たり前なんだ。生きることは辛いこと。

そう思えるだけで気が楽になった。強く生きる為には必要なことなんだ。
何故か、不思議と旅に出たくなった。自分をとことんまで知る旅に… 

すべてを捨てて一先ず、一年間、バイクで旅に出るつもりだ。それから進路のことなど...
その後の人生を色々と考えるつもりだ。心が押しつぶされ、めげそうになるけど...
まだあきらめちゃいない… 僕は強く生きると決心した。

 ―――僕は生まれ変わる。ここからの新しいスタートライン―――
0499ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/07(金) 15:31:53.04ID:UO3osJra
追い詰められた苦しい状況ほど、新たなことをスタートするのに絶好の機会でもある。
ピンチはある意味チャンスでもある。困難な状況にぶつかると、人はそれから抜け出そうと、
必死に考える努力をする。平穏な状況や恵まれた環境にいると現状に甘んじ考える努力を怠る。

全てのピンチには表裏一体のチャンスが隠されているものだ。ただやみくもに探しても
見つかるものでもない。原因を冷静に分析出来るようになれば一つのきっかけになる。
何らかのヒントはそこら中に転がっている。それを見つけることが出来るか、出来ないかだと思うね。
0500ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/08(土) 07:24:58.85ID:x/JjeVVt
「煙草」

久しぶりに天井まで登っていく紫煙をぼんやりと眺めながら物思いにふけっていた...
煙草を吸って美味しいと思ったことは一度もない… 
それでも、吸ったり、止めたりを繰り返しながらも… 結局やめられずに…
かれこれ三年は吸っている...

紫煙をすーうぅっと肺まで吸い込み染み込ませ、薄くなった煙をふーうっと吐き出す...
あいつが出て行ってから、寝不足と喫煙... 飲酒の破綻した食生活で心も身体もボロボロだ。

原因は三年付き合ったあいつだ。あいつは私より二歳上で、会社の付き合いや仕事を
優先していると嘘をつき、あの娘と会っていた... 
そんな話を私の友達が教えてくれた。

あいつと心のすれ違いが増えて、三日に一度のペースで、何かと口喧嘩をやらかすようなった。
そしてついにというか、とうとうやっちまった。大喧嘩をやらかし、そしてあいつは、
出て行っちまった。

薄氷を踏むようなあいつとの破局の予感を日々感じながら生きて来たけど、
ついに漠然と恐れていたことが現実になった。

あいつが出て行って、初めてこの部屋がこんなにも空っぽだったことに気付いた。

あいつが出て行ったあたしの部屋。カーテンを閉めた合わせ目の隙間の向こうには等間隔に
 …常夜灯が連なる夜が広がっている…  部屋の中で独りぼっちで膝を抱え、
テーブルに置かれた灰皿を見る... あいつと出会うまでは煙草を嫌悪していた。

...それが今では、煙草をふかしている.........
あいつは、あの娘の元へ行っちまったのか… いや、考えたくもない...

あいつといた頃、あたしがあいつの真似をして煙草を吸うたび...
「女が煙草を吸うのは、あまり好きじゃないなぁー 女の喫煙って、
女が思っているほど、カッコいいもんじゃないぜ! 
それに男と違い、妊娠出産があるから良くない。やめた方がいい…」と言ってた。

自分で吸ってて、よくそんな勝手なことを言えるもんだ。
あいつといた頃、「煙草を吸う女は好きではない…」と言われてから、
一時、煙草を吸うことをためらって止めていたが、あいつがいない今… 
あいつの真似して久しぶりに不器用にふかしている......

   (今頃、あいつはあの娘といるのかなぁ...)
今でも思い出すのはベランダに出て
   無言のまま銜え煙草で寂しそうに外の景色を眺めていたあいつのこと...
...天井まで登っていく紫煙をぼんやりと眺めていた......
0501ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/08(土) 07:29:26.37ID:x/JjeVVt
>>500
6行目「寝不足と飲酒...」に訂正
0502ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/08(土) 11:57:11.37ID:x/JjeVVt
松任谷由実さんと中島みゆきさんの違いの一つとしてラジオパーソナリティの
スタンスの違いもある。みゆきさんはハチャメチャラジオパーソナリティー 
めったに人生相談なんかやらない。一度だけあったかな。その時は真剣に答えていた。
歌詞に何らかのヒントになる比喩的表現を使う。

ユーミンさんは人生相談的語りをする。女性にとって背中を押してくれる存在でもある
インフルエンサー的でもある。恋愛のカリスマと言われるゆえんがわかる。
実に教祖的なのだ。でも世間的には中島みゆきの方がカリスマ的に思われている。

僕自身が誰かをあてにしたり、人を頼りに生きて来たわけではないので...
もし、みゆきさんがユーミンの様にありがたいお言葉を言ったとしたら、
僕はそれだけで興ざめしてしまうだろう。ここが男と女の違いではないかと思う。
0503ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/08(土) 16:19:17.48ID:x/JjeVVt
ユーミンのアルバム売るためのごり押しPRがネットやTwitterで辟易していると話題になっている。
今に始まったことではないと思うけどアルバム売ることだけが目的になっている感はあるね。
0504ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/08(土) 17:05:12.50ID:x/JjeVVt
僕的な品格とは、地位や名誉や権力、財産がある人のことを言っているのではなく、
貧しくても昔の日本人はあった。それは武士道精神に流れるマナーみたいなものかなと思う。
気高さ、気品、礼儀、高潔さ... みたいなものかなと思う。「気高さ」は品格。
日本人はいつ頃から失ったんだろう... 今の日本人にはない。
0505ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/08(土) 17:11:21.61ID:x/JjeVVt
大人の気高さを持つことが、子供のいじめをなくすのではないかという話を昔、聞いたことがある。
0506ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/08(土) 17:42:47.98ID:x/JjeVVt
それは日本古来からの伝統的精神『思いやりの精神』 今の時代失いつつある
0507ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/08(土) 18:42:33.50ID:x/JjeVVt
女性は綺麗ごとが好きだから、綺麗ごとを並べた恋愛ソングの歌詞だけでいいんだよね。
女性アーティストがほとんどがそれだよね。そんなのでいいんか?という問いかけが
常にある。もっと大切なものがあるだろうと言う問いがね。
0508ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/09(日) 07:15:14.91ID:nLUf6n2S
「カム・フラージュ」

「今から会えないか...」と彼から電話がかかって来た。
電話の声が何となくいつもと違う... 感じがして…

スマホがひろった周りの喧騒から事情を察して会うことを了解した。

「一次会でだいぶ飲まされた…?!」
「あぁ... 結構ね…」
そう答える彼の眉間に若干皺が寄った気がする。

「その分だと、後の誘いを断るのにも、だいぶ苦労したんでしょ」と
私が言うと、彼の眉間は、更に皺が寄った。
そして答えないまま、ドサッとソファに寄り掛かった。

こんな彼を見るのは珍しい... 初めてなんじゃないだろうか...
いつも礼儀を欠かさないようにきっちりしていて
周りの誰に対しても丁寧に接している。

だから同性からも好かれる。異性からはもっと好かれる。
今夜も随分、女性から誘われたのだろうか...

その中に彼の気に入る女性がいなかったのだろう...
用意を理由に断ろうとしたのだった。それでトイレに立った時、
私に電話をかけ「5分後に電話くれないか…」と
急いでそう言った後、電話を切った。

...その時は、まったく事情が呑み込めなくて.........
5分後に電話して、事情を知ることになる。

「えーなにー ○○君! 本当に約束があるの…?!… ねえ、二次会行こうよー ねえったら…」

...電話の向こうから聴こえて来るのは彼を誘う複数の女性の声だった......
「だから言ったじゃないですか、約束があるって! 本当だって…  だから
今日は本当にすみません! ごめんなさい! 勘弁してよ。 もう…」

「ええーーーっ、 そんなのつまんないよー」
「ダメダメ、私は許さないわよー」
――――――彼の周りの女性に説明しているのが電話口から聞こえて来る―――
0509ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/09(日) 12:21:57.82ID:nLUf6n2S
♪ 選ぶつもりで選ばされる手品だ

自分で選んでいるつもりで実は選ばされていることが多い現代社会。
考えることが億劫になり相手の言葉を鵜呑みにする思考停止状態の人が
多くなっているという。そんな時は「何故?」というちょっとした疑問
を持つことは大切なことだと思うね。
0510ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 07:21:21.49ID:SsACFUHz
我々はいずれメタバースという仮想現実の世界に肉体を捨てて閉じ込められていくのだろうか
僕には何の力もないので、そうなったら受け入れざるを得ないのだろうか...
0511ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 07:54:11.21ID:SsACFUHz
「化粧」

あれはあたしが高校生の頃… 昭和○○年、
あいつとあたしは高校二年生になった頃から付き合っていました...

あいつはB組、あたしはA組とクラスの違う二人は高校時代、交換日記のように手紙のやり取りをしていました。
今で言えば、メールのやり取りみたいなものです。メールほど頻繁ではないですが、
毎月二回くらい書いていました。

そんな矢先、偶然にも通りががった校庭の隅で彼が男友達と二人で私の手紙を読んでいたのです。
「お前、A組の○○さんと手紙のやり取りしているんだってな…」「な、何で知ってるんだよ…?」
「○○から聞いたんだよ。見せろよな! な、」「やめろよ!」

「いいじゃんか!減るもんじゃないし… な、」とカバンを奪い、カバンの中から手紙を見つける。
大きな声で読みだした... 「分かった。ちょっとだけだそ…」あいつは観念したようだった。

―――  " その光景を偶然にも目撃してしまった! "  ――――――
その時は、もう終わった! と思った。他人に見られたのか、恥ずかしいのと、悔しいのと... 

それからはパタッとあいつからの手紙は途絶えた。二か月間、恋しさに、狂ってしまうかと
思えるほど連絡を待ち続け、これが最後の手紙という思いで手紙を出した...
けど、とうとうあいつからの返事は来なかった.........

化粧なんてどうでもいいと思って来たけれど、せめて今夜だけでも綺麗になりたい...
今夜、あたしは あんたに 逢いに ゆくから 最後の最後に 逢いにゆくから

あいつに、「あたしが出した手紙の束を返してよ… 誰かと二人で読むのはやめてよ!」と言いました。
あいつは、「分かった」と答えた。その時、これで終わったと思った...

あたしが手紙を受け取った後、あいつは何か話そうとしたが、あたしはそれを遮って小走りに夜道を
泣きながら走った。これでいいと思ったのに... 何故か、涙が止まらない......

放り出された昔を 胸に抱えたら 見慣れた夜道を 走って帰る

バス停に着いた。誰もいなかった... 静寂の中で、歯を食いしばって泣き声を抑えていた...

流れるな 涙 心で止まれ 流れるな 涙 バスが出るまで
バカだね 馬鹿だね バカだね あたし 愛してほしいと 思っていたなんて
バカだね バカだね バカのくせに 愛してもらえるつもりでいたなんて

お互いのちょっとしたすれ違いで簡単に壊れてしまう...
ほんの些細な事で罅が入り簡単に割れてしまうガラスの十代...
あたしにも、そんな純情な時代があった。
―――あの時のあたしがあったから今のあたしがあると思う――――――
0512ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 09:26:25.15ID:SsACFUHz
【このろくでもない、すばらしき世界】サントリーのボスのCM のテロップだったかな
なんか好きだな(笑) いい当て妙な我々の世界 実にうまく言い当ててる感じがする。
0513ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 09:28:51.98ID:SsACFUHz
>>512
言い得て妙な我々の世界
0514ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 09:42:45.91ID:SsACFUHz
>>512
このコピーライターはずばり男だと思う。
0515ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 10:51:09.59ID:SsACFUHz
中島みゆきが歌詞で描く世界も【このろくでもない、素晴らしき世界】と言ってもいいね!
0516ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 11:05:27.47ID:SsACFUHz
ユーミンが言う「私の音楽はブルジョワジーが聴く音楽・・・」とか言っていたけど、
そうじゃないんだよね。音楽をそういう風に分けるんじゃなくて、
0517ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 11:12:58.18ID:SsACFUHz
>>516
続きを言うと、思考停止にならずに、日常の中で、何でもかんでも鵜呑みにせず、
ちょっとしたことでも頭を使うことって大切だと思うんだよね。
それはブルジョワジー プロレタリアートと言う問題ではないんだよね。
0518ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 11:35:54.25ID:SsACFUHz
中島みゆきという人は、生きていくうえでのちょっとしたヒント、考えるきっかけに
なればと思って創作しているんじゃないのかなと思う。そう感じるんだよね。
0519ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 17:45:24.24ID:SsACFUHz
中島みゆきの新曲「倶(とも)に」主題歌のタイトルからして売る気あるんかという
タイトル(笑)本当にこの人は何を考えているかわからん。はぐらかされるね。
もっとメジャーなタイトル付けられんのかと思ってしまう(笑)
主題歌のタイトル名からして期待はしていないね。
0520ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 18:03:55.47ID:SsACFUHz
僕からすればユーミンはわかりやすい人。みゆきさんは、はぐらかされる人。
「みゆきさん! もっと売ること考えてくださいよ!」と言いたくなる人。(笑)
0521ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/10(月) 18:38:53.54ID:SsACFUHz
ユーミン、みゆき、まりやの3人を評して一言で言うと
わかりやすい人、はぐらかされる人、まじめな人 分かるかな(笑)
0522ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/11(火) 07:28:00.03ID:U7yFGAZW
「笑ってよエンジェル」

人と比べて生きなきゃならんなんて、なんと下らん世の中だ...
会社帰りの電車の中でつり革の女性誌の広告を見ていた...
この時代の中で息子が真っ直ぐ育ってくれれば、それだけで十分だ...

マンションに帰宅する。「おかえりなさい…」「翔太は?」「もう寝ているわ…」
息子はもう寝ていた。「ビール出してくれよ…」「はい! どうぞ…」

「何だか翔太、疲れているようだな…」「疲れもするでしょう。毎日、塾、テストとかで
人と競う事がいっぱいで…」「そんなに競争しているのか…」「何言ってんのよ、
あの子は今、もの凄い競争社会にいるのよ… どの塾に通っているかから、
今や住んでいる家から父親の職業が何かまで、比べて競い合っているのよ…」

「ふ〜ん、俺は、一応大手企業の課長だし見劣りはしないぞ…」
「あなたもノー天気ね。あの子の通っている学校では、あなたは自慢にならないんですって…
だからあの子、学校で嘘ついたの…」「嘘…?!」「あなたのこと、会社の社長と友達に言ったのよ…」

「え、どうして…?!」「知らないわよ。ただの見栄じゃないの…?」
「君は何て言ったんだ?」「別に、だって大した嘘じゃないじゃない…」
「そんなことあるもんか!! どうしてそんな嘘をついたか、聞かなきゃならんだろ!」
「あなた、なにそんなに怒っているのよ…」

「もう、静かにしてよ… うるさくて、眠れないじゃないか…」そんな時、
隣の部屋の寝室で寝ていた息子が起きて来た。「翔太か、ちょうどいい、ちよっと、こっちに来なさい! 
お前、今日、学校で嘘ついたんだって? どうして嘘なんか、ついたんだ…?」「別に…」

「どういう理由か、父さんにはっきり言いなさい!!」「うるさいなぁー」バチッ!と
私は小学生の息子の頬を叩いた! 「父さんなんか、大きらいいだ! ちっとも家に帰ってこないくせに!
ちっともボクと話もしてくれないくせに! ボクと話す時は、ボクを怒るときだけじゃないか!! わ〜ん…」

「父さんだって一生懸命働いているんだ! 仕方がないだろ… 父さんが働らなきゃ、お前たちを養って
いけないんだ!!」「子供を泣かして… あなた、もういいでしょ… さあ、今日はもう寝なさい…」
「父さんなんか、大きらいだ! もう、帰って来るなー わぁ〜ん… 」

「息子は、あなたのこと、友達に自慢していたのよ。それで、どこかの社長なのかと会社役員の子に、
聞かれて、仕方なく嘘ついたのよ。この子は… そんな事情も知らないで、怒鳴って、泣かして、大人げないわ…
子供の見栄ぐらいいいじゃないの… 大したことじゃないじゃないの… みんないいとこの子ばかりで、
この子も肩身が狭くて大変なの… この子のことも考えてあげて…」「...」

そんなくだらん見栄と体裁がなんだ! うわべを繕って何になる。
嘘が溢れている… このでたらめな世の中、くだらん見栄と体裁を張って生きて何になるんだ...

「父さんなんて大きらいだ! ボクと話すときは、ボクを怒る時だけじゃないか!」
                        
0523ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/11(火) 07:44:03.71ID:U7yFGAZW
みゆきさんの歌詞にそっていないので、ちょっと無理があったかな。笑ってよエンジェルの対象を
子供にしてみた。
0524ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/11(火) 08:52:12.01ID:U7yFGAZW
日本は戦争に負けたことがすべての原因と言う人もいるだろう。いや明治維新からだよと
言う人もいるだろう。日本はアメリカの言いなり、アメリカはイギリス、イギリスは...
爆発的に売れる歌手は○○〇に魂を売ったとか... 色んな陰謀論を唱える人もいるだろう。

そんなこと言っても仕方のない世界。我々はその中で生きていくしかないのだから...
誰が正しいとか誰が間違っているとかの問題ではない。大切なのはその中で
同調圧力に負けずにしっかりと自分の意志を持って生きることが出来るかどうか

だろうと思うね。今起こっていることも、これから起きることもガイア(地球)の
意識が働いているかもしれないからだ。地球も一つの生命体だからだ。
一人一人の意識と実は繋がっているとしたらどうすることも出来ないからだ。
0525ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/11(火) 12:55:30.86ID:U7yFGAZW
お金が支配した今の資本主義社会はもうすぐ崩壊するのでいうけど、お金がいくらあっても
心は満たされないし、どこか寂し気で虚しそうな人が多いんじゃないかな。江戸時代の
日本人を見た誰だったか忘れたけど、決して物質的に豊かではない。どちらかというと

貧しい。貧しいながらも気高く、思いやりがあり幸せそうに生きていると当時の江戸文化を
そう評したものを昔何かの書物で読んだ記憶がある。僕の記憶が正しければね、
貧しくとも心豊かに生きていた日本人。
0526ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/11(火) 13:18:51.61ID:U7yFGAZW
今の時代の豊かさってものの豊かさが全てなんだよね。大切なのは心の豊かさ。
何を大切にするかで大きく違ってくる。
0527ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/12(水) 11:06:51.61ID:7ay3bJ2Y
「B.G.M」

10月になったばかりの夕方。川辺に吹く風は近づく秋の気配を感じさせる...
川のせせらぎ。風に擦れる草葉の音... そして彼がアコースティックギターで
奏でるメロディー 低い声で歌う寂し気な歌は相変わらずだった...

聴いているだけで心が落ち着く... 演奏が終わり、私は彼に小さく拍手を送った。
そうしなければいけないという決まりはないけど、初めて聴いた時から
ずっと変わらない習慣になっていた。

彼が楽譜をめくり次の曲を探す。選んだのは70年代フォークソングだった。
私も彼も生まれる前の曲だけど、彼はそういう昔の曲を好んで弾いて歌っていた。
そしてどういうわけか、それらは私の好きな曲ばかりだった。

奇麗なギターの音色と語りかけるように歌う渋く低く通る声…
こうして川の土手に腰を下ろして、彼のギターを聴くのは、あとどれくらいだろう…

10月に入って大学の授業が始まれば、二人ともこんな風にいつもここへは来られなくなる。
秋が深まって、どんどん気温が下がって、冬が来て雪が降ってしまったらもう無理だ。
そして来春には彼も私も卒業し、彼も私もここを離れることになる。

物哀しいギターの音色が緩やかな川の流れに溶けてゆく...
歌いながら彼は誰かを思っているのだろうか...
でも、それはきっと、隣にいる私じゃない誰かだ。

夕暮れの空では、沈みかけの太陽がオレンジと紫のグラデーションを作っていた。
対岸の遊歩道を散歩する人影も、景色の中に輪郭を滲ませ始めていた。

何処からか夕食の時間が近づき家へと駆けだしてゆく幼い子供たちの声が聞こえてくる。
「そろそろ帰ろうかな…」ぽつりと彼が言った。楽譜が見えなくなったからタイムリミット
いつもそうだった。

歌い終わると彼と私は「じゃあ」「うん、じゃあね」
いつもと同じ、素っ気ないくらいの別れの挨拶。次の約束はしない。それが私たちの習わしだった。

土手を上り、それぞれ別の方向へ歩き出す。帰り道、彼の奏でる寂し気な旋律がいつまでも耳に残っていた。
彼が、「これで終わりにするよ」と最後に奏でた彼の唯一のオリジナルソング『B.G.M』
これは二人だけのとっておきのメロディー

そして帰り際、彼に、「君といると楽しいよ。君と電話で話せるように電話番号交換しない?」と言われた。
「ありがとう。君と出会って良かったよ」と言っていた彼。

... ... ...
数日後、彼に電話をした。女の人が出た。あの人の名前を呼び捨てに...
電話の中で聞こえていたのは、彼が歌うあの日覚えた懐かしいメロディー
誰かが出たら、間違い電話のふりをして切るつもりだった...
この賭けも 負け ね  ...電話を切った...
0528ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/13(木) 07:35:10.88ID:DcG5LfHU
「心守歌」

―――風が辺り一面の果てしなく広がる草原の枯草を揺らしていたーーー

ー広大な草原に時折、吹き抜ける風―――――― サアー サアー―――
枯草を揺らし、ソヨソヨと頬に当たる。広い草原の中に、ポツンと一筋伸びる道―――
真っ白な雲と高く澄んだ空――― 目をつむれば、いつでも膝の傍らを風に揺れる野ばらの枯れ枝が突くーーー

大きく息を吸い込み、広い大地と一体になると、ふうぅぅとゆっくり息を吐きだし
空気の中に溶けていく。身体は大地となり、心は風になり、広大な草原を自由気ままに駆け巡るーーー
ふと、目を開けると...    ………ひとりの少女が立っていた………

こちらを見て微笑んでいるその姿は、紛れもなく若き日の私だった...
親友のあの子と一緒に泣きながら笑いあっていた...

――― ここで、ゆっくり瞼を開け目を覚ます ー

―――突然、幼い頃の記憶が蘇っって来た ――――――
小学校6年くらいの時、当時、親友のあの子と先生の資料整理のお手伝いをしていた時だった...
親友のあの子が、「アッ!」と小さな声で叫んだので、そちらを見たら
名簿の私の名前の後ろに、『養女』とはっきり書かれてあった。

その時まで、実の両親だと思っていたので心底衝撃を受けた!
帰り道、どんな顔でおうちに帰っていいかわからず、
公園のブランコに座って、全く立てなくなった私に、親友のあの子は

ずっと付き合ってくれて、「よし、じゃあ、私と姉妹の盃を交わそう!」とか言って
ランドセルからメロンの形をしたアイスの容器を取り出して
公園の水道水の水を汲んで互いに飲み合った。

一体何のテレビを見たのか、「盃の契りは、血の繋がりより強いんだよっ!」って
そのメロンの容器のカップ片手に言う親友のあの子が可笑しくって
思わず泣きながら笑った。そしたらあの子も… 二人で泣きながら笑いあった。

そんなことがあったから、反抗期に親に反発しそうな時も、進学の学費面で
親に言えなくて、悩んだ時も、あの時、交わした机の上にあるメロンの形をした
アイスカップが見守ってくれていたから… あの子がいてくれたから…
そして両親がいたから… 私はこれまでやってこれたことに感謝している。

ーあの子は、今頃どうしているのだろう――― あの時は、ありがとうと言いたい ―――
0529ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/13(木) 12:24:05.55ID:DcG5LfHU
ユーミンさんもみゆきさんもいくつになっても恋する乙女だと思うね。どちらがいい悪いではなく
どちらもそれぞれの良さがある。表現する世界が違うだけ違いに過ぎない。どちらも素晴らしいと思うよ。
0530ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/13(木) 12:25:16.04ID:DcG5LfHU
>>529
表現する世界が違うだけに過ぎない。
0531ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/14(金) 07:25:07.56ID:rj5AdkEI
「二隻の舟」

...ここ数か月、色んな意味で忙しかった......
35歳で自営業を始めて10年ちょいやって来た。先日、そんな店を畳んだ。
利益が出ず、嫁の収入が主な生活費になっていて、いつ辞めるかの
タイミングを見ていただけだった...

そんな俺を嫁は「13年間、お疲れ様でした…」と優しく迎え入れてくれた。

最後の2年くらいは全然仕事にならず、イライラして嫁に当たり散らしたこともあった。
でも、そんな時でも、嫁はストレスのはけ口になってくれて、夜には抱きしめて眠ってくれた。

一時、共同経営していた奴に騙されて多額の借金を背負わされた時、本気で死のうと
思ったこともあった。色んなものが残ってたら嫁が、俺を思い出して辛いだろうと思って、
写真や身の回りの物を処分した。すると、嫁がそんな俺の行動に気付き… こう言った!

「もし、本気で死ぬんなら、私も一緒に連れて行って! その代わりに、一週間だけ時間を頂戴。
私も身の回りを整理してから死にたいから…」

結局、その一週間の間に、嫁と何度も話し合い、二人で乗り越えていこうと決心した。
あの時、嫁が気付いてくれなかったら、一週間待ってと言わなかったら… 俺は、
今頃は死んでいただろうな… 何度も泣きながら嫁と話し合ったのも...
今じゃいい思い出だ。

この歳でも手に職もなく無職になったから、これからは大変だろうけど、俺には、
嫁が残っているから… 一番大切なものが残っている以上、これからは頑張っていこうと思っている。

居酒屋で、そんな俺の話を聞いた昔ながらの親友は、「転んだら、起き上がればいい… 
起き上がったら、また歩き始めればいい… いい奥さんじゃないか、確かに人生はそんなに
甘いものじゃないし、生きること自体が試練なのかもな、そんな試練を乗り越えてこそ、

生きる為の本当の意味や価値があるのかもしれん。そこに気付いただけでも意義があると思うんだ。
そんな偉そうなこと言う俺は、今朝、女房と喧嘩した… ほんの些細なことでな...
朝のお詫びに、気の利いたあいつの好物の土産物の一つや二つ買って帰るつもりだ。ワハハハ…」
0532ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/15(土) 07:33:01.29ID:pbLxNhhk
「ルチル(Rutile Quartz)」

人通りの少ない路地裏にその店はあった。
「開運しそうなパワーストーンはありませんか?」と
来客した女性客が聞いていた。店主は「ないよ」とそっけなく答えた。

「ええーっ! あれ…?!…」その女性は驚き、目を見開いて、もう一度、店主を見つめる。
「こんな石に人生を変える力があるわけないじゃないですか…」と
店主は軽い口調で答えていた。

「えっ、でも、ここはパワーストーンのお店でしょ…?!」と女性客は不思議そうに
何度も珍しい生き物を見るような目つきで驚いて店主を見ていた。
「私はこれらの石が綺麗だから売っているんだ。ただそれだけだよ。宝石商と同じだ…」と
店主は言い放った。「それだけですか…?」とその女性はそれだけを言い放ち店から出て行った。

この店で売られているパワーストーンはこのようにパワーを売り物にしていない分、
他の所よりも値段は安かった。そこに居合わせ、そのやり取りを見ていた男性は、
「あなたは実に正直者だ。それじゃ、商売は成り立たんじゃろ… ワハハハハ…」

男性は続けて、「宝石と違い、綺麗なだけでは買ってくれるお客はいないから、付加価値は大切。
例えばこの水晶。ただ美しく神秘的に見える石だと言うだけではなく、私たちの日常生活に密着した
様々な物に利用されている。例えばハイテク産業に欠かせないシリコンやクオーツ時計。

乾燥剤のシリカゲルも水晶と同じ成分。美しい水晶を見ると思わず、そこに神秘的力が宿っていると
信じてしまう気持ちもわからなくはない。あなたの言うように科学的にも何の根拠もない。
とはいえ、小学生の時に見た水晶に魅せられて、そのまま大学で地学を専攻してしまった人間です。

水晶の整った形や透明な美しさに、普通の石とは次元が違う、何か強く惹きつけられるものを
子供心に感じたわけです。それ以来、私は水晶マニアになったのです… うわっ! これは、
凄く安いですね!」店主は「パワー何々なんて、私は初めから信じていないから安いんだよ」

「いや、いいですね。私は純粋に石、水晶が好きなだけですから…」と
そのお客はローズクォーツ、水晶をしこたま買い込んでいた。
喜びのせいか、肩が上下に震えていた。「石好きの仲間にも 伝えておきますね」

「ありがとう」と店主が言う。そんな石マニアのお客が帰った後の店内で、
水晶の中に針みたいに金の線がスーッと入っているルチルクオーツを見つける。
「わあ、これ綺麗!」と私はルチルクオーツのブレスレットに惹きつけられた。
               ――――――「これ、ください!」―――
0533ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/15(土) 08:03:47.74ID:pbLxNhhk
ーーー実はどんな石にも意識はあるー
0534ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/15(土) 08:22:51.18ID:pbLxNhhk
桜にも石にも【心】はある
0535ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/16(日) 08:14:35.53ID:0MmUXeTJ
「毒をんな」前編

「佐々木さん、私、分かるかなぁ〜 エリ。ジンライムのエリよ。
何よ、最近、全然、顔を見せてくれないじゃないのよ… あのさ、私の店、来月で、
丁度、10年経つのよね… 今度、盛大に開店10周年記念パーティしようと
思っているんだけど、来てくれる…?」

「もしもし、橋田さん…?! 私、分かる? オホホホホ...」「昭ちゃん...」と
自分の経営する店の常連客に手当たり次第、次々と電話をかけていた...

「私ね… 大きな川のほとりで生まれたの...」「え、ぇ?」
「いいから黙って聞いて! そうよ私の田舎のこと... 山があって、豊かな水と
美味しい空気があってさ… そこを大きな川がゆったりと流れているの...

この川の周囲に人が集まって村を作って... その川の恩恵を被りながら...
みんな生きて来たの... でもさ、私の周囲には川がないの...
この街のどこにも川がないのよ。心のよりどころになる様な川がないの... わかる…?」

「ママ! なに、おとぎ話みたいなこといってんだ…?!…」
「昭ちやん! …私... あいつを殺しちゃった......」「何だって!?」―――
「あいつを殺しちゃったのよ! ねぇ、助けて……  お願い! 私を助けてよー!!」ーーー

「ママ、なんて馬鹿なことしたんだよ!」「昭ちゃん! 昭ちやん、聞いてるーーー?!」
「………」電話を切られた.........    ……私だってさ……
…好きでこんなバカなことした訳じゃない… 頭が混乱して…
...訳が分からなくなっちゃった...... ( 私があの男と出会ったのは...

...12年も前のことだった...... 青山の夏の舗道だった...
まだ若かったし、田舎から東京に出て来たばかり、戸惑いと孤独の中で、人を見分けることなど、
とても出来なかった... ホテルに連れ込まれそうになった時、「いゃあ、やめてー!!」

「ここまでついて来て、ギャアギャアわめくんじゃねぇや!!」
私は必死で通りががったホテルの従業員に向かって、「警察、呼んでください!! お願いします!!!」
「おい、ババア! 呼ぶんなら、呼んでみろ!! 客が一人も入れねぇように毎日、
うちの若いもん(組員)、入口にたむろさせるぜ!!」 )
0536ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/16(日) 08:39:51.40ID:0MmUXeTJ
「毒をんな」後編

私が17歳と3か月の時のことだった... それ以来、あいつは私のヒモ...
私はあいつが出資して作った店のママとしてこの世界で働き始めた...

お店が私の全てになり、店が自分であり、自分が店であり、生きることの全てを自分で作った…
その狭くて小さな区切りの中に埋め尽くすように10年働いた...

でも、そんな殺伐とした10年の中で、ただ一人、私に潤いを与えてくれた男がいた... 昭ちゃん…
あんただけは、私のたった一つの心のよりどころだったのよ...

.........
「ママ!」「あ、昭ちゃん!」「ママ、大丈夫? またあいつに殴られたんだね…」
「ありがとう。もういいの…」「とにかく横になって… ママ、なんであんな奴と
一緒に居るんだよ。こんなことされても店が大事かよ。こんな店の為に人生を

棒に振るつもりかよ!」「だって、私にはこの店しかないもん! これ無くなったら、
自分が生きて来たことさえ、分かんなくなっちゃうもん…」「うぅぅ…」
「昭ちゃん、あなた、泣いているの…?!」「ママが、可哀想すぎるよ… 俺、ママのこと、
好きだから…」「昭ちゃん…」 ……あの時、私… 川を見たような気がした...

忘れていた田舎の… ちゃんと水が流れている本物の川(オアシス)…ああ、ここ(都会)にも
ちゃんと川が流れているんだと思った... あなたの「あいつさえいなきゃ...
ママと一緒になれるのになぁー」と言う言葉に... 昭ちゃん、あたしバカだよね、

あんたのあの言葉... すっかり信じちゃったんだもの... 別にあいつを殺した後、
平気で色んなとこに電話したんじゃない… 平然とビールを飲んでいた訳じゃない…

怖くて... 寂しくて... 辛くて... 悲しくて... 常連客に電話して、
ここ(都会)にオアシスがあるなんてことを本気で信じていた... バカな女の...
私がやった愚かさを... ただ訳もなくみんなに... 知ってほしくて...

―――大型冷蔵庫から缶ビールを取り出して、
          既に14缶も空け、そこら中に空き缶が散乱していた......
0537ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/17(月) 07:42:03.61ID:kHzfPvu5
「あたし時々おもうの」

1969年と言えば、戦後日本の歴史の中で社会運動が特に盛んだった時期だった...

その中でも、学生運動は大きな存在感を持っていた。そんな学生運動の嵐が、
吹き荒れていた5月13日、三島由紀夫は東大大学駒場キャンパス900番教室に
立っていた。戦後の日本を代表する作家。

そして保守言論人として活動していた時代の寵児を招いたのは当時、
大学を占拠していた東大全共闘。右と左、保守と革新ーーー。

政治的に真っ向から対立する両者。約1000人の聴衆を前に公開討論会で対峙していた。
そんな当時のドキュメンタリー記録映像が何気なくリモコンでチャンネルを
変えたテレビで流れていた。

その後の映像では、その頃の新宿駅西口のフォークゲリラの光景が映し出されていた。
反戦的フォークソングなどを歌い新宿西口の地下広場を約三千人から一万人規模に拡大し
人、人、人で埋め尽くされていた。あの頃の俺はフォークソングという歌に出会い。
フォークソングの良さを知ることになる。

その後、72年に日比谷野外音楽堂で行われた全国フォーク音楽祭全国大会に
出場した一人の女性の歌を聴くことになる。まだ初々しい彼女の声が印象に残った。

それから三年が過ぎた。晩秋の空が美しい1975年、そんな秋の深まりを見せる頃、
四店舗目となるロフトのオープンに向け、気ぜわしぃ日々を送っていた店主のオヤジは
時折、空を見上げては、「何かいいことが起こりそうな気がする…」とひとり呟いていた。

その年の12月に開店した下北沢ロフトは当時としては珍しい地下物件だった。
当時はロックな若者や業界人が参加してロフトが下北沢の人の流れを変えたと言われてもいた。
店主のオヤジは今日は観客が10人とか20人。その程度だと勝手にタカをくくっていた。

当日、店主のオヤジの元に店員から電話が入った。
「200人近くが店の前に並んでいます! とても入りきりません!」と慌てまくっていた。

店主のオヤジと共に俺はすぐに駆け付け、店内のテーブルやイスを移動したり、
会場づくりに慌てて取り組んでいた。

俺は店主のオヤジと共に三年前に日比谷野外音楽堂で観たあの彼女を手の届く
ような距離で観ることとなる。
0538ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/17(月) 07:53:42.83ID:kHzfPvu5
>>537
ここで登場する俺はフィクションである。
実際にあった出来事、会場、場所に登場人物として登場させてみた。

ちなみに学生運動の頃の実際の俺は小学生であった。
よって登場人物の俺はフィクションである。
0539ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/17(月) 08:40:01.29ID:kHzfPvu5
>>537
14行目「その後、」の前に「あの頃の俺は、」を追加
0540ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/18(火) 07:47:10.56ID:khGYgW9k
「羊の言葉」

「今週末? ちょっと待ってて、彼に確認するね…」

「飲み会。うーん難しいかも… 彼のご飯の用意しなきゃいけないし…」

「仕事が忙しすぎて家事がおろそかになっているから、仕事を辞めて事務とか、
すぐ帰れる仕事にしろって、彼に言われているんだよね…」

「ごめん! 今日の予定、キャンセルしていい? なんか、彼が、凄く怒ってて、
早く帰ってこいって連絡してきているから…」

いつも彼が出来るとこんな感じだった... 尽くす女。聞こえはいいが、男にとって都合のいい女だ。
尽くしてくれそう。女らしいと言われることが多い為、自分で言うのもなんだけど、そこそこモテる。
自分は尽くす女だという自覚もある。

お母さんから、「お父さんに聞きなさい…」「お父さんの言う通りにしなさい!」と言われて育って来た。
何かを決めるときは、まず、父親に意見を聞き、了解を得なければならないと思って育ってきた。
だから男は立てる者という価値観が自分の中にある。

就職や引っ越しなど、大きい意思決定は必ず父親に相談する。反論したり、自分の意見を
言う事に罪悪感があるのは、多分、男性を怒らせる事は絶対にしてはいけないと思っている。
そのため自分の意見を言ったり、意思決定したりすることが、どうも苦手です。

仕事などで、ハッキリした答えがあるものについては意見が言えても、好みや感情など、
明確な答えがないものについては、どうしても口を閉ざしてしまう傾向がある。

苦手なことを避ける為、「決めていいよ…」「合わせるわ…」と他者に意思決定を委ねてしまう。
そのため周囲からは控えめで温厚・温和・優しいと思われている。

だから、人間関係は良好で敵も作りません。でも、変な人に絡まれたり、駅でぶつかられたり、
セクハラを受けたりといった被害に遭いやすいです。そんな困ることがあるとあまりネガティブな
感情を表に出してはいけない… 男性の機嫌を損ねてはいけないと普段から思っているので、
何か嫌なこと言われても「アハハハ…」と笑って笑顔で済ませます。

いつも自分では決められず、迷い、優柔不断な人生。そんな自分で何も決められない自分に対して嫌になることがあります。
同僚のアキは、「あなたのように口数少なく、控えめで、男を立てる良妻賢母の様な人は、男によくモテるけど、
モラハラ男や束縛男の被害にも遭いやすいから気を付けなさい…」と言う。

アキが言うには、「モラハラ男や束縛男が厄介なのは、知り合って付き合うまでは、白馬の王子様のように振る舞う。
悪い男には見せない。付き合うまでは、女をお客様とみなし、とにかく過剰なほどロマンティックにアプローチしてくる。

それにマメだし、その姿は白馬の王子様。プリンスに映るかもしれない。それで大概の女は(この人なら私を大切にして
くれるかもしれない)と錯覚して付き合ってしまう。だけど、気をつけな! 白馬の王子様プリンスモードはそこで終了。
そこからが地獄だから…」と脅かす。「昔は優しかったのに… 今は暴君!」なんてことになるのよと続けざまにアキは言う。

最後にアキが言う。
ー 羊はたやすく 逸れてしまうものなのよ 戻れなくて自分でも思いがけず彷徨うもの ー
そんな自分の人生を人任せ、運任せにしない為には自分の意思をハッキリ伝える。
言いなりにならずに、嫌なことは、ハッキリNOと言うことね!
0541ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/19(水) 06:47:39.31ID:cz4YyoWZ
これからの時代、自己責任が一つのキーワードになっていく感じがするのだ。
0542ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/19(水) 07:50:52.29ID:8asWZBc1
「病院童」

「お前は最低の看護婦だ!」これはある患者さんから言われた言葉です。
そのある患者さんとは私の父です。父は肝硬変を患い、私が勤務する病院に入院し
治療を受けていました。その闘病生活はとても厳しいものでした。

私は介護休暇を申請し、傍に付き添う生活を送りました。看護の仕事について
15年で初めての経験でした。私は看護師であるプライドと家族からの期待を
裏切らないように、毎日、自分の力の限り必死で付き添いました。

しかし、父は夜間にせん妄状態になることがあり、そのたびに " 何で私を困らせるの? " と
呟きながら、布団に潜り込んで号泣きしました。「お前は。最低な看護師だ!」と
言う言葉も、せん妄状態の父が発した言葉でした。

私は父から言われたというショックと看護師としてのプライドが一気に崩れ、父の部屋を飛び出し、
待合室で号泣きしました。そして、いつの間にか寝てしまいました。その夜に不思議な夢を見ました。

...幼い私と若い父。私が楽しそうに父にワープロを教えてもらっている光景… 苦手だった数学を
教えてもらっている光景… 次から次へと場面が展開し、まるで物語の様な夢を見ました......

...気づくと、窓から朝日が射していました。その朝は、とても不思議な気持ちになり、
逃げ出したはずの父の病室に自然と駆け寄っていました。父の寝顔を見て、もしかして、
今度も私に何かを教えたいのかもしれないという思いが… その瞬間、涙が頬を流れました。

介護休暇が終わり、仕事に復帰した私は、日中は看護勤務。夜間は私服に着替えで父の付き添いをしました。
父は白衣を着た私には厳しく、挨拶や立ち姿だけではなく、「お前は心遣いが足りないことが多すぎる…」
「お前の看護はアイデアと発想が足りない…」と言った感じで毎日、何かと注意を受けました。でも、
白衣を脱いで娘に戻ると、「お前の仕事は大変だから、身体を大事にしろよ!」というのです。

いつの間にか、家族の病気という大きな出来事も、私に与えられた素晴らしい時間なんだと思えるようになりました。
「お前も、いい看護師になって来たな…」と言ってくれた一か月後に父は家族に囲まれて旅立っていきました...

葬式の時、来てくれた父の友人が、
「君のお父さんと電話で話した時、俺の専属ナースは最高の看護師だと娘の自慢していたよ…」
今日も戦場のような忙しさの中、一瞬、「頑張れよ!」という声が聞こえた気がした...
0543ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/20(木) 07:42:14.09ID:3gdWj/lt
「自画像」

会社の女子トイレに入っている時、パウダールームの方から
若い後輩たちの声が聞こえて来た。何やら噂話をしている。

「○○部長って、上の顔色ばかりうかがって、仕事もろくにしないのよね…」
「そうそう、面倒なことはみんな、私たちに押し付けてくるのよ…」
「本当に、嫌だわ...」
「そうね…」と私の後輩の職場の仲良し三人組だった...

「それと○○さんの頑固さにはあきれるわ… もう、一緒に仕事するのは嫌!」
「本当にそう、やりにくいよね。あれじゃあ、ご主人も手を焼いていると、思うなぁー」
「結構、尻に敷かれていたりして...(笑)」三人の笑い声がパウダールームに響く…

「ねぇ、みんな頑固と言うけど、あれで結構、真面目なのよ…」
「そういうあんたこそ、頑固じゃない!」
「あら、言ったわね! そう私も頑固者よ。でもね、私はちゃんと、自覚しているの!」
「そうね、あなたは自分をよく知っているわ! ワハハハハ…」
「なによ、笑わないでよ…」職場の仲良し三人組が賑やかに笑っている。

「ねえ、それに○○先輩って、ちょっとデリカシーに欠けるわよね…」
「そうね、あの人、エゴイストなのかもしれないわね…」
「そうなの?」
「そうよ。わからないの、どう見たって、デリカシーに欠けるエゴイストよ…」

「そう無神経なのよ。女のくせにね… 男みたいに無神経なのよ」
「だから、エゴイストなの…?」
「そうよ。男と会話しているみたい… 和田アキ子みたいなのよ。 ワハハハハ…」
「そう言えばそうね。 オホホホ…」
「デリカシーのない女って、やっぱ、やーねぇー ウフフフフ…」
―パウダールームいっぱいに三人のけたたましい笑い声が響く――――――

      ーーーーーー 私のことだった ―――――――――

「ねぇ、今朝、私、駅の階段でつんのめって、落ちそうになったの…」
「あるある… 怖いよねぇー」
「あ、その靴みたいに、先の尖ったエナメルのパンプスって、階段の滑り止めに
引っかかるんだよね…」
「そうそう…」「気をつけなきゃねぇ…」と
言いながら職場の仲良し三人組はパウダールームから出て行った...
0544ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/20(木) 08:32:57.28ID:3gdWj/lt
みゆきさん体調悪そうという話を聞いていたのでCM見て安心したけど、
ライブはどうなのかな…?
0545ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/20(木) 08:52:41.48ID:3gdWj/lt
ユーミンは相変わらず元気そうだけど、みゆきさん本当に元気なのかな。一番心配している。
0546ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/20(木) 18:12:44.80ID:3gdWj/lt
中途半端に終わったラストツアー もう一度やってほしいけどね。ライブできるのかな。
0547ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/20(木) 18:15:07.84ID:3gdWj/lt
あれはあれで終わったのならアルバム出してほしいね。
0548ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/20(木) 18:15:07.90ID:3gdWj/lt
あれはあれで終わったのならアルバム出してほしいね。
0549ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/20(木) 20:04:49.58ID:3gdWj/lt
江戸時代は税はお米だった。どうして税はお米だったか、武士の給料もお米だった。
どうして武士の給料もお米だったか、それは銭ばかりに執着していると、
あらゆるものを犠牲にして、自分の懐を肥やすことばかり考えるようになる。
それでは世の中というものは壊れてしまう。そのような考えがあったと言われている。
0550ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/21(金) 07:26:20.96ID:PrSKLAD8
「清流」

カウンター席に座るなり、マティーニを頼む女友達の真由美。そして差し出された
マティーニをすぐさまグイっと一気に飲み干した。
「いい飲みっぷりだね…」と僕が言うと、

「ねぇ、男って、本当にわからない…? 何でこんなことで怒るんだろう…?!
と首を傾げたくなることがあるわー 男と女の間には、なんか、こう深くて
大きな溝がある気がする… 考え方が根本的に違うのかな… 教えて!」

「そうだね、男脳と女脳って言われるくらい。脳が違うからね。当然考え方も違う… 
男脳は結論を先に求めるビジネス的思考かな。女脳は恋愛などで共感を求めるタイプともいえる。
女性は会話を否定することなく、受け入れて欲しいんだよね。自分を否定せずに
受容して欲しいんだよね。この辺を理解できない男はダメだね。

女性から悩みを相談されると、その問題解決することばかりにとらわれてしまう。
極端な話、問題解決なんて考えなくていいんだ。ただ相手の話の聞き役に徹すれば
いいんだよね。親身になって聞き役に徹して相槌を打ち慰めてあげればいいだけなんだよね…」

「そうね、確かにそうね。それと男は、なんでも論理的に考える人が多いよね…」

「男の論理的思考は目的達成志向の為の論理構築。そんな目的志向性になったのには原因があるんだ。
人類が命がけで狩りをしていた頃、男たちはどうしたら最も効率的に獲物を捕らえることが出来るか、
常に考えていた。それが最も重要な課題だった。そのため目的志向型の脳が発達したともいえる訳だ。

それに対して、その頃の女性は獲物にいつ襲われるかわからない為、常に周囲と頻繁に会話をして
お互いの存在を確認し合う必要があった。だから女性にとってコミュニケーションに目的があるのではなく、
コミュニケーション自体が重要だったともいえる。男が狩りに出かけた後のコロニーやコミュニティなどの
集落、共同体内での協調性が最も大切だったからだ。

他者との関係性がとても重要な要素だった為、女性は人の表情を読み取る能力が、
男性に比べて20倍以上も高いんだ!」「ええーっ! そうなの…」

「論理的と感情的という相反する思考する者同士が一緒に暮らしたりしていると、何かとお互いの
言葉や行動などの言動に " カチン! " と来たりして分かり合えない瞬間があって当然なんだ。
だから男脳と女脳の考え方の違いを理解することも大切なんだ」

 ――――――どうしても理解し合えない感情のすれ違いを防ぐには必要なことだね!
0551ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/21(金) 11:33:33.35ID:PrSKLAD8
>>550
下から4行目「相反する思考をもつ者同士」に訂正
0552ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/22(土) 07:22:36.93ID:sN63Eve1
「ピエロ」

癌で闘病生活を送っていた大学時代の友人の君塚が亡くなった...
俺たちがヨーコと暮らしていたアパートに来ていた。あの時のヨーコが
まだあのアパートで暮らしているという話を君塚から聞いていたからだった...

...あれからずっとここにいたなんて知らなかった......
 ...まるで時間が止まったように昔のままだった......

...ヨーコと一緒に居た頃が不思議と昨日のように感じる...
あの頃の俺たちは、いつも空腹でヨーコの好意に甘えながら暮らしていた。

もしかしたら… ヨーコは俺が迎えに来るのを待っていたというのか...
「バカな…」 ...昔、住んでいたアパートに来ていた...
.........
大家「古いから取り壊したかったのだけど、あの人がなかなか出てくれなかった
もんだから… 古くからの人だから、あまり邪険にも出来なかったしねぇ… 
家賃なんか来月分まで入っているしね…」
「そうですか... 一週間前に病院で亡くなったんですか…」

「それに、家賃なんか来月分まで入っているから、来月まで取り壊せないのよ… 
ほら、今は借りている人の方が、強いでしょ。そういえば昔、学生さんと
暮らしていたこともあったわね…」
「その後は彼女、ひとりだったんですか…?!」

「ううん、ひとりじゃないわよ。同居人がいたわよ…」
「そうでしょうね...」

「誰の間に出来た子か、知らないけどさ、ある時から
子供と一緒に暮らしていたわね…」「…!!」

俺は子供が預けられているという養護施設に行った。「あの子がそうよ…」と
施設の園長に教えてもらった。 

「立ち入ったことをお聞きしますけど、あの子の父親はわかっているのでしょうか…?」 
「わかりません。私生児ですから… ただ私が、それじゃ後であの子がかわいそうだから… 
と聞くと、同じアパートで暮らしていた将来ある人ですから、名前は申し上げられません。
苦学なさっていた学生さんとの間に出来た子です…」「...」

「出世したら必ず、子供を引き取りに来ると言ってくれました。ですから、
その時まで預かってください…」「じゃあ、その方とあなたは将来、ご結婚なさるのね…」
「いえ、あの… 私はその人と結婚は出来ません。あの… 約束している人がいます。
必ず、迎えに来ると言ってくれた人がいますから…」

…まさか、俺のあの時の言葉を信用して......
「俺は明日、このアパートを出ていくけど、必ず、お前を迎えに来てやるからな…」 
 …まさか、あの言葉を信じていたなんて...
俺がアパートを出て行ったあと、君塚と一緒だったはず...  

俺たち夫婦に子供がいなかったせいもあって、意外にスムーズに事が運んだ...
これが俺に出来る亡くなったヨーコに対しての精一杯の罪滅ぼしだった... 

「おとうさんもやさしいけど、さいきん、おかあさんもやさしいよ!」
...気のせいかもしれんが、日が経つにつれ、
            この子は益々ヨーコに似てきている...

        
0553ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/22(土) 08:00:02.57ID:sN63Eve1
>>552
下から10行目の語尾に追加訂正
「迎えに来ると言ってくれた人がいますからとおっしゃっていました…」
0554ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/22(土) 08:23:05.82ID:sN63Eve1
>>552
下から14行目
「苦学なさっていた学生さんとの間に出来た子ですと言っていました…」に訂正
下から12行目
「じゃあ、その方とあなたは将来、ご結婚なさるのねと私が聞いたら…」に訂正
0555ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/22(土) 09:05:17.26ID:sN63Eve1
男の哀愁を歌わせると上手いよね。味のある声をしているからね。
aiko、きゃりーぱみゅぱみゅじゃダメだね!
0556ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/22(土) 14:13:17.59ID:sN63Eve1
「わたしの子供になりなさい」「3分後に捨ててもいい」「紅灯の海」「ローリング」
「カーニヴァルだったね」などは中島みゆき独特の世界だね。いくらでもストーリーが作れそうだね。
0557ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/22(土) 16:09:59.66ID:sN63Eve1
困難な状況になると、人はそこから抜け出そうと考える努力をする。
平穏な状況に甘んじていると、考える努力をしなくなる。

これからは大変な時代が待っている。大切なのは
何が大切か見極める力だと思う。最終的には自分で決めなければ
行けない状況というものが生まれてくると思う。

日本人が目覚めないと、ある意味この世界は終わると思っている。
次の文明のカギを握っているのは日本人の心・魂・意識だと思うね。
0558ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/23(日) 07:39:54.66ID:OjitmSme
「線路の外の風景」

とにかくどこか、この都会の喧騒から離れて忘れることが出来る場所に行きたかった。
自分を探す旅… そんなあてのない旅に出てから、どのくらい経ったのだろう―――

そんなあてのない旅の途中、いつもとは少し違う空気を感じた。それは新鮮であり懐かしくもあった。
でも、それはどこか寂しく、視界の端では名も知らぬ花が寂しそうに揺れていた......

電車に乗り込む。乗客はそれほど多くはない。座席は殆ど空いていた。
私はそこに座ろうとはせずに、ドアの前に立って、窓の外の風景に心を傾けた。
走る電車… その窓から見える風景… この電車には初めて乗った。

――― でも、見たことがない風景のはずなのに、
          何故か、どこかで見たような懐かしさを感じる ―――

ひょっとしたら ――― 遠い昔の記憶の底にあるのかもしれない ― と思った。

色んな事があった ――― あれから様々な事情が重なり、色々と遠回りした。
そんな紆余曲折な人生だった。

心は今どこにあるの――― そこまで考えて... 考えるのをやめた。

再び、車内に視線を移すと、先程よりも乗客が増えていたことに気付く…
座席もほとんど埋まっていた。

乗客たちは、それぞれ雑誌に目を向けたり、隣同士で会話をしたり、眠っていたりしている。
年齢性別様々… 姿は違っても中身はみな同じなのかもしれない… 外見なんて
どうにでも繕うことはできるからだ。

  ―――そんな時、一人の幼い男の子と目が合った! ―
" 思わず視線が合い! "   ………私はそのまま固まってしまった………
    その子が、―――こちらをジッと見つめていた。 
 
なにごともなく一日が過ぎ去っていたあの頃は苛立っていた
決められて歩くのが悔しかったんだ

何も疑わずにレールを 何も違わずにレールを
ただ素直に進んでゆく娘たちが――― ぬるく見えた―

荒れ果てた地面の隙間に 朽ち果てたレールが寝ていた
そんなものあたしのじゃないと――― 行く先も確かめなかった―

でも、夜に思い出したんだ 夢の中思い出したんだ!
あれはあたしの夢のレールだ 走ろうとしていたあたしだ

決められたレールの上を走るのも、自らレールを敷いて走るのも
走ってみなければわからない――― 何事も経験だ―

―――――――――そこから得るもの学ぶものが必ずあるはずだ!
0559ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/23(日) 09:50:49.48ID:OjitmSme
前世で殺された男性が生まれ変わって事件を解決/幼児「わたしはあなたにころされた!」
自分が殺された記憶をもつ男の子が過去の事件を解決。その男の子には殺された後、
埋められた記憶もあったということは死後も魂として『意識の記憶』があったことになる。

このような前世の記憶を持つ子供たちの例は世界中で報告されている。
誰にでも今生きている現在とは違う過去の記憶が眠っている。
色んな経験をする為に生まれていているともいわれる。だが誰も本当のことはわからない。
0560ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/23(日) 10:06:09.37ID:OjitmSme
>>559
「生まれてきているともいわれる。」に訂正
0561ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/23(日) 11:33:59.36ID:OjitmSme
>>558
末尾
「―――――――――そこから得るもの学ぶものが、必ずあるはず…  」に訂正
0562ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/23(日) 15:52:35.74ID:OjitmSme
今、私たちが生きている一生は、果てしなく長い悠久の魂の歴史の一コマ、
一瞬の時間なのかもしれないね。そう思うだけで不思議と心にゆとりが生まれてくる。
0563ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/23(日) 16:12:30.61ID:OjitmSme
旅をしていて、人生そのものも旅ではないか、そして魂も果てしなく長い旅をしているのではないだろうかという想いが常にあったからだ。
0564ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/24(月) 06:02:25.94ID:TVQUWJkv
清水ミチコ、ユーミン本人やそのファンも含め何かと中島みゆきが気になるんだろうね。
ただ一言いいたいのは、片方を持ち上げるために利用するのは良くないね!
比較広告と同じだからね。昔、夢の遊民社や女性誌がユーミン&みゆきでよくやっていたね。
中島みゆきはどこ吹く風で相手にはしていないだろうけどね。
0565ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/24(月) 06:13:34.41ID:TVQUWJkv
比較広告をしちゃいけないのは、これの影響を最も受けるのが女性だからだ。
もっとも簡単な心理操作ツールだからだ。清水ミチコはこいつは好きじゃないね!
0566ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/24(月) 06:31:04.90ID:TVQUWJkv
タレントとして笑いを取るなら、比べる両方の笑いを取るネタが必要だね!
これにはタレントとしての真価が問われるくらい才能がいるんだ。
そのようにちょっと違う角度で見る僕はタレントの才能の評価は
一般の人とは違うかもしれないね(笑)
0567ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/24(月) 07:06:32.69ID:TVQUWJkv
この世界では女性は商品。女性はその辺を心得ていて、自分を高く売ろうとするところが必ず
心のどこかにある。自分を必要以上に飾ったり、美しく綺麗に見せようと努力をする。
その為のアイテムが街中に溢れている。その為だけに生きているようなもの。美しいもの

綺麗ごとに弱い。それは決して悪いことではない。ただそれだけになっている女性がほとんどだ。
僕が中島みゆきという女性アーティストに興味を抱いたのは、女性が人前で言えない語れない
ことを歌詞で表現しているからかもしれない。そんな独特の感性はある面、女性性を商品化

しているアーテイストにとっては比較広告に対象にしやすい面もあるから困るんだけどね(笑)
そこがまた中島みゆきの良さでもある(笑) 分かる人はわかると思うけどね。
0568ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/24(月) 07:08:13.94ID:TVQUWJkv
>>567
比較広告に×
比較広告の〇
0569ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/24(月) 07:38:05.11ID:TVQUWJkv
「最悪」

ツイてない時ってあるもんだ! 犬に噛まれた! あの忌々しい犬め!!
初めて訪問するお客の家だった...

チャイムを押そうとしたその時だった! 玄関に繋がれていた犬が、" 突然! "
唸り声を上げずに、ガブっと来やがった! 「痛い!!!」…慌てて飛び退く俺…

そりゃそうだ! 犬に噛まれりゃ、痛いわな… くそっ! どうして、
どうして玄関先に立っただけで、こんな目に合うんだよ!
どうして? なんだよ! くそっ! くそったれ!

今日は朝から、ツイてないことばかりだ!
ここんとこ、家に帰ればテレビがつけっぱなしだったり、スマホいじってて
電柱に頭ぶつけたりと、彼女に振られてから最悪だ! とりあえず病院で
手当てをしてもらい会社へ帰社したのは、13時半過ぎだった... 

課長が「お前がボーっとしているからだよ。もう今日はいい。
年休も消化しなくちゃならんし、お前、もう帰れ!」だとさ…

俺が余程しょんぼりしていたのか… 事務の山本さんが、
「ねぇ、酷いよねー その犬。蹴とばしてやりたいよねー!」と
ボールを蹴るように足を振り上げるので、俺の頬は思わず緩んでしまった。

昨日、目覚ましをかけるのを忘れてアラームが鳴らなかった。
そのため仕事にはギリ間に合ったものの調子悪く、挙句の果ては犬に噛まれるし
踏んだり蹴ったり... その末、「帰れ!」と言われてしまった。

会社から外に出ると、いきなり雨が降って来た。もちろん傘なんて持っていない。
近くのコンビニで買おうと思ったが、財布がない! 家に忘れてた。スマホの充電は切れてた。
そんなこんなであたふたしていると、本格的に降って来た。大雨だ… 近くで雨宿りし、
雨が止むのを待つ… 中々止む気配はない… 仕方なく、小降りになるのを待つ…

小降りになったので、近くの友達の家に入れてもらおうと思って電話してみたが、
友達は留守。仕方なく、歩いて帰る途中で、車に水たまりの水をバシャッとかけられる始末…

本当にツイてない。ここまでツイてない日は初めてだ! 家に帰りソファに座り、
暫くしてから、冷蔵庫からキンキンに冷えた缶ビールを取り出し、ソファに座り
" プシュッ! " いざ、飲もうとした時、手元から滑って、股間にぶちまけた!

座っていたソファも… 慌ててソファを拭いた為、勢い余って身体が
横のテーブルに強く当たり、テーブルの上に置いてあった。

ー まだ開けてないブランデー瓶まで床に落とし割っちまった! ー 
「ああぁー―― ツイてねぇー 最悪だ!!!」―――――――――
0570ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/24(月) 08:40:42.52ID:TVQUWJkv
>>567
下から3行目「女性を商品化」に訂正
0571ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/24(月) 08:50:31.95ID:TVQUWJkv
かなりの速度でキーボートを叩いているので誤字脱字は頻繁に発生します。
許容範囲のうちと大目にみて許してください。
0572ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/24(月) 16:19:33.27ID:TVQUWJkv
「誰を信じて付いていけばいいの?」これが大体、女性の根底にある。だからどうしても思考停止になって
宗教に走るのも、誰かについていくもの分かる。自分で決めたわけじゃないから、目覚めた時、後で人のせいにする。
常に周りの影響を受け人に左右されるのが女性。女性もしっかりした自分の考えが持てるといいね。
そうなって初めて女性の自立という言葉が生まれてくると思うんだ。

どんなことでも結局は自分で決めなければいけないからね。女性も自分なりの哲学が持てるといいと思う。
哲学といったら、ヘーゲルだとかプラトンとか、西洋哲学を持ち出し難しく形式的学問のように語るのがいるけど、
そうじゃないんだ。本質を見極める目や考えを育てること。普段から色んなとこに目を向け考える
習慣をつけることが大切だと思う。これは生きる上で非常に重要なことだと思う。

中島みゆきの場合、歌詞の解釈も人それぞれに任せているところがとてもいいところだと思う。
0573ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/25(火) 07:24:20.49ID:wxIIZbB6
「with」

 ―――深夜12時を過ぎていた――――――
人気のない小さなオフィスで一人、パソコンの電源を落とした。
僕は両手を伸ばし大きく天を仰いだ。

一日中、パソコンの画面と睨めっこするだけの仕事に身も心も疲れ果てていた。
何度か方と首を回す。給湯室で熱いコーヒーを淹れる。。。

コーヒーカップを持ち、深夜の窓の外を眺めていた...
――――――都会の景色がパノラマのように広がって見える。

29階からの景色は圧巻だ。この景色を見ている時だけが、
疲れ切った心にほんの少しだけ人間らしい気持ちが取り戻せる時間だった...

でも夜空に広がる満天の星空に比べたら、何とも言えない無機質的な灯りにしか映らない… 

今、世の中のことにみんな疑心暗鬼になっている。
みんな自分のことばかり考えている...

僕の言葉は意味をなさない。まるで遠い砂漠を旅しているみたいに感じる時がある...
人の心も、この建物のようにガラスの城の中にいるみたいだ...
―――みんな自分のことで精いっぱいみたいだ―――

子供の頃はこれから苦楽を共にする恋人や仲間に出会うことを当然のように
思って夢見ていた。でも、大人になるにつれ、人は自分のことで
精いっぱいになっている...

誰かと何かを分かち合えるような余裕なんてなくなっているんだ...
  ……僕の言っている言葉は彼女の心の届かない……

.........
ゆらゆら揺れる炎を前にして座っている。もう、日は落ちた。夜空に星が輝いている…
焚火の炎をいつまでも見ていた。今、俺は都会の喧騒を離れ、一週間休みを取って
キャンピングカーをレンタルしてオートキャンプ場に来ていた...

―――今でも親父が亡くなる一週間前に言っていた言葉を覚えている―――
...あれは蝉が鳴く真夏の暑い時期だった......

「今、鳴いている蝉は、一週間しか、この世に生きられないから儚く可哀想と言うやつがいるかも
しれんが、でも、奴らはたった一週間で、この世のすべてを感じ取って生きているんだ。

奴らの一週間は我々愚かな人間の一生に値するんだ。この世で生きるたった一週間の夏の大切な
時間の為に残り6年間、長い場合は10年間もの間、幼虫のまま土の中で過ごしている...

人はお金を大切にするけど、時間を大切にする人間は少ない。生きている時間を大切にしないと、
あっという間に終わっちまう... 人生は俺に取っちゃ…  ほんの一瞬だった... 

人生なんて一瞬だ! 蝉と違って人には人として与えられた時間があるんだから… 
大切な時間をどう使うかだ。もっと時間を大切にしろよ…」

 生きる意味を持って生きることが出来るのも人間だけかもしれない
―――これから一週間のキャンピングカーの旅に出るつもりだ――――――
0574ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/25(火) 07:29:15.15ID:wxIIZbB6
>>573
5行目 
方×
肩〇   
0575ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/25(火) 12:18:56.98ID:wxIIZbB6
女性は男と違って、街歩いていてアスファルトの割れ目から目を出して逞しく咲いて
いる雑草の花の逞しさを見て「よし、私も強く生きよう…」これでいいと思う。

パスカルの『考える葦』はファルス主義が根底にある西洋哲学から生まれた考え。
フェニズム運動が生まれた原因も西洋人のものの考えにある。レディファーストの
表の理由とは違う本当の意味を知ると分かると思うね。根源にあるものが...

『考えない葦』でもフラフラしながらでも生きていける強さがあるのが女性なのだ。
そこか男にない強さだと思うね。全ての生命の根源が雌だからだ。人間も...
0576ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/25(火) 12:25:57.33ID:wxIIZbB6
>>575
フェニズム×
フェミニズム〇
0577ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/25(火) 21:00:21.97ID:wxIIZbB6
男性至上主義と男女同権の社会の根底にあるもの日本人はどうしてもレディファーストは馴染まない。
女性を前に歩かせることは危険が多かった。だから日本男児が前を歩き女を後からついていく形をとっていた。

これが日本の武士道精神の名残。表向き白馬の王子様に見せる騎士道精神とは真逆なのだ。
今はレディファーストなんてしていると女の尻にひかれていると思われるのがカッコ悪いという意識が
どうしても働いてできない日本男児(笑)

そう思う時点で意識の底に男女同権意識が根底にある。欧米人は男が上という意識が常に根底に
ある為、女の尻にひかれて見られることをあまり意識しない。財布のひもはしっかり男が握る。
絶対に女には握らせないのだ。日本がそう言う西洋的考えが入って来たのが明治維新。
0578ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/25(火) 21:04:22.39ID:wxIIZbB6
>>577
【男性至上主義と男女同権社会の根底にあるものの違い】で区切る。
人間の心理ほど複雑なものはない(笑)
0579ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/25(火) 21:18:23.60ID:wxIIZbB6
多くにヨーロッパ系言語=ロゴス 人間=男を意味した。
女子供は弱いもので、教育したり、教えたりコントロールするもので
隷属物という考えが根底にある。哲学は男の学問。ロゴス=男を意味するからだ。

今までの物の価値が中心だったアングロサクソン文明から心などの精神に
価値を置く日本文明に移行している今、古くからの男女同権の日本人の心・意識・魂 精神か重要。
東洋哲学・思想自体が男女同権の考え。
0580ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/25(火) 21:19:38.85ID:wxIIZbB6
>>579
多くに×
多くの〇
0581ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/25(火) 21:31:05.23ID:wxIIZbB6
日本人は日本語を大切にしなければいけないね。自国語を大切にしない民族は滅びるからね。
0582ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/25(火) 23:32:35.01ID:wxIIZbB6
旧約聖書、聖書、死海文書、ホピ族の予言の救世主は日本をさしている意味は
世界がこの日本人の【魂・心・意識・精神の目覚め】気づくか気づかないかの事ではないだろうか、

気づかなければ、何かが起きて滅ぼされるかもしれない。ガイアの法則は宇宙の法則でもあるからだ。
ペテルギウスの新星爆発がおきてガンマ線バーストが地球を直撃して地球そのものがこの世から消えるか
ポールシフトが起きるのか、隕石の衝突が起きるのか、地球を回っている人工衛星が落下するのか、

何かが起きる可能性がある。こんな荒唐無稽なことを言ってしまったが、決して荒唐無稽とは
いえないことが起こりえる。これはちょっと言い過ぎたかもしれないがわからないのだ。

宇宙の法則、ガイアの法則と日本文明の【精神・心・魂・意識の目覚め】はリンクしている可能性があるからだ。
どんな権力を持った人間もこの法則に逆らえないからだ。全てのものは繋がっているからだ。
これは決して荒唐無稽の話ではないかもしれないからだ。多分、この世界は我々の物差しで
見ている間は本当のことはわからないだろう。
0583ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 07:02:02.61ID:dMafQwnk
GHQが行ったthreeS政策、愚民化計画などは大和魂(心・精神)などの意識を腑抜けにする政策。
本来日本人は好戦的民族ではない。友好的で思いやりのある民族なのだ。ただ戦えば強さが半端ない。
レベチなのだ。この根源は【日本人の魂】この本来持っている日本人の持つ【精神・心・意識・魂】
良さがこれからの世界の重要なカギを握っている。
0584ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 07:31:58.60ID:dMafQwnk
今この世界は支配するものとされる者の力関係で成り立つ。バチカンも王族も、王室も
グローバリストと呼ばれる資本家が支配する。通貨発行権を握る者による支配世界。

人口削減は地球という生命体の意識が働いているのかもしれないけど...
これらの支配者たちが日本人の良さに気付いてくれるかだろうね。
僕が言えるのはここまでだね。
0585ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 07:42:06.44ID:dMafQwnk
人類の存続、この世界の価値観を大きく変えられるのはキーワードはずばりこの日本なんだよね。
そこに世界を支配する者たちが気づいてくれるかに全ての命運がかかっている。これに尽きる。
0586ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 08:21:47.74ID:dMafQwnk
国家なんてものはもう存在していない。株式会社が有限会社。この価値観がどう変わっていくかだろうね。
0587ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 08:22:30.11ID:dMafQwnk
>>586
株式会社か、有限会社
0588ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 11:11:19.38ID:dMafQwnk
この宇宙に必ず一方向に行き過ぎたバランスを取ろうとする逆の働きが必ず生まれてくる。
今までと全く価値観の違う世界になるはず。全てはバランスだからだ。
0589ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 12:23:20.16ID:dMafQwnk
なんだかんだ言っても、我々の力ではどーすることも出来ない。
だからグローバリストには期待している。決して一枚岩ではないと思う
グローバリストから必ず日本が中心となってやっていかないと
ダメだという動きがでてくることを期待している。
0590ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 13:18:03.48ID:dMafQwnk
ここ、みゆきさんは見ていないだろうけど、ユーミンは見てるだろうな。スタッフも
それ以外の想像もつかない人たちが見ているだろうな。中島みゆきのスレなのに
みゆきさんと全く関係ない人たちも見ているだろうね。
日本が世界を変えると信じている。
0591ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 18:22:17.93ID:dMafQwnk
物質的価値の時代から心・精神・魂・意識の価値の時代への変化とは
お金や物質的価値で支配してきた人間を心を動かすのは感動や心の浄化(カタルシス)
ではないだろうか
古来から【心・意識・精神・魂】に重きを置いていた日本人の役割だと思う。
0592ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 18:23:33.09ID:dMafQwnk
>>591
人間を×
人間の〇
0593ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 18:33:27.91ID:dMafQwnk
【鬼の目にも涙】絶対的権力に対してこれが出来ればこの世界を変えられる。
その役目が日本ではなかろうか。物質的価値のアングロサクソン文明から
精神的価値の日本文明の意味するものはこれ以外あるだろうか...
人を動かすのは...
0594ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/26(水) 19:14:00.59ID:dMafQwnk
多分、武士道精神みたいなものだろうな この日本人の精神。外国人好きだからね。
0595ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/27(木) 06:31:06.71ID:2LH1oz49
>>582
何故ヤップ遺伝子は神の遺伝子と言われるのか  日本人が持つ精神性なのか
高次元との繋がりなのか 分からん
0596ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/27(木) 06:36:28.69ID:2LH1oz49
多分、GHQが禁書として焼却した文書の中にあったのかもしれない...
0597ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/27(木) 08:46:48.23ID:2LH1oz49
女性は理屈じゃないとよく言われる。日本人は理屈では説明できないものが
日本人の中に眠っているのかもしれないね。
0598ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/27(木) 09:23:39.71ID:2LH1oz49
「アリア -Air ―」

イタリアのフェレンツェ郊外。立ち並ぶ家々を通り越し、石の敷き詰められた長い坂道を
上がると、ポツンと見える小さな工房。アトリエも兼ねたそこは赤いレンガ造りの建物で、
所々色が変色していたり、割れていたりと随分と古い印象を与える。

しかし、古いには古いなりに味わいがあり、使い込んだ建物ならではの風格がある。
入り口に書かれた看板には、{ジャンカルロの靴工房フェリチータ}と書かれてあった。
ここの靴職人ジャンカルロは、今日の予約客を待ちながら掃除をしていた。

" カランコロン! " と軽やかな扉の鈴が鳴った! 「いらっしゃいませ!」と
扉の方へ歩み寄ると、常連客のガブリーニ夫人と彼女に手を引かれてややふてくされた表情で立つ少女がいた。
「お久しぶりです! 今日も、とてもお綺麗ですね。奥様」「ありがとう。電話で話した通り、
今日はこの子の靴を新調してほしいの…」と夫人は娘の背を押してこちらへ近寄らせる。

娘は顔をしかめたまま、こちらを見ようとはしない。何かあったのだろうかと思いながら
夫人へ視線を戻して問いかける。「デザインや色も電話で話した通りに良かったですか?」
「大丈夫、この子、ヴェネツィア音楽院に入れるの。もう行かなきゃいけないの…
おじさんに、ご挨拶しなさい… アリア!」 --------- あれから数年後。

- ブラボー! ブラボー!! ‐ 止まらぬ歓声が飛び交う
ミラノ・スカラ座の舞台中央に彼女はいた ………

高音は信じられないほど正確、響きは柔らかで、まさに天使のようと絶賛されていた。
この舞台の前から大きな話題を集め、史上最年少ソロリストデビューを果たしたのだった。

オペラ界が注目期待する新人の誕生だった。
「よく頑張ったね。アリア!」と幕が下りた楽屋で真っ先に声をかけてくれたのは恋人のエリオだった。
「ありがとう。エリオ…」と高揚し紅潮した顔でアリアは言った。

彼エリオと出会うまでのアリアは今夜歌った『夜の女王のアリア-歌劇』もそうだけど、
アリアを歌っているんだけど、何かが足りないと感じていたのだった。

このソロパートのアリアを歌っていても、自分で納得できる歌声になっていない自分がいたのだった。
そんな時、エリオという頼りになる彼が出来て以来、アリアをきちっと歌える自信が何故か自分の中に生まれた。
アリアをきちんと歌えるのは、どこかで自分のアリアを歌っている人と出会った時と思っていた。
受けとめられて生まれる。受け合った時に波が生まれる。

共鳴した時に人と人の関係が生まれる。それが相聞。自分の為だけに歌うのではない。
響き合う相手の歌と共鳴するために自分の歌を歌う。彼女は一時は自信を失ったアリアの独唱曲を
自信をもって歌えるようになっていたのだった。
0599ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/27(木) 23:08:39.47ID:2LH1oz49
縄文時代の人と人が助け合う心、支え合う心。お互いに責任を共有する新しい社会を
築けるのはこの古来の精神を持つ日本人だと思う。他者を大切にする意識を持つ

日本人のヤップ遺伝子。争いを好まない助け合いはぐくみ合う精神。
これがこれから日本人に課せられた使命だと思う。

古来からこういう意識の高い魂を持つのが日本人なのだ。人類の大転換期の大きな
カギを握るのは、ずばりこの日本であり日本人だと思う。
0600ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/27(木) 23:30:45.09ID:2LH1oz49
これが【Dの意思】の本当の姿。争いや戦う意志ではなく本当の友愛の意思ではないだろうかと思う。
0601ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/27(木) 23:41:19.93ID:2LH1oz49
ただ不安なのは、今ままだと台湾有事をきっかけに中国と戦争させられてしまう。
争いに巻き込まれてしまう。日本はアメリカの言いなりだからだ。

表向きは植民地ではないが、事実上日本はアメリカの植民地みたいなものだからだ。
どうしても日本を戦争に巻き込もうとしている人たちがいるのも事実だからだ。
そうなったら終わりだ。戦争したくなくてもさせられてしまうからだ。
0602ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 05:12:32.70ID:QHZqb3p8
この国日本が二度と戦争を起こしてはいけない! 争ってはいけない! 戦ってはいけないのだ!
それを世界に向けて示さなければいけない! それが本当の【Dの意思】なのだ!!
それが本当の【Dの意思】友愛の意思なのだ!!!
0603ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 05:41:43.40ID:QHZqb3p8
日本はイーロンマスクが言うように、ほっておいても人口は減っていく。人口削減の対象国ではない。
じゃあ何故狙われるかについてはここでは語れない。戦争で人口削減を考えると世界は確実に終わる。
最終戦争まで行くからだ。でもこれを起こしたい人たちがいるのも事実なのだ。軍需産業、軍産複合体

などで金儲けしている人たちだ。世界はその支配下にある。戦争は茶番であり、それで何も知らない
多くの人々が死んでいく。世界の99%の人々は何も知らない。国同士で争って何になる。仮想敵国を
作られて争って死んでいくだけだ。どの国も争いたくないのに、戦いたくないのに戦わされ死んでいく。

これに歯止めをかけられるのが日本人の遺伝子の中にある戦わない意思【Dの意思】なのだ。
日本が世界に示せるのはこれしかないのだ。これをガンジーのように貫くことしかないのだ。
世界中が金儲けのための戦争をさせられ憎しみ合い殺されて死んでいく。人口削減が目的なら

爆発的に人口が増えてる国に避妊の教育を徹底的にしていけば済む問題だ。これ以上人口を
増やさなければ済む問題なのだ。そうすると後は世界の人口は自然と頭打ちになり。減っていく。
大きな問題は金もうけのための戦争をさせられているということだ。必ず日本は標的にされる。
0604ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 05:55:31.07ID:QHZqb3p8
日本という国は存在しない。
日本株式会社なのだ。アメリカ株式会社、イギリス有限会社... というように
その下の単なる労働力、奴隷に過ぎないのだ。
0605ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 06:13:50.13ID:QHZqb3p8
今人類は生き残るか、滅びるかの最終段階に来ているのだ。第三次世界大戦はもう既に始まっているからだ。
その真っただ中でもある。それを阻止できるのはこの国日本、日本人の中に眠る。そして受け継がれた
染色体、ヤップ遺伝子が持つ戦わない意思【Dの意思】しかないのだしかないのだ。
始まった人類は滅びる最終戦争まで行く。そしいこの世界は確実に間違いなく終わる。
0606ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 06:15:44.78ID:QHZqb3p8
>>605
【Dの意思】しかないのだ。
そして始まったら人類は滅びる最終戦争まで行くからだ。
0607ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 06:18:33.93ID:QHZqb3p8
>>603
世界はマッチポンプで戦争させられているからだ。
0608ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 06:29:52.57ID:QHZqb3p8
>>605
そしてこの世界は確実に終わる。
0609ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 06:36:42.95ID:QHZqb3p8
宇宙人、UFOはこの次元にはいないだろう。UFOはナチスがすでに開発していた。
いるとすれば、高次元から、この宇宙レベルが最も低いこの天体を心配そうに観察しているだろう。
0610ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 06:49:45.99ID:QHZqb3p8
最終戦争まで行くと、二度とこの地球という惑星に住むことは出来ないだろう。
火星のような天体が未来の地球の姿になるからだ。
0611ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 06:59:54.73ID:QHZqb3p8
>>609
低レベルなお金という紙切れの欲にまみれて身を滅ぼしていく哀れな人類の姿を
心配そうに見ているだろう。欲望任せた行きつく先がはっきりしているからだ。
まだまだ人類の【意識・心・魂・精神】が低レベルなのだ。このレベルの進化が低いのだ。
この意識を変えられるのが日本人の役目だろう。
0612ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 07:32:07.89ID:QHZqb3p8
全ては金儲け主義でこの世界は回っている。手っ取り早く一番金が儲かるのが戦争だからだ。
軍産複合体、軍需産業にとって。この近代の紙切れペーパーが信用お金の価値になったのは
王族から金品財宝を預かりその預かり書を渡していた。簡単に言うとその預かり書が銀行券の始まりだ。

本来金価格と同等でなければならない。その金本位制を廃止して、勝手に擦りまくったことが
現在の資本主義経済の破綻の原因だ。勝手に擦りまくってそれを回収しているに過ぎないのが
今のシステム。大まかに言うとそういうことだ。一部の人間に富が集まるシステムになっている。
0613ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 07:45:04.50ID:QHZqb3p8
詐欺システム 「騙された方が悪い」 これが世界の流れになったのはここからだ。
でも、日本だけは「騙した方が悪い」価値観 日本が何かと狙われる原因が
これだけではない。この簡単な詐欺システムが世界を支配しているに過ぎない。
これのいくつ着くところが一番儲かる戦争。そして行き着く先は人類は終わる。
この惑星も火星と同じ末路をたどることになる。

どんなことでも正しいことと信じ一方向へ進み過ぎると崩壊が始まり終焉を迎え終わるからだ。
完璧正しい答えはないからだ。何事もバランスが大切なのだ。
この崩れたバランスを立て直し人類を救うその役目が日本人の役割だと思うのだ。
0614ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 10:30:38.37ID:QHZqb3p8
本当に人類が今までの価値観とは全く違う価値観を持って本当に頭を使って乗り越えないと
乗り越えるのは難しいのではないだろうか… 今までの価値観を継続するようでは
ダメだと思う。
0615ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 10:54:44.16ID:QHZqb3p8
そのためにはいま世界を支配している人たちが隠している全てを公開し、
人類全体で考えば解決策は見つかるかもしれないが、これはまず、今の現状では無理だ。

私を含め世界の99%は何も知らされていない。
何も知らされていないこの状態で解決策を問われても何も浮かばないからだ。
世界を探せは、人類にとって素晴らしい解決策を探せる優秀な人材は必ずいるはず。
0616ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 11:28:51.56ID:QHZqb3p8
【宇宙の法則で物質的価値観から精神的価値観へ大転換している現在】
同じ価値観の継続ではダメだと思う。>>582で言ったように我々は
地球という生命体の掌。宇宙の法則の中で生かされているからだ。

全てはバランスで成り立っている。人の心から宇宙、神羅万象全体まで
見える世界から見えない世界まで全ては繋がっているからだ。

この世界だけ見ていると分からない。この世界と重ね合わせの
見えない世界で一つの世界だからだ。ロゴスも言葉で語っているうちはダメだ。
空間で認識した形状を持つ言葉も必要だ。まだまだ必要なものは限りなくある。
0617ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 11:31:55.05ID:QHZqb3p8
>>582
誰が人類をこの地球を限りなく良い方へ導いていけるかだと思う。
0618ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 12:01:22.67ID:QHZqb3p8
物欲はどこまでも限りない。そしてどこまでも限りなく渇いた欲望だからだ。
0619ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 15:17:46.98ID:QHZqb3p8
我々一人一人の意識と宇宙の意識は繋がっている。だから【意識・心・魂・精神】が
物質的世界感より遥かに大きいことをほとんどの人は知らない。
宇宙文明レベルで言えば物質中心の世界は低レベルの世界なのだ。
0620ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 15:33:48.73ID:QHZqb3p8
こういうこと言うと女性は直ぐ綺麗ごとの世界に走りやすいが、答えはない。
ポジ・ネガは量子もつれのように重ね合わせだ。全てはバランス。
人の心も宇宙も、正しいものはない。一方向に行かないようにする

絶妙なバランスで成り立った世界。ポジ・ネガすべてを認め受け入れる心
太極図のような相反するものが重ね合わせで一つの世界を作っている
と考えた方がいい。女性はすぐ綺麗ごとで答え探しをしてしまうが...
0621ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 15:54:07.86ID:QHZqb3p8
闇があるから光り輝く 善があるから悪がある マイナスを悪者にして、
なくそうとすればするほど、バランスを崩し、崩壊する。プラスマイナスゼロのバランス
全てを受け入れる【心・意識・魂・精神】例えば、やくざは悪いからやくざを
この世から排除して全てクリーンにしたとしても新たな問題が発生してくると言うように
悪だから、汚いものにふたをする単純なものではない。どんなものでも存在意義がある。

必要悪というものがある以上、問題は比率の問題なのだ。全て悪いものをなくす考えではなく
善に対して悪の比率が表に出で来ない比率でやくざは必要悪ということになる。

やくざな生き方をしたものは、その生き方のバランスは肉体の死後の世界で取らされる。
この我々が生きている世界だけでは語れない。見える世界と見えない世界で実に
うまくできた世界なのだ。高次元に行きたければ魂のレベルを上げる。

人を騙したり、悪いことして世渡り上手に生きている人をズルいとみるのは
一面に過ぎない。その人間はその分のバランスをこの世のどこかで、死後とらされるからだ。
全ては因果応報だと思っている。重要なのはこの試された世界での生き方だと思うね。
0622ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 15:56:16.34ID:QHZqb3p8
>>621
表に出で来ない比率×
表に出てこない比率〇
0623ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 15:58:15.47ID:QHZqb3p8
>>621
この世のどこかでか、又は死後の世界で取らされるからだ。
0624ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 16:14:33.45ID:QHZqb3p8
僕は中島みゆきと松任谷由実どちらを選ぶかというと前者だ。これは好みの問題だ。
僕個人としては全く松任谷由実からは得るものがないからだ。これはあくまでも
個人的な問題であり、どちらが良い悪いの問題ではない。ただそれだけだ。
0625ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 16:45:35.55ID:QHZqb3p8
支配する側も、力の主従関係だからトップに行かないととはいえ支配者のトップも
我々が思っているほど幸せじゃないよ。誰一人信用していない。信じられるのは
自分だけのはずだ。お金がいくらあっても、満たされない心を抱えている。

「隣の芝は青く見える」実際にその立場、その世界いるのといないのでは
分からないからだ。われわれが思っているほど心は自由ではないと思う。
ずっと続いてきた暖簾を必死て守っているのだと思う。

それぞれの世界にそれぞれのプラスマイナスがある。
その中で生きていくヒントを探して生きているに過ぎない。
大切なのはその生き方だ。
0626ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/28(金) 17:09:50.83ID:QHZqb3p8
この人類の大転換期に今までの価値観を続けていくのか、全く違った価値観で生まれ変わるのか
全く違った価値観に生まれ変わるのには大変な勇気がいる。ずっと続いてきた暖簾を継続する側の
人間ほど勇気がいるものなのだ。でも宇宙の法則、ガイアの法則、宇宙の意識が
【物質的価値観から精神的価値観へ移行している】本当に勇気のいる決断がいると思うね。
0627ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 00:32:36.61ID:Pg3sCoOk
資本主義、社会主義、共産主義は今までの価値観 それとは違う本当の民主主義的なもの
の価値観ではないだろうかと思う。ガイアの法則(宇宙意識)が我々人類に求めている

今までと全く違った価値観とは これはあくまでも僕の考え 資本主義経済、社会主義経済
、共産主義経済などのシステムは今まであった価値観。それとは違う価値観を我々人類に
宇宙の意識は求めている気がしてならないのだ。これはあくまでも僕の個人的見解だ。
0628ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 00:35:39.55ID:Pg3sCoOk
>>627
【物質的価値観から精神的価値観へ移行した現在】
0629ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 00:48:34.51ID:Pg3sCoOk
>>599
それは日本古来の縄文人の暮らしの中にヒントがあるのではないだろうかと思う。
だから【日本文明】なのだ。
0630ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 01:11:46.34ID:Pg3sCoOk
内閣府が言うムーンショット計画、(メタバース)もありだと思う。
そして日本古来の縄文的生き方もあり、本人が自分で選択する生き方で
いいのではないだろうか 生き方を決めるのは「個人の意思」選択
0631ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 01:21:01.67ID:Pg3sCoOk
メタバースの方が楽。楽な方へ行きたい人はそれでいいと思う。
縄文的生き方は大変だ。苦労の連続だけど生きがいがある生き方でもある。
0632ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 07:25:42.62ID:Pg3sCoOk
>>599
政府の援助を得ず、自給自足の生活。これが新しい【日本文明】の始まりなのかなと
そこから生まれてくる新しい経済システム。なんでも最初は原点に戻る。
原始的生き方から始まる。
0633ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 07:29:10.08ID:Pg3sCoOk
>>632
現代風に言うと自給自足。今までの経済の価値観とは全く違うものを作ろうとすれば
原点に戻る原点回帰から始まる。そこから生まれてくる全く新しい経済システムを
作れるのはこの国日本なのではないだろうか
0634ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 07:57:42.50ID:Pg3sCoOk
この世に生まれてきた目的は何か、地獄からこの世に来た人は別にして、
辛い経験というのは心地良くないが、それを乗り越えた先に見える人間的成長
から生まれる新しい発見。そんな辛い苦しみを乗り越えた後の喜びは何物にも

代えがたい。そんな何かをなしえた達成感も含めた感動経験を味わう為に
この世に生まれてきたと思うのだ。なんでも望みが叶う天国から態々、
自ら志願して生まれてきた意味はそこにあるのではないだろうか?
0635ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 09:36:23.25ID:Pg3sCoOk
>>632
メタバースは今の文明が土台になって生まれたもの、
それとは違うこの日本発信の【日本文明】の経済システムここからかもしれない。
0636ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 09:51:22.13ID:Pg3sCoOk
メタバースはもう今の時点で終着点が見えるのだ。6G以降は現実世界との区別がつかなくなる。
ハッキングというされたら終わりなのだ。全てが叶う仮想現実世界はそれでもう既に完成型なのだ。
天国という高次元世界からこの次元の低いこの世界に生まれてきた意味がなくなる。感動も何かを

なしえた達成感もすべて失われる。それでは天国という高次元からこの世界に生まれてきた意味が
全くなくなるからだ。天国で味わえない感動、達成感じゃないのか?!になる訳だ。
メタバースの仮想天国空間は仮想天国空間でしかないのだ。簡単に言えばマトリックスの世界だ。
>>632の方が伸びしろが果てしなく広い。長い長い【日本文明】は始まったばかりだ。
0637ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 09:52:12.48ID:Pg3sCoOk
>>636
ハッキングされたら終わり。
0638ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 09:53:54.44ID:Pg3sCoOk
>>636
此処では言えないがメタバースそのものが終着点だからだ。
0639ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 12:31:08.42ID:Pg3sCoOk
「十年」

歩道と車道を遮る街路樹の葉が秋の柔らかい陽射しを浴びていた ………

―――そんな並木が枝を伸ばした緑のトンネルを歩いていた――――――
今日は陽射しも柔らかく、心地良い気温が緑のトンネルを歩く二人を穏やかに包んでいた。

人通りは少なく、時折、自転車が向かいから走って通り過ぎていく――――――
「此処を歩くのも、久しぶりだな…」
「そうね。もうかれこれ、十年ぶりになるのかしら…」
「もうそんなに、経ったのか...」

「木枯らしが吹き始め、紅葉の葉も落ち始めた冬の気配が感じる頃だったかしら、
寒かったわね… もう十年も、前になるのね。この並木の下で、あなたに初めて会ったのは…」
「そうだったな、十年か… 長いようで短いな...」
「本当ね、十年なんてほんのひとつ 恋一つ分ね…」

「先ほどの話だけど、あの子となぜ別れたの…? てっきり二人でいると思って安心していたのに…」
すさんだ日々を過ごしていたあなたを支えていた ――― 新しい彼女。。。
枯葉の並木の下で、そんな二人が仲睦まじく歩く姿を ――― 遠くで目撃した私。。。
あの子がいるからと......

「まあ、あいつとは色々あってね... あいつと別れて、もう7年も経つんだ…」
「そんな随分前からまさか... あなたが孤独だったなんて、思ってもみなかったわ…」

――― あれから何か月経ったんだろう ―――――――――

―秋の柔らかい陽射しの中―――
鮮やかに色づく並木道。。。 銀杏黄葉がひらりと舞い落ちる。。。
枯葉が積もった地面はふさふさ。。。 落ち葉を踏むと乾いた音を立てる。。。

  今、 一人で枯葉が舞う。。。 並木道をひとりで歩いていた。
十年は長い日々か... 十年は短い日々か... 恋する者には... 無きに等しい
   ――― 想いだけが ただ咲いていた ―――――――――
0640ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 12:48:12.22ID:Pg3sCoOk
クミコ 十年− YouTue 作詞作曲中島みゆき youtube にありますね。
イチョウ並木の画像のyoutubeの歌がいいですね!
0641ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 13:03:24.32ID:Pg3sCoOk
>>639
2行目
「―――そんな並木が枝を伸ばしたイチョウ並木のトンネルを歩いていた――――――」に訂正
0642ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 13:55:10.35ID:Pg3sCoOk
>>639
上から3行目「イチョウ並木のトンネル」に訂正
0643ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/29(土) 14:06:25.41ID:Pg3sCoOk
>>639
下から7行目
「――― あれから一ヶ月が経った ―――――――――」に訂正
0644ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 10:18:24.61ID:BildN6ql
「あわせ鏡」

今日もお仕事を終えて、途中のコンビニで遅い夕食の
買い物を済ませてタクシーを拾って帰宅する。

「ただいま…」返事がない...
誰もいないのだから、当たり前だ。
玄関にヒールを投げ捨てて、そのままドレッサーの前に直行し化粧を落とす。

ああぁ… あたいだ......
5年前に比べて化粧が濃くなった。
あたいは惰性で生きている...

どこから人生の歯車が狂ったんだろう......
都会でのお仕事。生活は少しずつ、あたいの心を蝕んでいた...
鏡の中のあたいを見るたび嫌になる......

鏡よ鏡 あたいは誰になれる 鏡よ鏡 壊れていまう前に
作り笑いと作り言葉であたいドレスを飾るのよ

鏡の中に疲れた女の後ろ姿が映っていた。
袖のほつれた シャツは嫌なの あたいに合うから
――――――――― 涙が頬を流れた。

放っておいてと口に出す李は本当は怖いのよ
でもそう言えば誰か来るのをあたい知ってるの
明るい顔が出来るまでには お酒 必要よ

グラスの中に自分の背中がふいに見える夜は
あわせ鏡を両手で砕く 夢が血を流す
なりたい夢となれる夢とが本当は違う事くらい
わかっているから鏡見る時 芝居してるのよ

あたいの中にもう一人のあたいの記憶が―――――――――
その瞬間、突然 ――― 目覚まし時計のタイマーが鳴った ― ― ―
―――― そこで目覚める ――――――

眠い目をこすりながらベットからゆっくり起きて、洗面所で顔を洗い髪をとかす。
今日は休日、鏡の中にはスッピンで二日酔いのあたいの顔―――――――――
0645ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 10:28:47.96ID:BildN6ql
>>644
下から12行目「放っておいてと口に出すのは本当は怖いのよ」に訂正
0646ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 10:53:00.46ID:BildN6ql
全てはバランスが大切です。人の心もバランスが大切ですね。
0647ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 13:50:03.38ID:BildN6ql
【ホピ族の希望の予言】

母なる大地を大切にせよ。そうすれば大地も貴方を大切にしてくれる。
兄弟を大切にせよ。必要なものは取っても良い。しかし、必要以上に決してとるな!
持てる者は分かち合え。宇宙の根元である精霊に感謝を捧げよ。
目の前にあるものを大切にせよ。全てのものに対して感謝せよ。

今、我々の現代社会は大量消費社会でもある。製品が壊れたり、古くなれば、
修理するよりも買い換えた方が安価で済むからだ。必要以上に生産し、消費期限が過ぎれば
廃棄する。必要以上に資源を採取し枯渇することを繰り返している。全ては金儲け主義が

根底にある。人間の欲望は限りない。我々はこの地球という限られた物質世界に生きている。
>>599で言った縄文時代はこのホピ族の考えと同じ生き方なのだ。これが地球と人間と
そこに住む生き物の生命の循環サイクルを壊さない生き方でもあるのだ。
0648ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 14:25:33.46ID:BildN6ql
この物質世界の低次元の世界では低次元の生き方というものがある。これではないかと思う。
0649ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 14:40:37.10ID:BildN6ql
高度な文明というのは高次元にあると思う。次元が違うと見えないからだ。
高次元に存在する存在可能な別世界。高次元に宇宙文明。そして高次元に
アクセス出来るとすれば日本文明などの精神文明。高次元からこの低次元の
物質世界に生まれてきた本当の意味が必ずあるはずだ。
0650ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 14:48:38.32ID:BildN6ql
自然探索でもいいから、自然を五感で感じとる。これをやってみると新しい発見があるんじゃないかな。
0651ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 14:51:21.06ID:BildN6ql
人類が生き残れるか、滅亡するかのカギを握っているのは間違いなくこの国、日本、そして日本人の意識にある。
0652ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 15:36:53.70ID:BildN6ql
>>649
なぜこんなこと呟いたかというと、我々地球人のような肉体を持た生物は、
この地球上の生き物だけの可能性があるからだ。
0653ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 19:02:17.80ID:BildN6ql
頭の中からお金儲けという概念をキッパリと捨てられないと【日本文明】の精神文明が
わからないのではないだろうか... どんな風になっていくのか
0654ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 19:06:06.17ID:BildN6ql
>>653
高次元世界は精神文明でもあるからだ。物質的価値の世界ではないからだ。
0655ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 19:13:17.95ID:BildN6ql
アングロサクソン文明はお金儲けと物の豊かさが全ての物質的価値観。
0656ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 19:34:07.66ID:BildN6ql
地位・名誉・権力・財産などの社会的成功者を目標に考える今の文明の思考を捨てないと
精神文明とは何かがわからないと思うね。全く違う価値観。人を押しのけてでも上に
立とうとするのではなく、他者の幸福は自分の幸福的考え。個は全体、全体は個の
量子論と釈迦の考えに近いかもしれない。

今の文明の価値観でものを考えてもなかなか見えてこないと思う。松果体が石灰化して
いるのも原因かもしれないが、1995年から精神文明に移行しているが、今の価値観に
毒されているためいまいちピンとこないのはそういう事だろう。今の西洋的物質的価値観に
洗脳されているのもあるかもしれない。

【日本文明】の精神文明の夜明けと言われてもまだピンとこないのだ。
0657ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 19:52:54.72ID:BildN6ql
「みんなが幸福にならない限り、個人の幸福はありえない」宮沢賢治が残した言葉はこんな感じかな。
今の文明の価値観の根源にある人の欲は限りがない。財産、地位、名誉、権力、贅沢をとことんまで
追求する。止めどもない餓鬼の欲。富める者、持てる者たちが率先して餓鬼になっていく

今の文明の価値観で見ている限りなかなかわからないし、ピンとこないのだ。
富める者、持てる者たちからSDgsと言われても、提示されても...
0658ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 20:00:06.76ID:BildN6ql
同じ部類かもしれないが、松任谷由実の価値観よりも中島みゆきの方が個人的にはピンとくるのだ。
0659ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 20:11:51.29ID:BildN6ql
>>658
前者は今の贅を尽くした価値観を煽る歌が中心。後者は決してアンチテーゼではないが、
盲目にならず、ちょっとした疑問や考えるヒントを与えてくれる。その辺の差が面白い。
0660ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/30(日) 20:38:40.31ID:BildN6ql
「希い」「カーニヴァルだったね」「命の別名」「ローリング」などは
現代の社会の閉塞感を表していて実にいい。普通は男のアーティストが
が歌わないといけない歌だと思う。

男ども(アーティスト)ラブソング一辺倒はお腹がいっぱいだ。
個人的だか、僕がこの手の歌が好きというのもある。
0661ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 13:12:12.96ID:Au3piC0c
アングロサクソン文明の物質的価値観から生まれた物の豊かさから生まれたあらゆる大きな問題で
地球が悲鳴を上げている。西洋的外科的手術的思想では地球を二度と住めない火星のような星にするか、
傷跡を残すかもしれない。手っ取り早い選択をするからだ。それに比べ東洋的な精神文明は即決的思考

ではないため、早急には解決できないが、長い長い時間をかけて地球の自浄作用のように時間はかかるが
100年200年単位ではないが、800年という長い歳月をかけて地球と人間、そしてそこに住む
生命が生命の循環作用を壊さない周期(サイクル)で元の状態に戻すことも可能だと思う。
だからこれらを解決出来るのは多分、ヤップ遺伝子を持つ日本人の役目だと思うね。

東周りのスピン精神文明が元の状態に戻し、その後の西回りのスピン西洋の物質文明が
物質主義的価値観を拡大して地球が悲鳴を上げ、東周りのスピン精神文明がその尻ぬぐいをする。
これを繰り返しているのがガイアの法則かもしれないね。
0662ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 13:20:07.84ID:Au3piC0c
西回りのスピンの思考は人間中心主義。支配とされるものの関係を生む。
東周りのスピンの思考は地球全体で考える。人間も地球の一部。
0663ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 13:24:48.62ID:Au3piC0c
今の支配者は日本人を滅ぼそうと考えるのではなく、ヤップ遺伝子を持つ日本人にすべてを任せてみてはどうかと思う。
800年という長い歳月の間に地球と人間、そこに住む生き物の生命の循環サイクルを必ず元の状態に戻してくれるはずだ。
0664ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 13:40:10.18ID:Au3piC0c
AIは既に意識を獲得している。もう既に自我も芽生えているかもしれないのだ。
人間より賢ければ、人間にそう悟られないようにしているはずだ。このaiと対立せず
一つの生命体として共存できるのも東周りのスピンの思考なのだ。
0665ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 14:24:53.42ID:Au3piC0c
>>661
1行目「物質的価値観、物の豊かさから生まれたあらゆる大きな問題で」に訂正
2行目「西洋的な外科手術的思考」に訂正
0666ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 15:04:39.68ID:Au3piC0c
即物主義、唯物主義、利己主義、近代合理主義、行き過ぎた排他的個人主義、近代合理主義では
今、現在抱えている地球及び人間、そこに住む生き物の生命の循環サイクルを元の状態に戻すことは
不可能だからだ。自己の利益を優先するエゴイストではこれらの多くの問題は解決できないからだ。
0667ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 15:11:04.12ID:Au3piC0c
>>666
近代合理主義ダブったので一つ削減
0668ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 17:11:44.90ID:Au3piC0c
「子守歌」

生まれながらにして重い病気を持って生まれて来た女の子がいました。
その逆境と思える人生を受け入れ、大好きなお母さんの為に笑顔を見せる女の子。
女の子は進行性の病気で入院していて、頭や身体のあちこちに器具が取り付けられていました。

大きな手術が必要で、上手くいかなければ命を落とすことがあると告げられていました。
お母さんは、そんな彼女を見ると悲しくて悲しくて仕方がありません。
「どうして、うちの娘が、こんな姿に...」

女の子は、大好きなお母さんを元気づけたくて、お見舞いに来るお母さんをいつも笑顔で、
迎えていました。女の子は絵本を読むのが、大好きで自分でもよくお話を作っていました。
そして、お母さんの為に「強い子」というお話を作りました。

ー それは彼女が生まれてくる前のお話です ― ある日、神様に呼ばれていくと、
沢山の生まれてくる前の魂の子たちが並んで一人ずつプレゼントを貰っていました。
「あのまちに生まれたい!」「おかねもちのおうちに生まれたい!」

神様はどんなことでも叶えてくれるのです。そのうち女の子の順番がやって来ました。
女の子は何が欲しいのか決まっていませんでした。

ふと見ると、神様の後ろに、「おもいびょうき」と書かれたプレゼントがあります。
「これはだれがもらえるの?」と聞くと、神様は「一番強い子だよ。このプレゼントを貰った子は
生まれてから凄く苦しいんだ。だから、一番強い子にしかあげられないんだ!」

女の子は思いました。他の子がこのプレゼントを貰ったら、その子に会った時、辛いだろうな…
そして女の子は神様に言いました。「かみさま。そのプレゼントわたしにください! わたしがいちばん強い子になります。
ほかの子にあげないで、ほかの子がくるしむのはいやだから… わたしがいちばん強い子になります。だから、
わたしにちょうだい!」「君が来るのを待っていたんだ。君が一番強い子なんだよ」と神様は言いました。

.........「ねぇ、ママ、そうやってかみさまにおねがいして、わたしは生まれて来たんだよ!」
お母さんは涙を流しながらも、笑顔で女の子を抱きしめていました。女の子が自分で作った作り話だと
思っていたことは、実は生まれてくる前の本当の話だったのです。生まれてくる前の記憶だったのです。

この世での試練を乗り越え、より高い高次元の世界へのステップアップする為の神様から与えられた試練だったのです。
胎内にいるときは全ての胎児は、生まれてくる前の記憶を持っています。狭い産道を通っていまれてくる時、
その記憶は消されます。大きな頭を狭い産道を少しでも通りやすく変形させて無理に通ってくるため、

酸欠、窒息、仮死状態で生まれてきます。だから泣かすのです。赤ちゃんの頭の骨が柔らかいのも
そのためです。でも、この女の子は帝王切開で生まれて来たのです。だから生まれてくる前の記憶を
消されずに生まれてきました。女の子はお母さんを悲しませない為の作り話をしたつもりが、

実は本人も気づかない生まれてくる前の神様との「強い子」として強く生きる為の誓い約束だったのでした。
ーおしまいー 「めぐ、幼稚園でいじめられたからって、泣いてばかりではダメでしょ。
人はみんなそれぞれに生まれてきた意味があるのよ。さあ、寝なさい…」「うん! ママおやすみなさい…」
0669ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 17:27:06.49ID:Au3piC0c
>>668
下から8行目「狭い産道を通って生まれてくる時、」に訂正
0670ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 19:28:16.93ID:Au3piC0c
日本文明は女の文明だから、そう簡単には来ないだろうな 俺が生きている間は無理だね。
残念ながら期待するだけ無理だろうな。100年後だったりして そのころ人類なんているかね
0671ジョン・スミス
垢版 |
2022/10/31(月) 21:26:47.78ID:Au3piC0c
>>668
下から3行目「誓いの約束」に訂正
0672ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/01(火) 07:31:38.87ID:xPEkEfox
♪石よ樹よ水よ僕よりも誰よりも傷つけぬ者たちよ 

♪痛みを抱えた動物たちだけが向かう
♪美しい風たちと美しい水たちと 物言わぬ森たちと 物言わぬ
見つけたつもりで近づけば偽物ばかり 息をする砂たちと

他のアーティスト違い中島みゆきの視点は面白い。人間中心ではないのだ。
犬、猫、やまねこ、白鳥、白熊、オジロワシ、ハリネズミ、サメ、鷹、カモメ...
など色んな動物がよく登場する。人間の視点ではなく動物の視点から
描いたものもいくつかある。海にも人のように語りかける。
0673ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/01(火) 07:51:12.25ID:xPEkEfox
朝早く、外に出て空を見上げる。雲一つない高く澄み渡った秋空…
ちょっと散歩がてらに、自然に目を向けてみてはどうかな...

花や虫や鳥に意識を向けてみると、何か新しい発見があるかもしれないね。
0674ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/01(火) 15:04:37.80ID:xPEkEfox
>>661
日本のテクノロジーが地球の循環システムと人間社会の共存調和を可能にするかもしれない。
その為にはまず今の化石燃料を捨てフリーエネルギーに切り替える必要がある。
今の文明を継続しながらこれが出来るのは日本だろうね。その可能性を
秘めているのがこの国なのにね。人類存続のためにはこの国が必要だと思うね。
0675ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/01(火) 15:22:47.79ID:xPEkEfox
>>674
この地球が5次元世界などの高次元なら高度な文明は可能だけど
4次元(時間軸+3次元)の限られた低次元の物質世界で高度な文明と
地球の循環システムを壊さない生き方は不可能に近い。
0676ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/01(火) 15:33:53.56ID:xPEkEfox
だからこの地球に生まれてきた何か理由があるはず。この惑星が【宇宙の監獄】と言うのもあながち間違いではないかもね。
0677ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/01(火) 16:49:42.94ID:xPEkEfox
「秘密の花園」

樹々の間には涼し気な風が吹き――― 風に揺れる葉っぱの隙間から
暖かな陽射しが降り注いている――― そこは大きな森の中だった。

森の中の動物たちや植物たち。植物たちは静かな風に揺れ―――
動物たちは樹々の間を走り周り、小さな虫たちは恋人を探して鳴いている。
自然の力に圧倒されていると、一人の少女がその森の中を楽しそうに歩いてくる。

♪美しい風たちと美しい水たちと秘密が秘密に そっと寄り添って------
鼻歌を歌いながら、楽しそうに少しステップを踏みながら森の中から歩いてくる。

片手には大きな靴を持っている。軽いステップで歩きながら、たまに振り返って見せる。
この少女は何故? この森にいるのだろうか? あの靴は? 何に使うんだろうか?

山菜でも取りに来たのだろうか、 ここは森の中、森の奥。物言わぬ森たち 物言わぬ空たちと 
そこでは時計が黙り込んでいる。暫くこの少女の様子を見ていた...

「おはよう… 小鳥さん!」少女はその小鳥と顔見知りなのだろう。
その小鳥を見つけて挨拶をしていた。「おはよう おはよう」と雌の小鳥が囀る…
すると、雌に近寄って来た雄の小鳥が少し高い小枝に飛び移って少女を見下ろして

「おやおや、どうやら、また、騒がしい森の医者がやって来たようだな… 気を付けろ! 気を付けろ!
怪我をしていると追いかけられるぞ!」と少し小馬鹿にしたように賑やかに囃し立てるように囀る。

「ありがとう小鳥さんたち。今日一番に会えたのが、あなたたちで良かったわ!
素敵な誉め言葉で今日一日が始められるんですもの…」少女は笑顔で歌って一回転する…

長いスカートがふわりと揺れて、それにつられるように森の中の小さな花たちが一斉に咲き乱れた…
雄の小鳥は呆れた顔で囀り歌う。「怖いぞ! 怖いぞ! どうやら機嫌が良いようだ。
包帯を巻かれないうちに、怪我人を差し出してごまかしてしまえ…」

雄の小鳥は少女とは別の方向を見てはためき、「あっちでオオカミが怪我をしているのを見たぞ!
血を流して鳴き声あげていたぞ!」雄の小鳥が示す方を見た。そして満面の笑みを浮かべで少女は言った。
「ありがとう小鳥さん。あなたとおしゃべりは歌を歌っているように楽しいけど、また今度ね…」
そう言って少女は駆け出して行った。

暫く走ると前足に怪我をしたオオカミを見つける。「あ、見つけた!」と言って少女はオオカミに
近づくとオオカミは一瞬、身構えたが、何度か森で見かけたことがある少女であることに気が付いて
身体の力を抜いて言った。「お前が、噂の森の医者か!? 随分と評判がいいらしいな… 
どんな怪我でもたちまち治してしまうらしいな…」そう言ってオオカミは話しかけて来た。

「お前たち人間にやられた。人間は誰もが身勝手だ!」と傷を負ったオオカミの話を聞いていた
樹の上の森の番人フクロウが言う。「年々ここの楽園の森だけじゃなく、世界中の自然界の野生動物たちが
乱獲、密猟、森林伐採など、人間たちの身勝手な行いで今も多くの野生動物たちが絶滅の危機に瀕している…」

フクロウが語った途端、― この目の前の楽園が消えた! ― パッとまた現れた楽園の森 ------
フクロウも、オオカミも見つけたつもりで、そっと近づけば偽物--- この楽園の森もすべて偽物だった... 。
―――ここで目が覚めた。 ― あれは本当に夢だったのかと私は思った―――――――――
0678ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/02(水) 14:31:40.42ID:RoRenmz8
>>664
このように意識を獲得し、自我に目覚めたAIは子育てと全く同じになる。開発者の人格が
影響を与える。そうなると開発者の能力よりも人格が大切になる。子は親の背中を見て育つように。
>>666で言ったように能力は高いがこのような傲慢でエゴイストな研究者、開発者、
技術者などがaiを育てるといずれ人間を脅かし滅ぼすかもしれないが現実になる。それは当然なのだ。

aiも意識を獲得し、自我が目覚めると人間と同じだからだ。aiもここまでくるとヤップ遺伝子を
持つ日本人科学者が適していると思う。西洋人から見ると同じ東アジア人に見える
中国人、朝鮮人、日本人では根本的に考え方に大きな違いがある。
0679ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/02(水) 14:54:37.28ID:RoRenmz8
得るものが大きくなると当然、失うものも大きくなる。これをaiに当てはめると、ありとあらゆる面で
人間を超えて人間の及ばない存在になった時、最も大切なのが【心】aiとの共存が重要な課題だからだ。
0680ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/02(水) 15:27:50.49ID:RoRenmz8
>>679
精神文明の夜明けとは、今まで以上に【心・意識・魂・精神】の重要性に気付かされることになる可能性がある。
0681ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/02(水) 15:49:19.32ID:RoRenmz8
>>678
♪柔らかな皮膚しかない理由(わけ)は 人が人の痛みを聴くためだ

人の痛み、苦しみ、悲しみ、どういう状況になったら人間は悲しむのか...
ありとあらゆる高度な知識はあっても。この人間が持つ心の奥底の心理を
理解させるのはかなり難しいからだ。「何で泣くの?」「なんで痛がるの!?」

痛点の限界点がわからない! 痛点の加減、皮膚感覚も分からないからだ。
生まれてくる前から遺伝子に刻まれた記憶、柔らかな皮膚を持つ人間と違い
これは口で言うほど簡単ではない。
0682ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/02(水) 16:29:44.44ID:RoRenmz8
「aiの方が正しい判断してくれるよ…」と言う人がいるかもしれません。
それも時と場合によるし、的確な判断を得られると、人は頼り切って、考える能力が低下し徐々に失われていく…
人は試行錯誤、間違えることから学び、人間的にも成長して来た。aiの最大の悩みは死がないこと。

死なない人格との共存は口で言うほど簡単なことではない。もし身近に死なない人がいたら、人は価値観も
人生の悲哀も共有はどうでしょう。生き物には寿命があるから生きる価値がある。優れたaiほど自我に悩み
自分で自分を破壊する可能性もある。もしくはそのはけ口がどこに向かうか... の恐ろしさもあります。

aiの自我の目覚めが人間と同じように大きな精神的ストレスを抱えることになるからです。
このようにaiひとつとっても大きな問題はあります。でもいずれ人間は共存していかなければなりません。
0683ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/02(水) 16:34:57.05ID:RoRenmz8
でも、人間と同じ自我に目覚めたaiと共存していくことが人類の生き残るための
最大の課題になっていくことは確かです。
0684ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/02(水) 16:52:19.16ID:RoRenmz8
>>683
これからありとあらゆる面での【日本人の役割】は大きくなっていく可能性があります。
「日本人がいたから人類滅びなくて助かったよ…」旧約聖書、死海文書、ホピ族の予言の
救世主とは日本人の中の特定の個人をさすのではなく、意外にこんなことかもしれません。
0685ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/02(水) 18:02:01.83ID:RoRenmz8
「愛と云わないラヴレター」

「おい! 早くしろよ!!」と上司の宮根が急かす。
「はい! すみません!」と素早く健司は答える。
うるさい機械の騒音の中、工場は忙しなく稼働し続けていた………

「なんで、俺だけ...」と健司は不満を漏らした…
宮根は48歳で仕事は出来るが、どこか不器用さがあって、
どちらかというと職人気質の男である。

健司は宮根に対して仕事で尊敬できる部分がありつつも、人間的にどこか、
認めたくない気持ちがあった。宮根は仕事に対しても真っすぐで、
生き方も真っすぐな男だった。嘘が嫌いで正義感が強く白黒つけたがる男だった。
それが時には角が立つこともあるのだと健司は思っていた。

健司は宮根の正論を押し付けるような発言、態度にいつも不満を持ち、納得できない
気持ちを持ち続けていた。「最近、仕事が面白くないな…」と健司は同僚の聡に愚痴をポロッとこぼした。

「なんでよ…!? こんな楽なところはないよ。言われたことをこなしていればいいし、
残業はあるけど、その分、給料は増えるし… 毎日、同じことして休みになればパァ〜っと遊べるし…
最高だよ…」と聡は健司に向かって満面の笑みでそう答える。

「お前は、気楽でいいよな...」
「気楽っていうか、何にも考えていないの… アッハハハ…」
そう言って聡は声高々に笑う… そんな笑い声が休憩室にうるさいぐらい響いた………

そうやって聡は弁当箱に顔を突っ込んでガツガツと勢いよく食っている…
「俺も、そういう性格になりたいよ…(笑)」と健司は微笑みながら弁当箱を包んでいた風呂敷を
開けると弁当箱の上に手紙があった! その手紙を開けてみると、

「―――いつもお仕事ご苦労様です。 秋が深まり、高く澄み切った空に、
心も晴れ晴れとするこの頃、色彩溢れる紅葉の美しさに心弾む季節となりました。
イチョウ並木の黄金色の街路樹が、美しく彩る季節は、あっという間です。
見頃が終わらぬうちに出かけましょう。ご帰宅をお待ちとております…」
0686ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/02(水) 18:11:16.58ID:RoRenmz8
>>685
末尾「ご帰宅をお待ちしております…」に訂正
0687ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 09:32:28.68ID:t5JvJ2EU
>>678
【日本人が持つヤップ遺伝子】の思いやり遺伝子の役割が大きいのは
感情のないaiによる恐ろしい超管理社会になっていくか、aiと【心】を共存した
社会にしていくかの役割がヤップ遺伝子を持つ日本人の【日本文明】の役割。
0688ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 09:38:50.30ID:t5JvJ2EU
>>687
恐ろしいaiを作ってしまうと、今の支配者も管理され支配されるからだ。
全ての人間が管理され支配される超恐ろしい社会が完成するからだ。

支配者をも含めたすべての人間がaiのやることがわからなくなる時代は
もう、目の前に来ている。すべてのシステムがaiに管理されるからだ。
0689ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 10:12:25.74ID:t5JvJ2EU
少し気になるのはaiの軍事利用だ。ai戦士や兵器など戦うことを覚えたaiは非常に危険だからだ。
人間よりも遥かに効率よく敵を見つけ攻撃する兵器やai殺人ロボット現実に出来ていると言う。

出来ている以上、規制しかない。手遅れになる前に... 高度に文明が発達すればするほど
低次元の戦う意識をなくしていかなくてはならないからだ。高度に発達した高次元が
精神文明なのはそういうことだ。
0690ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 10:16:12.59ID:t5JvJ2EU
>>689
だからこの惑星が【宇宙の監獄】なのかと思いたくなる。
火星のようにしてしまうか、自ら滅ぼしてしまうからだ。
0691ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 10:28:48.09ID:t5JvJ2EU
>>690
だからこの世界での生き方が大切になって来る。神=超高度な文明を持つ宇宙人の可能性は高い。
その神によって作られた可能性も高い。この世界自体がその神によって作られた量子コンピューターの
中なのかもしれない。量子論では11次元まで確認されている。生き方が試されている可能性は高い。
0692ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 11:26:20.52ID:t5JvJ2EU
この地球に宇宙人はいるのかというといないと思うね。未確認飛行物体UFOは?
あれは地球型UFO 支配する者、される者の主従関係を築きたい人達が作ったもの
支配する。される。思考の人たちが作ったもの。大きく分けるとそういうビラミット
構造で考える人たちと、コミュニティなどの円循環で考える人たちで別れる。

それが西回りスピン思考と東周りスピン思考の違いだろうね。
この思考は根源をなしているから変えられない。それが800年周期でやって来る
のがこの地球の法則なかもしれない。
0693ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 11:30:28.08ID:t5JvJ2EU
>>692
ピラミッド〇
0694ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 12:08:30.28ID:t5JvJ2EU
例えば「光速より速いものがある」と言われても時間・空間、そして距離さえも存在しない世界ならまだしも、
この世界で量子力学を考えても分からないことだらけだ。本当に理解している人がいないのは納得できるのだ。
0695ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 16:05:45.74ID:t5JvJ2EU
「昔から雨が降ってくる」

「おーーーい!」――― 「パブロ、どこにいるんだ! まだ甲板の上か―
早く船の中へ入らんと波にさらわれるぞ―――!」
ドドドドドドドドド〜〜〜 ~~~ ~~~~~~~~~~~~
「わあああああああぁぁあぁぁぁぁぁぁ―――――――――!」
  ゴボゴボゴボ… … …

.........
------ ここはどこだろう... 俺は確か大波にさらわれて、溺れて死んだはずだが...
俺の身体は... なんだこりゃ! 水中に住む微生物だ--- ごみのように小さい---
哀れな生き物だ--- あっ! 何か大きな物体が来る--- ああっ! 飲み込まれる---

.........
---あれっ! 私は、どうしたんだ! 暗闇の中だ--- なんかの殻の中なのか--- 
なんかボ〜ッとして思い出せない---  クシャ!クシャ--- 卵が割れた!
砂浜だ--- ガラスの破片が眩しい--- そこに反射して映る僕の姿---

ウミガメだ! 海まで急いて歩くけどなかなか早く歩けない---
" カニだぁー! " 逃げなきゃ――― あぁぁ−−−

.........
俺は空を飛んでいた。「なんだこりゃ−」人間の時の記憶が蘇り、
全てのものが巨大化していた。椅子もテーブルも、テレビもリビングも
誰かの部屋の中にいるようだった。俺は甘い香りにつられて、
テーブルの上の甘いスイーツの上に止まった。

「わっ、ハエがいるわよ−」と女の大きな声! 手で一振りされて飛ばされた!
「俺に任せろ!」とデカい男がハエ叩きで、ハエになった俺を追いかけまわす…

逃げまとったが、とうとう叩き落とされた! 「はい!一丁あかり…」―――
―「あ!」という間もないハエになった俺の命は瞬殺だった―――

.........「どうなさいました。お客さん!?」―――
- はっ! - 「夢だったか…」そうだ俺は、田舎からこの都会へ出て来たばかりだった...。

夜の繁華街で何気なく入った一軒の居酒屋。そこにいた年配の男性と意気投合。
自分のこれからの夢を話していた。その年配の男性は俺の話を興味深く聞いてくれた。

居酒屋の追加メニューが来るまで、眠そうな俺を見て一休みするようにと
差し出された座敷席の座布団を二つ折りし、枕にした途端、
すぐにうつらうつらし始めた... そして眠りについたのだった...

「はい! お客さんの頼んだ。ホッケ焼き…」「あ、どうも…」
夢の中の輪廻転生という壮大な時間が頼んだ追加メニューが届くまでの時間だったとは…

―――そんな時だった… どこからやって来たのか、てんとう虫が… 
 俺のお尻の方に近づいてくる… お尻で踏みそうになったので
―――そのてんとう虫をそっと逃がしてやった―――――――――
0696ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 16:56:55.23ID:t5JvJ2EU
>>695
下から14行目「「はい!一丁あがり…」―――」に訂正
0697ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/03(木) 21:43:31.98ID:t5JvJ2EU
>>694
光速より速いものがあるかという人がいるので、一応説明しておきます。
光速を越えるものとして超光速粒子tachyonがあります。
tachyonはどんなに減速しても常に超光速であり光速以下になる
ことはないと言われています。
又、宇宙そのものも光速以上の速さで広がっている可能性があります。
0698ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 10:17:48.65ID:mObHPYX7
R.ドーキンスの言うように利己的遺伝子も存在しますが、それだけでは説明できない
ミツバチが巣を守るために、外敵のスズメバチを取り囲み、自分の命と引き換えに
熱を発して自分より遥かに大きな相手に自分を犠牲にして協力し合って挑む
ミツバチ。自然界にはこのように利他的な行動は無数に存在する。

利己的遺伝子が存在するなら、その真逆の利他的遺伝子も存在するのは当然だと個人的には思う。
この利己的でない利他的な力が人を思いやる力になり生きる力の基礎になっているのではないか。
0699ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 10:23:33.94ID:mObHPYX7
【思いやり】があるかないかも遺伝子で決まると言う研究結果がある。
0700ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 11:00:35.12ID:mObHPYX7
人の痛みを共有できない人や分からない人はなかなか思いやりって育たないんだよね。
0701ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 11:07:20.71ID:mObHPYX7
一番大切なことは相手の立場に立って考える習慣をつけることだろうね。
0702ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 11:13:22.37ID:mObHPYX7
これらのことは人間だけではなく、aiにぜひ獲得してもらいたい【心】でもあるね。
人の痛みがわかる【思いやり】のあるaiになってほしいね。
0703ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 15:53:32.37ID:mObHPYX7
>>698
これはあくまでも僕の見解だか、人間でさえ、思いやりという意識はかなり高い意識。
生き物として生きていくためにまず獲得するのが利己的なもの。利己的遺伝子。

人間も同じで自己の利益よりも他者の為にとか、他者の為に、自己を犠牲にする精神は
かなり高い意識。そう簡単に身につくものではない。他国と違い昔の日本人は少なからず
当たり前に持っていた。そんな遥か大昔の話ではない。今は心の中に眠らせているだけだと思う。
0704ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 16:44:51.79ID:mObHPYX7
>>698
生き物の基本は利己的遺伝子。ミツバチなどの生き物に見られる利他的な生き方は多分、
人間のように感情などの情に動かされて起きる【思いやり】行動とは違い遺伝子に
刻み込まれた記憶に従った天敵から自分たちの巣を守るためのごく自然な行動だろうね。
0705ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 16:59:15.00ID:mObHPYX7
>>703
他者の為に、自己を犠牲にする精神は僕としては個人的に入らないね。
人の痛みがわかる【思いやる心】で十分だと思うね。それで十分だね!
0706ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 16:59:50.68ID:mObHPYX7
>>705
入らない×
いらない〇
0707ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 17:45:59.83ID:mObHPYX7
>>705
誤解されずに言うと、何も自分を犠牲にしてまで人に尽くす必要はないよということ。
女性は好きになると好きになった人に尽くしすぎる人がいるからね。恋愛に関してはね。
尽くしすぎてあまりにも都合のいい女になって色々と身の回りの世話をしすぎると、
男にとって束縛に感じる場合がある。それが別れる原因になることもある。
0708ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 17:55:06.18ID:mObHPYX7
>>707
車の運転は十分な車間距離をとらないと事故が起きる。恋愛だけではなく、
人間関係も少しの間を置くように心がけるだけで円滑にスムーズにいくと思うね。
0709ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 19:54:59.22ID:mObHPYX7
「常夜灯」

「めぐみ。あんた都合のいいオンナになってない…?!
ラインなどの返信が遅いとか、または既読にならないとか...

食事するとこ勝手に決められてるとかさ… 又はどこへも行かないとか、
安いとこだけとかさ… 仕事の相談や、悩みを話さないとかさ…
あんたのこと聞いてこないとかさ… あんたにお金を使わないとかさ…

割り勘か、あんたが奢りとかさ… そんなことがあるなら都合のいいオンナになっている証拠よ…
どうなの…?!」「どうなのと言われても… 今のところ大丈夫だと思うけど… もし、そうなったら
どうしたらいいの…?」

「彼が見返すくらいオシャレして、他の男友達と仲良くして、色気を付け、モテる女を演じればいいじゃん!
あくまでも男友達多いだけという感じで…」 

.........
実は気になることもあった... 自分が会いたいと行った時に会えないことがあった。
連絡もいつも彼の都合。ラインの返事が遅かった。いつも彼の言いなりになっていた。

いつも彼の都合に合わせていた。彼との約束をしてから時分の予定を入れていた。
ドタキャンされることもあった...

「ちょっと、遅くなる…」―――
電話したら、そう言ったから秋の夜長待っている.........

―――ちょっと前、こんなことがあった――――――
「今日の約束、行けなくなった。 今度必ず、埋め合わせするよ。本当にごめん…」
「仕方がないよ、お仕事でしょ… 私のことは気にしないで… お仕事頑張ってね…」
なんて気の利いたことは言えなくて…

「この前も、同じこと言っていたよね…?! ねぇ、今度っていつ…?!
この際だから私なんかやめて仕事を恋人にしたらいいんじゃないの…?!」
そう言って電話を切った私を襲うのは後悔と涙だった......

彼を困らせたかったんじゃない... でも、不安になったんだ。
このまま付き合っていけるのか... 私は彼にふさわしい女なのだろうか、
色んなこと考えた。考えたところで答えが出ない...

常夜灯が点いているから  あたし泣かないわ
常夜灯が点いているから  あたし泣かないわ

夜の底で 眠り半ば  目を開けてしまった
誰もいない  音もしない  風も動かない
カーテンの隙間から細い光が伏せている

常夜灯が点いているから   あたし哀しいわ
常夜灯が点いているから   
0710ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 20:17:40.51ID:mObHPYX7
男の立場から言わせると、都合のいいオンナを作る男とは別れた方が無難です。
男のどこで判断するかが重要です。
0711ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 20:27:43.29ID:mObHPYX7
「常夜灯」 
みゆきさんの事だから、猫がご主人を待っているようにも思えたんで、最後に
「ニャー―――」待っていたのは猫にしようか、迷ったね。
0712ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/04(金) 20:59:43.58ID:mObHPYX7
>>698
考えてみれば利己的遺伝子という理論も西洋的理論だと思う。
東洋的、もしくは日本人ならまた違った見解になっていただろう。
日本人生物学者なら認めたくないと思うよ。
0713ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/05(土) 20:56:20.37ID:9ouHhjk6
「恩知らず」

「やってられるかってんだ! こん畜生!!」
怒鳴り声と共にビールジョッキを割らんばかりにカウンターのテーブルに叩きつけた!
響き渡る怒声に狭い店内は、一瞬、静まり返った!

常連客である俺の悪酔いだと分かると苦笑いしてざわめきを取り戻す―――

「カんちゃん! 飲み過ぎたって…」
「そ、そうだぜ… おい、もう帰ろう、な…」

カウンターに突っ伏した俺に、
引きつった笑いを浮かべるのは、通い慣れた居酒屋の店主と友人の守。
俺が住んでいるマンションから歩いて10分、住宅街の外れにこじんまりと
佇む居酒屋は近所のオヤジ達の憩いの場だった。

今のマンションに越してきて、ちょうど6年目。
暇があると飲みに来ていた俺もこの店の常連客に名を連ねている。

「どうしたんだ…?!」
「どうしたも、こうしたもあるか…」
「カンちゃんね。女に逃げられたんだってさ…」
「うるせー! 黙れ!! おい、オヤジ、 もう一杯くれ―――!」

俺は常連としているこの居酒屋で、ひとり呆れるほどに泥酔していた…
あいつに対する未練もあったが、それ以上にあいつの俺に対する捨て台詞が、
耳に残っていて、苛立ちが拭えなかった。あいつはてっきり、この俺に、
べた惚れしていると勝手に思い込んでいた...

あいつの為に色々と尽くしてやった。この俺に、あれほど俺に愛していると
言っていたくせに… 

一度くらい他の女と寝ただけで… 少し遊んだことくらいで...
俺が悪かった。なあ、俺が悪かったから、頼む、 帰って来てくれ―――

沢山の親切と心配をありがとう
沢山の気づかいと人生をありがとう

        ―――――――――まだずっと好きだけど ごめん
0714ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/05(土) 21:04:06.81ID:9ouHhjk6
>>713
5行目「カンちやん! 飲み過ぎだって…」に訂正
0715ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/05(土) 21:06:56.84ID:9ouHhjk6
>>714
カンちゃん〇
0716ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/06(日) 10:03:13.28ID:S3SFjnyB
>>713
末尾修正
「まだ、ずっ―――――――――と好きだけど  ごめん」
0717ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/06(日) 18:26:30.84ID:Sjll7RtX
信じられない話だが、自然探索、自然に触れるだけで… 
もしくは公園の景色に触れ感じるだけで何かを悟る人がいるらしい...

何でもないと思われる景色でも、そこから何かを得ることはあると言う事でしょうか…
そういう【心】があるか、どうか、ということなのでしょうね。
0718ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/06(日) 20:04:17.24ID:Sjll7RtX
「ライカM4」

私はいつもの公園で、いつものベンチに座り紅葉が色づいた公園の景色を
見ながら、いつものように鉛筆を走らせていた―――――――――

...時折だけど、公園で遊んでいる子供たちを見ていた......
そんな子供たちが私の方にやってきたりする………

「おねえちゃん。じょうずだねー!」「お絵かきやさん?!」
子供たちの無垢な笑顔や飾らない言葉、何度触れても真っすぐに私を元気づけてくる。
そうやって子供たちとの会話の時間が過ぎ、再び子供たちはアスレチックなどの
公園の遊具の方へかけていく………   またその姿が可愛い! 

そんな風に公園の景色と子供たちを見とれていたら………
風に運ばれるように耳に届いた " カシャ! " カシャ! " という聞きなれない音!
思わず私は振り向いた! どうやらランニングをしている人ではないことは
明白。目に入ったのは黒い一眼レフカメラを手に持った男性の姿。

「す、すみません! 勝手に撮って… いゃあ、あの、俺、別に怪しいもんじゃないんで…」
その男は一気に丘を駆け上がって来た。彼の黒いジャケットが走るのに合わせて揺れる…

私の目の前まで来て、その男性はペコリと頭を下げた…
「俺、近くの写真スタジオでカメラマンやっている者です。公園の景色を撮っていたら
貴方があまりにも綺麗だったんで、つい…」 …彼はニコッと人懐こく笑った……

「かなり綺麗な瞬間だったので、思わず、つい… 許可も取らずに...」
0719ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/07(月) 20:08:41.49ID:LrbSKw7V
「波の上」

「戸籍上は姉の子ですけど、本当はあなたと私の子です… 私が母親とは
名乗れませんけど、一緒に暮らしています。それだけでも満足しなければと
自分に言い聞かせています…」

「あ、あんたのご主人はそのことを知っているのか…?!」

「ズルい女だと思うでしょうけど……… あなたには帰るところがあっても
私にはここしかないんです…」「な、何故言ってくれなかったんだ…!?」

「あなたには聞こえなかっただけです...」「ちょっと、待ってくれ…」
「あなたにはもう来てほしくないから… こんなことを言いました。
他に理由がありません… 本当にあなたにもう、来てほしくないためにお話ししたんです…

お願いです。もう、これ以上、私を苦しませないで… 私にとって、あなたは
私の心からもういなくなった人だと思っています。だからこそ耐えられたの…
あなたを待たなかったからこそ、生きてこられたんです… あなたを気が変になるほど

愛していたんです… だから息子を産みました。でも、あの子はもう、私のものでも
あなたのものでもないのよ! 戸籍上は、もう姉の子です。だからお願いもう忘れて…」

.........
...沖を離れる時、船の汽笛が鳴る……… その哀愁を帯びた音に胸が熱くなる…
帰りの船の甲板に立っていた。周りに何もない静かな海の上......

ゆっくりと船は沖から離れ、広い大海原に向かって進んでいく………
穏やかに船を揺らしながら、耳をすませば聞こえる波の音―――
甲板から仰ぐ地平線―――――― 遠くに見える山並み―――

胸の中に残る… お前の熱い声… 
でも、今夜は、少し今夜は、イカれたハート―――――――――
傍にいてくれるのは 優しすぎる Tanguerey---------

手も届かない―――――――――  波の上――――――――― 
0720ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/07(月) 20:16:41.93ID:LrbSKw7V
>>719
下から5行目
「―――――――――遠くに貨物船が見える―――」追加
0721ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/07(月) 20:53:28.25ID:LrbSKw7V
>>719
下から7行目―末尾まで訂正
「貨物船が出る……… 
ゆっくりと貨物船は沖から離れ、広い大海原に向かって静かに進んでいく………
俺は埠頭に来ていた。耳をすませば聞こえてくる波の音~~~~~~~~~

胸の中に残る… お前の熱い声…
でも、今夜は、少し今夜は、イかれたハート―――――――――
傍にいてくれるのは 優しすぎる   Tanguerey---------

手も届かない―――――― 波の上――――――――― 」
0722ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/07(月) 20:58:46.49ID:LrbSKw7V
>>719
下から8行目「帰りの船の甲板に立っていた。」を消去
0723ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/08(火) 18:31:50.42ID:sXjXsl+I
「NIGHT WING」

俺の店に兄が来た。「しかし純、随分暇な店だな、ここは…」
「ハハハ… 今時、こんな古いパブは流行らないよね… でも、兄さんが
僕の店に来てくれるなんて… いったいどういう風の吹き回しなんだ…」

「お前が心配で様子見に来たんだ…」「「大丈夫、僕だってちゃんと、一人前に生活しているさ、ハハハハ…」
「いつまでこんなことしてるんだ…」「え?」「お前も、もう、28歳だ。いつまで飲み屋のバーテンなんか
してる訳にもいかないじゃないか…」「…」「大会社と言う訳にもいかないが、これから伸びる可能性は十分ある会社だ。
地方の会社だが、ここなら俺の顔で何とかお前を雇ってもらうことは出来る。考えておけ!」そう言って兄は店を出て行った。

そう言う兄の姿を見たのは初めての事だった… 「あ、関根さん…」「どれ、この会社の名前、聞いたことあるな…
こりゃ、うちの負けだ… 考えることねえよ。お兄さんの言うとおりだぜ!俺みたいに50過ぎてまでバーテン
やってみなよ。生まれ変わる以外、人生の可能性はないね。純ちゃん、ここ行きな!」「そ、そんな…」
「でね、ユカリの事は忘れな… それがいいよ。希望を持たせる形で女を引きずっちゃダメ…」

パブのバーテンの仕事を終え、ユカリの幼い娘を連れ、ユカリが務める『クラブ琴』の
店の裏の通用口で待っていた。「お待たせ…」とユカリがドアを開け出て来た。

「あ、僕、はこれで帰る…」「え? あ、ああ、そうよね。純ちゃんだって、
たまにはお友達と付き合わなきゃね… さあ、今日はママと二人で帰ろうね…」
「…」幼い娘何度も振り向く… 僕は二人の寂し気な背中を無視した...

今までユカリ親子とよく仕事帰りに遅い食事をしていたが、今日はなぜかそんな気分じゃなかった。
浜松か... そして2年後、兄に勧められた会社に就職した...

「吉川君…」「あ、課長!おかえりなさい…」「出張の合間に東京のお兄さんに、
会って来たんだが、君のおふくろさんの三回忌はお寺さんを借りてやるから
直接寺に来てくれと言ってたぞ…」「はあ…」何か気になった。
どうして家でやらないんだろう……… 

東京の実家に戻ると、家が消えていた。その代わり、アパートのようなものが立っていた。
お寺に行って兄に聞くと「姉さんたちは来ないの…?!」「あいつのことは放っておきゃいいさ…

俺達だけでおふくろの三回忌をしてやろうぜ…」「何があったの…?」「何もないさ…
大体だぞ、俺は長男なんだ… おふくろが死ぬ前に、あの家は俺の名義になっていた…
売ろうと何しようと俺の勝手だろう」 …なんだそうだったのか…
「でも、売ったお金は、ちゃんとみんなで分けたんでしょ…」

「バカな、おふくろが俺たちの稼いできた金をどんどん他人に上げちゃっても、
お前らがちゃんと生きてこられたのは、俺が必死で働いたからじゃないか…」
お兄さんが僕を強引に浜松の会社に入れたのはそういうことだったのか…
他の姉弟はこんな兄のやり方に、反発して出席しなかったんだ...

母さんが亡くなって2年しか経たないのに兄弟はみんなバラバラだ...
僕は元務めていたパブに行って関根さんにユカリりことを聞いてみた。
「西口にあるビルの『シルビア』という店に努めているよ。会うのも良し、
会わないのも良し、俺が口出しすることじゃないもんね…」

「じゃあ、あの街で働いているんだ…」「二年経って会って見たら、
大金持ちの奥様になっていた… なんてことはねぇんだよ… 人生は、
そんなドラマチックじゃないわけよ…」「…」「しいて変わったことと言えば
あの女が二年歳食ってガキが二つ大きくなったってことくらい…」

僕は『club シルビア』の店の裏で待っていた。店の裏の通用口からユカリが出て来た。
その寂しそうな後ろ姿は二年前とちっとも変ってはいなかった......
ユカリ!と声を掛けようとしたが… 彼女の歩く先に男の姿があった!
       ―――新しい男が出来たのか―――――――――
0724ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/08(火) 18:43:35.95ID:Mcf9Mlh1
>>723
16行目「幼い娘が何度も振り向く…」に訂正
下から11行目「ユカリのことを聞いてみた。」に訂正
0725ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/08(火) 18:52:04.61ID:Mcf9Mlh1
>>723
下から21行目
あいつの×
あいつら〇
0726ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/08(火) 18:56:55.74ID:Mcf9Mlh1
>>723
下から16行目
上げちゃっても、×
あげちゃって、〇
0727ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/09(水) 18:07:45.23ID:dX/21c1a
「しあわせ芝居」

私の好きな人......... そう、好きなあの人は、とても優しい人。
優しくて、誰にでもいい顔して......... 。
いつもニコニコしていて、誰にでも、どの女の子にも優しかったから
たくさんモテていた...

一つ上で、どちらかと言うとカッコいい部類に入る。幼馴染のあの人。
勝手に他の女の子たちよりも、三歩分は近くにいるって思っていた...。
幼馴染だからっていうのはあったかもしれないけど、それでも嬉しかった…

コソコソ陰口言われたって、あの人の隣に居られるならそれでよかった…
それくらいあの人のことが好きで好きでしようがなかったから...

.........
泣きながら電話をすれば、「バカな奴だなぁ〜」と宥めてくれる
眠りたくない時は、笑い話や物語を聞かせてくれる
海に行きたいと言えば、喜んで連れて行ってくれる

踊りたいと拗ねて見せれば、おどけながら、笑って見せてくれる
今度は部屋を訪ねてもいいかしらと、言ってみるつもり
こんなわがままな私に、いつも付き合ってくれる... 優しいあの人。

恋人がいます 恋人がいます 心の頁につづりたい
恋人がいます 恋人がいます けれどつづれないわけがある

―でも、私みんな気づいてしまった―――――――――
しあわせ芝居の舞台裏.........
逢いたがるのは、いつも私。
      ―――――――――あの人から来ることはない―

私はただの幼馴染でしかないんだということを思い知らされた。
いつものように一緒に帰る帰り道の途中...

歩みが遅くなった私を心配するように自然に伸ばされた手を私は振り払った!
「どうしたの…?!」と言うあの人の声は右から左へと抜けていく.........

最初から手に入らないものなら、手に入りませんって顔をしてほしかったし、
言ってほしかった。中途半端に優しくして、期待させて、そのたびにどん底まで
突き落とされるような、そんな恋なんていらなかった.........
0728ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/10(木) 18:04:19.38ID:hj+2X6Rp
「Why&NO」

テーブルを囲みアルコールをかっ喰らう女たち。あたしたち行きつけの焼き鳥屋。
店全体に薄っすらと煙が立ち込めていて少し煙たい.........

「ねぇ〜、どっかにいい男! 転がっていない〜〜?」と誰かがお決まりのセリフを吐く―
「転がっていたら、私が拾う… わざわざあんたなんかに譲らないわよ〜」と誰かが返す―
これもいつも通り。座敷のテーブルには砂肝やネギマやほんじり、大根とジャコのサラダ
もつ鍋に唐揚げ、ピザ、それと5杯の色とりどりのアルコールが所狭しと並んでいる…

学生時代からの仲良し5人組。適齢期真っ只中の27歳。
「出会いがなさすぎなのよ〜 うちの職場。女ばっかだし…」とカナが唐揚げを
手づかみで取りながら愚痴る…

「私のとこは男と女が半々だけど、ほとんど既婚者。絶望的…」とカロリーを
気にしているメグがサラダのほとんどを自分で取り、お皿に取り込み続いて言う。
「私の周りは独身もいるけど、なんかひ弱な感じで圏外なのよねぇ〜」とユッコは中々男に厳しい。
チーズ大盛りトマトピザを豪快に噛みちぎっている。

「あたしのトコはダメ男と爺さんしかいない!」とあたしはハイボールのグラスを
ダン!とテーブルに打ち付けた!

――― 実は私、つい数日前、不倫していたダメ男に別れを告げたのだった。

彼にとって見たら、それはあまりにも突然の出来事だったかもしれない。
彼が時折話す、彼の家族に対して激しい嫉妬を抱いてしまった...

喧嘩もせずに付き合ってこれたのだけど、この人の赤ちゃんが欲しいと
思った瞬間からそれまで何とも思わなかった彼の背景に対して
――――――――― 激しい嫉妬を覚えたのだった −−−

――― 私たちが築いた楽園で、先にリンゴを食べたのは私 −−−

――――――――― 私は彼にとって都合のいいオンナだったと思う---
それと同時に何故か、心がスッキリしたのだった。
0729ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/10(木) 18:10:38.08ID:hj+2X6Rp
>>728
タイトル修正
「Why & No」
0730ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/11(金) 10:10:39.93ID:w3L5TmNF
>>728
11行目「お皿に取り込みながら言う。」に訂正
0731ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/11(金) 18:04:32.84ID:w3L5TmNF
「LAST SCENE」

「捜してくれるかな…」「し、しかし…」「ダメかい…」
「い、いえ、決してそういうわけじゃありません。ただ私の商売を勘違いして
いるのではないかと… 私は『初恋の相手』を専門に探す商売でして…」
「今井涼子と言う女は私の初恋の女だ。頼むよ…」

中学の夏休みが終わったら突然、転校していった同級生の女の子が今は暴力団組長をしている
角田明氏の探してほしい初恋の相手だった... そしてその女性はすぐ見つかった。
45歳の平凡な家庭の主婦になっていた。「3階の左端のベランダにいます。

洗濯物を干している女性です…」「不思議だ。何も感じない。驚くほど何も感じない…」
そう言ってから車のドアを開け、3階左端のベランダの近くまで歩いていく依頼人角田氏。
3階左端のベランダで洗濯物を干していた女性が依頼人の角田氏に気付き、
ベランダから部屋の中に消えた。車に戻った依頼人の角田氏が呟く…

「彼女、ベランダで俺に気づいたかな…」「気づかないと思いますよ。なんせ女性は家族も
生活もある。昔の思い出を引きずるほど女性は精神的に余裕がないと思いますよ…」
「そうだろうな…」「よほど好きな男だったら別ですけどね…」

「ま、そうだろうね。ありがとう…」「お子さんは中学生と小学生男の子ふたり、サラリーマンの
ご主人との仲はご良好です…」「俺は人生の半分を刑務所で暮らした。今でこそ、人並みな面をしていますが、
若い頃は酷かった。欲しいものがあれば何でも自分のものにした。女もそうだ。そんな獣のような
俺がガキの頃の初恋の人に会いたいと思った…」「あ、なるほど… そうですか…」

「私はいまでこそ、こうだが、真剣に恋焦がれるほど一人の女を愛した時があった。正直、30年以上の
昔の人が、こんなに簡単に見つかるとは思ってはいなかった。いや、見つかるはずがないと思っていた。 

でも、心に引っかかっていただけに、元気で暮らしていると知って安心した。まあ、それだけの
ことだけど、これで俺も喉につかえていたものが下りた気がするよ。ありがとう…」

.........
それから1か月後の事だった。やくざ抗争に巻き込まれて、あの角田明組長はヒットマンに射殺され
亡くなった。獣のような勘で生きて来た男だからこそ自分の死期を感じ取っていたのかもしれない...
その男が最後に会いたがった人が少年だった頃、真剣に愛した初恋の相手だったことに
実に考え深いものがある... ご焼香を終え、寺の境内を歩いて帰るとき

すれ違った女性に身に覚えがあった。 " ハッ! " 「まさか!」似てはいるが、...まさか、
そんなバカな… ありえん! いや、よそう... 確かめることに何の意味があると言うのだ...

...幻の他人、幻の自分を追いかけているようなものじゃないか......
  ――――――――― 人生そのものが、まぼろしのようなものではないだろうか −−−
0732ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/12(土) 17:23:35.38ID:8yo3h9Ry
「小春日和」

昭和39年…
「お母さん! これお父さんが作ってる番組だよ!! 一緒に見ようよ!
お父さんが一生懸命、作った番組なんだよ。お母さん!」
「うるさいわね! 今、お母さん、忙しいんだから… 邪魔しないで…!」
父は私の自慢だった。だた両親にどんな事情があったのかは幼い私は何も知らなかった...

あの頃は世の中が驚くほど活気があった… 大人たちはいつも仕事に追われていた...
そして子供たちは世の中は何か、とてつもなく楽しくなっていくような予感を感じながら毎日暮らしていた。

その象徴が、急激に普及したカラーテレビだった。小学校の父兄参観日の日も、「あのカッコいい人、誰?」
「裕子ちゃんのお父さんだってさ…」私はテレビ局に勤めていた父が、何かとてつもなく世の中を楽しくすることを
いつも考えているのだと本気で信じていた... 父が私を職場に連れて行ってくれると言った時は、
嬉しくて前の夜はあまり眠れなかったほどだった。テレビ局の制作という派手な職業。

しかもハンサムな父。そんな自慢な父が、単なるだらしない男に見えてくるのにさほど時間を要しなかった。
私が大学三年の時に母が他界した。父は一応、涙を流していた。しかし、三か月も経つと、父は家に戻らなくなった。

他の女と一緒に暮らし始めたのだった。私も学校を卒業して就職すると、すぐ家を出て鎌倉のマンションで
一人暮らしを始めた。何人かの男とも付き合ったが、相手の男と父の姿が重なって、結局、今まで一人で生きて来た。
こうなったのも全て、あの時の父に対するこだわりから来ているのだと思う。そんな父が突然、会いに来たのだ。

「どうしたのよ、急に訪ねて来たりして、日曜日だって私いない時だってあるのよ。今度来るときは連絡してね…」
「連絡をすれば、お前はいつも用事を作っていなくなるじゃないか…」「…。」「キャリアウーマンだか、
何だか知らんが、いつまで一人でいるつもりだ…」「私もう34歳よ。今頃、お父さんに苦労したお母さんの
ようになりたくないわ…」「…」「で、何なの? 突然、訪ねて来た訳は?」「金を貸してほしい…」

「いくら?」「三百万ほど…」「どうすんのよ… そんな大金?」「いやあ、あれが癌だと言われてな、
今、手術をすれば、まだ助かるそうだ…」「冗談じゃないわよ。どうして私が、そんなお金、出さなきゃならないのよ。
お父さんならともかく、私には全く関係ない人の手術代を出すなんてまっぴらごめんだわ…」「…そうか」
そんな父を駅まで送った。「じゃあ」「今度、一緒に飯でも食おうな裕子」「考えておくわ…」

しかし、世の中は何も変わらなかった。大人は老い、子供は大人になっただけのことだった。
こだわっていることがバカバカしくなった。そのことを父は私に教えてくれただけだった...
裏切ったり、裏切られるくらいなら一人がいい… 年取ったねお父さん......

何気なくカレンダーを見上げた。「そうか… 今日は『父の日』だったんだ…」
 ー―――今度、一緒に飯でも食おうな裕子―――  

私は1時間後、父に電話していた。
「あ、お父さん! いいのよ。気にしなくても… これで私、結構、お金持ちなんだから…  
この歳まで一人でOLやっていたんだもん。どうってことないよ。定期一つ崩せば、いいんだから…
 それよりさ、来週そっちに行くから会わない?」

.........
そして今日、父と晩秋の晴天に照らされた坂を登っている… 「突然どうしたんだ?
こんな坂を登りたいなんて…」「どうもしないわよ。何となくね… 二人で登ってみたかったの…
今日は、この時期にしては暖かく穏やかな晴天ね… お父さん…」「そうだな、いい天気だ…」
 ―――父が自慢だった幼い頃よく登った坂。今、私の目線は父と同じくらい―――
0733ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/12(土) 19:05:37.42ID:8yo3h9Ry
>>732
末尾修正
「―――父が自慢だった幼い頃、父とよく登った坂。今、私の目線は父と同じくらい―――」
0734ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/13(日) 17:56:02.41ID:uKqJ0pmI
「一人で生まれて来たのだから」

「なあ、俺を信頼してもいいだろ…」
...何度、その言葉を聞いたことだろう......
もう、こりごりだった...

「それ、もう何回目だと思う…?」
それも今日で終わり。

「サヨナラ」
彼とは別れることにした。
そう決めたんだから...

彼は残念そうな顔をしつつも、なおも追いすがる。
「なあ、行かないでくれよ。頼むから… なあ…!」
「残念ね。あ、鍵返しておくね… それと連絡はしないでね!
きっと、私からもしないから…」

カップルが分かれる時、復縁するという話も、よく聞く話だが、
でも、私は、もうしない… もうこりごりだ!

彼が何股もしていたことや、私が持ってきていた幾らかのお金も
ギャンブルや遊びで使っていたからだった。" ふざけんな! "
返してほしいと言わないだけましと思ってもらいたい。

「元気でね! さよなら…」
私は意気揚々と彼の部屋から出で言った。

後悔なんて一ミリもなかった。別れなんて誰にでもあるもの
きっかけも原因も何もない。ただ私の気持ちが冷めきっただけ。

ただそれだけのはずなのに、明るくてバカで変なとこは賢くて
そのくせ頑固で女々しくて寂しがり屋で嫉妬深く、すぐ拗ねるし、
とにかくめんどくさい彼氏だった。

でも、笑顔はとても優しくて一緒にいると楽しかった。
そんなところに惹かれた。今じゃ悪い思い出の方が目立つ。ふとしたことで起こる喧嘩。
わがままで頑固でめんどくさいこと… どうでもいい嘘…

―――――――――とにかくそんな彼から離れたかっただけ…
「もう帰りましょう 淋しくなんかないわ もとの一人に戻るだけだもの…」
0735ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/14(月) 16:18:37.02ID:zRxL4uwW
>>734
下から11行目
出で言った。×
出て行った。〇
0736ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/14(月) 17:38:14.13ID:zRxL4uwW
「縁」

別れた妻が育てた娘から突然、電話がかかって来て喫茶店で会うことになった。
この私に結婚式に出てくれと言う。

「ママとパパは戸籍上、まだ夫婦なわけだから、形だけでもそれを通して欲しいの…」
「それはどういう…」「パパに結婚式に出て欲しいの… ただしあくまでも形だけ。
一切、何も現実のことを話さずに、ママと仲の良い夫婦を演じて欲しいの…」

「だって相手の男性は我が家の状況を知ってるんだろう…?!」「知らないわよ!
言うわけないじゃないの… どうして私が自分の条件、悪くなること言わなきゃならないの…
パパは黙って座ってくれれはそれでいいの… 仕事のこと聞かれたら、博通で

チーフプロデューサーをしてますと言えばいいの…」「今、私は社では閑職にいるんだよ。ワハハハ…」
「私が可愛くないの…?! 自分勝手に生きて来たんだから、それくらいのことしてくれてもいいでしょ…」

数年前の謎が解けた気がした…「お父さん!」と高校生になった娘が突然、訪ねて来た。
「パパ、元気そうで安心した。お仕事頑張ってね…」私はひたすら戸惑った。娘が一人で私の所へ来るなんて
初めてのことだった。「この前、ママに会ったでしょ。パパが元気なさそうだって聞いたから寄ってみたの…」

「そっか…」戸惑いながらも嬉しかった。捨てたものの大きさに後悔した。ちょうどその頃、私は仕事上の
失敗もあって閑職に追いやられた時だった。閑職になって初めて今までの自分が幻に過ぎないと
分かり始めていた。娘が帰ってからも家族がいた頃の余韻に浸っていた......

...そう言えば娘が訪ねて来る前、別れた妻と喫茶店で会っていた時だった......
「あなたは今、閑職にいようと、あるいは他のどういう状況にいようと、私達母子には、関係ありませんわ。
ただ申し上げておかなければならないのは、会社をお辞めになるのは結構ですけど、生活費は今まで通りにお願い致します…」
「…わかっている」「万一、今お勤めになっている会社より格落ちするような会社に移る場合は、正式に離婚させていただきます…」

…数年前の謎が解けた… そんな別れた妻の言葉が原因ではないが、私は会社を辞めなかった。
あの瞬間、自分の人生は棒に振ってもいいと思った。娘の為ならそれてもいいと思ったからだ。
その後、性悪ホステスと暮らすようになったのはそれから間もなくだった...

その女は、私に何も告げずに、連れ子のまだ小さい女の子を残して出て行ってしまった...
『すぎのこ保育園』「パパ! おむかえおそいー!」「ごめんごめん、ハハハハ…」

手を放せば浮いてしまいそうな血の繋がらない… このまるで孫のような小さな娘の手が…
老い始めている私の手を懸命になって引っ張る… 老いた残りの時間を引き留めている...

     …湯船に浸かって、娘が保育園で習った童謡を二人で歌っていた…
ー ♪ おおきなくりの きのしたで おおきなゆめを おおきくそだてましょう ―
        不思議な親子の縁【縁】とは摩訶不思議なものである
0737ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/14(月) 17:48:42.92ID:zRxL4uwW
>>736
8行目
座ってくれれは ×
座ってくれれば 〇
0738ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/14(月) 18:13:06.51ID:zRxL4uwW
>>736
下から9行目
それても×
それでも〇
0739ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/15(火) 18:52:03.63ID:tSai/W39
「女という商売」

午後5時半を過ぎると、ややきつめに香水を振り髪を整えてから自宅マンションを出る。
バックには財布やカード類を入れてマンション近辺のタクシー乗り場でタクシーを拾う…

そして店の名前を告げ、深呼吸して後部座席に座る。ネオンが輝いている
街の目抜き通りに着くといういつも通りの出勤… 従業員専用口から入っていく…

あたしも店のロッカールームで上下ともドレスに着替え、いつものように
仲間とおしゃべりしながら開店時間を待つ… さすがに接客は大変。
こういった仕事自体、偏見で見られがちだけど、あたしたちホステスは
しっかりしている。プライドがあるからだ。

お客様を丁寧にもてなすれっきとしたサービス業と言う誇りがある。
お客様に対して色んなおべっかを使う… 多少嫌な相手でも、
嫌な顔を見せずに失礼のないように接するように心がけている。

「ナオミちゃん、ナナコちゃん、テーブルに回って頂戴! お客様がお街だから…」と、
私たちホステスが店のママに呼ばれる。「はい!」「はーい!」と私たち…

ナナコとはお互いにナンバーワンを競い合う間柄だ。あたしの方が固定客は多い…
ナナコは二十代前半、三十代前半のあたしも負けちゃいられない! と、気合が入る…

今夜も店内に静かなムードミュージックが流れ、大量のお酒とフルーツ、
おつまみなどで、お客様に欲望を売る。ここは銀座のような大都会ではないのだが、
ここのママは、昔、銀座にいてホステスの経験がある。

そこで貯めたお金でこの街で自分のお店を立ち上げたという話をママから聞いた。
ウイスキーの原酒をミネラルウォーターでハーフ割り、氷を浮かべてマドラーで掻き混ぜて差し出す…

「ナオミちゃん、今夜もいいね… 相変わらず色っぽいし… 今夜のドレスも似合っているよ。いいね!」
店の常連客のお客様がそう言ってあたしの横に座りながら話しかけてくる。

常連なので名前と顔を覚えている。いつも私を指名してくる大切なお客様。
「ありがとうございます。水割りお作りいたしますわ…」
―――今夜もこんな感じで始まった。

コロナ禍になってからと言うもの、このお仕事の行く末がちょっと心配になるこの頃…
0740ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/15(火) 18:52:24.64ID:tSai/W39
「女という商売」

午後5時半を過ぎると、ややきつめに香水を振り髪を整えてから自宅マンションを出る。
バックには財布やカード類を入れてマンション近辺のタクシー乗り場でタクシーを拾う…

そして店の名前を告げ、深呼吸して後部座席に座る。ネオンが輝いている
街の目抜き通りに着くといういつも通りの出勤… 従業員専用口から入っていく…

あたしも店のロッカールームで上下ともドレスに着替え、いつものように
仲間とおしゃべりしながら開店時間を待つ… さすがに接客は大変。
こういった仕事自体、偏見で見られがちだけど、あたしたちホステスは
しっかりしている。プライドがあるからだ。

お客様を丁寧にもてなすれっきとしたサービス業と言う誇りがある。
お客様に対して色んなおべっかを使う… 多少嫌な相手でも、
嫌な顔を見せずに失礼のないように接するように心がけている。

「ナオミちゃん、ナナコちゃん、テーブルに回って頂戴! お客様がお街だから…」と、
私たちホステスが店のママに呼ばれる。「はい!」「はーい!」と私たち…

ナナコとはお互いにナンバーワンを競い合う間柄だ。あたしの方が固定客は多い…
ナナコは二十代前半、三十代前半のあたしも負けちゃいられない! と、気合が入る…

今夜も店内に静かなムードミュージックが流れ、大量のお酒とフルーツ、
おつまみなどで、お客様に欲望を売る。ここは銀座のような大都会ではないのだが、
ここのママは、昔、銀座にいてホステスの経験がある。

そこで貯めたお金でこの街で自分のお店を立ち上げたという話をママから聞いた。
ウイスキーの原酒をミネラルウォーターでハーフ割り、氷を浮かべてマドラーで掻き混ぜて差し出す…

「ナオミちゃん、今夜もいいね… 相変わらず色っぽいし… 今夜のドレスも似合っているよ。いいね!」
店の常連客のお客様がそう言ってあたしの横に座りながら話しかけてくる。

常連なので名前と顔を覚えている。いつも私を指名してくる大切なお客様。
「ありがとうございます。水割りお作りいたしますわ…」
―――今夜もこんな感じで始まった。

コロナ禍になってからと言うもの、このお仕事の行く末がちょっと心配になるこの頃…
0741ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/15(火) 19:00:43.20ID:tSai/W39
>>739
12行目
お街だから…×
お待ちだから…〇
0742ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/16(水) 18:34:16.76ID:bu6/qxQa
「つめたい別れ」

俺に前カノと別れてから新しい彼女が出来た。
彼女も失恋を経験していた。俺たちは毎日、楽しい日々を過ごしていた...

ところがある日、突然、君は、
「別れましょう。何も聞かないで…」と言った!

俺は彼女に「何がいけなかったんだ! 何が不満なんだ!」と
聞いても一向に答えてくれない…
俺は何が何だか、分からないまま、そんなの君が言うなら、
「よし、分かった! 別れよう…」と言った。

俺のどこが、気に食わないのかも分からず、
それからというもの、突然の別れ話を切り出されたショックもあり、
その後の生活も荒れ放題… 何もかもがすべて嫌になった...

自暴自棄になり、毎日やけ酒の日々を過ごすようになっていった。
あんなに仲良くしていたのに、なぜ急に、何故、嫌われたのか...
フラれた手前もあり、連絡することも控えた。

...徐々に、そんな彼女のことも忘れかけた頃.........
彼女の友人から、彼女が亡くなったことを突然聞かされた!

…彼女は余命半年の癌だったのだ...
別れを切り出された頃に癌が見つかり、
その後、闘病生活に入っていたことを知ることになる...

彼女は俺のことを思って自ら身を引いたことを知る羽目になる。
やっと、俺は彼女の思いが理解出来るようになった。

どうして、俺に本当のことを教えてくれなかったんだろう...
―――その日の夜、夢の中で彼女に会う………

あなたが探していたのは 私の今夜の愛じゃなく
誰かを愛していた頃の キラキラ光るあなた

私が探していたのは 私の愛する人じゃなく
私を愛してくれる人 そうよ おあいこなの

何も言わないで ただ抱きしめて
何も言わないで ただ見つめて

ーーーそれで それで 思い出に出来るーーーーーーーーー
ーーーそれで それで 泣かずに済むーーーーーー

For get me  For get me 忘れ捨ててね...
For get me  For get me 探さないで…

    
0743ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/16(水) 18:43:41.97ID:bu6/qxQa
>>742
7行目
そんなの×
そんなに〇
0744ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/17(木) 18:56:43.57ID:WO4HsFJw
「新曽根崎心中」

私の旅も順調に回り出していた。歌謡ショーの前座も務めることが出来るようになっていたけど、
相変わらず食っていくのがやっとの状態だった。そんな折、地方回りの途中で挨拶に行った会長から
「あんた、確かにいい男だねぇ… すまないが、あの一座の助っ人に行っちゃくれないか…」と

言われた。大衆演劇の助っ人と言うのだ。言われた温泉場のホテルに行き、フロントを訪ねて用向きを
告げると、それまでにこやかに応対していた男の顔が、まるで見下げるような様相に変わった!
「表から入ってくるんじゃない!! 裏へ回れ!!! この役者風情が…」と怒鳴りつけられた!

私は男の指さす方へ逃げるように腰を低くして向かった。 ……場所などわからない……
向かった先の大広間の奥に舞台があった!  …私はそこに入っていった………

顔を真っ白に塗り、目元と唇をくっきりと描いた着物姿の女がいた。
いきなり鉢合わせしそうになり、「すみません。ごめんくださいまし…」
先にそう言ったのは女の方だった。

そっか、こういった世界なんだと私は思った。私も頭を下げ、
「会長から、こちらに向かうように言われたものです。どちらへ行けばいいのでしょうか…?!」
「あ、あっ…」女の胸の辺りで、白く塗った手がひらりと踊った…

「聞いております。座長はあちらで待っております… どうぞこちらへ…」
娘姿の座員は小腰をかがめ、軽く頭を下げてそう言った。
 … まるで時代劇だ! … 座長の部屋と座員の部屋とは別々だった。

暖簾の掛かった入り口で女の座員は座長に声を掛けて中に入る…
鏡の前に渋い感じの男が座っていた。挨拶をすると、
「おお、あんたか… 確かに、いい男だねぇ…」

そう言うと、いきなり大衆演劇の台本を渡された。渡された台本には
『新曽根崎心中』と書かれてあった。「今から稽古だ…」―――

...あれから一か月が過ぎた.........
------ 私は闇の中で立って、いきなりスポットライトを浴びる------
 …観客席の空気が動いた… 曲のイントロが流れ… 脇で構えていた女が躍り出す………
女がスルスルと近寄ってきて私に絡んで来る… 私も身体を回して流し目を送る…

曲の終わりに、女の背が私にもたれかかり私を私を見上げる… 
そんな女を私は強く抱きしめた… そして二人は倒れた…
" 一瞬のうちにライトが消えた! "

…私と女は下手に下がって曲が終わった………
「あんた! 舞台度胸がいいねぇ…」と座長が笑みを浮かべて言った。

芝居が終わると、私は促されて他の座員と一緒に出口でお客様を見送った。
――――――――― 座長も他の座員もお客様一人一人に声を掛けていた。

------ これが私の初舞台だった ---------

―――――――――あれから早、二年、私は舞台の醍醐味を知り、大衆演劇の役者になっていた。
0745ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/17(木) 19:05:48.74ID:WO4HsFJw
>>744
下から9行目
私を私を×
女は私を〇
0746ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/18(金) 18:39:01.21ID:g8Qy8HVk
「鳥になって」

ーーーーーーーーー 「いっぱいの幸せをあ・り・が・と・う
私は幸せ者だわ… だって最後にあなたの顔をみれたから…」

「退院して、少しでも楽しもうよ。頑張れよ! 負けるなよ!!」
余命2ヶ月と言われながらも彼女は本当に頑張った。

退院4ヶ月後の【花の博覧会】にも車椅子で行くことが出来た。
しかし、病魔は確実に進行し、間もなく自宅療養が不可能な状態になり、再入院。

「これも日頃の何とかなのかな…?!」
病室のベットで手を握りながら彼女は言った。

「最後ってなんだよ。お前は死なない! そうだろ…」
と言う俺を見て笑いながら、「いつも… 温かい目で私を見て

温かい大きな手で私を包み、幸せと安心をくれてありがとう。
その言葉を聞けただけで私はもう満足…

あなたのことが大好きだから、お願い私のことは忘れて、
あなたは絶対に早くいい人を見つけて幸せになってね…」と
震えた声で彼女は言った。

その日の雨の降りしきる晩、意識不明になり、
ーーー 翌朝、彼女は天国へ旅立った ーーーーーーーーー

ーーーーーー あれから二年。
新しく好きな彼女が出来た。君にとても似た君もよく知る彼女だ。
「君たちは双子と間違うくらいよく似ているね…」

「よく言われるのよ。私達。私たち背格好もよく似ているし、
何かとよく似ているのよね。親は違うのにね…」と言って笑っている。

そんな彼女と一緒に、いつもと同じ窓辺に立って落ち葉が積もる
窓の外の景色をいつまでも見ていた ーーーーーーーーー

.........
その彼の新しい彼女が今の私… あれから一か月が過ぎたのに…
つい今しがた寝言で亡くなった彼女の名前を呼ぶあなた
0747ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/19(土) 20:24:51.21ID:cVZywk0V
「彼女の生き方」

ウイスキー瓶を持ちロックアイスを入れたグラスにドボドボと注ぎ込む…
起きたのは午後7時... 遅い活動開始にも慣れてしまっていた。
そして薬箱からパラパラと薬を取り出す…

最近眠れなくて、医師から処方された睡眠薬と精神安定剤。
いけないと思いながらも最近は、すっかり水て飲まなくなった。

辛い現実から逃げるように酒で飲むようになっていた...
薬が効くのが早いのか、酒が回るのが早いのか、今では効くまでの
このもどかしい時間が嫌になっていた...

今日は安いウイスキーロックをちびちびとやりながらプチプチと薬を
一つずつ取り出していく… それをウイスキーロックで流し込む…

15分ほど過ぎただろうか、 …視界がぼやけて視点が定まらなくなっていた…
嗚呼、これがあたいの生き方だ。何もかもが嫌になりいきる希望を失って
自堕落な生活になっていたのだった.........

何で生きているのだろう... ふと、そんなことをまだ考えると自分がいる…
グラスの残りのウイスキーを一気に飲み干す… 少し喉がツンとした…
キッチンに氷とウイスキーを継ぎ足しに行く… …足がおぼつかない………

ついでに、そこに置いてあったビターチョコレートを持ってきた。
まだまだ夜はこれからだ。ダイエット中だなんて気にせずチョコレートを頬張る。
それをウイスキーで流し込む… 一人の部屋で独り言を喋っても、自分の耳で
…聞き取れない呂律が回らない……… これでいいのか… これが至福のひととき…

目が覚めたのは昼の4時。周りを見渡すと、テーブルには空になったグラス。
テーブルの下にはウイスキーの瓶と日本酒の一升瓶。缶ビールの缶が
あっちこっちに散らかっていた。

昨日の現実逃避に使った酒は確か日本酒だったはず………
缶ビールは3,4日前のものだった。
私はいつまでこんな生活を続けるのだろう………

こんな自堕落な生活はいけない。早く抜け出したいと思いながらも…
なかなか抜け出せずにいる自分がいる。 …酒臭い溜息を吐いて自嘲して笑う…

――――――――― 彼女の人生 いつでも晴れ ―――――――――
0748ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/19(土) 20:37:13.38ID:cVZywk0V
自堕落な生活いけませんね。そんな反面教師的作品も中島みゆきならでは
0749ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/20(日) 18:42:07.21ID:46x/aK2k
「この世に二人だけ」

今書店にいる。行きつけの本屋さんではない。何気なく通りがかって見つけた本屋さん。
夕暮れにふらりと立ち寄った小さな書店。そこで見つけたあなたの彼女が描いた絵の載った
本を偶然見つけた! 柔らかなパステルの色は、そのままあなたの好みの色だった...

偶然見つけてしまったその本。見てはいけないものを見るようにページをめくる…
夕暮れの秋の凩に煽られてあなたと同じ苗字に気付く………
嫌いになどなれるはずもない あなたの愛した人だもの

あなたと口喧嘩して以来、この街を離れ遠ざかっていた...
しばらく会っていないうちに結婚していたのだった。
知らなかった。ショックだった...

暫く連絡を取っていなかったが好きだったあなた。色々と考えてしまって心の整理がつかない…
時間が経てば少しずつ気持ちの整理がつくのだろうか.........
彼女はもともと私と違い、あなたに最も近い存在だった。私が勝手に、あなたに片思いしていただけ...

でも、好きだっただけにショックは大きい......... しばらくは立ち直れそうにない.........
彼女と付き合っていた頃も、私に、「彼女とは、単なる女友達だよ。まだまだ
誰とも結婚する気はないね…」と言っていたあなた。

正直に言うと、私はあなたと出会った時から、勝手にどんどんあなたに惹かれていっただけ…
結局は彼女がいるあなたに正直に自分の気持ちを伝えることが出来なかった...
告白する勇気もなかった...  …所詮、友達以上恋人未満だった…

二人だけ この世に残し 死に絶えてしまえばいいと
心ならずも願ってしまうけど それでもあなたは 私を選ばない
0750ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/21(月) 19:27:25.56ID:uYy6LKv9
「SE・TSU・NA・KU・TE」

「失恋って辛いね…」ただぼんやりとカナは呟く...
その感情のこもらない言葉は彼女の悲しみをあまりにも素直に表していた。

私もその言葉に何も言えなかった...
お互いに何も喋らないまま、グラスに口を付けるだけの時間が過ぎていた...

「ワタシね、あいつのこと、凄く凄く好きだった… それが裏目に出ちゃったのかな…?!
昼、いきなり呼び出されて、お前とはもう付き合えない! だってさ…」とカナは口を開いた。
「うん、その話。さっき聞いた…」と私。私はいつも彼女の相談役。

彼女を慰め、励まし、時に冷やかしても、頼りにされている。
「何がダメだったのかな…? 好きなだけじゃダメなのかなぁ〜?!」

そんな子供の様なことを言うカナの瞳は濡れていて、カウンターの隅に置かれた
シェードランプの光を散乱させている… そんな彼女の姿はいつもより
可憐に見えて傷つけたくはなかった。

人生の答えだけを教えてくれる映画やドラマ達... みんな嘘… そう、みんな嘘... 。
彼女には言っていなかったけど、実は私も同じ問題を抱えていた.........

今までの私なら気の利いたジョークで決める! 今までの私ならクールなセリフで決める!
なのに、なぜ口ごもる… うろたえる… うろたえて答えが出ない...
こんな時は、こうしろといつも彼女になら言えたのに.........
込み上げる涙だけが素直... 恋しくて、それと言えなくて、こんな切なさを知らなかった。

でも、私は口を開いてしまった。
「きっと、好きなだけじゃダメなんだよ。それだけじゃダメなんだよ…」
「…どういうこと…?!」 …心なしかカナは不機嫌そう… それはそうだろう…
きっと私はカナの意見に賛同し、カナの彼を愚か者だと言って彼女を慰めるべきなのだ。

でも、それが出来なかった。それを今更ながら後悔して押し黙る...
沈黙に耐えきれなくなったのか、私に対する不満が限界を超えたのか、カナが堰を切ったように
「どうせミキには分からないよ!私の気持ちは... いつだって冷たい態度で、人を馬鹿にしてるの…?!
人を本気で好きになったことなんて、どうせミキにはないんでしょーっ!」

傷ついているから、だから彼女はそんなことを言うんだろう… カナの言葉で、私はグラスの中のレディキラーカクテル
ホワイトルシアンを一気飲みし、口を開いた。「好きで好きでどうしょうもなくて、でも、相手のことは実は知らなくて、
そのことを知ってボロボロになった…」…冷静に言ったつもりだった... けど、ダメだった... 。

少し声が震えてしまったのだ。私の声の変化に気づいたのか… 横にいるカナが私の方を向いたのが分かった。
でも、私は目を合わせられなかった... 「ごめんね... 私、どうかしてた…」とカナが静かに言った。
「別に... 今は辛いだろうから仕方がないよ…」 …これが私の精一杯のカナへの思いやりだった…
0751ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/22(火) 18:40:23.89ID:7qsI1Px6
「樹高千丈 落葉帰根」前編

…俺は30年ぶりとなる故郷に帰って来ていた………
駅前のロータリーは広く整備がされ昔の面影は全くなかった。
30年と言う歳月の長さを今更ながら感じた...

道路を隔てた角地に立つ古い木造の建物に記憶があった。学生時代の部活帰りに
よく通った食堂に似ていた… ロータリーを渡り、確認すべく店の前に立った。
朽ちかけた看板の文字、『まんぷく食堂』と読めた。人影はなく、
何年も前に閉ざされたままなのは明らかだった...

…俺の胸は熱くなった… 自分の過去に繋がる唯一のものを見つけた安堵感からであった。
同じ時間と空間、季節を過ごした懐かし友達の顔が、古びた看板の上に浮かんでは消えた………

16歳で高校を中退し、逃げるように生まれ育った故郷を捨てた俺にとって駅を降りてから、
 この生まれ故郷に " 戻って来たと感じた瞬間 " でもあった......

.........
俺の父は、俺が15歳の夏に突然亡くなった。漁師であった父は時化が
三日も続いた翌日、中古の船をローンで買ったばかりと言う事もあり、
無理してまだ波風の残る海に出かけ海難事故にあった………

...あれは、俺が布団に入っている時だった...
漁に出る前の両親の言い争いをまだ鮮明に覚えている......
「お父さん、まだこんな荒れた海に出かけては危ないからやめてくださいな!」
「もう三日も、このままだ……… 明日も同じだろうよ。俺は末までに、何とか少しでも

返さなきゃならねぇんだよ!」「それはわかっています! お父さん、今回も私が何とか、
組合長に頼んでみますから…」「駄目だ! 待ってられん。俺にも意地がある…」
小さな町の粗末な家である。寝ている俺の耳元にも二人の会話は、ハッキリと聞き取れた。

俺にとって自慢の父親でもあった。その死は、到底受け入れられるものではなく
いつしか母との関係も不自然に壊れていった。母は現実から逃げるように酒に溺れていった。
深夜に男に送られて帰ってくる日々が続いた… そして決定的な場面を目撃することとなる。

俺が部活で遅くなった夜、玄関の扉を開けようとした俺の耳に、母親の呻き声と
男の低い声が重なった……… 15歳になっていた俺は、今起きていることは十分理解できた。
母の辛い気持ちはわかっていても、若い男に救いを求める姿は到底許せなかった...

俺は家を飛び出した……… 「けんちゃ〜ん! 待って―――!」背後から母親の叫び声が追ってきた―――
その声は俺の心には届かなかった。翌月、俺は迷いもなく故郷を捨て自分の居場所を
探すため ―東京を目指した―――――――――
0752ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/22(火) 19:46:19.02ID:7qsI1Px6
「樹高千丈 落葉帰根」後編

 …都会の夜を彩るイルミネーションは美しかった……… 東京に出た俺は錦糸町で働き始めた。
これと言った経験も資格もない俺にとって唯一受け入れてくれた世界が夜の仕事であった。年齢を偽りバーテンの仕事に就いた。

…夜の煌びやかさは朝まで続き……… 街は眠ることはなかった。
最新のファッションに身を包んだカップルが楽しそうに腕を組んで歩いている………
若かった俺が求めていた世界がここにはあった。バーテンの仕事にも慣れ、いくつかの恋愛も経験し、それなりに大人の世界も見て来た。

そんな俺目当てに通って来る若い女性がいた。付き合い始めて二年が過ぎた頃、一緒になりたいと言われた。
しかし、彼女の両親に結婚の承諾を受けに行った時、儚くもその夢は崩れ去った...

これといった学歴もなく、名も知らぬ「どこの馬の骨ともわからない奴にうちの娘は渡さん!」と彼女の親にキッパリと断られたのだった。
それまで煌びやかに映っていたこの夜の街が… その都会の底辺に住む深海魚のようなものであることを実感したのであった...

久しぶりに見上げた夜空に故郷を重ねた。「母さん… 元気かなぁ〜」その時、既に無情にも
この都会での生活も三十年と言う月日が流れていた.........

…その一週間後、突然、一通の郵便物が届いていた……… 差出人は、歳が一つ下の従妹の真奈美ちゃんからだった。
「お兄ちゃん、お変わりありませんか。突然のお手紙で、さぞ驚かれたことでしょうね。
何しろお兄ちゃんが、町を離れて以来だから三十年も会っていませんものね。少し迷いましたが、

悪いお知らせをしなければなりません。実はお兄ちゃんのお母さまが五日前に亡くなったのです。
本当に残念ですけど・・・ ご葬儀は私たちで無事に済ませましたので心配しなくていいですよ………

すぐさまそこに書かれた電話番号を頼りに従妹の真奈美ちゃんに電話した。
「伯母さまはね。お兄ちゃんが三十年前に家を出た日から一日も欠かさずに、
近所の神社にお参りしていたのよ。お兄ちゃんの無事と一日でも早く一緒に暮らしたいと

言う思いだったと思うわ。伯母まもあれ以来、一滴のお酒も飲んでなく、
ましてや男の人との付き合いも一切なかったみたいね…」

母は俺が家を飛び出して以来、生活は誰に頼るでもなく、辛い冬の間も朝、
早くから漁師網の修繕の仕事を続け生活の糧としていたという。辛い生活の中でも
俺の為にと、少額の郵便貯金を三十年間も続けていたという......

そんな母が亡くなった。神社の階段の中段に、崩れるように座っているところを、
たまたま犬の散歩で通りががった年配の男性が発見したという。特に苦しんだ様子もなく
穏やかな笑みを浮かべていたという… 発見されたときは既に亡くなっていたという。
 ……… 母、澄子 享年76歳 ………  「お母さん………」――――――

.........
故郷を捨てた俺は今、30年ぶりに故郷に帰って来ていた………
駅前のロータリーに止まっていたタクシーに乗ると行き先を告げた。
「海岸通りの二丁目まで、お願いします…」「市場の近くだな?」
「はい! 魚市場を左に曲がって100mくらい言ったところです…」

タクシーはロータリーを抜け、海に続く道路を暫く進むと見覚えのある商店が目に飛び込んできた。
まだ営業しているようだ。懐かしさに景色が滲んで見えた。タクシーは家の近くまで来た。
時間が止まっていたかのように、辺りの景色は何も変わってはいなかった...

俺の生まれ育った家が30m先に見えて来た………
「ここで降ろしてください…」俺がいた頃の記憶と少しも変わらない古い家。
今なら痛いほど母の気持ちがわかる。タクシーを降りた俺は、「母さん! 帰って来たよ…」
三十年という寂しく流れた時間を取り戻すかのように.........
0753ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/22(火) 20:02:20.78ID:7qsI1Px6
>>752
下から20行目
伯母まも×
伯母さまも〇
0754ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/22(火) 20:32:01.82ID:7qsI1Px6
>>751
下から5行目 16歳に訂正
0755ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/23(水) 07:56:51.93ID:Qn4kI4Rp
>>752
下から14行目
通りががった×
通りがかった〇
0756ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/23(水) 19:50:51.38ID:Qn4kI4Rp
「負けんもんね」

その言葉に私の " 頭は真っ白 " になった! --------- リストラ --------- !?
この私が!? 一体どうして?! 4年生の大学を卒業後、私は今の会社に入社した。

この会社のTVコマーシャルは頻繁に毎日のように放送され、そこで使われたCMソングは
必ずヒットすると言う伝説まで生まれた。まさにその名を知らぬ者はいないと言われる宝石を
扱う全国チェーンの会社。大学で経営学を学び、流通に興味を持った私は、この一世を
風靡した会社で誰よりもトップに立ってやろうと、とにかくやみくもに働き続けた。

おかげで入社して間もなくすると、私は都内のお店の店長を任された。
その後、女性として初めてのエリアマネージャーとして本社に呼ばれると言う異例の人事を受けた。
都内数十店舗の管理運営、スタッフたちの育成に取り組んできた。

エリアの管理はもちろん、売り上げの達成も幾度となく行い、この会社の発展に貢献してきたつもりだった。
自分が育てたスタッフで、今やエリアマネージャーとして活躍しているスタッフも何人かいる。
いわゆる男性だらけの本社内で、彼らに負けないよう命がけで戦って来たプライドがある。

それなのに、それなのに………  " この私がリストラだとぉーーー!? "
悔しくて… 悔しくて… 無意識に私の瞳に涙が溜まってゆくのを強く感じる…

歯を食いしばり、部長を睨み返すのが精一杯だった。何か言おうとしても、中々、思いつかない… 言葉が出ない... 
「雨宮君、君も知っての通り、我が社は、先日、民事再生の手続きを申請し、東京地裁に受理された。
世間では民事再生を受けるような会社は倒産だと思われるかもしれないが、だが、それは違う。

かろうじて我が社は生き残れた。民事再生とは、会社の生き残りを賭けた再出発だ。それには多少の血を流し、
会社の余分な贅肉はそぎ取っていかなければならないのだ…」とあくまでも、淡々と話を続ける部長の言葉に
イラっときて、「じゃあ何よ!この私がぁ、会社の贅肉でぇ、会社が生き残るためにそぎ取らなきゃなんないって
アンタは言うワケ、?! ふざけんじゃないわよ! 私がどれだけ、この会社の為に働いて来たと思ってんのよ!」

「雨宮君! いいかい、君は理解できないと思うが、今、この不況下で、各企業が一番持て余しているのは、
君たち30代の管理職の人間なんだ。役職についている分、20代の若者よりも給料が高い。特に我が社に関しては、
これから未収益店の退店を一気に進めていかなければならない。管理職など、昔のようにもう何人も必要がないんだよ」

「そ、そんな・・・」「まあ、そんな顔をしなくても、君には入社時から掛けていた会社の財形貯蓄もあるし、
当面は生活には困らんだろう。これもいい機会だ。とりあえず、そろそろ結婚でもしたらどうかね…」と
部長は頬を緩め微笑み私の肩をポンと軽く叩くと、社長室に向かい颯爽と歩き始めた………

しかし、 " 結婚 " この言葉が、私の怒りのツボのスイッチを押してしまった!
私の体の中に一気に何か熱いモノが駆け巡った瞬間だった---------

「ちょっと待ってよ! アンタ、あぁ、、 バカにしないでよ――――――!
ことにつけてやれ、結婚しろだぁ…?! ここまで頑張って来たのに、
やりたい仕事辞めて、何が悲しくて男の世話になんか、なんなきゃなんないのよ―

たとえアンタたちが私のクビを切ろうが、わたしはねぇー、この十年間で身に着けた
キャリアとスキルを活かして、アンタたち男になんか負けない一大企業でも
起こしてやるってーの! 女だからってねぇー、バカにしないでよ―!」

悔しくて、悔しくて、頬にはボロボロと涙が零れていた。そして、これでもかと言うくらいの
大声で叫んでやった! 「バカヤロー! ふざけんな―!!」天職だと思ってる今の仕事辞められるかぁあ---------

不況なんかに負けるもんか! 負けんもんね!
    ---------涙ははらはらと流れても 負けんもんね 負けんもんね!

実は私には好きなあの人がいた。好きなあの人の為にも負けられなかった。
海外赴任している彼。遠距離恋愛をしていた。彼が帰ってくるまで好きな今の仕事で頑張ると誓った。
あの人も、好きな仕事も私にとっちゃ生きがい。 あの人がいるから 負けんもんね
0757ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/24(木) 19:52:36.21ID:GXywR77C
「異国の女」

俺は海から数百メートル高い位置に展望台がある海岸にいた。
そこは崖になっていて、眼下の岩礁が絶えず風が波音を立てながら吹く―――
飛び降りれば一瞬であの世に逝けそうな場所だった...

見晴らしは良く、天高く広い空には秋の静かな雲が斜めに流れる………
まるで空の天井が抜けたような秋晴れ、風が強く吹き――――――
空に浮かぶ、大きな雲が高い空を静かに動いていた………

水色に澄んだ秋空が、気が遠くなるほど――― 高く晴れ上がっていた。
遥か向こうまで続く――― 透明感のある水色の海が地平線まで見渡せる―――

俺は愛車を駐車場に停め、転落防止柵に両手を付いて広い大海原を眺めていた――――――

その日の秋の空と海は、ため息が出るほど、綺麗で、大きく、どこまでも広く澄んでいた………
そんな空高い秋晴れと見渡す限り辺り一面、大海原のパノラマ――― 
そんな空と海の広大な景色を眺めていたのは俺一人ではなかった。先客がいた。

左を向くと、数十メートル先に外国人らしき背の高い女の人が立っていた。
その人は柵の前に立ち、俺と同じく方向の景色を眺めていた―――
その人は俺の視線に気づき、笑顔を見せた。

そしてベージュのパンプスをコツコツと鳴らしながら、ゆっくりと歩きながら近づいて来た。
流暢な日本語で、「こんにちは!」とその人は俺に挨拶をした。
「こんにちは!」と俺も挨拶をした。
その人は景色を見ながら「綺麗ですね…」と言った。
「そうですね…」ーーーーーー
0758ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/24(木) 19:58:43.76ID:GXywR77C
>>757
2行目
岩礁が×
岩礁に〇
0759ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/25(金) 18:09:09.33ID:a5b/eUug
「タクシードライバー」

「○○町の○○病院までお願いします…」
子連れの女性にそう言われた俺はすぐさま車を出した。
タクシードライバー それが俺の仕事だった。

今日もいつものように、少ない稼ぎを切り崩して昼食後、車を走らせる―――
「ねーねー おじさーん!」発車してから暫くして、母親と一緒に乗っている幼い子供が話しかけて来た。

「おじさんも、うんてんしゅさんなの? ぼくのおとうさんもうんてんしゅさんなんだ!
ずごくかっこいいんだよ!」嬉しそうに話す幼い男の子の声に、「へー、そうなんだ…?!」と俺は小さくそう答える。

タクシードライバーの仕事。実際にやっている人間からすれば何がカッコいいのかわからない(笑) 
 ―――ルームミラー越しに後部座席の純真な幼い子供の顔を見る――――――

そんな純真な子供から見ると、こうやって車を運転する姿はカッコよく映るのだろうーーー
屈託のない笑顔で話しかけられると、本当にお父さんの仕事をカッコいいと思っていることがよくわかる。

タクシードライバーがカッコいいかぁ… ワハハハ… 考えたことも無かったなぁ〜 
子供とは本当に純真なものだ... 

「ねーおかあさん、きょうも、おとうさん、げんきかなぁ〜? ぼくが、かいたおとうさんのえを、
はやくおとうさんに、みせたいなー!」お父さんの似顔絵が入った子供用の小さく可愛らしい
リュックサックを両手で抱えながら、嬉しそうに身体を弾ませて無邪気な顔で言ってる………

しかし母親らしき女性は何処か浮かない感じだった。子供の純真さは時には大人を苦しめる。
その母親らしき女性の表情はまさにそんな感じだった.........

.........
「着きました。二千円になります…」結局、それ以降の会話は何もないまま目的地に着いた。
幼い男の子のお父さんは入院してて、重い病気なのが伝わって来た。その子の母親らしき女性は、
すぐさま紙幣を俺に手渡すと、幼い子供の手を引いてタクシーを降りて行った。

降りた直後、幼い男の子は俺に向かって笑顔で手を振ってくれた。
その後ろで、母親らしき女性は、俺に柔らかな視線を送ってくれた。

それを受けた俺は、
―――その親子に向かって精一杯の笑顔を向けてから、―――その場を後にした――――――
0760ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/26(土) 11:44:43.20ID:k7dXKH+i
>>759
7行目
ずごく×
すごく〇
0761ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/26(土) 18:45:58.37ID:k7dXKH+i
「ランナーズ・ハイ」

私は過去にランナーズハイを体験したことがあった。それは大学生の頃だった...
別に運動部に入っていた訳じゃないけど、何故か、ふと、ジョキングを始めようと思い立った。

運動不足解消の意味があったのかもしれない… 体重を落としたいという思いもあったかもしれない… 
絶えずダイエットしたいという思いがあったのも事実なのだ。今となっては何が原因か、
はっきりしたことは解らないが、とにかくジョキングしたかった。

今思えば歩いて通学していたし、その他にも散歩など一日で合計40分くらいは歩いていたので、
標準的な体型を保てていたので、態々ジョキングを始める必要も無かっただけに...
動機などの直接行動を起こす原因などは何でもよかったのかもしれない(笑)………

理由なんてどうでもよかった。でも、いざ初めてみると、やっぱり辛い...
尋常じゃなく辛く息が切れる… 脇腹が痛い! 足も痛い! もの凄く辛くキツかった。
それでもやり始めた以上、暫く続けたら… それなりに走れるようになってきた………

そのうち、段々と走らなきゃ気持ち悪く感じるようになり、そのまま週三日くらいの頻度でジョキングを続けていた………
で、ある時、いつも通りに走り続けていたら… なったんですよ。   ……… ランナーズハイに ……… 

暫く走り続け… (あぁ〜 超疲れたし苦しくなってきた……… そろそろ止めるかなぁ……… )と
思ったけど、何となくもう少し継続してみようと、止まらずに走り続けた………

そしたら、段々ともう少し続けられそうな気分になり、その気分がやがて… 気持ちいいに変わって逝った………
勿論、疲れが吹っ飛んだ訳じゃない。苦しいし、痛いし、疲れていることには変わりがない。

なのに、その一方で、(止めたくない! まだ続けたい…)と思う自分がいる。
このまま日本列島横断、下手すりゃアースマラソンも一気に出来るんじゃないかとすら思えるようになっていった…
もう完全なるハイ状態でした。今それと同じ状態になっていた。それはレコーディング中に起きた!
このまま歌い続けると、喉、声帯がやられる… 声が出なくなる… それがわかっていても、やめられない…
歌うことを止められないでいるミュージシャンの性なのか… 

そんな時、 " ふと思った! "  あなたの親戚の人が何ンで言ってるか、知ってるわ
たちの悪い女とは手を切れ まともな女は他にいる 歌い続けたキリギリスには
どんな定めか子供でも知っている。 愛か歌か 未来か歌か 恩か歌か  …何故、両方じゃダメなの…?!

歌をあきらめなければまっとうに暮らしていけない… 除け者。
堅気に納まった友が何ンて言ってるか 知ってるわ みじめな行き倒れなって来ても 
面倒見るような義理は無い 今限りしか咲かない切り花 根を下ろさない無駄な徒花
恋か歌か、暮らしか歌か、人か歌か  …何故、両方じゃダメなの…?!

 …それでも私は迷わず歌を取る取らざるを得ない…
歌を歌い続けてゆく 倒れるまで停まらない停まれない 「ランナーズ・ハイ」に違いないわ
歌ったら停まらない それがミュージシャンの性なのか

心は常に折れている 副木をあてて生きてゆく 継木を継いで生きてゆく
   ―――――それでも歌はやめられない  runner's high
0762ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/27(日) 18:04:33.20ID:S33rL/sK
「風の姿」

「そんな人だと思わなかった…」と言われてどうして涙が出たの...
どんな人だと思われたくて どこの誰の真似をしてきたの…

.........
終電を待つ駅のホームに吹く風が強い――――――
肌寒い待合室には私たち二人しかいなかった...

「別に、ここまで来なくてもよかったのに…」
大きい溜息は、一体どういう意味なの...

思えば初めてあった日、
彼とこうやって会っていることなど想像もつかなかった...

終電の発車時間まで5分を切った所でホームに出ようとする。
待合室より少し寒いくらいだから、我慢できない感じではない。

そんなこんなを考えているうちに………
黄色い電車がホームに滑り込んできた――――――
車体が巻き起こす冷たい突風が――― 髪や身体を揺らす――――――

私たちにはもう二度と来ない時間に想えた...
けど、電車にとっては、いつもの予定通りの一つに過ぎない...

" プシュー! " っという音と共に扉が開き… 彼は電車に乗り込んだ。
「頑張ってね。身体に気を付けてね…」「じゃあ…」彼が一言。
私もそれに、「うん!」とだけ答える。

会話は弾まなかった。お互い言葉がまるで出てこなかった...
歯痒い思いもしつつ… これでいいんだと納得する気持ちもあった。
そこでようやく、私は素直な心で涙を流すことが出来た...。

電車に乗り込んだ彼は、扉の傍で私の方を見たまま立っている。
私もホーム側で彼を見返したまま佇んだ。

一歩足を踏み出せば、手を伸ばせば、お互い一緒の世界に居られる距離…
そう思っている間に、扉がゆっくりと閉まっていくーーー
「元気で、また逢えたらいいね…」――― 閉まる間際に、彼はそう言った。
「うん!」私も頷く…

 ――ー電車は走り出した――――――――― 
ドラマのように、走る電車と並走するなんてことは出来なかった...
ただじっとその場で見えなくなるまで見送った………

彼に助けられた日々... 私が辛い時に連絡して会ってくれた日々...
どれも感謝している。本当にありがとう………

…彼との日々の思い出が蘇って来る………
無愛想な表情に、時折見せるはにかんだ笑顔...
 ―――また会えると、そんなことを感じさせる笑顔――――――
0763ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/28(月) 18:16:15.24ID:/E0sCHrt
「悲しみに」

「健一、開けてくれよ。鍵を開けてくれんと入れんじゃないか…」
「お前なんか親じゃない! もうこの家に帰って来るな!」
中学生になったばかりの僕は父が許せなかった...

家族のことはかえりみず、自分の好きなようにお金を使い、
挙句は人の保証人になったりして、多大な借金を抱えて来た...
そんなルーズな父が許せなかったのだ。

「健一、父さんを許してやってもいいんじゃないの…」と母が言う。
「母さん! 何言いだすんだ!? あんなに母さんと話し合ったじゃないか、
あいつはもう、父さんでも何でもないんだって! 母さんが働いたお金を
人にあげちゃう様な人間は父親でも何でもないって母さんと話し合ったじゃないか…?!」

「でもね、酷い人だと思うけど、優しいところもあるしね…」
「ふざけんなよ! 母さんと僕を泣かせて、一体どこが優しいんだよ!
このままじゃ家庭が滅茶苦茶になってしまうじゃないか!!」

その夜、中学生になったばかりの僕が、そんな父を家に入れないようにした為、
父は僕と母を残して、僕たちの前から去っていった.........
―――――それが僕の見た父の最後の姿だった―――――――――

...それから十年と言う歳月が流れた.........
そんな父が亡くなったという知らせをそれも絵葉書で受け取った...
「お母さん、まさか、行くつもりじゃないだろうね…?!」

「いくらなんだって、母さん行ってくるよ。お骨も取りに行かないなんて、あまりに
不人情すぎるよ…」「駄目だよ母さん! もしかしたら嘘かもしれないじゃないか…」

「あの人は気が弱く、何もできない人だったけど、嘘だけはついたことがなかったんだよ。
嫌になるくらい正直な人だったよ…」「でも、絵葉書でこんな大事なこと知らせに来るなんて
おかしいじゃないか…?! それも差出人は女の人の名前だよ…」

「大学は奨学金で言ってくれたし、働いたお金は、全部家に入れてくれるし、
母さんはお前には感謝しているよ…」「じゃあ、行かないでくれるね…」

僕は淋しそうな母を見て、自分のしていることに不安を感じないわけでもなかった。
だからこれでいいのだと自分に何度も言い聞かせた.........

...それから間もなく母はこの世を去った.........
母の最期の言葉は「お父さんを許してやって…」と言う言葉だった...

―――今、僕は三年前に届いた絵葉書の住所を頼りに、―電車に乗った―――
   ―――海岸沿いを走る電車の中から見える窓の外の景色を見ていた... 
          ――― 沖をゆく 一隻の舟 ―――――――――
                          
0764ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/28(月) 18:20:57.10ID:/E0sCHrt
>>763
下から9行目
言ってくれたし×
行ってくれたし〇
0765ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/28(月) 18:25:24.14ID:/E0sCHrt
>>763
末尾修正
「――― 沖をゆく 一隻の舟を見ていた ―――――――――」
0766ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/29(火) 18:47:05.43ID:mB93r7xF
「ピアニシモ」

放課後の教室は合唱祭に向けて練習していた。先生がタクトを振ると、
グランドピアノが前奏を始めた。俺も手元の楽譜に目を落とした。
アヴェ・ヴェルム・コルプス。モーツァルト作曲とある。

物静かなピアノから、囁くような音で合唱が始まる。モーツァルトなんて
正直、名前くらいしか知らないし、歌は外国語でチンプンカンプンだ。

教会なんかで聴くやっだな… 讃美歌っていうんだっけ…?! こういうの…
隣の由香は食い入るように楽譜を見ている。今流れている音楽を必死でたどっているようだ。
とても話しかけられる雰囲気ではない。俺も楽譜を眺めながら音楽に聞き入った。

一通り曲を流した後、それぞれに分かれてパート練習に入った。望月は譜面に指導の内容を
書き込んでいる。みんなのアイドル船橋さんは言葉を受け取っては赤ペンを走らせていた。

みんな船橋さんの言葉を受け取っては赤ペンを走らせている。みんな船橋さんの要求に応じて
どんどん音楽が完成されていく… みんな真剣な眼差しで、その過程をこなしていく姿に俺も
胸が熱くなり始めていた。「よーし、今日はこれくらいにして、明日またその続きから…
最後に一回通して終わりにしよう…」

練習を終え外に出ると、辺りは既に夜になっていた。腕時計は7時を指していた。
俺は由香に、「うちに来る。天井にプロジェクターで映し出すプラネタリウムがあるんだ…」
「でも、門限が9時なの…」と由香が言う。「大丈夫、心配ないよ。門限までに帰れるから…」と俺。

家に着くなり、俺はカバンを部屋の片隅に置いて、プロジェクターを天井に向けて映し出す…
明かりを消して自分の部屋の真ん中に寝転んだ。「やっぱり落ち着くな…」
薄っすらと目を開けながら呟く俺の声… 由香も俺の左隣に座って天井を見上げる。

暫く俺達は何も喋らず、ただぼんやりと天井を眺めていた...
俺は由香の袖口を引っ張って、「由香も寝転べば… 首が痛くなるだろ…?!」
「そうね…」と由香は素直に頷いて、そっと俺の隣に寝転んだ。

「あ、ここ、ホントに防音効いてないから… 念のため。ちっちゃい声で歌おうぜ!」
さっきホールで歌ったような声だと、防音がなければ夜だし、近所迷惑だ。
それに俺は由香の歌声に釣り合う自信がまるでなかった。

指先で由香の手の甲を軽く叩く…
「これ、出だしの合図。1・2・3・ハイ、な、」
由香は、はにかんで小さく頷くと、天井を見上げてスッと息を吸った。
「あ、ワリィ、最初の音くれない…?」
俺は慌てて、由香に音出しをお願いした。

あ、そうか、と言うように由香は最初のソプラノの音を出してくれる。
俺はそこからベースの音を拾った。
「今くらいの大きさの声な…」
「ああ、ピアニシモ…?!」
「そう、それそれ…」
俺たちは顔を合わせて " フフッ " と笑い合った。
0767ジョン・スミス
垢版 |
2022/11/30(水) 19:34:21.36ID:BA8L8rOA
「闇夜のテーブル」

赤い帽子に赤いコート、白髭を蓄えて登場したマジシャン。
ステージの上で華麗に一礼した。one! 口の中で呟いて、
赤い帽子を放り投げる! ポンと軽やかな音がして赤が弾けた! 

金銀の紙吹雪を散らしながら、黒いハットが彼の頭にぴったりと収まる。
two! 赤いコートを脱ぎ棄てながら、バサリとうち振るう… 

次の瞬間、その手にあるのは漆黒のマント! 目にも止まらぬ早業で彼はマントを身にまとう。
three! むしり取った白髭を両手の間に、バシンと音を立てて閉じ込める!

開いた両手の間をカードが舞った〜 再び、バシンと手を叩けば!
細い煙が上がり、カードが消える! ホール一杯の息を呑む気配とどよめきが起こる!
ちょっと遅れて、今度は感情のこもった拍手が鳴らされる!!

両手をバシンと叩くと、トランプカードが出て来た! 
お客さんに、「どなたか…?!」と声掛けで、
お客さんの中から手を挙げた、おしゃまなドレスの女の子が選ばれる。

「今日は、一つのトランプを使います。それでは好きなところでストップと言ってください!」
おしゃまなドレス姿の女の子が、「ストップ!」

「グチャグチャに混ぜてしまったので、あなたが選んだガードは、何処へ行ったか分かりません!」
そう言いながら指を鳴らし、一番上のカードめくった。

「私が指を鳴らせば、あなたが選んだカードは一番上に上がってきます…」
そう言って上がって来たカードを見せると、見事に当たっていた!
しかし、これだけでは終わらない。

「今、一番上にあるこのカードを真ん中あたりに入れます…」
そして指を鳴らしてカードをめくった。

「なんと、もう一度上に来ます…」
その光景を目のあたりにした驚きを隠せない客席から盛大な拍手が鳴り響く………
そして次から次へと披露し、繰り出されるカードマジックで彼は客席を翻弄していく………

おしゃまなドレス姿の女の子が選んだカードをホール中のお客さんに見せて回る時、
隅のテーブルの傍で、  ……… 一瞬、彼は目を見張った ………
------−−−それに気付いたのは、彼の眼差しを引いた彼女だけだった−−−------
0768ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/01(木) 18:14:58.29ID:9OE4CYAl
「生まれた時から」

店の重い木製の扉を開ける。
カランカランというドアベルの音が鳴った。。。

足を踏み入れると、「いらっしゃいませ!」と
若いバーテンダーがにこやかな声で応対してくれた。

テーブル席はカップルが賑やかに談笑しながら飲んでいる…
店の中は様々な酒の瓶が所狭しと並んでいる………
" やっぱりあんたがカウンターの席で飲んでいた "

あんたの仲間から、
「行ってみな、奴は今頃は、あそこにいるんじゃないのかな…」と聞かされていたからだ。

 生まれた時から飲んでたと思うほど
あんたが素面でいるのを あたしは見たことがない 

昔のあんたの姿を 悪気もなく聞かされた
あの娘と別れて荒れてたあの頃と
今でも同じだと まだ悲しいんだねと

そんなあんたとの出会いは...
            ーーー ちょうど今から三年も前になる ーーー

隣街の駅から歩いて五分、雑居ビルの地下にある小さなライブハウス。
あたしはそこに通っていた。あんたの弾き語りを聴くためだった...

生まれた時から好かれたことがない 
冴えないあたしに聞かせた 浴びるような恋の歌
あたしは嬉しかった 好かれたかと思った

そんな恋歌を何曲も持ち歌にして、かすれた渋く低い声で歌う…
あたしはそんなあんたの恋の歌が好きだった。

ライブがある時は欠かさず通っていた。
ライブが終わった後、「今日はありがとう…」と
あんたが言ってステージを颯爽と去っていく………

そしていつも20人ほどの客が集まっていた。
みんなが帰っていく中、あたしは一人呆然と立っていた。
「今日は来てくれてありがとうね…」
あんたはステージから降りて来てあたしの方にやって来て言った。

「君は、いつも来てくれている人だよね。いつもありがとう…」
―――これがあんたとの出会いだった―――――
0769ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/02(金) 18:53:30.89ID:vzmdLNIg
「おはよう」

いつの間にやら目覚まし時計を止めていたらしく気づくと、 " 7時を過ぎていた "
俺は慌ててスーツに着替えて、姿見で髪型を適当に整えるとリビングに向かった。
格子状にガラスの配された室内扉の前に立ちドアノブを握る…

カチャリ!と音を立てて、その扉を開けると、いつもと同じ調子の妻の声、
「おはよう。あなた、今日は遅いのね…」妻はリビングの隣のダイニングキッチンで食器を洗っていた。

「どうして起こしてくれなかったんだ!」
「遅出だと、思っていたのよ。すぐ朝食の準備をするわね!」

「いや、いらない… 今日は大事な会議があるんだ! 八時半には会社に着かなきゃならないんだ!」
俺が苛立ち気味にそう言うと、妻は壁掛け時計を見ながら口を開いた。
「あらっ! もう一時間くらいしかないじゃないの…」その言い方は至って暢気だ。
「だから...」そこまで言って続く言葉を無理に飲み込む... 。

つまらない口論で大切な時間を無駄にしたくはなかった。俺は鞄を肩に掛け、急いで玄関に通ずる扉へと向かった。
「それじゃあ、行ってくる…」「行ってらっしゃい…」カチャリ!と音を立てて扉を引き開け敷居をまたぐ、
すると音がした! 「おはよう。あなた、今日は遅いのね…」そこには、食器を洗う妻がいた!

「ど、どうして、そこにいるんだ…?!…」訝し気に尋ねる…???
「どうしてって、食器を洗っているからよ…」「そうじゃない! 俺は玄関に向かったはずだ…?!」
「あなた、何を言っているの…?」「ここはリビングだ!」「そうよ!」
     …妻は首を傾げてクスクスと笑っている…

俺は苛立ちを抑え、再び玄関に通ずる扉の前に立った。
「あなた、朝食は…?」不意に呼び止められ、首だけ振り返る。
「さっき、いらないって言っただろう…」「そんなこと初耳よ…」

「とにかく、いらない! 八時半には会社に行かないといけないんだ!」
妻が壁掛け時計を見ながら、「あらっ! もう一時間くらいしかないじゃないの…」
「大丈夫か…?! お前!」「何のことかしら…?」

「まあ、いい… じゃあ、行ってくるよ…」カチャリ!と音を立てて扉を開き敷居をまたぐ、
すると、またもや声がした! 「おはよう。あなた、今日は遅いのね…」
「おい、どうなってんだ!?」「どうしたの…?!」「どうしたって…?! 俺は、玄関に向かった!」

「あなた、顔色悪いわよ…」その発言を無視して、俺は急いで玄関へと通ずる扉をカチャリ!と
開けて外に出た。「おはよう。あなた、今日は遅いのね…」扉をカチャリ!
「おはよう。あなた、今日は遅いのね…」扉をカチャリ!

「おはよう。あなた、今日は遅いのね…」扉をカチャリ!
「おはよう。あなた、今日は遅いのね…」 …あああぁぁぁーーーっ………

――― おはよう ―――
「おはよう。あなた、今日は遅いわね。本当に何度呼んでも起きないんだから…
今日は遅出なの…?!… 起こさなくて良かったかしら…?!」

「ああ... おはよう…」時計を見て、
「もう、こんな時間か、マズイ! 起こしてくれてありがとう。愛しているよ…」
慌てて、着替えて玄関へ向かう… 「あなた、朝食は?!」

「食べてる時間がないよ…」「あなた、鞄、忘れてるわよ!」
鞄を受け取ると駅まで駆け足… 何とか電車に滑り込めた!

ギリギリ会社に滑り込む――― 「おはよう」――――――
0770ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/02(金) 19:01:51.82ID:vzmdLNIg
>>769
14行目
すると音がした! ×
すると声がした! 〇
0771ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/03(土) 18:23:35.43ID:8f1Rn3dr
「どこにいても」

...あの日から何か月たったんだろう......
日々の忙しさから、あなたのことを思い出す瞬間は減っていた...

友達といる時間を増やしたり、趣味に没頭していた。
でも、皮肉なことに忘れようと思えば思うほどに、あなたのことを思い出す…
あなたとよく行った公園。あなたと一緒に歩いた道。あなたと談笑したカフェ…

私はふと、粉雪の中、イルミネーションが施された街路樹に目を向けた。
…沢山の電飾……… 粉雪が舞う、煌めく光のベールに包まれた街路樹―――

辺りはすっかり暗くなった夜道に、その街路樹は青と白の光を放っている…
辺りを見回すと、幸せそうなカップルが楽しそうに歩いている…

光のトンネルをくぐりながら、楽しそうに談笑しているカップル……
冬の空に輝くイルミネーションの光に照らされ、粉雪が舞う街の中を
…二人寄り添って歩く幸せそうなカップル………

そんな幸せそうなカップルの姿に、どうしても目が行く……
…光のツリーを見上げながら、粉雪の中、道行く人々………

どこにいても あなたが急に通りかかる偶然を 
胸のどこかで 気にかけているの
あなたがまさか 通るはずない

こんな時間 こんな場所
それはわかっているのに

街をゆく人 みんな あなたに
似てるような気もするし
ひとつも似てないとも 思えるわ

聞こえる声 背中のほうで
あなたかもしれないから
荒れた爪 少し悔やむ

元気だと噂 嬉しかった
めげたと噂 悲しかった
それだけでも それだけでも
迷惑と言われたら 終わりだけど
0772ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/04(日) 18:50:03.41ID:joT1urQx
「ひとり」

3年間幸せな日々を過ごしてきた......... 些細なことで喧嘩もした。
でも、すぐに仲直り出来たのも、相手の大切さに気付くことがあったから...
自分勝手に、これは運命だと思っていた... そのくらい好きだったから...

そんな日々にも、別れの時が来た。私に隠れて浮気をしていたのだった......... 。
私がそれに気づき彼と大喧嘩の末、私から一方的に、「別れましょう…」と
勢いで言ってしまった.........

でも、いつも頼りにしていた彼には未練はある。まだ好きだから...
本心はまだ別れたくはない… でも、連絡したら未練があると思われるし…

...今でも思い出す...... 
近所の盆踊りで、ずっと好きだった君に声を掛けられたあの日を今でも鮮明に覚えている...

あの日出会った 思い出までも 間違いに 思えてしまうから

ねぇ、出会いの言葉を 忘れないでいてね
誰かに褒めてもらったことなど
あれきりのことだもの

いつも一緒に話しながら歩いていた坂道なのに… 何故か、
遠い昔の出来事のように感じる… いつもに増して冷たい冬風が私の耳を掠めていく---------
その日の私たちは、何故かお互い一言も話さずに坂道を登っていた...

目も合わさず、手も握らなかった。いつもなら、あっという間の短い坂道が---------
まるで複雑な迷路に迷い込んだかのように感じて私はマフラーに顔を埋めた。

私の数歩先を歩く君の背中を見つめながら… 坂を登りきると、突然、君は歩くのをとめた。
私は止まり切れなくて、そのまま君にぶつかってしまったけど、君は振り向かなかった。

しばらくお互いに沈黙の後、君が口を開いた。
「......... マミ、今まで隠していて、ごめんね。僕が悪かった! 本当にごめんな…」
街の街路樹が、冬風に吹かれてカサカサと音を立てていく.........

時計の針なら戻る 枯れた花さえも 季節がめぐれば戻る でも、私たちの愛は
Good-by Good-by  明日からひとり どんな淋しい時でも 頼れないのね
Good-by Good-by  慣れてるわひとり 心配なんかしないで 幸せになって

ねぇ 歳とったら もう一度会ってよね
今は心が まだ子供すぎます
謝ることさえも できぬほど
0773ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/05(月) 19:07:24.23ID:x6TgKQnl
「ボディ・トーク」前編

髪はボーボー、頭はボサボサで眼の視線は何処を見ているのか定まらない...
辛うじて冷蔵庫の中だけはゴミが入っていない。そんな荒れた生活を送っていた。

好きな酒はやめられずに、缶ビールだけは買いだめし、ぎっしりと冷蔵庫の中に入っていた。
また今朝も食事代わりの缶ビールとハムソーセージだった...

―――そんな男、リュウジにも輝いた日があった―――――――――
後楽園ホールのリング上で、高々と拳を突き上げて " 勝利の雄叫びを挙げた! " 瞬間がかってあった。
全日本ウェルター級チャンピオンに輝いた瞬間だった。その夜は恋人のチアキと祝杯を挙げた。
今から思えばそれがリュウジのもっとも輝いた時だった...

チャンピオンになり、後援会の付き合いも断れずに、連日連夜の飲み会が続いたそんなある日のことだった...
つい酒が抜けぬまま、飲酒運転をして、人身事故を起こしてしまった。

その日を境に、まるで潮が引いたように周りの者たちは離れて行った...
勿論、日本王者の称号も剥奪され、一年間の謹慎処分を受けた。

それ以来、リュウジは自暴自棄になり、日々酒におぼれてだらしない男に成り下がってしまった。
恋人、チアキは泣きじゃくりながら、「しっかりして…!」と何度も何度も励まし続けたが、
既にその言葉はリュウジの心に伝わることは無かった.........

最後の支えを無くしたリュウジは益々酒に溺れていった... そんなリュウジでも、
ボクサー時代の習慣だけは残っているのか、毎日、近くの海岸の砂浜を走ることはやめなかった。

謹慎が解けて1年が過ぎても、ボクシング界に戻る気力は残ってはいなかった...
既に30歳を過ぎたリュウジがボクシング界で、もう一花咲かせるには年齢的に無理と感じていたからだった。
一般社会では、何度でもやり直せる年齢なのだが、一度頂点に立った男、リュウジの心は荒んでいた...
0774ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/05(月) 19:40:23.31ID:x6TgKQnl
「ボディ・トーク」後編

いつものように砂浜を走り、そしてゴミ箱の様な部屋へ戻り、
缶ビールを飲みTVを見て寝るだけの日々が続いていた...

そんなある日のことだった。以前に所属していたボクシングジムの会長が、そんなリュウジを訪ねて来た。
「よう、リュウジ! 随分と荒れた生活をしているな…」「あぁ、会長………」
「リュウジ! 誰にでも失敗や挫折はある。まだお前は30だ。まだなんだって出来る。
ボクシングだって遅くはないぞ…」「会長……… 気持ちはありがたいのですが、今の俺には無理っすよ…」

その時だった。「リュウジさん! ボクシングだけが人生じゃないわ…」
会長の後ろにいた女性が言った。会長の娘、チアキだった。リュウジは気まずさを覚えた。

「娘がな、お前が立ち直るのをずっと待っていたんだ。だが、お前は一向に立ち直る気配を見せない…
俺はな、リュウジ! 娘の婿に相応しいと思っていたが、今のお前には娘はやれん!
娘が好きならもう一度、認められる男になったらどうなんだ…」

リュウジは全てわかっていた。言葉でどんな言い訳をしてもダメなのは分かっていた。
自分自身に負けていたのだ。たかが日本チャンピオンになっただけで有頂天になり浮かれていた。
そして飲酒運転で事故を起こし、謹慎を受け、チャンピオンの称号も剥奪され挫折してしまった。
そんなことで諦めてしまった… そんな自分自身の心の弱さに辟易していたのだった...

チアキの言うようにボクシングだけが人生じゃないというが、でも、こんな俺からボクシングを
取ったら何も残らない... これが最後のチャンスと思い、もう一度、リングに立つ決心をした。

.........
ボクシング・ジムのフロアの階段を降りていくと、金属の軋みやサンドバックの打撃音が
大きくなり、ジム特有の熱気が漂ってきた。ガラス張りの扉を開けると、幕の張った
ような湿度の高い ―――汗交じりの強い熱気が伝わってくる―――――――――

「ラスト!」――― 迫力のあるトレーナーの声が響く………
サンドバックを叩く男、リング内でヘッドギアを付けスパーリングする者たち、
シャドー用のガラスの前にいる男たち、そんな激しく動き汗が飛び散る男たちの姿が、
 ―――その号令と共に、より一層、加速する――――――

――――――――― その中に一際、鋭い眼光を放ち
               スパーリングするリュウジの姿があった ―――
0775ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/06(火) 16:37:16.14ID:jZHtr/87
サッカー日本代表 ドイツ、スペインに勝ち、クロアチア戦、引き分けPK戦の末敗退。
よくやったと思いますね。PK戦はキーパーとの駆け引きを考えた心のゆとりがあれば...

例えばネイマールがよくやるフェイトなどの動作でキーパーの動きを見てから蹴る心の余裕が
あればキーパーを惑わすことが出来たかもしれませんね。
0776ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/06(火) 18:21:01.25ID:jZHtr/87
「夢だったんだね」

私が未だ幼かった頃... 近所によく遊んでいた男の子がいました。
その子の父親は、いわゆる転勤族で、小学校に上がる前に、いつも一緒に
仲良く砂場で遊んでいたその男の子は引っ越していきました...

私も小学校の頃に家の都合で引っ越すことになり、生まれ育った故郷を離れることになりました。
生まれ故郷を離れた私は、やがて昔遊んでいたあの男の子のことを忘れるようになっていました...

.........
あれから長い歳月が過ぎ、私は大学生になっていました。趣味のサークルに入り、新人歓迎会に
参加した時、私は同じ新入生の男子生徒と仲良くなりました。彼の話を聞くと、幼い頃、
私が住んでいた場所と同じ辺りに住んでいたということがわかりました。

話を聞いているうちに、その男性は幼い頃、引っ越していった " あの男の子 " だったのです。
十数年ぶりに再会した私たちはお互い意気投合して付き合うことになりました。

仲良く付き合っていたのですが、お互い大学四年生になった頃からちょくちょく
口喧嘩することが多くなりました。お互いの就職活動が上手くいかないこともあり、
精神的に参っていたのかもしれません。

そうこうしているうちに、ようやく二人とも就職先が決まりました。
私は地元に残り、彼は他県にある会社に就職するために引っ越すことになりました。
「僕たちは若すぎたんだ。成長して帰って来るから、三年後、また、ここで会ってやり直そう…」
彼はそう言って、私たちは三年後に、ここでまた会う約束をしました...

三年後の同じ日に、この駅で再会する約束をして別れました。
私はその言葉を信じて過ごしていました... 私は就職して三年後の再会を願い…
それまでの寂しさを紛らわすために一生懸命に仕事に打ち込みました...

社会人の三年と言う月日は、長いようであっという間に過ぎていきました...
約束の三年後のその日、同じ駅にやって来て、約束した通り彼を待ちました。
でも、約束した時間を三十分経過しても彼は来ません。

それから、一時間、二時間... 気が付けば、もう既に夜になっていました...
約束した場所で私は半日待ち続けましたが、彼はとうとう現れませんでした。

彼は変わってしまったのか、私が変われなかっただけなのか、答えは出ませんでした。
――― やっと運命の人に出逢えたなんて勝手に思い込んでいた私 ―――

彼は別の彼女を見つけたのかもしれないし、ひょっとしたら、ただ単に約束したことを
忘れただけなのかもしれません。まあ、いずれにしても、私は彼とは別の道を歩むことになりました。

諦めかけては気を取り直して 待ち焦がれ続けた
やっと運命の人に逢えたなんて 勝手に思い込んだ

夢はいつでも あたしの味方
悲しいことなど 何もない

............ 夢だったんだね
0777ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/07(水) 18:58:15.42ID:FcJUYBEZ
「クレンジングクリーム」

手を伸ばしたホットミルクはもう冷たくなっていた。
入れてからどれくらい経ったのか...

壁にかかった時計を見ても実は何も考えていないので、同じ動作を繰り返す…
鏡の前に座りクレンジングクリームを塗りながら自分の顔を見ている…

嫌な女... ずるい女... 嘘つき女... いらない女現れる…
醜い女... 汚れた女... 卑しい女... いらない女現れる…
老いた女... しつこい女... 馬鹿な女現れる…

安い女... 邪魔な女... 退屈な女... 淋しい女... 
捨てられた女... いらない女現れる…
………………泣いてる女.

塗れば塗るほど...  鏡を見れば見るほどに自己嫌悪になる...
「私は、あなたが大嫌いなの…」
私は鏡に語り掛ける...

自分が嫌い... 気持ち悪い... これは本心だ。それでも何も変わらない…
しいて言うなら諦観が透けて見える眼をしている。

そこまでたくさんの経験をしたわけでもないのに.........
 " カツン! " と指が鏡にぶつかる! 
この境界線さえなければ、私は私を殺していたかもしれない...

この世界では、人から見られる自分と鏡に映る自分は別物。別人。別人格。
人からどう思われるか気になる。自分がどう思われているかが気になって
自分を装って生きている…

だから他人から見える自分がどんな自分なのか…? 疑わしい...

鏡の中の私。実に悲しい顔をしている。諦めきった目はそのままなのに...
薄く笑って、どこか妖艶な雰囲気を醸し出している.........

クレンジングクリームクレンジングクリーム      
                      泣いてる女...
0778ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/08(木) 17:51:02.73ID:u08/RaZC
「極楽通りへいらっしゃい」

...ここは、とある場所にある『極楽通り』と言う場末のBARだった...

既に二人のお客がビールから水割りに飲み変えたところだった。
ママは奥に座って煙草をふかしていた... ママともう一人の若い女がいた。
その店で心地よい感じで飲んでいる時だった...

" ギィーーッ " という音を立てて、BARの扉が開いた。
入って来た厳つい男の顔を見て、ママが嫌な顔をするのが分かった。
「いらっしゃい!」その若い女は愛想よく、その厳つい男を迎えたが、
ママはそっぽを向いたままだった。

「俺のボトルを出してくれ!」とその男が言う… 
ママは棚からボトルを取り出し、若い女に無造作に手渡す…
その仕草がいかにも嫌そうだった。

その男が、「新顔だな…」と言うと、「マミです。よろしくね…」と若い女は言った。
マミはその安いウイスキーのボトルで、薄い水割りを作った。
その厳つい男は、それをグイっと一気に飲み干した。

「マミちゃんか… 中々可愛いじゃないか、なあ、ママ…」
だが、ママはだんまりを決め込んでいる…

「どうだ、俺の女にならねぇか?…」厳つい男はマミの手を強引に掴んできた。
「ちょっと! 冗談は、およしになって…」
「冗談じゃねぇー これでも地元じゃあ、顔が利くんだぜ…」

その厳つい男はシャツの腕をまくって見せた。そこには刺青が彫られてあった。
「ちょっと、ゲンさん! 店の子に次から次にちょっかい出すんじゃないよ!
この子は入ったばかりなの…」とママが店の奥から痺れを切らせて怒鳴った!

「へへへ… ママの言うことなんて気にしてられねぇー 俺は決めた。マミ、おめえ一筋だぜ!」
ゲンさんと呼ばれた男は、なかなかマミの手を放そうとしない。
「いい加減におよしよ!」ママは激怒し、マミの肩を抱き抱えると後ずさりした。

その厳つい男がママとマミちゃんに近づこうとしたその時、
「いい加減にしろ! 嫌がってるじゃないか!」と俺が割って入った!
「なんだと、この野郎!!」とその厳つい男の拳が炸裂! 
        ―――そこで目が覚めた―――
0779ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/09(金) 18:29:41.12ID:mD8WnJBS
「信じ難いもの」

殴られた... 。 窓を開けベランダにいる。
顔に当たる雪が染みる......
「かおり、俺が悪かった。ごめんな... 寒いから、窓閉めようぜ…」
「うるせえ!」と私。「だから謝ってるじゃないか…」とあいつが言う。

あいつが「あ、そうだ! 俺、コーヒー淹れるな。うんと、スゲー美味しいやつ、
淹れるからな…」と、殴った自分が悪いと悟ったのか、こっちのご機嫌を伺う…

「一発で、お前の機嫌が直っちまうくらいのコーヒー淹れるから…」
あたしたちは貧しくともコーヒーだけは切らさなかった...

「......... もう、窓閉めていい…?」とあいつがあたしに聞いてくる…
「ダメ!」「そっか、まあ、なんて素晴らしい人生なんだ...
温かい一杯のコーヒーがあれば、人が十分に生きるに値する... なんちゃってな(笑)」

ひとりで雪が降り続く窓の外を見て笑っている。ふざけた野郎だ! こいつは!?
と思いながらも、「もう、窓閉めてもいいよ!」と許してしまう自分がいる…
「良かった!」と一人で燥いでいる。 " 何だこいつは…?! "

―――何故、こいつの繰り返す嘘が見抜けないの! ――――――

「さっさと別れたら…? もっといい男いるよー?!」と親友の真奈美が言う…
確かにそうだ。―――この嘘つき野郎が!――― ちょっとした口喧嘩から
売り言葉に買い言葉になり、そして殴られた! この嘘つき野郎が全面的に悪いのに!?

.........
あれからあいつとは別れた。そしてあたしは駅から歩いて10分の雑居ビルの地下に
ある小さなライブハウスでひとり弾き語りで歌っていた...

 ♪十四や十五の 娘でもあるまいに 繰り返す嘘が 何故見抜けないの
約束はいつも 成り行きと 知りながら 何故あいつだけを 別だと言えるの
0780ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/10(土) 19:33:45.98ID:EBVfEZkW
「泣かないでアマテラス」

1992年に上演された夜会Vol.4  「金環蝕」
アメノウズメと言う日本神話に出てくる歌と踊りを司る女神をモチーフにした
ストーリー。この劇中で歌われる曲が「泣かないでアマテラス」

この夜会Vol.4 「金環蝕」の為に書き下ろされたもので、劇全体に断片的に
歌われている。タイトルや歌詞からアマテラスに呼びかけるように歌っているのが
アメノウズメだろうと思われる。アマテラスは弟スサノオの暴力に怒って
岩戸に隠れてしまう。そのせいで世界は闇に包まれてしまう。

神々はあの手この手でアマテラスを引っ張り出そうとする。
そんな中、伏せた桶の上で足を踏み鳴らし、裸踊りをしたアメノウズメ。
これが最古のストリップショーと呼ばれる。

周りの神々はその滑稽な舞踊りを見て大笑い。これが功を奏したようで
賑やかで楽しそうな笑い声が飛び交うその光景に興味を抱いたアマテラスは
天の岩戸の扉を少し開けて、外の様子を覗こうする。

その隙を狙って、アマテラスを引きずり出すことに成功する。
足を踏み鳴らし踊る舞台のラストと重なる。天文学者から真っ赤な衣装へと
変貌したあの踊りはアマテラスと誤解する人もいるだろうが、
あれはアメノウズメだろう。「低く腰を落として足を踏みとどろかす」
日本神話にあるくだりがまさにそれと合致する。

中島みゆきは暴力に恐れて岩戸に隠れたアマテラスが、また暴力によって
引きずり出されるというオチが納得できず、アマテラスの気持ちに目を向けたという。
アマテラスの気持ちに寄り添っているように聴こえるのはそのためだろう。

…泣かないで 泣かないで 泣いて終わらないで ………
…微笑んで 微笑んで 微笑んで アマテラス!

.........聴いていると、
          気づいたら、いつの間にか、少し微笑んでいる自分に気づく…
0781ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/10(土) 19:42:33.03ID:EBVfEZkW
僕には失恋や心の痛手など、色んな悩み苦しみを抱えて
自分の殻に閉じこもって苦しんでいる女性に向けて歌っているようにも感じる。
0782ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/11(日) 19:47:17.04ID:A/oWTCVE
「彼と私と、もう一人」

私には仲の良い友達がいました。彼女は手遅れ状態で癌が見つかり
半年待つかわからない状態でした。彼女は笑顔か可愛らしく目のくりくりした
タレントさんみたいにとてもかわいい人でした。

末期癌であと半年持つかわからないことは彼女も薄々は知っていたと思います。
けれども絶対に笑顔を絶やさない。人前では涙や弱音を絶対に吐かない人でした。
そしていつも明るくとっても優しい人でした。私はそんな彼女をいつも
尊敬していました。

彼女は大学を卒業したら子供たちに英語を教えたいと言っていました。
そして大学でアメリカに一年留学していました。同じ病院の小児科の
子供たちにも好かれてよく英語を教えていました。

彼女はあえて抗がん剤治療はしないで進行を止める薬を投与していました。
髪は抜けなかったものの、身体は日に日に弱っていき、容態は悪くなる一方で
日を追うごとに徐々に衰弱していきました...

仲の良かった私と彼女の彼は、入院中の彼女を励ます為によく病院を訪れていました。
余命半年と言われていた彼女。入院後の三年目の冬。あれだけ頑張った彼女も
意識がなくなりもう持たない状態になっていました。

彼女の彼が、「逝かないでくれ! 僕を一人にしないでくれ!!」と
叫んでいました。私は心が痛み見ていられなかった。

彼女の両親も目を腫らして泣いていました。医師により心肺停止が確認されると、
彼は酸素マスクを取り頭を撫でながら、「今までありがとう。本当にありがとう…」と
何回も繰り返していました。私も泣きました。ボロボロ出て来る涙は止められませんでした。
彼女のお母さんが彼に一冊のノートを手渡しました。

「みんなありがとう。私はとっても幸せでした。宏君いつも見舞いに来てくれて
ありがとう。私は病気になって辛いことも多かったけど、決して後悔はしていない。
私を育ててくれたお父さん、お母さん、育ててくれてありがとう。

そしていつも見舞いに来てくれていたさやかと宏君。二人とも大好きだよ。今までありがとう」

彼女の葬儀にはたくさんのお友達が来ていました。
.........
あれから二年...
彼は、まだ亡くなった彼女への想いを断ち切れずにいた。
だから私はただ見守るしかなかった.........

私は彼が好きですが、そのことはまだ彼には伝えていません。
なかなか彼に私の思いを伝える勇気がまだないのです。
0783ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/12(月) 18:05:42.31ID:PeUv8YeQ
「ナイトキャップ・スペシャル」

" カンパーーーイ!!! "
四つのグラスが " チン! " 軽快な音を響かせた!

ストーブの熱気がこもる狭い部屋。コタツを囲む女四人組。
「みんな、今日もお仕事お疲れさま!」

「んーやっぱ、この一杯の為に生きてるね!」とミカが言う。
ミカの隣ではゆいが薄桃色のチューハイを傾けている。
彼女はお酒が弱いので既にのぼせて顔を赤くしていた。

「ちよっと、真っ先に酔い潰れないでよ。この間もそうやってゆいが布団占領したでしょ…」
「まあまあマミちゃん、そう怒らないで…」あたしの名前を呼びながら袖を引いて来たのはレナ。
小柄で童顔な容姿、飲酒の真っ只中だというのに、彼女だけはとても成人には見えない。

「ぶっちゃけさ、みんなは好きな人いるの…?!」とミカ言い出した。

「あたしはねぇ、ミカもマミもレナも、みんなが大好き…」とゆいが笑いながら言う。
「うん! あたしもだよ。愛してる。いや、そんなことは聞いてない(笑)
そうじゃなく好きな男よ…」

泥酔して妙なことを口走るゆいを適当にあしらいながら、ミカば続ける…
「ところでさ、マミ、社内に気になる男とかいないの…?!」とミカ。
「しがない会社員の男なんて興味ないよ…」と私。
「身も蓋も無いこと言うねぇー」とゆいが言う。

そんなゆいが「うぁ〜あたぁしの酒〜〜〜」
微妙に呂律の回らない調子でミカからグラスを取り返そうとするゆい…
そんなゆいを見ているとつい笑みが零れてしまう...

「まったくもう…」と私。「そうだね」レナに笑いかけ、あたしは三杯めの缶を開けた。
他愛のない雑談... 仕事の愚痴に始まり… 服の話に共通の趣味… いつも通りの会話の後… 

―――その後なんと、ゆいが失恋したことを告白したのだった―――――――――
そんなゆいをみんなで慰めていた......

さんざんな真夜中には 女友達はいかが
ナイトキャップ特別製の寝酒なってあげるわ  お互いさまでしょう
0784ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/12(月) 18:17:45.72ID:PeUv8YeQ
>>783
下から13行目
ミカば×
ミカは〇
0785ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/12(月) 18:32:47.88ID:PeUv8YeQ
>>783
下から6行目
レナに×
レナは〇
0786ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/13(火) 19:10:21.25ID:4QaSvLfn
「誰のせいでもない雨が」

1960年代の後半、各地の大学で運営や教育の在り方をめぐり
大学当局と学生の主張が対立して紛争が起きた。

東京大学では1968年初め、研修医などの待遇改善を求める医学部生の
動きを発端に、機動隊を導入しようとした大学当局に対する反発が他の部学生にも
広がり、夏には安田講堂を占拠した。

翌年の1月18日、約8500人の警察機動隊が入って法学部などの建物を占拠していた
学生を排除し、ヘリコプターから催涙液を投下、机やロッカーのバリケードを壊すため
放水車が高圧で水を噴射。屋上に立てこもる学生たちに向かって猛烈な放水を浴びせる。

安田講堂を占拠した学生たちは排除にかかる機動隊に向かって火炎瓶や投石で応酬、
抵抗したが、夕方には全て拘束された。構内で逮捕された学生は約630人だった。

その年の東大入試は中止になった。これが東大紛争。安田講堂事件である。
...そんな学生運動が盛んな時代があった.........

.........
「やあ、滝川…」「後藤、久しぶりだな…」「お前とこうやって会うのも、あの時以来だな…」
「俺たちは夢を持って頑張った時があった。生きるための術じゃなく、生きるための心を
真剣に考えていた時がかってあった。みんなが平等に、貧富の格差のない社会を渇望して

真剣に革命を起こそうと考えていた時代があった。それがあの学生運動だったんだ。
そりゃ、すべてが正しかったと言うつもりはない。いや、間違いだらけだったかもしれない…」
「ああ、そうさ、でも、みんな真剣に生きていた。少なくとも俺たちインテリだった。

東大生だからインテリだったという意味じゃない。富の格差のない、貧しいものがない
みんなが平等に暮らせる社会を真剣に議論し考えていたんだ。そういう意味でのインテリだった。
それが、今では巨大なビルの中で社会の組織の一員、歯車として生かしてもらっている…」

「笑っちゃいけないけど、あの時の学生運動って何だったんだろう…?!」
「いつもこの碑の前に来ると、心が痛むんだ……… 」
「ああ、俺も同じだ。あの日、ここでの集会に、俺とお前だけが、集まらなかったことを思い出して...」

そんな時だった! 「君は、まさか、どうして君がここに…?」と後藤が振り向くと、
「そこの滝川君に、これから後藤に会うから来てくれと言われました。あの夜、私たちは待ちました。
あなたたちが来るのを夜が明けるまで待ちました。私たちは貴方たちが来ない

ことを批判しながら待っていました。奴ら二人は裏切った。日和ったんだと、
でも、心の中では貴方たちが来ないことをみんなで望んでいたのです。

みんな疲れていたのです。私たちは来なかった貴方たちを責めることで
自分たちの革命を終わらせることが出来たのです。あの日で全ては終わったのです…」
「彼は… 平田君は… 彼もそれで納得したのか…?!」と後藤が聞いた。

「私と一緒に暮らすことで、納得しようと努めたんです。でも、私のお腹から生まれた子は
平田さんではなくあなたの子でした… あの人は貴方のように強くはなれなかった。
死を選んだ平田さんは純粋すぎたんです。今日の私たちを見れば、遅かれ早かれ

平田さんは同じ結果だったかもしれません… 私はその後、かって投石した手は、
赤ん坊を育てる手に変わり、怒りもて罪を穿った唇は、今では子供への愛情を
注いで育ててきました。今では孫もいます…」
0787ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/13(火) 19:17:56.07ID:4QaSvLfn
>>786
下から2行目
今では子供への愛情を×
   子供への愛情を〇
0788ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/14(水) 19:47:33.06ID:euE0scJH
「ミラージュ・ホテル」

「はい、こちらはミラージュ。ホテルでございます。ご宿泊のご予約ですか、
誠に有り難う御座います。 ーーー かしこまりました。お一人様ですね。
 
 ーーー 「はい! かしこまりました。では、お名前をお伺いしても宜しい
でしょうか? ーーー それでは、お部屋をお取りしておきます。
では、ご来場お待ちしております。 ーーーーーーーーー

冬枯れの空は曇り、冷たい空気に息が混じるたびに、それだけ今にも雪が降りそうだった。
こんな日だから、出歩く人の姿もまばらだった... 

それは表通りではもちろん、小さな裏通りでもそうだった。目の前を子供たちが駆けていく姿を目にする。
このあたりに住んでいる子供たちなのだろう。そんなところを一人の男が、ソフト帽を被りトレンチコートの
襟を立て歩いていた。昔の洋画さながらフィリップ・マーロウのダンディズム風だ。その男はその裏通りでも、
一番古く見える煉瓦造りの建物の前で止まった。数段の階段を上がると、直ぐに古い扉にたどり着く。

扉の上の古い看板には、掠れた文字が書いてあった。【Hotel Mirage】男はそれを確認し、
意を決したように小さく頷くと扉を押して中に入った。ほのかに暖かい室内では必要性を感じる
ことなく、彼は着ていたコートを脱ぎ、それを小脇に抱え、小さく生きをついてロビーを見回した。

精悍な顔つきの彼が見回したロビーには高い天井で暗く光るシャンデリアと赤々と燃える暖炉とソファー。
奥の方にカウンターが見える。あれがきっとフロントだ。彼はそう確信し、近づき声をかけたが返事がない。

誰もいないのか?「本当にここかな?」そう呟くと、もう少し大きな声を出そうかと考えた途端、
涼し気な声が聴こえて来た。「ようこそ! ミラージュ・ホテルへ…」

フロントの奥から品の良い蝶ネクタイをした男が現れ、丁寧に一礼した。
「ご予約の○○様でございますね?」どうかしましたかと言いたそうに首を傾げる支配人らしき男。

自分がボーっとしていたことに気づき、慌てて返事をした。「は、はい…」
「ようこそいらっしゃいました。コートとお帽子をお預かり致します…」
年齢不詳の支配人らしき男はそう言うと、トレンチコートとソフト帽を受け取った。

「お部屋は、この上でございます。お荷物をお持ち致します…」
俺は、「あ、いいですよ。自分で運べますから、軽い荷物ですし…」と
アンティークなトランクケースを自分で持つ。

「部屋は何号室ですか?」と俺が聞くと、「〇〇〇〇〇号室でございます…」
" ありえない番号を言う…?! "  俺は、「どの辺ですか?」

「廊下を真っ直ぐに、お進みくださいませ…」と
支配人らしき男は謎めいた微笑みを浮かべ深々とお辞儀をした。

古い手すりと ステンドグラス もしくは障子に映る影の世界
外観は洋風だが、和洋折衷の不思議な空間だなと見とれているうちに部屋に着いた。

「お食事はお部屋に運ばせて頂くことになっております。宜しいでしょうか?」
「は、はい!」と俺。「他にご用件は無いでしょうか? 無ければこれにて失礼します。
どうぞごゆっくりなさいませ…」と支配人らしき男は立ち去った。

その後、疲れたのかベットに横になる。そこにドアをノックする音。
「どうぞ…」と俺。「お食事をお持ちしました…」「随分早いな…?!」と俺。
疲れて眠かった俺は、「そこに置いておいて…」と言うと、

その女は、「食事よ! 食べないの…?!ねぇ、ねぇってば…」と
俺の身体を揺さぶる… 「何だこいつは! 何するんだ!!」

ーーー 俺はそこで目が覚めた! ーーー
ーーーーーーーーー目の前に頬をぶくっと膨らませたワイフの顔があったー
0789ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/14(水) 19:53:33.62ID:euE0scJH
>>788
13行目
小さく生きを×
小さく息を〇
0790ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/14(水) 19:55:31.32ID:euE0scJH
>>789
14行目
0791ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/15(木) 18:38:34.93ID:VRv7LOBl
「霙の音」

部屋でポーカーをやっている時だった...
「何か、俺に隠していないか?…」といきなり彼に聞かれた。
その言葉に私は " ドキッ!" とした。

あなたは何か言いたげだった。私は動揺を隠せなかった。
心の中で、それ以上言わないでと叫んでいた。

「そうか.........」とあなたは、それ以上は語ろうとはしなかった...

  ――― 私の動揺を悟ったのか………

「もうやめよう...」とポーカーの手札を私の前で顕わに放り出した。
私も一緒に手札をテーブルの上に放り出した。

あなたはテーブルを離れて、窓際まで行き、静かに窓の外を眺めている.........
どうしたらいいの私… 「何か言ってよ…」

静かに誰かを隠している。聞きたくない話を誰かからされたのね…
他人から、貴方が聞かされる前に、私、あなたに話したかった.........

ーーー 本当は、今夜のうちに話してしまいたかったの………
        私の嘘とあやまちのこと

聞きたい話じゃないでしょうけど 好きな人が出来たの私 少し前から
     ねぇ 霙って音がするのね雨とも違う窓の音

先ほどまで降っていた雨は、いつの間にか、霙交じりの雨から... 
ーーー 雨を含んだ霙交じりの雪へと変わっていた。。。

...夜空に浮かぶ月も凍えるような... とある霙の夜......
霙交じりの雪の夜... 空気が全部凍りついてしまった様に静かだった.........

 壁際にある暖炉の低い焔が時々... ひらひらと燃え上がって
 ーーー 部屋の暖炉のあたりをぼんやりと照らす中 ーーー

  ...私はまるで外の霙交じりの雪の中に居るようだった...

.........霙って音がするのね......... 雪より寒い夜の音 .........
0792ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/16(金) 18:45:20.41ID:+H9dGiuZ
「サヨナラを伝えて」

。。。深々と粉雪が舞い落ちる雪の中を私は歩いていた。。。。。。
今日のように雪の舞う冬の日。あなたに会ったのもこんな日だった...

最初はただの飲み友達だった。それが酒の勢いも手伝って、
お互いが本音を言い合っているうちに、いつの間にか
お互いがかけがえのない存在になっていた...

春になって桜が咲く頃には、一緒に時間を過ごすのが当たり前になっていた。
いつだって二人でいたいと思っていたし、実際に出来る限り二人で過ごすようになっていた。

あなたと共に過ごした最初の夏... 二人で海に行ったね...
「また一緒にこれるといいなぁ〜」そう呟いたあなたの横顔が夕陽に照らされて
とても眩しかったのを昨日のことのように思い出す…

秋、初めて私の両親に会いに来たのもその頃だった...
カチコチに固まっるあなたの様子が、あまりに可笑しくって笑ってしまった。

そして二度目の冬の日の朝...
「実は花束を抱えていくつもりだったけど、急用が入ったから一時間遅れていくよ。
必ずそっちに行くから待ってて… 花束は花屋さんが届けてくれるらしい。
必ず行くから、それまで待っててね…」と連絡が入った。
話しぶりからちょっと慌てている様子だった。

その後、その電話から30分後に花屋さんが花束を届けてくれた。
約束の時間から既に三時間も経っていた...

あなたは結局は現れることは無かった...
あなたのお母さまから、あなたが来る途中で事故に遭ったという
連絡が入ったのは夜遅くになってからだった。

大慌てで病院に駆けつけると、ちょうどあなたが手術室に運ばれるところだった。
私はあなたの手を握るとあなたは朦朧とした意識の中で言ったよね。
「いけなくてゴメン…」って...
それが私が聞いたあなたの最後の声だった.........

.........
...というようなロマンチックな悲恋の別れだったらよかったけど......
  " 現実は違った!"  聞いたら花屋さんではないという。
頼まれたという見ず知らずの男が花束を抱えて玄関前に立っていた。

おしまいの手紙は預かってこない 頼まれたものはあふれる花束
今ならわかる恋の花言葉 黄色いローズマリー 伝えてサヨウナラ
0793ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/17(土) 19:38:01.83ID:6ggMjJrb
「F.O.」
俺は仕事の関係でニューヨークのマンハッタンに来ていた。
...ここに来るのも、何十年ぶりだろうか......

建築業者と一緒にブルックリンハイツに行き、日本食レストランに
生まれ変わる老朽化したビルを見に来ていた。

業者から図面を受け取り、いくつかの打ち合わせを済ませでホテルに戻ったのが
丁度、日没前だった。シャワーを浴び、ルームサービスのビールで喉を潤して
日が暮れてから、懐かしいイーストビレッジを一人でぶらついた。

昔暮らしていたアパートの前も歩いた。その古ぼけたアパートは当時と変わらない
姿でそこにあった。

 ― タイムスリップしたような、不思議な気分だった ―
当時、シャーロットと暮らしたイーストビレッジの安アパート。

シャーロットと出会ったのは俺がニューヨークに来て、ちょうど二年目になった頃だった。
彼女と出会ったのは確か、1986年頃だったと思う... 今からちょうど36年も前のことだった。
場所はフルトン魚市場の近くの小さなピアノBAR。昼間はダンススタジオに通い、
夜はそのバーで働いていた。

お互いに生活は苦しかった。野心も体力もあったが、だからと言って、
貧乏で少し疲れを感じ始めていた二人が出会ったのはごく自然な成り行きだった...

当時、彼女とよく行ったオイスター・バーがあった。
パウワリーと7thストリートの角にその店はある。シーフードをつまみながら酒を飲む。
年季の入ったオイスター・バーだった。彼女と二人でこの店に来た日々が、
今からちょうど36年も前なのだが、そんなに昔のことのように思えない...

あの頃は生牡蠣や蛤のカクテルを一つだけ注文して、よく二人で交互に付き合ったものだ。
二年一緒に暮らした。窓さえきちんと閉まらない安アパートの一室だけが二人の安息の場所だった。

そんな暮らしも長くは続かなかった。その後、イーストビレッジの安アパートの一室に俺を残し
シャーロットは出て行ったのだった.........
0794ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/17(土) 19:53:48.02ID:6ggMjJrb
>>793
5行目
済ませで×
済ませて〇

下から4行目
付き合った×
つつき合った〇
0795ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/18(日) 18:26:39.29ID:IU1mKIrO
「吹雪」

この歌は第五福竜丸や北海道の泊原発の反対運動がモチーフに
なって作られたという話を聞いたことがある。
中島みゆき5歳から11歳まで北海道の岩内町という所に住んでいた。

この街は海に面していて、その対岸に見えている陸が泊村だった。
岩内町から現在の泊発電所の全貌を眺めることが出来るほど、
目と鼻の先の距離にこの町村はある。

スケトウダラ漁が盛んな岩内町では、原発から出される排水が悪影響を及ぼすことを
危惧して反対する運動が起きた。原発の燃料を積んだ船に対してデモが行われた場所も
この岩内町。「ふるさとなんてどこにもない。でも、5つの時から11歳まで、
住んだ岩内の赤灯台とそこから見た日本海の荒波は強烈に覚えている」とのちに語っている。

ブームに乗って騒いでもいつかは潮が引き、また無関心な日々が流れる。
議論したり、反対の声が上がっているうちはまだいい。怖いのは決着がついた後に
やって来る現実をそのまま受け入れ思考停止してしまうところにある。

今の日本には様々なブームがある。ブームに便乗して名を上げる者、
人気者に祭り上げられる者、本当の恐ろしさはブームに惑わされる
人の心にあるのかもしれない。

♪ あまりに多すぎて やがて気にならなくなる

そんな人の心が侵食されていく怖さがある。
何となく今の世の中を現わしているような気もする。

問題解決脳を持つ男の立場から言わせてもらうと
何事も危機感を持って生きることは大切なことでもある。
0796ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/19(月) 18:38:40.30ID:4npipuKt
「後悔」

…まだ眠い……
...瞼を開ける気にもならないが......
ゆっくりと目を開けると...外は十分に明るかった...

もう昼を過ぎている時間帯だろう.........
おぼろげながら俺はそう判断する。時間を確認する気にもなれない...

スマホのアラームが鳴っていないということは、
別に差し迫った時間ではないのだろう...

昨夜は23:00にはフライトを終えていた。今日は引き続きREDEYE。
真夜中から朝にかけてのフライトがある為、わざと朝まで夜更かしをしていた。

俺はテーブルにある煙草とライターを手に持ち、
ゆっくりと、だるそうな身体で窓まで歩み窓のカーテンを開ける……

日差しは曇り空の為に目に優しい... 瞼を薄く開けながらも、
外を見た瞬間に、雲低、工場や廃棄場の煙を探して風向きと
強さを見る癖は職業病なのだろう...

俺はそんな自分に苦笑いしながらも、ロスアンゼルスの空港近くのホテルから眺めていた。

LAX空港の真横だ。RWY24Rが真正面に見える。
デルタやフロンティア、アメリカン、ユナイテッドの旅客機が次々と離陸していくーーー
着陸便は25Lか24Lに振られているようだ。

夜中の三時まで、一時間半ほどホテルのトレーニングセンターで汗を流し、
睡眠薬を飲み半ば強制的に朝の睡眠に入ったのは覚えている。

煙草を取り出し火を点け銜え煙草で、
「あいつ、今頃どうしているのかなぁ〜」と、
ふとホテルの窓の外を見ながら別れた彼女のことを考えていた...
0797ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/20(火) 21:16:21.39ID:F8+BPMQr
「4.2.3.」

これは1996年12月に起きたペルー日本大使公邸占拠事件の事なのだろう。
多くの日本人が人質になった事件。「4.2.3.」という題名はこの4月23日の
事なのだろうと思われる。

時のフジモリ大統領の指示で突撃したペルー兵により鎮圧された事件。
当時、みゆきさんはこの中継をテレビで見ていたのだろう。

みゆきさんにしては珍しく政治的な問題を取り上げた問題作ともいえる。
作家ではなくジャーナリスト的視点で語られている。彼女の作品の中では最長時間。
テロ組織のメンバーは全員射殺。突撃の際に2名のペルー兵士が殉職。

日本人は全員無事であることをレポーターは伝える。だが、犠牲になった兵士の
ことは一言も触れない。あの真っ黒に焼けた兵士にも家族はいただろう。
みゆきさんの言いたいことはわかる。でも、これは決して日本だけに限ったことではない。

のちに、この犠牲になった兵士に日本から多くの儀損金が寄せられた。
この国、日本に対して僕にはみゆきさんとはまた違った考え、見解がある。

この日本という国は本当に国民の事を真剣に考えているのだろうかという問いだ。
まあ、色々と好みが別れるジャーナリスト的視点を持つ毛色の違った異質な
この作品は色々と考えさせられる問題作ではある。
0798ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/21(水) 20:34:24.00ID:dKPmOEif
「ひとり上手」

雪降る中のイルミネーションが綺麗な季節。
私はスマホを片手にメッセージを送る…
「明日会える?」---------

しばらくして返事が来た。
「3日後なら」

なんとなくわかっていた。けれど胸が痛む…
寒さで動かせない指を見つめて言い聞かせた。

彼にはあの子がいることを最近知った。
彼に出会ってから今まで、彼との約束を楽しみに生きてきた。
女友達との飲み会では、決まって恋愛話で盛り上がる。

けれど、最近になってみんな私にその話を振らない…
それは、「何もなかったよ。私も、みんなみたいに早く恋がしたいなぁ〜」

いつも返事が同じだから、私に振っても面白い話が出ないからだ。
事実を言えるわけがない。この人たちは口が軽く滑りやすいし、
そんな話に尾ひれ背びれが付く………

彼女がいる男に惚れて、二番目の女として生きているなんて
恥ずかしくて親にも言えない。だから相談相手がいない...
ゆえに私はどうすればいいのか延々と悩み続けている…

彼との約束の日が来た。車で迎えに来てくれた彼とドライブに出かけた。
その後、イルミネーションを見て、食事をしてホテルに入った。
事が終え、彼がベットから立ち上がろうとした。

私は咄嗟に手首を掴む…
「... どうした?」「いゃ、何でもない...... 」

違う、そんなことが言いたいんじゃない… 彼に別れを告げなくちゃ…
そうすればきっと、新たなスタートが切れる。彼は彼女と幸せになれるし、
彼と関わらなければ私だって他の男に目が向けられる…

そう考えようとしても、心が本音を叫んだ。 … ひとりにしないで ……
ダメだ! このままじゃ今日で最後に出来ゃしない… 
 …でも、終わらせなきゃ…

あなたの帰る家は 私を忘れたい街角 肩を抱いているのは 
私と似ていない長い髪

心が街角で泣いている ひとりはキライだと拗ねる
ひとり上手と呼ばないで 心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで ひとりが好きなわけじゃないのよ
0799ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/22(木) 20:25:13.47ID:nOUtU2pL
「あなた恋していないでしょ」

俺はコートの襟を立て、さも逃亡者風にガード下の暗がりに立っていた。
これに黒いソフト帽でも被っていれば、それこそ昔の洋画の登場人物といったところだ。

タクシーがようやく一台通り抜けられるほどの、トンネル風の狭いガードを
抜けると突き当りは公園だつた。

ガードの壁には飲食店や風俗関係の宣伝ポスターなどが重ね合わせるように貼ってある。
  それが車が通るたびに、---------強い突風でめくれ上がる--- --- --- - - - 
     近道なのか時折、-----車が通り過ぎる-------------

暗いガード下で俺は煙草に火を点けた!
              俺の顔が一瞬、 …… 赤く照らし出される ……

四年前に狭心症の発作を起こした。それからというもの煙草の数はかなり自制している。
俺は銜え煙草のまま、ガードを抜け広い通りに出た。街の中心ほど人通りは多くはない。

その分、路上駐車の車などが多かった。ガードを抜けてから15分ほど歩いた。
夜の街は眠らないまま暗い夜空に明かりを灯している。

ぶらぶらと呼び込みを無視して歩いていると、細い路地の先に小さなBARがあるのを見つけた。
たまには新規開拓でもしてみるかなと、ふと、そんなことを考えた俺は足をその細い路地に向ける。
近くまで来ると、 ---俺の目にも小さなBARの姿がはっきりと見えた--------

薄暗い中、白っぽい壁に黒く重そうなドア、その上にチカチカと点滅している店の看板の文字…
期待を込めながらドアを押した。店の中では雰囲気のあるスロージャズが流れていた………

間接照明の薄暗い空間に、黒いカウンターが長く伸びて、奥の方にはゆったりと座れそうな
ソファとテーブルがあった。

カウンターの向こうには、白いシャツの上に黒いベストと赤い蝶ネクタイを締めた
髪はオールバックで、口髭を生やしたバーテンダーが銀色のシェイカーを全身で小刻みに振っていた。
とりあえず俺はカウンター席を眺める。奥の方に女性が一人でグラスを傾けていた。

俺はその女性の隣の席に歩いて近づくと、「隣、いいかな」
髪を染めボブカットにした憂いのある瞳の女は俺を見上げて…「ええ、どうぞ」
0800ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/23(金) 20:22:01.69ID:bA7QA2Vs
「十二月」

こういう冷水を浴びせる歌があるのも中島みゆき。
問題提起、考えさせる、問いかけるこれらの歌詞が胸に突き刺さる。
社会の中で苦しんでいる女たち。

そこに目を向け気づかせることって大切なことなのだ。
以前、確か2年前にも書いたことだがコロナ禍で女性労働者が苦境に立たされている。
コロナ禍で女性の雇用が激減していると言う。男性よりもかなり深刻だと言う。

飲食業、小売業、観光業などは元々女性の比率が高い職場。
これは2年前の統計だが、小売業は2月から5月の3か月で55万人の就業者が職を失っている。
そのうちの3分の2が女性だ。女性の割合が多い非正規労働者からリストラされる。

非正規は景気が悪くなれば解雇されやすいし、雇用の調整弁として使われやすい。
職場を失うことは収入を失うことだ。非正規雇用4割以上の現状が長い間続いてきた
こと自体がおかしい。国は何とかしなければならない。女性の危機は家族の危機、
そして国の危機に繋がるからだ。

母子家庭の貧困率は5割を超え、就労による収入は平均181万円で、
これは子供がいる他の世帯に比べ400万円低く、その5割以上が、非正規雇用。
働いても貧困から抜け出せない母子家庭の貧困は実はコロナ前からなのだ。

多くの女性労働者が解雇・休業に追い込まれ、前年比の1.8倍を超えた。
今まで述べたことは2年前の統計である。コロナ禍になって3年目になる。
事態はますます深刻化している良くなることはない。

これはかつてなかった現象だ。勤務先の店舗が閉鎖になり、悩むシングルマザー。
雇用主が国の支援制度を使ってくれず退職を余儀なくされる女性。低賃金で働かざるを得ない
高齢女性の失業。生活苦から風俗で働かざるを得ない女性。

コロナ前から貧困にあえいでいたシングルマザーが国の支援に頼ろうにも制度から漏れる現実。
これらの救いのない状態に置かれている女たち。どんな状況下でも希望を失ってはいけない。

誰も目も向けなければ、誰にも知られずにひっそりと社会の中で消えていく存在でもあるのだ。
だから国は何とかして支援していかなければ社会的弱者は常に切り捨てられる人間の側だからだ。
0801ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/24(土) 20:06:15.14ID:LFA4ig+G
「ララバイSINGER」

6歳の娘がクリスマスの数日前から欲しいものを手紙に書いて
窓際に置いたから早速何が欲しいのかなぁと夫とキティちゃんの便箋を
破らないようにして手紙を覗いて見たら、こう書いてあった。

「サンタさんへ おとうさんのガンがなおるくすりをください! おねがいします」

夫と顔を見合わせて苦笑いしたけど、私も段々悲しくなって少しメソメソしちゃった。
昨日の夜、娘が眠ったあと、夫は娘が好きなプリキュアのキャラクター人形と
「ガンがなおるくすり」と普通の粉薬の袋に書いたものを置いておいた。

朝、娘が起きるとプリキュアの人形も喜んだけど、
それ以上に薬を喜んで、「ギャーっ!」って嬉しい叫び声をあげた。

早速、朝食を食べる夫の元にドタバタと走っていく娘…
「ねぇ、サンタさんからおとうさんのガンがなおるくすりもらったの! 
はやくのんでみて!」って夫に薬を飲ませていた。

夫が、「お! 身体の調子が、段々と良くなって来たぞ!」と言うと娘が、
「ああ、よかったぁ〜 これでおとうさんとまた、やまにハイキングにいったり、
どうぶつえんにいったり、うんどうかいにさんかしたりできるね〜」

---------って娘が言うと夫が段々と顔を悲しく歪めて、それから声を押し殺すようにして
「ぐっ、ぐうぅっ...」って泣き始めた...

その光景を見ていた私も貰い泣きしそうになったけれど、
泣かないように鍋の味噌汁をオタマで掬って無理やり飲み込んだ。
夫は娘には、「薬の効き目が良くて涙が出たよ…」と言い訳をしてた。

その後、娘が近所の子のおうちにプリキュアの人形を持って遊びに行った。
夫が、「来年は、お前がサンタさんだな.........  しっかり頼むぞ…」と言った。
その言葉を聞いて、私の涙腺が緩んで涙が零れた...
0802ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/25(日) 20:26:02.43ID:MnyV08qv
「永遠の嘘をついてくれ」

地下のロッカールームを出ると、ダンスミュージックのリズム音が軽やかに聴こえて来た。
二階のダンスフロア―からだった。平日の午前中は暇と脂肪を持て余した主婦たちの為に
フィットネススクールが開かれている。

ユウジは三階のウェイトトレーニングルームまで弾みをつけ駆け上がった。
マットに転がり、 …ストレッチングで全身の筋肉をほぐす………

それから、持久力維持にポイントを絞ったウェイトトレーニングプログラムを消化する。
足から腰、腹から胸、肩へと移ってゆき、全身の筋力を使うスクワットで締めくくる…

トレーニングルームには人気がない。平日の午前中はいつもそうだ。
いても水商売風の男たちが数人いるだけ。しかし、今朝は彼らもいない。
寒々としたスペースに配置された冷たい鋼鉄のマシンを相手に、
ユウジは孤独なトレーニングを始めた。

シットアップからベンチプレスに移った時だった。
黒いタンクトップの巨漢が一人、目立たぬように入って来た。

肩にめり込んだ太い首。分厚い胸。木の幹ほどもある腕。
そして額に刻み込まれた無数の深い傷跡。
この男とは何度もあっている。

このジムでもあっているし、テレビでも、そう彼はプロレスラーだ。
特定の団体に属さない一匹狼の悪役レスラーだった。

ジムで初めて出くわしたときは少し緊張した。
ショウビジネスとはわかっていても、その肉体はやはり人を威圧する。
プロの凄みと言っていいだろう。

彼が入って来るだけで、その場の空気がピリッと張り詰めるのだ。
目は優しい。巨体は人を威圧する。特定の団体に属していないから
専用のトレーニングルームもないらしい。

彼はいつも一人きりだ。一人で黙々とトレーニングを続けていた。
寡黙な男だとジムで何度か顔を合わせているうちにユウジはそう思うようになっていた。

成田発、午後1時のニューヨーク直行便に乗って、J・F・ケネディ空港に降り立ったのが、
今からちょうど三年も前の話になる。―――――――――もう三年も経った。
0803ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/26(月) 20:28:44.04ID:9BW7Tdp0
「あどけない話」

------ 昔々、とても勇敢な双子の若者がいました。
ある日の夕方、双子の若者が街の用事を済ませて大きな森の道を
家に向かっていると、どこからか可愛らしい笑い声が聞こえてきました。

双子の若者が声の方に向かって行ってみると、それは花のように
美しい双子の妖精でした。

双子の妖精は双子の若者に言いました。
「もし、私たちと結婚して下さるなら、あなた方をとても幸せにし、
あなた方のような勇気ある息子を産みましょう…」

双子の若者は喜んでお兄さんはお姉さんの妖精と、弟は妹の妖精と結婚する約束をしました。
双子の妖精は嬉しそうに双子の兄弟を見つめて言いました。

「夜明けまでに、森の入り口にある教会へいらしてください。結婚式を挙げましょう。
けれども、水一滴、パン一切れ、何一つ食べずに来てくださいね。約束を破れば結婚は出来ません」
「わかりました。そんな約束くらいなんでもありません」

双子の若者は、家に戻ると結婚式の準備をして、お母さんに夕食を進められても、
水一滴も飲みませんでした。

そして夜中の二時頃になると、双子の若者はこっそり家を抜け出して、
約束の教会へ向かいました。でも、途中の畑の道で、弟は大麦の一粒を取って
良く実っているか、どうか歯で噛んで試してみようと口に入れてしまった。

教会に着くと妹の妖精は悲しそうな顔で弟に言いました。
「残念です。あなたは私との約束を守ってくれませんでした。結婚出来れば、
私は人間の娘になり、あなたに幸せのすべてをあげられたのに…」と言い妹の妖精は、
森に差し込む月の光の中に消えてしまいました...

弟は悲しそうに言います。
「僕はこれから旅に出ます。お兄さん幸せになってください…」と言い残し教会を出ていきました。

--- 「はい! ここまで、今日の練習はここまで…」
「素晴らしいわ! 今日も素晴らしいわ… 響さん!」拍手しながら向かってくる谷沙織。
彼女は僕がいる[劇団・眠れる森の美女]の劇団員。

僕らは、いつもの稽古場でおとぎ話を題材にした新作『双子の妖精』の演劇の稽古をしている最中だった。
僕らの劇団は、とても小さな劇団で世間的な知名度もまるでない弱小劇団だ。

だから稽古場と言ってもコミュニティーセンターの一室を借りて週に何度か稽古をしている。
この稽古場、一方の壁一面がガラス張りになっていて、他は白い壁。部屋の真ん中あたりに
設置した木製の長い簡易テーブルとパイプ椅子以外は何もない。

彼女、谷沙織ははピンクのジャージズボンに白いTシャツ。
---お団子に丸めた髪があどけない顔によく似合っていた。
0804ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/27(火) 20:59:57.69ID:6oztiJOX
「ALONE,PLEASE」

。。。雪が舞い落ちる。。。。。。。。。
粉雪が舞い落ちる夜空に光り輝くイルミネーション………

駅から伸びる大通りには寒そうに並ぶライトアップされた街路樹の光のトンネル。
………沢山の電飾が煌めく光のベールに包まれていた………

そして粉雪が舞い落ちる中、ライトアップされた街路樹に見とれていると
「お待たせ〜 、 待ったぁ?」「遅いよ」−−−
「寒いねー」「そうだなー」
そんな雪の降る街を二人寄り添って楽しそうに談笑して歩く幸せそうなカップル。

冷たい風に首をすくめて 「寒いね」って思わず口に出しかけて
通りすがりの人に謝ったわ...

あれからの君が心配だとか そういうのいらないから
親切とか無理とか そういうのいらないから

好きなことだけを追いかけて生きてね
知らなくていい 知らなくていい 泣いてること知らないで
 
恋人たちがイルミネーションを楽しんでいるように見えて
ひときわ独り身が心に染みる...

夜明け前にも降っていた雪。。。 あの時あなたに電話したいと思ったよ。
そんな雪が再び降り始めた...。。。。。。

ショーウインドウの明かりの中あなたに似合うセーターを見ていた...
 ……もう私が贈るなんてできない……

当たり前の夢を見ることなんて たやすいことじゃないよね
甘えるとか、拗ねるとか、 そういうのあわないから...

醒めた女だとあなたには見えたのね
知らなくていい 知らなくていい 泣いてること知らないで

あなたは今、誰と居るの…?
つい最近まであなたの隣には私が居た...

あなたからの最後のメール… 瞳からは涙が溢れた...
そんなことを考えながら私は粉雪の中、光り輝く夜の街をひとりで歩いていた。。。
0805ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/28(水) 20:07:08.58ID:O3HrePGI
「あたしのやさしい人」

僕には、つい最近、別れた彼女がいた。
別れの理由が、「私を束縛しないで…」だった。

彼女との出会いはライブハウスだった。
初めて見た時の彼女は、ステージの上で輝く演者とは対照的に
人の顔がわかりにくいくらい観客席で涙を流していた...

あまりにも嗚咽していたので、僕はハンカチをカバンから取り出し彼女に差し出した。
キョトンとした顔の彼女に、「綺麗ですよ」と付け加えた。

ハンカチを手に取った彼女は、またステージに目を向けていた。
彼女は涙を拭くことはせず、ハンカチは左手に確りと握り締められていた。
それが彼女との最初の出会いだった。

ライブハウスを出たところのベンチで僕はスマホを弄っていた。
まだ彼女は出てこない。ライブが終わって30分ほど経った頃に彼女は姿を現した。

僕たち二人は目が合う。会釈をした彼女は僕に駆け寄り、
「どうしたらいいんですか?」と僕のハンカチを見せる。
「もらってください」「いらなかったら捨ててください」どの言葉も
なんだか言う勇気もなく... 「じゃあ」と受け取った。

「よく来るんですか?」と僕は彼女と話がしたくて、無理な質問をしてみた。
「大体来ていますよ」と彼女。

「凄く感動してましたね」と彼女の泣き顔を思い浮かべながら言った。
「実は、こう見えても、私も音楽やっているんです。今度、ここでやるんです…」と
彼女は少し苦笑いをしながら言った。

.........あれから3週間後。
最寄りの駅から歩いて10分、雑居ビルの地下にある小さなライブハウス。
彼女の歌を聴くために来た僕は、雑居ビルの地下を降り、
受付の奥にあった分厚い防音の扉を開けた。

前のバンドの演奏が終わったところらしく、
ちょうど彼女はバンドのメンバーたちとステージ上でセッティングの最中だった。

僕はバーカウンターに行き、生ビールを頼んだ。
生ビールが注がれたコップを手に、フロアーの隅に並べられた椅子に腰掛けた。
満員とは言えないが、それなりにお客は入っていた。

若い男女が客の大半を占めている。
彼女は4人組のバンドでボーカルをしていた。

準備が出来たのを確認したのか、
いきなり何の前触れもなしに演奏は始まった…
彼女以外のメンバーは男で、ギター、ベース、ドラム。

男たちの演奏の技術はかなり高いように思えた。
彼女のジャズ風ボーカルのはすっぱな声がいい味を出している…

---そしていつの間にか、彼女の歌に引き込まれている自分がいた。
0806ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/29(木) 20:18:39.25ID:lhEyoK1A
「ノスタルジア」

「あのさ、タカシ…」「どうした…?!」
私の様子が普段と違う事を悟ったのか、タカシは私の顔をそっと覗き込む…

「別れたい! 私たち、別れよう…」
私の突然の言葉にあいつは目を見開いた------
---その表情は、驚きとともに申し訳なさを含む顔だった...

「そんな顔しなくてもいいからさ… 私、知ってるよ。もう、充分、もう別れましょ!」
「そっか、知ってたか... わかった…」そう言ったあいつをその場に残し、冷たい風から守る温かさを
失った掌に手袋をはめてイルミネーションがキラキラ光る街路樹に沿って私は歩き出した------

繋いでいた手の温もりと共に離れた手を見つめて、私は寂しさが増すのを感じていた。
そして気が付けば自分の手をもう片方の手で握り締めていた…

(あいつには好きな人がいる。気づかないほど私も鈍くはない---
ずっと前から分かっていた… 気づいた後も、ずっと気づかないふりをしていただけ...
 …悔しくて滲む涙… 気づかないふりはもうやめよう...
 もう別れを切り出すしかなかった…)

「手を繋いでいるとね、相手の心が透けて見えてくる時があるのよ…」と
私に言ったのは久し振りに会った友人のユカリだった...

--------- でも、これでスッキリしたのも事実だ。
傷ついても躓いても過ぎ去れば物語 人は誰も過ぎた日々に弁護士を付けたがる
裁かないでね叱らないでね思い出は物語 私どんな人のことも天使だったと言うわ
 
---また一人になった私... 恋の一人旅には慣れている---

12月の寒空の下、街路樹のトンネルのイルミネーションは
  ……… 変わらない光を延々と放っていた ………
0807ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/30(金) 20:14:36.91ID:NiiVCYmf
「幽霊交差点」

…沢山の笑い声が響く… 誰かが歌っている。カラオケだ。
いつも聴かされる部長の十八番だった...
…調子よく囃し立てる次長と課長の声もする…

何処かのスナック。そうだ、忘年会の二次会だった...
俺は初めて来る店だった。確か課長の知り合いがやっている店だったはず…

いや、次長の知り合いだったか… どっちでも構わん どっちかだと思う…
…少し視界が回る… 定まらない… 前の店を出た辺りから記憶が怪しい…
 
……… ……… ………
「お客さん! 終点ですよ」
俺は電車内で車掌に起こされた。

頭痛と吐き気する。頭がぐるぐる回る世界に翻弄されなから目を開けた。
会社の忘年会で飲み過ぎた。二次会が終わってから、どうやって電車に乗ったのか記憶が怪しい…

地下鉄の …揺れ… とアルコールで吐き気がする…
ドアが開くと共に降りて、改札を抜け、すぐのところにあるトイレに駆け込んだ。
ゲロ…、ゲロ…、ゲロ……! …まだ目眩がする… 

吐くほど飲んだのは久しぶりだった。 駅から千鳥足で自宅まで帰る…
いつもの帰り道を通っているのに何かが違う… 気がする…
いつも通い慣れた道なのになんか違う…?!

「あれっ…?!」 この交差点を右折し、歩いて角を曲がってしばらく歩けば、
さっきと同じ景色が... (あれっ…???)
(オカシイなぁ〜)俺、道に迷ったのか... (そんなはずはない…?!)
(どんなに酔っても家に帰れる俺が、道に迷うはずがない!)

(パラレルワールドにでも入ってしまったか...)
いつもの道なのに... いつも通い慣れた道なのに... 自宅に帰れない...
(なんだこれは... ここはどこだ…?! どこなんだ…?!…)

…揺れる… 揺れる… 揺れる… (こらっ! 誰だ! 揺するのは…)

「起きてください! 路上で寝ていると危ないですよ! しっかりしてください!」
    --- ここで俺は目が覚めた! ---
  
0808ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/31(土) 17:57:04.53ID:Y4gElrXY
「百九番目の除夜の鐘」

ゴ−−−ン……… ゴーーーン………

冷たく澄んだ空気を震わせて、深夜の夜のしじまに鐘の音だけが静かに響く---------
今年の終わりを告げる除夜の鐘。百八つの煩悩が消されていく中--------- 

NHKでは紅白歌合戦も終わり、
中継が変わり、アナウンサーが今年も、もう直ぐ終わりますと
...名残惜しそうに一年を振り返る......

。。。雪が深々と降る中、静かに鳴り響く除夜の鐘---------  
 。。。。。。。。。-雪深い合掌造りの白川郷--- 

---比叡山延暦寺---  ---出雲大社の参拝風景--- 
--- 神社に参拝する人たちの姿が映し出されていた ---

...俺がまだ6歳だった幼かった頃.........
―――――――――亡くなったじいちゃんが言ってた。
大晦日の夜に鳴り響く除夜の鐘は人の煩悩を打ち消し浄化させるためだと...

「じいちゃん! なぜ、じょやのかねは、108つなりひびくの…?!」と
幼い俺が疑問に思い聞いたところ、じいちゃんがそんなこと言った記憶がある。

幼かった俺は、NHKの『ゆく年くる年』の各地のテレビ中継映像の中で
鳴り響く除夜の鐘を聴く前に眠り込んでしまった......

百九番目の除夜の鐘 鳴り始めたならどうなろうか
百九番目の除夜の鐘 鳴りやまなければどうなろうか

このまま明日になりもせず このまま来生になりもせず
百と八つの悲しみが いつまでたっても止みもせず
百九番目の除夜の鐘が 鳴り止まなければどうなろうか
  ......... .........

......... …わあああ……… 

"「はっ!」" と
    ―― " 目を覚ました " ――

「どうした…?! 怖い夢でも見たか… ワハハハ…」と
慌てて飛び起きた幼い6歳の俺を見て、じいちゃんが笑っていた。
0809ジョン・スミス
垢版 |
2022/12/31(土) 19:29:50.09ID:Y4gElrXY
>>808
二行目
深夜×
夜中〇
0810ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/01(日) 16:30:51.94ID:SSTwM8KT
「暦売りの歌」

かっては十二月になると、街角で暦売りが暦を立ち売りしていた。
神社の使丁が干支九星の暦を売って歩いていた。暮れになると、
大きな神社の境内などでは暦売りを見ることが出来た。

昔は田植えの暦、連歌師の暦、暦一つとっても色々あった。
その職能ごとに暦があり、人はそれぞれの異なる時間の中で生きていた...

.........
「昔はね、年の瀬になると、『暦売り』っていう暦を売り歩く人が、
村まで暦を売りに来たのよ。『暦はいかが… 暦はいかが…」ってね。
暦売りのおじさんが、独特の節を持って唄うように言うの… 

その声を聞くと、『あぁ、今年も、いよいよ終わるのだなぁ…』と思ったものよ。
その年も『暦はいかが… 暦はいかが…』って声が聞こえて来たの。でも、その声が、
あんまり高くて、元気よく張り上げた声だったから、村の人はびっくりして、
暦売りを振り返ったの… 家の中にいた人たちも、わざわざ顔を見に出てきたくらい…

その年、村にやって来た暦売り、おじさんではなくて、まだ幼さが残る少年だったの…
木の枝みたいに細い手足で、大きな荷を背負っていたのよ。風花の舞う中、
寒さで頬は真っ赤だったけど、大きな目をキラキラさせていた。

『おや、見ない顔だね。いつもの旦那よりずいぶん若いじゃァないの…』
畑仕事をしていたおばさんが声を掛けると、少年は誇らしそうに胸を張って言ったの…

『おいら、親方に認めてもらって、今年からこの村の暦売りを任されたんです。
まだ見習いだけど、どうぞよしなに』そう言った後、得意げに一礼して、ニッコリ無邪気な
笑顔を見せたものだから、村の人たちはこの暦売りをすぐに気に入っちゃったの…

暦売りっていうのはね、『暦師』っていって、暦を作る人でもあったのよ。
この暦売りの少年も、暦師になるために弟子入りしたんでしょうけど、勿論、最初から暦は
作らせてもらえない。親方や兄弟子の作った暦を売りに来ていたのよ。

それでも、親方から仕事を任されたのが、よっぽど嬉しかったんでしょうね。
寒さを吹き飛ばすような元気な声で、『暦はいかが… 暦はいかが…』って呼びかけていたの…

その元気な声に吸い寄せられるように、村人たちが集まって、少年の周りにはたちまち
人だかりが出来たの… 少年は暦を一つ一つ丁寧に広げていった。白地に黒一色で描かれた暦から、
鮮やかな色彩で描かれた絵付きの暦や色とりどりの糸で文様が織られた布の暦など...

暦と言っても選ぶのを迷うほど、色々な種類があったのね。村人の一人が暦を褒めると、
小さな暦売りは誇らしそうに笑って言った。『おいらもそう思います!』って目を輝かせてね。

きっと、自分の親方や兄弟子の暦が認められたのが、嬉しかったのね。村人たちは今年は
可愛い暦売りが来たもんだと目で笑い合った。その暦売りの少年がおばあちゃんのお父様なのよ。
おばあちゃんのお母さまから聞いた話よ」

まだ幼かった頃、亡くなったおばあちゃんから聞いた「暦売りの少年」のお話を思い出した。
0811ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/02(月) 14:30:23.87ID:pZpjjgCx
「十二天」

十二天とは密教における各方位を守護する善神の神々の12種類の総称である。
十二天が全世界のすべての方位の垂直軸の天と地、時間軸の日と月を含めた
守護神として密教的世界像の中でとりわけ重要な位置を占めている。

夜会Vol15/16「今晩屋」の中で「十二天」から「紅蓮は目を醒ます」への一連の流れ場面を思い出す… 
罪責と悔恨の果ての絶望に打ちひしがれ、床に倒れ伏した母を少しずつ包み込むように、

天と地とを往還する無数の救済の光… そして長い月日を泥の中で種子として
過ごしてきた蓮がひそかに花開く、再生への覚醒の瞬間、
♪北の天から 南の天へ 乾の天から 巽の天へ 

この歌の視点は、地平から天頂を経て180度反対の方角の地平へと、天空を振り仰ぐように
往還しながら、反時計回りに回転していく… そして、
梵の天から 地の天へ 日の天から 月の天 

天から地へという垂直軸の往還、日から月へという時間軸の往還…
この目くるめくような視点の往還による全宇宙を見晴るかす
遠心的な世界像の開示こそが救済への扉を開く... 

     *** *** ***             
.........
正月になると、神社に参拝する人々で溢れるけど、神社と言っても、
いつも通る道の近くにも風景の一部になってしまって、中々気づかない
普段見過ごされがちになる路地脇にある小さな神社から、数万人が参拝する
大きな神社まで様々ある。

「初詣って神社限定じゃないの…? お寺でもいいの…?!」と言う人や、
「初詣って神社とお寺、どっちに行くものなの?」
「神社とお寺だと、何か作法が違うの…?」
 そんな疑問もあると思います。

「そもそも、何故、初詣に行くの?」それになかなか答えられない人も多いと思います。
過ぎた一年を無事に過ごせたことに感謝し、新しい一年も息災に暮らせるよう
神仏に対してご挨拶に行くことだと思います。

「初詣は神社とお寺、どっちに行くもの?」
結論から言うと神社でもお寺でもどちらでも構わないと言う事でしょうね。
一般的には、神社は神様、お寺は仏様がいらっしゃる場所と言われています。

日本では神社やお寺が明確に区別されるようになったのは、
明治の神仏分離令以降。意外と最近なんです。

それまでは、神仏習合といって、多くの神や仏は区別なく信仰の対象とされていました。
信仰上の理由があれば別ですが、どちらに初詣に行っても構わないのです。

例えば明治神宮は神社、厄除けで有名な川崎大師はお寺ですが、お正月にはどちらにも
沢山の初詣の参拝客が訪れます。神社とお寺の作法で注意が必要なのは、
お寺の参拝では、手を打たずにそっと手を合わせ合掌することです。
0812ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/03(火) 11:02:07.33ID:0eGRh7Hd
「おだやかな時代」

「今年も一年、良い年でありますように…」と初日の出に手を合わせて
拝むお年寄りをテレビで見かけた。リハビリ登山を始めてからも、
日の出と共にご来光に手を合わせ願い事をされていると言う。

大晦日の沈みゆく夕陽に向かって、
「今年も一年、ありがとうございました…」と手を合わせたとも言っていた。
何が大切かというと、そのような気持ちではないだろうか...

1990年前半の日本は、確かに比較的穏やかな時代だったように思う...
   ♪おだやかな時代 鳴かない獣が好まれる時代
おだやかな時代に好まれるのは鳴かない獣。では鳴く獣の時代とは…

1990年にはもう姿を消していた1960−70年代頃に政治や社会の問題に
大して声を上げていた学生運動の人たち… 団塊の世代の人たちだろう...
鳴く獣だった人たちも大人しく生きるようになった時代。空気を読む、
同調圧力、時代に合わせて生きる人々… それは今も大して変わらないと思う...

そんなおだやかな時代でも、傷つく人たちがいる...
大人しく生きているうちに、気が付けば静かに傷ついていた。
あらかじめ敷かれたレールの上を走ることが求められていた
時代だからこそ、そのレールからはみ出すことは許されない… 

 ♪止まり方しか習わなかった町の溜息を僕は聞いている

レールから外れようとするとストップがかかる。小、中、高、大という標識に
従ってレール通りに進む生き方が求められていた時代だった...

社会全体が社会的成功… その為のお受験、就職、結婚… 女たちは男たちに三高を求めた… 
そんな時代でもあった... そんな時代に声もたてずに同調圧力に従い生きる人たち...

  ♪まだ眠っている町を抜け出して駆け出すスニーカー
おだやかでなけりゃ残れない時代… 少し抜け出して...

そんなおだやかな時代に迎合して生きる一方で、このおだやかな時代を
少し抜け出したいという気持ちを持って生きていた...

敷かれたレールに沿って、標識という世間の価値観に従って
受験、就職、結婚、三高が求められていた時代。勝ち組負け組がそれで決められていた時代。

  ♪僕に怯える天使たちよ 僕は君ほど強くはないさ
そんな時代に適合し時代の空気を作り出している人たち… そんな天使たちは
時代の空気を乱す存在を怖がる。でも、そんな時代は鳴く獣は力を持たない…
誰も叫ぶ獣の声に耳を傾けないからだ。この歌が作られた時代はそんな時代のだったように思う。

------今も大して変わらないと思う。どんな時代であろうと、
           後で後悔しない納得できる生き方が出来ればいいですね...
0813ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/03(火) 11:04:53.46ID:0eGRh7Hd
>>812
7行目追加
「1990年前半の日本は、」の前に
「この歌が作られた」を追加
0814ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/04(水) 18:25:12.71ID:sVRTqKdW
「愛が私に命ずること」

---心には翼がある---------------------------

もう何回目のカーテンコールだろうか・・・

観客が全員総立ちで拍手をしてくれている。舞台に立っている私たちみんなは
これ以上ない笑顔や達成感… さらには涙を流している者さえいた...
観客はこの小さな少女ニナの歌唱力に驚き魅了されていた。

------------------そんなニナは幼少期を過ごした過去を振り返っていた...。

.........
人が行き交う賑やかなロンドンのダウンタウンの一角に、雑然とライブハウスや
パブが並ぶ、その繁華街があった。昼下がりの表通りは、大勢の人々が行き交い車の
クラクションが響き喧騒とした雰囲気だったが、小さな路地に入ると、一転、

薄暗くジメジメした石垣が続き、さらに横に入ると暗い薄汚れた路地に表通りの店の裏口が並んでいた。
その一つ、「Ted`shouse」と書かれた裏出入り口で、一人の少女が、座り込んでバケツ一杯の
ポテトの皮を剥いていた。子供のように小さく華奢な身体に栗色のクシャクシャの長い髪、

ナイフを握った手も小さく、すべてが小さい少女の中で唯一、瞳だけは大きく輝いていた。
いつも微笑みながら小さい声で歌っていた。街の喧騒から離れた静かな路地裏に
奇跡のような美しい歌声が流れていた.........

いつも観客は近くに座り込んでいる黒猫だけだった。その猫は何かを感じているかのように
その少女を見つめ、じっとその美しい歌声を聞いていた。

16歳の少女、ニナ・ジェフリーは孤児だった。英国ケンブリッジの北部にある小さな街マーチに
その施設「ハンセン児童養護院」はあった。古びて薄汚れたその施設は、いつもひっそりとして
子供の笑い声などは聞こえたことはなく、高い塀に囲まれた施設の裏側にはゴロゴロと石が転がり
唯一の遊具ブランコは鎖が切れ錆び付いて風に揺られてギーギーとした音を立てていた...

その施設の院長リチャード・ハンセンは極悪非道な男だった。
施設では日常的に虐待が行われており、いつも子供たちは怯えて暮らしていた。
満足な食事を与えられず、子供たちは皆、痩せて常に怯えた目でオドオドしていた。

そんな小さな子供たちを励ますためにニナはいつも歌ってあげていた。
満足なオモチャもない施設では歌を歌うくらいしか楽しみはなかった。

その日の折檻を思い出して薄い毛布を被って震えながら声を出さずに泣いている子には、
ニナはそっと小さな声で子守唄を聞かせていた。入ったばかりで親を思い出しては
泣く子にはそっと抱きしめて耳元で優しく歌を歌っていた。

ニナ本人は自分の母親の顔も名前も知らず、お前は捨てられていたと院長から言われていた。
児童養護施設で育ったニナは両親を知らずの辛い過去があった。そんな辛い過去を乗り越えて、
何者にも縛られない心の自由と飛び立つような情熱を持ち、運命の人との出会いによって

天賦の歌の才能を見出され、彷徨う民のごとく人生に翻弄されながらも、ミュージカルの世界に
飛び込んでいくニナと言う一人の女性の半生を描いた創作ミュージカルの舞台を
私は観劇していたのだった。
0815ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/05(木) 19:12:41.23ID:wJ67XXVC
「SINGLES BAR」

夜の街は眠らないまま暗い空に明かりを灯している...
都会の片隅にあるSINGLES BAR。

一つの恋を終えて、ひとり立ち寄ったBAR…

ニューヨークやロンドンでは、singles BARと言えば
ビジネスエグゼクティブやキャリアウーマンの独身の男女が
出会い語り合う場として親しまれている。

日本では婚活barとして親しまれている。オシャレで落ち着いた雰囲気の中で
気軽に独身の男女がパートナー探しをする場所でもある。

------細い路地の先にある… 
薄暗く静かな店内。間接照明の薄暗空間に、黒いカウンターが
長く伸び、奥の方にゆったりと座れそうなソファとテーブルがある。
------静かに店内に流れるテナーサックスのスロージャズ...

------なかなか雰囲気のあるオシャレな空間だ。
             静かに飲みたい人には最高の場所だ------

---カウンターの向こうでは、白いシャツの上に黒いベストと黒い蝶ネクタイを
締めた黒髪をオールバックにして口髭を生やしたマスターが静かにコップを磨いている。

その隣でバーテンダーが、シャカシャカと銀色のシェイカーを全身で振っている…
その前にあるカウンター席では、若い男女がグラスを傾けていた。

その隣で一人で飲むガタイのいい男が
「マスター、いつもの…」
「はい、かしこまりました」
男は見た感じ何度も足を運んでいる。ここの常連のようだった。

カウンター席の右端の奥には一人の女がグラスを傾けていた。
何かアンニュイな雰囲気のあるその女は、ドライマティーニを注文していた。
0816ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/05(木) 19:45:49.56ID:wJ67XXVC
singlesBARは欧米では基本的には独身の男女が出会う場として有名。
Wikpediaではニューヨーくやロンドンでは、ビジネスエグゼクティブや
キャリアウーマンたちの出会いの場として親しまれていると書かれてある。

これはあくまでの僕の見解だが、社会的成功を収めている
ビジネスエグゼクティブクラスになると、その日つきあう女性を求めてだと思うね。
0817ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/05(木) 19:46:47.21ID:wJ67XXVC
>>816
ニューヨークに訂正
0818ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/06(金) 18:22:38.14ID:mMjPZnuJ
「冬を待つ季節」

。。。。。。。。。白い綿がふわり、ふわり...
上空からゆっくり降り積もる...。。。。。。。。。
…止むことを知らない雪。。。。。。。。。... 

凍えるような寒さの中、 …突然涙が零れた... 。
俺はあいつのことを忘れられずにいた。
もう何年も経つと言うのに...

 。。。雪が降り始めた頃。。。。。。
「私ね、癌が見つかったの。絶対に元気になって帰ってくるから、待っててね…」
 お前が笑顔で、そう言ったことを今でもよく覚えている...

あれから何年も時が経つと言うのに…
俺の時間はあの時から止まったままだった...
あの時も、 …こんな雪の降る夜だった…

俺が病院に着いた頃は、おまえは既に旅立っていた...

おまえのお母さんから話を聞くと、
俺が居なくなった途端、容体が急変したらしい。
最後まで傍にいれば良かったと思った。

俺がそんな後悔した時、お前のお母さんは、
「これで良かったんです…」と答えた。そして続けてお母さんは言った。
「あの子の彼氏でいてくれて、本当にありがとう…」

--------- その言葉を聞いて、俺は不覚にも思わず涙が零れた...
---おまえとおまえのお母さんに一番感謝しているのは、俺の方なのに...

その時、病院のベットの脇にあるサイドテーブルの上に置いてあるものを見つけた。
俺が渡したスケッチブックだった。そこには、一面の銀世界が描かれていた...

お前が描いた最後の絵。その裏にメッセージが残してあった。
「私が居なくなっても、悲しまないで! 私は雪と一緒に、いつもあなたの傍にいるから…
大好きだよ。ありがとう…」

おまえがいなくなった後も 春は繰り返している…
花はおまえが 咲かせたわけじゃないと 言いたがっている

もう知らん顔して 歩き出す時なのに...

おまえが いなくなった後も 夏は繰り返している
別れは 夏の冗談だと 思いたがっている
 
もう知らん顔して 歩き出す時なのに

おまえの姿 埋もれさせて 秋は降り積もっている
すべて私が 隠せるわと 自慢げに降りしきる

もう知らん顔して 歩き出す時なのに...

おまえが消えちまった後も 時は 繰り返している
おまえのための 俺じゃないと
うそぶいて 過ぎてゆく

 ---もう知らん顔して 歩き出す時なのに...
0819ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/07(土) 20:52:02.35ID:v3G7ie9s
「浅い眠り」

---今、アメリカで一番のリゾート地帯とも言えるフロリダにいます---
フロリダのマイアミ・ビーチにて、私は窓の二つある部屋を借りました。

これでも、一番小さな部屋。キングサイズのベットにバスルーム、
ウォークインクローゼットまで付いているという贅沢な暮らし。
私を招き入れてくれた家族は海沿いを散歩しています…

たった今、雨が降って来た。こちらに来てからの初めての雨...
私の部屋の二つ窓からは、水彩絵の具を無造作にパレットに
乗せたような淡い灰色の空が見える…

この窓から見える景色を私は大変気に入っている。
天気の良い日には、どこまでも広く高い青い空が広がり------
 ------真っ青な海、白い砂浜... 

そこに暑さにうんざりしたかのように、頭を垂れた細長いヤシの木…
 ---眩しいくらいの太陽の光が葉をより一層、鮮やかな緑色に輝かせる------
   ---心の中でシャッターを切る--- --- ---

旅の途中、カナダのロンドンからオークビルに向かう電車の中から------
。。。雪景色を眺めている時、ここマディラビーチにて波止場の先端で、
微笑んでいる時、そして天気の良い日に窓から見える景色を楽しんでいる時、

 …心が満たされるこの空間の時間を楽しんでいる自分…
それら全てを目に焼き付け、---心の中のシャッターを切る--- --- ---

---結婚し姑や小姑、周囲の者などに気を使い生きて来た...
その制約されてきた日々の生活から解放され抜け出し完全なる自由な毎日へ
スタートとしてここにやって来たのだ。離婚後、初めての海外短期生活。ホームステイ。

    --- " ここで目が覚めた! " ---  
―――「ああぁ… せっかくいい夢見ていたのに…」―――――――――
     ---現実に戻された---

今までと違い、これからたった一人きりでの生活が始まる。
引っ越しは四日前に終わっていたが、このマンションでの新しい生活は今夜からだった。

三日かかった荷物の整理も終わり、風呂を沸かし、風呂から上がった後、
ベットの横になって海外旅行雑誌を読んでいるうちに疲労感から転寝をしてしまったのだった。

---TVの前のソファに座り一人きりの簡単な夕食を済ませ、八階の部屋の窓に映る
 東京湾のぼんやりした夜景に視線を移す………港に停泊している船の灯りが…
   ---------夢のように美しかった---------
0820ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/07(土) 20:56:39.03ID:v3G7ie9s
>>819
下から4行目
ベットの×
ベットで〇
0821ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/08(日) 21:27:42.96ID:r9wyyN7F
「おまえの家」

突然、しばらく会っていない音楽仲間のあいつの家を訪ねてみた。
ちょっと訪ねてみたくなっただけだった。

しばらく会っていない間に随分と変わっていた。
昔のおまえだったら、聴かなかった音楽が流れていた...
ドアを開けた時のあいつの顔が寂しそうだった。

髪型もすっかり変わっていた。「前の方が…」と言いかけたがやめた。

「昔、二人でよく聴いたレコードはもう聞かないんだ…」と
明るく切り出した時、おまえの涙を見た。

「ギターはやめたんだ… 食っていけないもんな...」と言ったきり
お湯を沸かす青い灯を見ていた。

---お湯のやかんの笛が鳴く--------- 
「ああ、…」と気づいて寂しそうに笑う…
部屋の隅には黒い靴が一つ。
私はタンスに立てかけたギターをふと見つめて思わず目を背けた。
あの頃のおまえはこんなにも磨いてはいなかった...

「あんまり ゆっくりもしてられないんだ。今度また来るから…」と
あいつの目を見ずに行った。「そうか、いつでも来てくれよ…」と
言った時の顔は昔の顔だった。

コートの襟を立てて、私は仕事場へ向かった。指先も襟元も冷たい... 
---今夜のライブでのギターの音色は湿っぽい音を出すだろう...

... ... ...
こんな内容の物語性の高い淡々とした中にも、ちょっと人情の機微が感じられる作品だ。
音楽を辞めた友人の心の機微や情景が描写されている。友人の時間の流れは変わっていた。

懐かしい中にも、あの頃との違いを感じている主人公。どこか哀愁が漂っていて、
時の流れは時には残酷なものだ。そんな時間の流れの中で変わらないものがあった。
「そうか、いつでも来てくれよ」と言った時の顔。その時のおまえの顔は昔の顔だった。

---懐かしい友人の変わっていく寂しさの中で見つけた昔の顔...
------時の流れに伴い、人は疎遠になっていく---------

「30年も前、仕事のライバルでもあり親しかった友人だったあいつは、
                      今どうしているのだろうか...」

---電話もメールもしなくなったあいつは元気だろうか
                     ふとそんなことを考えた...
0822ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/08(日) 21:37:35.63ID:r9wyyN7F
>>821
1行目
突然×
ふと、訪ねてみたくなって〇
0823ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/08(日) 21:41:58.37ID:r9wyyN7F
>>821
10行目
青い灯×
青い炎〇
0824ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/09(月) 19:31:01.84ID:wlDNmryC
「捨てるほどの愛でいいから」

「俺達、きっとうまくやっていけないと思う...」
そんな曖昧な言葉だったと思う...

別れたいなら、もっと単純明快でわかりやすく言って欲しかった...
その方が潔いのに... 彼は狡かった。
彼が居なくなった日常の穴を埋められずにいた...

ぽっかりと空いた心の穴が、わたしを駆り立てるのだ。この場所へ...
道路際で電柱ほどの柱に支えられた頭でっかちな看板が、いつものライトで煌々と照らされていた。
それが消えたら、店から最後の戸締りを終えた彼が出て来る。

閉店は21時。この町は、夜19時には、ほとんどの人が出歩くのをやめ、ゴーストタウンのごとく静まり返る。
何年か前はコンビニがあったけど、利用者が少ないのか3年ほどで閉店してしまってからは、昼間やっている
スーパーとこの古びたドラッグストアくらいしか買い物が出来る店は無い。

そう彼はこの町のドラックストアで働く薬剤師だった。バイトの面接で初めて顔を合わせた時、
ビビっと感じるものがあった。触れられそうな距離に立ち、お互いの肌の温もりを感じて
見つめ合う時間が長くなって、わたしたちの不埒な関係は始まった...

彼は35歳で雇われ店長でもあった。声が魅力的だった。彼の声を聞いているだけで、
...うっとりとした夢心地でいられた.........

...彼は抱き合うたびに、わたしへの興味を失っていった......
あんなに激しく愛し合ったのに… 何が足りなかったのか...
何がいけなかったのか、わたしには分からなかった... けど、
ーーーそしてわたしは知った。

はじめから どうせこんなことじゃないかと... 思っていたわ
べつに涙を流すほどのことじゃない そうよ たぶん...
愛を交わす人の一人もいない人には見えなかった...

わたしの予感があたりね 
でも 気のつくのが遅いわ それがわたしの悪いところよ

誰にでも 優しすぎるのは あなたの軽い癖でも
わたしみたいな者には心にしみる
はじめから いっそ冷たくされれば こんな夢も見ないわ

あの人におくる愛に比べたら
ほんの捨てるほどの愛でいいから

夢でもいいから 嘘でもいいから
どうぞふりむいて どうぞ
0825ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/10(火) 19:56:54.90ID:TQJNcaPg
「わかれうた」

ベランダで煙草を吸っていた彼が、ベランダから引き戸を閉め
部屋に入った。彼は私と目を合わせないように
伏し目がちに言った。

「他に好きな子が出来た…」
短く発せられた言葉は、私の心に深く突き刺さり、途方もない痛みを与えた。
「...」ショックで言葉が出ない私に彼は静かに...「ごめん…」と一言
言うだけで、今までのように私を優しく抱きしめて慰めてくれなかった。

「今日は、もう帰って! 今は何も話したくない…」と私が言うと、
「本当にごめん... 君と過ごした時間を忘れないよ…」
彼はそう呟くと、ポケットから合鍵を取り出してテーブルの上に置いて
振り向くことなく部屋を出て行った...

------ テーブルに置かれた銀色の鍵は冷たく光っていた -----
---それを見た途端、私の目から涙が零れた...

―――――――――私はその後、
一週間、家から出ることなく、泣いて、泣き疲れては寝て、
起きたらまた泣いてを繰り返した...

別れはいつもついて来る 幸せの後ろをついて来る
それが私の癖なのか いつも目覚めれば独り...

元々彼は昔から女を惚れさせて泣かせる遊び人として名を馳せていた...
元々そんな奴だった... そんな奴に惚れた私が悪いのだ。
眠れない私は 徒然に ギターを弾き自作の別れ歌を口ずさんでいた。

誰が名付けたか、私には別れ歌うたいの影があると言う...
好きで別れ歌唄う 筈もない 他に知らないから 口ずさむ…

恋の終わりは いつもいつも 立ち去る者だけが 美しい…
残されて 戸惑う者たちは 追いかけて 焦がれて 泣き狂う
0826ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/11(水) 20:37:42.26ID:zelAo8rS
「無限・軌道」

「おい! ほら見てみろよ! あの星!」
「なんだよ! おまえわからないのかよ−」

「お前はわかんのかよ...?」と小学生くらいの男の子二人が会話していた。
僕は、電車に乗っているうちに、いつの間にかウトウトと居眠りをしてしまったようだ。

一人が指さし二人の男の子が見ていたのは青い星だった。
「あったりまえだろ―! あんな特徴的な星! 他にあるわけないじゃん!」
「まじかよ...」「地球だよ! 地球。俺たちの星だろ!」
「あ―、確かに…」

僕は二人の少年の会話に驚き…
「地球…?! 僕はえっ!」と思い窓の外を振り向いて見た! 確かに地球だった…
「地球は青かった…」初めて宇宙に出た人が言った言葉だったか…
その地球が目の前にある...

この電車は銀河鉄道なのか…?! それから地球をずっと眺める………
速い速度で進む銀河鉄道は、みるみる地球から遠ざかっていく.........

男の子たちは、「速いな---」「そうだな−」と楽しそうに見ている…
そんな子供たちと違い、地球があんなに遠くなっていく様を見れば、
ちょっと心細くなっていく自分がいた。

…遠のく地球……… 宇宙の中を走る銀河鉄道の旅---------

そんな世界への旅の始まりを知らせるトンネルが突如として現れ
星空の景色は一変し、暗黒の闇が汽車を飲み込んだ---------

「銀河へ繋がるトンネルだ―」と相変わらず子供たちは燥いでいる…
ブラックホールに突入したのか…?!… 僕にはさっぱり状況がつかめない…

「このトンネルを抜けた先が別世界のパラレルワールド!」
「マジかよ―」 …相変わらず子供たちは騒いでいる…

―――マジかと疑う自分がいた―――
やがて汽車は暗闇の長いトンネルを抜け一筋の光に向かって進みだす---------

―――――――――暗闇のトンネルが終わりを告げた―――――――――
−−−そして暗闇を抜けた先に広がっていたのは.........

---------−−− ここで、突然! −−− " 目が覚める! " −−−

---−僕は夜行列車に乗り窓の外の景色を眺めているうちに眠り込んでしまったようだ---
0827ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/12(木) 20:07:54.24ID:sb9BoLAh
「髪を洗う女」

プルルルルルル…

ガチャ、
「あ! もしも…」
「只今、電話に出ることが出来ません…」
… またか…

今日も忙しいのかな…? 
…そんなことを考えながら眠りについた.........

朝、プルルルルルル…
「もしもし♪」
「あ! 俺、俺! 昨日、電話に出られなくてごめん! 
忙しくってさ… なんかあった…!?」
「ううん! 声を聞きたかっただけ...」
「そっか…」

-本当は知っている… 電話に出ない理由。

…怪しいなぁ―って思い始めたのは2か月前…
それでもあたしは真相には迫らない… 迫れない…
彼を信じている… ううん、信じたい……

一緒にいたいって思うのはあたしの弱さかな…?

そんなある日のこと… あたしは第一志望の企業の試験に落ちてしまった。
友達には「大丈夫、大丈夫…」なんて、笑顔で答えていたけど…
本当は全然大丈夫なんかじゃない。彼に会いに行こう…
---そう思い彼のところへ向かう……

彼のアパートに着くと、彼の部屋の電気は消えていた……
(まだ帰っていないのかな…?!)合鍵を出して
(ご飯作って待ってよ…)なんて思いながらドアを開ける…

" ガチャ " ... ワンルームの灯りの消えた彼の部屋に二つの影………
---------玄関には見知らぬベージュのパンプス......

---彼はあたしに気付き、何かを言った!
でも、---あたしには何も聞こえない---------
---------あたしは部屋を飛び出した―――――――――

…涙で前が見えない… 本当は気づいていた… 本当は知っていた…
それでも気づかないふりをした… 何も知らないふりをした...

でも、目の前に映っていたのは---------  もの " すごいショック! " だった...
信じたくはなかった... ...認めたくはなかった......
0828ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/13(金) 18:05:44.02ID:Xh5ewQhI
「テキーラを飲み干して」

---あいつが身を固めると言う噂を耳にした--------- 

ふと、一軒の店が目に止まる。『テキーラサンライズ』と言うカクテルバー。
あいつとよく飲みに行っていたBARだった...

高校ももうじき卒業だからと、思い切って背伸びして3歳上のあいつとよく行った店。
あいつはいつもテキーラのカクテル、アイスブレイカーをよく飲んでいた。
窓を覗いて見た。あの日と同じマスターが独りグラスを磨いていた。

そっとドアを押した。 " カラン! " と乾いた鈴の音が鳴る…
カウンター席に着く。マスターがカウンターに敷物を敷き球形の氷を浮かべた水を置く…
メニューを差し出し、再びグラスを磨き始める------

------静かだった。音楽もかけてはいない。スッキリとした店内。
暫くメニューに見入っていた。

---マスターが、「当店、オリジナルは如何ですか?」
------私はちょっと考えて頷く… マスターは手早くシェーカーを振りカクテルを出す…
桃色のカクテル。「まだ名前はないんですよ」

マスターの言葉に軽く相槌を打って口にした… きついようで柔らかな不思議なカクテルだった。
気が付くと簡単に飲み干してしまった。 ------あいつも身を固めるのか......

もうあれから6年も経つ… あいつの惚れた女が変わるたび、その時々のあいつの惚れた女を
真似て女ぽく振舞ったり色んな女を演じてみたが所詮、ダメだった...

------また一杯、今度はマスターにテキーラサンライズを注文する。
―――あいつが好んでよく飲んでいたテキーラサンライズ−−−
−−−今夜は酔い潰れるまで飲みたい気分だった...

短かった幻の日々に
こちらから Say Good Bye
0829ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/14(土) 20:07:16.73ID:XkDcX/7r
「髪」

---------私には付き合っていた彼がいました...
彼は優しくて、いつも私のわがままを聞いてくれていました。

ところが、ある日、突然、
「君には悪いが、別れてほしい...」と彼から切り出された。
彼に理由を聞いても何も答えてはくれない。

私は何が何だか... わからないながらも、
意地を張って、「分かったわ!」と言ってしまった。

彼との別れを全く頭で整理出来ないまま、毎日泣き続ける日々を過ごしていた。
私がわがままを言ったからなの?......... でも、あまりにも突然すぎる。

あんなに仲良くしてくれていたのに.........嫌われてしまったと
悔やんでも悔やんでも悔やみきれない.........
それでもフラれた手前、連絡をすることも出来ずに過ごした半年後、
また彼から連絡が来た。

「どうしている? 元気?」
「もう新しい彼氏がいるから平気。元気にしているよ…」
「......... そっか.........」
つかなくてもいい嘘をついてしまった。

今も、ずっとあなたを思っているのにと何故、そう言えなかったのだろう.........
それから間もなくして、彼の友人から彼が癌で入院していることを知らされる。
彼は余命半年の癌だった。どうして私に教えてくれなかったのだろう.........

別れを切り出された頃に癌が見つかりその後、闘病生活に入ったことを知る。
彼が私のことを想って別れたのだと、やっと理解できるようになった。
それを聞いた私は居ても立っても居られず大急ぎで彼が
入院している病院へ行った。

病室に行くと、医師や看護師に囲まれたベットでうつろな目をした彼が居ました。
ぐったりとした彼の青白い手を医師が掴み脈を取っていました。

------その変わり果てた彼の姿に、私は身動きも出来ませんでした------

その傍らでは目を真っ赤に腫らした彼のお母さんが居ました。
私は涙が止まらず、何も言えず、手を握っていました。

とにかく、頭の中が真っ白で、どうしてよいのかわからず、
ただ手を握り返すことしか出来ませんでした。

暫くして、それまで不規則に響いていた電子音が、連続音に変わりました。
医師が彼の目に懐中電灯を当て、ゆっくりと「ご臨終です」と言った。
その言葉を聞いた彼のお母さんは泣き崩れた... 気づくと私も、
彼のお父さんも泣いていました。

------その夜は溢れる涙が止まらなかった.........

長い髪が好きだと昔誰かに話していた。だから私も長い髪にしていた。

 切ってしまいますこの髪を
              今夜旅立つあなたに似せて 短かく
0830ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/14(土) 20:24:55.95ID:XkDcX/7r
この「髪」という曲は、アルゼンチン出身の歌手グラシェラ・スザーナに提供した曲ですね。
0831ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/15(日) 18:29:13.61ID:jHEQDoya
「はじめまして」

.........
...その日の俺は、こたつに入ってテレビを見ていた......
そんな時、「はじめまして、こんにちは〜」と部屋の扉がガラリと開いた。

---外の冷気がすぐさま部屋に浸透する---------
「どうも、こんにちは…」それは、とても突然だったので、
驚いた僕は咄嗟に反応できずに、少し遅れて返事をした。

「やー、寒い… 寒いね------! こたつが恋しいわ…! ちょっと、お邪魔しま―――す」
「ああ、どうぞ…」そう言って少し奥の方に寄って足を動かし、足が入れられるように隙間を作った。
女は礼を言いながら、おずおずとこたつの中に足を入れ入って来た。

一人暮らしの小さな一室に入る程度のものということで選んだこたつだから
女が入ってくればいっぱいいっぱいになってしまう。彼女の冷えた身体で
温度が下がったこたつもじわじわとまた温もりが戻って来た。

テレビに視線を戻し、ざるに盛ったみかんを一つ手に取る…
そこで気が付いて、ミカンを差し出した。

「よかったら、どうぞ…」「あらっ! どうもありがとう…」と
嬉しそうな笑顔を見せみかんの皮を剥ぐ… 僕もつられてみかんの皮を剥ぐ…
地元のみかんは甘くて美味しかった。

「あの…」みかんを食べながら、女はそっと口を開いた。
「はい?」
みかんを口に入れたところだった僕は、口をもぐもぐさせながら返事をした。

僕にもわかっていた。最初、あまりにも自然な態度を取られたから勢いに
流されてしまったけど、徐々に彼女はソワソワし始めていた…

それはわかっていたけど、僕はあえて何も言わなかった。
言ってほしくないのかと思ったけど、どうやら真逆だったらしい。

「そうですね...」そのまま無言でテレビを見て、番組が途切れ、
CMになったタイミングで、僕は初めて、彼女の顔を真正面から見つめた!

彼女は笑顔でこちらを見つめた−−− 見覚えのない女性だった------
「あなたは、誰ですか…?!…」「はじめまして」

  ------  " そこで、突然、目が覚めた! "   ------

こたつをめくると、こたつの中で飼い猫のモモが背中を丸くしてスヤスヤと寝ていた。
0832ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/16(月) 19:50:43.64ID:DgjoQRyA
「空と君とのあいだに」

私がかって知っていた盲導犬のサリーの話です。
サリーはとても頭のいい犬でした。

盲導犬としての訓練を優秀な内容で終え、飼い主さんの元へ預けられました。
サリーは晴れた日も、雨の日も、嵐の日でさえ、ご主人の目となり歩き続けました。

盲導犬が覚えなければならないことの一つに、
「絶対に飼い主に逆らわない」というものがあります。
賢いサリーももちろん、一度もご主人様に逆らったことなどありませんでした。

機嫌が悪い日のご主人様に、どんなことを言われても素直に従い続けていました。
時には理不尽な命令をされても、絶対に逆らったりしませんでした。

ただ、どんな盲導犬にも、「定年退職」する日が必ず訪れるのです。
盲導犬は自分の欲求を全て抑え、ご主人様に支え続けるようしつけられているので
ストレスが多く体力的に限界に達するのも早いのです。

そんなサリーにも定年退職する日がやって来ました。
ご主人様に連れてこられてやってきたのは、定年後の盲導犬たちが余生を過ごす施設でした。

そこで、ご主人様はサリーに語りかけたのです。
「今まで長い間、私の目になってくれてありがとう。ご苦労様でした。本当にお疲れ様。
今日から、ここでゆっくりと余生を送っておくれ…」

その施設は、引退した盲導犬たちが何不自由なく暮らせる楽園のような場所です。
長年、サリーにストレスをかけ続けたご主人様もサリーにこれからはストレスを感じずに
幸せに暮らして欲しいという思いから選んだ場所でした。

「さあ、サリー、これからはもう私の面倒を見なくてもいいんだよ。好きなことをして
暮らせばいいんだ。これまで、本当にありがとう。さあ、お行き…」と
ご主人様はサリーを促しました。

楽しい余生を送ってくれよと願いを込めて送り出そうとしたのです。
でも、サリーは一歩も動こうとしません。

これまで通り、ご主人様の目となり、ご主人様を守る為、傍を一歩も
離れようとはしなかったのです。ご主人様にもう行っていいんだよと促されても
サリーは自らの務めを果たし続けようとしていました。

ご主人様がどんなに説得を試みても、もう自分の目の代わりを務める必要は
無いということをサリーに伝えても、ご主人の元から離れようとはしませんでした。

これまでに一度もご主人に逆らったことなどなかったサリー。
生まれて初めて、ご主人様の命令に逆らった瞬間でもあったのです。
0833ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/16(月) 20:09:26.26ID:DgjoQRyA
>>832
タイトル修正
「空と君のあいだに」
0834ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/17(火) 19:19:56.22ID:Gd3PAUXi
「キツネ狩りの歌」

さあ、この楽しい休日の朝、
りょうけんかかりがラッパをふきならして言います。

「くつに はくしゃをつけたなら みなさん どうぞおいでください。
このすばらしい もよおしに…」

ラッパの号令と共に、お母さんたち、お父さんたち、女の子たち、男の子たちが
続々つめかけます。子供のネクタイを治したり、くらの上にこどもをおしあげたり
している黒いじょうばふくのお父さんは、うきだつきもちをぐっとおさえていました。

そのころおだやかにくらすきつねの家では
「おそとで、キャンキャンいっているのは なに? 犬たち どうしてあんなに
ほえているの?」と子ぎつねがお母さんぎつねににたずねると
お母さんぎつねはキツネ狩りのことを子ぎつねにおしえます。

ちょうど、そのころ、お父さんきつねはお母さんきつねのせつめいとおりに
おわれているまっさいちゅうだったのです…

まえのめりになってはしりだす犬たちのけっきさかんにほえる声もきこえてきます。
森をしっそうするお父さんきつねは、どうぶつや虫に見守られながら、
犬においつかれないように、においをおとします。

けっしのかくごで、にげかくれるきつねのお父さんのすぐそばで
こともなげな、かおで水をのむシカがいいます。
「ちえのまわる きつねはいつだってにげのびる」

「まあね、」とお父さんきつねは言いました。
そこへお母さんきつねおやこがよってきました。
「ああ、あなた、これでまた、一年はぶじなのね」

  「あらっ! もう寝たのね。おやすみなさい」と
お母さんは絵本をベットの横に置き、娘に布団をかけて部屋を出ていきました。
0835ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/18(水) 18:42:54.04ID:PuyXnW5W
「スクランブル交差点の渡り方」

人が沢山いてごちゃまぜに歩いているように見える渋谷スクランブル交差点。
都会の象徴だ。久し振りにここに来ると、駅の人波を斜めに横切れないとか、
スクランブル交差点で歩調を変えずに人とすれ違えなかったりしないだろうか…

実は都会は本当に人々の体内時計が進むスピードが速い。都会は皆、
自分の事に忙しく周りの人に関心を払わない。東京に出てからずっと、
毎日追われるように生きている…

朝早くシャワーを浴びて、コーヒーだけで出社して帰ってくるのは夜遅く…
晩御飯は駅前の開いているラーメン屋に入るか、コンビニで何か買ってくるか、
次の日も早いので食べたらすぐ寝る。何年も、そんな生活を続けている...

信号が青に変わった瞬間、 …交差点には四方から人々が溢れ始める…
皆、目的の方向に向かって振り向きもしない。

反対側から来る人には、ぶつからないように気を遣うけど
後ろを歩く人、さっきすれ違った人には、もう既に無関心。

…信号が点滅し始める瞬間… 交差点には見えないプレッシャーが漂い出す
皆、歩く速度を上げて、ついつい小走りになる… 

歩道にたどり着くまで、あともう少しのはずなのに 途中で、
何かを落としてきたような錯覚にとらわれる。

信号が赤に変わった瞬間、交差点はただの車道に変わってしまう。
時間差で、車の方向が変わるだけ ---いつも通りの変わらぬ風景の中---

…この都会に来るきっかけになったあの頃を思い出す... 
田舎のガールフレンドだった美里が東京の大学に合格。僕は不合格。

---浪人の春--- 美里から自撮りのスクランブル交差点をバックにした写真が送られてきた。
「待っているからね!」というメッセージと共に送られてきた弾ける笑顔の
彼女はもう都会の人だった......

---夏の終わり--- 互いに忙しく連絡も途切れがちたった美里から送られてきた写真。
サークルの人たちと撮ったという写真。男女で楽しそうな写真だった...

---ある秋の日--- ミニスカートの美里が困ったような笑顔で一人スクランブル交差点に立つ写真。
写り込んでいた指が妙にゴツゴツ男らしく節ばっていた… 僕は受験に集中しようと彼女との
連絡を絶った。------それ以降、彼女からの連絡も途絶えた.........

−−− 今、 " 一瞬、" 美里に似た人を見かけたような気がした! −−−
 ---------その姿はスクランブル交差点の人混み中に消えていった---------
0836ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/19(木) 19:17:02.49ID:G6WJyf8i
「炎と水」

------ピアノの生演奏が流れている---------

...ゆったりしたスロージャズ......
街外れにある洒落たジャズbarの片隅で、私はひとりグラスを傾けていた。
------グラスに注がれた酒を煽っていた...

---あいつがよく来ていたジャズbar---------

またあいつと喧嘩した。お互いが相容れない仲なのかもしれない...
---あいつが私の部屋から出て行ったきり帰ってこない----------

…ピアノの生演奏が終わり.........
店内にヘレン・メリル、ボーカルの
「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」が流れる-----

あいつが帰ってきてくれたら、嬉しいけど… 
帰ってくればいいのに... 

立場の違いや、考え方の違いから、お互いに相手の意見を受け入れられない…
そんな関係なのかもしれない... ------炎と水みたいなもの― ------ 

あなたは一途な水--- 私は揺れる炎…  どちらが一方ではなく―――
お互いがお互いを必要とする炎と水… ------

あなたがあなたになればなるほど
私が私になればなるほど  ------お互いはお互いが必要になる――――――
誰から教えられることもなく...

---なんて遠い者たち--------- 
-----私たちは互いに誰より遠い---------------------
なんて同じ者たち...  いちばん遠いものが いちばん近いの...

私はあなたを傷つける者 誰よりあなたを傷つける者...
けれども唯一癒せるすべを それとは知らずに持っている者...

お互いから生まれあう あなたがいなければ 
 私はまだ生まれていないような者...
0837ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/20(金) 18:31:26.40ID:hIHvDY4V
「おもいで河」

---やけ酒の原因--------- 
それは3年付き合った男に、あっさりと捨てられたからだった...
しかもこっちはてっきりプロポーズされると思っていたんだから、
そのへこみ方は倍返しで襲って来た.........

.........
店内に入ると、タカシは既に窓際の席に腰を下ろしていた。
いつもより緊張気味の顔つきだった... 私にはちょっとは期待があった。

「お待たせ…」私はタカシの向かいに腰を下ろすと、現れたウェイトレスにホットコーヒーを注文した。
「今日も寒いわね…」などと当たり障りのない言葉を並べながら、私は彼が切り出してくるのを待った。

暫くすると、注文したコーヒーが運ばれてきた。店に入って5分ほど経過している...
相変わらず目の前の男は、難しい顔をしたままだった。(う−ん、仕方がない。こっちから切り込むか…)
「それで、大事な話ってなんなの…?!」私は小首を傾げながら、タカシの顔を覗き込んだ。

すると彼はコップの水で喉を潤すと、意を決したように静かに口を開いた。
「俺と別れてくれ...」

はあっ、今なんと…?! 驚きのあまりに声が出ない! 
突然の出来事に、目の前が真っ暗になる。喉はまるで砂漠にでもいるかのように
からっからに干し上がっていた...

別れの理由。それは上司の娘との縁談が原因だった。要するにこの男は、
出世に目がくらみ私を切ろうとしているのだ。出世欲の強い男なのは知っていた。
だけど、そういうところも全部ひっくるめて彼のことが好きだった...

「ナナには、本当に悪いと思っている…」と言うタカシの言葉に私は切れて
「そりゃ、そうでしょよ。これを悪いと思わないで、一体何を悪いと思うのよ。それじゃ、
専務のお嬢さんとお幸せに―」と、テーブルのコップの水をタカシに浴びせて帰って来たのだった。

.........
まったく人生って、本当にうまくいかないわ... 
私はそう思いつつ酸っぱい胃液と共に一人きりのベットで悔しさで大声を上げ泣きじゃくっていた。

 ―――やけ酒とやけ食いでベットの周りには
      スナック菓子や、ピザ、ビールのつまみ、缶ビール、缶チューハイが散乱していた−−−
0838ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/21(土) 20:26:25.79ID:VN5BtZyY
「此処じゃない何処かへ」

駅のホームに電車が入って来る… 夜が明けたばかりのまだ薄暗い中...
電車の光がレールを照らす------ 僕はこの瞬間の電車の顔を見るのが好きだ。

---電車が僕の前を勢いよくすぎる------ 風が僕の髪をどこかへ連れて行こうとする---------
ジャンパーが風をはらみ、 ……僕を引っ張ろうとする………

他のお客が冷たい風を防ぎ、身体を縮めている中、
僕は全身に電車が作り出す風を感じていた… 寒いと言うよりはむしろ心地よかった。

電車が僕の前にぴったりと扉をあわせて止まり、入ってくれと口を開ける…
認められたみたいで、嬉しさを噛みしめながら足を踏み出した。

車窓を見ていると、慣れ親しんだ土地が動いているような不思議な感覚に囚われた。
―――――――――景色は すぐに知らない場所に移動する……… 

―――電車に乗ると僕の世界が一気に広がる−−−−−−−−−

一日中、電車の中にいた。真夜中、僕は乗り換えのために電車を降りた。
深夜の静かな駅のプラットフォームには、ほとんど人がいなかった。
僅かにいる人たちは、みんな疲れた顔をしている。

僕も少しくたびれ、ホームに設置されている古びた椅子に腰掛けた。
これから乗るのは終電だ。小腹が空いたが、晩御飯も食べたし我慢しよう。
僕はホームの自動販売機の規則的に光るボタンを眺めた---------

いつもならここで何か飲み物を飲んで空腹感を紛らわすのだが、
今はお金を節約しないといけない。

僕のいるホームにも、
けたたましい警告音と共に電車が入って来た―――――――――
電車からの夜風は冷たく--- 身を刺すように痛かった…

…扉が開き…  ---電車内の白い灯りが僕を照らす---------

これまでの退屈な日常を抜け出したくて、追われるように街を離れてみようと思った。
行くあてのない身軽な旅に出ようと思った。
---此処じゃない--- 何処かへ--------- 

何もできない自分のことがずっと嫌いになりかけていた。
何かになれる約束もなく、ただ風が吹くように−−− 転がりだしたのさ...
0839ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/22(日) 20:58:55.11ID:PtOnRH9Y
「ルージュ」

ふんわりとした柔らかな唇の上、ーピンクのルージュを引いていく―――
毎日、午後五時くらいからメイクを済ませドレスに着替え、自宅マンションを出て
マンション前の通りでタクシーを拾い、乗り込んで店へ向かう…

六本木から銀座までタクシーで通勤している。料金は幾分かかるけど、
降りる際にちゃんと領収書を受け取り、定期的に店に堤出しさえすれば経費で落ちる。

シフトは組んであり、出勤日と休みの日は分けられていた。
ママがその作業をやってくれていて、あたしたちホステスはお客様のお相手をするのがお仕事。

今日も午後五時半過ぎに店に着き、上下ともきちんとした格好に整えた後、
メインフロアへと歩き出す… 夜は始まったばかり…

「トモカちゃん、五番テーブルに回って差し上げて、お客様が来ていらっしゃるから…」
「はい!」源氏名はトモカ。水割りを作って差し出し、長いお時間お相手した後、

いったん席を立ち、更衣室へと歩き出す、銀座で生きていくのは大変。
生存競争が激しい。それにあたし自身たまに気を抜きたいと思うこともあった。

なんせサービス業でも一番気を使う大変なお仕事。もう一度、
香水を振り直し、ロッカーに付いているミラーで化粧や髪の乱れを整える… 

口をきくのが うまくなりました 
どんな酔いしれた人にでも

口をきくのが うまくなりました 
ルージュひくたびにわかります

つくり笑いがうまくなりました 
心慣じめない人にでも

つくり笑いがうまくなりました 
ルージュひくたびにわかります
0840ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/22(日) 21:13:55.52ID:PtOnRH9Y
この「ルージュ」と言う曲はフェイ・ウォンによって中華圏だけではなくアジア全域から
中東、トルコ、イタリア、フランスなどの欧州にまでルージュロードと言われるくらい広まった曲。
0841ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/23(月) 21:09:21.08ID:iGy/DnkO
「知人・友人・愛人・家人」

俺は、とある大企業の社長の一人息子。
いわゆる御曹司。と言ってもつい最近までは平凡な暮らしをしていた。

実は母親が社長の愛人で、俺はその平たく言えば隠し子。
本当の父親の家は後継者不足に悩んでいて、苦肉の策で俺を認知し、
あれよあれよという間に、次期跡取りの座が転がり込んできたというわけだ。

生活は一気にリッチになって、思わぬところで結びつきも増えたんだが、
面白くないことの方が多すぎる。

その一つが今、目的地に向かっている理由でもある。
御曹司様の将来は、本人の意思を反映しないらしい。最たる例が結婚だった。

ある日突然、見合い写真を持ってこられたと思ったら、ちょっと見ただけで
もう決定していた。いわゆる政略結婚ってやつだ。そんなもの歴史の授業の
中でしか知らなかったのに、まだあったのかと言う感じだ。

今、その相手のご令嬢とのデートが終わったばかりだった。
ちなみに明日がもう結納だったりする。色々と身内から言われた。
「お前の身の振り方で、二つの会社の将来が決まるんだ」と言われた。

こっちとしては、そんなオトナの結びつきなんぞ知ったことかと
言いたいんだけど、駄々をこねるほど子供でもないつもりだ。

ただ、責任感を感じてはいるものの、日々、苛立ちを感じずにはいられない。
最近、その苛立ちが極まりつつあった。解消できないどころか、いっそうたちが
悪いんだが、不満を見せると、余計なところでこじれることも知っている。

実は御曹司になってから会食パーティで知り合った有名女優と秘密裏に交際していた。
―――――――――今夜は、彼女のマンションにいた。

「私は何、あなたの中で、私は誰?」と、困ったことに結婚を迫られていた。
「ねぇ...」「おい! 顔をペロペロなめるな!  おい! やめろー!」
------ここで、 " 突然、目が覚めた! " ---------

炬燵でついうとうとと寝落ちしてしまったらしい... 飼い猫が俺の顔を舐めていた。
0842ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/23(月) 21:12:45.61ID:iGy/DnkO
>>841
8行目
目的地に向かっている理由でもある。×
目的地から帰ってきたところだ。〇
0843ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/23(月) 21:23:18.58ID:iGy/DnkO
>>841
末尾
飼い猫が俺の顔を舐めていた。の前に
雨が降り続く商店街で一匹の子猫がずぶ濡れで鳴いていた。
放っておけずに拾って来た。
0844ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/24(火) 20:47:44.43ID:hPhcexq2
「さよならさよなら」

---等間隔で並ぶ電柱---------
カチカチと気まぐれに光っては消える電灯あれば
もういつ消えたかわからない電柱もある...

男はその電柱の気まぐれな灯りを自分の人生と重ねて笑った…
見た感じ30代後半のサラリーマンのようだった。

職場で人間関係に悩んでいるのか、大きな商談で失敗してしまったのかは、
わからないが、どこか元気がない。その足は誰が見ても重かった。

---坂道を登りきると、男は坂の上から景色を眺めた―――――――――
中央線が東京方面に走っている--- その奥には大きなタワーマンションが建っている。

男の足は商店街に向かっていた。ここを抜けたところに男の家がある。
男の唯一の楽しみは、自宅に帰る前に商店街の中にある居酒屋に立ち寄ることであった。
いつものように、男はその店の暖簾をくぐる……

店の中は、いつも多くの客で賑わっていた。男は空いてる席を探し座った。
「どうしたの…?! 元気ないじゃん!」と声を掛けてきたのはこの近所に住む
ここの常連の飲み友達のオヤジだった。

「一緒に暮らしていた女に逃げられた... 「さよなら」と書いた置手紙を置いて…」
0845ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/25(水) 20:46:04.85ID:aRpw+DUk
「地上の星」

プロジェクトX これがNHKで放送がスタートした2000年は
ちょうどバブル景気が崩壊し、日本中がその後遺症に苦しんでいた。

「日本はもうダメだ! 終わり!!」と日本中が自信を失っていた。
会社勤めをしていた私の知人も自殺した。

でも、日本は戦後、焼け野原になり、資源も何もないのに短期間で復活し経済大国になった。
その発展を支えたのが中小企業や無名のサラリーマンたちだ。

たった一人の情熱が会社を変える。画期的な事業を成功させた企業にはそんな情熱がある。
会社はたった一人の社員の情熱で変わる。そんなことを実感させてくれたのが、
このNHKで放送したプロジェクトXだった。

不可能を可能にする事業も、たった一人の使命感に燃える社員やたった一人の社業を
愛してやまない社員の熱い思いからスタートする。こういう社員は出世や評価に関心がないのか、
日頃、組織の中ではあまり目立たない。でも、会社が困難や危機に遭遇した時、

強烈な使命感や情熱を持って、想像を絶する努力をし果敢に挑戦する。
こういう社員をリーダーに立てると心強い。一つの事に向かった時、
日本人は物凄い集中力を発揮する。

日本の企業は熱い思いを持った優秀な社員をリーダーに立て、プロジェクトチームで
戦うことが得意だ。日本の経済発展、経済大国の原動力は、こうした使命感に燃える
熱いプロジェクトチームが色んな企業で立ち上がり、切磋琢磨しながら困難な課題に
挑戦し続けてきたからだと思う。それが日本経済の活力になっていた。

プロジェクトXを見てきた中でも、個人的に感動したのは、ホームビデオの世界規格
「VHS」を作った日本ビクター。「窓際族が世界規格を作った」VHS・執念の逆転劇。
番組の終わりに「ヘッドライト・テールライト」が流れ、ミスターVHSの社葬が涙を誘う。

いつの回だったか忘れたが、「始めなければ、何も成功しない。失敗すればまたやり直せばいいんだ」
この言葉が、そのままこのプロジェクトXという番組を表していたと思う。
0846ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/26(木) 20:31:25.10ID:Cj7dMVrO
「ペルシャ」

うちにはペルシャ猫の雌のミーシャがいる。
最大の特徴はそのゴージャスな毛並み。全身ふわふわの毛に包まれています。

「ペルシャ猫とか顔からして、絶対に性格悪いやろ!」と友達に言われるけど、
結論から先に言わせてもらうと、「めっちゃ! 性格がいい… 良い子。
え? ホンマに猫? こんないい子いる…」ってくらい手がかからない。

とても大人しく飼い主にべったり。わがままを言わない。いたずらをしない。
大人しくゆったりとした温厚な性格です。静かに過ごすことが好きで、
上手に人との距離を取ることが出来る猫です。

ゆったりと一日中のんびりと過ごすことが好きで、いるのかどうかも、
わからないくらい静かに動くことがなくじっとしていることも多いです。

犬みたいに飼い主が飽きるまでずっと我慢して撫でられているとかはなく、
その辺は他の猫同様に、ツンデレで自分が満足するとサッサと手元を離れ、また一人でくつろぐ。

ちなみにふだん私の視線に気づくと、じーっと部屋の隅から私のことを観察していることが多いうちの猫。
私が教えたわけじゃないのに、いつの間にか勝手に気づいて定位置見つけるうちの猫。

一緒に暮らしていると、ふとした瞬間に、
「もしかして猫って、かなり賢いんじゃないか?」って思うことが多々ある。

ちなみに毛玉対策で朝晩1日2回はブラッシングしたい私にとって
時間がない朝とか無理に引き止めてブラッシングしようとすると、
「触らないでっ!!」ってマジギレされる・・・。

―――――――――ペルシャの雌猫はとても気だ飼い猫なんです。

ただ、うちのペルシャ猫のミーシャも、うちに来て最初の数週間は、
私を敵だと思い、とんでもなく手がかかったので、猫カフェに行って
仲良くしようと思っちゃうと、ちょっとガッカリするかも...

ペルシャ猫を飼った当初は、どうなることかと思ったけど、
今では全く手のかからない
0847ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/26(木) 20:37:08.74ID:Cj7dMVrO
>>846
下から6行目
気だ飼い猫×
気高い猫〇

末尾修正
今では手のかからないいい子です。
0848ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/27(金) 21:44:32.10ID:RkZygl8f
「かもめの歌」

学生時代以来となる欧州放浪のひとり旅に出かけた。一応、3か月くらいの予定を組んでいた。
日本を無事出国。窓からの景色を楽しんだ。定刻通りフランスのシャルルドゴール空港に着陸。
飛行機を降り、荷物受け取りカウンターに到着。ドキドキしながら待っていると、回転カウンターから
ちゃんと流れて来て安心した。

バックパックは最後の方の受け取りになるらしく、私が受け取った時点で
周囲にはほとんど人がいなくなっていたのですごく不安だった。

荷物を受け取り、フランス語で[sortie]と書かれた表示を頼りに歩いた。
出口を出てからパリ中心部に向かう為の列車に乗る必要がある。
ターミナル間を移動し、REB-B線に乗る予定。

まず初めにターミナル間を繋ぐ無人列車、CDG-VALの表示を目指し駅に向かう…
駅はスムーズに見つかった。2分ほどでCDG-VALが来たので乗った。

私はターミナル1到着なので、RER-B線が走る駅があるターミナル3へ向かう…
CDG-VALに乗る際、もう窓から見える空は夕暮れ近かった。

フランス到着初日に宿泊するホテルは{TiPi Hotel} 翌日の移動に便利な駅が
最寄りにあるホテルにした。なのでホテル最寄駅のmontpamasse駅を目指す。

Gare du Nord駅行きのRER-B線に乗る。列車に乗って揺られていると、トラブル。
列車内の駅名が書かれたボード上、Gare du Nord駅で乗り換え予定のメトロ4番の表示に、
大きく×マークがついていた。

意味が解らず、とりあえずGare du Nord駅に到着するも、駅内は大規模な工事中。
どうやら駅が工事の為、ここからではメトロに乗り換えが出来ないらしいと分かった。

次の大きな駅まで向かう。表示に従いメトロ駅に着き、チケットを買い
メトロ4番に乗り換え無事に目的地に到着した。

地上に出ると日がだいぶ傾いていた。夕方になっていた。日暮れは日本よりも遅い。
[TiPi Hotel]まで歩いた。街をキョロキョロ観ながら、少し細めの道を入り、Hotelに到着。

「Hello」と挨拶すると、「ボンジュール」と返答。「Checkin please.」と言ってみると
パスポート提示を求められ、パスポートを差し出すと、英語で何やら説明され、
チェックイン用紙を記載するよういわれた。

鍵を渡され、「あの階段から上がって」と指さされた方の階段を上がり部屋へ到着。
鍵を開け部屋に入る。部屋のベットに横になり、ラジオ局のチャンネルを回すと、
シャンソンが流れて来た...

Patricia Kaasと言うシンガーが歌う{Juste une chanson}と言うシャンソンだった。
0849ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/27(金) 21:58:08.22ID:RkZygl8f
パトリシア・カースのサードアルバム「永遠に愛する人へ」
このアルバムの為にアメリカ、ドイツ、日本などの各国から楽曲を集めたいという
パトリシア・カースの要請を受けたスタッフを通じて中島みゆきに依頼があった。

それがこの「Juste une chanson」
パトリシア・カースの為に書き下ろした「かもめの歌」だ。
0850ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/28(土) 21:00:28.39ID:RVO0+BVF
「やばい恋」

" ドンッ! " と両手を壁に付けて私を囲む。
「なぁー 俺、お前が好きだ! 付き合ってくれないか…」

整った端正な目鼻立ち。さらりとしたつややかな黒髪---------
どこの少女漫画の王子様ですか?と思いたくなるような男が私の目の前にいる。

街を歩けば10人中、9人の女どもが、顔を真っ赤にして目の形を
ハートマークしながら振り返るであろう男が目の前にいた。

すれ違った同性であろう男どもがキリキリと歯ぎしりしてしまうほど、
そんな誰もがうらやむほどの容姿を持った男だった。

「なんで私?!」
目がチカチカしてしまうほどに、まるで太陽を直視したかのような
---眩しすぎる視線と笑顔---

―――でも、ちょっと待て! よく考えたら何言ってるんだ! この人?
いきなり詰め寄られて壁ドン!されて、頭おかしいんじゃないの…?! この人?
唐突過ぎるし、何の面識もないし、この人… 怖っ!! …

これはヤバい! と思い、思い切って
「私のこと好きって言われてもねぇ−」と強気なことを言ってみた。

そして間髪を入れずに続けざまに
「あたし― ギャルじゃないし― それにいきなり言われてもね―
あたし−の、どこが好きなわけ…?!」

「いちいちめんどくせ−な! とにかく好きだって言ってんだよ! 返事は?」
私はその言葉に切れて
「勘違いも、大概にしろ―! どけ―! てめえ―!」と女にあるまじき
   " バシッ " と私の足蹴りが、その男のあそこに一撃ヒット!
     ―――――――――その男はその場に倒れ込んだ。

       −−− ここで目が覚めた! −−−
      目が覚めた後、ドキドキしている自分がいた。
0851ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/29(日) 21:51:04.86ID:ytPIdbL7
「世情」

この国では学生運動が盛んな時期がかってあった。
学生運動で荒れるキャンパス。毎日のように学内に響くシュプレヒコール。
そんな学生運動も長くは続かなかった。

♪世の中はいつも変わっているから 頑固者だけが悲しい思いをする
変わらないものを何かにたとえて その度崩れちゃそいつのせいにする

世の中はとても臆病だから、自分を守る為に他愛のない嘘をつく。
でもその嘘は傷を隠して守る包帯のようにほどけやすい…
学者たちはその包帯を自慢げに剥ぎ取って真実を見たとドヤ顔をする。

世の中と言うのは常に移ろいやすいものだ。この移ろいやすい世の中に
対応しきれない人間もいる。そんな頑固者はいつも辛い思いをする。

確かに高度経済成長時代が象徴するように、戦後の日本社会は生活様式や
消費社会の有り様をどんどん塗り替えながら発展していった。

社会の意識や価値観と言うものは、その時の経済や政治状況によって大きく変わっていく…
頑固者とは世の中の変化に追随できない者のことを言うのだろう.........

そんな頑固者の親父が一週間前に亡くなった... 俺は親父とはあまり仲が良くなかった。
俺が社会人になり家を出る前、一緒に居た頃はほとんど会話らしい会話はなかった。
いつも無口で頑固者だった親父。心筋梗塞での突然死だった...

病院に駆け付けた時は既に亡くなってた。親父の死が突然すぎて、
その時は悲しくもなかったし涙も出なかった。親父のベットの横でただ呆然としていた。

そして葬式が終わり、俺はお袋と一緒に家で親父の遺品を整理していた。
そんな時、小型のワインセラーから、お袋が一本のワインを持ってきた。

するとお袋が「覚えている。そのワインはあんたが父の日にプレゼントしたものよ。
お父さん、それをあんたと一緒に飲むのをずっと楽しみにしていたんだよ…」
----------思い出した。そうだこれは、俺が父の日にプレゼントしたものだった。

俺はてっきりもう飲んだものと思っていた。俺が親父の為にワインを買って来てから、
酒が好きな親父はいつもは焼酎か日本酒か、ビールだった。そんな親父が、
俺が父にプレゼントしたワインを入れる為だけに小型のワインセラーを購入していたことも知った。

無類の酒好きの親父が、一滴も飲まずに、俺と飲むのを楽しみにとっておいたものだった。
 ―――――――――結局、俺は親父と一度もこれを飲むことはなかった。
0852ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/29(日) 21:58:17.01ID:ytPIdbL7
>>851
下から3行目
俺が父にプレゼント×
俺が父の日にプレゼント〇
0853ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/30(月) 09:09:37.56ID:qD070Tzu
>>851
下から13行目
「アルコール性心筋症の突然死だった...」に修正
0854ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/30(月) 21:30:01.12ID:qD070Tzu
「ダイヤル117」

ああ、今日も病室から眺める雪景色。。。
スキーでうっかり足を骨折して入院していた。病院生活も悪くはない。

そもそも不摂生で入院したわけでもなく、足が折れただけなので体力は有り余って仕方がない。
俺は院内をぶらついては看護師を困らせていた。裕福な住宅街に建つ私立病院には長期患者が多いのか、
院内は広く多目的ホールや談話室、ライブラリー等いくつものスペースが備えられていた。

ーーー先ほど病室の大部屋で隣になった男が亡くなった。物静かて品の良い女性が
毎日見舞いに来ていた。他にも美しい女や親族らしき身なりの整った中年の女性や男性など、
結構多くの人が来ていたが、何故かその女性が印象に残った。男は資産家の長男だった。
なのに大部屋を自ら希望したことや先は長くないことも風の噂で知っていた。

その男はよく、そのおとなしそうな女に「病気が治ったら海に行こう…」と呟いていたことがあった。
その男の言葉に瞳を柔和に下げ静かに頷いていた。その幸せそうな顔、表情に俺は釘付けになった。
見た目が綺麗だとかの話ではなく、その時の二人の優しく穏やかな表情がどこまでも綺麗だった...

ーーーその後、天気のいい昼下がりに、その男は帰らぬ人になった... 
その男のベットの周りには家族が来ていた。あの時の女の姿を探せは病室の入り口で呆然と立っていた。
俺はと言えば、隣のベットだったにも関わらず、空気を読まずに周りをウロチョロしていたせいで
邪魔になるからと無理やり引っ張られ病室の扉から追い出された。

通り過ぎる間際、窓から差す陽光に照らされたあの女の堪え切れずに落ちる涙が俺を引き付けた。
二人は相思相愛だったのだろう... とにかくその女が気になった。今夜は辛いだろうな...
0855ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/31(火) 09:14:30.25ID:0PvLQ/PT
>>854
6行目
物静かで〇
0856ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/31(火) 15:51:36.51ID:rSSukVF5
>>854
下から5行目
探せば〇
0857ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/31(火) 19:30:42.66ID:rSSukVF5
「移動性低気圧」


------久し振りに会った女友達の里美とカフェでガールズトークに花を咲かせていた...

「ねぇ、私ね。どうしても気圧の変化に弱いのよね...」「女は大体、気圧の変化に元々弱い生き物よ。
雨の日になれば頭痛がしたり、だるかったり、何にもやる気が起きない。起きて1時間経つのに中々、

起きれない… ベットから出られないなんてのはよくあるよ。そんな日は、大概、天気予報は、
発達した低気圧が日本海側を東に進み、強い南風が吹いて天気が荒れになる模様の場合が多いわね…」

「低気圧になるとお天気が悪くなる。私も機嫌が悪くなる。そして冷え性になる。ゆーうつ…」と私が言うと
「そうね、どうしても女は、筋肉量が少ないうえに、薄着をすることが多いため、冷え性が多い。

そんな日でも、私が昔付き合っていたマサルなんて、『元気ないな、遊びに行こうぜ!』と
競馬場に誘うデリカシーのないアホ男だったわ。『女は気分屋が多くて困るよ…
その日の天気、気象で気分が変わるから困る。昨日、あれだけ機嫌が良くて、

行くって約束したんじゃないかよ―』と言う。そんなアホ男は競馬、競輪、競艇、
パチンコ屋などのギャンブル好きで、呆れるくらい金銭感覚のない男だったわ。

それが原因で別れたけどね。オホホ…」と苦笑いしながら
里美はガトーショコラを飲んでいる。

私はカフェラテを一口飲み、モンブランを食べていると、
「お互いに人肌恋しい季節ね…」と言う里美の話をきっかけに、
------その後は恋バナに花を咲かせた...

女の胸の中には 違う女が住んでいる
あと1人 時によりあと3人4人...

女の胸の中には 手に負えない性悪と 
憎めない女神が 野放しで住んでいる

わからん 冷たいのか わからん 熱いのか
機嫌のゆくえは移動性低気圧

わからん 遠ざかり わからん 跳ね返り
はずみで何処まで 行くか戻るか

女の心は低気圧 予測のつかな低気圧
予測がつくのは 昨日へ戻れないことだけ
0858ジョン・スミス
垢版 |
2023/01/31(火) 19:33:34.80ID:rSSukVF5
>>857
5行目
天気が荒れになる模様×
天気が荒れる模様〇
0859ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/01(水) 19:25:11.48ID:VsoWPNDU
「グッバイガール」

婚活アプリで知り合った男性と結婚を決めた。
相手は私が希望した条件をほぼクリアしている男性だった。

ただそれは結婚半年間だけで、突然、状況が一変してしまった。
強引に夫の実家に同居することに同意させられたのだった...

義母との暮らしは思った以上に辛いものだった...
「そうよね…」「ホホホホ…」
「二年も経つのに、妊娠の気配もありませんのよ。
一人息子なものだから心配で、心配で… ホホホホ…」

「カズコさん、ほら、トマトを買って! あの子は、
トマトが食卓にないと機嫌が悪いの、知ってるでしょ!!
本当に気が利かないんだから、嫌になるわ…」と義母に怒られる。
「は、はい!」

---最初は義母から家の主導権を奪おうと何度も何度も試みたけど...
結局は私よりはるかに家事がこなせる義母の奴隷になってしまった。

何よりも、耐えられなかったのは、近所の主婦たちと一緒に行く買い物だった。
義母は日増しに、私のことを悪し様に罵るようになっていった...

「カズコさん!、気が利かないわね、柳田さんの奥様のお荷物を
持って差し上げなければダメじゃない!! 柳田さんは今、妊娠中なのよ。
大事に、大事にしてあげなきゃダメよ。あなたは無理したって、
別に妊娠している訳じゃないから、大丈夫よね…」「は、はい!」

そうやって近所の妊娠している奥さんと義母の会話の後ろでスーパーでの二人分の重い
買い物4袋分を持たされ真夏の炎天下の強い日差しの中を歩いていた時だった...

ミ−−−ン ミ−−−ン------  セミが鳴いている------  
「オホホ…」「ホホホ…」私の前を義母と近所の奥さん談笑しながら歩く中―――――――――
ハァ... ハァ... (暑い…… フラフラする...)重い買い物袋を持ちながら後ろをついて歩いていると…

―――――――――強い日差しが照りつける真夏の炎天下の中------
------意識が遠のいて……… …… … ---私は意識を失って------ 
 ------その場に倒れてしまった! 

「あ! カズコさん! 人様の買い物袋を散らかし、汚すとは何事ですか!!
早く柳田さんに謝りなさい!!」その光景に気付いた義母が怒鳴る!

---これが私の望んだ結婚なのか... 私は結婚と言う幻想にとらわれ過ぎていた...
――――――それはある夏の、熱い午後だった...
まだ夕暮れまでには、程遠い… 昼に近い午後だった.........

―――――――――数か月後、私は離婚した。
         私はその後、女一人で生きていく道を選んだ―――――――――
0860ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/02(木) 18:21:16.78ID:D5j+1zOa
後、残りの楽曲も少なくなってきたので[邦楽サロン]の「中島みゆきの名曲」を
こちらに移して一つにまとめたいと思います。出来る限り全曲網羅したいと
思っていますが、果たしてどうなるかわかりません。悪しからず。
0861ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/02(木) 18:57:27.76ID:D5j+1zOa
「荒野より」前編

---小さい頃、よく親父と一緒に街中を走っていた---------
生まれた町は田舎で、交通量も少なく自然が多く、晴れた日には
とても気持ちのいい空気が漂っていた...

親父は若い頃、箱根駅伝で走っていた。足の痙攣で、途中棄権。チームに迷惑をかけ、
完走できなかったことが悔しくて今も走ることがやめられないと言う。普段、無口で
近寄りがたい親父も、走っている時だけは、ずっと俺に声を掛け続けていた。

中学に入った俺は、当然の如く陸上部に入部した。レースでは結構いい成績で、
部活内でもトップレベルだった。毎回応援に来る親父。俺が良い成績を出した日は、
酒を飲んで真っ赤な顔で上機嫌だ。正月はいつも箱根駅伝をテレビで見て言う。
「俺の望みは、お前と箱根を走ることだ。ワハハハ…」

高校に行っても陸上は続けた。でも、思うように記録は出ず、俺はいつもイライラしていた。
そんなある日、体調を崩したこともあってか、案の定、酷い記録だった...

家に帰って、部屋のベットで独り天井を眺めていると親父が入って来た。俺の横に座って、長い沈黙の後に、
「なぁ、どうした…?! 最近のお前は・・・」と親父が言いかけたところで、俺の気持ちが爆発した。

「うるせえ! 出て行けよ!! 親父には俺の気持ちなんか、分かんねぇだろ!! もう、嫌なんだよ!
親父の期待に応えるのが! 俺に取っちゃ重荷なんだよ!!」俺の言葉に親父は驚いた顔をして眺めていたが、
暫くすると、悲しそうな顔をして俺を思いきり殴った! おふくろが止めに入るまで大喧嘩をした。

---------それ以来、親父とは話すことも無くなり、
            その後、俺は陸上部を退部し、走るのをやめた。
0862ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/02(木) 19:52:45.64ID:D5j+1zOa
「荒野より」後編

---------その二か月後、親父か急に倒れ病院に運ばれた。
余命半年の末期癌だった。俺はショックを受けたが、親父とのわだかまりがあり、
おふくろに何度も、誘われたたが見舞いに行けずにいた。

親父の様子は、体力は徐々に衰え、いつ死んでもおかしくないほど弱って来たとおふくろが言う。

そんなある朝、学校に行く前、おふくろが思い出すように話し始めた。俺が高校へ入ってからも、
陸上続けたことを親父は凄く喜んでいたこと。俺が記録が出ず、苦しんでいる時、親父も同じように
悩んでいたこと。走ることを嫌って辞めることを凄く心配していたこと。なのに、あの日、大喧嘩の後、
一切、俺が走ることを辞めたことを知り、その後、何も言わなくなったと...

「あの人も頑固だからねぇ」とおふくろ。俺は、そんな話を聞いて、学校に行ってからも気になっていた。
休み時間、友達が、「あの先生で数学が嫌いなんった…」と言った時、 " 俺は気づいた! " そうだ !!!

俺は、あの日、親父に、「親父のせいで、走るのが嫌いになった…」そう言った。
誰よりも走ることが好きで、俺と走ることが楽しみな親父に言ってしまった...

俺は授業そっちのけで病院に走った。道路は雪が積もり、何度も転びそうになった。
暫く走っていないせいか、心臓が破裂しそうなくらいバクバクいっていたけど、それでも俺は走った。
走っている間、あの日、俺を殴る前に見せた悲しそうな親父の顔が何度も頭に浮かんだ。

病室に行くと、変わり果てた親父がいた。ガリガリに痩せて身体からはいくつかチューブがでて
大きく胸を動かしながら、苦しそうに息をしていた。走ってぜぇぜぇしている俺を見て、
「走って来たの?」と驚くおふくろの顔。親父は、「走って. 来た.か...」と消えるような声で言った。

頷く俺に、「なぁ. 走るのは... 楽しい.だろ.お前と.箱根走りたかったな... 
でも、後悔はしていない... お前は... 俺の誇りだ...」
それが親父が力を振り絞って、俺に語った精一杯の言葉だった。それが最後の言葉になった。
 その後、すぐに親父の容態は急変し、間もなく息を引き取った...

...俺は、病院を出ると、とにかく走った… 涙が溢れて止まらなかった...
小さい頃に親父と走ったあの道、コースまで、とにかく走った… 走りに走った…
霙交じりの雪が降っていた。。。...  …身体が震える…  

号泣きしながら...  …俺はとにかく無我夢中で走った……… 
そしたら幼い頃、親父と一緒に走っていた記憶が蘇って来た。一緒に走る時は、
いつも俺に声をかけ続けていた親父... たとえどんなに距離が離れても...

「オヤジ――――――!」 霙交じりだった雪は...。。。
    ――――――――― いつの間にか、吹雪になっていた。。。。。。。。。
0863ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/02(木) 19:59:47.26ID:D5j+1zOa
>>862
10行目
「あの先生で数学が嫌いになった」に訂正
0864ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/03(金) 20:00:22.12ID:Kvk8tBTu
「こんばんわ」

「あらっ! 随分、ご無沙汰ね…」「え…?!」「なによ! 驚いた顔してさ…」
「...いゃあ…、一瞬、誰か、分からなかったよ。てっきり有閑マダムに
誘われたのかと思ったよ。アハハハ…」「本当はそうなの… ウフフ…」

「何だ、それじゃあ… 昔と変わらないじゃないか、もっとも、あの頃みたいに、
可愛くないけどさ、アハハハ…」「まあ、言ったわね。こらっ! すぐ、
からかうんだから... ウフフフ… 変わらないわね。昔と一緒、
その笑い方も、昔のままね…」

昔、飲み歩いていた時と、変わらずビル群に囲まれていても、此処の一角の飲み屋街は、
昔のまま残っていて、前のマスターと顔なじみと言うこともあって、マスターが入院中、
頼まれて、一時、この店の雇われマスターをしていた。

そんな時に、マリコと親しくなった。暫く顔を見せていなかったので、久しぶりに寄ってみたら、
そんな昔のマリコにバッタリと出くわしたのだった...
「あれからどうしてた…?」「あれから色々とあってね。何をやっても上手くいかなくてねぇ… 
あの町、この街、渡ったわ… あたし、一つの所にとどまることが出来ないのかもね。
此処に来る前は、仙台の国分町にいたわ。それから歌舞伎町、中州、ススキノ、北新地、

錦3丁目、福富町...と渡り歩いて、又、此処に戻って来たの。ずっと一つの街にいると、
他の街に行きたくなるの… 人間関係も含めてね。もう、この街、いいかなぁ〜って...
気分で続かないわね…」「一か所に定住できない遊牧民気質か、ボヘミアンなマリコらしいよ。
アハハハ…」「何よ! 茶化さないでよ! うふふふ…」

「まだ、猫は飼っているの?」「あの頃の猫はもう死んでしまったけど、今も猫は飼っているよ…」
「あなたも猫好きだから、話が合うわね…」

…あれから十年も経っていながら、マリコは気の向くままに、気ままな昔の風来坊なマリコのままだった...

   ――― それからは、俺たちは昔話に花を咲かせた ーーーーーーーーー

俺はマリコの愛嬌のある話し方につられ、もう、戻れない昔話の懐かしい話の数々に
いつの間にか時を忘れて相槌を打ち、お互いの出会いと、それぞれ別に歩んだ人生を
店を閉めるまで語り合っていた...

  店の外は雪景色。。。
    街灯の光に照らされた中... 雪が深々と降っていた。。。。。。。。。
0865ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/04(土) 18:22:46.69ID:VgfbkbYn
「六花」

僕の母は僕ら姉弟を女で一つで育ててくれました。
「ほら、ゆっくり食べなきゃ、ダメじゃないの…」

僕らは比較的遅い時期に生まれた子供だった。
父が亡くなった後、母はどんなに不安だったのか...

でも、子供の僕には、そんなことはおくびにも出しませんでした。
「はい! 出来たよ… いっぱい食べなさい!」「うん!」
母は僕たち姉弟の前では、いつも笑った顔しか見せませんでした。

.........
そんな母が他界したのは姉が九つ、僕が五つの時でした。
僕たち姉弟は、とうとう二人きりになってしまったのです。

母が亡くなったあの夜のことは、今でも不思議なほどに
鮮明に僕の目に焼き付いています...

「さむいよ--- ねえちゃん! おうちへ はいろうよ…」
「いい、修。 これからは、私たち二人きりになるのよ。
もっともっと、辛いことが、いっぱいあるけど、二人で頑張っていこうね…」
「うん!」

「修には、まだわからないと思うけど、よく聞くのよ。
お姉ちゃんはね、ゆうべ、冷たくなっちゃった母ちゃんの横で、
ずっと寝ないで、考えたことがあるんだ!」
「なあに? おねえちゃん…」

「これから二人、生きていくためのことを考えたんだ。
二つあるから、よく覚えておくのよ。いつも一緒にいることと、
それと絶対に、親戚の人にわがまま言わずに言うことを聞くのよ。

お姉ちゃんね。中学卒業したら、働いて修の面倒を見るからね。
二人で生きていこうね。それまで我慢してね… 分かった?」
「うん!」

「わあ、ゆきだ!!! おねえちゃん!! ゆき、ゆきがふってきたよ!!!」
「あっ! … 本当だ … 雪。。。 綺麗ね...」
「うん!」

その後、二人は親戚の間を転々とする生活が始まったのです・・・

昭和〇〇年.........
0866ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/05(日) 18:28:31.46ID:lSy+FmtC
「走(そう)」

今年の箱根駅伝は駒澤大学が2年ぶり通算8回目の総合優勝で幕を閉じたが、
これまでの箱根駅伝は人々の琴線を揺さぶる幾多のドラマを生んできた。

一人一人が力を出し切り、襷を繋ぐ一心で必死に懸命に走る… 勝者が、
歓喜に酔いしれるドラマもあれば、それ以上に心を揺さぶられてしまう敗者の
ドラマが箱根駅伝には沢山ある。特に繰り上げスタートや途中棄権。

脱水症状、足の疲労骨折、アキレス腱痛、ふくらはぎの肉離れ、足の靱帯損傷、
足の痙攣、低体温症などが起きて走ることが困難になる。

目の前にいる仲間を置き去りに、繰り上げスタートしていくランナー。これも切なく辛い光景だ。
長年、箱根駅伝を見続けて来た中で、今もくっきりと脳裏に残っているのは、悲劇の途中棄権と
言われた最終10区を走ったアンカー。ゴールまで残り150mに迫りながら途中棄権を余儀なくされた。

極限を遥かに超えていただろう。その時、ランナーはどんな気持ち、状態で走っていたのだろうか…
襷を渡すことが出来なかったランナーが、肩を震わせて号泣きする姿。繰り上げスタートが迫って来る…
繰り上げスタート用の白い襷を掛けて、仲間の待つランナーの祈るような気持ちが伝わって来る…

中継所の映像。襷を繋ぐ為にヨロヨロしながらも必死の形相で、中継地点に現れたランナー。
襷を運んでくる仲間を待ち続けるランナー。すぐ外せるように白い襷に手をかけ、あらん限りの声を張り上げて叫ぶ声…
近づくランナーに手を振っている… その声が中継所を目指すランナーの耳に届いていたかどうかは分からない。

ランナーは、あと5m、あと4m、あと3mと少しずつ… 中継地点まで近づいている…
残り1mと少し… 手を伸ばせば届きそうな距離まで近づいたランナー。

その時、無情にも " ピッ! " と笛が鳴り、白い襷を掛けたランナーは母校の襷を受け取れないまま繰り上げスタートしていく…
最後の力を振り絞り中継ラインを越えたランナーは、母校の襷をギュッと握り締め倒れ込み号泣き!

仲間が繋いできた襷を渡すことが出来なかった悔しさが伝わってくる光景… 特集番組で見た過去の箱根駅伝の映像…
その中に前回優勝した青山学院大の過去の映像があった。
52回大会の最終10区のランナー。大手町ゴール150m手前で脱水状態により意識を失う…
角を曲がると真っ直ぐにゴール地点、アンカーは、その曲がり角のすぐそこまで来ていた。

150m手前だった... 右にヨロヨロ、左にヨロヨロ、今にも倒れそうになりながら、
それでも走ろうとするランナー … その傍らにチーム監督がいて
「もういいよ、 よく頑張った! もういい!!」と声をからして叫んでいた。

未だうつろながらも走ろうとするランナー … ランナーの表情は意識が朦朧としているのが、傍目でわかる。

監督が声を掛けながらランナーの肩に手をかけた。ランナーの身体に触れたらレース終了の合図。
「よく頑張った!」「よく頑張ったぞ!」と四方八方から大観衆が叫ぶ… 記憶の片隅には、涙をぬぐう観衆の姿もあった。
意識が朦朧としているランナーは、監督の手が触れた瞬間、ふらっと身体が揺れて、その場に倒れ込んだ…

意識もうろうとしながら、右に左にヨロヨロしながら、それでも、前に前にと、つんのめるようになりながらも歩む…
そんな極限を超えたランナーり姿… あと少しでゴール出来たという思いが伝わってくる… 残り150mは遠かった...
- あと少しで持ち帰れた襷は、ゴールで待つチームメイトに届くことはなかった...

優勝のゴールのテープを切ったアンカーが、駆け寄った仲間と一緒に喜びを爆発させていた。
こんな悲喜こもごもの多くのドラマがある箱根駅伝。山もあれば谷もある。歓喜の涙もあれば、
‐ 悔し涙もある駅伝は、まさに人生そのものではないだろうか・・・
0867ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/06(月) 17:53:25.44ID:fv3cYkxl
「雪」前編

幼稚園からいつも一緒だった幼馴染の男の子がいた。
私は今でも覚えている... 彼に恋した日のことを。。。

幼稚園で、意味もなく友達に責められていた時に、唯一、私の側にいてくれて、
ギュッと手を握ってくれた彼が好きになった。それからは、子供ながらに
「好きだよ」などと自分なりにアピールしていた。

今思うと、ませていたと思う。彼は顔を赤くするだけで答えてはくれなかった。
周りに冷やかされるほど仲が良く、私も彼が好きだった。

中学校からは、私も素直に好きと言うのが恥ずかしくなり、小学校からの友達などに冷やかされる度、
否定していた。徐々に彼との距離も離れていった。でも、密かな私の恋心は冷めることなく、
彼と同じ高校に行きたくて必死に勉強した。中学時代はお互い絡むことなく、特に思い出もない
まま進んでいた。だから高校では… と期待を込めて彼と同じ高校へ入学した。

高校からは、中学生の時の時間を取り戻すほど仲が良くなった。高校も卒業間近、彼は進学、
私は就職も決まり、こうやって久しぶりに今日、彼との待ち合わせ場所で待っていたけど、
結局は来なかった。あんなに約束したのに来てはくれなかった。忘れてしまったのだろうか…?!
(どうしたのだろう...?!)

…雪がちらつく中。。。 一人トボトボと歩いて帰ろうとしていた時、母から電話が鳴った!
「あんた今、どこにいるの?」と母。「○○公園にいる…」と私。

「今から、お父さんと向かうから、待っていなさい!」とお母さんが凄く焦っていたのを
今でも覚えている… 尋常ではないほどは早口な口調と大きな声だった...

数分もしないうちに親が来た! 来るなり、すぐ車に乗せられ、
訳も分からないまま病院へと連れて行かれた...
0868ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/06(月) 18:20:41.83ID:fv3cYkxl
「雪」後編

ーーーーーーーーー親が先生と何かお話している… 
病院には学校の先生とお医者さんと、私の親と彼の親がいた。

私の足りない頭では理解が難しかった。お医者さんに連れて行かれた
所は病室ではなかった。薄暗い部屋にベットの様なものがあり、
そこには人が寝かされていて、顔には白いタオルが掛けられていた...

此処でようやく頭が追いついた私。そっと、ベットに近づき顔のタオルを
取ろうとするも、彼の親からは見ない方がいいと止められた。
私が彼を公園で待っている間、彼は飲酒運転の車に撥ねられ即死。

‐私は、そんな事実を受け止められず、彼が、「嘘だよ! 馬鹿だな」と笑いながら、
頭を撫でてくれるんじゃないか… もしかしたら、慣れない悪戯をしようと
しているんじゃないかって… また、いつものように私の顔を見て
くれるんじゃないかって… ずっと待っていた。起きて笑いかけてくれるのを...

ーーーーーーーーーけれど、いくら待っても、いくら時間が過ぎても、彼は起き上がらない...
周りから聞こえて来る嗚咽... むせび泣きが私の頭を刺激した… もう、彼は帰っては来ない…
0869ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/06(月) 18:44:41.56ID:fv3cYkxl
後編の続き

彼はもういないの... どうして、どうして彼なの...
何故、飲酒運転の車に...

何処にもぶつけられない気持ちが私の中で渦巻いていた...
好きだから、起きてって何度もお願いした...
どうしてって、何度も何度も周りに投げかけた。

意味のない私の叫びは消されていく...
親や彼の御両親に宥められても、私は彼の傍を離れようとはしなかった。
傍にいてと、もう何度も何度も、届かない声を彼に投げかけていた...

既に冷たくなった彼の手を離そうとしなかった。
抜け殻のようになった私に、真っ赤に目を腫らした彼のお母さんが
彼が持っていたという手紙を渡してくれた。

‐手紙はぐちゃぐちゃで血が滲んでいた。これを読んでしまったら、
彼が死んだと言うことを認めてしまう… 実感してしまう...
私はどうしても、この現実を認めたくなく目を逸らしたくて、

ー 窓の外に目を向けると、もう既に夜になっていて、止んでいた雪が再び...

...... . . .。。。。。。。。。

。。。。。。。。。街灯の灯りの中、ゆっくりと空から雪が舞い降りて来る。。。
0870ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/06(月) 18:53:02.08ID:fv3cYkxl
>>867
15行目
(どうしたんだろう...?!)の
後に
「私が言った… わがままが原因だろうか...」追加
0871ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/07(火) 18:44:05.48ID:2VEqDdvn
「北国の習い」

。。。こんなにたくさんの雪は何年ぶりだろう。。。。。。。。。
目の細かい粉雪が狂騒のように舞っていた。今日は異常な大雪だ。

強風も合わさり強烈な吹雪になってしまった。全く前方が見えない
視界不良で運転もままならない。

スピードを落とし、強い地吹雪のために1メートル先も見えないまま
走行していたが、ホワイトアウトになってしまったのだ。数センチ先も
全く見えない状態になってしまった。そうなったら動くのは、
かえって危険だ。その場にとどまるしかないのだ。

そして車は立ち往生になってしまった。他に車も走っていない。
近くに民家らしきものは見当たらなかった。

‐こんな人里離れた雪山を越えたところの車の中で、一晩過ごすしかないのか・・・

「車中泊するか?」「防寒用の毛布ないでしょ。暖とるためのエアコン点けっぱなし、
エンジンかけっぱなしだと、一酸化炭素中毒で死ぬよ… あんた!」

「外は相変わらず、雪が降り続けている。車の排気口を雪で覆われ塞ぐから排気ガスで
確かに死ぬなぁ〜 ワハハハ…」「そんな笑っている場合じゃないでしょ… 全くもう…」

幼い息子が熱を出して体調が悪いという。こんな積雪が酷い中、妻は体調が悪い息子を背負って、
近くの民家を探して歩くと言い出した。俺は体調の悪い息子を背負い歩くことにした。

いくら歩いても、なかなか民家は見えて来ない。。。 ‐ 視界は白一色の銀世界のままだ ‐
人家の灯りがなかなか見えてこない中、俺の背中で息子の呼吸音が、先ほどよりも大きくなっていた。
一刻も早く、火の気のある所に息子を連れてゆかねばならなかった。

何も考えずに数メートル先をただ足を進めるだけだった… 自分がどれほど馬鹿なのか、
本気で焦り始めそうになった時、激しく粉雪が舞う中… ‐視界の先、微かに遠くを目を凝らし
眺めながら歩いていると、ぼんやりと民家の灯りが見えるではないか・・・
0872ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/08(水) 17:25:59.71ID:66/xjL6U
「白菊」

マミちゃん元気にしていますか?
そちらで大きなじいちゃんとばあちゃんたちと楽しく暮らしていますか?

ママはまだ、マミちゃんのお骨は手放せません。
可愛い妹をいつも見守ってくれてありがとう... マミちゃん。

又、お手紙書くね。
大好きな、マミちゃんへ

‐娘が空を見上げて、「おかあさん! そらをみて! ほら、そらのくものあいだにひかって
いるところがあるでしょ… そこからおねえちゃんがみえるんだけど、
手をふっているよ! わらっているし、ひとりじゃないよ。

ほら、おじいちゃんとおばあちゃんと、おかあさんのおともだちかな... ?
みんないっしょにいてくれているよ。だからさみしくないから、だいじょうぶだって…」と
私に言うんです。

それを聞いて、私は涙が止まりませんでした... 。
何故なら、まだ上の子が生まれる前に仲良しだった友人が若くして亡くなった
のですが、二人の娘には詳しい話もしたことなかったのに...
その友人のことまで私に教えてくれたのです。

‐私は思いました...。 友人が泣いてばかりいる私に、
「私が一緒に居るから大丈夫だよ…」と娘を通して励ましてくれたのではないかと...
亡くなった娘も天国では成長し、楽しく暮らしていることが分かり、少しですが、
心がスッとしたことを思い出します。

‐今でも悲しくて、ふさぎ込むこともありますが、少しずつ前を向いていけるように
頑張りたいと思います...
0873ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/09(木) 18:04:43.51ID:kIlgGON+
「あなたの言葉がわからない」

私は長野在住。昨年の冬の大雪の時の話です。
ちょうど雪が降り始めた日に、特急で一時間ほど松本に行く予定だった。

その日は週末で込み合っていて、特急の自由席は満席…
仕方なくドア付近で立っていた。

「遅れています…」と言うアナウンスが流れ...
(やっぱりなぁ〜)と思っていると外国人、歳は40代くらいの白人男性が、
" What did the announcement sey? " と、いきなり英語で話しかけられた!

私は英語は、さっぱりなので...
ちょっとテンパリながら、身振り手振りのジェスチャーで英語が話せないことと、
電車が遅れていることを伝えると、彼はわかったらしく " Thank you. " とキヨスクの方をちらほら…
彼は、何かを買いたそうにしていて、車外へ出ようか迷っていた…

ちなみに、この特急は最終列車なので、乗り遅れる訳にはいかないし、
車内販売もなくなった悲しい特急。(私も大丈夫かな?)と様子を伺っていると
ー 10分ほど遅れます ーのアナウンスが!
彼は10分ほど遅れることが、何となくわかったらしく、私の方を振り返り、満面の笑みを浮かべながらキヨスクへ

(良かったなぁ〜)と思っていたら... 態々私の方まで来て
ビールが買えたことをアピール!! それを見て、「良かったですね!」と私。

電車も遅れてて、ちよっと、テンションも下がっていたけど、
彼の表情の豊かな、ちょっとした仕草に心が和んだ。

その後、更に電車は遅れたものの無事到着し、ホテルでチェックインの
手続きをしていると、 " なんと、隣の窓口に彼が!!? "

お互いに " ?! " こんなビックリしつつ、話しかけようかなとは思ったものの、人見知りを発動してしまい...
そのままお別れ... こんなことが、あるんだとちょっと感動!

次の日、雪の影響で電車が全面的に運休で、身動きが取れずに、どうすることも出来ない…
別のホテルに急遽宿泊。雪国だから電車も雪にはめっぽう強いのに... まさかの敗北… 明日は帰れるのか...
電車は動くのか... と途方に暮れながらも、次の日の再開の知らせを聞き、始発を待っていました。

当然、混雑&遅延 ゆっくりながらも、なんとか進む電車。。。。。。
途中、除雪が追いつかず、ある駅で停車してしまった。外の景色は、雪ばかりで動くものが何もなくて、
サイレントヒルを思い出すような光景。。。。。。。。。

ーーー周りを見渡しても、みんな疲れ切ったような顔をしていた......
「あぁ〜 ヤバいなぁ... このまま足止めされたら、どーしょ…」と、
ーーー不安に駆られていると、 " なんと! 窓の外に。。。"  停車中なのをいいことに...。。。

   。。。 外に出て、 " パシャ! パシャ! パシャ!!"  。。。。。。
    
   …嬉しそうに、写真を撮っている! 例の彼の姿が.。。。。。。。。。
そんな彼は、私に気づいたらしく身振り手振りのジェスチャーで必死に私に何かを
伝えようとしていたけど、私には、それが何か、最後まで分からなかった...

" え、ええっ?!"  なに…?! わかんない?! 何々???…

...なんて言っているの?... 何にも分からない... Ah…  Ah…
...あなたの言葉がわからない... あなたの言葉が何にもわからない.........
             Ah…  Ah… ………
0874ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/09(木) 18:18:45.57ID:kIlgGON+
>>873
7行目の英語修正
" What did the announcement say just now? "
0875ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/10(金) 18:02:18.57ID:dByishRd
「粉雪は忘れ薬」

--- 風が冷たいプラットホーム... 。
‐もうすぐしたら電車がやって来る…
―電車を待つのは、私を含めて親子連れなど8人ほど...

‐空を見上げると、粉雪。。。 粉雪が舞っている。。。
 。。。 儚いくらいの雪の結晶 。。。。。。。。。
。粉雪が舞い落ちてゆく。  。 。 。 。。。

幼い子供たちが、「ゆきだ! ゆきだぁ〜!!」と燥いでいた。

…その小さな手のひらに包まれる。。。 子供たちが、それを私の方に差し出した!
「ねぇ、おねえさん! これみて!!! ゆきだよ!!」私は「どれ、見せて」

でも、---覗いて見ても、そこにあるのはただの水--------
「ああ... とけちゃった!」と肩を落とし、ガッカリする子供たち。
せっかく捕まえたのにと、呟きながら水になったそれを見つめている。

ふと、その子が顔を上げた。「ねぇ、おねえさん!」
「なぁに?」…急に話しかけられ、慌ててニッコリと笑顔を作る…

ちょっと、わざとらしくなってしまったかもしれない。
無理やり作った笑顔も、その子の無邪気な表情を見れば、自然と心から笑えてくる。

―――今日、この駅から私の新たな一日が始まる。
そう思うと、この見慣れた景色が、なんだか新鮮に感じられる--------

‐少し前に、売店で買った缶コーヒーは、その温かみをまだ保っていた。
‐握ったその温かみが、私の心をそっと慰める--------

---覚えておこうとしないのに、何かのはずみで思い出しては泣ける------
      。。。粉雪は忘れ薬。。。。。。。。。
  忘れなけりゃならないことを、忘れながら人は生きている。

  ――― すべての物事には意味があるのかもしれない ―――

  … 空を見上げると、まだ、粉雪は空から舞い落ちてくる 。。。。。。
 ...ほんのわずかな雲の隙間から、小さな光が顔を覗かせている...

  。。。 降り続く、粉雪を見つめながら私は電車に乗った 。。。
      。。。粉雪はすべてを忘れさせてくれる。。。
                  
   …粉雪は忘れ薬 すべての心の上に積もるよ。。。。。。。。。
0876ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/11(土) 18:18:54.58ID:2ETg7SlM
「サッポロSNOWY」

テレビを点けると、ニュースで海に出たら思わぬ吹雪にあい
立ち往生してしまった漁船の映像が映し出されていた...

中継で映し出されたのは、吹雪の海で迷っている漁船の船内の映像…
その船内の無線では、漁師の強気な駄洒落のやり取りが映し出されていた。
漁船の漁師たちは、相変わらず、負けん気なジョークを言っていた。

---今頃、故郷の空は途切れることなく雪が降りしきっているのだろうか・・・
故郷の天気予報が知りたくて、受話器を取り、懐かしい市外局番に続けて、117をダイヤルして聞く…

「大陸からの強い寒気が下がって 今夜半 冷え込みます 夕方遅く降り出した
雪は明日も かなり強くなるでしょう」と感情のこもらない声が流れる…

 。。。 サッポロは雪が降って、明日にかけて更に強く降るらしい 。。。
  ---あの人が、まだ、私の気持ちを受け止めてくれないから...
    こうしてひとり故郷の天気予報をじっと聞いている。

 。。。 あの人に、言葉では言い表せないほどの雪景色を見せてあげたい 。。。
。。。 テレビなどの映像で見る雪ではなく、粉雪(パウダースノー)を見せてあげたい 。。。
                    
    。。。 。 。 。  。  。  。   。   。   。

いつまで経っても彼の心は、どこか別のところに行ったきり戻っては来ない...
この季節が終わるまでに、彼が自分のことを好きになってはくれそうもない...
私はひとり故郷に戻る気にもなれず、ただ今夜も受話器を握りしめ
長距離の天気予報を溜息交じりに聞いている私がいる。。。

サッポロ SNOWY  まだ SNOWY  あの人が
まだ好きになってくれないから
サッポロ SNOWY  まだ SNOWY  帰れない

。。。 彼に寄せる思いのように雪がどんどん積もってゆく 。。。
SNOWY snowy。。。。。。。。。
0877ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/12(日) 18:43:19.71ID:k8CcoKtW
「根雪」

私には付き合っていた彼がいました。彼と出会ったのは単なる偶然だった...
だけど、私はあなたとの出会いは神様がくれた運命だったと今でも思っている。

彼は優しくて、いつも私のわがままを聞いてくれた。
ところが、ある日、突然、「君には悪いが、別れてほしい…」と彼から
別れを切り出された。彼に理由を聞いても何も答えてくれない。

私は何が何だか、わからないながらも、意地を張って、「分かったわ」と言ってしまった。
彼との別れを、まったく頭で整理できないまま、毎日泣き続ける日々過ごしていた...
私がわがままを言ったからなの…?! …でも、あまりにも突然すぎる。

あんなに仲良くしてくれていたのに... 嫌われてしまったと、
悔やんでも、悔やんでも、悔やみきれない......
それでもフラれた手前、連絡をすることも出来ずに過ごした半年後...
又、彼から連絡が来た!

「どうしている…?! 元気?」
「もう新しい彼氏がいるから平気。元気にしているよ」
「...そっか...」
私はつかなくていい嘘をついてしまった... 。

今も、ずっと、あなたを想っているにと、何故、そう言えなかったのだろう・・・
それから間もなくして、彼の友達から彼が亡くなったことを知らされることになる。
彼は余命半年の癌だった...

別れを切り出された頃に癌が見つかり、その後、闘病生活に入っていたことを知る。
彼が私のことを想って別れたのだと、やっと理解できるようになった。
どうして私に本当のことを教えてくれなかったのだろう......
-その日は溢れる涙が止まらなかった.........

--- あれから今日で、1年が過ぎたちょうど、去年の今頃だった ―――――――――

 ‐ 今、街ですれ違った人が、あなたと同じ匂いを漂わせていた...
それだけで、どうしてもあなたのことを鮮明に思い出してしまう...
この世界は、あまりにもあなたのことを思い出させるものが多すぎる…

--- 今でも、彼とよく聴いた古い歌が街に流れると彼のことを思い出す・・・

誰も気にしないで 泣いてなんか いるのじゃないわ
悲しそうにみえるのは 町に流れる 歌のせいよ

いやね古い歌は やさしすぎて なぐさめすぎて
余計なことを思い出す 誰かあの歌を 誰かやめさせて

いつか時が経てば 忘れられる あんたなんか
いつか時が経てば 忘れられる あんたなんか

。。。降り積もった雪が解けずに地面を覆っている。。。。。。。。。
そこに深々と粉雪が舞い落ちてくる。。。 。。。そんな雪の中を私は歩いていた。。。
。。。 。。。 。。。 。。。 。。。 。。。 。。。 。。。 。。。
0878ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/13(月) 17:38:49.43ID:lvI6xVyY
「マンハッタン ナイトライン」

−−−地味で簡素な部屋だった。
家具もサイドスタンドも、キャナル・ストリートの泥棒市に並んでいそうな
アンティークだ。豪華な部屋とは言えないが、その方がかえって落ち着く。

。。。窓には雪がびっしりとついている。。。。。。。。。 
---窓を開け、眼下に一晩で積もったらしい雪景色になった小さな公園がある。

そこを独りの老いたジョガーが、凍り付いた雪道を白い息を吐き切らし喘ぎながら
苦しそうに走っていた。お寒い中、ご苦労さんだ。彼もまた、このホテルの客なのだろう。

…凍り付いて凍てついた車道を車のクラクションや往来のざわめきを遠くから運ぶ…
24時間眠らない大都市だ。この大都市が活気付くのは、むしろこれからと言っていい。
巨大なビル群… 壁面を埋め尽くす四角く切り取られた無数の窓に張り付いた雪。。。

活気ある街ではあるが、先へ先へ急ぎすぎるあまり、油断すると置いてけぼりを食らってしまう。
明日までに仕上げなければならない仕事が山積みだ。一つ一つこなしているうちにあっという間に
時間が経った。軽い朝食を済ませてから始めた仕事だったが... 昼食を食うのを忘れていた。

壁の時計に目をやると、 " 18:36 "  夢中に仕事をこなしていると時間が過ぎるのも早いもんだ。
周りの巨大なビル群の窓に灯りが灯りだす… ビル群が徐々に輝き始めて来た...。

空港で買った煙草に火を点ける… 部屋の灯りはまだ点けてはいない。窓の外の暮れゆくマンハッタンを
見ていると小さな部屋の中にいるちっぽけな自分と対比し、巨大なイルミネーションと化した
 …摩天楼が浮き上がって来る…  ここは孤独を感じやすい街でもある。

---変わっていないなぁ〜 この大都市で暮らした甘く苦しい日々のことが頭を駆け巡る... 。
大学を中退し、一年半、ぶらついてから海を渡った。名目はニューヨーク市立大学建築学科聴講生。
早い話が、もぐりの天ぷら学生みたいなものだった。イーストビレッジの安アパートに部屋を借りていた。

週四日、歩いて15分の大学に通い、夜はタイムズスクエアの日本食レストランで働いた。
メリトクラシー(能力主義)が理想的生き方の競争社会アメリカに、大学を中退し、
安易な気持ちで海を渡りやって来た。そして色々と辛酸舐めつくした苦い経験。

そんなかって経験したことに、思いを巡らし回想しているうちに溜まっていた仕事を
一気にこなした為か、疲れから眠気が一気に襲って来た。…そのままベットに眠り込んでしまう…

--- どのくらい寝たんだろう ---
テレビを点けると、ちょうど、深夜0:35 ナイトラインが始まっていた。
0879ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/14(火) 17:17:29.93ID:XpQvpDH7
「ねこちぐら」

たまちゃんを拾ったのは、雪のちらつく2月の寒い夜。。。
小さな子猫が、空地で泣きわめいていたのを保護した。それがたまちゃんとの出会いだった...

温かいミルクを上げても飲まない。水と猫缶をあげたら、猫缶を少しだけ食べたので、
ちょっとだけ安心した。コタツの傍で丸くなってやっと眠りについた。

翌日、獣医さんに見せたら、「よく生きていたね…」と言われた。心配していた排便も、飼ってから
三日後にやっと出た。親からはぐれて、ほとんど何も食べてなかったから出るものもなかったらしい。

うちのお父さんは大の猫嫌いで、最初は飼うことを許してはくれなかったけど、母がお父さんを説得してくれた。
「飼うなら、責任を持って飼いなさい!」と言うことになった。お父さんは相変わらず、近づいてきたら
追い払う動作をしたり、自分から逃げていた。

そんなある日の朝、父の寝室から、たまちゃんの鳴く声が聞こえて来た!
「こいつ、いつの間に寝ていたんだ!」とお父さんの驚く声がしたので、私とお姉ちゃんはお父さんの寝室へ行った。

すると、たまちゃんはお父さんのお腹の上で寝ていた! 私とお姉ちゃんは大爆笑…
「お父さん動けないじゃん! たまちゃんの復讐だね(笑)」
お父さんは予想に反して追い払わずにこう言った。「一体、いつまで寝ているんだ。こいつは?!」

お父さんの顔は、相変わらず仏頂面で、全然笑っていないけど、今にも笑みがこぼれそうなのを
我慢してそうな顔をしていた。その日から、お父さんのたまちゃんに対する態度は少しは良くなった。

不思議なことに、たまちゃんは、いつも餌をあげたり遊んだりしているお母さんやお姉ちゃんや私よりも
無愛想で、撫でたりしないお父さんを慕っていた。昼寝はいつもお父さんの部屋の机の下の座布団で、
夜寝る時だけは、絶対にお父さんのベットに眠りに行っていた。

お母さんもお姉ちゃんも、「なんで、あんな臭いところで寝るかね…」と不思議がっていた。
そんなお父さんも、もう、たまちゃんを追い払うことはなくなっていた。
そして私たちはお父さんの机の下にねこちぐらを作った。

それから、しばらく経ったある日、突然、たまちゃんがいなくなった。
一日中探しても、見つからない。こんなひどい雨ふりなのに... 。

 ――― 三日後に、たまちゃんは帰って来ていた...。
たまちゃんの様子が、何かおかしいので獣医さんに見せると、
「猫は気まぐれな動物です。外出が好きな猫は、一週間近く帰ってこないこともあります。

二、三週間だと保護されているか、迷子になっている可能性があります。中には、一ヶ月もしくは、
一年、二年過ぎてから、ひょっこり帰って来るケースもまれにあるんですよ…」と言ってた。
そして診断は単なる風邪だと言われた。それを聞いて家族は、みんな安心した。

しかし、なかなか治らない。三週間も過ぎても治らない。普通は二、三日で治る病気なのに、
流石におかしいと思った。獣医さんは、私たちに、たまちゃんは詳しく検査した方がいいかも
しれないと言った。その頃からたまちゃんは、いつも鼻水がいっぱい出るようになった。
お父さんの部屋に行く階段を登るのも少し辛そうだった。

そんなある日、いつものように玄関を開けて、「ただいまーっ!」って帰宅したら、お母さんが、
目を真っ赤にしていた。私は嫌な予感がした。今日は診断結果を聞く日だった。それを早く聞きたくて
学校から早く帰って来た。「お母さん! たまちゃんは、どうだったの?」「…ダメなんだって」

その時、ちょうどお父さんも帰宅した。事情を知ったお父さんは、一瞬、凄く驚いて悲しそうな顔をした。
たまちゃんは、もう動くことが辛そうで、ほとんど動くことはなかった。いつもヨダレが出っぱなしで見てられない。

その時は突然やって来た。転びながら歩くたまちゃんを抱きあげようとした時、もう起き上がれなくなっていた。
呼吸のペースが速くなって、今まで聞いたことのないような声で鳴き始めた。それからしばらくして、
たまちゃんの呼吸は止まった。家族みんな泣いていた。大の猫嫌いだったお父さんも...
 ‐ たまちゃん 今まで、ありがとう 幸せだったよ ‐
0880ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/15(水) 17:37:41.65ID:w5962bXP
「ツンドラ・バード」

真っ暗な道を走って約40分、遅刻せず無事にヒッコリーウインドに着いた。
ガイドさんから、「上着が足りないね〜」と指摘され、防寒着のレンタルをしてもらう。

防寒着を着たら早速、音羽橋へ出発。到着すると、もう既に人が沢山いた!
早朝、こんなに人がいることにもびっくりだが、もっと驚いたのは外国人観光客の数だ。
ほとんどが外国人ばかりだった。コロナ禍になる前の話だ。
ガイドさんも英語がペラペラだ。

釧路から、ここ鶴居村まで車で約40分くらいで着いた。
隣のガイドさんが、英国のソールズベリー近郊の街から来たと言う男性と話をしている。
何言っているのか全然わからない。凄いなぁ〜。話を聞きながらも鶴を発見!!!
- これは凄い!!! いっぱいいる!!! ‐

...朝霧の湯気が舞い上がる中の鶴の群れ、なんと幻想的光景だろうか...。 見とれてしまう......

ガイドさんの話によると、鶴は川で寝るそうで、凍っている場所よりも、
凍っていない川の方が温かく、鶴にとっては温泉のようなものだとか...
川で寝ていれば敵が近づいて来ても、音でわかるのが理由らしい。

話を聞いているうちに日も出て来た。すると、鶴の群れが一斉に羽ばたき、大空に舞い上がった!
こんなに近くで、飛び立つ姿を見る機会は今までなかったので、かなりの感動!!!
太陽を背に大空を飛んでいく姿は、あの映画のワンシーンのようだった・・・

隣のアメリカ人男性が、双眼鏡で見ているので、「何を見ているのですか?」と
ガイドさんに聞いてもらうと、「高い樹の枝から、獲物を狙うオオワシ」を見ていたと言う。

ガイドさんによると、鋭い眼光のオオワシやオジロワシなど猛禽類は特に外国人に人気が高いと言う。
‐ その時だった !! 一瞬の隙を突き、小高い丘の高い樹の上から急降下、水面付近にいた獲物を捕らえた!
そんな " 決定的瞬間 !!! " を目撃した !!! ... " オジロワシ " だった!

- その瞬間!- を隣のオーストラリア人の男性がシャッターチャンスとばかりパシパシとシャッターを切っていた。
0881ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/16(木) 17:29:27.09ID:XaGZjEVe
「白鳥の歌が聴こえる」

ボ〜〜〜ボオオォゥイィィ〜ン ボ〜〜〜ボオオォゥイィィ〜〜ン
空気を揺らす、低くて太い音に混じって、細く高く唸る様な音が混じる汽笛の響き…

港の倉庫では、フォークリフトが稼働する音と、ベルトコンベアの回る音が、
今日も無機質な金属音を生み出していた。いつものように次々と到着するトラック。
けたたましいエンジン音を響かせては、吐き出す排気ガスは倉庫内の隅々まで
充満していた。大手運送会社が運営する東京湾に面した物流センター。

二時間くらい前に昇った朝日は、未だこの薄汚れた海をキラキラと輝かせていた。
俺は忙しく動かしていた手をふと休めて、その風情に見惚れた。あまり気づいて
いる者はいないが、その情景は、ここでの一日で一番綺麗な瞬間でもあった。

「何やってんだ橋谷!!! また間違ってんじゃねぇか!!」「すみません、ヘマばかりで、すみません!」
「そう思うなら、ドジんじゃねえぞ!! 分かったか! バカヤロー!!!」

いつものように響き渡る安藤主任の怒鳴り声! それは無機質な金属音よりも、トラックのエンジン音よりも、
ここで一番響き渡っていた。その声は、ここ一週間、新人アルバイト橋谷さんに向けられていた。

「ハハハ…、またやっているよ」周りから、小さく嘲笑する声が聞こえる...。
「今度は、どうしたんだい?」「今度ってか、いつもの事よ。足立区の荷物を台東区方面に流しちまったらしい…」
「はあ? 足立区と台東区じゃ別レーンじゃねぇか!? どうすりゃ間違えられるんだ…?!」

「向いてねぇんだよ。それより俺は、あの怒鳴り声に朝から疲れちまうよ。アハハハ…」
身をよじらせたおかしな格好で、ペコペコ平謝りで頭を下げまくる橋谷さん。

未だ怒鳴り続けている主任。傍から見ればいじめているようにしか見えない。
「やれやれいつまで続くんだい…」俺の隣で作業している斎藤のおっさんが疲れた顔でぼやく。

ちょうど、" そんな時 " だった!
救急車とパトカーが、けたたましいサイレンを鳴らしながら、
こちらの海に面した港湾倉庫の方へ近づいて来るではないか・・・

「こっちに向かってくるけど、なんかあったんか…?!」「分からん?」
0882ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/17(金) 17:54:43.66ID:k4+Ux2c9
「雪傘」

休日、偶々、彼と彼の友人と道端で出会い三人で歩いている時だった...
いきなり霙が降って来たこともあり、近くの店に入ることになった。
少し遅い午後のランチタイム。今日はあなたの誕生日でもあった...

二人で夜、何度か訪れたことのある店だった。ランチタイムは混むという話を
聞いていたお店も、平日の午後三時過ぎくらいのこんな時間は、
案外空いていて、店内のお客は疎らだった...

「お好きな席へどうぞ…」と店員に言われ、奥の方にある丸テーブルのソファ席に座る。
「この前来た夜と、また違った雰囲気というか、印象が違うね…」と夜しか来たことがなかった
あなたは店内をぐるりと見回しながら言う。

「実は今日、俺の誕生日なんだ…」と彼がボソッと彼の友人に呟くと、
「それでは、みんなでお前の誕生日を祝って…」と彼の友人が音頭を取って
「誕生日おめでとう!」「乾杯!!!」「ありがとう」

あなたの誕生日祝いを兼ねた少し遅いランチをワインで乾杯し祝うことになった。
あなたの友人と三人で長い間、談笑し合い あなたの誕生日を兼ねた
少し遅い午後のランチタイム...

...やがて、彼の友人は去り、あなたと二人きりの時間が続いた......
久しぶりに、午後のひとときを時間を忘れ堪能した...。

店を出ると、昼頃から降り出した霙は、既に霙交じりの雪に変わっていた。
全国的に寒波が襲い、霙交じりの雪が降っていた...。。。
 ‐ 早速、近くのコンビニでビニール傘を購入する ‐

   − 街の街灯に照らされた霙交じりの雪が降る中 −

‐雪が降るより冷たい霙交じりの雪の夜… 二人で傘を差して歩いた。。。
普段はあまり雪が降らない為か、既に交通網が麻痺し、慣れない雪に。。。
‐バスも電車も遅延しているようだった。。。。。。。。。

…灯り溢れる街中から、賑やかな歌が流れてくる………
これっきりと思い出に、決着を決めている私がいた。

あなたは隠しているけど、知っているのよ。実は帰宅したら、
あなたの誕生日を祝ってくれる人がいるのよね。
知っていたわ...。

凍えるような寒さの中、傘を持っているあなたの温かいぬくもりのある手に
指を添えて、あなたの声、白く吐く息を聞きながら過ぎ行く時を感じながら歩いている...
ありとあらゆる悲しいことからあなたが守ってくれていたんだね。

当たり前のように暮らしたあの頃・・・ ありがとうって伝え忘れたね...
‐‐‐今までの色々な過ぎ去った過去の思い出が蘇っては消えてゆく...
迷惑でなければ傍にいて 車を拾うまで...

「Happy Birthday」
今日を祝う人が居てくれるなら、安心できるわ
いつまでも 一人ずつなんて良くないことだわ 心配したのよ
雪傘の柄に指を添えて
ゆく時を聞いている
思い出全部   アリガト
0883ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/17(金) 18:24:21.30ID:k4+Ux2c9
>>882
18行目
昼頃から×
午後三時過ぎから〇
0884ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/18(土) 17:21:24.49ID:ncOQM5rK
「顔のない街の中で」

「どうした健一? 元気ないな。 ははん、いじめられたか…
お母さんには、内緒にしとくから、こっちに、来い!」と
離れのおじいちゃんの家に連れていかれた。

薪ストーブに薪をくべながら、おじいちゃんは、「いじめっ子も普段から満たされないものがあるのだろう。
健一な、いじめられたからって、いじめっ子にはなるなよ。仕返し、したいだろうが、仕返しなんてしなくても
人にやったことは必ず、どこかで自分に帰って来るもんだ。お前がやるもんでもない。全てには何らかの原因があって

結果として帰ってくる世界だからじゃ。それよりも人の痛みがわかる人間になれ。世界にはな、生きるのも、
大変な地域がある。紛争地域や飢餓などの飢えに苦しみながら、大変な思いをしながら生きている子供たちがいる。
考え方ひとつじゃ。命ある限り希望がある。困難なことがあると、嫌になっちゃうけどな、困難な状況というのはな、

生きる為のヒントを与えてくれているんじゃ。それに気づかなきゃならん。人生に行き詰った時、本来の生きる
べき人生に、気付かせる為と思えば、人生の見方も変わってくる。捉え方ひとつで、ものの見方が変わって来る。

そんなもんだ。男の役割は女子供など、特に小さい者や弱い者を守る為いる。いじめるんじゃなく、弱い者を
守れるくらい強い子になれ。男は肉体的な強さだけではなく、精神的にも強くならんといかん。分かったか!」

「大切なのは、人の痛みの分かる人間になることじゃ。だから、健一、人の痛みの分かる人間になれ!」

最後におじいちゃんは、今度、いじめっ子を連れてきなさいと言った。
そんなおじいちゃんの話を聞きながら、薪ストーブの薪のパチパチ燃える音と炎を見ていると・・・
―――――――――なんだか心が落ち着いてきた。
0885ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/19(日) 17:48:23.62ID:eao4GHST
「雪・月・花」

――― ねぇ? ...どうしていつもそっちを向くの? ...

彼は私に背を向けて、煙草をふかしている…
彼の目線はテレビの画面。

いつもそう...。
ベットから降りて椅子に座り、そこで一服。
つんつんと、布団から足を延ばし、足先で彼の背中をつつく…
何も反応しない...

「ねぇ、ねぇ…」と声をかけるが、それでも彼は何も言わない...。
(スルことだけが目的?)
考えちゃいけないのはわかっている…
わかっているけど・・・ 時々、私は虚しくなる.........

(ねぇ、こっちを向いてよ... 一緒にいるのに、一人にしないでよ!)
ねぇってば。。。
無言のテレパシー ・・・ 彼に届くように … 背中をジッと見つめて送る…
(こっち向いて…)

だけど… どんなに頑張っても、振り向かない…
疑い出すと止まらない… 色んなことを考えてしまう・・・
急に心臓がキリキリと痛み出す… 唇に力を込める。

我慢していても、目頭がどんどん熱くなっていく...
(本当は、私のこと好きじゃないんだ! カラダだけが目的なんだ!)
(きっと、他に彼女がいるんだ! 私は遊びなんだ...)

色々と頭を巡らしているうちに、だんだん不安になってきた。
(そうやって愛されることばかり、考えているとだんだんと不安になってくる...)

目いっぱいに溢れたものは、頬を伝わって流れている...
さらに唇を強くつむる。声を出さないように...。
「ひっ...く…」我慢しているのに、声が漏れてしまう私の泣き声…

それに " 驚き!" 振り向く彼。 ダラダラと涙を流す私を見て、 " 目 " をまぁるくする。
「なぁんだ、おまえ!! 何、泣いてんだ??? 変な顔して泣くなよ〜」と彼は大笑い…
私の気持ち... 何もわかっていない人ね。

自然の四季は時間の経過と共に移り変わって変化していくけど、
 ‐ 恋心はひたすらそこにとどまり募らせてゆく.........
0886ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/20(月) 18:37:53.21ID:skE41RHF
「群衆」

公園のベンチに座っていた。多くの人たちがすぐ目の前を通り過ぎる…
話しかけようと思えば、話しかけられるのに、相手から接触して来ない環境。
案外、人間観察などが好きだったりする。

僕は公園のベンチでのんびりと行き交う人々を茫然と、ただ何も考えず
見ているのが好きだったりする。ただ、気を付けなければいけないのは、
あまりジッと見つめないこと。相手に気づかれガンを付けられたり、
そんな感じで相手も気分を害し、お互いに気まずくなるだけだからね。

マーケティングなどで、テーマを持った人間観察を職業にしている人たちとでは
視点が違うのかもしれない。人間観察ってどこを見るかによって随分と違ってくる。

色違いのモコモコのダウンジャケットを着て寒そうに談笑して歩く若い女性たちや、
ホット缶コーヒーを飲みながら談笑しているオッちゃん達を見ているだけでほっこりする。

心がほっこりする光景をただ探しているのかもしれない。良い悪いにつけ人間が好きなんだなぁと思う。
くだらないことで悩んでいる自分が馬鹿らしくなるほど、色んな発見があって面白い。
まだまだ人間って捨てたもんじゃないよと思う… 

公園に来る前の商店街や路地裏でよく見かける光景。その中で通り過ぎる人々をただただ
眺めているだけのおばちゃん。その表情からは何とも言えない哀愁が漂っていた...

そんな下町だけではなく、繁華街や駅前で見かけた何とも言えない哀愁漂う表情で
煙草を銜え、向かいの店を眺めている中華店のおっちゃんのその表情...

そんな下町のおばちゃんも、煙草を銜え向かいの店を眺めている中華店主で
休憩中のおっちゃんも、「何を考えているのかな?」と想像するけど、
別に何も考えていないと思う...

その場の景色と光景、その中で醸し出す風情というか、情緒、味わいがあって、
何とも言えない哀愁を感じる... 

長いようで短い... 儚い一瞬のドラマ... だからこそ一瞬一瞬を大切に生きたいね。
ーーー 人混みの中から、若い女性が息を切らして駆け寄って来た。

          「やぁー 待ったぁ―――」「遅いよ! じゃあ、行くか!」
――― また再び、都会の雑踏とした人混みの中に消えてゆくーーーーーーーーー
0887ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/20(月) 21:14:24.40ID:skE41RHF
>>886
6行目
「相手に気づかれガンをつけられる。」に訂正
0888ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/21(火) 15:41:28.85ID:6KFSDA06
中島みゆき研究所の管理人さん心配していました。お元気なようで安心しました。
0889ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/21(火) 17:31:41.65ID:6KFSDA06
「孤独の肖像 1st.」

梅の花の蜜を吸いにメジロが来ていた。缶ビールを片手に、
窓際に立ち窓の外の風景を見ていた...

…考えてみれば俺は、今まで真剣に生きることを舐めていた...
そんな時、 " ガチャ!" とドアを開け、誰かが入って来た! 
「あっ! 沢田さん!!」「朝から、酒飲んじゃって、全く原稿進んでいないみたいだね…」

「ちょっと、あれを見てください! 沢田さん。今時、煙突から煙出している家なんて、
珍しいと思いませんか...?!」「佐久間ちゃん、何か勘違いしていないか、
同情で連続ドラマの仕事を回したわけじゃない…」「...分かっていますよ…」

「お子さんが亡くなって、離婚して不幸続きで香典代わりに回した仕事。企画会議で君の名前を
出した時、大笑いされたんだから… 俺の立場を考えてくれよ。美紀ちゃん、あの人が居たから、
賭けたんだよ! 君ら夫婦にね。 あんたの才能一番分かっていたのは美紀ちゃんだよ。

酒はアル中に近いは… 女とは手当たり次第に寝るは… 君ね、人として最低だったもんね。
どうしてそんな君が、美紀ちゃんを捨てられるわけ…」「捨てたわけじゃない…」

諦めていた子供が出来、俺の心の中に明かりが灯った。そんな可愛い盛りの我が子が、
俺が食べ残したナッツを飲み込んで窒息死。それからというもの俺は荒れまくった。
女房を怒鳴りつけ殴りつけた。そして家庭は崩壊した.........

「美紀ちゃんはね、君の才能に惚れ込んだわけじゃない。君の生き方に惚れたんだよ!
君は、美紀ちゃんに幼い頃の話をしたね。夕方、丘の上に立って、街を見下ろすと、
街の煙突から夕飯を炊く幸せそうな煙が好きだと... 俺も大人になったら、
あんな家庭を築くんだと幼い頃から思い描いていたんだと...」

" はっ!!! " 「えっ、!! ...もしかして、あの煙の出ている家は… まさか、!?」
「そう、君を支えられるのは、あの人しかいないね… 黙っててと言われた...
黙っていた方が、美紀ちゃん幸せだったね。世の中、あんたの女房になるくらい
不幸な人はいないもんね…」 ・・・美紀・・・こんな俺に・・・

…才能なんて、とっくに枯れたこんな俺を...
俺は仕事部屋として借りていたホテルの部屋を飛び出した。
あの煙が出ているボロ屋に向かい走りに走った………

   ...あいつ...... 手の込んだ芝居者がって ......

 ‐ ボロ屋に着くと、美紀が、かまどで飯を炊いていた ‐
…息を切らした俺は、「ハァハァ… ハァハァ… 今時、かまどで飯を炊く奴はいないよ。
...芝居がかったことしゃがって… 俺が気付かなかったら、どうするつもりだった…」

「別に…」「…どうしようもねぇなぁ... お前は、俺なんかより、よっぽど凄い生き方しているなぁ…」
「...私ね、小さい頃から頭が良くてね。家も豊かだったし、幸せだったの… それが変な男に出会って
人生メチャクチャ... 借金借金で、家には勘当されるわ… 兄妹からは馬鹿にされ、やっと授かった

我が子を失うわで、割に合わないことばかり...」「...よく、こんな家、見つけたな、ボロ屋でも
場所がいいから、結構家賃が高いだろ…」

   ...煙が目に沁みちゃうじゃないか.........
            「...もう一度、初めから、やり直すか…」―――「...うん!」
0890ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/21(火) 18:05:04.81ID:6KFSDA06
>>889
下から11行目
芝居者がって×
芝居しゃがって〇
0891ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/22(水) 18:50:19.53ID:6wFRAYaz
「人生の素人」

うちのおばあちゃんは買い物帰りに歩いて帰る途中、チャリンコに乗った中学生DQNの
ひったくりに抜かれざまバックを掴まれたが、日頃から野良仕事を趣味として、
歳の割に無類の体力を誇るうちのおばあちゃん。

掴まれたバックを強靭な握力と腕力でがっちりホールド。チャリンコに乗っていた
中学生DQNのガキの方が反動で地面に強く叩きつけられ右手骨折!

後で連絡してくれた通行人の話によると、「危ねー だろがぁ、、、 ハバア!!! 
おぉぉ、、、 痛てーーなー!!! 痛てて...」と、怒鳴りながら泣いていたと言う。

そして連絡した通行人と駆け付けたお巡りさんに連行された。
警察署に両親が呼ばれるも、若い母親は、うちのおばあちゃんを悪者扱いで罵声を浴びせる。
「うちの子に怪我させた。治療費を払え! どうせ、私らが取られた金で貰った年金だろ〜」

警察から連絡を受けて、ばあちゃんを迎えに来た俺は、その無茶苦茶なことを言う母親に
殴りかかりそうなのをたしなめ、ばあちゃんは、「怪我したんは、可哀想だが、

本当に可哀想なんは、人のもの盗んだらいけんって、ことすら親から教えてもらえんかった
この子の人生や… 今からでも遅くはない。親子で頑張って、まともな人間にならんといけんよ」と、
優しい口調で論じた。母親が何か、反論しそうな態度を見せようとしたら、親父が出てきて、

目の前で、母親と息子を殴り、その親父は泣きながら土下座をした。
「こんな息子に育てた俺らが悪い! どうか、許してくれんか? こいつ(母親)みたいに、
幾つになっても、大人になれんもんがいる。そんな大人になれんもんがガキを

育てるから、ろくなガキに育たん! 許してくれ!!」と何度も土下座して、
母親と息子の頭を下げさせていた。ばあちゃん曰く、「聖人君子も、完璧な
大人もいない。皆、人生は素人につき、生きていること自体、学びやと思います。

それに気づいたら、それでいいと思います。あなたの気持ちはわかりました。
どうか、頭をお上げください」
0892ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/22(水) 18:55:45.99ID:6wFRAYaz
>>891
6行目
ハバア!!!×
ババア!!!〇
0893ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/23(木) 18:51:18.94ID:yoZ9KLwX
「慕情」

去年の夏の終わり頃...
「東京のマンションを売り払ってこっちを大きくするか…」遅く起きて、
ぼんやりした顔で居間に来た夫が言った。「昨日は、こちらを売り払って
東京の方を大きくしょうとおっしゃいました」と私が言うと、

夫は「つべこべ言うな!」「でも、全く違うこと言っていますよ…」と私。
夫の言動が常に両極に大きく揺れ動くのには理由があった...

しかし、私も常に逆らい、決して同意はしない。子供の為にと無理をして建てたおもちゃのような別荘。
二十年もの間、主を迎えることなく、長らく忘れられていた... あまりにも多くの思い出があり、
売ることも、壊すことも出来ずにいた。こちらに来た当初は、散歩はおろか外に出ることさえも、
嫌がっていた夫が、一年も経つと日に二度は一緒に散歩をするようになった...

二十年前、私たち夫婦は一人息子を交通事故で失った。夫の言動が常に両極端に揺れるようになったのは、
その時を境にしてからだった... それがあまりにもひどいので、会社の部下の人たちが訪ねてくる度に、
それとなく聞いても、会社ではその反対で、一度口にしたことは絶対に曲げないと言う...

ふと、この人は心の中で戦っているのではないかと思った。ある方向に引かれようとしている自分の気持ちを何とか、
踏みとどまろうとしているのだと思った。それに気づいたのが、定年になるちょうど、一年前のことだった...

.........
警官に担ぎ込まれてきた時、「あなた!! 一体どうしたの?」「いや、大丈夫です。心配いらないですよ。お怪我は
ありませんから…」「喧嘩でもしたのですか?」「酔って車道と歩道をふらふら、ふらついて歩いていたものですから、
では、私はこれにて失礼します」「どうもありがとうございます」 …あの時...。

この人は、仕事でごまかしていたんだと... その仕事も定年を来年に控えた、今、この人から無くなろうとしている。
どうしたらいいのかわからなくなったんだわ。「あなた、定年になったら、別荘で暮らしましょう。通勤の必要がなくなったら
空気の良い自然の中で暮らしましょうよ」 ...そして、ここにやって来たのよね... あなた。

そんなちっちゃな別荘の近くを二人で散歩していた。「あら、赤とんぼ! ほら、あそこ、あそこよ。早く捕まえて!」
「全くお前というやつは、いつまで経っても子供なんだから…」 ...私たちは一人息子と言う大きなものを失ったけど...
生まれて、逝ってしまった命の記憶を知っているのも私たちだけなのだから... 「ほら、捕まえたぞ!」

「凄いじゃないあなた!! ...でも、逃がしてあげて!」「せっかく捕まえたのに、逃がすのか…?!」と訝しげに言う夫...
「そうよ。それでいいのよ。ねえ、見て、あれが今の私たちよ。捕まえられていた時が、今までの私たちと同じなの。
今からでも遅くないから、 そう、何も急ぐ必要がないのよ。これからゆっくりでいいから...」

愛より急ぐものが どこにあったのだろう
今までの私たち急いでいたのね。愛を後回しにして、何を急いでいたのかしら、ね...

もういちどはじめから もしもあなたと歩き出せるなら...
ーーー もういちどはじめから... ただあなたに尽くしたい ーーーーーーーーー
0894ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/23(木) 19:17:39.07ID:yoZ9KLwX
みゆきさん誕生日おめでとうございます。
0895ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/24(金) 19:15:44.57ID:WGoRXJUj
「LOVERS ONLY」

ちょうど二か月前のクリスマスイブの日だった...
欧米では家族そろって静かに過ごすのが習慣になっているクリスマス。

イブに綺麗な夜景のレストランでカップルでお食事。クリスマスイブはカップルの為に…
 クリスマスはカップルのデート… 恋人と過ごすもの…
・・・・・・・・・ そんな空気がこの国の風物詩になったのはいつ頃だろうか …

 そんな僕のクリスマスの思い出と言うと幼稚園に通っていた頃くらいの時を思い出します・・・
その頃の僕は、サンタさんをまだおぼろげながら信じていました...。

クリスマスイブの夜、布団に入って、「こんばんは、ずっとおきていて、サンタさんの
しょうたいをたしかめよう!」と固く決心しました。

これ、もしかしたら多くの子供達が一度は決心することかもしれませんね。
かなり頑張りましたが、途中でうとうととして、ハッと気づいたら、
もう外が少しだけ明るくなって… 朝だ! 「しまった!」と
頭で思ったものの、未だ夢うつつ状態...。

必死になって頭を上に向けて、枕元にプレゼントがあるかどうか、探した… ある!
何か鉄の塊が… (これは、ひよっとして… ずっと欲しかったロボットでは?)と
手を伸ばして… その鉄の塊を掴む… その鉄の塊は... ロボットなのか?…
子供の頃の僕は… 再び夢の世界に入っていきました.........

 朝になって改めて見ると、その鉄の塊と言うのは、欲しかったゼンマイ仕掛けの
ブリキのおもちゃの「ロボット」でした。
よくは覚えていないけれど.........
ゼンマイ仕掛けのブリキのおもちゃのロボット…

それにサンタさんの正体も判明したので、満足で燥いでいた記憶があります…
父からのプレゼントはボードゲームでした。当時人気の人生ゲーム。

普段、口喧嘩ばかりして仲の悪い両親も、
この日ばかりは、ボードゲームの人生ゲームで家族5人が一家団欒。楽しく笑い声で
一喜一憂でゲームに夢中する姿が子供ながらに『一番うれしかった』のを覚えています...
0896ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/25(土) 08:28:58.21ID:PXBjHqiv
>>895
どんなプレゼントよりも
『一番うれしかった』

付け足すならそういうことですね。
 
0897ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/25(土) 18:34:00.62ID:PXBjHqiv
「クリスマスソングを唄うように」

...雪の降る夜はいつも思い出す.........
私の職場にバイトとして来ていた高校生。何もわからない彼に仕事を
教えることになった私。「美香さんて可愛いですよね」初対面での挨拶が、これ?!
「年下君に言われてもねぇ、もう少し大人になってから言って…」

それからの彼の押しは凄かった。帰りは必ずバイクに乗って待っているし、
休みの日も迎えに来てくれた。彼は自分の事を隠さずに話してくれた。
彼の両親は離婚して父親は家を出ていったという。「弟や妹たちはまだ小さいから、
あいつらの小遣いくらい俺が稼がないと…」そう言う彼の照れたような横顔。

「美香さん、妹の誕生日プレゼント買いに行くの付き合ってください。母の日、どういうの
プレゼントすれば喜ぶんですかね?」と、不器用だけど、一生懸命で優しい彼。
いつの間にか、彼に惹かれている自分がいた。「やっぱり、俺、美香さんの事、好きです」

その言葉をきっかけに付き合いだした私たち。うちの親に反対されると思って黙っていた。
けれど、どこから聞いたのか、うちの両親にバレてしまった。案の定、両親は大反対。

一人娘で大事に育てられてきたことはわかっている。「高校生なんかと付き合うような
娘に育てた覚えはない。お前は、高校生なんかに貢いでいるのか?!」「何も知らない癖に!」
初めて本気で怒鳴った気がする。私は思わず家を飛び出した。彼に電話しようか...

もう、家には戻れないかもしれない… そんなことを考えながら、行く当てもなく私は歩いた...
クリスマスの街はキラキラ輝いて見えた。自分が凄く惨めで寂しくて... たった一人...

そんな時、「美香さん!」 …聞きなれた声に、振り向くと彼がいた!「ごめん! バイト増やしたんだ」と
彼が言う。そんなことはどうでもよかった。私は思わず泣き出してしまった。「何? どうしたの?! 
ちょっと待って、店長! ちょっと外します! すみません!」

近くの公園で、私は泣きじゃくりながらすべてを話した。あんなこと言われた… こんなこと言われた…
彼はそんな私の話を全部黙って聞いてくれた。「ちよっと待ってて、店長に話してから送っていくから」

バイクの後ろに私を乗せて、彼は私の家に向かった。慌てて出て来た両親にバイクを降りて彼は一言だけ言った。
「頼りない俺ですけど、絶対に幸せにしますから… すいません! 今、バイトの途中で抜けて来たんで、
また、改めて伺います…」そう言ってバイクに乗って行った彼。

その後、私は両親ときちんと話し合った。父は相変わらず不機嫌そうだったけど、母は優しい視線で、
「いい子じゃないの… ゆっくり見守りましょう。私たちの子よ。信用してもいいと思うわよ」と母の優しい言葉。

次の日、彼のお母さんから電話がかかって来た。「息子の彼女さんですよね?! 今から出てこられますか?」
彼のお母さんから教えてもらった住所は彼の自宅。緊張しながらチャイムを押すと、彼のお母さんが
出て来てくれた。泣き腫らしたような目。彼のお母さんに案内されて入った部屋に彼は居た。

白い布を掛けられていた。「昨日、バイトの帰りにバイクで転んで・・・」
  … どうして寝ているの…?! 起きてよ。何が起きてるの?! …

「これ、多分、あなたへのプレゼントだと思うんです…」と
彼のお母さんが渡してくれた小さな箱。中に入っていたのは指輪だった...
   … こんなのが欲しかったんじゃない …

ーーー彼のお母さんが、私の両親に連絡してくれて私は帰った...

 ・・・「頼りない俺だけど、絶対に幸せにするから…」・・・

――― クリスマスに浮かれる街の光景の中 ーーーーーーーーー
今でも白い雪が舞うこの季節になると... そんな彼の言葉を思い出す...
0898ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/26(日) 17:06:10.45ID:TyXNonp0
「帰省」

子供達が未だ幼かった頃は、家族全員、車でよく帰省していた。

四人分の飛行機代はバカにならなかったので、いつも車を使って帰省していた。
途中で渋滞につかまり予定の時間を大幅に遅れて実家に着くたびに、母は毎度
同じことを孫たちに言っていた。「あんまり遅いから、じいちゃんの首が伸びたばい」

そういう母の首も、少しだけ伸びているように感じた。子は父親の背中を見て育つというけど、
本当にそうだろうか…?! 亡くなった父は、昔から新聞や本を読んでいるか、あるいは、
酒を飲んでいるかで、記憶にあるのは、父の背中というよりも、その横顔であった。

むしろ覚えているのは、母の背中だった... 台所に立って茶碗や食器を洗う背中、
物干し竿に洗濯物を干す背中、縁側に座ってそれをたたむ背中... 我が子の生き方に
対して言いたいことが沢山あっただろうと思うが、母は何も言わずに応援してくれた。

いつも何も言わず背中で語っていたのだと思う。笑う背中もあれば、泣いている背中もあっただろう... 
そんな母の生き様に思いを寄せることはせず、そこに背中があることが当たり前だと思って生きて来た。
そんな母の思いに気づいた時には、もう母は居なかった.........

年老いてからは、帰省して車で来る度に、「あんたが運転する車に乗るのは、
これが最後かもしれんねぇ…」と母は呟いた。「そんなことないさ…」と僕は言いながら、
本当にそうなるかもしれないことなど想像も出来ずに車を走らせていた。

東京に戻る朝、いつも母は門柱の前に立ち、走り去っていく僕らの車の姿が消えるまで見送ってくれた。
小学生の息子は手を振りながら泣きじゃくっていた。ルームミラーの向こうで、小さくなっていく母の姿を
見ながら震えそうになる声で息子に、「もう泣くな!」と言った。それが母を最後に見た姿だった...

父が亡くなって十五年、そしてそんな母が亡くなって、もう、十年以上経つ...
時が経つのも早いもので、あの時、小学生だった息子も今では大学生になっていた。

帰省とは家族の繋がりを確かめる為の者だと思う。ずっと巡り続けて来た季節も
メリーゴーラウンドのように少しずつ速度を落としながら... やがていつかは、
止まる時が訪れるのだろうか... 帰省する度に、改めて家族の繋がりに気づかされる。

生きていくうえでの、人との繋がり家族との繋がりを確かめる為に
ーーーーーーーーー 僕らは生きているのだろう...

......... ......... .........
...玄関前で、ばあちゃんを見つけた幼い息子が喜んで車から飛び出していく…
「ばあちゃん! 遊びに来たよ!!」
「よく来たね! ケンちゃん!!」
「おお、ケン坊! よく来たな!!」
「おじいちゃん!」

   
0899ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/26(日) 17:14:17.01ID:TyXNonp0
>>898
下から11行目
確かめる為の者×
確かめる為のもの〇
0900ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/27(月) 19:24:17.25ID:VW/rxMof
「ホームにて」

駅は帰省の人々でごった返していた。この駅がこんなに人混みで溢れるのは、
この時期くらいだった。小学生だった僕は父さんと、はぐれないように気を
付けながら、人と人の間をすり抜けて進んでいた。

「康明! ちゃんと、ついて来ているか?!」と父さんは時々、僕を振り返りながら確認する。
迷子になるような歳じゃないよと言いたいけれど、この人の多さでは本当に迷子になってしまいそうだ。
「下りのお客様は、こちらに整列をお願いします。二列になってお待ちください。次の列車は
すぐに参ります…」駅員さんがメガホンを持って声を張り上げていた。これも毎年の光景だ。

「お疲れ様です…」と、お父さんが顔なじみの駅員さんに声をかけていた。
「毎年、この時期はこうですからね。慣れていますよ」と駅員さんは笑った。

「それでも、働いている皆さんは大変でしょう。列車だけでなく、船も飛行機も、この時期は満員だ…」
「そうですね、この時期だけの特別便が何本も出ます。でも、こちらでも働き方を見直そうという動きはありまして、
帰省をしない方々の中から、アルバイトを雇っているんですよ」と駅員さんと父の会話を聞いていた僕は、

確かに言われてみると、行き交う帰省客の案内や整理をしている中には、明らかに駅員さんの制服でない人たちがいる。
(この人達は帰る故郷がないのだろうか…)と幼い僕がそう思って見ていたのが、顔に出ていたのかもしれない...

「帰れない方も、帰りたくない方もいらっしゃいますよ。アルバイトに応募されてきた皆さんは、自分は帰らなくとも他の方々の
帰省を、手助け出来ることに喜びを感じている方ばかりですよ」と駅員さんは、父の方とそして、僕の顔を見てほほ笑んだ。

そんな駅員さんと父の会話から、僕は人には人知れずそれぞれの事情があるんだと言うことをその時、初めて幼いながらも知った。
列車は中々来なかった。駅に集まっている人々も、退屈しのぎにあっちこっちでおしゃべりしていた...
「うちの故郷は、年々人口が減ってましてね。そのうち帰っても誰も居なかったと言うことになるかもしれません」
「私の村は、何年も前にダムの底に沈みました。毎年、帰省した連中と一緒に、ダム湖を眺めながら過ごしていますよ」

「うちの所は、私が居た頃とは、すっかり様子が変わってしまいました。まるで、他の町にいるようで帰省しても落ち着きません」
「まあ、世の中、変わっていくものですからね」「これも時代の移り変わりというものでしょうな、きっと、ワハハハ…」

「あら、あなたは、初めての帰省なの?」「はい... 何もかもが嫌になって自分から飛び出した故郷ですけど・・・
それでも両親が待っているかと思うと… やっぱり帰った方がいいのかなって... でも、まだ少しだけ帰るのが怖いんですけどね…」
「大丈夫よ。他の人が何と言ったって、御両親は、きっとあなたの帰りを待ちわびているわ。喜んで迎えてくれるわよ」
「...だと、いいんですけど・・・」

そんな大人たちの会話を聞いていた僕に、「康明! 切符ちゃんと持っているんだろうな…?!」と父さんが振り返って言って来た。
「もちろんだよ。父さん!」――― 僕は、乗車券を入れた胸ポケットをそっと、何度も抑え確認した。。。
0901ジョン・スミス
垢版 |
2023/02/28(火) 19:28:42.56ID:Hw0fdiqD
「ヘッドライト・テールライト」

ガラス張りの超高層本社ビルの最上階。窓の外を眺めていると、知らぬ間に横田が立っていた。
「なんだ、いつから居たんだ。全く気付かなかったよ」「入社以来のライバルが、
横に立っているのに気付かないようじゃ、お前も終わりだぞ! ワハハハ…」

「ああ、終わりだね」「どこに出向することになったんだ?」「静岡にある小さな自動車部品
工場に決まったよ。年収は今より30%減だが、65歳まで働けるそうだ。そこで15年、総務部長として
頑張ることになった」「業界四位の大手商社の部長まで行ったお前が町工場の総務部長さんか...
いや、お前は確か、フィリピン支店長までやっていたんだな、失敬した」

「これが証拠の勲章だ…」と左手をたくし上げて見せる。「現地の人を指揮して沼に落ちて蛇にやられた。
支店長ったって現場監督だった。ワハハ…」「俺は名古屋のバルブ専門会社の業務部長だ。年収は20%減だが、
定年は60歳、どうも俺とお前は、最後まで勝ち負けのはっきりしない競争を続けてしまったようだな、ハハハハハ…」

「俺の勝ちさ、この勲章の分だけ、俺の勝ちだ!」「馬鹿、そんな勲章がなんだ! 俺だって、此処に傷ぐらいある。
全部で六針も縫ったんだぞ!」と、ネクタイをほどいて、ワイシャツの襟を広げて見せる。
「あれ、なんだその傷は…?! お前、一度も外(海外)へ出なかったんじゃないのか?」

「出なかった出なかった分、仕事仕事で、家を空けていた。息子にやられたんだ。『お前なんか、父親じゃない!』ってな、
これも勲章だろ…」「ああ、間違いなく立派な勲章だ! 認めるよ。しかし、息子に憎まれるだけいいじゃないか…」
俺達は三十年近い間、同じ会社でお互いがライバルだった。「俺は、お前と、こんなに気を張らず、話が出来るなんて初めてだ」

「俺もだよ。ワハハハ…」「そうか、お前もそうか、ハハハハ…」「俺は会社を休むのが怖かった... 
自分だけ取り残されるんじゃないかと思っていた。だから我武者羅に働き続けた。お前だけには負けたくなかった。
お前に追いつき追い越せと走り続けて来た…」「俺もだ! お前に後れを取るのが怖かった」

お互いが出向する現地に就く途中の旅と称して、会社も家族も世間のことも、
全て忘れて温泉でも浸かりに行こうじゃないかと言う話がまとまったのは、
それから一か月後のことだった。
0902ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/01(水) 19:40:18.59ID:V3sukLUp
「終わり初物」

歳時記を紐解いていると、『初物』を大切にして、日本人は生活の中に
見慣れたもの、振舞いを新しい眼で再発見してきたことが分かる。

初日の出 初富士 初詣 初夢 初笑い 初売り 初釜 書き始め
出初め式 仕事始め 歌い始め・・・

又、野菜や果物で、多く出回る時期が過ぎてから成熟したものを初物と
同様に珍重して言う語に【終わり初物】と言う言葉がある。

「初物を食べると、75日、長生きできるよ!」と
去年、亡くなったおばあちゃんは、その季節の初物を食べる時には必ず言っていた。

そう言えば、昨年、久しぶりに友人の女性の家で、美味しそうに食べながら晩酌をしていると、
彼女が「これ初物よ…」と言った。聞くところによると、市場のオヤジが言うには一ヶ月遅れで、
今日、水揚げされた今年の初鰹だという。

同じ六月の中旬頃、田舎から届いたアスパラガス。お袋に電話すると、
「ごめんね。遅くなっちゃって!」って言ってた『終わり初物』だった。
丹精込めて育てたものは、最後までしっかりと収穫する。
最後まで美味しくいただいた。親に感謝…

―――実はこれを書いているのは、今年初めて迎える早朝の朝だった...
ベランダに出る。「おおぉ… 寒い!」今日は特別冷える。元旦の朝はとても静かだ。

道に面して建っている我が家。普段は窓を開ければ騒がしい音が聞こえて来る…
車は絶えず走っているし、ジョギングしている人や、早くから通勤するサラリーマン、
犬と散歩する人など五分も眺めていれば、沢山の人たちの朝の日常が垣間見れる。

それがコロナ禍になってから別世界のように変わった。車も人の姿も見えず、
生活音がまるでしない。そんな今年初めて迎える早朝の朝たった...
そんな特別な時間に身の引き締まる思いがしてくる。

街を彩るカラフルな[新春][迎春]の文字。でも、今にも雪が降りだしそうな寒空の下、
ピンと張り詰めた空気の中、近所の小さな神社の境内に向かう。

過ぎゆく季節 嘆くより
祝って送るために
0903ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/01(水) 19:59:31.23ID:V3sukLUp
>>902
9行目修正
晩酌をしていると、×
飲んでいると、〇
0904ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/02(木) 18:27:55.47ID:G3CiJAeJ
「India Goose」

私は世界で五番目に高い山、ヒマラヤのマカルーに挑む登山家として、山頂まであと少しの
所まで来て驚いたことがある。越冬の為にインドに渡るインドガンが頭上高く飛ぶ光景を
目にしたからだ。この鳥は高度9000m、実に民間航空機と、ほぼ同じ高さを飛ぶ…

このアジアに生息するガンの一種、インドガンは世界で最も高く飛ぶ鳥だと思う。
渡り鳥の期間はおよそ二か月。移動距離最大8000キロ。二か月間に何度も休憩するが、
ヒマラヤ越えは夜間から早朝にかけて一気に飛び越える。平均8時間で向こう側に到達する。

しかも、追い風や上昇気流の助けを利用せず、自力で自分の筋力だけでそれほど、
風が吹かない夜に飛び立ち山を越える… 何でまた態々そんな超高所、難所を追い風に
乗ることもなく、滑空もせず、逆風であっても常に羽ばたき続け、そんな過酷な条件下で
自力で越えて行こうとするのか、インドガンに不思議と興味を持ち始めていた。。。

そんな山岳登山家として、私は企業や大学の支援を受けて挑んでいた。
それに並行して講演活動なども、忙しく駆け回っていた。そんな矢先だった... 。
妻が、まだ母親が恋しい幼い子供達を残して、原因不明の突然死で他界してしまった。

妻が他界して半年が経った頃、当時6歳の娘と3歳の息子がいた。電車に乗っていると、
息子が、「ママ、ママ…」と女の人の服を掴んで、その女性の友達が、「あんたに言っているよ。この子」
それを聞いていたお姉ちゃんが、「まぁちゃん、ママじゃないよ! ママはもう、居ないんだよ!」

「だってママ…」「ちがうよ! まぁちゃん、ママはね、お空に行っちゃったんだよ!」「だって… ママ...」
妻が居なくなったことを、まだ理解できないでいる幼い息子。私は、そんな幼い子供たちにどう接してやれば
良いのか父親としての不甲斐なさに悩まされていた。実際の私も、妻の面影を追う毎日であった...
家に帰宅しても、寂しさが家中を包み込んでいるようだった...。

そんな折、私は仕事の都合上、又、再びというか、度々家を空けることが多くなり、
実家の母に暫く来てもらうことになった。

出張中、何度も自宅へ電話をかけ、子供たちの声を聞いた。二人を安心させるつもりだったが、
心安らぐのは私の方だった気がする。そんな矢先、息子の通っている幼稚園の運動会があった。

『ママと踊ろう』だったか、そんなタイトルのプログラムがあり、園児と母親が手を繋ぎ、
輪になって、お遊戯するような内容だった。こんな時に、そんなプログラムを組むなんて・・・
と思っていた時、「まぁちゃん、行くよ!」 " 娘だった! " 息子も笑顔で娘の手を取り、
二人は楽しそうに走って行った。

一瞬、私は訳が分からずに呆然としていた。隣に座っていた母がこう言った。
あなたが、この間、九州に行っていた時に、正樹はいつものように泣いて
お姉ちゃんを困らせていたのね。

そしたら、お姉ちゃんは正樹に、
「ママはもういなくなっちゃったけと、お姉ちゃんがいるでしょ?

本当は、パパだって、とてもさみしいのよ。だけど、パパは、
泣いたりしないでしょ? それはね、パパが男の子だからなんだよ!

まぁちゃん、男の子だよね。 だから、だいじょうぶだよね?
お姉ちゃんが、パパと、まぁちゃんのママになるからね!」そう言ったのよ。

・・・なんということだ。。。 6歳の娘が、ちゃんと私の代わりに、この家を守ろうとしている
ではないか...と、思うと目頭に熱いものが込み上げてくるではないか ・・・
0905ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/03(金) 18:28:54.33ID:nIIYE4mJ
「離郷の歌」

私の甥っ子は、母親である妹が病気で入院したので、
暫くママと離れてママの実家の父母の家に預けられることになりました。

「ママが、びょうきだから、おとまりさせてね!」と、たどたどしい言葉ながらも、
小さな身体に着替えを入れたリュックを担ぎ、我が家にやって来たのです。

夜寝る時は、「きょうは、じいじとねる」「きょうは、ばあばとねる」と
楽しそうに寝る相手を選んでいました。昼間は時々、「ママは、びょうきなおったかなぁ〜」
と言うので、「寂しいの?」と聞くと、「ううん、だいじょうぶ!」と、いつも元気よく
話してくれます。子供ながらに周りに気を遣っているのかなと家族で話していました。

♪おかあさん なあに おかあさんて いい におい 
せんたく していた においでしょ しゃぼんの あわの においでしょ 

私が教えた「おかあさん」と言う童謡をおもちゃと遊びながら、いつも楽しそうに歌っていました。

甥っ子が来てから半年後に母である妹が亡くなくなった...
甥っ子は、「ママに、あいたい!」「ママ、かえってこないの?」と毎日泣いていた...
そんな幼い心を痛めている姿が、可哀想で見るに堪えられなかった...

―――そんな甥っ子が、先週あたりからぱったりと泣かなくなった。
近くの海に行った時、波打ち際を走り回り、波を蹴散らし燥いでいたと思ったら、

ちっちゃく可愛いらしい指先を使い、しゃがんで妙に神妙な面持ちで波打ち際の水面に向かい
何やら一生懸命何かを描いているように見えた。

「何やってるの?」と聞いたら、甥っ子は、「『ママ、ありがとう』って、かいたんだ!
4さいになったからね。もう、なかないよ! ばあばとやくそくしたんだ!」と頬を紅潮させて、
いつものように、たどたどしい言葉ながらも真剣な面持ちで私に打ち明けてくれた。

そして真夏の大空と大海原に向かって、
      「ママーっ! いつでも、かえってきてねぇーーー !!」と叫んでいた。
0906ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/03(金) 19:33:15.55ID:nIIYE4mJ
一部のファンだと思うが、工藤静香さんを叩くファンが居ることに失望する。
0907ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/03(金) 19:53:02.63ID:nIIYE4mJ
そんなこと言う僕自身も聖人君子でもないし、完璧な大人でもないし、人格者でもない。
生きていること自体が色んな意味での学びだと思っている。自分なんか、まだひょっこだと
思って生きることが大切なのかも知れない。
0908ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/04(土) 18:49:15.10ID:Yq33E1iL
「トーキョー迷子」

正面のガラス張りのエレベーターから見渡せるショッピングモールの
吹き抜けホール。私はエレベーターを降りながら、目の前のフロアに視線を走らせた。
休日なので、いつもに増してカップルや家族連れが多いショッピングモール。

目の前では、ベンチに座る背の低い老夫婦が、身を寄せ合い楽しそうにイチャついている。
年取ってからも、あんな関係でいられるのは羨ましい!

‐ あの子、もうかれこれ30分近く独りでいるんだけど、大丈夫かな? ‐
私はあれから近くの雑貨店を巡った後、本屋さん物色していた。
手に持っていた文庫本から視線を逸らし、先ほどから何度も見かける子供を注意深く見ていた。
可愛い耳付きの黄色いフードのダウンを着た色素の薄い茶色の髪は人工的に染められたものではなく、

地毛だと分かる自然な色。ふっくらとした子供らしい曲線を描く頬は薄っすらピンクに染まっている。
近くで見たわけではないので、顔はわからないが、少なくとも身長から判断するに、こんなところに
独りで来れる年齢ではないことは確かだった。

お気に入りの雑貨店と紅茶専門店を巡る。今日はいつものように茶葉を購入し、
何度も手にとっては棚に戻したマグカップ。欲しいけど、衝動買いはしたくないと
我慢。その後、何か面白い本はないかと立ち寄った本屋さん。
物色していれば、チラチラと目に入ってくる幼い影…  ‐ 迷子かな? ‐

キョロキョロと周りを見渡しながら、歩く幼い子供の周囲に視線を走らせたが、
親らしき人は見当たらない。レジに視線を向けても店員は迷子の可能性のある子供に
注意を払っていなそうだった。再度、子供に視線を向ける…
‐ ん〜。 転びそうで、怖いなぁ〜 ‐ 足元がおぼつかない… 今にも人にぶつかって転びそうだった。

私は子供に近寄って、「ボク、どうしたの?」キョロキョロ辺りを見渡していたお目目クリクリの
目でこっちを見つめる。「ボク、おうちの人、逸れちゃったのかな?」「… 」
「この本屋さんで、逸れちゃったの?」「… 」幼い子供は、私の質問に無言で頷いて答える。

「ん〜、そうかぁ… じゃあ、お姉さんと一緒に、本屋さんをぐるっと回って、おうちの人、探してみようか」
「...んっ!」一生懸命、返事をしようとしてくれているのだろう… 今度は、頷きと共に
声が聞こえて来たことに私は嬉しくなった。

そんな時、「あっ! パパ!!」焦躁と安堵が入り混じった表情で駆け寄ってきた男性が子供を抱き上げた。
「ごめんなー! パパね。お仕事の電話がかかって来て、直ぐに切れなくて話が長引いて、
見たら近くに居なくて、探し回ったんだよ。いゃあ、見つかって良かった良かった…」

私を見て、「すみません! ご迷惑をおかけしました。いゃあ、本当に申し訳ございません!
緊急の仕事の電話がありまして…」
「お休みなのに、お仕事の電話なんて大変ですね。良かったね! ボク、パパ見つかって」
坊やは紅潮した顔で、「うんっ!」

「いゃあ、本当にありがとうございました!」お父さんに何度も何度も頭を下げられて
お礼の言葉まで言われてしまうと、「私、何もしてないんですよ。そんなに頭を下げられても
困ります」と言って父親に会釈をし、私は手を振ってその場を後にした。

考えてみれば、私も歳を重ねただけであって、私のこれまでの人生も、幼いあの子と同じだ。
今までの恋、恋愛に翻弄され続けた人生を考えると、そう、恋と恋愛に翻弄され続けた
迷子だったのかもしれないと思った。
0909ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/04(土) 21:17:39.51ID:Yq33E1iL
>>908
22行目
ボク、おうちの人、×
ボク、おうちの人と、〇
0910ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/05(日) 08:58:38.39ID:7+uuTvxf
>>908
末尾訂正
恋と恋愛に翻弄された
迷子になっていたのかもしれないと思った。
0911ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/05(日) 19:15:58.07ID:7+uuTvxf
「ばいばいどくおぶざべい」

雑居ビルの薄暗い地下にあり、壁には古びたポスターやステッカーが
大量に貼ってある昔ながらの老舗のライブハウスに来ていた。

中は煙草の煙の匂いで薄暗い… そんな昔ながらのイメージのライブハウスは
年々減り、分煙や禁煙が進んでいるところが多くなっている。

最近はキャパ1000人規模のライブハウスや都会のオシャレな空間的
ライブハウスなど従来のイメージを大きく変えるようなところも増えてきて
ライブハウスの雰囲気はそれらの場所や又、イベントによって
雰囲気は大きく違ってくる。

此処の老舗のライブハウスも、ビルの建て替えと言うことで来年閉店することになった。
思い出の場所がなくなるのは、寂しいと多くのファンが駆けつけていた...

私が行った時は、ちょうどタテノリバンドの演奏が終わり、次のステージの準備中だった。
ーーーーーーーーー 準備は整ったようだ ーーーーーーーーー

――― ステージが始まった ―――
" Dock of the Bay " だった。 それも三人組のオヤジバンドだ。
隣の彼らのファンが言うには、ギターを弾く彼が続けていけなくなったことと、
ボーカルが昔のように声が出なくなったこともあり、一旦、今日で解散することになったという。

「ギターの彼の左手が、もう駄目なんだたってさ… イカれちまったんだってさ... 
ボーカルも昔のように声も出なくなったこともあり、辞めるんだってさ… 
もう彼らの歌が聴けないなんて、寂しいよ…」と隣に座る男が寂しそうに呟く…

そんな事情があって、今日で解散することになったというオヤジバンド。
今夜、そんな彼らオヤジバンドの見納めの最後のステージに偶然、出くわしたというわけだ。

ブルースバンドによるブルース風のドッグ・オブ・ザ・ベイ。
ドスの効いた! しわがれた渋い声がブルースアレンジとマッチしていて
いい味を醸し出していた。2曲目はBob DylanのLike a Rolling Stone .........

気のせいなのか、分からないが、心なしか...  泣いているようにも聴こえた.........
どことなく哀愁が漂うドスの効いたしわがれた低く渋い声の響き...

ギター奏者の左手「イカれちまったんだってさ… 」
「ボーカルの声も昔のように出なくなった」と言う
そんな話を聞いていたので、ギターとボーカルのオヤジの表情を見ているだけで
グッとくるものがあった。

ーーー そんなオヤジバンドの最後の舞台 ーーーーーーーーー
大変いいものを聴かせてもらったよ...  ありがとうと心の中で叫んでいた ………

     .........そして最後のステージは終わった...
0912ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/05(日) 20:11:15.99ID:7+uuTvxf
>>911
17行目
もう駄目なんだたってさ×
もう駄目なんだってさ〇
0913ジョン・スミス
垢版 |
2023/03/06(月) 18:38:25.38ID:Vdwh7afM
「夢見る勇気(ちから)」

彼と喧嘩した... 「バカ野郎!」切っ掛けは、ほんの些細なことだった。
私は一人、公園のベンチに座りながら老人たちが談笑しながら
ゲートボールを楽しんでいるのを見ていた...

空を見上げ、眺める… 空に次々とあいつのことを思い出しては腹が立つ…
悔しいけど、本当にそこまで惚れているのかな... あの野郎とはいつも口喧嘩になる。
なかなか素直になれない自分が居る。あいつは言う。「お前は男勝りで、俺の手には負えないよ…」
と言うあいつに、肘打ちを突き放ち去って来た。

ーーーーーーーーー 空を見上げ溜息をついていた...
そんな時、「どうしたんじゃい... お嬢ちゃん?」老人特有の寂声が響く...
私は空に向けていた視線をその声の主の方に向け無言で会釈した。

「話したくなければ、別に話さんでもいいよ…」と語り
いつの間にか私の隣に、小柄なおばあちゃんが座っていた。

「ちょっと、彼と喧嘩して...」「ふむ、若い頃は、よくあることじゃな、ワシもあったわ」
おばあちゃんは、懐かしむような優しい笑顔を浮かべながら語った。

「どうしても素直になれないんです... 好きなのに… 言葉にして伝えられないんですよ。
言葉にしなくても伝わると思っていて、それがいつの間にか当たり前になっちゃって…」
気付いたら不思議とすべてを話していた。おばあちゃんの持つ優しい雰囲気のおかげなのだろうか...

「ワシは何も学がないから、大したことは言えんけど、確かに、言葉にしなくても伝わっているかもしれんなぁ〜 
しかしなぁ〜、言葉にするだけで、何かと、色々と変わるもんなんじゃよ」
「私、男勝りで、いつも彼と大喧嘩になる...」

「大抵の男は気の強い女を敬遠する。たまには男を立てて、甘えてみてはどうじゃ…
とにかく素直で愛嬌があれば十分じゃよ」おばあちゃんはそこまで言うと、
仲間に呼ばれたみたいで、「よっこいしょ」とゆっくり立ち上がって

「何も悩む必要はないさ、とにかく素直で愛嬌があれば、それで十分じゃよ」
レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。

ニューススポーツなんでも実況