【欅坂小説】欅坂の道化師【2冊目】
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
欅坂46のメンバーを登場人物とした小説を書いています。メンバー以外の人物はもちろん架空の人物です。前スレはまだ書き込めますが、長文が書けなくなった為に新しくスレを立ち上げました。 前スレ http://itest.5ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1509967598/ 保管倉庫 https://ameblo.jp/nyankozaka/ 「あの制服は高校生か?」 広場の脇に車を停めた鳴滝がクリスへと問いかける。 「五島高校の制服ですね」 「まさに神様の御導きってやつかもしれないな」 そう言うなり、シートベルトを外した鳴滝は車のドアを開けていた。 「こんにちは」 「こんにちは!」 突然の訪問者を不審がる素振りも見せず、女子高生二人は笑顔で挨拶を返した。観光客が多く訪れる島だからだろうか。その言葉のイントネーションから、鳴滝がこの島の人間ではないことを察したのかもしれない。 「君達はこの教会の信者さん?」 「はい、そうです」 「じゃあ、シスター長濱の事は知ってるのかな?」 鳴滝の口から出たその名前に、女子高生はお互いの顔を見て表情を曇らせる。 いつしか鳴滝の背後には守屋とクリス、少し下がって尾関梨香も揃って立っていた。 「知ってます。けど……」 「行方不明なんだよね?」 言いそびれた言葉を言い当てられた女子高生達の顔は、少し強張って見えた。 「警察の人?」 「何でそう思ったの?」 恐る恐る振り絞ったような女子高生の問いかけに、鳴滝は悪戯にそう問い返していた。 「だって……シスター長濱のいた教会の神父様が殺されたのは、シスターが関係あるかもって噂だから……」 「それで警察が聞き込みに来たと思ったわけか」 「違うんですか?」 「違うよ。だって……」 尚も警戒する女子高生に答えたのは尾関梨香だった。 「こんな胡散臭いおっさんが警察なわけないじゃない」 「はぁ?」 左の眉のみを挙げて鳴滝が尾関へと振り返る。 「誰が胡散臭いおっさんなんだよ」 「鳴さんしかいないじゃないですか」 「俺は胡散臭くもなければ、おっさんでもないんですけどぉ」 女子高生を前にしているせいか、はたまた尾関を挑発するためなのか、語尾を上げながら右手の人差し指を頬へと当てた。 「それが胡散臭いって言ってるんです」 「狸に胡散臭いと言われるようになったら人間お終いだな」 「いえ、その前に人としてどうかと思いますけど」 「そうなんだよなぁ……人が良すぎて、自分は天使なんじゃないかと思う時がある」 「堕天使の間違いですよね?」 「やかましいわ!お前は近所のスーパーで半額シール貼ってもらって来い。そうすりゃすぐに買い手が見つかって、めでたく寿退社だ」 「それってセクハラです」 「そのお腹のお肉、グラムおいくらかしら?」 鳴滝の更なる挑発に、尾関は言葉ではなく渾身の力で彼の膝へとローキックを炸裂させた。 「ごめんなさいね。警察じゃないから。見れば分かると思うけど」 尾関の不意打ちに崩れ落ちた鳴滝へと冷たい視線を送りながら、守屋茜が女子高生へと語りかけた。 「じゃあ……どうしてシスターの事を?」 尾関と鳴滝のコントで、いくらか表情は柔らかくなったものの依然として女子高生達は警戒の目を向けていた。 「私達はシスター長濱を助ける為に来たの」 「助ける為?」 「そう。詳しくは話せないけれど、シスター長濱は今はとても危険な状況にいるの。だから協力してもらえないかしら?」 守屋茜の提案に再び顔を見合わせた女子高生達だったが、傍らで膝を抱えて蹲る鳴滝の姿を見て直ぐに最初の笑顔を取り戻していた。 「シスターの為に私達に出来る事なら」 「ありがとう。早速だけれど、この写真の女の子に見覚えはないかしら?」 提案を受け入れた女子高生達へと守屋茜が差し出したのは、長濱ねるの写真ではなく平手友梨奈の写真だった。 2冊目突入おめでとうございます 前スレ同様ちょくちょく読みに来ますのでニャンコ先生のペースで頑張ってくださいm(__)m >>4 早速の応援レスありがとうございます! ぼちぼち書いていきますね(^ ^) ちょっと自分の文章が気になって、創作発表板の先輩方に指南を仰いで来たのですが、 やはり凄い方々でした…… 頑張らねばと思いつつも>>6 さんの指摘もあるので、引っ越しを思案中です 別にいいだろ、 出禁だったらこの板で誹謗中傷してるやつから出入り禁止じゃね? なにがあったの? 久々に大岡裁きしたいから詳しく教えて? >>9 そうですよね。 誹謗中傷しているわけではないので セーフという事で >>10 大丈夫ですよ(^ ^) 私の勘違いでした。 寝落ちしたせいで変な時間に目が覚めた。 東村芽依のイラスト描いていて思ったのですが、この子の目元のメイクは長沢菜々香に似ている気がします。今のなーこは髪色変えてガラッと雰囲気変わりましたけど。 >>13 お気持ちはありがたいとのですが、 なるべく揉め事は避けたいですww 小心者には耐えられません(^ ^) >>14 僕も口だけの小心者なので本当はほっとしてるとこですw 6枚目シングル聴きましたが…… ROCK YOU!で鳥肌立った_φ( ̄ー ̄ ) 予言してしまった 「あれ?……これって……」 「ユリナちゃんだよね?」 その名前に、鳴滝は驚愕の眼差しで二人の女子高生を見上げた。 「知ってるのか?」 「多分……知ってる子だと思います」 「会った事があるの?」 写真を差し出した本人である守屋茜さえも、おそらくは予想していなかったのだろう。目を見開いてそう問い返していた。 「昔、慈愛院という施設があって、そこにいた子です」 その言葉に絶句した鳴滝と守屋茜は、ただ互いの目を見つめて動きを止めた。 「そのユリナちゃんとシスター長濱は一緒にいたの?」 沈黙する鳴滝と守屋茜に代わり、そう問いかけたのは尾関梨香だった。 「シスター長濱もあの施設の子で、友梨奈ちゃんのお姉さんみたいな感じでした」 「あと、リナちゃんも仲良かったよね」 「リナちゃん……まさか……」 何気なく語られたその名前に、尾関は鳴滝を見た。 「他に女の子はいたのかな?」 今度は益田クリスがそう問いかけた。 「他に?……誰かいたっけ」 「中学生になったばかりの人いたよね」 「リカさんだ。そう、リカさん」 女子高生二人が会話するその側で、蹲っていた鳴滝がむくりと起き上がった。 「長濱ねる、ユリナ、リナ、リカ……こいつは……」 「まさかとは思うけど……」 細めた鳴滝の目に射抜かれた守屋茜は、まだ目を見開いている。 「リカさんといつも一緒にいた面白い子いたよね?」 一人の女子高生が、もう一人へと問いかけた。 「いたよね。名前なんだったっけ?」 その会話の主たる彼女達に、皆の視線がその名前を口にしようとする少女に注がれた。 ん?なんか最後おかしいな。 訂正 ×→その会話の主たる彼女達に、皆の視線がその名前を口にしようとする少女に注がれた。 ◯→皆の視線が、その名前を口にしようとする少女に注がれた。 「思い出した!香るのナナコちゃんだよ」 「かおる?」 二人の会話に、尾関梨香が思わずそう問い返していた。 「ナナコちゃんの『こ』は子供の『子』じゃなくて、『香り』の字で『こ』なんです」 「そうそう。だから香るのななこちゃんって呼んでたよね」 鳴滝達の動揺に構わず、二人の女子高生は想い出話しに花を咲かせている。 「アヴェ、マリア……」 その時、白い教会を背に立つ青い衣を纏ったマリア像へと鳴滝が呟いた。 その低く響く声は聖母を讃歌する祈りの声と言うよりは、紅蓮の地獄の炎に身を包まれた亡者の雄叫びのようにも聴こえて、その場にいた者達の口を瞬時に塞いでしまった。 「グラーツィア、プレーナ、ドミヌス、テークム……」 その瞳の中央にマリア像を捉えたまま、鳴滝が呪文の様な言葉を続ける。 「Et haec tibi mens tua?……これも貴女の御心ですか?」 答えを返す筈もないマリア像へと、憎しみにも思える鋭い眼光を向ける鳴滝に、尾関のみならず、そこにいた女達はショウウィンドウの中のマネキンのように動く事さえ出来ずにいた。 「ふざけるな……」 振り絞る様に、マリア像へと唸り声で吐き捨てた鳴滝の膝へと、尾関が再び渾身のローキックを炸裂させた。 「マリア様に喧嘩売ってどうするんですか!」 「お前の辞書には……手加減という言葉はないのか!」 膝を抱えて蹲る鳴滝が、痛みを堪えながらも言いそう放っていた。 「そんなもの、鳴滝探偵事務所に入った初日に捨てました」 「不法投棄だ!今すぐ拾って来い!」 闇からの緊張から一転し、いつもの彼へと戻った鳴滝を見て守屋茜は安堵の表情を浮かべていた。 ところで、小説を書いたりイラストを描いたりする時に、それぞれにBGMを聴きながらなんて事もあると思いますが、私はこんな曲を聴いています。 欅坂は二曲だけですが…… https://i.imgur.com/0EFGBd6.jpg こんなのをBGMにしてこの小説を書いていますが、 3月7日以降は「ガラスを割れ」がここに加わると思います。 この曲に関しては賛否両論あると思いますが、ファンなら推すしかないですよね。 ヒットするかどうかは、作詞作曲が誰か?だけではなく、ファンの力も無視出来ないわけですし。 賛否両論さえも好きだからこそのものであって、興味も無ければあれこれ言う事も無いですよね? あの先生方の儲けになるのが癪に触る人も少なからずいるでしょうが、一歩譲って推しメンの将来の為に投資しておきましょう。 https://i.imgur.com/Y6LFFlY.jpg >>16 このスレには欅の神が宿っている! 念のために俺と理佐ちゃんの幸せな未来も予言しといてくださいm(__)m 久し振りに欅のキセキ立ち上げてみたら あかねんとの親密度が7500位ぐらいだった。 何もしてないのにこれぐらいって事は やってる人間が減っているのか、 あかねん推しが少ないのか…… ガチャ引いたら猫☆4尾関梨香×2が来た。 でも狸にしか見えないww 可愛いんだけどね(^ ^) https://i.imgur.com/rm2TaIt.jpg もう誰だかわからない(´Д` ) とりあえず芽依ちゃんのつもり https://i.imgur.com/QX2XL1k.jpg >>21 Rock you!のところはライブで盛り上がりそうですよね そう言えばニャンコ先生の推しメンて誰でしたっけ? >>25 与田ちゃんぽいっすね >>26 Rock you!でジャック・ローズのてちみたいに 指突き出してくれたら嬉しいんですが。 推しメンは、以前は長沢菜々香でしたが、 りぼん騒動でスレ追い出されてからは箱推しです。 乃木坂さんとこの与田ちゃんかぁ(´Д` ) そういう事にするかww >>27 それじゃあ、欅坂のコスプレする与田ちゃんという事でww >>30 ありがとうございます! 腹筋崩壊しつつも、懐かしさに涙が溢れます これこれ!これですよ! チワンさん、ありがとう >>33 真夜中の画伯改め早朝の画伯乙です(あっちのスレはゴールデンタイムの画伯だったかw) 気が向いたらお絵描きスレのほうにもどうぞ 記録も兼ねた貼り直しもOKです http://o.5ch.net/12sqq.png >>32 お久しぶりです! それ、言っちゃダメな言葉やww それで大島優子も失敗したでしょ?ww >>33 そしてずみこ…… 本当に言っちゃいそうで笑えるww このギリギリのところを攻めてくるのが 真夜中の画像さんの真骨頂ですよね >>34 そして安心して見ていられるチワンさんww ただ、そのイラストの人物が分かりません。 空のグラデーションが凝ってますよね。 匠の技です。 ずみこのスレ?の画伯さんは、あの少ない線で 描いちゃうところは匠ですよね >>36 ありがとうございます お絵描きスレに種明かしがありますが、人物は米さんのブログから転用しました 理由は、後ろ向きで描きやすかったから(笑) わりと気にいってるので調子に乗って小説スレにもこれを元に短編書いちゃいました もしかして昨日小説スレにアダルト理佐ちゃん投稿してくれたのも真夜中の画伯さんですか? >>34 絵の専スレは一見さんや冷やかしが来やすいのと 個人的に描くものが内容上ギリギリなこともあるからか 以前 時々雑言を浴びたり荒れたりして あまりいい思い出がないので自分からは貼るのはやめてます ただしもし転載されたいようならあまり責任は持てませんが どうぞ >>38 w >>39 やっぱりでしたか、ありがとうございますm(__)m 確かにギリギリですねw >>39 そういうことでしたらお絵描きスレのほうへは気が変わられたらで結構です こちらで勝手に転載も致しませんので あと先生の絵を拝見して何となく昔の私の絵も見ていただいてたのかなと感じました ありがとうございます アダルト理佐ちゃんが気になって覗きに行った事は他言無用でお願いします(´Д` ) >>28 りぼん騒動って何すか… 小説スレに関与している人は、どこかのスレで何かしらの迫害を受けてますな >>43 右目を隠すと理佐ちゃん 右目だけの印象はさや姉ですねw 髪型と輪郭は尾関そっくりで、とても上手ですね >>44 うわぁ(´Д` )本当だww さや姉降臨しちゃってるよww ここから更に色鉛筆で彩色を加えていくと 似てくるんですが、力尽きてアップしちゃいました。 りぼん騒動とは。 少女漫画のりぼんを本屋で買うのは気がひける ↓ Amazonで買えば? ↓ そもそもゴリ押しされるのが苦手 ↓ なーこ教なら買いなさい ↓ 卒業します これは、あくまで私の中での騒動です。 以上 ココリコ田中のモノマネをする土生ちゃん 前髪失敗してケンシロウになった…… 土生ちゃんファンと菅井様、ごめんなさい。 https://i.imgur.com/G92OV5L.jpg ハードボイルド風長編書いてあらためて大長編書いてるニャンコ先生の偉大さを痛感しました(>_<) >>41 先生と呼ばれるような人間では到底ありませんのでいつもの 「〜の画伯」とかでいいです 社会の片隅の そこそこ普通 or いくらか性根の悪い(?)大人の一人にすぎませんし >あと先生の絵を拝見して何となく昔の私の絵も見ていただいてたのかなと感じました >ありがとうございます せっかくのお礼ですが どのぐらい昔のどのスレの絵か思い出せないので たぶん勘違いをされてるかと‥ >>47 大長編?? 創作発表板の酷評スレ見たのかな? 私の後に書いている人は別人ですww あのスレでいろいろ勉強させて頂いております >>48 真夜中のちょいワル画伯さん おはようございます。 私からもお願いがありまして、小説保管庫に画伯さんの絵も使いたいのですがお許し頂けますか? >>51 ありがとうございます! では容赦なく、いや、遠慮なく使わせて頂きます 本日更新した保管庫ブログにて、チワン画伯さんのずみこイラストを掲載させて頂きました。 勿論、真夜中のちょいワル画伯さんのイラストもいづれ掲載させて頂きます。 私はアフェリエイターではありません。純粋に小説とイラストを通して欅坂の板、尚且つそこにいる絵師さんの面白さを伝えれれば嬉しいです。まだ一日の閲覧数は100人前後ですがww 上から目線だと思われるかもしれませんが、この板の住人や絵師さんは癖があるのですが、なんだか楽しいんですよね。 なかなか小説の本編が進まないのは、プロットにない東村芽依と加藤史帆の登場があったので、その辻褄合わせをしている最中だからです。 もう暫くお待ちください。 続きを書いていたら、メッセでなーこの着信ラッシュ……この時点で21件…… どうした?なーこ…… 22件目が今来た…… 誰に向けてのメッセージ? あ、23件目…… そして24件目着信…… 25件目…… おいおい……( ̄◇ ̄;) 女子高生達と別れ、教会を後にした鳴滝達は再び車で市街地を目指していた。 「菅井さんとこの友香ちゃんに、どう説明すりゃいいんだか」 「菅井様の近所のおじさんみたいになってますよ」 ハンドルを握る鳴滝のボヤきに、後部座席の尾関が食いついた。その隣に座る守屋茜は腕を組んだまま目を閉じて微動だにしない。 「あの女子高生達が言っていたユリナちゃんが平手友梨奈本人なら、長濱ねるとの関係は確定だが……」 「後は、リナちゃん、リカさん、香るのナナコちゃんだけど……」 目を閉じた守屋茜が口のみを開いた。 「その三人も関係者ですか? 」 それらの名前は知らされていなかったのだろう。助手席のクリスが鳴滝の横顔へと問いかけた。 「俺達が平手友梨奈の行方を追っていた時に現れた小娘達だよ。偶然にも名前が一致している。偶然……にもな」 「それが偶然ではないとしたら、その三人も慈愛院にいたことになりますね」 戸惑いを隠せない鳴滝とは違い、クリスは導き出された可能性を淡々と語った。 >>57 ひとつ間違えたww http://o.5ch.net/12wb4.png 某スレで修業お疲れ様ですm(_ _)m >>57 保守ありがとうございます! しんのすけ上手すぎww >>60 度々すいませんm(_ _)m 迷走中につき、暫くお待ち下さい。 なかなか気づかないけど人生って生まれて死ぬまで迷走中なんですよね >>62 戸惑いこそが人生だよ、黄猿君。 By レイリー どうもスマホがクラッキングされたっぽい。 13、14日だけ、バッテリーの減りと、パケットの使用量が異常に多かったので。外では通話以外は何も操作していないのに。 いつもはバッテリーは50%を下回る事もなく、パケットも月間で3GBも使わないのですが、二日だけで3GB近く使った事になってます。これは、まだ可愛い方かもしれませんが。 脱獄して妙なアプリを入れたわけでもなく、変なサイトを覗いたわけでもないので、おそらく連休中に出歩いた時にWi-Fi経由で入られたかな。 あくまで「かもしれない」ですが。 Wi-Fi設定をONのままにしておくと、フリーWi-Fiに勝手に接続する場合があるので、皆さんも気を付けて。 https://i.imgur.com/hHVnW7Y.jpg 「そう考えるのが当然よね」 「事実は小説より奇なり。だな」 目を開いた守屋茜とルームミラー越しに目が合った鳴滝が、そう相槌を打った。 「でも、そんな事ってあり得るのかしら?」 既に口癖と化したその言葉を守屋茜が口にした。 「俺からすれば、その方がいろいろと辻褄があうように思えるけどな」 「それはそうかもしれないけど……」 鳴滝の問いかける視線を避けるように、守屋茜は窓の外に拡がる木々の緑へと目を向けた。そして、深い溜め息をひとつ。 「君は『思えない』じゃなくて『思いたくない』んだろ?」 かつて守屋茜から向けられた言葉を、鳴滝がそのまま彼女へと返した。 「残酷な現実から誰もが目を背けたがる。犠牲になるのは、いつだって子供達さ」 続けて語られた鳴滝の言葉が何を指しているのか、その場の誰にも分からなかった。 車内が沈黙に包まれた時、遠心力が皆の身体を左へと押しやった。 「鳴滝さん、こちらの道ではありません」 市街地へと続く道から、右へと伸びる荒れた小道へとハンドルを切った鳴滝へとクリスが慌てて注意する。 「俺達は尾行されているらしい」 「尾行?」 「見ちゃダメ!」 鳴滝の言葉に、振り返ろうとした尾関を守屋茜が制止した。 確かに、鳴滝達の乗る車の後方に青いスポーツタイプの乗用車が一定の距離を置いて着いて来ている。 「たまたまじゃないですか?」 土が剥き出しになった農道のような路面から伝わる振動に、尾関が顔を歪めながら言う。 「いや、明らかに尾行だな」 サイドミラーでその車へとちらりと目をやりながら、鳴滝が真顔で呟いた。 >>66 こちらこそ、ありがとうございます(^ ^) ボンネットに開いたターボの吸気口だけならまだしも、車高を落としたその前面はエアロパーツで固めてある。 それだけに、この様な凹凸のある荒れた道は避ける筈だ。 鳴滝が尾行と判断した理由はそこにあった。 しかし……。 「殺し屋ってわけではなさそうだ」 鳴滝の顔に冷やかす様な笑みが浮かんだ。 「そうですね。見た感じでは地元の人間のようです」 助手席側のサイドミラーを覗き込んだクリスが鳴滝の判断に同意した。 「え?じゃあなんで追って来るんですか?」 状況を掴めない尾瀬が、鳴滝の笑みの理由を知るべく問いかけた。 「おそらく金で雇われたんだろう。車を改造するのにも金が掛かるからな」 「尾行するのを?」 「あいつら、あの白い教会……なんだっけ?女子高生のいた」 「浦頭教会です」 鳴滝の問いにクリスがそう即答した。 「そう、その浦頭教会を出た時から着いて来ていた。これ見よがしにな」 「ただの偶然じゃないですか?」 尾関は未だに理解出来ずにいた。 「いや。途中で速度を落としてみたんだが、あいつらは大人しく着いて来ていた」 「あれだけ足廻りを改造するような連中が、大人しく着いて来るわけありませんからね」 尚もサイドミラーで後方を警戒するクリスが鳴滝の言葉に自らの見解を添える。 それらの会話から尾関梨香が理解出来たのは、尾行している車には複数の人間が乗っているという事だけだった。 「対向車も殆どないあの田舎道だ。追い抜く事はいつでも出来た筈だ」 「でも、尾行にしても雑過ぎですよね」 その時、クリスが彼女の中で湧き上がった疑問を声に出した。 「流石です、クリスさん」 何故か鳴滝の言葉が敬語になる。その変化に、後部座席の尾瀬は苦笑いを浮かべた。 まったく……この男は……。 「俺達はまんまと罠に嵌められたようだな」 「わざと嵌められたくせに……」 ルームミラー越しに鳴滝の悪戯な笑みを確認した守屋茜が呆れた声で呟いた。 「やはり怖い女だな。君は」 「罠に嵌められた人間が、そんな余裕の笑みを見せるわけないじゃない」 「おそらく、この道の先に殺し屋さんが待ち構えているかもしれないな」 「駄目じゃないですか!しかも殺し屋さんって、なんでフレンドリーに呼んでるんですか! 」 その尾瀬の抗議の矛先が『殺し屋さん』であった事に対して、鳴滝は再び笑みを浮かべた。尾関梨香らしいと言えば尾関梨香らしい。また、それが尾関梨香の良さでもあるのだが。 そう考える鳴滝の視界に、遥か前方に立つ人影がふたつ。その人影を捉えた彼は目を細めた。 「ビンゴ……」 「ビンゴ?悪い予感しかしないんですけど……」 「見事だ尾関。予感的中だ」 「最悪……」 どうやら尾関の目にも二つの影が写ったらしい。 「蜂の巣になりたくなけりゃ、伏せてろ!」 鳴滝の怒号に、即座にシートベルトを外した女達は頭を抱えて前傾姿勢を取った。 唸るエンジン音に、鳴滝がアクセルを限界まで踏み込んだ事は誰もが理解出来た。 しかし、この悪路がもたらす振動は予想外だったらしい。 「痛っ!」 前方にある助手席のシートに頭を打ち付けた尾瀬が声を上げた。 「しっかり掴まってろ。撃たれたらそんな痛みじゃ済まないぞ」 「いや、死ぬでしょ!」 「ですよね」 その呑気な鳴滝の声に、尾関は怒りを通り越して殺意さえ憶えていた。同意を求めるべく、隣で蹲る守屋茜の顔を覗き込んだ彼女は絶句した。 何故なら守屋茜も僅かに笑みを浮かべていたからだ。 その瞬間、尾関は理解した。 鳴滝慎吾と守屋茜は同じ人種である事を。 危機的状況に陥れば陥いる程、それを楽しむ人種がこの世の中には少なからずいるものだ。 そして、この車中にはその人間が二人も存在しているのだ。もう笑うに笑えない。 「やっぱり、あいつらか……」 鳴滝のその言葉に、尾関は助手席のシートの影から恐る恐るフロントガラスの先へと目を向けた。 「ライフル女……」 尾瀬の視界に立つのは、あのレンガ造りの教会で出会ったピンク色のニットワンピースと、カーキ色のロングコートを着た女達だったのだ。 「妙だな……」 その鳴滝の呟きと共に、エンジンの唸りが鳴りを潜めた。行く手を塞ぐかと思われた二人の女達だったが、近づいたにも関わらず鳴滝の車を先に行かせるように道の脇に立ったまま微動だにしていない。 速度を落とした車は、やがて彼女達の表情まで確認出来る位置にまで進んでいた。 この小説の中で加藤史帆が着ているのは 土生ちゃんのブログに載ってたこれ! コートはもう少しミリタリーっぽいのを イメージしてましたが、ほぼ一致(^ ^) 土生ちゃんは何を着ても似合うね https://i.imgur.com/lt2BsbM.jpg ちなみに作中で東村芽依が使用している ライフルがこちら↓ 上村莉菜と東村芽依 うえむー顔小さいww 作中ではいずれ共闘するかも?な二人 https://i.imgur.com/GMDOT8p.jpg https://i.imgur.com/rzUy69o.jpg またまた余談ですが、前スレで載せた ニワトリ能條さんの写真と同じような ニワトリの被り物をした写真をなーこが メッセで送って来てて、危うくコーヒーを 吹き出しかけた。 駄目だよなーこ……そっち行っちゃ駄目 メッセと言えば渡辺梨加さんは一週間、 ブログに至っては二ヶ月以上更新なしですが 彼女は今、何を思ってるんだろう? ただただ忙しいならいいんですけどね(^ ^) https://i.imgur.com/jNFoVMl.jpg >>71 ミリタリーテイストのファッション、僕も好きです ただ、流行したMA-1は嫌いですね どっちかと言うとM-65派 やっぱ4thまでの衣装のほうが良かったなぁ >>74 個人的にはセゾンの時の制服は好きでしたね。 特にミリタリーテイストが好きと言うわけでもなく、なんとなく加藤史帆に似合いそうと言う発想からモッズコート着せてみました。 (昔MA-1着てたとか言えない……) 「なんだ……こいつ……」 鳴滝のその驚愕した声が聞こえたのは、ちょうど四人を載せた車が二人の女の前に差し掛かった時だった。 鳴滝らしからぬその声に、思わず顔を上げた尾関が見たものとは、不敵な笑みを浮かべる例のライフル女と、その隣で相変わらず人形のような無表情で立つデリンジャー女だった。 ライフル女は既に右手にあのライフルを握り締めており、一方のデリンジャー女はコートのポケットに手を入れて立ち竦んでいる。 「う……」 そして、尾関もまたひとつの異変に気付き言葉にならない声を漏らした。その前後で、クリスと守屋茜も言葉を失っていた。 彼等の言葉を奪ったのは何か。それはライフル女の瞳だった。 白い眼球に浮かぶ虹彩。本来ならば黒色、もしくは焦げ茶色である筈の瞳。それが金色に変わっていたのだ。 「カ……カラーコンタクト?」 自らの鼓動の高鳴りを抑えるべく、尾関が可能性を探り出した。 「いや、違う。俺の目の前で色が変わった」 「私も見ました……」 尾関の推理を即座に否定した鳴滝の証言を、畳み掛けるようにクリスが肯定した。 得体の知れない現象を目の当たりにして動揺する鳴滝達の車が通り過ぎた瞬間、ライフル女は道の中央に立ちその手のライフルを構えた。 パァン! 渇いた破裂音が山野に響き渡った。その音で我に返った四人が振り向くと、ライフル女のその奥にフロントガラス蜘蛛の巣状のヒビを作った青い車が見えた。 そして、その四人の視線を遮るようにデリンジャー女がライフル女の背後に立った。 右手で跳ね上げられたモッズコートの下からは、革製のホルダーが現れた。 素早い手つきでそのホルダーから抜き取られた銃はデリンジャーではない。やはり小型ではあるが、少し形が違っていた。 >>76 乙ですm(__)m 物語もだんだん佳境に入って来てる感じですね >>77 ありがとうございます(^ ^) これからバタバタしてきます しっかし、前回のけやかけの尾関は 面白過ぎでしたよね。 あの雄叫びシーンだけを何度も見返して 腹抱えて笑ってますww お陰で仕事の疲れが吹き飛んだ。 最高だぜ!尾関! https://i.imgur.com/Da5HEXu.jpg >>80 同じく、一番笑った回かも(^ ^) また見返してますww イチゴ、リンゴ、シンゴ 難事件大好き鳴滝慎吾です♫(ケヤキポーズ) さて、続き書きますか(´Д` ) こっそり能登麻美子 https://i.imgur.com/Pmltobe.jpg その銃を両手で構え、デリンジャー女は躊躇なく引き金を引いた。 再び渇いた破裂音が木霊する。同時に青い車のフロントガラスに新たな蜘蛛の巣が現れた。 「イカれてやがる……」 左手で引き絞ったサイドブレーキを手にしたままの鳴滝が口走った。その彼が見ていたリアガラスの中の青い車は、後輪が巻き上げる土埃の中を慌てて後退し始める。 それを合図としたかのように、ライフル女とデリンジャー女は交互に射撃を開始した。 その撃ち放たれた弾丸は、正確にフロントガラスのみに次々と風穴を開けて行く。それに伴い広がるヒビで、追跡者の視界は完全に白く奪われていた。 蛇行しながらも逃走していた青い車が、その車体が僅かに左へと傾いたと思われた瞬間、そのまま脇の畑へと滑り落ちて行った。 「そんな……」 まるで映画のワンシーンを見ているかの様な錯覚に囚われていた尾関が、目の当たりにした死の間際の光景で我に返ってそう呟いていた。 滑落した青い車のボンネットの隙間から立ち昇る白煙を背に、ライフル女は構えていた銃を降ろして鳴滝達へとその顔を向けた。 だが、その瞳は黒。先程の金色の瞳は何だったのか?それらは、ほんの数分の出来事であったが、とても現実とは思えずに尾関は一度目を閉じた。 「行くぞ」 「は?」 鳴滝の声で目を開けた尾関の視界の中に、 銃口を自らに向けて立つライフル女の姿があった。 「うわわわ!」 動き出した車の振動も相まって、尾関だけが慌てた声を上げていた。 ついにだっしー人形が実現したみたいです。 作中では、この中に盗聴器が仕掛けられる設定。 ちょっと不思議な感覚(´Д` ) 再登場なーこはどうしようかな? https://i.imgur.com/kn5er4u.jpg >>84 あおいのリンゴにしてもぺーのロババにしても 頭に載せるのが今のトレンドなんですかね(笑) 更新乙です 引き続き期待しています 渡辺梨加さんから久しぶりのメッセ。 しかも、今日が猫の日と言うもの。 ニャンコをハンドルネームに使っている 私としては重要ポイント。 ここぞと言うところでハートを鷲掴みするのが 渡辺梨加なんですよね >>85 ありがとうございます! チワンさんのイラスト使わせて貰ってます。 他スレのイラストも使わせて貰っていいですか? >>87 どうぞご自由に(笑) ブログも拝見してますが思わぬ絵が採用されててびっくりもしてます(笑) 今日も旧スレでさっき1枚描きました >>88 助かりますww 私はスランプに陥って描けないので。 ストーリーや登場人物に沿ったイラストを 掲載させて頂いてます。 車の速度が増すにつれて、悪路からの振動も比例して激しさを増す。 その激しさに身体を左右に揺さぶられながら、尾瀬が見た鳴滝の横顔は……笑っていた。 「面白くなって来たな」 荒れた小道を抜け出てアスファルトで舗装された道路へと出た瞬間に、鳴滝がそう呟いた。 「何言ってるんですか!人が死んだかもしれないんですよ!」 「死んでなんかないさ」 未だに興奮する尾瀬の荒げた声に対して、鳴滝はいたって平然と答えを返した。 「あれだけ撃たれたんですよ!無事じゃすみませんよ!」 「お前、何を見てたんだ?」 尚も平然とする鳴滝の問いに、尾関は絶句した。 「確かに派手に撃ってはいたけれど、殺す気は無かったみたいね」 言葉を失った尾関の隣で、守屋茜がこちらも平然と言い放つ。 「本当に殺す気なら、最初の一撃で仕留めていた筈だ。あの女の狙撃の腕ならな」 「そうですね。私なら、まずドライバーを狙撃して動きを止めた後に、残った人間を始末します」 鳴滝の言葉に、すかさずクリスが自論を加えた。守屋茜が優秀だと認める人間だけあって、頭の回転は速いようだ。 「なぁ、尾関。他に気付いた事はないか?」 唐突に問われた尾関は答えが見出せず、隣に座る守屋茜へと助けを求めるように視線を送った。 「探偵なら五感を使え」 その様子をバックミラー越しに見ていた鳴滝が真顔で言った。 訂正 尾瀬→尾関 何度も間違ってしまいます。 予測変換に頼るとこうなるんですよね 「サイレンサーを外していましたね」 そう答えたのは尾関ではなく、助手席のクリスだった。 「正解だ。あのレンガ造りの教会の時はサイレンサーを使っていた。だが、さっきは使っていなかった。この違いがわかるか?尾関」 それでも尚、鳴滝は尾関へと問い続ける。 「音で……威嚇?」 自信なさげに尾関がそう答えた。 「そうだ。威嚇だったんだよ」 「威嚇って!しっかり撃ちまくってたじゃないですか!ボコボコでしたよ、あの車」 「それでも命とられるよりかは、いくらかマシってもんだろ」 「それにしたってやり過ぎですよ、あれは!」 「相手は田舎の世間知らずのやんちゃ坊主どもだぞ。あれくらいやらなきゃわからんだろう」 「下手したら死んでますよ!てか、死んでるかもしれないんですよ」 「それがどうした?」 それまでとは違う鳴滝の低く響いたその声に、尾関は声を詰まらせた。 「軽い気持ちで裏の世界に首を突っ込んだ罰だ。金で魂を売ったんだ。死んだって、あいつらに文句を言う資格なんかないさ」 「でも……」 鳴滝のその言葉が彼特有の論点をすり替える話法だと気付きつつも、尾関は言葉を返せずにいた。 前列が鳴滝探偵事務所メンという奇跡の一枚。 後列に依頼主の菅井様と物語のキーマン長沢君。 あとは佐藤詩織ちゃんですが…… 今ひとつイメージが掴めないので、メッセを取ってみようかと思案中。 https://i.imgur.com/pZqva95.jpg >>94 おぉっ、これ可愛いを美人でコーティングしてツンデレをトッピングした俺の理想の嫁候補永世一位の理佐ちゃん >>96 ひぃ〜理佐ちゃんが餌だと釣り針でかくても釣られない訳にはいかない やむにやまれね大和魂なんて吉田松陰な俺 もうすぐ仕事が終わる 早く帰ってバスルームトラベル観たい(´Д` ) 「警察!そう、警察に通報しないと!」 尾関が思い出したように声を上げた。 「やめとけ。ややこしくなるだろう」 ハンドルを握る鳴滝はあまり乗り気ではない。 「だって、やっぱりおかしいですよ!こんなの放っておくって」 それでも尾関は引き下がらない。傍らのバッグからスマートフォンを取り出し、細い指で画面をタップし始めた。 「通報したら、それこそ本当に死人が出るわよ」 守屋茜のその言葉で尾関の指が止まった。 「何故ですか?」 「あの尾行してた奴等を雇ったのは、おそらくクロウと呼ばれる殺し屋だ。ならば、警察沙汰になるなら消される可能性もある」 尾関の疑問に答えたのは鳴滝だった。 「それに、裏で菅井が動いているとなれば、彼等の死は事故死となる可能性さえもある。 そうよね?」 鳴滝の推測を捕捉しつつ、その鳴滝へと守屋茜が問いかけた。 「まぁ、そうなるだろうな。だから……」 そこで鳴滝はミラー越しに、未だにスマートフォンを片手に動きを止めた尾関梨香へと目をやった。 「放っておいてやれ。それがあいつらの為でもあり、俺達の為でもあるんだ」 そう語る鳴滝の目は何故か優しく見えた。その目に、尾関はその手のスマートフォンを静かにバッグへと戻していた。 「でも……」 少し控えめな声で尾関が何かを言いかけた。 「でも、どうした?」 その尾関梨香へと、鳴滝がまるで子供をあやすかのような声で問いかけた。 「あの金色の目は、何だったんですか?」 金色の目。それはあの「めい」と呼ばれていたライフル女が一瞬だけ垣間見せた瞳の事である事は、尾関以外の皆も瞬時に理解していた。 だが、誰もが明確な答えなど返せる筈もなかった。 半信半疑。尾関を含めた皆の共通の思いはその一言だった。 CG加工技術の進んだ現代においては、素人でも瞳の色を変える事など容易い部類に入る。 それはある意味、見慣れた光景とも言えた。 しかし、彼等は画面越しではなく、実際に目の当たりにしたのだ。瞳の色が変わるその様を。 「アメリカのベンチャーで、コンタクト型のコミュニケーションツールを開発している企業を知っていますが、色が変化するツールは知りません」 自らの動揺を悟られまいとしてか、増田クリスが淡々と言った。 「じゃあ、あれは何だったんですか?」 尾関梨香が再び同じ問いを投げかける。その問いに、運転席の鳴滝がひとつ溜め息を漏らした。 「考えたって仕方ない。分からないものはいくら考えたって分からないんだ」 「いいんですか?それで?」 「俺達の仕事は、平手友梨奈の首根っこ捕まえて安全な場所へと連れて行く事だ。ライフル女が何者だろうと知ったことか。だろ?」 尾関の問いかけに、鳴滝もそう問い返えしていた。その鳴滝の視線の先の尾関梨香は、反論する言葉さえ見つけられずに、ただその目をみつめていた。 尾関、ねる、みなみユニットの 「バスルームトラベル」を観た感想。 尾関梨香の声っていい感じ。 Perfume同様、少しばかり加工はされているとは言え、耳に心地よいです。 これまでの欅坂46の楽曲の中では、小池美波の声だけは判別出来ました。 あの甘い感じの声が小池美波の持ち味である事は否めません。 尾関梨香の声だと認識出来たのは、これが初めてかも。ちょっと嬉しい。 このスローテンポで独特の世界観を歌う曲は、欅坂らしからぬ曲ですが、これはこれで有りかなと思います。 三原色である赤、青、黄で表現したコスチュームですが、これはこれで結構意味深。 個人的に注目したのは、カードゲームに興じているワンシーン。 長濱ねるが尾関の手持ちのカードに差し入れたカード。Jokerってところが私的にはビンゴでした。 以前、尾関梨香応援スレッドで、尾関梨香はaceにはなれないけれど、jokerにはなれる存在だとレスした私にとっては、鳥肌ものでした。 とにかく、尾関梨香さん頑張れ!そして小池美波さんもね。長濱ねるは放っておいても自分で何とかしそう。だから何も言わない。 ずーみんの件でいろいろと騒動があるようで、言いたいことは多々ありますが、今はグッと堪えておきます。 ついはやりにのってしまったけど とりあえず 呼び名は「〜の画伯」から「ギリギリ」へと変更希望 >>105 ありがとうございます。 ギリギリですね。了解しました! >>107 クッソww 会社なのに笑ってしまったww やりやがったなww いゃあ(´Д` )とにかく今日は ギリギリさんのこの>>107 にやられましたww ちょっと早めに会社に着いたから、休憩室で 何気に画像を開いたらツボに入って笑いが止まらず、仕方なしに売店でマスク買ってつけて仕事に入ったら 「花粉症?」と聞かれ、菅井様のパンツがツボに入ったとか言えるわけもなく 「ちょっと風邪気味で……」 それで一日中大人しくしてましたww 次回作に期待 アメブロのアーカイブ更新もいよいよこちらのスレの分に突入したんですね お疲れ様でございます ということで前スレの保守からはそろそろ撤退いたしますね これからの更新も楽しみです >>109 喜んでいただけたようで 何よりです 今回あたりから作成ツールをPhtoshop Elementsに変えましたが ちょっといつものより念入りに作ってみた甲斐があります 特にお尻のとことかw 次回以降は実は以前から3つほど並行して作ってますが どれも5〜6割の出来で何週も進まずにずっとそのままになってます 数枚の一まとめのモノになるので1枚ずつのクオリティは さすがに落ちますが たぶんちょっと忘れられたころぐらいに また投稿できるかもしれないです >>110 本当何から何までありがとうございました! チワンさんのイラストのファンなので 私も期待しています(^_^) >>111 鬼に金棒 ギリギリさんにPhotoshop Elements 既に危険な香りしかしないww 新作お待ちしております。 小池美波さんのこの画像で堕ちそうになった。 でも、堕ちない。まだ大丈夫。 この子、メイク変わった気がする。 それより続き書かないと(´Д` ) https://i.imgur.com/dT7RIUq.jpg 茜色の空はいつしか西へと追いやられ、入れ替わるように夕闇の藍色が空を覆い始めてる。街灯もない田舎道は余計に暗く感じて、鳴滝はヘッドライトを点灯させた。 「ん?……」 その時、鳴滝へと返す言葉が見つからず、目を伏せた尾関が何かを見つけて声を出す。 「どうした?」 尾関の声に逸早く反応したのは鳴滝だった。 「これ……何ですかね?」 そう言って尾関がクリスの座る助手席の下から一枚の真っ白な紙片をつまみ上げた。 それは着物を着た人間を形どったように切り取られた人形のようだった。 「そいつは……」 ルームミラー越しにその紙片を見た鳴滝が言葉を詰まらせた。 「気味が悪いわね」 尾関の持つ紙片を見た守屋茜が眉を潜めた。 「これ、見た事があります。たしか……」 その紙片を尾関から受け取ったクリスが、記憶を辿るように宙を見た。 「そいつは『ヒトガタ』だ」 クリスの答えを待たずして、鳴滝がその名を告げた。 「ひとがた?」 聴き慣れぬ言葉に、尾関は首を傾げた。 「人形と書いてヒトガタ。またはカタシロと呼ぶ場合もある。呪術で使う人形だ」 「思い出しました。安倍晴明を扱った映画の中で、これと似たものがありました」 そこでクリスが記憶の欠片を吐き出した。 「そう。陰陽道では様々な使い方をされている呪具のひとつだ」 「怖い……」 それまであっけらかんと鳴滝の話しを聞いていた尾関が、女の子らしく隣に座る守屋茜の腕に寄り添って身を縮めた。 「怖いって……そんなに怖がるな。これが雛祭りの人形の原型なんだぞ」 珍しく怯える尾関梨香をからかうように、鳴滝が悪戯な笑と共に語りかけた。 「なんかヤダ」 語り口まで子供に戻った尾関は、その紙片を見つめて首を横に振った。 「その人形に穢れを移して川に流す。それが流し雛の始まりだ。勉強になるだろ?怖がる事じゃないさ」 「怖がってるのは、鳴さんも……でしょ?」 クリスには感じ取れない鳴滝の異変を感じとった尾関が、怯えながらも彼へと問い返す。 淡々と知識を語る鳴滝の表情は、尾関がこれまで見て来たこれまでの彼とは違っていた。 いつもの鳴滝であれば、どのような窮地であろうとも、その言葉の端々に根拠のない自信を覗かせていた。しかし、今は違う。 怖がるな……その言葉が、鳴滝が自らに言い聞かせているようにしか尾関には思えなかったのだ。 「確か、安倍晴明は、この人形を式神として使役していたんですよね?」 「そんな話しも確かにあるな。だが、それも伝説だ。気にするな」 尾関の問いかけを無視して、鳴滝はクリスへと言い聞かせるようにそう言った。 「ドーマン、セーマン……」 守屋茜が何かに取り憑かれたように、小声でそう呟いた。その呟きを間近で聞いた尾関は、咄嗟に彼女の顔を見上げる。 「この島は意外と退屈でもなさそうだ」 強がりなのか冗談なのか、鳴滝は笑いを堪えたような声で答えにならない答えを返した。 「これも、彼女達の仕業でしょうか?」 「さぁ、どうかな。もう、どちらでも構わないさ」 クリスの問いさえ適当に受け流し、すっかり夜の闇が支配した島の田舎道をスピードを上げながら車を走らせる。 やがて、前方に何かしらの光が集まる建物が見えて来た。 「あれが、この島唯一のショッピングモールです」 「寄ってみるか」 人形の一件以来、異様な雰囲気に包まれた車内の空気に耐えられなかったのだろう。 鳴滝はそう言うより先に、ショッピングモールの駐車場へと車を滑り込ませていた。 建物の放つ人工的な光が、皆の不安を和らげる。その光に誘われるように、女三人はそそくさと建物の中へと消えて行った。 一人残された鳴滝は、建物の外に設置された自動販売機で買った缶コーヒーを手にベンチへと腰を降ろした。 手の平から伝わる温もりを噛み締めるように、ゆっくりと目を閉じた鳴滝に語りかける声がひとつ。 「あら、おじ様。偶然ね」 「ああ。凄まじい偶然だな」 前スレがおそらく今日明日で落ちる可能性高いのでお絵描きスレに残りの絵を貼る作業をしてたら 予想以上の数に唖然w という保守 ドコモ http://o.5ch.net/139ci.png >>119 ひふみんww 保守ありがとうございました! 申し訳無さ過ぎて、どう感謝を伝えて良いか わかりません。 そう冗談交じりに答えた鳴滝だったが、心の内では驚愕していた。 何故なら、足音さえ立てず、気配さえ感じさせずに、『そいつら』はそこにいたのだ。 ……まるで、あの女みたいだな…… その時、鳴滝の脳裏を過ぎったのは、渡辺邸の玄関先における渡辺梨加だった。あの時も同じように驚かされたが……。 しかし、この瞬間における『そいつら』とは、ピンクのニットワンピースの上にデニムのジャケットを羽織り、おそらくは例のライフルを納めているであろうバッグを肩から下げた女と、少し離れて周囲を警戒するように立つモッズコートの女であった。 まさか……渡辺梨加も…… その突拍子もない考えに、鳴滝が辿り着くまで僅か数秒。その自らの愚考を振り払うように、鳴滝はライフル女へと目を向けた。 「何であいつらを撃ったんだ?」 「何でって……」 ライフル女は鳴滝の座るベンチの端へと、ゴトリと重みのあるバッグを置き、自らも鳴滝に並ぶようにベンチへと腰を降ろした。 「邪魔だったから」 そう言って、ライフル女は無邪気な笑顔を鳴滝へと向けた。 「何で邪魔なんだ?」 その女の笑顔に惑わされる事なく、鳴滝は真顔でそう問い返していた。 「そんなの決まってるじゃない。だって……」 「めい……」 何かを語り出したライフル女の言葉を遮ったのは、鳴滝達がデリンジャー女と呼ぶモッズコートの女だった。 目鼻立ちの整った美人ながら、見開かれた目を浮かべる無表情なその顔には、感情と呼ばれるものは一切感じられない。 そして、それを何処かで見たような……。 その自問自答に、鳴滝は苦笑いを浮かべた。 まるでゴスロリ女と同じだな……。 ゴスロリ女とは、尾関梨香のお気に入りの上村莉奈である。まるであのゴスロリ女を見ているようだ……。単純に、そう、単純に直感的に鳴滝は感じたのだ。 その共通点を肯定する理由も、否定する理由も同じだけある。 だが、それを肯定する事は、最悪の結論をもたらす事であり、否定する事は探偵としての自らの推理を真実を否定する事のように思えて、鳴滝は敢えて沈黙した。 着々と更新乙です 昨夜前スレ無事にdat落ちしました ドコモ2 http://o.5ch.net/13agk.png >>122 ご協力ありがとうございました! 綾野剛似てるww 何でも書けちゃうんですね 私には無理です。 >>123 寝落ち寸前に描いたので相当へにょへにょですw←早く寝ろよ ゆいちゃんず悪だくみシリーズ http://o.5ch.net/13at8.png シブヤノオト待機 今ふと思ったのですが、 このスレのチワンさんわ、庭さん、 ギリギリさんを欅道の登場人物にしたら 面白そうですよね? こんな役柄希望とかあればお願いします。 >>126 理佐ちゃんを守るしもべ役でお願いしますm(__)m >>127 では、理佐姫のいるジャック・ローズの熱烈なファンで、追っかけをしている内に今回の事件に巻き込まれると言う役ではどうでしょう? あと、どんなキャラにしましょうか? シブヤノオト てち不在のゆいちゃんずダブルセンター これはこれで 「ねぇ、おじ様は怖くないの?」 目の前の駐車場に出入りする車に目を向けたまま、ライフル女が鳴滝へと問いかけた。 「所構わず弾丸ぶっ放す君らの事がか?」 「ちゃんと場所はわきまえてるわよ」 「いや、ライフル持ってる時点で、お前ら普通じゃないぞ」 互いが互いを見る事なく、二人はそれぞれの本音を交わした。 「普通じゃない……。それもそうかもしれないけど、そうじゃなくて……」 そこまで言いかけて、ライフル女は声を絞るように言葉を止めた。 顔を合わせるのはまだ三度目だが、彼女らしくないその様子に、鳴滝は思わずライフル女へと顔を向けていた。 「見たでしょ?……私の目……」 鳴滝が見た隣に座る女は、思い詰めた表情で俯いている普通の女の子だった。 これまで高飛車だったその女の変化に、鳴滝はいつものように飄々とやり過ごす訳にもいかず、ただその横顔を見つめるのみだった。 「私のあの目を見た人間は、みんな逃げ出すのに……化け物だって言ってさ……」 「化け物?だとしたら、随分と可愛い化け物だな」 苦笑いで鳴滝はそう答えていた。 「それだって……普通じゃないんでょ?」 そこで、やっとライフル女は鳴滝へと視線を向けた。そして、やはりその瞳は黒。何処にでもいる女の子でしかなかった。 「じゃあ、逆に聞くが、君の言う普通ってのは何なんだよ?」 「それは……」 互いに見つめ合うその瞳の奥に、互いがその答えを探していた。 >>128 素晴らしい役をありがとうございます キャラ設定は理佐ちゃんは性格の良いダメ男と結婚する気がするのでその線でお願いしますm(__)m >>131 ダメ男ww では、尻に敷かれるって事で 「片腕が無かったら、君はその人を化け物と呼ぶのか?片目が無かったら、その人も化け物と呼ぶのか? 」 沈黙から先に抜け出したのは鳴滝だった。 「そんなわけないじゃん。てか、それって極論だし」 尾関梨香とは違い、このライフル女は冷静に鳴滝の言葉を捉えていた。 「じゃあ、何なんだよ?君の考える普通って」 「何って……」 それでも尚問いかける鳴滝に、ライフル女は言葉を探して目を伏せた。 「他人と違うから普通じゃないのか?何かが足りないから普通じゃないのか?何かが多いから普通じゃないのか? 親がいないから普通じゃないのか?」 戸惑うライフル女に構わず、鳴滝が畳み掛けるように言い放った。 「海の向こうの小国では、君よりも幼い子供が銃を持って闘っている。この国で報道されていないだけで、それは事実だ」 そう語る鳴滝は、ライフル女ではなく宙の一点を睨みつけていた。何かを思い出しているかのように。 「常識なんてものは、国によって違う。命の重さでさえ違うんだ。くだらねぇ……」 そこで我に返ったように、一瞬だけ目を見開いた鳴滝がライフル女へと視線を戻した。 「俺は君と同じ金色の瞳を持つ男を知っている。俺がただ一人、負けを認めた男だ」 「同じ? 」 「そう。同じ金色の瞳だ。俺が探偵になる前の話しだがな。だから、どうって事ないさ」 >>126 えっ…!? http://o.5ch.net/13b5e.png そんなありがたいオファーをいただけるなんて… そのお言葉だけで十分でございます(笑) >>134 では、ネット世界ではイラスト絵師として知られながらも、本職はハッカーと言う設定で。 「ねぇ、おじ様……」 宙を睨みつけていた彼から一転し、優しい目をした鳴滝へとライフル女が問いかける。 「私は、東村芽依。この子が……」 そう言って、芽依はモッズコートの女へとめを向けた。 「加藤……志帆」 相変わらずの無表情ながら、少し戸惑うような声で、モッズコートの女がその名を示した。 「俺は鳴滝慎吾。先にも言ったように、貧乏探偵だ」 自らの名を示したライフル女へと、鳴滝も自らの名刺を差し出した。 「安くしとくぜ。助っ人してもらった恩があるからな」 「じゃあ、ひとつお願いしようかな」 そこで、やっと芽依が例の悪戯な笑みを取り戻した。 「殺しと盗み以外なら、何でも来いだ」 「クロウを探し出して」 「君達の狙いは、やはりそれか」 そう言った鳴滝は目を細めた。 「やはり……って……気が付いてたんだ?」 「探偵なめるなよ。兎か猟犬か……逆の立場になれば簡単に分かることさ」 「へぇ……」 意味深であり、尚且つ最短のその言葉で芽依は鳴滝の解説を誘った。 「獣を誘い出す餌としての兎か、獣を追い詰める為の猟犬か……そうだろ?」 「なかなか賢そうなワンちゃんで良かったわ」 「うるせぇ。クソガキ」 そう言い放った鳴滝の顔にも、東村芽依と同じ意味深な笑顔が浮かんでいた。 >>126 時に皮肉めいた風刺で世の矛盾を厳しく問いつつも 実は坂道ちゃんとかの美少女らから放たれるエロにはめっぽう弱い 市井の画家とかで もっと大きく出て 野党の党首とか紅白の司会芸人でもいいですw >>137 市井とか博学でいらっしゃる。 なかなか出て来ない言葉です。 では、画家の線で。 >>138 そうなんですよね…… 最初に飛ばしすぎた感ありありです。 どこかで貯金作らないと。 とりあえず同時進行になりそうです。 同じ曲なのに、プロだとアコースティック一本だけのアレンジでも、ここまで変わるのか…… https://youtu.be/7UuNAKFV6KQ 「お雛様みたい……」 その時、鳴滝と芽依の正面に立って二人を見ていた加藤史帆が、無表情のままぬるっとそう呟いた。 「何言ってんだ、お前?」 それに対して、鳴滝は反射的にそう言ってしまっていた。 これは尾関梨香の影響によるものだ。いつも肝心なところで、すっとこどっこいな発言をする尾関梨香に対しての常套句であり、彼の口癖のようになっていた。 加藤史帆が二人をお雛様みたいだと感じた理由は、全く分からないでもなかった。彼が手に持つコーヒーの缶が、お内裏さまの手に持つ笏に見えたのだろう。 鳴滝の言葉を受けて、加藤史帆は照れ隠しなのか、すぐさま二人へと背を向けた。 「こう言っちゃなんだが……安心したよ」 その加藤史帆の背中へと向けて、鳴滝が穏やかな顔で言った。 「本当の殺し屋は感情が無い。まさに機械だ。少なくとも、俺が見てきた奴等はな。でも、君はまだ女の子なんだな」 鳴滝の言葉に、加藤史帆は僅かに俯いた。スラリと伸びた長身の背中が、その時ばかりは小さく見えて、鳴滝は寂しげに目を細める。 「心配してくれてたんだ?」 隣に座る芽依が、驚きを含ませた潤んだ目で問いかけた。 「まぁ、何と言うか……。ガキはガキらしくしてろって事さ」 「ガキじゃないし!殺し屋でもないから!」 鳴滝の言葉が幾らか気に障ったらしい。 東村芽依が声高にそう言い返していた。 「じゃあ、お前達は何なんだよ?」 即座に返された鳴滝の問いに、何かを言いかけた芽依だったが、見開いた目を彼から逸らして正面を見据えて黙り込んだ。 「まぁ、いいか」 あっさりと追及を諦めた鳴滝の声に、芽依はその顔を見た。 「君らも何かの組織に属している以上、そう簡単にペラペラ喋る事が出来ないだろうな。ただし、これだけは言っておく……」 真剣な顔で、鳴滝は史帆へと向けた視線を再び芽依へと戻した。 「自分の命を粗末にするな。強い相手に立ち向かって勝てるのは、映画やドラマの中の主人公だけだ」 そう言った鳴滝は、不意に立ち上がり隣にある自動販売機へと硬貨を投入した。 「君らもそれなりの修羅場を踏んで来たのは、俺にだって大体の予想はつく。何らかの特殊な能力を持っている事も」 自動販売機の取り出し口から二本の缶コーヒーを掴み上げた鳴滝は、芽依と史帆へとそれぞれに缶を放り投げた。 コートのポケットに両手を入れたままの史帆は、受け取り損なうかと思われたが、流石の反射神経で、難なく缶を受け取っていた。 その姿に、鳴滝はニヤリと笑みを浮かべる。 「いや。むしろ、その特殊な能力ゆえに、今の状況にいるのかもしれないが……」 そこまで語った鳴滝は、語尾に意味深な空白を残し、再び芽依の隣へと腰を降ろした。 一方の芽依と史帆は、鳴滝の次の言葉を待つように、ただ黙って彼をみつめていた。 「つまり何が言いたいかと言うと……逃げたきゃとことん逃げろって事さ。命のやり取りにおいての強さってのは、相手の力量を見極める力だと思うんだ。生き残る方が勝ちなら、とことん生き残れ」 「背中から撃たれるなんて、絶対に嫌だ」 そこで、やっと芽依が口を開いた。 「そんなくだらねぇプライドなんか捨てちまえ。君らの世界では、それが格好良い事なのかもしれないが、俺から見たらわけがわからない」 少しばかり挑発するかのように、鳴滝が笑みを含んだ言葉を投げかけた。それに反比例して、芽依と史帆の眼光は鋭さを増した。 「テレビのニュースで、中学生や高校生が自殺したと聞くたびにに思うんだよ……」 続けて語り出した鳴滝のその予想外の言葉に、何事かを言いかけた芽依が口を閉じた。 「逃げ場が無かったんだなってさ。俺達はいつのまにか忘れちまっているが、彼等の世界は家か学校しか無いんだ。クソ狭い世界さ。 親が逃げ道を作ってやれればいいが、その親さえ……」 そこで鳴滝は、やっと冷めた缶コーヒーを開けて口を付けた。 「常識や世間体なんて、くだらねぇプライドの為に子供の選択肢を削っちまう。それが子供の命を削っているなんて知らずにさ」 それまで宙を見ていた鳴滝が、芽依へ、そして史帆へと順に視線を向けた。 「お前ら、自分がガキじゃないと言い張るなら、もっとしたたかにしなやかに生きてみろ。逃げたっていいんだ。何に価値を求めるかは人それぞれだろうが、それだって生きていてさえこそだ。銃を手にしているお前らなら尚更だ」 そう言った鳴滝の視界の中で、芽依がニヤリと笑った。 「ひょっとして……おじ様はいじめられっ子だったの?」 「と、思うだろ?それが違うんだなぁ」 「じゃあ、何なの?」 「いじめっ子をぶん殴る方さ。見ていてムカつくからな」 「格好つけ過ぎ」 「お陰で敵ばかりだった。でもさ、泣いてる奴が笑うのを見ると、それも悪くない。自己満足の偽善者かもしれないが」 「苦っ!」 鳴滝の言葉を芽依が遮った。 「ブラック……あたし、苦手」 手にした缶のラベルを見た芽依がそう呟いた。 「どんな世界も、そのブラックコーヒーと同じさ。その苦味さえ旨いと思えるようになったら、一人前なんだ」 そう言った鳴滝は、揶揄うように笑顔を見せた。 >>145 鳴滝の人生哲学を垣間見るたびにどんな人生を生きてきたのか気になりますな >>147 それは徐々に明らかになります。 多分、きっと、おそらく。 「芽依……あれ……」 そう言った史帆の視線の先を辿ると、そこには建物から出て来て、鳴滝を探す尾関梨香の姿があった。 「じゃあね、おじ様」 芽依は傍らのバッグを肩に掛けて立ち上がった。 「後で電話してくれ。クロウについて知りたいからな」 「気が向いたらね」 曖昧な返事を鳴滝へと残し、芽依と史帆は駐車場の奥へと消えて行った。現れた時と同じく、気配を消して。 「鳴さん、そこに居たんですか」 入れ替わるように鳴滝の前に歩み寄ったのは、彼の相棒である尾関梨香だった。 「ああ。ずっとここに居たよ」 「何してたんですか?」 「ちょっと考え事をしてたんだ。それより、そっちの用事は済んだのか? 」 尾関の詮索の矛先をかわす様に、鳴滝がそう問い返した。 「はい。まぁ、用事って程の用でもないですけど」 あっけらかんと語りつつ、それが当たり前の様に尾関梨香は鳴滝の隣へと腰を降ろしていた。 「なんだか……めちゃくちゃな一日でしたね」 張り詰めた糸が全て切れた操り人形の様に、尾関は肩を落としてそう呟いた。 アメブロと並行しながらの更新乙です 鳴滝の考え方に共感する部分もあるなあと最近思いながら読ませてもらってます http://o.5ch.net/13eiv.png >>150 ありがとうございます! 鳴滝の考え方は、キャラを立てる為に極端に偏らせてます。欅坂をタイトルにしている以上、欅ちゃん達がメインなのですが、そうなっていないのが悩みどころですww 「何言ってんだ?お前。まだひと仕事残ってるぞ」 「は?」 どこか嬉し気に常套句を口にした鳴滝へと、尾関梨香は不審者を見るような表情で顔だけを彼へと向けた。 「長濱ねるが世話になっていたと言う、川口玲子に話しを聞かなきゃならないだろう?」 「これからですか?」 そう言って尾関梨香が見た彼女の腕時計の短針は七を、短針は三を少し過ぎた場所を指していた。 「何時だろうと知った事か。人ひとりの命が掛かってるんだ。むしろ、夜の闇は奴等にとっては好都合だしな」 「奴等って?」 「殺し屋さんに決まってるだろ」 「てか、なんで鳴さん、そんなに嬉しそうなんですか?」 この数年、すぐ側で彼を見て来た尾関梨香にとっては、今の鳴滝には違和感しかなかったようだ。 「不安要素がひとつ減ったからさ」 その鳴滝の言葉を受けて、尾関梨香は彼を見たまま暫し沈黙した。そして、思考を整理した彼女の口から漏れ出た言葉はひとつ。 「何言ってるんですか?鳴さん」 これまで自分へと向けられて来た鳴滝の常套句を、今回は尾関が彼女の言葉で彼へと口にしていた。 「そのうち分かるさ」 そう言った鳴滝は、優しげに目を細めて尾関を見た。 その二人を、少し離れた場所で見守っていた守屋茜の隣で、益田クリスがひとつ溜め息をつく。 「やはり……何か……違いますね」 溜め息の後に続けられたクリスの言葉に、守屋茜は彼女へと目を向けた。 「だから最初に言ったでしょう?変な奴だって」 少し呆れた顔で、守屋茜がクリスへとそう言葉を返していた。 「変な人と言うより、謎の人です」 「そうかしら?ただの変わり者としか思えないけれど」 「堂崎教会での彼の動き。ただの護身術のようには思えませんでした」 「動き?」 眉を顰めて守屋茜がクリスへと問う。 「はい。あの平手友梨奈がダガーで襲って来た時です」 「ああ……」 思い出すように、守屋茜は腕を組んだ。 「いくらレクチャーされていたとしても、実際にナイフを向けられたら多くの人間は逃げ腰になります。けれど、彼は……何と言うか……慣れているように思えました」 「それなりに危ない橋も渡って来てるわよ。彼だって」 「それだけでしょうか?それに、浦頭教会で彼が口にしたアヴェ・マリアはラテン語でした。それ自体はシューベルトの歌詞ですが、最後の一言は違いました」 「これも貴方の御心ですか……ってとこ?」 「ええ。その文言はラテン語の歌詞の中にはありません。彼自身の言葉だと思います」 「確かに、彼は謎が多いけれど……今は詮索するのはやめましょう。平手友梨奈を確保することの方が先決だもの」 「Let it be」 そう言ってクリスは微笑んだ。 直訳すれば「あるがままに」または「成り行きに任せろ」と言う事になるのだろうが、きっと鳴滝の言葉への返しだと気づいた守屋茜は、彼女の言葉でその意図を口にした。 「御心のままに……」 その守屋茜とクリスへと向かって、尾関梨香が天使のような笑顔で走り来る姿が見えた。 とりあえず 書き始めてもうすぐ4ヶ月 この小説はいつ終わるんだろう…… こんなに長くなると思わなかった https://i.imgur.com/Q4veWya.jpg 「茜さん、ちょっと聞いて下さいよ!」 二人の前へと駆け寄るなり、尾関が声を上げた。 「どうしたの?」 「あの万年ヒラ社員みたいな自己中探偵が、これからまた聞き込みに行くって言ってるんです!」 「尾関ちゃん……そんな事、笑顔で言っちゃダメ……」 「もう笑うしかないっす!」 「言葉までおかしくなってるわよ。大丈夫?」 感情に表情が伴わない尾関梨香へと、守屋茜が心配そうに声をかける。 「まぁ、下見だけでもしておいた方がいいと思ってさ」 三人の元へと追いついた鳴滝がそう提案した。 「そうですね。武家屋敷通りまでは、ここから遠くありませんから」 「よし、とりあえず行ってみるか」 クリスの同意を受けて、鳴滝は一人で駐車場へと歩き出した。 「鳴さん!」 そこで尾関梨香が声を上げた。 「文句なら、行きがてら車の中で聞くよ」 面倒臭そうに振り向いた鳴滝だったが、背後に立つ尾関梨香だけでなく、守屋茜とクリスまでもが目を見開いている姿に息を呑んだ。 「何だよ?」 只ならぬ雰囲気に、鳴滝の声も少し上擦っていた。 「背中……」 尾関梨香が強張った表情で鳴滝を指差す。 「背中?」 尾関の言葉を受けて、鳴滝は着ていたスーツの上着を脱いでその背中を見た。 >>154 4ヶ月お疲れ様ですm(__)m 超長期連載に向けてこれからも頑張ってください! >>156 ありがとうございます。 五島編終わらせて、庭さんを渡邉理佐の奴隷編を書ける日を楽しみにしていますww 「こいつは……」 その存在に気づいた鳴滝も、他の三人同様に目を見開く。だが、すぐさま彼の表情の端に笑みが込み上げていた。 何故なら、彼のスーツの背中には白い紙で作られた、あのヒトガタが張り付いていたのだ。 「それって……陰陽道の……」 「ヒトガタ……いや、こいつは式神だ」 驚愕に言葉を詰まらせる守屋茜に代わり、鳴滝がその名を口にした。しかし、その鳴滝の顔は苦笑いと言うよりも、幾ばくかの狂気を含んだものだった。 「大丈夫?」 その表情に良からぬ胸騒ぎを覚えた守屋茜が、彼の元へと駆け寄った。 「やはり、お前だったのか……」 紙で作られたヒトガタを手に取った鳴滝が、それを夜空へとかざす。その奇妙な行動に、守屋茜の足が止まった。 「探したぞ、マグス……」 何者かの名を口にした鳴滝の顔には、既に狂気にも似た笑みが浮かんでいた。 その異様な光景に、女三人はただ遠巻きに見つめるしかなかった。 夜の闇に鳴滝がかざしたヒトガタは、尾関梨香が車内で見つけたものと形は同じであった。しかし、ひとつだけ違うとすれば、その中心には朱色で描かれた星型。 「式神……」 その違いに、いち早く気付いた尾関梨香が呟いた。だが、その彼女の言葉さえ、今の鳴滝の耳には届いていない。 尾関の前で、彼はヒトガタを夜空へとかざしたまま跪き、天を仰いでいた。 「デオ、グラチアス!あんた、最高だぜ」 祈るかのようにそう叫んだ鳴滝は、腹を抱えて笑い出していた。 「デオ、グラチアス……神に感謝……」 鳴滝の言葉をクリスがそう翻訳した。 彼の異様な行動に驚きつつも、彼女は何とか最後の冷静さを保っているらしい。 その間にも、鳴滝は祈りを捧げる姿から地面を転げて笑うまでに奇行が進んでいた。 鳴滝の笑い声に、尾関梨香や守屋茜のみならず、他の買い物客までが集まり出した。それに構わず、鳴滝は相変わらず笑い転げている。 そんな彼の姿を見るのは尾関梨香だけではなく、守屋茜さえ初めてだった。それ故に、どうする事も出来ずに彼女達は立ち竦むしかなかったのだ。 「なぁ、マグス。お前、こいつを使って俺を見てるんだろう?」 右手にしたヒトガタを再び夜空へとかざした鳴滝が、やっと人らしい言葉を発した。 「お前の首は俺が刈る。待ってろよ……」 群がる野次馬の只中で、鳴滝は右手のヒトガタの首筋を左手の人差し指と中指のみで横一線に斬り裂いた。 皆の見守る中、はらりとヒトガタの頭だけがアスファルトの地面へと舞い降りる。 「ノウマクサンマンダ、バサラサダンカン」 続けて鳴滝の口から漏れ出たラテン語ではないその言葉に呼応するかのように、彼の手の中のヒトガタの胴体と地面に落ちた首とが同時に炎に包まれて、一瞬で真っ白な灰と化していた。 「おお!凄え!」 野次馬の一人がそう声を上げた。 「レディース、アンド、ジェントルメン!短い余興にお付き合い頂き、ありがとう!残念ながら、今宵の出し物はこれが最後だ。シーユーアゲイン!また会おうぜ!じゃあな」 自らを取り囲む野次馬に手を振りつつ、鳴滝は駐車場の奥へと歩き出した。 その背中を他の三人は野次馬と共に見送っていた。 これは夢なのか?そう思わせる程に、この時の鳴滝は違っていたのだ。尾関梨香の記憶にも、守屋茜の記憶にも存在しない鳴滝慎吾の存在。 それは、もはや何者にも知り得ない存在だったのかもしれない。彼が口にした「マグス」と呼ばれた存在以外には。 >>160 保守ありがとうございます! メンバーの名前まではわかりませんが、 a-haは知ってますwwどんどんイラストの クオリティ上がってますねー ドコモシリーズで保守 http://o.5ch.net/13gnu.png やはり美人の顔は描くのが難しいなぁ… なーこ「え…?」 もんた「はぁ?」 ずみこ「ふぉ?」 ショッピングモールの看板の作り出す淡い光のみが照らす駐車場の中を、鳴滝は自らが乗るべき車とは逆の方向へと歩いていた。 ヒトガタが張り付いていたスーツの上着を左腕に掛けて、彼は思い悩むようにゆっくりと歩を進める。 その時、上着のポケットの中の彼のスマートフォンが着信を知らせる振動を始めた。 「早速、気が向いたらしいな」 即座に取り出したスマートフォンを耳に当てた鳴滝が、どこか嬉し気に何者かに話しかけた。 やがて、その何者かは静かに鳴滝に近づいて来た。あのレンガ造りの教会の駐車場て見た赤い軽自動車だ。 ハンドルを握るのは加藤史帆。助手席には既に金色へと変わった瞳の東村芽依がいた。 その東村芽依も、同じくスマートフォンを耳へと当てている。 「おじ様って、手品も出来る探偵なんだね」 「なんせ、貧乏探偵だからな。いつでも転職出来るように憶えたのさ」 東村芽依の皮肉混じりの言葉に、鳴滝もそれ相応のジョークで返していた。 「お上手。タネ明かししてよ」 「嫌だね。企業秘密ってやつさ」 助手席側の窓を開ければ直接に話せる距離にありながら、鳴滝と芽依は互いの目を見る事もなくスマートフォン越しに会話を続けていた。 「なぁ……ひとつだけ教えてくれ」 「なぁ……に?」 鳴滝の口調を真似て、東村芽依が即座に問い返す。それが、彼女の悪い癖らしい。 どうでもいい発見。 乃木坂の鈴木絢音と、初期の長沢菜々香が 何となく似ている。 https://i.imgur.com/1I80N7P.jpg この子が何だか気になっていたのはこれか〜と、 今になって気が付いた(´ー`) スッキリ 乙です 鳴さんがカッコよく見えてきましたw フィリップ・マーロウみたいな男の美学が伝わってきます >>165 もしかすると、ニャンコ先生とは顔の好みが同じかもしれません なーこちゃんは美人と評価されることが少ないですが、 よく見ると綺麗な鼻筋をしてて、メイク次第でいい方向へ化けるじゃないかと期待してます 鳴滝はちょっと俺と似てるかも? ハードボイルドなとことか手品出来るとことか 今年も311がやって来ましたね 虹花のブログを読んで心を新たにして久しぶりに黙祷しました という保守 http://o.5ch.net/13iuu.png 今日の絵にはほんのちょっとだけ仕掛けがあるけど大したことではありません >>166 フィリップ・マーロウは目標ですね(^_^) なーこは確かにメイクで変わると思います。 あとは年齢を重ねる毎に、大人の魅力も身につけていい女になるでしょうね。 >>167 マジですか! 私は不器用なので手品は無理! >>168 あの日からもう7年なのか、まだ7年なのか。 いろいろと考えさせらるところは未だにあります。 イラストの仕掛けをこれから解いてみますね。 「君は……君と同じ金色の瞳を持つマグスって奴を知っているんだろう?」 ひとつの確信と共に、鳴滝がそう問いかけた。 「マグス?……知らなぁい。……同じ目をしている人なら知ってるけど」 僅かな沈黙を挟んで語られた彼女の言葉に、 鳴滝の目にに、再び狂気にも似た覇気が宿っていた。 「そいつの名前は?」 間髪入れずにそう問いかけた鳴滝だったが、彼の耳に当てたスマートフォンは長く沈黙したままだった。 その沈黙についに耐えきれなくなった鳴滝は、彼女の金色の瞳へと目を向けた。 「おじ様が、さっきの手品のタネ明かしをしてくれたら教えて、あ・げ・る」 視線を合わせるのと同時に、東村芽依が鳴滝へと条件を突き付けていた。 「そいつは出来ない相談だな。何故なら……」 「何故なら?」 今度は意図的に、東村芽依は鳴滝の言葉をなぞっていた。 「その上から目線が、誰かさんみたいで気に食わねぇ……からかな……」 「誰かさんって、あの可愛い相棒さん?」 「さぁな……」 「意地悪ね。そんな意地悪さんに、あたしからも聴きたい事があるんだけど。聞いてくれる?」 「何だよ?」 そう言った鳴滝は、東村芽依の金色の瞳を凝視したまま問い返した。 「おじ様、クロウの事を知ってるんでしょ?」 悪戯な笑みを浮かべた芽依が鳴滝へと更に問い返す。その挑戦的な小娘の表情に、鳴滝は右の口角のみを上げた苦笑いで答えた。 「忘れたいが思い出せないな」 「やっぱり……そうなんだ……」 鳴滝の言葉を受けて、彼女は彼女なりの確信を得たらしい。その芽依の視線が鳴滝から前方へと移った瞬間、動きを止めていた彼女の乗る赤い軽自動車が再び静かに動き出した。 鳴滝がその進行方向へと目を向けると、そこには心配そうな顔をして鳴滝を見つめる尾関梨香の姿があった。 「ねぇ、おじ様もこっち側においでよ。あたし達、良いコンビになれそう」 その時、鳴滝の耳に当てたスマートフォンから芽依の声が響いた。 「悪いな。俺の相棒は俺が決める」 「この子の何が良いの?」 そう問い返した芽依の乗る車は、既に尾関梨香の横で動きを止めていた。 「そいつの良さは、今の君じゃ分からないさ」 「妬けちゃうなぁ……」 そう言った芽依は、自らが座っている助手席側の窓を僅かに下へと降ろした。そのモーター音に、鳴滝を見つめていた尾関梨香の視線が東村芽依の存在を捉える。 「ねぇ。あの人、あたしが貰ってもいいかな?」 「何言ってるの?」 金色の目をしたままの芽依の突然の問いかけにも、尾関梨香は怯む事なくそう言い返していた。 「あなたより、あたしの方がお似合いって事よ」 「そう。じゃあ、いいよ。だだし、返品不可だから」 「え?いいの?」 おそらくは想定外だったのだろう。尾関梨香の言葉に、東村芽依の瞳の色は金色から黒へと変わっていた。 >>171 更新乙です 仕掛けが解けたらさすがに怖いっす(笑) 因みにサイコ〜とサイコをかけたわけではありません(笑) >>168 山居倉庫の東側に星印がありますね ブログに掲載されているマップの位置関係から推察するに、その場所は土門拳記念館に一致しますから、それが仕掛けの一つでしょう 星印で思い当たるのはミシュランガイドの星数で、調べたところこの記念館は星2つでしたから、これは多分関係ありません 最近のチワンさんは、植田正治に纏わる作品をお書きになられてましたから、写真にも造形が深い この星印は土門さんに対する個人的なリスペクトを示したものではないかと思われます 鳴滝さんに負けじと、でっち上げ推理を拵えてみましたw 絵そのものに仕掛けがあるのなら、絵心のない僕はお手上げですw >>175 すごいですね(笑)さすがです 植田正治さんのほうはまだなんですが、土門拳記念館には1回行ったことがあるんです あの仏像写真の実物を巨大に引き伸ばして展示されていて それを見ていると土門氏の「仏像はね、走ってるんだよ!」という名言がまさに感覚として素直に入ってきて、ひたすら圧倒されます 建物もモダンで綺麗ですし、ぜひおすすめですよ で、なぜこっちには行ったことがあるかというと 実はそこの町で私は生まれたんです 本当に幼いうちにまたよそに引っ越してしまったので、当時の記憶も全く無いんですが 大人になってから行ってみたら、不思議なことに何か空気が違って感じるんですよね やっぱりふるさとってことなのかなあって思ったものです 以上解答終わり(笑) 続き頑張ってください(笑) >>175 見事な名推理です! 参りましたm(_ _)m >>176 元画像との違いで、星マークまでは気が付いたのですが、記念館と何の関連があるのかまでは 、全く分かりませんでした。 「仏像は走っている」深いですね。 「いいよ。けど、あの人は探偵だよ」 「だから、何?」 「あなたは探偵になれるの?」 「探偵なんて、あたしにだって出来るわ」 「探偵舐めるなよ」 少しばかり鳴滝を意識させる尾関梨香の言葉に、東村芽依は苦笑いを浮かべた。 「芽依。行くよ」 二人の会話を遮るように、軽自動車のハンドルを握る加藤史帆が言い放つ。その彼女の瞳には、サイドミラーの中で急かすようにライトをパッシングさせる車があった。 「じゃあね。探偵ちゃん」 皮肉を含んだ言葉を残し、芽依を乗せた車は駐車場から出て、道の先に拡がる闇へとテールランプの赤だけを残し消えて行った。 その姿を見送る尾関梨香の横へと、白い乗用車が止まった。 「乗って」 クリスに代わり助手席へと座っていた守屋茜の声がした。その声に素直に従い後部座席のドアを開けた尾関梨香の視線の先には、腕を組んで座る鳴滝の姿があった。 尾関梨香がその隣へと座るのと同時に、車は走り出す。 「あの女と、何を話してたんですか?」 シートベルトを締めながら、尾関が鳴滝へと問いかけた。 「手品の話しをしてたんだよ」 「手品って……あの人形を燃やすやつですか?」 「ああ、そうさ。モナリザの忘年会でやってやろうと思って練習してたんだよ」 「悪趣味です。それに、まぐすって誰ですか?」 尾関梨香が口にしたその名前に、守屋茜が耳を傾けるように顔を動かした。それに対し、鳴滝は深い溜め息をひとつつき、窓の外へと目を向けた。 只今、帰宅(^_^) >>179 ウオォ!もう職人の域ですよねww 色使いが素晴らしい 沈黙した鳴滝の答えを待つ間に、四人を乗せた車はいつしか市街地へと入っていた。 「もうすぐ武家屋敷通りです」 ハンドルを持つクリスが、助手席の守屋茜へと次の指示を仰ぐかのように語りかけた。その守屋茜は、そこでやっと後部座席の鳴滝へと顔を向けた。 「私達はこのままホテルに向かうけど、あなた達はどうする?」 「とりあえず、その武家屋敷通りに着いたら適当なところで降ろしてくれ」 守屋茜の問いかけに、沈黙していたはずの鳴滝が即座に答えを返した。 「泊まる所は決めてあるの?」 「あ……」 守屋茜の言葉に、尾関梨香の顔が引きつった。その表情から全てを察した鳴滝は、呆れたような苦笑いで守屋茜を見た。 「まぁ、観光シーズンでもないから、いくらでも部屋は空いているだろ」 「大丈夫ですかね?こんな時間に……」 先程までの強気な態度から一転し、尾関が小声で呟いた。 「どうとでもなるさ。夜通し張り込みする案件に比べりゃ、何て事ないだろ?」 「で……ですよね……」 ホテルの予約を忘れた負い目もあってか、尾関は反論する事も出来ずに、鳴滝の言葉に無理矢理に同意していた。 「ここが武家屋敷通りです」 その時、目の前に現れた信号機から右にハンドルを切ったクリスが、ルームミラー越しに鳴滝を見た。 「今日はありがとう。せっかくの休暇を無駄に遣わせて申し訳なかった。この埋め合わせは、何かの形で必ず返すよ」 あのショッピングモールの駐車場での奇行からは、全く想像も出来ない様な鳴滝の紳士的な言葉で、彼に返す言葉に戸惑ったクリスが助けを求めて守屋茜へと目を向けた。 更新乙であります >>181 実はようやくお絵描き機能での色の増やし方に気が付きまして(笑) ここまで来るのに2年半かかっているという(笑) 「勿論、きっちり返してもらうわ。諭吉さんでね」 「何で俺んとこの諭吉さんには、みんな羽が生えてるんだろうな」 「ジェットエンジン搭載してるよりはマシでしょ?」 「とりあえず、レンタカー代とガソリン代はこっちに回してくれ」 「冗談よ。今回は貸しって事にしておくわ」 「逆に高く付きそうだ」 鳴滝と守屋茜のやり取りを、クリスは複雑な表情で聞いていた。あの駐車場での彼を見ていながら、何故に普通に会話出来るのだろう? あの人形を一瞬で灰に変えた炎が、手品などではない事を守屋茜も気が付いているはずだ。いくら元相棒とは言え、ここまで寛容になれるものだろうか? それらの疑問が、クリスを一層無言にさせていた。 そのクリスが見守る中、鳴滝はトランクから尾関梨香と自らの荷物を取り出し、彼女へと手を振った。その顔は子供の様に無邪気な笑顔を浮かべている。 「宿泊先が決まったらメールしておいて。朝に迎えに行くから」 助手席の窓から顔を出して、守屋茜が尾関梨香へと指示を出した。 「はい。いろいろすいません」 「気にしないで。お互いの為だもの」 深々と頭を下げた尾関へと、守屋茜は笑顔でそう答えていた。 「そっちは、どこに泊まるんだ?」 「コンカナ王国って所よ。昼間に行った鬼岳の近くらしいわ」 両手に荷物を抱えた鳴滝の問いかけに、守屋茜も即座に答える。それが当たり前かの様に。 「そっか。俺が言えた義理じゃないが、今夜はゆっくり休んでくれ」 そう言った鳴滝の顔はどこか苦笑いにも見えた。何故なら、その時の彼の脳裏には、欅の葉っぱでの長沢菜々香の顔が一瞬だが過ぎっていたからだ。 寝落ちしないように、ベランダで書いてます。 (´Д` )寒くない。春だなぁ…… >>187 執筆のためにそこまでなさるニャンコ先生に敬意を表しますm(__)m 守屋茜達の車を見送った鳴滝と尾関は、当てもなく武家屋敷通りと呼ばれる道を歩き出した。 街灯が照らし出すその通りは、両脇に並び立つ石造りの塀以外には特に歴史を感じさせるものでは無かった。昼間であれば、また趣きも違うのだろうが。 「何処ですかね?全く分からないんですけど」 初めての土地である為か、尾関が戸惑いながら鳴滝へと問いかけた。 「Google先生に聞いてみるか」 初見の土地であるのは鳴滝も同じだった。 立っている者は親でも使えと言わんばかりに、鳴滝は手元のスマートフォンの画面の上に指を這わせた。 「確か、この辺のはずなんだが……」 スマートフォンの画面が照らし出す鳴滝の顔は、困った様に眉間に皺を寄せている。 「探偵が迷子って……笑えない」 そう呟いた尾関梨香の目の前で、鳴滝が不意にすぐ側の闇へと身構えた。その緊張感に、尾関も即座に身構える。 「お待ちしておりました」 身構えるその二人へと、穏やかな女の声が届いた。その声の主へと目をやった尾関の口が開いたまま動かなくなった。 まさに開いた口が塞がらないとはこの事だろう。 その声の主は、石造りの塀の隙間に開いた門の中の闇に立っていた。 淡い鶯色の着物を身に纏い、真っ直ぐに腰まで伸びる黒髪の中に浮かび上がる白い肌。その中にあって、穏やかな優しさを湛える微笑み。 江戸時代どころか、平安の時代へとタイムスリップしたかの様なその光景に、尾関はただ立ち竦むしかなかった。 「貴女は?」 その雰囲気に惑わされる事なく、?そう問いかけたのは鳴滝だった。 「私が……川口玲子です」 囁く様なか細い声でありながらも、全てを包み込むかのような柔らかなその声に、尾関は警戒を解いていた。 >>188 いやいやいやwwww ぬくぬくとしてたら疲れから直ぐに寝ちゃうって理由だけですから。 そんな敬意を表される程の高尚な事ではありませんってww 大人の時間に颯爽と現れるキティちゃん…… う〜ん。マニアには堪らないでしょう。 が!どうフォローしていいのやら…… 「お待ちしておりました……とは? 」 一方の鳴滝は警戒を解く事なく、即座にそう問い返していた。 「秋元市から来た探偵が、シスター長濱の話しを聞きに来るだろうと連絡がありました」 「どなたからですか?」 笑顔を絶やさず彼の問いに答えた川口玲子へと、鳴滝は更に問い返した。 「堂崎教会で受付をしている女性からです」 その言葉に鳴滝は目を閉じて暫しの間沈黙した後、目の前に立つ着物姿の麗人に笑顔を見せた。 「試しているんですか?私を……」 その鳴滝の言葉の意味が分からず、尾関梨香は背後から彼の顔を窺い見た。 「試すとは……どう言う事でしょうか?」 相変わらずの笑顔で、今度は川口玲子が問い返した。その笑顔が今は不自然に思えて、尾関梨香は再び警戒するように鳴滝の影へと身を寄せた。 「堂崎教会の受付の女性へは、フリーライターとしか伝えていません。私が探偵である事は彼女は知らないはずです」 笑顔を見せながらも、そう語る鳴滝の声には人間らしい抑揚は無かった。 その状態の鳴滝についてよく知る尾関は、敢えて静観していた。 鳴滝の声に抑揚が無くなる時……それは右手で顔を覆う時と同じなのだ。 つまり、彼の思考がフル回転している証しだった。ここで何かしらの言葉を挟んで邪魔をすると、後でこっ酷く叱られるのだ。 「あの子を軽くあしらっただけの事はありますね。探偵と言う肩書きは伊達ではない……恐れ入りました」 そう言いつつ、川口玲子は鳴滝へと会釈していた。 「あの子とは……平手友梨奈と受け取ってもよろしいでしょうか?」 「はい。しかし、こんな場所では何ですから、狭いですが家へとお上がり下さい」 そう言った川口玲子は、鳴滝と尾関を誘うように敷地内の家屋へと一人で歩き出した。 その誘いに抗う事なく、鳴滝もその足を進めていた。彼の背後に立つ尾関梨香も、その影を追うように敷地内へと足を踏み入れる。 あっさりと鳴滝の推理を受け入れた川口玲子という女性の長い黒髪に、彼女のこれまでの半生が映し出されているように思えて、闇夜の中ではあったが、尾関は目を凝らしてその後ろ姿を追っていた。 石塀の中には、小さな家庭菜園を傍らに携えた平屋建ての昭和を感じさせる家。武家屋敷とまではいかないが、古き良き時代の片鱗がそこにはあった。 「どうぞ、お上がり下さい」 川口玲子の言葉に誘われるまま、鳴滝は磨りガラスの引き戸の奥へと足を踏み入れる。無論、尾関梨香もその後に続く。 晩秋の冷えた空気に晒されていた尾関梨香の身体に、暖かな空気と共に食欲をそそる香りが漂って来た。 「お昼も召し上がっていらっしゃらないご様子ですので、質素ではありますが夕食をご用意させて頂きました」 それはまるで、鳴滝達がこの島へと足を踏み入れてからここまでを見ていたかの様な言葉だった。 「しかし……」 「初対面の人間に、何故にここまで?とでも仰りたいのでしょう?」 穏やかな威圧。そう表現すれば良いのだろうか。柔らかな物腰でありながら、川口玲子の言葉のひとつひとつに不思議な力が宿っていた。 「ええ……いや……まぁ……」 自らの考えを見透かされたかのように、彼には珍しく鳴滝は動揺していた。それは、やはり尾関梨香が初めて目にする彼の姿だった。 「敵視など致しておりません。でなければ、招き入れはしないでしょう。そうではありませんか?」 「ええ……」 やはり、この川口玲子という女は本当に鳴滝の心を読んでいるのではないか?彼の背後でその様子を見ていた尾関梨香にはそう思えた。 何故なら、彼女の語り口は鳴滝そのものだったからだ。例えるなら、女鳴滝。それしか思い浮かばない。 「さぁ、ご遠慮なく」 「では、お言葉に甘えて」 しかし、あくまで客をもてなす側として振る舞う川口玲子に、鳴滝は素直に彼女に従っていた。 玄関を上がって招き入れられた部屋には、中心にあるテーブルの上に刺身が盛り付けられた大皿が置かれてあった。 「おお……」 尾関梨香の口から、思わずそんな感嘆の声が漏れる。 「せっかく西の外れの島までお越し頂いたのですから、地元のお魚でもと思いまして」 その尾関に対しても、彼女は笑顔で穏やかに言葉を綴った。 「美味しそう!」 「もちろんですとも。獲れたての新鮮なお魚を捌いたものですから。お刺身はお好きですか?」 「はい!三度の飯より大好きです!」 「良かったわ。喜んで頂けたようで」 すっとこどっこいな尾関梨香の言葉に、川口玲子の顔にも自然な笑みが溢れていた。 「早速ですが、平手友梨奈と長濱ねるの件についてお話しを伺いたいのですが」 その女二人の和やかなやり取りに、この訪問の本題を忘れそうになりながらも、鳴滝がそう口を開いて、二人の間を割いた。 「そう急がなくても。つい先頃の小説でもありましたよね?謎解きはディナーの……」 「なるほど。なるほど」 世間では、大事な事ほど二度言うらしいが、この鳴滝においては困った時に使う言葉だった。それを知る尾関は、傍らで人知れず笑みを浮かべていた。 「お刺身だけではと思いまして、長崎ならではの麺料理もお出ししますので、それまではこちらのお刺身をお召し上がり下さい」 まるで、どこかの旅館の仲居のように畏まって頭を下げた玲子へに対し、鳴滝と尾関も少し遅れてその頭を下げた。 「うわっ!ぷりぷり!」 玲子が奥の部屋へと姿を消した後に、早速、その刺身を口に頬張った尾関が口籠もりながらそう言った。 「大事な事だから二度言った」は、三年半ほど前に、とあるゲームアプリのチャットで、私が最初に使ったという事は誰も知らない……。 「お前は犬か!」 その尾関へと、鳴滝がそう言い放つ。 「何がですか?」 「見ず知らずの人間が差し出した物を、そう簡単に口にするな」 「だって、お腹空いてたから」 「お前って奴は……」 次々と皿に盛られた刺身をその口に運ぶ尾関を見ながら、鳴滝は溜め息混じりの言葉を返す。 だが、鳴滝自身も幾らかの後悔の念は否めなかった。仕事に没頭すると、食さえ忘れてしまう自分自身の悪い癖を自覚していたからだ。 その刺身に舌鼓を打つ尾関を放置して、鳴滝は部屋の中を見渡した。 テレビに本棚。それに付随するかのように置かれた装飾品。どこの家庭にもあるかのような光景ではあったが、その中にあるひとつの写真に鳴滝は目を止めた。 「平手友梨奈……か?」 幾らか色褪せた写真の前に顔を寄せて、鳴滝は自問自答するかのようにそう呟いていた。 写真に写るのは、川口玲子とおぼしき女性と、その周囲に座る五人の幼い少女達。その中の一人に、鳴滝は平手友梨奈の面影を見出していた。 いや、平手友梨奈だけではない。その他の四人についても、その面影を辿る事が出来た。 長濱ねる、上村莉奈、渡辺梨加、そして……長沢菜々香。 「くそったれ……」 自らが推理した最悪の事実を裏付ける証拠を目の前にした鳴滝は、ただ目を閉じた。 「さぁ、お刺身だけでは足りないでしょう?本場のちゃんぽんをどうぞ」 湯気の立ち昇る大きめのお椀を尾関へと差し出した後、川口玲子は写真の前に立つ鳴滝へと目を向けた。 「宿命は変えられません。けれど、運命は変えられます。違いますか?」 そう問いかけた川口玲子へと、鳴滝は閉じた瞼を開いて彼女を見た。 「では、私と貴女との出会いは、運命ですか?それとも宿命ですか?」 問い返した鳴滝の言葉に、彼女は穏やかに微笑んだ。 「勿論、宿命です」 一点の曇りなく答えられた言葉に、鳴滝も彼女と同じく穏やかな笑みを浮かべた。 「では、従う他にはないでしょうね」 その鳴滝の言葉から暫しの沈黙を挟み、川口玲子は鳴滝へと顔を向けた。 「彼女達の運命を……一緒に変えて頂けますか?」 「お任せ下さい。それこそ鳴滝探偵事務所の得意分野です」 穏やかな笑みを失った川口玲子の顔に、再び笑みを浮かべさせたのは、鳴滝のその言葉だった。 ひそかに漢字欅自撮りTVシリーズのコンプリートを狙いつつ保守 http://o.5ch.net/13mi5.png >>204 またまた保守ありがとうございます! コンプしちゃって下さい 私は昨日から風邪ひいてしまい グロッキーです(´Д` ) それでも仕事ちう 寝たい やっぱり先日のベランダで執筆がたたったんですかね お大事にしてください http://o.5ch.net/13nzd.png ↑ コンプリートへ向けてこれで12作目 描きにくいのが残っていくのでなかなか厳しい… >>206 原因はベランダかぁ(´Д` )やっちまったなぁ 喉が若干やられたままですが、熱も下がって 無事復活しました。 コンプリート頑張って下さい! 「彼女達は、今どこに?」 「近くに居ります」 やっと、出されたちゃんぽんに口をつけた鳴滝が、合間に玲子へと問い、彼女はお茶を出しながらそう答える。 それが尾関梨香には不思議な光景に思えて、じっとその二人を観察していた。まだ会って一時間も経ていないにも関わらず、ずっと昔から知り合いのような。 不躾な鳴滝だが、玲子は玲子で丁寧ながらもその言葉には遠慮がない。 「近くとは?」 「お食事中にするお話ではありません」 尚も問う鳴滝を、ピシャリと玲子が諌める。 それはまるで悪戯小僧が母親に怒られている姿にも思えて、尾関は堪え切れぬ笑いを悟られぬように鳴滝から顔を背けた。 「ですよね」 鳴滝は鳴滝で妙に納得したらしく、ひたすら麺を口に押し込んでいた。 「お嬢さんは、尾関梨香さんでよろしかったかしら?」 忙しく動き回っていた川口玲子が、着物を覆っていた割烹着を外しながら尾関の前に座った。その言葉に、自分が名乗っていなかった事に気付き、尾関は背筋を伸ばした。 「はい。尾関梨香、ぴちぴちの二十歳です」 尾関は、自分でも何故にそんな事を言ったのか分からない。突然、名前を呼ばれた事と、お嬢さんと呼ばれた事にも焦っていたのかもしれない。 「ぴちぴちじゃなくて、ぷくぷくの間違いだ。はい、やり直し!」 当然の様に鳴滝から煽りが入った。だが、今回だけは、それが尾関には助け船にも思えた。初対面の、しかも歳上の女性の前で、ぴちぴちは失礼だったかもしれないと少しばかり彼女も焦っていたからだ。 「尾関梨香。ピカピカの二十歳です!」 やってしまった。鳴滝の煽りに、ついついいつもの調子で言い返してしまった。妙な沈黙がその場を包む。 「こいつの得意技は、自分で自分の墓穴を掘る事なんです。既にお気付きでしょうが」 その沈黙を破ったのは鳴滝のその一言だった。だが、その言葉に、玲子は右手で口元を覆いつつ笑い出した。 「本当に面白い子ですね」 「こいつから面白さを取ったら、ただの狸ですけどね」 その鳴滝の言葉に、尾関は返す言葉もなく黙り込んだ。それは、自らの発言による恥ずかしさからと言うわけではない。 どう言葉にすれば良いのか。目の前にいる鳴滝と玲子の間にある目に見えない共通する何か……とでも言えばいいのか。 自分とは何かが違う感覚で語り合っているような。尾関には、そんな気がしてならなかったのだ。 「デザートをお出ししまょう。鳴滝さんは召し上がられますか?」 やっと、ちゃんぽんのスープまで飲み干した鳴滝へと玲子が問いかけた。 「それが最後の関門であるとするなら、是非にでも」 「関所はこれが最後です」 素直に他人の好意を受け入れられない彼の性格を熟知している自分ならまだしも、初対面の玲子には失礼なのでは?と、冷や汗をかく尾関の予想の斜め上の言葉を玲子は返して来た。 「ありがとうございます。頂きます」 その鳴滝の言葉に、尾関は目を丸くした。 何故なら、彼は甘ったるいものが苦手なのだ。その彼に、砂糖の塊の様なデザートを認めさせるとは……。 「直ぐにお出し致します」 それだけ言い残し、玲子は奥の部屋へと姿を消した。 「大丈夫ですか?」 そこで、すかさず尾関が鳴滝へと小声で問いかけた。 「何言ってんだ?お前」 鳴滝はやはり常套句で返す。 「だって……甘いものは苦手じゃ?」 心配する尾関に構わず、鳴滝は右手の親指を立てた。 「ハニートラップは大好きだ」 「最低……」 そんな二人のやり取りに構わず、玲子はお盆に乗せた何かしらを運んで来た。 「私の得意なデザートです。お口に合えば良いのですが……」 そう言って、玲子が二人の前に差し出したのは、ココアパウダーがふんだんに振りかけられたガトーショコラであった。 「レイコの……ガトーショコラ……」 「いきなり呼び捨てかよ」 「あ、いえ……すいません」 思わずそう口にしてしまった尾関へと、これまた思わず口にしたような鳴滝の合いの手の如きツッコミが入った。にも関わらず、尾関は鳴滝にではなく川口玲子に対して向き直っていた。 「お気になさらず。さぁ、どうぞ」 まるで小さな子供をあやすかの様に、かの川口玲子の顔には笑顔が溢れる。 これが長濱ねるや平手友梨奈が子供の頃に見ていた世界なのか……そんな思いの中で、尾関はガトーショコラを口に含んだ。 「美味しい……」 それが尾関の素直な言葉だった。おそらくは冷凍されていたのであろうが、程よく溶けたその食感と甘みとが、舌の上で解けて広がる。先に出されたちゃんぽんで火照った口内に、それはちょうどよい刺激だったのだ。 「うん。こいつは……」 甘いものが苦手な酒呑みの鳴滝でさえ、このデザートは口に合ったらしい。 「お気に召して頂けたようで何よりです」 それは穏やかな時間だった。だが、それだけに、尾関は敢えてゆっくりと味わっていた。この後に知る事になるであろう哀しい現実に心構えする為に。 >>210 ここで乃木坂ネタですかw あの回はなぁちゃんの棒読みがおもしろかったですね >>211 ありがとうございます! まだ頭がクラクラしていますが、 それで逆にハイテンションになって 後先考えずに書き進めるパワーにww >>212 分かってくれる人がいて嬉しいです! 大阪さん、なかなかのマニアですねww ボンボンボンと時を告げる音がした。 その音を数えながら尾関梨香がそちらへと目をやると、そこには今時珍しい柱時計があった。時刻はちょうど九時になったところだ。 振り子の左右の動きに催眠をかけられた様に、尾関はまだ知るはずもない川口玲子と平手友梨奈、長濱ねるの過去へと思いを馳せていた。 「今日はどこへお泊りですか?」 その虚ろな目の尾関へと、玲子が問いかけた。 「それが……」 「良ければ今夜は、こちらにお泊り下さい。時間を気にしていては、ゆっくりとお話しも出来ないでしょうし」 鳴滝と同じく、尾関の一言で全てを察した玲子が鳴滝へと申し入れていた。 「ありがたいです」 言葉少なではあるが、鳴滝には珍しく素直に玲子の厚意を素直に受け入れていた。 「さて、何からお話しすれば良いのか……」 綺麗に片付けられたテーブルの上には湯呑みが三つ。並べられた湯呑みに対するひとつの湯呑みを手にした川口玲子が、躊躇いながらそう口にした。 「まず、あの五人は、平手友梨奈、長濱ねる、上村莉奈、渡辺梨加、そして長沢菜々香で間違いありませんね」 急かす訳ではないだろうが、川口玲子の背後にある写真を指差しながら、鳴滝が本題のひとつへと繋がる問いを投げかけた。 「はい。確かに彼女達です」 「つまり、彼女達は慈愛院という施設にいた子供達だと……」 「ええ。彼女達がどの様な状況からあの施設へと来たのかまでは、私の口からは語れません」 「勿論、そこまでは望んでいません。私が知りたいのは、何があったかだけです」 そこで玲子は一度目を閉じた。背筋を伸ばして座る凛とした姿と長い黒髪。綺麗に整えられた眉に薄化粧。日本人特有の清楚な美しさに、鳴滝はいつしか魅入られていた。 だが、次の瞬間、鳴滝と尾関は衝撃に言葉を失った。 「慟哭を鎮めて生きる。それが、この九年間の私だったように思います」 再び目を開いてそう語った玲子の瞳は金色へと変わっていたのだ。間近で見るその瞳に、二人は呼吸さえ忘れたかのように動け出せずにいた。 「驚かれたでしょう。ごめんなさいね」 尾関へとそう言いつつ笑顔を向けた玲子の目は、瞬時に元の黒へと戻っていた。 「まず、この目の秘密からお話しした方が良いでしょうね」 「ご存知なんですか!」 食いつきそうな勢いで鳴滝が身を乗り出した。その彼へと、玲子はゆっくりと頭を縦に振った。尾関梨香はその間、ぽかんと口を開けたまま彼女を見ている。 「はい。存じ上げております」 「是非、お聞かせください」 そう言った鳴滝は、スーツの内ポケットから取り出した手帳とボールペンをテーブルの上に置いた。 「この島の沖に、いくつもの潜水艦が沈んでいるのをご存知ですか?」 「いえ……」 「第二次世界大戦終結後、GHQによって沈められた日本軍の潜水艦が二十四隻あるそうです。しかし、その海域とは違う場所で、自らの意思で海底で眠りについた潜水艦があります」 「それは?」 「当時、日本の統治下にあった台湾から、ある任務を遂行する為に、この島へとたどり着いた潜水艦です」 「その任務とは?」 「軍事機密の輸送……」 そう予想外の展開に、尾関梨香はただ呆然と二人の会話を聞いていた。ただひとつ、彼女が予感出来きたのは、自分達が踏み込んでは行けない世界へと足を踏み入れようとしている事だけであった。 「軍事機密……」 そう呟いた鳴滝がその顔を覆おうとした右手を、尾関梨香が左手で掴んで止めた。それが彼女に出来る最高の反抗だった。 「大日本帝国陸軍軍事機密……第404号」 その二人に構わず、玲子は淡々とその名を告げた。そこで、鳴滝は僅かに首を傾げた。 「何故、そこまでご存知なのですか?」 「ある場所に隠されていたそれを、私が最初に見つけたからです」 鳴滝の問いに、玲子は即座にそう答えた。 「ある場所とは……まさか……」 「慈愛院の敷地の一角です」 「それは……その軍事機密とは、一体どの様なものだったのですか?」 流石の鳴滝も、今回ばかりは戸惑っている様だった。単なる女子高生の家出から、殺し屋、ついには大日本帝国陸軍の機密にまで話が及ぶとは想像も出来ないのは当然だろう。 むしろ、尾関梨香の方が落ち着いていた。 彼女は素直に玲子の言葉を受け入れていたからだ。 難しく考えても仕方がない。それはある意味、開き直った者の強味とも言えなくもない。 「私が最初に見た時は、一センチ角の黒い立方体でした。しかし、手の平に乗せると、青へと色を変えながら溶けてしまったのです」 「溶けた?では、もうそれ自体は無くなってしまったのですか?」 「いえ。溶けただけで、液体状のまま私の手の平の中で動いていました」 「動いた?……」 疑問に次ぐ疑問の連想に、鳴滝は目を見開いて固まった。 ここから先は、SPECみたいな能力者バトルを取り入れてみようかと思います。 東村芽依、加藤史帆、渡辺梨加以外は決めていないので、欅坂メンバーで似合いそうな能力案があれば募集します。 更新お疲れ様ですm(_ _)m 楽しみです ちなみにアメブロのほうのイラストのタイトルが若干違っているような…まあ、そう見えなくもないのかな? >>220 >>123 でほめていただいた時と名前が違うんで(笑) これは例によって似てない(笑) http://o.5ch.net/13oxz.png 一応14人クリアで残り3分の1です >>221 ごめんなさい! 思いっきり間違ってましたww 全然別人の名前だった。 何で気づかなかったんだろう コンプリート順調に進んでますね どんどん可愛くなってるし 驚愕する鳴滝の隣で、尾関梨香はあっけらかんとした表情で玲子の話しに耳を傾けていた。その彼女を見た玲子は、安堵したかのように微笑みを見せた。 「黒い物質は、私の鼓動に合わせて脈打つように動いていたのです。まるで生き物のように」 その玲子の言葉で、鳴滝の頭の中に真っ先に浮かんだのは磁性流体と呼ばれるものだ。その物質も同じような動きをするが、その動きは磁場を発生させる磁石によるのであって、玲子の手にしたものとは別物だ。 「その黒い物質と、玲子さんの目とどういう関係があるんですか?」 考え込む鳴滝に代わり、尾関梨香が素朴な疑問を投げかけた。 「私の目がこうなったのは、その黒い物質を触ったからなの」 そう答えを返す玲子の瞳は、一瞬だけ金色へと変わり再び黒へと戻っていた。 「つまり、金色の瞳を持つ者は、その物質に触れたものであると?」 右の人差し指をこめかみに当てながら、鳴滝が目を閉じたまま問い返す。 「そう言う事になります。そして、この金色の瞳は、誰にでも見えるものではないのです」 「と、言いますと?」 「詳しくは断言出来ませんが、ある条件を満たした人間のみが見えるようです」 「試された事があるんですか?」 その問いに、玲子は沈黙した。その沈黙にこそ、彼女が抑えて来た慟哭の意味があるように思えて、鳴滝は静かに彼女の言葉を待った。 更新乙です 秘密が徐々に明かされる展開にドキドキします http://o.5ch.net/13pit.png ↑ これで残り5人まで来ました 暫しの時を挟み、立ち上がった玲子は振り向き様に写真立てへと手を伸ばした。引き寄せた写真を見る彼女の横顔はどこか寂し気で、そこから鳴滝はおおよその見当をつけていた。 「つまり、彼女達で試したと?」 その鳴滝の言葉に、一瞬抗議を含む鋭い視線を見せた玲子だったが、写真を手に鳴滝の前に正座し、彼を見据えた。 「当時の入所していた子供達は、下は三歳から上は十八歳の二十一人でした。その中で、私の瞳の色の変化に気が付いたのは、この五人だけだったのです」 「それから……どうされたんですか?まさか……彼女達にも?」 「はい。黒い物質に触れさせました」 「何故そんな事を……得体の知れない危険なものかも知れないのに」 「彼女達に希望を持って欲しかったのです」 「希望?」 繰り返された言葉に、鳴滝と玲子は互いの目の奥を探るように見つめ合ったまま黙り込んだ。 その二人を、やはり尾関梨香も黙って見つめる。この時の彼女には、若干だが余裕が生まれていた。未知である事に依然変わりはないが、金色の瞳の謎も少しだけ彼女なりに理解出来た。 例えてみれば、幽霊だと思っていた磨りガラスの向こうので揺れる白い影が、どこからか飛んで来たビニール袋だったみたいなものだ。正体さえ分かればなんて事はない。 尾関は自分にそう言い聞かせていた。無論、そんな単純な事ではないのも理解はしているが。 とにかく、尾関は目の前の鳴滝と女鳴滝のやり取りを心のどこかで楽しんでいた。 「説明するまでもなく、あの施設にいた子供達は、それぞれの家庭の事情により集まって来た子供達です」 「わかります」 語り出した玲子へと、鳴滝も神妙な面持ちで返す。 「施設に入るまでは、劣悪な環境の中にいた子供もいます。産まれて来た意味さえ、親の愛さえ知らない子も」 「そうだと思います」 玲子の言葉にまるでレールを敷くかのように、鳴滝が言葉を繋げていく。 「だから……せめてあの五人の子供達には、自分を信じて生き抜く力を身につけて欲しかったのです。御理解頂けないかとは思いますが」 「金色の瞳を持つ事が、何故に自分を信じる力になると?」 「あの黒い物質……四〇四号から得られるものはそれだけではありません。様々な特殊な力を得る事が出来るのです」 そこで鳴滝は沈黙した。だが、それは驚愕によるものではなかった。それは、隣でその横顔を見た尾関梨香にも感じ取れた。彼は何かを知っているのだ。 それは、あのショッピングモールの駐車場で口にした『マグス』と呼ばれる存在と関係しているのかもしれない。 尾関梨香自身にしても、きっと昨日までの彼女なら、今の玲子の話しなど鼻で笑い飛ばしていたかもしれない。これまでの案件で対峙して来たインチキ霊能者達に向かうように。 しかし、この島でのたった一日が、彼女を変えてしまった。非日常が彼女の中で日常の一部へと変わりつつあったのかもしれない。 その時、鳴滝のスマートフォンが振動を始めた。取り出した鳴滝の顔が一瞬曇る。 「誰からですか?」 「ああ、モナリザの岡ママだ。申し訳ないのですが、少しお時間を頂きます」 尾関をちらりと見た後、鳴滝は立ち上がって玲子へと頭を下げた。 「お待ち下さい」 スマートフォンを片手に玄関へと向かおうとした鳴滝を、玲子が呼び止めた。 「お仕事のお電話なら、それなりにお時間もかかるかもしれません。念のためにこれを」 そう言って玲子が彼に手渡したのはこの家の合鍵だった。 「お借りします」 再び頭を下げて、鳴滝は急ぎ足で出て行った。その様子から、電話の相手が岡ママなどではない事を尾関梨香は気付いていた。 もし、本当に岡ママであれば、即座に切っていた筈だ。それに気付きながらも、何故に尾関梨香は後を追わなかったのか。 彼女は足が痺れて動けなかったのだ。自分の不甲斐なさに歯軋りしつつ、尾関は足の裏を手で押さえていた。 「ゆっくり脚を伸ばして下さい。鳴滝さんが戻って来るまではいいじゃありませんか」 「は……はい」 声を詰まらせなが、尾関は苦悶の表情を浮かべていた。それを見た玲子にも、最初の穏やかな笑みが戻る。 「怖いでしょう?私のような人間は」 「いえ……全然……怖いのはそこじゃなくて……」 「そこじゃなくて?」 「何て言うか……上手く言葉に出来ないんですけど……あ、やっぱりいいです」 前に伸ばした両脚を手で摩りながら、尾関梨香は伏し目がちにそう言っていた。 「きっと尾関さんは寂しくなったのね」 その意外な言葉に、尾関は目を丸くした。 「え?玲子さんの持つ特殊な力って、心を読む事ですか?」 「まさか……同じ女だからこそ、分かる事もあるんですよ」 そう言いつつ、玲子は尾関の湯呑みへとお茶を注ぎ込む。脚の痺れに悶える自分と違い、玲子のそのしなやかな所作に、同じ女と呼ばれた事にどこか恥ずかささえ感じてしまっていた。 「きっと尾関さんが怖がっているのは、鳴滝さんが、どこか自分の手の届かない世界へと行ってしまいそうな事なのね」 「まさか!そんな事ありませんて!へい!」 動揺から尾関の言葉がべらんめぇ口調になっていた。 「大丈夫……大丈夫ですよ」 落ち着いた玲子の声に、尾関は心が穏やかになっていくのを感じていた。 「確かに、彼は何か他の人とは違うようですね」 「やっぱり……」 少しばかり肩を落としたように見えるその尾関へと、玲子はそっと湯呑みを差し出した。 「彼の持つ力は、本来、人間に備わっている第六感の強いものだと思います。広い意味で言えば、霊能力と言ってもいいのかしら」 「はぁ……」 語り出した玲子の話しの意図が読めず、尾関は思わずそう口にしていた。 「それに対して、黒い物質に触れた私達の力は超能力と呼ぶべきね」 「霊能力と超能力って、違うものなんですか?」 「そうねぇ。分かり易く例えれば……」 その頃になると、玲子の語り口も鳴滝のを前にしている時から比べれば、かなり親近感を憶えるまでに柔らかくなっていた。 「発現する力をお水に例えれば、私達の力はこれと同じね」 玲子がそう言ってテーブルの上に白いポットを置いて見せた。 「ポット……ですか?」 痺れの治った脚で正座し直した尾関は、少し前のめりになりながら問い返した。 「そう。私達の力はこのポットの中のお水と一緒で、一度に使える量には限りがあるの。勿論、人によってポットの大きさは違うのでしょうけれど」 そう言った玲子は、意味あり気な苦笑いを浮かべた。 「じゃあ、霊能力の方は?」 「それちらは水道のお水みたいなものかしら。ほぼ無限と言っても過言ではないでしょうね」 「霊能力、最強じゃないっすか!」 この時、玲子は理解した。この尾関梨香という人間は、興奮した時にべらんめぇ口調になる事を。 「そうでもないの。むしろ、その逆かもしれない」 「何でですか?力を使いたい放題じゃないですか」 「本物の霊能力者。そう呼ばれる人達は、蛇口のひとつでしかないの。元栓を止められれば、ただの飾りでしかないわ」 そう言って、憂いるように目を伏せた玲子の表情を見た尾関梨香の中に、彼女なりのひとつの仮説が湧き上がった。 「ひょっとして……玲子さんは元々……ですか?」 仮説を立証させるべく言葉を発した尾関梨香だったが、肝心の一言を言いそびれてしまっていた。 「そうなの。私も鳴滝さんと同じような人間だったわ」 玲子のその言葉により、尾関梨香の仮説が立証された。そして、同時に彼女の心に突き刺さっていた疑問の棘も消えた。 この家に来てからの鳴滝と玲子を結ぶ、目に見えない何かの繋がり。それが、たった今、ようやく分かったのだ。 だが、尾関は葛藤していた。何故なら、それを認める事は、自分と鳴滝の間に越えられない壁を自ら築き上げてしまうかのように思えてならなかったからだ。 昨日は怒涛の更新乙でした こちらもコンプリートまで残り2人になりました http://o.5ch.net/13pz2.png >>232 コンプリートまで、あと一歩ですね(^_^) 楽しみにしています! >>233 すいませんw 連投になっちゃうからここには書きませんでしたけど しましたw ラスト↓ http://o.5ch.net/13qkh.png >>234 >>236 コンプリートお疲れ様でした! 偉業を成し遂げましたねww >>235 さらにややこしく なります 「大丈夫……大丈夫ですよ」 尾関の葛藤を見抜いたのであろうか。 川口玲子が再びその言葉を口にした。 「尾関さんの一番の武器は、その素直さだと思います」 「そ……そうっすか……」 いきなり何を言い出すのか?と戸惑った尾関の口から出た言葉はそれだった。 「その素直さがあれば、鳴滝さんをも超える事が出来ますよ」 「でも、私は勘が鈍いと言うか、よく怒られてます」 そう言た尾関は溜め息をひとつつき、肩を堕としてうな垂れた。 「では、第六感を鍛える方法を伝授しましょう。我流ですが、それでもよろしければ」 「鍛えれるものなんですか?第六感って」 「うな垂れているよりかは、いくらか前向きではありませんか」 眉を潜めた尾関梨香へと、玲子は呆れ顔でそう進言していた。 「ダメ元でやってみます!」 玲子の言葉に何かが吹っ切れたのか、尾関が声高に宣言する。 「ダメ元で……ですね。では、こちらへ」 彼女の失言に苦笑いで答え、玲子は尾関を誘うように、縁側の廊下を奥へと進んで行った。尾関もすかさずその後を追う。 前を歩く玲子の後を追いつつ、その長い黒髪の放つ漆黒の妖艶さに惹き込まれそうになった尾関の前に、照明の灯りと共に現れたのはタイル貼りの小ぢんまりとした浴室だった。 「ここで……第六感?」 何かしらの道場のような部屋を想像していた尾関梨香にとっては、拍子抜け以外の何物でもなかったようだ。 「生活に活かせるものは、やはり普段の生活の中からしか生まれないものですよ。第六感なんて、言うほど特別なものでもないのですから」 今や尾関梨香の師匠となった玲子のその顔からは、笑みはいつしか消え去っていた。その変化に気付いた尾関は、ただ黙って彼女の動きへと目を向ける。 その尾関の目の前で、玲子は浴槽に波々と張られた湯気立つお湯で手の平を濡らし、シャンプーの雫を一滴垂らして泡立てた。 「さぁ、手を出して」 玲子のその言葉に差し出された尾関の手の平の上には、ひと塊りの真っ白な泡が乗せられた。 「その泡を両手で軽く押してみて下さい。互いの手の平が触れないように」 玲子に言われるがまま、尾関梨香は挟んだ泡を両手で押していた。細かな泡から僅かな弾力を感じる。 「今度は少し離して」 ゆっくりと手を離すと、引っ張られる感覚が手の平に伝わる。 「それが気のイメージです。その感覚を憶えておいて下さいね」 そう言うと、玲子は尾関の手の泡をシャワーで洗い流した。 「次はこの浴槽のお水の表面に手の平を乗せてみて下さい」 事務的に繰り出される玲子の指示に素直に従い、尾関は微かに温もりを残す水の表面へと両手の平を当てた。 「では、目を閉じて水を感じて」 目を閉じて意識を集中させた手の平に、緩やかな水のうねりが伝わって来た。 そのうねりに手の平を任せていると、指の先から徐々に水と一体化していくような不思議な感覚に襲われて、尾関梨香は思わず水面から手を上げてしまった。 「この水面の感覚が、練り上げられた気の感覚と近いものです。憶えておいて下さい」 「あの……」 流石の尾関も疑問の声を上げた。 「さっきから気の感覚と言ってますけど、それが第六感と関係あるんですか?」 「ええ、もちろんですとも。第六感を高める為に最も必要なものはイメージする力。そのイメージする力に必要なものは、素直な心です」 尚も事務的に、玲子は尾関へと語る。その彼女の前で尾関は首を傾げた。 「よく……分からないんですけど」 その尾関の言葉に、玲子はその奥を覗き込むかのように彼女の瞳を真っ直ぐに見据えた。 「ひょっとして……鳴滝さんは、たまに何もない場所を見つめていたりする事はありませんか?」 「確かに!猫みたいに、何もないところをじっと見てたりします」 唐突な問いではあったが、尾関にはいくつも思い当たる節があり、ついついそう即答していた。 「見てみたいと思いませんか?彼が見ている世界を」 意味あり気な玲子の問いかけに、尾関は一瞬戸惑った。それを見てしまったら、もう逃れられない。何からどう逃れられないのかさえ分からないが、彼女の中の何かが激しく警鐘を鳴らしていたのだ。 「怖いのならここまでにしましょう。第六感など無くても、人は生きて行けるのですから。でも……」 尾関梨香の戸惑いに気付いた玲子が、寂し気にそう呟いた。 「でも……何ですか?」 尾関は堪らず、その玲子が言いそびれた言葉の続きを求めていた。 「ここから先の彼にとって、貴女は足手まといになるだけです。互いが心を痛める前に、 自ら身を引く決断も必要になるでしょう」 「納得出来ません!いきなり何を言い出すんですか?」 「これから貴方達が踏み込もうとしている世界は、言わば魔界。この国の法律でも手出し出来ないのです。ましてや、その法律に従う警察は言うに及ばず」 重みを帯びた玲子の声に、尾関は次の言葉を失い、ただ目の前の玲子の目を見つめ返した。 「頼れるものは己のみ。他人の心配などしている暇などないのです」 「それは極論です」 玲子の静かな威圧に怯みながらも、尾関が何とか言い返した。 「果たしてそうでしょうか?己を持たぬ者達が、いくら寄り集まったところで何かを成し得るとは思えません」 玲子の声に、更に深みが増して行く。その声に呑み込まれそうになりながらも、尾関は必死に抵抗していた。 「私は私。それの何が悪いんですか?」 「利己主義と個人主義は違うのです」 「ますます意味がわからない!」 そこで尾関がついに感情を露わにした。 「個を持たぬ者達の集まりは脆いのです。物言わぬ大衆(サイレントマジョリティ)に、何かを変える力など無いのです」 「それぞれが自己主張ばかりしていたら、纏まるものも纏まらないじゃないですか!」 それでも尾関梨香は喰い下がった。もう、引くに引けない。今日、会ったばかりの玲子に、幾度も危機を一緒に乗り越えて来た鳴滝との時間を、全否定されているような気がしてならなかったのだ。 全てを悟ったかのような彼女の態度が、いくらか癪に触った事もあるが。 「自己を確立しなさい。まず、己が何者であるかを知りなさい」 「急にそんな事言われたって、出来るわけありません」 「出来ないではなくて、そうしようとしないだけでしょう?」 狭い風呂場で、女二人が哲学的な論争を交わす。それは側から見れば何とも滑稽に思えた。しかし、当の本人達は大真面目に睨み合っている。 「だって、学校ではそんな事教えてくれませんでしたし」 「当然です。個を無くす為の教育ですもの」 「とにかく!」 そこで尾関がついに声を荒げた。 「私は私のやり方で、鳴さんとやって行きます!」 その尾関梨香の言葉に呼応するかの様に、玲子の瞳があの金色へと変わっていた。 「あなたに何が出来るの?」 何処かで聞いた言葉と何処かで見た瞳。 そうだ。あの煉瓦造りの教会で、ライフル女に言われた言葉。 あの時、何も言い返せなかった自分への後悔と、再び答えるべき言葉を見出せない自分への絶望感が尾関を包み込んだ。 「目を閉じて」 不意に差し向けられた玲子の声に、尾関は大人しく従っていた。 「何が見えても、目を開けないで」 その言葉と共に、尾関の額に玲子の人差し指が当てられた。 「何?……これ?」 漆黒の空間に光り輝く青い星々。あるものは小さく、またあるものは大きく光を放つ。それはいつか見た宇宙の写真のような。その中において、一際輝きを放つ星があった。 「中心で輝く星の色は?」 尾関の中に拡がる宇宙の奥から、玲子の声が響いた。 「黄色……」 「それが貴女自身の力を示す色です」 「これが私の力の色?」 「尾関さんの中に眠っている力です。それを活かすか眠らせたままにしておくかは、貴女次第……」 そう言った玲子が尾関の額から指を離すと、尾関が見ていた星々は瞬時にその光を消していた。 「何故、あんなものを私に見せたんですか?」 不可思議な世界を垣間見てしまった興奮を抑えつつ、尾関は努めて冷静に玲子へとそう問いかけた。 「百聞は一見にしかず。口でいくら説明しても、信じて頂けないでしょう?」 「信じる信じない以前に、頼んでもいないんですけど」 「余計な事でしたかしら?」 売り言葉に買い言葉。不満そうに眉をひそめて抗議する尾関梨香に、いつしか玲子も語気が強くなっていた。 「何の力か知りませんけど、私には必要ありませんから」 「そうですか。そこまで仰るなら、これ以上は干渉する事は避けましょう。但し……」 大人しく引き退るかと思われた玲子が、最後に含みを持たせた眼差しを尾関梨香へと向けた。 「鳴滝さんは、命を落とす事になるでしょう。貴女が変わらなければ……」 「どう言う事ですか?」 「それが彼の運命と言う事です」 「そんなの、無茶苦茶な屁理屈ですよ!」 「どう捉えようと、それも尾関さんの自由です。貴女が菅井友香と出逢った事も、運命の歯車のひとつでしかなかったのですから」 感情を露わにする尾関梨香とは対照的に、淡々と、そして機械的に川口玲子はその口から言葉を紡ぎ出す。その抑揚のない語り方が、考え込む鳴滝と何処かが似ていて、それが更に尾関の感情を煽っていた。 >>245 こちらこそ、保守ありがとうございます! ( ̄^ ̄)ゞ 「他人の運命を勝手に押し付けないで下さい!それに、鳴さんは玲子さんが思っている程、弱くはありませんから」 「そうね。彼は強いわ。けれど、彼がこれから相手にしようとしているのは、人でありながら人ならざる者なのです。彼の力をもってしても敵うかどうか」 腰に手を当てた臨戦態勢の尾関に対し、玲子はいつしか落ち着き払っていた。その態度が益々どこか鳴滝に似ていて、尾関もついつい声を荒げていた。 「そんなに強い相手なら、私がいくら頑張ったって敵いっこないじゃないですか」 「そうではありません。尾関さんだからこそ出来る事があるのです」 「その、私だからこそ出来る事とやらを教えて頂きましょうか?」 この問答が無意味だと知りつつ、尾関はどうにも後には引けなくなっていた。 「では……まず、その猫背を治す事から始めましょうか」 「あ……はい」 予想の斜め上からの指摘に、尾関は思わず胸を張って直立していた。 「綺麗ですよ。女性の猫背はみっともありませんからね」 「以後、気を付けます。あ、いや、そう言う事ではなくて……え?そこですか?」 直立不動のままで自問自答する尾関梨香を見て、玲子は口元を手で隠して笑顔を見せた。 「この人間世界には、男性か女性しかいません。そして、貴女は女性です。まず、自分が女性である事を自覚して下さい」 「そんな事……知ってます」 玲子のペースに引き込まれている事を感じて抗いつつも、今の尾関にはそう答えるしか出来なかった。 「自らが女である事を自覚した女性に、勝てる男性なんていません。第六感より女の勘。 それこそが尾関さんの武器であり、女性にしか出来ない事なのです」 幾らか謎めいてはいたが、その玲子の言葉は尾関にも何となくではあるが理解出来た。 尾関流に言えば、つまりはこう言う事だ。 女、舐めんなよ。その一言であった。 やべえ、ぐうたら探偵物語だと思っていたら壮大な世界観を孕んだ物語に目眩を覚えます ちなみに僕も昔気功やってて手から気を出せます 体の中に気を回す修練てイメージする力が鍛えられるせいか妄想体質になってしまいましたがw >>248 気功やってたって何気に凄いww ぐうたら探偵をこれからどうするか悩み中 自分は昔、自立訓練法をやってたから身体の皮膚温を微妙に上げられたぜ←もう多分無理 http://o.5ch.net/13wzd.png 少し時を戻し、川口邸を出た鳴滝はスマートフォンを耳に当てたまま歩き出していた。 「よぉ、芽依ちゃん。電話待ってたよ」 「誤解してるんじゃないかと思って。あの紙人形は、あたしがやったんじゃないから」 スマートフォンから響く声は、東村芽依のものだった。 「ほう……」 鳴滝はそう言うと、スーツのポケットから取り出したペン型のライトで足元の一点を照らしてしゃがみこんだ。 「信じてないみたいね」 「いや、そう言うわけじゃない」 鳴滝がじっと見つめているのは、地面に刻まれた二本の細い轍。おそらくはバイクのものだろう。 「あと、マグスって奴も本当に知らないから」 「だろうな」 敷地の奥へと続く二本の線は途中で途切れていたが、鳴滝はその先の闇へと足を進めた。 「ねぇ、ちゃんと聞いてる?」 「ああ、聞いてるよ」 芽依の問いかけに気の無い返事をしつつ、 鳴滝が見つけたのは川口邸の裏手に隠れるようにして立つ離れの一軒家だった。 「とにかく、あたしはおじ様を敵に回すつもりは、これっぽっちもないからね」 「ビンゴ!」 手にしたライトが照らし出した離れの軒下に、青いビニールシートを被ったバイクを発見した鳴滝が思わずそう口にしていた。 「ビンゴ?何言ってるの?」 「ああ、いや、こっちの話だ。それより、そんな事を言うためだけに、わざわざ電話して来たわけじゃないだろう?」 そう問い返しつつ、鳴滝は離れの一軒家の玄関らしきドアの前に立った。 「それがさぁ、おじ様達のいる家の前の道に、変な奴等がうろついてるんだけど。気付いてないかと思ってさ」 「変な奴等? 」 「男が三人。見た感じ地元の人間みたいだけど」 芽依の言葉に、鳴滝は離れの一軒家の玄関に背を向けて速足で歩き出した。 「日焼けの仕方と、筋肉のつき方からして漁師かな。ちょっとふらついてるから、多分酔っ払い」 「近くにいるのか?」 「あたし?そっちから見えない離れたところにいるよ」 芽依の言葉を聞き終える前に、鳴滝は敷地から外の道へと一歩足を踏み出していた。 「この暗がりでも、そこまで見えるのか?」 「あたしには『見える』の」 見渡すと、確かに向かいの石塀に寄りかかる様に男三人が並んで立っていた。 中央に立つのは五十代前後の男で、この寒空の下にも関わらず、上は白いティシャツ一枚しか身につけていない。 ボディビルダーとは違い、必要最低限の無駄の無い筋肉は真っ黒に日焼けして、ティシャツの白をより一層際立たせている。 その右隣に立つ男は、髪を金髪に染めて眉毛もあるのか無いのかわからぬほど細く剃っている。だが、まだ幼さの残る顔付きから、まだ十代なのかもしれない。 そして左隣りの男は、中央に立つ親分らしき男に負けず劣らずの筋骨隆々な体格で、黒い短髪の下の表情は、他の二人とは違い落ち着き払っている。 「化け物屋敷のお客さんって、あんたね?」 中央の親玉が、にやけた顔で鳴滝へとふらふらと歩み寄って来た。漂って来たのは独特な香りを放つ酒の匂い。おそらくは芋焼酎だろう。九州と言う土地柄を考えれば、別段不思議でも無いのだが。 「化け物屋敷とは?」 「とは?……あんた、東京から来たとね?」 鳴滝の口調を揶揄う様に、親玉の男が問い返して来た。 「まぁ、その近くかな」 「そんな遠かとこから、何ばしに来たとね?」 「何をしに来たか?その前に、あんたらこそこんな所で何をしてるんだ?」 酔っ払い相手に如何なものかと思いつつ、鳴滝も少し強気で問い返す。 「おいたちは、化け物屋敷に珍しく余所者が入って行ったって聞いたけん、見に来ただけたい!」 「だから、その化け物屋敷ってのは何なんだよ?」 「あんた知らんとね?ここに住んどるおなご(女)は、目の色が夜になると金色になる化け物っちゅう女たい」 「それが……どうした?」 横暴な態度の男に対し、鳴滝は鼻の頭が触れそうになるまで顔を近づけて問い返していた。 「あんたん為ば思うて言うとると。あの女に関わるとろくな事なかったい!はよ、逃げない」 「はぁん?」 その声を上げ時には、既に鳴滝は親玉の襟首を掴んで引き寄せていた。 「あんたが、彼女の何を知ってるってんだ?」 「のぼせ上がんな!あの女のせいで、子供達が死んだと!あんおなごは化け物たい」 「化け物化け物って……勝手に決めつけるんじゃねえぞ」 そう言い終わる前に、鳴滝は渾身の力で親玉を投げ飛ばしていた。 「なんや!きさん!(貴様)」 そう叫んで最初に殴り掛かって来たのは、金髪の例の若い男の方だった。鳴滝はその彼の右手拳を左手の甲で受け流し、右の手の平で彼の顎を打ち抜いた。 気を失なって崩れ落ちる金髪の奥で、残る一人は腕を組んで鳴滝を見据えていた。 「かかって来いよ」 彼には珍しく、鳴滝が先に挑発していた。 その言葉を受けて、残る短髪の男が左足を軸に右脚の蹴りを繰り出した。その脚を両腕で受け止めた鳴滝へと、間髪入れず男の左拳が襲いかかる。 それを間一髪かわした鳴滝へと、背後から細い包丁の刃が差し向けられた。 「余所者が、偉そうにすんな」 そう言い放ったのは親玉の男だ。その黒い腕の先に握られていたのは、魚を捌く為の柳刃包丁と呼ばれる刃物だった。 「やれんのかよ?魚は捌けても、人を捌いた事ねぇだろうが」 喉元に刃物を突きつけられても尚、鳴滝は強気にそう言い返す。 「やってやろうやんか。覚悟せんかい」 その言葉とほぼ同時に、細い包丁の刃先が鈍い金属音と共に砕け散った。 「痛っ!」 包丁から伝わった衝撃に、自らの右手を抑えつつ、親玉の男が踞る。 何が起こったか、見当もつかず呆然とする短髪の男の前で、鳴滝だけが笑みを浮かべていた。 「化け物なんて勝手にレッテル貼って忌み嫌う前に、てめぇらの無知を恥じろ!」 そう叫ぶと同時に、鳴滝は目の前で立ち竦む短髪の男の顎を右肘で下から打ち上げる。不意打ちを喰らった男は、そのまま背後へとまるで棒切れの様に倒れ込んでいた。 「お前……俺を殺す気か?」 まだ通話状態のままにしてあったスマートフォンを耳に当てた鳴滝が言った。 「ちゃんと包丁だけを狙って撃ち抜いたんだから、褒めてよね」 その鳴滝のスマートフォンから、そんな東村芽依の声が響いた。 「いや、危な過ぎるだろ?手元が狂ったら俺に弾が当たってたぞ」 「あたし、絶対外さないから」 その芽依の言葉に、鳴滝は苦笑いで溜め息をひとつ漏らし、側で踞る親玉の後頭部へと止めの蹴りを繰り出していた。 >>257 すずもん、カッコいい! めいめいの凄腕の謎をこれから解き明かす予定 「芽依ちゃん、君はなかなかの策士だな」 「何のこと?」 「ちょっと待ってろ」 そう言った鳴滝はスマートフォンを内ポケットへと入れて、気を失って道に横たわる男達を石塀へと引きずり寄せていた。 「こいつらをけしかけたのは君だろ?」 再びスマートフォンを耳へと当てた鳴滝の言葉はそれだった。 「どうしてそう思ったの?」 「君が、こいつらを漁師だと言ったからさ」 川口邸から出た表の道路を、鳴滝は右へと向かって歩き出した。刃物が砕けた飛んだ方向から推測して、狙撃ポイントはそちら側になる。 芽依の使用するライフルの射程距離から考えると、そう遠くない場所に彼女達はいるはずだ。 「それだけの事で?」 「それはこちらのセリフだな。あの身なりだけで、彼等を漁師だと普通は判断出来ない」 「何となくそう思っただけよ」 「それに料理人ならともかく、その辺の漁師が柳刃包丁みたいな長い刃物は持ち歩かないさ」 「飲み屋で借りて来たんじゃない?」 「包丁は料理人の命だぜ。ましてや酔っ払いに貸したとなると、下手すりゃ殺人幇助になりかねない」 「それはそうかもね」 電話の向こう側の東村芽依は、あっけらかんとしている。その姿を探すべく、鳴滝は一人通りを歩く。 「それに『どうしてそう思ったの』なんて言い方は、答えを知っている人間のものだからな」 「おじ様、細かい事を気にするんだね」 「運が悪い事に、俺はその細かい事を気にするのが仕事の探偵なんだよ」 そう答えつつ鳴滝が歩く武家屋敷通りの先は少しばかり下り坂になっており、石畳が終わった所で信号機が待ち構えていた。 「そこにいたのか」 信号機の先に続く道路の路肩に停められている赤い軽自動車を見つけた鳴滝が呟いた。 跳ね上げられたハッチバックドアの中で、長い銃身のライフルを構えた人影が何とか確認出来た。 「おいおい、何丁のライフルを持ってるんだよ?」 助手席の背もたれに寄りかかり、荷台で東村芽依が抱えているライフルは昼間のものとは明らかに違う形をしていた。 「TPOで使い分けてるの」 「何者なんだよ、君らは」 そこで鳴滝の進行を阻むように、信号機が青から黄色、そして赤へと変わっていた。 「探偵なら、自分で調べたら?」 「金にならない仕事はしない主義なんでね」 「そのうち嫌でも知る事になるかもよ」 そう言った東村芽依がハッチバックのドアを閉めるのと同時に、軽自動車のブレーキランプが点灯した。 信号機は未だに赤。鳴滝はスマートフォンを耳に当てたまま、交差点の一角で立ち竦んでいた。 「何故、俺を試す」 鳴滝のその問いかけに、芽依からの返答は無かった。そして軽自動車は走り出す。 「クロウは本当にこの島に来てるのか?」 走り去る車のテールランプを見ながら、鳴滝は尚も問いかける。 「来てるよ。今も何処からか見てるかも」 そこで、やっと芽依の声が返ってきた。 「そのクロウが現れた時、君らはどうするつもりなんだ?」 「そんなの決まってるじゃない」 芽依がそう答えた時には、彼女達の乗る車は突き当たりの角を右へと曲がって姿を消してしまった。 ようやく青へと変わった信号機へと背を向けて、鳴滝は尾関梨香が待つ川口邸へと向けて坂道を登り始めた。 「殺し屋の殺し屋たるクロウを殺して名を挙げるつもりか?」 「まさか。クロウを仕留める。それがボスの命令。ただそれだけ」 「そんなに簡単に仕留めれる奴じゃないだろう」 「あたし達なら出来るわ」 「何故、そう言い切れる?」 「あたし達は最強だから」 そこで鳴滝は足を止めて、道の先へと目を凝らした。彼が端へと寄せた男達の姿が無い。 目を覚まして逃げ帰ったのか、それとも…… 最悪の予感に鳴滝は走り出した。 川口邸の前に辿り着いた鳴滝の前に、石畳の奥から、金髪の若い男が投げ飛ばされたように転がり出た。 反射的に鳴滝は男のこめかみへと蹴りを入れ、石畳の奥へと目を向けた。 通りの脇に立つ街灯の淡い光の中に立つひとつの人影ある。だが、それはあの男達のものではない。 「探したぜ、平手友梨奈」 そこに立つのは、紛れもなく鳴滝がここまで追って来たその本人だ。ライブハウスで着ていた赤いジャケットを羽織り、闇の奥から鳴滝を見据えていた。 そして、その背後から長濱ねるも姿を現した。こちらも無表情に鳴滝へと目を向けている。 「殺してないだろうな?」 平手友梨奈の両脇に横たわる二人の男に気付いた鳴滝が、揶揄うように問いかけた。 「殺す価値さえないよ」 それが鳴滝が初めて聞いた平手友梨奈の声だった。 「なんだよ、そのやりきった感満載のドヤ顔は」 男二人をいとも簡単に打ち倒す腕に感心しつつも、その見下すような眼差しが鳴滝の癪に触ったらしい。 「別に」 前髪を右手で掻きあげて、平手友梨奈は首を傾げながらそう言った。十代の子供にありがちな反抗的な態度に、鳴滝は苦笑いを浮かべる。 これが尾関梨香だったら、その鼻を摘んでやるところなのだが。 「とにかく、俺は敵じゃない。菅井友香もな」 「だから、なに?」 「だから……もう逃げ回るな」 「僕は逃げてなんかいない」 確かに、ただ逃げ回っているわけでもない。実際、鳴滝に襲いかかって来たのだから。 「ああ、そうだ……」 そこで鳴滝は、何かを思い出したような声を上げた。 「ほら、忘れ物だ」 鳴滝はそう言うと、内ポケットから取り出したハンカチに包まれたダガーナイフを平手友梨奈へと差し出した。 だが、彼女は直ぐには受け取ろうとしなかった。ジャケットのポケットへと両手を入れたまま、鳴滝の真意を探るかのように彼の目を見つめていた。 「昼間の続きをやるかい?」 鳴滝の意味深な言葉と同時に、平手友梨奈は右足でダガーナイフを持つ彼の手を蹴り上げた。 反射的に後ろへと下がった鳴滝の目の前で、宙を舞うナイフを平手友梨奈が受け取り、その切っ先を彼へと突き出す。 鳴滝は向けられたナイフを持つ平手友梨奈の腕を、弧を描くように左手で掴み取り、右手を添えて身体の回転を加えて捻り上げた。 堪らずナイフを離した平手友梨奈だったが、自らも身体を回転させて鳴滝の拘束から逃れつつ、彼の右足へと蹴りを打ち込んだ。 衝撃に膝から崩れ落ちるかと思われた鳴滝だったが、彼はその体重移動を利用して引き寄せた平手友梨奈の襟首を締め上げた。 「憶えておけ。本物の殺し屋ってのは、道具なんて持ち歩かない」 掴まれた左手を背中へと回され、動きを封じられた平手友梨奈の背後から鳴滝が低い声で囁いた。 「現場にある物で遂行するんだ。その方が足がつかないからな。だが、究極の殺し屋ってのは……」 そこまで語った鳴滝は、左手の人差し指と中指を彼女の喉元へと当てた。 「己自身が凶器だ」 平手友梨奈は目を見開いた。それは彼の言葉によるものではない。背後から伝わる氷のような彼の殺気によるものだった。 「やめなさい!」 川口玲子の甲高い声が響いた。 「何をしているんですか!」 「教育的指導を兼ねた実戦訓練です」 「そんな指導は必要ありません!」 飄々と答えた鳴滝の声に、川口玲子の整った眉が吊り上がった。 「ですよね」 その言葉と共に鳴滝は平手友梨奈の拘束を解いた。だが、彼女は立ち竦んでいた。魂を抜かれたように。 「こんな時間に近所迷惑です!」 「いや、これには事情がありまして……」 頭を掻きながら言い訳を始めた鳴滝に構わず、川口玲子は背後に控えていた尾関梨香からバケツを受け取り、足元で気を失っている男達へとその中の水をぶちまけていた。 「ここで何をしているんですか!不法侵入です。警察を呼びますよ」 奇声を上げて目を覚ました男達へと、川口玲子の喝が飛んだ。 「ちっと待てって!おいたちも訳がわからんと。もう来んけん、直ぐ帰るけん」 そう言って慌てて立ち上がった親玉の男の前で、鳴滝は拾い上げたダガーナイフを手に不敵な笑みを浮かべた。 「オプションで銃刀法違反も付けてやろうか?」 「それはおいたちのもんやなか!違うて!」 「じゃあ、あの包丁は誰のだよ?」 「ごめんて!見逃してくれ」 手を合わせて懇願しながら通りへと出た親玉の男に続き、短髪の男も逃げるように後に続いた。まだ気を失ったままの金髪の男を抱き抱えるようにして、男三人は去って行った。 「なんだか……疲れたな」 その後ろ姿を見ながら鳴滝が呟いた。 「お話しする事はまだありますが、今夜はこれでお休み下さい。お風呂も準備してありますから」 先程の般若のような顔から一転し、川口玲子は穏やかな声でそう鳴滝へと勧めた。 「しかし……」 振り返って平手友梨奈と長濱ねるを見た鳴滝が訝しげに言葉を切った。 「この子達は、もう逃げも隠れも致しません」 「逃げ隠れはしないでしょうが、襲って来られるのは御免です」 その鳴滝の視線は、立ち尽くす平手友梨奈へと向けられていた。 「あれは……サプライズだから……」 「いや、あれはサプライズとは言わない。トラップって呼ぶんだよ」 鳴滝の視線に俯いた平手友梨奈へと、鳴滝のツッコミが入る。 「どっちだって同じだよ」 「本物のナイフ使ったサプライズは、もう殺人未遂と変わらない」 「僕は……殺し屋なんかじゃない」 その平手友梨奈の言葉が沈黙を呼んだ。晩秋の冷たい風がその場にいる者達の高揚を下げながら吹き抜けて行く。 「何処で誰に訓練されたんだ? 」 鳴滝が不意に問いかけた。 「僕が……父親と呼んでいた男だよ」 「父親?」 そこで鳴滝は説明を求めるように川口玲子へと視線を向けた。だが、彼女は目を閉じて沈黙を貫くのみだった。 アメブロも合わせての更新乙です てちこ登場にドキドキです 最近欅坂板でのお絵描きのモチベが下がり気味でしてなかなか貢献できずすまんです ひらがなちゃんの番組が始まってもあまり変わらないようなら引っ越しも考えております(笑) >>268 チワンさんのイラストのファンの私としては チワンさんが引っ越してしまうのは寂しいので がなちゃん達には頑張ってもらわないと(´ー`) 沈黙する玲子に代わり平手友梨奈が口を開こうとしたその時、彼女の頭を鳴滝の手の平がそっと押さえ込んだ。 「本当に辛かった事は、そう簡単に誰かに話せるものじゃない。だから、今は無理をするな。話したくなった時に聞かせてくれ。ただし……」 そう言った鳴滝は、平手友梨奈の両肩を掴んで彼女の顔を覗き込んだ。 「これだけは信じてくれ。俺は君達を守るためにここまで来たんだ。どんな奴が相手だろうと、俺がぶっ飛ばしてやる」 「僕は一人でも……」 彼の言葉に反論しようとした平手友梨奈の頬を、鳴滝は両手で押さえ込んでいた。 「一人きりじゃ、大人にはなれないんだよ。自分以外の誰かとの関わりの中でしか、人は成長出来ないんだ」 目を丸くした平手友梨奈を見て、鳴滝はやっといつもの彼らしい悪戯な笑みを浮かべた。 「ガキはガキらしく、大人に甘えておけ」 「僕はガキじゃない!」 鳴滝の手を振りほどき、平手友梨奈が叫ぶ。 その彼女の前で、鳴滝は腕を組んで尚も笑みを浮かべていた。 「俺に勝てたら、ガキじゃないと認めてやる」 挑発するかのような彼の言葉に、平手友梨奈が再び身構えた時、その横を尾関梨香がつかつかと鳴滝の前へと進み出たと思われた瞬間、鳴滝は膝から崩れ落ちていた。 「これ以上、話しをややこしくしないで下さい!」 「お前、自分が馬鹿力だと、いい加減に自覚しろ!」 鳴滝を沈めたのは、尾関梨香の得意技である渾身のローキックだった。 「高校生相手に大人気なく挑発するような人間に、手加減する必要は無いと思いますけど?」 「力加減も出来ない女に諭されているかと思うと、なんだか悲しくなって来るよ」 「自分だって、女子高生相手に本気出してたじゃないですか」 「本気?あれが俺の本気だと思ったのか?ちゃんちゃら可笑しいぜ。ぺったんこ狸君」 「ぺったんこ狸?何ですか、それ?」 そこで尾関は眉を顰めて首を傾げた。 「自分の胸に手を当てて、よく考えてみろ」 鳴滝のその言葉を受けて、尾関梨香は素直に自らの左手を胸へと当てた。 「それが全ての答えだよ。ぺったんこ狸君」 シャーロック・ホームズを気取りつつ、尾関梨香をワトソン君に見立てた鳴滝が、その右手の人差し指を立てていた。 「おりゃ!」 気合いの声と共に、尾関のローキックが再び炸裂したのはその直後だった。 「てめぇ!同じ所に何度も蹴りいれんな!」 そう叫んだ鳴滝は、既に左脚を押さえて崩れ落ちていた。 「セクハラおやじへの正当な制裁です」 鳴滝の前で仁王立ちした尾関が腕を組んで言い放つ。 「探偵が事実を伝えて何が悪い」 「真実は違います。私は着痩せするタイプなんです!」 腰に両手を当てて胸を張った尾関を、鳴滝は寂しげな表情で見上げた。 「うん……まぁ……そう言う事にしておこう」 「何ですか?その哀れむような目は?」 膝を着いて踞る鳴滝を上から目線で尾関が煽る。それでも尚、鳴滝は哀し気に尾関を見上げていた。 「言いたい事があるなら、はっきり言ったらどうですか?」 その彼の煮え切らない態度に、堪らず尾関が答えを急かした。 「ロッククライマーでも躊躇しそうな断崖絶壁だなぁ……と、そう思っただけさ」 「せいっ!」 鳴滝が語り終わる前に、尾関の気合いの声が重なった。再び繰り出されるであろう彼女の蹴りに、両腕を交差して身構えた鳴滝の予想を裏切り、尾関が繰り出したのは頭上から振り下ろされた鉄拳だった。 「いっ!……」 言葉にならない声と共に、彼は頭を抑えて完全に崩れ落ちていた。 「もう、それぐらいにして下さい」 その二人の攻防を、呆れた声で川口玲子が止めに入った。 「鳴滝さんは不謹慎過ぎます。いくら部下とは言え、体型をどうこう指摘するのは女性に対して余りにも失礼です」 「おっしゃる通りです。以後、慎みます」 玲子の正論に、抗う言葉を今の鳴滝には見出せなかったようだ。 「尾関さんも、暴力に訴えるのは謹んで下さい。自らを女性と主張するのであれば」 「すいません……」 尾関梨香も返す言葉もなく目を伏せた。 その一連の流れを、平手友梨奈はただ沈黙と共に見守っていた。彼女をそうさせていたのは、あるひとつの疑問からだった。 玄関から中へと入った川口玲子に続き、長濱ねると鳴滝が後を追う。 その鳴滝に続き歩き出した尾関の肩を、平手友梨奈が背後から引き留めた。 「ちょっと……いいかな?」 自らの疑問の答えを得るべく、平手友梨奈は控えめに尾関へとそう問いかけていた。 「どうしたの」 自らの上司たる鳴滝の命を狙い、彼にも引けを取らない体術を持つ平手友梨奈の声に、尾関梨香は戸惑いながらも何とかそう答えていた。 「何故?」 「何故って、何が?」 彼女の意図が読めず、尾関は素直にそう問い返していた。 「何故、君の蹴りはあの人を倒せるの?」 「そんな事聞かれも……ただ思い切り蹴ってるだけだから」 「怖くないの?」 「何が?」 「あの人が」 「大丈夫だよ。だって鳴さん、女子供には手を挙げない人だし。だから、こっちはやりたい放題!」 そう言った尾関は、ついついいつもの調子で親指を立てた右拳を突き出していた。 「でも……さっきは僕を抑えつけたよ」 「あれは私もびっくりしたな。初めて見たかも。でもさ……」 尾関は笑顔を浮かべた。自分でも何故だか分からない。ただ、笑顔が湧き上がって来たのだ。 「それって友梨奈ちゃんの事、子供とは見てないって事じゃない?ちゃんと一人前と認めてるんだと思う」 「そうかな……」 「きっとそうだよ。でなきゃ、本気で向き合ったりしないよ」 俯くように目を伏せた平手友梨奈に、尾関は励ますかのようにそんな言葉を投げかけていた。 「本気で……向き合う?」 「そう。あの人ってさ、口は悪いけど根は優しいんだよね。それだけに不器用って言うか……何て言ったらいいんだろう?素直じゃないって言うか……」 「何となく……分かった」 困り顔の尾関へと、平手友梨奈が初めて笑顔を見せた。その彼女の笑顔に、尾関梨香も笑顔で応える。 「正直に言うとさ、友梨奈ちゃんが羨ましいよ……。私は何も出来なくて……格好悪いよね」 >>275 そんな時を耐えてこそ、本当の物語が生まれて来るんでしょうね 作家は天職でないと勤まらない つくづくそう思いますな ところで、ずっと気になってたのですが、タイトルの『欅坂の道化師』にはどんな思い込められているのでしょうか 包み隠したようでありながら、とても素敵なタイトルですので、気になります >>276 ありがとうございますm(_ _)m 物語りを書く人間にありがちな「これでいいの?」的な底無し沼にはまりかけてます。ラストまで知っている書き手だからこそ陥る罠なんですが。 「欅坂の道化師」の意味は、すっかり存在感をなくした守屋エージェンシーの立花涼介が解き明かしてくれます。それまでのんびりとお待ち下さい。 「格好悪くなんかないよ。あの人を追い込めるんだから」 今度は平手友梨奈が尾関梨香を励ます側に廻っていた。 「私には手加減してるからね」 尾関の笑顔は、いつしか苦笑いへと変わっていた。 「僕はそうは思わないな」 真剣な顔付きで平手友梨奈が言った。その表情に、尾関も自然と真顔になっていた。 「どう言うこと?」 「あの人……ただの格闘技の経験者ってだけじゃないよね?」 平手友梨奈の問い掛けに、尾関梨香は声を詰まらせた。目の前に立つ彼女の瞳を見つめたまま沈黙するしかなかった。 答えようにも知らないのだ。鳴滝の過去を。 「自慢する訳じゃないけれど、僕だってそれなりに訓練はして来た。それでも、あの人には敵わなかった」 「それは、ほら、同じ探偵でも鳴さんの場合は厄介な案件ばかりに首を突っ込む人だから」 苦し紛れに何とかそう答えたものの、尾関自身もよく分からない答えだと感じて、その戸惑いから視線を平手友梨奈から庭の花壇へと向けていた。 「そうだよね。型にはまった動きじゃないから、実戦で鍛えて来たんだと思う。だからこそ……」 何かを言いかけて沈黙した平手友梨奈に、尾関梨香は無意識に彼女へと視線を戻していた。 「尾関さんの打撃を防げないのが見ていて不思議だった。何故だろう?って……」 尾関梨香の視線に応えるように、平手友梨奈が語り出した。 「きっと尾関さんの打撃は、あの人でも予測出来ないんじゃないかな?」 「いやいや、ただ本気を出す程の相手じゃないからだよ。弱い者イジメはしない人だから」 平手友梨奈の推測に、照れ隠しではなく本気で尾関は困り果てていた。そこまで深く考た事など無く、本能の赴くままにローキックを繰り出していたのだから。 >>278 モチべ低下の中ご苦労様でありますm(__)m >>279 保守ありがとうございますm(_ _)m 絶不調でございます…… 「尾関さんは弱くない」 あの鳴滝に対し、強さにおいては及ばずとも遠からず。そんな平手友梨奈のその言葉に、尾関梨香は彼女の目を見つめて硬直していた。 「だって……あの人が認めて側に置いている人なんだから」 続けて語られた平手友梨奈の言葉に、尾関はますます動揺していた。 「認められてなんかいないよ。あの人、私の事を狸だって言ってるし。聞いてたでしょ?」 「狸は化ける。あの人はそう言いたいだけなんだと思う」 動揺にあたふたする尾関梨香を鎮めたのは、平手友梨奈のその一言だった。 「化ける?」 自分より年下の平手友梨奈の大人びたその言葉に、尾関梨香は即座にそう問い返していた。 「尾関さんの可能性。あの人はそれを誰よりも知っているのかも」 「そんな大袈裟な。鳴さんは、そこまで繊細じゃないから」 度重なる動揺からようやく自分を取り戻しかけた尾関が、上から目線で平手友梨奈へそうと言い放った。 「繊細だからこそ、素直になれないんじゃないかな?」 すぐさま返された彼女の言葉に、尾関は目を見開いた。 そんな事は尾関自身もよく分かっている。だが、それをこの短時間で見抜いた平手友梨奈と言う少女の感受性の強さと存在感に、尾関は自身を失いかけていた。 とても敵いっこない。自分より年下の彼女だが、きっと自分の想像も出来ない程の修羅場を見てきたのだろう。その想いが強くなればなる程、何故だが鳴滝が遠い存在になって行く気がして尾関は目を伏せて俯いていた。 「尾関さんが羨ましいよ」 不意に投げかけられた平手友梨奈の言葉に、尾関は無言で彼女の顔を見た。 「もう少し早くあの人に会えてたら、僕も変われたかもしれないな」 「何言ってるの?友梨奈ちゃんはまだまだこれからじゃない」 彼女の意図を理解出来ぬまま、尾関は即座にそう言い返していた。 「そうかな……未来が見えないんだ……僕には……」 その彼女の言葉に返す言葉が見つからず、尾関も黙り込んだ時、川口邸の玄関のドアが勢い良く開かれた。 「なんだ。狸とカワウソが喧嘩しているのかと思ったら、お前達だったのか」 そこに玄関から顔を出したのは鳴滝だった。 「カワウソって……」 「ちょろちょろとすばしっこいところとか似てないか?あと、顔もそれっぽいだろ?」 呆れ顔の尾関へと、隣に立つ平手友梨奈を指差しながら鳴滝が呟いた。 「失礼ですよ!」 「仕方ないだろ。俺は繊細な男だから」 「ひょっとして……話しを聞いてたんですか?」 そう言って尾関梨香は眉間に皺を寄せた。 「色気の無いガールズトークだったな」 「最低……」 「文句は中で聞くから、さっさと中へ入れ。風邪ひいちまうぞ」 鳴滝の進言にも女二人は彼の顔を見つめたまま動こうとしなかった。だが、その瞳の奥に秘めた思いはそれぞれに違っていた。 「あのなぁ……」 今度は鳴滝が呆れ顔で一歩外へと踏み出した。 「どんな金持ちでも過去には戻れない。 お前と俺とで積み重ねて来た時間を奪う事は出来ないんだ。それとも、簡単に超えられる程の薄っぺらい関係だったのか?」 尾関へとそう語った鳴滝は、その目を平手友梨奈へと向けた。 「未来なんて見えなくて当たり前だ。だからこそ希望って言葉があるんだ。それに、出逢いに早いも遅いもないんだ。変えられない過去に拘るより、変えていける未来を信じて馬鹿やってる方が、よっぽど楽しいぜ。だろ?」 僅かに平手友梨奈の顔に笑みを確認した鳴滝は、再びひとり玄関の中へと入った。 「分かったらさっさと入れ。小動物コンビ」 それだけ言い残し、彼は奥の部屋へと姿を消した。 どうも続きが書ける気がしないので、板違いと知りつつ、いつだったかに約束したヤクザ屋さん関係の経験談を書いてみます。 まずは超ライトなものから。 過去に、修羅の国と呼ばれる九州の福岡で仕事をしていた時のお話し。 新規のお客様で、どこからどう見てもヤクザ屋さんだと分かる人がいました。 人相の悪さに加えて、ブランド物のスーツを粋に着こなしたその人は虎キチと言う類いの人間で、阪神タイガースが試合で負けた翌日は頗る機嫌が悪い人だったのは記憶しています。 まぁ、それは可愛い部類に入りますが、ある日、訪問した最中に彼の携帯に電話がかかって来ました。 「はぁ?自殺した?」 彼の衝撃的な返答に、私は直ぐにでも帰りたかったんです。でも動けない。 「馬鹿野郎!鑑識が来るまで中に入るな、ボケ!」 鑑識?え?どう言うこと? 唖然とする私に、彼がやっと自分の身分を明かしてくれました。 「ワシ、京都府警のモンや。詐欺師追っかけてここまで来たんや」 おいおい……どっちがヤクザ屋さんが見分けつきませんって……。まぁ、確かにそのマンションはウィークリーだったので、違和感は感じてましたけどね。 「怪しい奴おったら連絡してや」 そんな事言われても……。 怪しい奴なら幾らでも知ってはいましたが、それでもお客様。人命に関わる証拠を出せない限り、そうそう簡単に情報を提供なんて出来ません。 いわゆるオレオレ詐欺の元締めのヤクザ屋さんを追いかけて、福岡まで来ていたらしいです。大変な仕事ですよね。警察って。 これも福岡での経験談。 私のいた業界では、ヤクザマンションと呼ばれる物件がありました。 とにかくヤクザ屋さん入居率が高いマンションがあったのです。 そのマンションの一室に居を構えるヤクザ屋さんが私の顧客だった時がありました。 「なぁ?このシミ落ちるかいな?」 ある日、そのヤクザ屋さんが私にブルゾンの袖口についた食べこぼしであろう茶色いシミを見せて来ました。 「さぁ……どうでしょう?」 そう答えつつ、私は呆然としていました。 何故なら、そのブルゾンを差し出したヤクザ屋さんのスウェットが、血まみれだったからです。 彼自身は怪我などしていない様子だったので、その血はおそらくは返り血。 「この服、気に入っとるとやけど」 「クリーニング屋さんに相談された方が良いかと……」 「それもそうやな」 床に敷かれた虎の皮製の敷物の上で頷くヤクザ屋さん。 それから一ヶ月以上、連絡が取れなくなりました。留守電にメッセージを残すも、返答無し。 ついに殺られたか……そう思っていた時、ヤクザ屋さんから連絡が来ました。 「おいは何もしとらんとに、サツが……」 要約すると、この一ヶ月以上は鉄格子の中にいたそうです。 いやいや……あれだけの返り血を浴びるって、傷害事件起こしてるやろ……。 意味がわからない。血まみれなのに、袖口の小さなシミが気になるなるなんて……。 不思議な人達ですよね。ヤクザ屋さんって。 これもまたまた福岡でのお話し。やはり福岡は修羅の国。 ある年の師走。お得意様から、アルバイトの話しを持ち掛けられました。二時間で一万円。仕事内容は大掃除。 特にその日曜日に予定も無かったので、のほほんと承諾。 迎えにに来たお得意様の車に乗り、連れて行かれたのは監視カメラだらけの建物。 その建物の玄関前に立つヤバそうな人に、お得意様が一礼。 「こいつはうちに入った若い衆です」 は?と思いつつ、私も頭を下げました。 対するヤバそうな人は何か言っていましたが、それは憶えていません。 その後、建物の中に入ると、もっとヤバそうな連中がうじゃうじゃ。 うん。ここって組事務所だよね。そう気付いた私でしたが、事実はその上を行っていました。菱形のマークで有名なあのヤクザ屋さんの福岡における本拠地だっだのです。 そりゃあ、ヤバそうな奴がいたって当たり前。後悔先に立たず。取り敢えず、隅に置いてあったパーテーションの後ろに隠れましたとも。なるべく関わりたくない……。 次々に入って来る親分と、その度に一斉に頭を下げる他の組の若い衆。 最悪なシチュエーション。そして更に最悪な事に、若頭らしき人に発見される私。 「そん所で何しとるんや?」 その一言と共に、若い衆の最前列へと引き出される私。 今現在はどうかは知りませんが、当時は若い衆はジャージやスゥウエットの様な服しか許されていなかったらしく、それなりの地位にいる人間しかスーツを着れないそうで……。その時の私は、ジーンズにブルゾン(MA1)……ヤバい……。 最前列で取り敢えず頭を下げながら、どうしたものかとお得意様に視線を向けると、奥の応接用のソファーで踏ん反り返るお客様。 騙された……そう思うも、既に後の祭り。 ならば楽しもう。なかなか経験出来ない事ですしね。そう開き直って、成り行きに任せていると、小さな親分が入って来ました。 私は背の高い方ではないのですが、その私よりも背が低い。そのヤクザ屋さんが、若い衆を引き連れてご登場。 その親分さんは、いわゆる経済ヤクザ屋さんと言われる人で、商売をしながら凌ぎを上げる人らしく、それなりに有名な人だと隣の若い衆が教えてくれました。 「だから、何?」 反抗しつつも、それを言葉に出来ない小心者の私はただ流れに身を任せるのみ。45度の最敬礼で親分衆を迎えつつ、逃げ場所を探す私。まさにカオス。 そして始まる大掃除。私は逃げるように二階にある広間へと逃げ込みました。しかし、それが大失敗。 縦長の窓を拭いていると、入り口からドスの効いた怒声。 「きさん!(貴様)」 その声に我に返って、私が見下ろした足元には、あの菱形のマーク。 終わった……グッバイ、俺の人生…… 。 その私の予想を遥か斜め上から、叱咤する声が……。 「この靴は、誰のもんや!」 その彼の手にした靴を見て、私は銷沈。 俺の靴やん……。 覚悟を決めた私に、ヤクザ屋さんの意外な一言が。 「俺と同じ靴やんか!」 いやいやいや……そんな事で怒鳴るなよ……。諦めから悟りを開いた私は、 「俺のです……」 咄嗟にそう答えてしまいました。 「こいつは安かばってん、軽くて良かとよ」 確かにね。履きこごちは良いけどさ……。 そんな事でいちいち怒鳴る事かよ……。 あの人達の価値観は、ちょっと違う。 それでも、そこからただひとつ分かった事は、自分達がヤクザ屋さんと一括りにする世界でも、違うものは違う。 いやいや、面白い…て言うたら不謹慎かも知れへんけど、スベらない話にも参加できそうなクオリティですやん←みぃちゃんに怒られるエセ関西弁 >>290 保守ありがとうございます! 私も迷走してます。 そして島に来てから二日目の夜が明けた。 いつもより早起きした鳴滝は、縁側に座り、足元に生えたクローバーを見つめていた。 「おはようございます。何してるんですか?」 少し寝ぼけ眼の尾関梨香が、黄色のパジャマ姿でのそのそと現れた。 「命の洗濯だよ」 「朝から何言ってるんですか」 そう言いつつ、彼女も鳴滝に並んで縁側に座る。晩秋の冷たい空気が、眠気を覚ますのにはちょうど良い。 見上げた空は、ムラなく塗り込められた折り紙のように、雲ひとつ無い青一色だった。 「なぁ、尾関……」 空を見上げる尾関梨香とは対照的に、視線を下に向けままの鳴滝が彼女へと問いかけた。 「何ですか?」 「世の中のクローバーが全部四つ葉になったら、人はどうするんだろうな」 「五つ葉のクローバーを探すんじゃないですか」 興味無さげにそう言った後、尾関はあくびをして目を擦った。 「きりが無いな。幸せ探しってやつは」 「何でそんなにセンチメンタルになってるんですか?」 鳴滝の意外な言葉に、尾関は怪訝そうに彼の横顔を見た。 「俺だって、たまにはセンチになるさ」 「似合いませんから。てか、センチなおじさん程、面倒くさいものはないですよ」 まだ完全に眠気が消えていない尾関は、ついつい本音を漏らしていた。 「お前、たった今、世の中の全おじさんを敵に回したぞ」 「誰も聞いてませんて。アイドルの生放送じゃあるまいし」 「まぁな……アイドルならともかく、お前じゃな……」 「なんか、今、カチンと来たんですけど」 「気にするな。世間一般論だ」 してやったり顔の鳴滝が、尾関梨香へと飄々と言い放つ。 「どこの世間の一般論ですか?」 不満を露わにした尾関は追求の手を緩めない。 「帝国データバンク調べだ」 「そんな下らないデータを集めるような企業じゃありませんから」 やっと尾関はいつもの調子を取り戻し始めていた。 「そんな事より……お前、少し痩せたんじゃないか?」 「えっ?そうかな?」 鳴滝の想定外の問いかけに、尾関は自らの腰に両手を当てていた。 「勿論、社交辞令だけどな」 「そう言うと思ってましたよ。本当に馬鹿のひとつ憶えって奴ですよね」 「成長したな……ぺったんこ……」 弟子の成長に泪ぐむ師匠のように、遠い目をした鳴滝が呟いた。そこに狸と言う言葉は消えていた。 「ぺったんこは辞めてください!まだ、狸の方が幾らかマシです!」 「了解だ。狸くん」 不毛な争いながら、勝利を確信した鳴滝が上から目線で言い放った。 「面白い……」 その時、二人の背後からそんな呟きが聞こえた。振り返ると、そこに立っていたのは既にあの赤いジャケットを羽織った平手友梨奈だった。 「おはよう……少しは眠れたか?」 「いつもよりは……」 「そっか……」 自らの問いに答えた平手友梨奈の言葉に、鳴滝は寂し気な表情と共にそう返していた。 「少し歩きませんか?」 「おっ!いいね。行くか」 彼女の予想外の提案が余程嬉しかったのか、鳴滝は直ぐに立ち上がって背伸びをしていた。 「じゃあ、私も……」 そう言って立とうとした尾関の肩を、鳴滝が右手で押さえ込んだ。 「野暮だな。少しは気を遣え」 その鳴滝の声は戯けていたが、尾関梨香が見上げた彼の瞳は真剣そのものだった。 「まるで散歩の時間になった飼い犬みたいですね」 以心伝心。この時ばかりは、尾関梨香にも鳴滝の瞳の奥の意図が読み取れた。それだけに、彼女は彼女なりの精一杯の嫌味で彼へとそう言い返していた。 「ワンワン」 尚も戯けつつ、鳴滝は尾関の頭をぐいと強く掴んで、平手友梨奈と共に玄関へと消えて行った。 「やはり、貴女しかいないのね」 その意味不明な言葉に尾関が振り返ると、そこには川口玲子の姿があった。 「どう言う意味ですか?」 「貴女なら、定められた彼の宿命さえ変えてしまうかもしれない」 尾関の問いに、即座に玲子が答えを返す。 「宿命?……」 それでも理解出来ない尾関は首を傾げる。 「鳴滝さんにとっての四つ葉のクローバーは、尾関さん、貴女だと言うことです」 「クローバー……私、雑草ですか?」 「雑草魂。それも捨てたものではなくってよ」 まるで意味を理解していない尾関に対し、川口玲子は苦笑いでそう応えた。 「さぁ、鳴滝さん達が帰って来るまでに朝食の準備を終わらせましょう」 そう言った玲子は、未だに戸惑う尾関へと背を向けた。 「私もお手伝いします!」 「では先に着替えて下さい。パジャマ姿で作るお料理は、味が落ちます」 厳し目に言い放たれた玲子の言葉に、すっかり目を覚まされた尾関は背筋を伸ばして直立していた。 俺も昔、ベンツに当て逃げしようとして事務所に連れてかれたんですけど 「素人だ許してやれ」とか言って助けてくれた若頭補佐の人が頭にめっちゃ分かりやすいヅラ乗っけてて・・・ 助けてもらっときながら、頭に乗っけちゃうような器量じゃ補佐で終わる人なんだろうなと思いましたね ニャンコ先生の小咄読んでそんなことを思い出しましたm(__)m 相変わらず絵で貢献できなくて申し訳ないです 今日は今日で高畑勲監督の訃報を受けてこんなの描いてるし http://o.5ch.net/14adh.png >>296 いえいえ。保守に協力して頂けるだけでありがたいですm(_ _)m しかし……どんどん上達してますね! びっくりしました。 高畑監督が亡くなられたのはとても残念ですが、彼の子供である作品は残り続けるので、その意味では本当に幸せな人だと思います。 真面目に小説書くのは、やはり板違いなのかと思いつつ続きを投下。 私はアイドルオタには向いてないのかも。 やわらかな暖かさを含んだ朝日を横顔に受けながら、鳴滝慎吾と平手友梨奈は肩を並べて歩いていた。 どことなく昭和の匂いのする民家の間の小道を共に歩きつつ、鳴滝は平手友梨奈の言葉を待っていた。 だが、彼女は昔を懐かしむかのように周囲の景色へと目を向けながら無言で歩みを進めているだけだ。 その二人の前を、一匹の黒猫が時折こちらの様子を覗い見ながら、しゃなりしゃなりと道の脇を通り過ぎて行った。 それは、ごくありふれた日常の風景。 通り過ぎる車のエンジン音。遠くから聞こえて来る犬の鳴き声。何処かの店が開店を知らせるシャッター音。 静寂とはかけ離れてはいるが、それさえも穏やかな日常の証しなのだ。 そのゆっくりと流れる穏やかな時間に、この島に初めて訪れたにも関わらず、いつしか鳴滝もいつか見た過去の風景を懐かしむ様な穏やかな顔になっていた。 「ねぇ……」 彼の意識を過去から呼び戻したのは平手友梨奈の呼びかけだった。 「ん?」 彼女の問いかけの本題を促す様に、鳴滝はそれだけ言って平手友梨奈へと顔を向けた。しかし、彼女はやはり少し俯きながらではあるが、真っ直ぐに前だけを見て歩いていた。 「探偵さんのお父さんって、どんな人だった?」 名前ではなく探偵さんと呼ばれた事に少し寂しさをを憶えつつ、鳴滝は胸の前で大袈裟に両腕を組んで見せた。 「さぁ、どんな人なんだろうな」 戯けた声ながら、どこか寂し気に言い放たれた彼の言葉で、平手友梨奈はやっと鳴滝の顔へと目を向けた。 「実はさ、俺は父親どころか、母親の顔さえ知らないんだ」 あっけらかんと語られた鳴滝の告白に、平手友梨奈は返す言葉が見つからず、再び前を見て黙り込んでいた。 「物心ついた時には施設にいて、親はいなかったけれど兄弟はいて……いや、もちろん血の繋がりはないんだけどさ」 「ごめんなさい……」 それまでの大人びた表情から、歳相応な女の子らしい表情へと戻った友梨奈の口から、囁やく様なその言葉が漏れ出ていた。 「謝られると余計に辛いぞ。それは君が一番よく分かっているはずだろう?」 戯けた声から一転し、諭す様な声に変わった鳴滝の表情に、友梨奈はただ彼の目を見つめ返すので精一杯だった。 「この事は、尾関には内緒にしておいてくれ。あいつは……ほら……人一倍感受性が強いと言うか、直ぐ情に流されると言うか……とにかく面倒くさい奴なんだ」 平手友梨奈の戸惑いを察したのだろう。鳴滝はいつもの彼らしく、飄々と語り出していた。 「うん。分かってる」 「だろ?面倒くさいんだよ……同情されるのは」 「それは違うと思う」 尚も飄々と語る鳴滝に、平手友梨奈は凛とした表情で向き直った。 「尾関さんは……本当に優しい人なんだと思う」 続けて語られた平手友梨奈の言葉に、鳴滝は立ち止まって彼女を見据えた。 「だからこそ……だろ?」 「だからこそ……だよ」 語尾の一文字を変えたのみの平手友梨奈の返答だったが、鳴滝の思考を止めるのにはそれで充分だった。 「だからこそ、曝け出してもいいんじゃないかな?自分の事……。でも、それを一番分かっているのは探偵さんでしょ?」 鳴滝の止まった思考を再び動かしたのも、やはり平手友梨奈の言葉であった。 「負けたよ……君にはお手上げだ」 「これで一勝一敗だね」 そこで、やっと平手友梨奈が笑みを浮かべた。 「はぁん?引き分けになっただけだろ。次は俺が勝つ。ひれ伏せ!」 川口邸の縁側での尾関梨香と同じく、両手を腰に当てた鳴滝が踏ん反り返る。 「高校生相手に本気を出してる時点でどうかと思うけど……」 その鳴滝に、控えめながらも平手友梨奈が本音を吐き出していた。 「勝負に社会人も高校生も関係ない。弱肉強食が世の常だ!」 本気なのか冗談なのかわからないテンションで、鳴滝は尚も目の前の女子高生に自信満々に言い捨てた。 「悪いけど……僕は、まだ本気出してないから」 「じゃあ、見せてもらおうか。君の本気ってやつを……」 それまでとは明らかに違う真顔になった鳴滝の言葉に、平手友梨奈は即座に身構えていた。 再び一触即発の雰囲気が訪れるかと思われたが、それを阻止したのは他ならぬ鳴滝の笑顔だった。 「不思議なもんだな。億単位で人間がいるこの世界で、同じ境遇にいた俺達がこんな島国の、さらに辺境のこの島で一緒に歩いているんだからさ」 「全然、不思議じゃないよ。玲子さん風に言えば、宿命。と言うより、神様の御導きってやつなのかな……」 その時、港の方角から出航を知らせるフェリーの汽笛が響いて来た。その音こそが港町の港たる所以なのだと平手友梨奈が再認識している最中、彼の声が聞こえて来た。 「神様……ひょっとして君もクリスチャンなのか?」 「うん。僕のいた慈愛院を運営していたのがカトリックの団体だったから」 「じゃあ洗礼名は?ちなみに俺はヨハネ。黙示録を書いたあのヨハネだ」 「僕はジャンヌ」 「ジャンヌって、あのジャンヌ・ダルクか?」 「そうだよ。珍しいでしょ?」 自慢気に語る平手友梨奈に、鳴滝は困惑した表情で目を細めていた。 「君はジャンヌ・ダルクの最後を知っているのか?」 アメブロもスピンオフなども交えながら更新乙です いよいよ『ひらがな推し』、始まりましたね でも録画して満足してまだ見てないという(笑) なんか溜まりそうな予感(笑) という保守 続きを書いていたら寝落ちしてました…… ひらがなちゃん達の番組はYouTubeで観ましたよ。 MCのオードリーも最初だったので、探り探りやっている雰囲気がありましたが、面白かったです。チワンさん残留決定ですねww 「ジャンヌ・ダルクは異端の罪で火炙りの刑になったんだよね。それぐらいは僕だって知ってるよ」 鳴滝の問いかけに、平手友梨奈は即座にそう答えを返した。 「その通りだ。では、その罪状は何だったか知ってるか?」 「さぁ。異端は異端でしょ?」 続けられた彼の問いに、平手友梨奈は首を傾げた。 「罪状はいくつかあったが、そのうちのひとつは男装の罪なんだ。信じられるか?男物の服を着たから。ただ、それだけの事だぜ」 「今の世の中じゃ考えられないよね」 いつしか鳴滝の話しに引き込まれていた平手友梨奈は、当たり前の様に彼に同意していた。 「実は今でもそれほど変わってないんだ。昔さ、神父達の会合に出くわした事があって、その話しを聞いてたんだが、そりゃあ酷かった」 「どんな風に?」 「当時、東アジアのある国がハリケーンで甚大な被害を受けた年があって、被害者が救援を求めていた。それを知った若い神父が彼等の為に街角で募金活動を始めたんだ。でも、他の地位の高い神父達は激怒したんだ。勝手な事をするなって」 「どうして?若い神父さんは間違ってないよね?」 「面子さ。お偉いさんの意に反した事をしたってだけで、その若い神父は潰された。実にくだらない。その時、俺は……神を捨てた」 真剣な面持ちで語る鳴滝に、平手友梨奈は返す言葉が見つからずに俯いた。 「ジャンヌ・ダルクは英雄じゃない。犠牲者なんだ。君はくだらない常識の犠牲者になるなよ。きっと君の姉さん達だって、そんな事は望んでいないと思うぞ」 その鳴滝の言葉へ平手友梨奈が言葉を返す代わりに、遠くから汽笛が再び鳴り響いた。 「結婚する時は教会の神父の前で永遠の愛を誓い、葬式の時はお寺の坊さんの前で冥福を祈る……」 汽笛がなり終わるのを待っていたかの様に、鳴滝が脈絡もなく語り出した。 「世の中そんなもんさ。節操が無い。彼等にとっては教会も寺もファッションの一部でしかないんだ。実にご都合主義な見せかけだけの美しさ。反吐が出そうだ。しかし、それさえも常識だとして疑いもせずに従うお利口さんな自称『常識人』の群れ……笑えて来るよ」 いまひとつその鳴滝の語る意味が理解出来ないままに、平手友梨奈は彼から目を離す事が出来ずにいた。 「俺達には親がいない。でも、それを言い訳にしたくはない……。そうだろ?親は居なくても、君には姉妹の『絆』はあったはずだ。 血の繋がりは無くても、寄り添ってくれる心が……」 「うん。僕には……いるよ……」 「だったら……胸を張って立て。俯くな。常識人ぶった馬鹿な大人達なんか放っておけ。君の人生は君にしか築けない。この世に産まれて来た以上、向き合うしかないんだ。この現実と。でも、それを乗り越えた時に、君が存在している理由がわかるはずだ」 高校生の平手友梨奈には、鳴滝のその言葉は余りにも哲学的で理解するには早過ぎた。しかし、その彼の真剣な眼差しだけは受け入れるに値するものだと感じていた。 「きっと、キリストが今のバチカンを見たら怒り出すと思うぜ」 鳴滝が悪戯な笑みを浮かべて、右手の人差し指を立てた。その仕草がどことなく学校の先生みたいだなと思いつつ、平手友梨奈は彼の声に耳を傾けた。 「豪華な装飾品や財産は全て売り払って、貧しい人々に分け与えなさい!ってさ」 「そうかもしれないね」 それはどうかと思いつつ、平手友梨奈は相槌を打った。 「クリスマスだって大人が馬鹿騒ぎする日じゃない」 「それはいいんじゃない?」 流石にそれには彼女も反論する。 「クリスマスってのは、いつも泣いている子供が笑顔になる。そんな奇跡が起こる日だ。と、俺は……ん?何でこんな話しをしてるんだ?」 そんな鳴滝が妙に可笑しくて、平手友梨奈は満面の笑みを浮かべた。 「いいね。その笑顔。一緒に笑い飛ばしてやろうぜ。このクソッタレな世の中を」 そう言って突き出された鳴滝の拳に、平手友梨奈も自らの拳を重ねていた。 >>307 純朴さと猥褻さが同居する感じが畑中純を彷彿とさせますな 保守ありがとうございます >>307 本当に誰だろう…… 奇妙な風が吹き抜けた。 その風は、鳴滝慎吾と平手友梨奈が拳を合わせた二人の間を渦を巻きながら、瞬きするよりも早く通り過ぎた。 「伏せろ!」 その正体にいち早く気付いた鳴滝が、平手友梨奈の肩を掴んで地面へと押し付ける。 「狙撃だ」 何事かと目を丸くする平手友梨奈にそれだけ伝えると、鳴滝は道路脇の縁石越しに民家の間の僅かな隙間から遥か彼方へと目を向けた。だが、狙撃者らしき影を見出せない。その時、焦る鳴滝の背後から聞き覚えのある若い女の声がした。 「どいて!」 アスファルトにへばりつく鳴滝と平手の間に、ゴルフのクラブケースを手にした東村芽依が割って入って来た。 「M24……特殊部隊?」 クラブケースを構えた東村の姿に唖然とする鳴滝と平手の間で、狙撃者を見つけたのであろうか。彼女は謎の笑みを浮かべてそんな独り言を呟いた。 よくよく見ると、東村芽依が構えているクラブケースは長身のライフルを偽装したものだった。 「顔を出しなさいよ……」 そのケースの中程から突き出た引き金に指を掛けながら、自らも狙撃者と化した東村芽依が囁く。 「見えるのか?スコープも使わずに」 この状況における違和感を、鳴滝はそのまま口にした。彼が言うように、彼女の手にしているライフルには、狙いを定めるスナイパーライフルには必須のスコープが装着されていなかった。 「私には『見える』の……」 そう答えた芽依の瞳は、既にあの金色へと変化していた。 「なるほど……」 聞き覚えのあるその彼女の言葉に、鳴滝は全てを察して東村芽依が銃口を向ける先へと目を向けた。 「どう言う状況なんだ?」 「幌付きのトラックの荷台から狙ってる」 鳴滝の問いに即座にそう答えた芽依だったが、引き金に指をかけたまま微動だにしない。 「ついに自ら動き出したか……」 「違う……あいつはクロウじゃない」 隣で溜め息に呟やかれた鳴滝の言葉を、芽依が即座に否定した。 「その根拠は?」 「クロウは仲間を持たない。でも、このスナイパーはチームで動いてる。まるで……自衛隊みたい……」 「怖い事言うなよ……」 鳴滝は思わず苦笑いを浮かべていた。 「あとはSAT……かな」 「どっちも御免だ」 鳴滝がボヤくのと同時に乾いた破裂音が響き、銃身から弾き出された薬莢が彼の鼻の先をかすめて飛んで行った。 「仕留めたのか?」 「挨拶しただけ。逃げて行っちゃったけどね」 クラブケースに装着されたバンドを肩に掛け立ち上がった芽依が、あっけらかんと言い放った。 「また助けられたな……しかし、君は何処にでも現れるんだな」 鳴滝も身体についた埃を両手で払いながら立ち上がり、尚も伏せたままの平手友梨奈へと右手を差し伸べた。 「猟犬のピンチだもの。助けるに決まってるじゃない。世話の焼ける仔犬ちゃんもいるしね……」 そう言いつつ、東村芽依は揶揄うような笑みを浮かべて平手友梨奈を見た。 その挑発に、平手友梨奈も獣のような鋭い視線を返す。 「あなたに……何が出来るの?」 尚も挑発を続ける芽依へと向けられた平手友梨奈の瞳が、彼女の前で金色へと変わっていた。 「へぇ……あなたもキャリアなんだ……」 平静を装いつつも、芽依の顔には明らかに動揺の色が現れた。 「心配しなくていいよ。僕は弱い者いじめはしない主義だから」 その芽依の表情に、今度は平手友梨奈の顔に笑みが浮かんでいた。 「弱い者いじめ?随分と自信があるみたいね」 一触即発の雰囲気の中、鳴滝がその間へと割って入った。 「なんでお前ら直ぐに喧嘩腰になるんだよ?カルシウム足りてないだろ?魚を食え、魚を。運良くここは島だ。魚なら幾らでもある。骨ごと食って頭を冷やせ」 呆れ顔の鳴滝に構わず、東村芽依と平手友梨奈は互いの目から視線を外そうとはしなかった。 更新乙です >>309 wwww この絵は忘れてください(笑) ちなみにヒントは書かれてます(笑) >>312 保守ありがとうございます! >>313 星野みなみだったんですね(笑) 可愛い…… >>314 ヒントは絵に描かれた「いたずら」という文字で、写真集のタイトルです(笑) これもその中のカットらしい やっぱり可愛い子や美人を描くのは難し…おや?誰か来たようだ アメブロは短編も含めて(最近はメイン?w)更新乙です 最近はお絵描きの軸足が完全に48G側になっちゃってましてm(_ _)m 今もけやかけけやおしは録画中なんですが、やはり見ない可能性もw >>316 保守ありがとうございますm(_ _)m ひらがな推しは観てみて下さい。 結構、面白いですよ 欅坂の道化師の更新も頑張りますので >>317 理佐ちゃん至上主義者の俺がひらがな推し見て齊藤京子に惹かれてビンゴを予約してしまった・・・ >>319 ひらがな推しのきょんこにけやかけ卒アル回のただただ睨む理佐ちゃん以来の衝撃を感じてしまったのですm(__)m 「いい加減にしとけよ」 彼女達の一触即発の雰囲気に、流石の鳴滝もその語気を強めていた。 その雰囲気を察したのだろう。加藤史帆がハンドルを握る赤い軽自動車が、東村芽依に乗れと言わんばかりに彼女の直ぐ横へと車体を寄せた。 開いた助手席のドアから後部座席へとクラブケースを乱暴に投げ込み、東村芽依は助手席のシートへと滑り込んだ。 「じゃあね、子犬ちゃん」 去り際の挑発を東村芽依は忘れていなかった。 「認めたくはないが、彼女に助けられたのは事実だ」 走り去る車を睨みつける平手友梨奈へと、鳴滝が背後からそう語りかけた。 「君は、僕は殺し屋じゃないと言ったよな?」 その彼の問いに、平手友梨奈は鋭い目を向けたのみだった。 「だったら、彼女と張り合うな」 「でも……」 「言いたい事は分かる。だからって、直ぐに挑発に乗るな。それが大人だ。君はガキじゃないんだろう?」 再びの問いかけに、平手友梨奈は黙り込んだ。 「玲子さんは言ってたぞ。『彼女達に希望を持って欲しかった』ってさ……」 東村芽依が残した薬莢を拾い上げて、彼はそれを東の空に輝く朝日へとかざした。 「君の持つ能力が何なのか知らないが、それを人殺しに使うな。人を生かす為に使ってみろよ。自分以外の誰かに希望を与える事が、君の希望にもなるような気がしてるんだ」 優しくも哀しく。鳴滝の言葉に、平手は俯いて両の手の拳を握り締めていた。 「今の世の中は結果が全てだ。そこに至るまでの努力と言うプロセスさえ、所詮は自己満足でしかないんだ」 「そんなの間違ってる!」 平手友梨奈が声を荒げて鳴滝を睨んだ。 「間違ってなんかいないさ。資本主義のこの国では、それが全てなんだ」 冷酷な鳴滝の言葉より、さらに冷たい彼の視線に友梨奈は息を呑んだ。 「だが……人生においては違う」 例によって例の如く、平手友梨奈がイメージする教師そのままに鳴滝は右手の人差し指を立てていた。 「例え、どんな辛い過去であっても、それはこれからの君を支える大切なプロセスだ」 右の眉を上げつつ、謎の笑みを浮かべた鳴滝が彼女へとその顔を寄せた。 「その価値は誰にも測れない。君が姉と慕う彼女達以外にはね」 彼女達。彼の口から漏れ出たその単語に、平手友梨奈の脳裏にいくつかの顔が過ぎっては消えていった。 「いつか彼女達が、『平手友梨奈は私の妹です』と、胸を張れるような存在にならなきゃな」 「そんなの……無理だよ」 そこで、やっと平手友梨奈が言葉を発した。 「無理だと?何言ってんだ、お前?」 そう言った鳴滝は、右手の中指で平手友梨奈の額を弾いていた。いわゆるデコピンと言うやつだ。 「簡単な事さ。君自身が胸を張れる生き方が出来るかどうかさ。私は殺し屋ですと言って、君は胸を張れるのか?」 「だから、僕は殺し屋じゃない!」 「だったら……冷静になれ。一時の感情に流されるな」 「でも……」 言いかけた言葉を腹へと押し戻したように、平手友梨奈が呟いた。 「でも……だって……。君がそうやって言い訳を考えている間に、君の大切な人が命を落とすんだ。それでいいのか?それさえも世間や誰かのせいにするつもりか?」 辛辣な鳴滝の言葉に、平手友梨奈の瞳があの金色へと変わっていた。 なーこがメッセで教会の中での写真を 載せてたけど、この小説の冒頭シーンみたいでちょっとワクワクした(^_^) 相変わらず貢献できずすまんですm(_ _)m 最近は地下板のみならずSTU板まで足を延ばしてまして(笑) ところで最近はやはりスレ放置6日〜7日でdat落ちのペースみたいです 保守には協力できると思いますので >>325 いつもありがとうございます。 私もそっちに行ってみようかな。 渡邉理佐から10日ぶりにメッセ 忙しかったからなぁ(´Д` ) >>327 理佐ちゃんのメッセは焦らしプレーも楽しみのひとつですからねw >>328 4月に入ってからメッセ取ったので、 まだ良く知らないのですが、 焦らしプレイってww 庭さんってMですよね? >>329 庭先生の読者になって1年ちょっとのド新規の者ですが たぶん理佐ちゃんに対してとそれ以外に対しては180度逆な気がします(笑) >>330 ( ´Д`)y━・~~なるほど……つまり…… d( ̄  ̄)良い意味でのど変態だと…… そう仰りたいわけですね 分かります。 基本ドSなんですがチワンさんの指摘どおり好きになると相手を神の如く崇拝してしまい全てを受け入れるドMと化してしまうんです 理佐ちゃんは初めて見た卒アル回のただただ睨む理佐ちゃんの衝撃だけで生涯何をしても許される存在になってますね 子供が赤ちゃんから三歳までに見せてくれる可愛さで将来ヤンキーになろうがヤクザになろうが親にとっては生涯可愛い存在になるのと一緒なんだと思います >>332 当たってたのか(笑) >>326 STU板も行ってみると予想以上に殺伐としてて、ここより居心地良いわけでもないですけどね(笑) でもあちらはまだメンバー内はみんな仲良しみたいだから…おや?誰か来たようだ >>332 そこまで夢中になれるのは正直羨ましい…… ところで理佐スレで、理佐のブラの紐になりたいと書き込んでいた庭さんて、庭さんですか? >>333 私はアイドル板はここしか知らないので、まぁ、こんなものぐらいにしか思ってなかったのですが。 乃木坂板見に行った事ないのでとりあえず見てこよう。STUはメンバー知らないと、どこ見ていいかわからないだろうし。 >>334 意外かも知れませんがブラ紐は俺ですw ちなみにゆいぽんのスレではスカートの中の詩人と呼ばれてましたw >>335 ((((;゚Д゚)))))))うわぁぁああああ 誕生日祝いの気持ちを込めてプロの絵にマウスで挑むという無謀なチャレンジをしました(笑) https://o.5ch.net/14u9h.png >>337 マウスでこれだけ描けるとか 逆に凄い…… >>338 さすがに1時間かかりました(笑) やはりプロは違うなと改めて実感(笑) なーこちゃんスレにも貼ってみたけど叩かれなくてよかった >>339 これだけ上手ければ誰も叩きませんて(笑) マウスで一時間は凄い集中力ですよね >>341 志田はこのまま居なくなりそうですよね 根が真面目な理佐ちゃんが距離を置き始めたの見て嫌な予感はしてたんですけど・・・ メンタル弱い俺は今日は理佐ちゃんとの恋愛妄想は自粛ですw この前まで 欅坂を単なるアイドルと一緒にするなアーチストで表現者なんだからうんたらかんたら って言ってた人達が今度は志田叩きねる叩きしてるのかと思うと 率直に言って、意味が分かりません(笑) まあ、ここぞとばかりにお客様がたくさん流入してるのかな(笑) とにかく大事なことは、これでスレ落ちのスピードが早まる可能性もあるので注意ってことですね(笑) みんなここに集合してたのかw >>341 それにしても文章って形に残りますよね って書こうと思ったんですけど、 ニャンコ先生の作品は、【2冊目】に限るともなちゃんは出演してないんすねw >>342 で、庭さんの一途な愛はこういう時に勇敢な印象をうけますね >>343 アイドルオタクなんてそんなもんですよ 短いスパンに閉じ込められた女の子を、移ろいやすい心で推していくわけですから、当然不安定な感情にもなりますよ >>344 なるほどね… そういうヲタたちの心にも振り回されるアイドルの仕事って本当に大変なんですね… なんか今度は志田の相手の男性の素性がヤバそうだとか言う話にも広がってるみたいですけど 自分に言わせれば運営スタッフのほうが遥かにヤバそうな…おや?誰か来たようだ >>345 志田ちゃん結構好意的に見てたんだけどな・・・ 理佐ちゃんを墨入れてるようなチンピラに会わせる危険のある女はアウトですねw 予想通りスレ落ちのスピードが上がりはじめたみたい 最終書き込みから3日経たないスレが落ちはじめた ご用心ご用心 皆さん、保守コメントありがとうございます! 志田問題を静観していましたが、今ひとつ核心に迫るものが無くてモヤモヤしています。 ただ、渡邉理佐さんが単に尾関LOVEだけでなく、今回の件を予測していて志田愛佳と距離を置いていたとしたら私の中での渡邉理佐の株はストップ高です。 でも、欅坂46全体として見るとマイナスしかありませんよね。生誕祭で沸いていた長沢菜々香さんの話題は吹っ飛ぶし、ブログ更新ストップしていた守屋茜さんの更新や、他のメンバーのメッセさえ痛々しく感じてしまいます。 >>348 今回の件を理佐ちゃんが知ってたかは謎ですが・・・ それほど賢くもなく幼稚なとこが多分にある理佐ちゃんだけに一歩間違えたらねるちゃんみたいになってたかもw もっとも理佐ちゃんはねるちゃんほど根性据わってないから絶対に新潟には行かないと思うけど アイドルやってて今回の志田ちゃんみたいな行動出来るのは自然にルール破ることにガキの頃から馴れてないと出来ませんからね そういうのは日頃の些細な言動にも出るから理佐ちゃんみたいに常識的な子からしたら志田ちゃんにはヤバイ気配は感じてたんじゃないかな それで一緒に居ることに違和感を感じて自然と距離が出来たんじゃないかと予想しとります 理佐ちゃんにはルール破ってメンバーやスタッフやオタに迷惑かける腹の太さは無さそうですから 人間としては簡単にルール破れる志田ちゃんの方が圧倒的に面白いんですけどねw でも金輪際理佐ちゃんには近づかないで欲しいですね 理佐ちゃん至上主義者の俺としては理佐ちゃんには人生ひたすら良い思いだけして楽勝モードに生きて欲しいんでw しかし、欅坂は色々ありすぎて保たないかもしれませんね 狂信的なオタが湯水の如くお金を注ぎ込むからナンとかなってるけど あの運営には普通の企業みたいに組織を効率的に機能させるマニュアルが無いみたいですからね 本当ヤクザな商売してますよw 理佐ちゃんを心配するあまり長文を書いてしまい ニャンコ先生のスレを志田問題の討論スレみたいにしてしまい申し訳ないですm(__)m >>350 >>351 いえいえ、ここは隠れ家として使って下さいw なかなか更新出来ないので なるほどです。 何だかんだ言っても、渡邉理佐って人は 優しさと常識を兼ね備えていると思います。 今現在メッセを取っているのは 長沢菜々香、尾関梨香、守屋茜、渡邉理佐、 今泉佑唯の五人ですが、今泉佑唯だけは通常営業のような気もする……何気に峯岸みなみの名前出して来るところとか応援なのか、抗議なのかと深読みしてしまう。 >>352 見た目は世界一美人と言っても言い足りないぐらいの理佐ちゃんなのに中身が意外と平凡なぐらい常識人な所に惹かれてしまうんですよね 口悪いのにビビりだったりたまにぽんこつだったり素敵過ぎますわ >>353 5人も取ってるなんてニャンコ先生浮気者体質ですなぁw >>356 酔って書いている途中で更新したみたいで 記憶がないんですよ( ̄◇ ̄;)びっくり >>355 箱推しの方がリスクヘッジ出来ていいですよね 志田ちゃんの事件以来怒りと悲しみの行ったり来たりで身に染みました・・・ >>358 箱推しと言うのも、今は言い訳の様に思えます。 「言ってる側からまたそれか」 威嚇するかのように睨みつける平手友梨奈に、鳴滝は呆れたように首を傾げた。 「違うよ、探偵さん……後ろを見て」 彼女のその言葉に振り向いた鳴滝は、そこに立つ男の姿を見て硬直した。 黒いロングコートの下に、司祭の様なローマン・カラーの黒いシャツと黒のズボン。面長な顔の額から後方に流れる長い黒髪を後頭部でひとつにまとめ、細い黒縁の丸眼鏡の奥にある目は鳴滝一人へと視線を注いでいる。 「お久しぶりですね。鳴滝君」 背後で手を組んだ直立不動の姿勢のまま、その男は懐かしむかの様な笑顔で鳴滝へと語りかけた。 「貴様……」 対する鳴滝の顔は怒を露わにしている。 「彼女は……若月さんは、今も鳴滝君の中で笑っていますか?」 歪んだ笑顔で謎の男が鳴滝へと再び問いかけた。その問いが終わるのとほぼ同時に、男へと踏み込んだ鳴滝は彼の顔を目掛けて拳を振り抜く。だが、その拳は虚しく宙を切るだけだった。 「怒りに我を忘れるとは……君はあの頃と少しも変わっていませんね」 男は嘲笑と共に鳴滝を見据える。その男の瞳の中で、鳴滝もまた笑みを浮かべていた。 「分かってるさ。ここにいる貴様が幻影だって事ぐらい」 「正確に言えば、幻影では無く精神体です。まぁ、それを理解したところで、今の鳴滝君にはなす術も無いのでしょうけれど」 尚も嘲笑する笑みの奥で、男は鳴滝を挑発していた。 「貴様が生きていたって事だけで、俺にとっては朗報だ」 「それは良かった。喜んで頂けたのでしたら何よりです」 「貴様だけは許さない。俺の手で地獄へ叩き落としてやる」 「許さないとは若月さんの件でしょうか? あれは不幸な事故でした」 丸眼鏡の縁を右手の中指で押し上げながら、男はゆっくりと目を閉じた。 「事故だと?」 「ええ。しかも防げた事故でした。君があの時に正しい判断をしていれば、彼女は命を堕とす事も無かったのです」 男のその言葉に、鳴滝は顔を歪めた。 「人間とは何と愚かなのか。失って初めてその存在の意味を知るのですから」 再び目を開いた男は、鳴滝の背後に立つ平手友梨奈へと目を向けた。 「同じ過ちを繰り返す前に、今回の件から身を引いてもらえませんか、鳴滝君」 「貴様の狙いは何だ?」 「四○四号。それだけですよ」 そう言った男は、平手友梨奈へと向けて歩き出していた。それを阻止しようとした鳴滝の腕をすり抜けて。 「お嬢さん……平手友梨奈さんでしたか?貴女の持っている例の物を私にお譲り頂けませんか。無論、それなりの代金はご用意致しますので」 「嫌だ。これは誰にも渡さない」 近付いて来る男に対し、平手は拳を突き出して身構えた。 「これは?では、やはりその左手の中指にあるそれが四○四号なのですね……」 その時、男の瞳は平手友梨奈と同様に金色へと変わっていた。 「マテリアライズ……」 互いの息が感じられる距離まで互いが接近したその時、男の腕を掴んだ平手友梨奈の口から謎の言葉が漏れ出した。 「何ですか……これは……」 「これが僕に与えられた能力だよ」 そう語った平手友梨奈の視線は、謎の男にではなく鳴滝へと向けられていた。 「マテリアライズ……実体化……」 その驚愕の声と共に、謎の男の顔が歪む。それまで人の形を成しながらも半透明だった男の身体が現実味を帯び始めていた。 「探偵さん!今だよ!」 その平手友梨奈の呼びかけに、鳴滝は本能で応えていた。 「消え失せろ!」 突き出された鳴滝の右拳が謎の男の背中を貫いた。その拳に確かな感触を捉えた鳴滝の目の前で、謎の男の顔が苦痛に歪んだ。 「厄介なお嬢さんだ……折角の機会を棒に振るとは。愚かなり!」 苦痛から怒りに変わった男の顔は鬼そのものだった。 「ならば力を以って奪い取るのみ。命を賭して守り抜いて下さい。多くの犠牲を厭わないのであれば」 「よく喋る幽霊だな」 彼の身体を貫いた鳴滝の腕が振り上げられた。それに伴い、謎の男の身体が煙の様に霧散して行く。彼の頭のみを残して。 「尾関梨香……でしたか?あの娘は実に面白い。生田絵梨花?いえ、若月佑美……彼女にそっくりです」 頭部のみとなった謎の男は尚も語り続ける。 「鳴滝君。君の心の穴を塞ぐ存在としてと言う意味ですが」 「あいつに手を出すな」 「そこまで守りたい存在なら、是非とも壊して差し上げたい」 「間楠……壊れるのは貴様だ」 宙に漂う謎の男のこめかみを鳴滝の拳が貫いた。霧散した男の頭部の後に残ったのは、青空を照らし出す島の光に浮かぶ鳴滝の拳のみだった。 更新とともに番組チェックまで乙でありますm(__)m >>364 保守ありがとうございます! 少しテンション下がってます…… とうとうケヤビンゴの予約まで面倒くさくなってきた重症な私が通りますよ(笑) という保守 「助けられちまったな。ありがとう」 「いえ……」 申し訳なさそうに頭を掻いた鳴滝に、平手友梨奈はそれだけを返して彼を見た。 皆の待つ川口邸へと歩き出した彼の背中を追って彼女も無言で歩き出す。 ライフルで狙撃され、魔人の様な男に襲撃されるという危機的な状況の直後であるにも関わらず、前を歩く鳴滝という男は、それらさえも野良犬に吠えられたぐらいの感覚でしかないかの様に飄々と歩いている。 それが違和感ではなく不思議な安堵を自らに与えている事に気付き、平手友梨奈は密かに笑みを浮かべていた。 強さとは理屈では無い。言葉に依らず、ただ背中で語る。その意味を平手友梨奈は目の当たりにした様な気持ちだった。 「マテリアライズ……あいつみたいな幽体を実体化するのが君の持つ力なのか?」 やっと武家屋敷通りの石畳みへと足を踏み入れた鳴滝が振り返って彼女へと問い掛けた。 「うん……あまり使いたくないけど」 「そっか。だよな。悪かった」 「いいよ。それより、僕からもひとつ聞いていいかな?」 「何だ?」 「若月って……」 平手友梨奈の口から漏れ出たその名に、鳴滝は寂し気に視線を逸らした。 「てっきり、さっきのあいつの事かと思ったよ」 「それもそうなんだけど……」 触れてはならない事に触れてしまった様な気がして、友梨奈も彼から視線を逸らしていた。 「若月……若月佑美。俺が心底惚れた女だ」 鳴滝の言葉に、友梨奈は再び彼を見た。 「そして、あいつ……間楠が彼女を殺した男だ」 「まぐす……」 その名によって友梨奈の脳裏に、間近で見たあの魔人の顔が浮かんでいた。 「そう、マグスだ。聖書にも名を記されたシモン・マグスと同じ魔術師さ。皮肉なもんだな」 苦笑いを浮かべつつ、鳴滝も友梨奈へと顔を向けた。 「力を貸してくれ。君のその力が必要だ」 「僕の……力?」 「佑美は俺の中にいる。俺は彼女に誓ったんだ。あいつを地獄へと叩き落すと……。分かってる。それがてめぇ勝手な理由だって事ぐらい。それでも、誓いは果たしたい」 そう語る鳴滝の真剣な眼差しに、平手友梨奈は返す言葉が見つからず躊躇していた。 「その為なら、この命を投げ出してもいい」 平手友梨奈の躊躇を察した鳴滝が、その心の底を暴露した。 「僕は嫌だ」 想定外の彼女のその言葉に、鳴滝は目を見開いた。 「命を捨てる為に、僕は戦いたくない」 その時、一匹の野良猫が二人の脇をしゃなりしゃなりと通り過ぎた。 「当然だ。俺は生き残る。若月佑美の為にもな」 「それなら幾らでも力を貸すよ」 朝日と呼ぶには時間の立ち過ぎた陽の光の中、二つの想いがひとつになった瞬間がそこにあった。 >>366 >>367 御二人供オタ活の末期症状じゃないですか!? ちなみに俺は渡邉美穂ちゃん目当てでビンゴもがな推しも見てまっせw >>370 いや、自分は元から欅ちゃんヲタじゃなくてネタを書くために勉強してただけなんで(笑) 今回の文春の件も、友人(素性はともかく)と出かけて気分転換ができるぐらいの精神状態になったのなら良かった、という感想しかなくて ああやっぱり自分はヲタじゃないんだなと改めて感じました 今の気持ちは…… 人工衛星みたいに上から目線で のんびり見てる感じかな >>372 俺も似たようなものですよw 欅ちゃんのCD買うけど理佐ちゃんの特典映像は毎日何回も見てるけど他メンのは1回も見ないですからねw >>373 ニャンコ先生悟りの一歩手前みたいになってるじゃないですかw 尾関「乃木坂46さん、初週でミリオン達成らしいっすよ」 鳴滝「すげぇな」 尾関「ちなみに鳴さんが好きな乃木坂さんの曲はなんですか?」 鳴滝「やっぱり、世界で一番孤独なloverだな」 理佐「酷い!」 鳴滝・尾関「???」 理佐「世界で一番孤独なババァって……新内さんに謝って!」 鳴滝「はぁ?ババァとか言ってないぞ。しかも新内さんとも言ってないから」 理佐「いいから謝って!」 尾関「鳴さん、理佐ちゃんこうなったらなかなか引きませんよ。ここはとりあえず謝っておきましょう」(小声) 鳴滝「も……申し訳ござらん」 理佐「武士かっ!ちゃんと謝って!」 鳴滝「誠に遺憾でございます」 理佐「政治家かっ!」 鳴滝「許してたもれ」 理佐「公家かっ!」 鳴滝「泥酔しておりまして……」 理佐「山口かっ!」 鳴滝「右斜め45度に投げました」 理佐「水かけ姫かっ!」 鳴滝「メイのバカっ!」 理佐「トトロかっ!」 鳴滝「逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ」 理佐「碇シンジかっ!」 鳴滝「朝日の記者はぁ〜」 理佐「麻生かっ!」 鳴滝「白塗り」 理佐「今泉かっ!」 鳴滝「初週ミリオンおめでとう!」 理佐「乃木坂かっ!」 鳴滝「正解です」 理佐「ありがとうございます」 鳴滝「いえいえ」 理佐「欅坂も頑張らないと」 鳴滝「ですよね」 尾関「私も白塗りしようかな?」 鳴滝「お前が白塗りすると、妖怪みたいになるからやめておけ」 尾関「妖怪?」 理佐「ぬりかべかっ!」 鳴滝「正解です」 理佐「ありがとうございます」 守屋茜「わかわかめ……」 おお!ベリーショートシリーズがこちらに逆輸入されてる(笑) …メイのばかっ!はサツキのセリフじゃなかったろうか… でも映画のタイトルとすれば正解なのか… でも次がエヴァンゲリオンじゃなくてシンジになってるし… まあ深く考えないようにしてH●T●8の配信に戻るか… >>378 「サツキかっ!」にするか迷ったのですが、 トトロの方が分かりやすいかと(^_^) HKTってさっしーのとこでしたっけ? 本スレで話題になってた 平手ペニーワイズの謎 同じ道化師繋がりで謎を解いてみたい気もする >>380 自分にとってはペニーワイズはアンティーク家具のことなので、何のこっちゃって思ったけどググって納得(笑) それよりも、てちがメッセ送ってくるという事実自体にびっくりした(笑) >>379 昨日は新曲の発売日で、メンバー集合して生配信があったんです 指原は例のごとく不在でしたけどね それ見てて改めて思ったんですけど、やっぱり自分にとってはメンバーが楽しそうなのが一番なんだなと ただわちゃわちゃしているっていうことじゃなくて、意欲とか感謝とか喜びとか、そういうものを含めての話で 今までパフュームやてんとうむChu!にムチューになってきたのも、根本的にはそれが理由なんだなと思います それが欅ちゃん達から正直感じられにくくなったのが、なかなかハマらない理由なのかなあ >>381 てちメッセは今やプレミアム まぁ、メンバーの笑顔を見に来てる感じありますもんね。てんとうむchuを知らなかったので検索したら、AKBでしたかww チワンさんはNMBの武井 沙良って子を知ってますか?どんな子なんだろう? >>382 突然武井紗良の名前が出て意外すぎてびっくり 自分も詳しくはないんですが、大阪が拠点のNMB48のメンバーで、第1回ドラフト会議で選ばれました 同期にはあの須藤凛々花がいます 自分は在宅ですし彼女の歌やダンスの実力はわからないんですが、加入以来シングル曲の選抜には入ったことはありませんし、注目度もあまり高くなくてなかなか厳しい状況っぽいです その状況を打開すべく、しばらく前に『武井アイドル王への道』というシリーズの動画投稿をしていた時期があり、自分が認知したのもそのときでした NMBの先輩方を1人ずつ一撃で倒していくネタ動画でなかなか面白かったんですが、不発だったようで… >>383 詳しくありがとうございます! 流石チワンさん、簡潔明瞭でわかりやすいww 一応検索したのですが、情報が多過ぎて逆によく分からなかったんですよ。欅坂ファンなのにその名前を使っている人がいたので気になっただけなんですけど。 オタは他のグループのファンとは牽制しあってるイメージがあったのですが、同じ秋元グループと言う事で応援してる人もいるって事ですね。 俺にもさくらたんだけがアイドルだった時期があったなぁ >>385 さくらたんの描く絵が大好きなんですよ(笑) 生ちゃんと双璧じゃないですかね 理佐ちゃんの絵はちょっと見ましたが単純にとてもかわいいですよね(笑) でもこの2人のは何かいわゆる狂気をはらんでいて、真似できないです(笑)すごすぎる(笑) …ていうか、確かくー民だったんじゃなかったでしたっけ? >>386 くーみんを失った俺をヲタ墓場から甦らせたのがさくらたんとまいやんでした それからみおたすやこじまこにと色々浮気しつつ まいやんこそ世界一の美人と推してたんですが 卒アル回のただただ睨む理佐ちゃんに心を奪われてしまったのです ちなみにあっちゃん、くーみん、理佐ちゃんの3人が俺の公式推しメンですね あの頃はくーみんのスレで毎日くーみんを讃えてましたね〜 確かにあの二人の絵は普通ではないですねw 理佐ちゃんの絵はギャートルズっぽくて好き >>386 生ちゃんは分かるが、さくらたんがわからんww 桜井玲香? 理佐ちゃんの絵はシンプルイズベストってことでひとつヨロシク >>388 『さくらたん』はHKT48の1期生、宮脇咲良のことです 加入時にはまだ中学生でいわゆるロリキャラだったんで、こういうニックネームがつきました 本名を聞けば、ニャンコ先生もご存知でしょうかね? もしもググるのであれば、武井紗良とは全く比べものにならないぐらい超大量の情報が出てくると思われますが(笑) 桜みんなで食べた♪は当時お偉いさんたちが一通りさくらたんを食べたからこれから超ごり押し始めるよって言う秋元先生からのメッセージソングだって言われてましたよね >>390 当時自分が別の解釈を言っていたのを思い出しました(笑) ↓ 桜の花びらを食べるというやや不自然なタイトルと歌詞にした理由は あの曲も田島芽瑠・朝長美桜のWセンターなので 『桜』は朝長美桜 『食べた』は田島芽瑠(当時は大食いキャラで定着していた) を表していて それにその他大勢=『みんな』をつけて 要するに『芽瑠美桜と仲間たち』のことを暗喩しているのである …という説(笑) >>391 これは興味深い説ですね あの頃は仕事の関係で2ちゃんを離れてたのでチワンさんとニアミス出来てなかったのが悔しいです 実はこの頃はみおたす見たさに深夜の冠番組見てました 理佐ちゃんと出会って過去のヲタ歴を捨ててしまったので番組名すら思い出せずですが・・・ >>392 この曲が出た2014年春にやっていた深夜冠番組は、HKTだとすればHKT48のおでかけ!しかないんですが みおたすが出る回数はそれほど多くなかったですよね ていうかみおたす推しならばこの時期はあの歴史に名を残す神番組中の神番組 『てんとうむChu!の世界をムチューにさせます宣言』 をやってましたから そちらも見てましたかね? 以上、首都圏での話ですが… >>393 お出かけの前にやってたやつで初めてみおたすの可愛いを見たときの衝撃は忘れません てんとうむchu 見てましたこじまこも好きな時期があったんでw >>394 その前の年の春ごろまでやってたのがHaKaTa百貨店2号館で、みおたすの関東地方のTV初登場はこれだったはず 同じ年の夏には最初のノギビンゴと対決する体でトンコツ魔法少女学院ってのもありましたね …だんだん何のスレか不明に(笑) てんとうむChu!のスレになってますねw しかもニャンコ先生は若干おいてけぼりw しかし関東は、関東ローカル番組が見れていいですね〜(ヽ(`Д´)ノプンプン) >>395 そうだ!百貨店で初めてみおたす見て虜になったんだ! >>396 しかも同じ都内に理佐ちゃんが居るというこの至福 理佐ちゃん生誕の地茨城県には一目置くとしても、それ以外の土地には優越感をおぼえてしまうw 雑談スレみたいになってさしまってニャンコ先生には申し訳ないです・・・ 宮脇咲良検索しましたww 画像見て堀未央奈かと思った(´Д` )似てない? で?次は誰を検索すればww 出て来た名前、全くわからんww >>398 咲良たんも堀ちゃんも最初はロングだったんですが 相次いでショートにしてから、特に写真では似てると言われるようになりましたね 運動神経と学力はそれぞれ正反対みたいですが(笑) あと咲良たんは女優?の武田玲奈にも似てるとよく言われてました 上にも書きましたが自分は宮脇画伯の絵が大好きでね 中でも最高傑作のひとつと思っているのがこのモナリザの絵です https://pbs.twimg.com/media/ChsaZ8UVIAATvc5.jpg ・・・・・ 以下、検索用に上で出てきた人名の解説 あっちゃん→前田敦子(初期AKB48の絶対的センター) くーみん→矢神久美(SKE48の1期生) くー民→くーみんヲタの呼称 田島芽瑠(HKT48の2期生・HKTのデビュー時のセンター・堀ちゃんとも仲良し) みおたす→朝長美桜(ともながみお・同じくHKT48の2期生・田島とWセンターをやっていた時期あり) こじまこ→小嶋真子(AKB48の14期生) てんとうむChu!→田島・朝長・小嶋らが所属していたAKBGのみならずアイドル史上にその名を残す7人組の伝説の神ユニット >>398 混乱させてすいませんw >>399 シンプルなのに深淵さを窺わせる絵なんですよねw さくらたんの魅力であるそこはかとない禍々しさが滲み出ていて好き >>399 またまた詳細ありがとうございます モナリザww なにこの破壊力ww 気に入った(´Д` ) >>400 宮脇咲良、面白いかもしれない。 ちょっと興味出て来た >>402 去年の5月2日の秋元康の誕生日にNHKFMでやったラジオの時のだ(笑) 当時もこれで相当荒れましてね… ゆっかーに近い順から一応全員↓ ★向井地美音(むかいち・美音) AKB48の15期生・今年成人式組 いわゆる子役上がりで、例えば『アンフェア』というドラマでは篠原涼子の娘役を演じていた 次世代エースとして推されていて、すでに1回表題曲センターも務めたことがあり また元々AKBの熱心なファンだったこともあって、先日行われた『AKBセンター試験』というイベントではAKBG全メンバーの中でぶっちぎりの1位であった ★横山由依 AKB9期生・現在AKBGの総監督を務める 限りなく奈良寄りの京都府出身 キャラとしては暑苦しいぐらいの努力家でマジレッサーでスピーチが長くて何やろな〜 ★松井珠里奈(まつい・じゅりな) SKE48の1期生 加入時は小学生だったにもかかわらず、いきなりAKBのシングルの選抜、しかもあの前田敦子を押しのけて単独センターに抜擢される(大声ダイアモンドという曲)という前代未聞のデビューを飾り 今にいたるまで良くも悪くもSKEの顔として君臨し続ける絶対的存在 ドラマでやって以来、最近はプロレス(やるほうもです)にはまっていて、リングネームは『ハリウッドJURINA』 ↑ ちなみに同じドラマで上の2人も出てました ★いちばん奥は高山一実なので省略 >>403 またまた詳しくありがとうございます。 向井地かぁww目が怖いww ゆっかー頑張れww >>406 確固たる世界観がいいですよね 欅ちゃんはあそこまでやる必要は無くとも、もうちょい方向を定めて欲しいです とうとうケヤビンゴの予約もスルーし始めた自分が保守 日曜日夜のほうのスルーも時間の問題か(笑) >>409 保守ありがとうございます。 昨日からBishの曲ばかり聴いてる自分も 何も言えない…… けやかけでお料理手伝うぺーちゃんの可愛さにときめいてしまった俺も何も言えない・・・ >>409 >>410 二人ともこれはマズイ流れですね… という僕も、次のシングル次第では見限ってしまうかもしれませんw サイマジョの統一美、セカアイのイントロ美、セゾンのBメロ美、和音の迫力美 この辺まではどこかしらに「美」があったんですが、風吹以降は微妙ですね >>411 理佐ちゃんファーストの会長ですもんねw 確かに画像では到底伝わらない可愛さがありましたな http://tvcap.info/2018/5/7/djkl180507-0041350426.jpg ぺーちゃんが裏切った時、微笑むみんな http://tvcap.info/2018/5/7/djkl180507-0057020986.jpg そしてニャンコ先生イチ推しのなーこちゃん アイドル番組でこんだけアップなの初めて見たw http://tvcap.info/2018/5/7/djkl180507-0057260293.jpg 何としてでも才能あるお二人の流出を防がねばとの思いから、画像祭りでしたw >>413 ハートマークが付いてるにも関わらず何故か狂気を感じさせるのはやはりチワンさんの腕ですな 眼の笑ってない感じがすごく似てます なーこちゃんは人の目を見て会話をするタイプですので(ちょっと見過ぎの時もあるけど)好感が持てます >>414 人間の脳は顔や表情の認識に関してはものすごく精密な働きをするらしいので ご存知だとも思いますが、例えば顔を描くときには、目玉の大きさとか向きとか形がほんのわずかにずれるだけで全然別の顔になったりするんですよね それをマウスだけでコントロールするのはホトホト疲れるんですが、偶然にいい感じになると嬉しいですね(笑)つまりあくまでも偶然です(笑) アメブロ更新も乙でありますm(_ _)m >>413 確かにこの目はなーこちゃんの目ですね 私的にはぺーちゃんを見守る理佐ちゃんの優しい表情も描いて欲しいところですな >>416 いや、だから美人を描くのは大変なんで…おや?誰か来たようだ >>420 予想通りこれ以上には描けないことがわかったので あちらのスレはライオンの絵になりました(笑) ところで今日はボブマーリーの命日だそうで Love the life you live Live the life you love 名言すぎますよね(;_;) そんな保守 >>421 本当に素敵な名言ですね。 最高の誕生日プレゼントです。 ありがとうございます。 >>422 おおぉ!誕生日だったんですか おめでとうございます♪ おまけにアメブロにまで取り上げていただいて恐縮ですm(_ _)m 誕生日おめでとうございます((o( ̄ー ̄)o)) 俺の愛するボブマーリーの命日が敬愛するニャンコ先生の誕生日と重なってるなんて敬虔な気持ちになりました >>423 >>424 ありがとうございます(^_^) >>424 チワンさんがボブ・マーリーは分かるけど 庭さんとボブ・マーリーはいまいち繋がらないww偏見でごめんww しかし…… 運営関係者がこの板覗いているのは確実として、長沢君本人或いはお姉さん、長沢君経由で渡辺梨加もこの板を覗いている可能性大ですね。 >>426 最近ほぼほぼチェックを怠っているので覗いている可能性の理由がわからないんですが(笑)とりあえずあの下手な絵やネタの数々が見られてるってことですね(笑) くわばらくわばら >>426 マジっすか!? チワンさんに同じくどのあたりにその理由が隠れているかわからんw 何か本人だけが感じ取れる繋がりがあるんですかね >>427 くわばらって何や… ググってもイマイチわからない(T_T) >>428 くわばら じゃなくて くわばらくわばら で検索するとわかりますよ(笑) 嫌なことを避けるための古いおまじないっす >>429 サンキューです ふざけた言葉だと思ってたら、菅原道真がどうのこうのと、意外と由緒ある言葉だったw >>427 >>428 いや、多分、偶然の一致だと思うので書くのは恥ずかしいのですが、私の例のブログと長沢菜々香のブログの内容で一致する文言があったりなかったり。 例えば 私→友達と映画に行って二時間爆睡 長沢→米さんと食事に行って二時間寝る 私→ショートで青空 長沢→メッセで青空柄のカーテン その他にもちょこちょこ被ってます。 渡辺梨加はこの板でブログ更新が5ヶ月止まってるというスレッドが立った日に更新していて、しかも、私が渡辺梨加について書いた記事の写真と並びが一緒なんです。 (途中で挟んだ長沢君の写真を除いて) ここのところ平手友梨奈批判していたから、 怒ってるだろうな。もし見てるとしたら。 過疎スレなので妄想をもうひとつ。 私→酔って記憶もなく小説書いて投稿 長沢君→寝落ちで同じ写真再投稿 「記憶ないって怖いなあ」 ODA1236 123456....7 理佐ちゃんが俺の妄想やら個スレやらの書き込み読んでたらと思うともう書けん・・・ >>426 ノーウーマンノークライを歌ってるボブマーリーの映像見てひとめ惚れしてから常にラスタマンとしての自分を意識してますね 一瞬で俺ん落としたのは理佐ちゃんとボブマーリーだけですね そうやって考えるとボブマーリーは偉大だな >>434 もしも理佐ちゃんが先生の作品を1年以上読み続けてるとしたら、理佐ちゃんは立派な愛読者でありファンです ですから書き続けることに問題はありません もしも読んでないとしたら、もちろん書き続けることに問題はありません …ていうのでどうでしょうか?(笑) かく言う私は、とうとう今日から乃木中を含めて、この時間帯の録画予約を停止しました 将来この決定を後悔する日が来ることを願っています… >>434 見ているという確たる証拠もない私の妄想なので、庭さんは書いて下さい。 >>435 名曲ですよね。私のiPadにも入ってます。 >>436 遂にそこまで興味が無くなってしまいましたかww 私はもう少し見守ります。 >>438 元々は小説や漫才を書くときの新しいネタ探しの一環で見始めたんで、その必要性が無くなってきたってことです 例の自撮りTVのやつも中古CDで一通り揃えたんですが、まだ全然見てないし(笑) でもなぜかあっぷっプリだけは録画しているという不思議(笑) 大阪さんが、次のシングル次第では見限ると書いていたように、次がファンの分岐点になりそうな気もします。 最終的に残るのは理佐ちゃんさえ入れば最高の曲に聴こえて最高のパフォーマンスに見えて最高のけやかけだと思い込める盲目ヲタだけになってしまう予感・・・ >>441 渡邉理佐センターも見てみたい気もします。 乃木坂で例えると西野タイプなので、あり得ない事もないのかなと思う。 >>442 見てみたい気もしますけど理佐ちゃんにはプレッシャーのかからないポジションで楽しい日々を過ごして欲しいという気もちらほら それにつけても昨日のけやかけはまたも豆腐生チョコのぺーちゃんに心を奪われそうになってからの〜 味噌汁にケチャップ理佐ちゃんが世界で一番好き回でした >>443 笑顔もツンツン顔もどちらもイケてるので、 サイドをおぜむーで固めても面白そう。 曲次第なところもあるけど。 渡邉理佐と渡辺梨加は真逆のタイプじゃないっすかww >>444 真逆のタイプではあるんですが僕の女性の好みはぺーちゃんの方がストライクなんですよねw そして今週のがな推しで三つ編みひよたんに心を奪われそうになりながらもビンゴのお知らせにチラッと映った運動会理佐ちゃん見てやっぱり神様の最高傑作は理佐ちゃんなんだと痛感しましたね >>446 そして、そのぺーちゃんが誕生日 おめでとうございます㊗ そして今日はHKT48の2期生であの伝説の最強アイドルユニットてんとうむChu!のメンバーでもあった朝長美桜の誕生日です というスレチ甚だしい保守 http://o.5ch.net/15hhe.png 「どこまで散歩に行ってたんですか?」 川口邸の玄関を開けると、そこには仏頂面の尾関梨香が待ち構えていた。 「それがいろいろあってさ。何から話せばいいのかわからない」 「遅過ぎです。先に朝ご飯食べちゃいましたよ」 「そっか……」 鳴滝はそれだけ言うと、そそくさと奥の部屋へと足を踏み入れた。中央に置かれたテーブルには、彼と平手友梨奈のものと思われる二人分の配膳がされていた。そのひとつの前に腰を降ろし、鳴滝はひとつ溜め息をついた。 「厄介な事になったな……」 台所から漂って来る暖かな味噌汁の香りを胸いっぱいに吸い込んで、彼はまた溜め息をひとつ。 「朝から辛気臭いですね」 相変わらずの仏頂面の尾関も、鳴滝の隣へと座って彼の顔を覗き込んだ。その尾関の背後を、平手友梨奈は音も立てずに川口玲子がいるであろう奥の台所へと姿を消していた。 「辛気臭くもなるさ。散歩の途中で命を狙われたからな」 「はぁ?」 仏頂面から驚愕の顔へと変わった尾関が素っ頓狂な声を上げた。 「ライフルで威嚇の狙撃を受けたんだ」 「また、あの女ですか?」 尾関の言うあの女とは、東村芽依の事か。 それを否定しようとした鳴滝の視界に、二つのお椀を手にした平手友梨奈が現れた。 「あの女じゃないよ」 そう言いながら、平手友梨奈はその手に持った味噌汁が波打つお椀のひとつを鳴滝の前へと差し出した。 「違うの?じゃあ……」 「まだ分からない」 目を丸くした尾関に、鳴滝はそれだけ答えて味噌汁の注がれたお椀を手に取った。 「分からないって……クロウとか言う、殺し屋の殺し屋じゃないんですか?」 「違うな。クロウは銃火器は使わない」 「何でそう言い切れるんですか?鳴さんはクロウを知っているんですか?」 その尾関の何気無い問いに、味噌汁へと口を付けようとした鳴滝の動きが止まった。その彼の様子に、尾関は固唾を呑んで彼の返答を待った。そして、彼女の背後に立つ平手友梨奈さえも。 「何となく……何となくそう思っただけさ」 「なぁんだ……また、いつもの勘ってやつですか?」 呆れた様に肩を落とす尾関の背後で、平手友梨奈だけは尚も鋭い視線を鳴滝へと向けていた。その視線に対し、鳴滝は目を細めて言葉ではない答えを返す。 その答えを受け取った平手友梨奈は、自らの為に設えられた席へと腰を降ろした。 「茜さん達もこちらに来てくれるそうです」 「そっか……」 尾関の報告にそう答えながらも、鳴滝の視線は向かいに座る平手友梨奈へと向けられていた。 「今度は観光で来たいですよね。ふーちゃんも一緒に」 「そうだな……」 尾関の提案に気の無い返答をしつつ、鳴滝は平手友梨奈の問い掛ける様な視線から目を離せずにいた。 「この島から一刻も早く離れよう。勿論、玲子さんも一緒にな」 唐突に語り出した鳴滝の言葉に、隣に座る尾関は再び目を丸くしていた。 「どこに逃げたって同じだよ」 鳴滝の向かい正面に座る平手友梨奈が、無表情にそう言い放つ。それに対し、鳴滝は右の口角のみを上げた不敵な笑みを浮かべた。 「逃げる事を前提としてならな」 その鳴滝の言葉に暫しの沈黙を挟み、平手友梨奈は身を乗り出して彼の顔へと自らの顔を近づけた。 「戦争しようって言ってるの?」 「他に道があるのか?この状況で」 「あいつら相手に?」 「だからこそだ」 「まるで『あいつら』を知っている者のいい様だよね? 」 「ああ……知っているとも。『あいつら』をな」 その鳴滝と平手友梨奈の言葉の応酬に、尾関は沈黙するしかなかった。 ぺーちゃんとみおたすが誕生日1日違いなんて俺と理佐ちゃんの誕生日が18日違い並に運命を感じます >>452 まず、みおたすが誰か説明お願い(ノД`) >>453 >>448 にある朝長美桜ちゃんのことです 初めて見たときの衝撃は 俺が初めて見た理佐ちゃんこと「けやかけ卒アル回のただただ睨む理佐ちゃん」に匹敵する可愛さでしたね >>453 これは失礼しました 庭先生も解説ありがとうございます >>399 後半にもちょっと書きましたっけ 現在膝の半月板損傷の手術後のリハビリ中で、公演なども出られずシングルの選抜からも初めて外れる(これでHKTのシングル表題作に全て参加しているのは指原と宮脇だけになった)という不遇期間中ですが SNSだけは頑張っています ちなみにみおたすという愛称は、彼女がSNSのGoogle+(グーグルプラス)を始めたときに自分のGoogle+のことを『みおたす』と名付けたことに由来します つまり、美桜のぐぐたす(←Google+の通称)ということで、投稿の最初をいつも こんばんは。 みおたすだよ。 で始めていたため、いつのまにかみおたすという名前が本人を表す風な流れに定着していったのでした 以上スレチ終わり(笑) >>456 俺の知らない間にみおたすが大人になってしまってる・・・ >>458 同感です(´ー`) 疲れる。いや、マジで(笑) 太ったハトじゃなくて ワイルドなハトが好きだったのかぁ(´ー`) 七瀬丸沈没しそう 過去作をシリーズごとに整理しようとニャンコ先生を見習ってブログ作ったんですけどグループ分けが分からない(-o-;) >>461 ついにブログ立ち上げましたか おめでとうございます! ブログの設定・管理から公式ジャンルとその下のテーマでブログ内のジャンル分けが出来ますよ ありがとうございますm(__)m 続きを書こうとする時にスレを遡って調べるよりブログに保管しといた方が楽だと今ごろ気づきましたw >>462 すいません、公式ジャンルというのはどこに入ればいいんでしょうか? なんだか全然分からないw >>464 公式ジャンル→芸能ファン→アイドルグループファンでいいですよ ブログの管理に追われて妄想してる時間が無くなる本末転倒な俺が保守 >>467 わかる……その状況はよくわかる。 そして乃木坂さんにシフトし始めた私も保守 今日はAKB48の14期生であの伝説の史上最高唯一無二のアイドルユニット『てんとうむChu!』でセンターをはっていた小嶋真子さんの21歳の誕生日ということで久しぶりのスレチ保守 最近は調子に乗って地下板で4コマ漫画にも手を出し始めた影響もありご無沙汰していますm(_ _)m せっかくなのでわりとネタが単純なのをひとつ貼っておきます これはHKT48が新メンバー募集にあたり坂道グループにならって?セミナーをすることになったというニュースが元ネタで、登場人物のモデルはHKT48の4期生の運上弘菜さんです http://o.5ch.net/15u62.png http://o.5ch.net/15u6j.png http://o.5ch.net/15u75.png http://o.5ch.net/15u8d.png 平手友梨奈から向けられた鋭い視線に射抜かれたのか、いつしか鳴滝の顔から挑発するような笑みは消えたいた。 「あらあら、また喧嘩ですか」 丸いお盆に二つのコーヒーカップを乗せた玲子が呆れた顔で現れた。 「知っているなら分かるでしょ?勝てっこない」 玲子に構わず、平手友梨奈が鳴滝へと問い返した。 「勝ち負けじゃない。俺たちの力を示すんだ。二度と手出しして来ないようにな」 「そんな簡単に諦める奴等じゃないよ。一度戦争を始めたら、みんな死ぬまで続くんだ」 「そんな事は無い。俺は諦めさせた奴を二人知っている」 「どんな奴だよ」 その問いに、鳴滝は目を細めた。 「クロウとマグスだ」 一呼吸置いて語られた彼の言葉に動きを止めたのは、意外にも玲子の方だった。尾関の前へと差し出したコーヒーカップを手にしたまま、チラリと鳴滝へと目を向けていた。 「その二人さえ敵に回っているんだよ」 「マグスは俺が食い止める。クロウは動かない。俺がこちら側にいる限りは」 「貴方、何者なの?」 「探偵だよ」 「やっぱり、クロウを知ってるんだ?」 飄々と答えた鳴滝に、平手友梨奈は尚も問い返していた。 「過去にな。腐れ縁ってやつさ」 「じゃあ……」 そこでやっと、彼の隣に座る尾関が控えめに言葉を挟んだ。 「あのライフル女って……」 「おそらくマグスの手先だろうな」 「そのマグスって……何者なんですか? 鳴さんとそのマグスって人との間に何があったんですか? 」 尾関の問いに、鳴滝は目を閉じて沈黙した。 「さぁ、早く召し上がって下さい。お連れの方がいらっしゃるのでしょう?」 鳴滝の沈黙が後悔である事を悟ったのか、ただ言葉を差し込む沈黙を待っていたのか、玲子が忙しそうに声を上げた。 「頂きます」 玲子の隣で、平手友梨奈が手を合わせる。それに合わせて、鳴滝も箸を取って味噌汁を啜り始めた。 訪れた沈黙に、自分だけ蚊帳の外に出されたような気持ちになった尾関は寂し気に鳴滝の横顔を見つめていた。 「尾関、俺の鞄を取ってくれ」 その尾関の様子を見かねたのか、鳴滝が不意にそう言った。尾関は無言で、背後にあった彼の鞄を引き寄せた。 鞄を受け取った鳴滝は、その中から赤い布に包まれた棒状の物を取り出し、手の平の上でその包みを解いた。 そこに現れたのは一本の扇子だった。 「これは、俺の最初の相棒が使っていた扇子だ」 そう言いつつ、鳴滝は尾関へと扇子を手渡した。それを受け取った彼女は、思わず開いてその面を見た。一瞬、無地かと思われた白い面の端に血痕と思われる黒いシミを見定め、尾関は息を呑んだ。 「若月という祓い屋の女だ。そして、俺の惚れた女でもある」 惚れた女。その言葉に尾関は扇子に向けていた目を鳴滝へと向けた。 「だが、ある事件で命を堕とした。殺されたんだ。マグスにな」 尾関は再び扇子に残された血痕を見て目を見開いていた。 「あいつがこの件に関わっていると分かった以上、俺は引くわけにはいかない。だが、これは俺自身の私怨だ。お前まで巻き込むつもりはない。恐ければ……」 鳴滝がそこまで語った時、尾関が彼の手にしていた赤い布を奪い取った。 「私、逃げませんから」 そう言った尾関は、立ち上がって奪い取った赤い布で手にしていた扇子を包んで自らの上着の内ポケットへとそれを差し込んだ。 「相棒の仇は私の仇です。これは私が預かります」 凛とした面構えで言い放ち、尾関は一人部屋を出ようとした。 「ちょっと待て」 その背中に鳴滝が呼びかけながら、鞄から黒い塊を取り出した。 「これも持っていけ」 鳴滝から差し出されたのは、額にドクロの刺繍が施された黒い帽子だった。受け取った尾関はそれを目深に被り、再び背を向けて玄関から出て行った。 その背中を見送る鳴滝の顔には笑みが溢れていた。 「巻き込んじゃうんだ。尾関さんも」 その鳴滝の横顔へと、平手友梨奈が無表情に呟いた。 「若月が護ってくれるさ」 そう言って、鳴滝は味噌汁を再び啜っていた。 低い弧を描いて登った弱々しい晩秋の太陽は、それでも島の一角にある川口邸の小さな庭を煌々と照らしていた。 その庭の端に設えられた小さな花壇の前で、尾関梨香は目深に被った帽子のつばから、手にした扇子を凝視していた。 「わかつき……」 尾関の口から自然とその名が零れ落ちる。 ありふれた一本の扇子。しかし、そこに凝縮されているのは、彼女が知りたくても知り得なかった鳴滝と言う男の秘められた過去。 拡げた扇子の端に滲む黒いシミに、彼の壮絶な過去を垣間見た尾関の耳に、聞き慣れた声が響いたのは正にその時だった。 「若月……さん?」 その声へと尾関が視線を向けると、そこには背後にクリスを従えた守屋 茜の驚愕した顔があった。 「知ってるんですか?若月さんの事」 尾関の問いに急に夢から呼び戻された人間の様に慌てた守屋 茜が、咄嗟にその前髪を掻き上げた。 「ええ。知っていると言えば知っているけれど……」 「どんな人だったんですか?」 間髪入れずに尾関が問い返す。その問いに、守屋 茜は虚ろな視線を尾関へと向けた。 「それを知って、どうするの?」 「知りたいんです。その人を」 「その人を知って、どうするの?」 再び繰り返された守屋 茜の問いかけに、尾関はその手の扇子へと再び視線を向けた。 「その人を知れば、本当の意味で鳴さんの相棒になれるのかなって……」 語尾を弱めた尾関の言葉に、守屋 茜の顔に涼やかな笑みがこぼれる。 「それは違うわ」 虚ろな表情から、凛とした本来の彼女へと戻った守屋 茜は、そう言うと同時に尾関梨香へと向き直っていた。 「何者も若月佑美にはなれないの。むしろ、彼女になっちゃ駄目なの」 「どうして?」 そう問い返した真剣な尾関の視線に、守屋 茜は怯む事なく彼女の前に立ち塞がった。 「同じ悲劇を繰り返す事になるからよ。そうなれば、彼は彼でなくなる」 「彼は彼でなくなるって……どう言う事ですか?」 尚もそう問い返す尾関へと、守屋 茜は冷たい視線を向けていた。 「貴女、探偵でしょ?」 「はい……」 無機質な冷たい守屋の声に、尾関は反射的にそれだけ答えていた。 「だったら、自分で調べなさい。自分の目と耳と……心でね」 それだけ答えた守屋 茜は、尾関の脇を通り抜けて川口邸の玄関の前に立っていた。 「でも……ひとつだけ言える事は、その帽子と扇子を託されたのは、貴女にその資格があるって事……」 無表情を装いつつ、守屋 茜の顔には寂し気な表情が浮かんでいた。 「資格?……」 これまでに見た事のない守屋のその表情に、尾関は思わずそう問い返す。 「自覚が無いのなら消えて。私と彼の前から」 即座に返された守屋のその言葉に、尾関は返す言葉も見つからないままに絶句していた。 「悔しいけれど、相棒としては貴女に敵わないらしいわ。けれど、女として貴女には負けない」 唸る様な守屋 茜の声に、尾関はただ彼女の視線を受け止めるので精一杯だった。 「彼の相棒を名乗るのなら、覚悟を決めなさい。それが答えよ」 「覚悟は決めています!」 守屋の言葉を挑発と受け取った尾関は、思わずその言葉を口にしていた。 「その覚悟は本物かしら?」 尚も煽る様に響く守屋の声に、尾関は眉間に皺を寄せていた。 「本物です!」 腹の底から振り絞った大声で尾関が答える。 「だったら……」 次の言葉を言い淀んだその守屋 茜の顔には、尾関がいつも見ていた彼女の優しい笑みが浮かんでいた。 「悩む事は無いはずよ。貴女は貴女らしく。彼が望んでいるのは、それだけだと思うわ」 「私は私……」 唖然としながらも、尾関はいつか口にした言葉を再び口にしていた >>480 保守ありがとうございます! 自分では更新した記憶が無いので、ちょっとびっくりしてるww >>481 ニャンコ先生が寝てる間にニャンコ先生にとり憑いてる霊たちが書いてくれてるのかも・・・ 留守にしててすいません。 いろいろありまして_φ( ̄ー ̄ ) 梅雨がニャンコ先生の創作意欲を奪ってしまったんですかね まあ色々あると思いますけど頑張ってください という保守 俺もブログ移植が進まず心が折れそうで妄想意欲減退中・・・ >>487 とりあえず頑張りマッス(´ー`) >>488 物凄い勢いで更新してますもんね 欅坂46と渡邉理佐のタグを付けてみたらいいと思います。 >>489 これだけ更新してもまだ3割ぐらいしか移植出来て無くて参ってます・・・ 小説スレに書き始めた頃から保存しておけば良かったと後悔していますw タグと言うのは書いたの全部に付けた方が良いんですか? >>490 タグはブログにおいては結構重要です。 タグを頼りに見に来る人は多いですから。 庭さんの世界観に共感出来る人が集まって来る筈です。これを言うといろいろと語弊を産みそうですが、現在の欅坂小説でトップに位置する人の小説よりも、庭さんの小説の方が良いと思います。タグを付けないのは勿体ないです。 全部には付けなくて良いですが、これからアップするものには付けて下さい。そこから、過去記事へと移行する筈です。 頑張って下さい。庭さんは才能あります。 手順を書いて行きます。 まず、Amebaアプリをダウンロードします。 https://i.imgur.com/wzSr8gg.jpg そこから、投稿した記事にタグを付けます。 記事の編集・削除をタップすると https://i.imgur.com/9QP4Fee.jpg 投稿した記事が現れます。 タグを付けたいきじをタップして https://i.imgur.com/h2ljLNo.jpg この画面のタグを更にタップすると、タグの画面が現れます。 https://i.imgur.com/ToGGtMH.jpg 全3個のタグの部分をタップすると https://i.imgur.com/RH88aUi.jpg この画面か出て来ます。 ここで♯タップして入力の部分に欅坂46、あるいは渡邉理佐と入力すればタグ付け完了です。 ニャンコ先生親切な説明ありがとうございますm(__)m しかし、ニャンコ先生に才能ありなどと褒められると照れてしまいますw >>493 いえいえ。庭さんの妄想小説は面白いんです。 あのカテゴリーで小説を読んでいるのは、何故だか圧倒的に女性が多いのですが、庭さんの小説はウケると思います。私のは難し過ぎみたいですね。 あと、更新は1日3回ぐらいがいいかもしれません。投稿時間は設定出来るので、間を置いた方がいいかも。 >>494 いいねありがとうごさいますm(__)m 早いとこ全作移植して主戦場の理佐ちゃんだから好きスレに専念しようと連続投稿してましたw 今、見てきたら小説書いてる人が多いんで驚きましたw NGT48の山田野絵がクソ面白すぎて どハマりしてしまった…… もうダメかもしれない(笑) >>496 目のつけ所がさすがですね こじはる・まゆゆ・ぱるるが相次いで卒業して弱体化した48G埼玉軍団の次世代を担う逸材です(笑) >>497 YouTube開く度に、あなたへのおすすめで 山田野絵が出てくる(笑) 終わった…… >>498 今日開票されたAKB総選挙でも見事に初ランクインを果たしたので 今後さらに動画が増えるかも(笑) お二人とも欅ちゃんに興味が無くなってきてますね、、、泣 >>500 未だにあっぷっプリだけは録画してるので釣り堀なーこも見ましたよ(笑) 米さんの順番が来て日曜のお昼のお茶の間に微生物の写真が流れるのを密かに期待しています(笑) すいません 理佐ちゃん出ちゃったからもうあっぷっプリ見てないっす(><) 山田ロスからNGT48の番組観てたら、変な子ばかりで笑えた。やばい……引っ張られてる。 >>505 アメブロ拝見しました(笑) じつはおかっぱちゃんのイラストは地下板で何枚も描いたことがありまして(笑) なかなか難しいんですけどね >>506 ほほぅ。見せて頂きましょう。 (行き方がわからない)(´;ω;`) ああ… 今日に限って米さんだったなんてorz どうしても事情があって試聴も録画もできなかった(泣) でもまあ微生物じゃなかったみたいだからと自分に言い聞かせています(笑) >>508 確かに凄過ぎww 似てるわぁ〜これはww ブログで使わせて頂きます >>511 あの12枚の中から見事に私の一番のお気に入りを選ぶとは流石師匠ですm(_ _)m >>512 一番グッと来たものを選んだだけです。 それに師匠ってww イラストではチワンさんには敵いません。 なので、チワン師匠と呼ばせて頂きます。 >>513 私がこんなに絵を描くようになったそもそものきっかけは ニャンコ先生が載せたあの1枚のイラストがきっかけなので(笑) ちなみにあの絵は彼女のブログの文面と写真が元ネタでして 私も思わずグッときたので挑戦しました https://i.imgur.com/V4u86hv.jpg >>514 あのイラストって? チワンさんの画力にはかないませんて。 山田野絵応援スレを覗いてみたんですが、 アンチ多くて凹みました。 >>515 前スレでニャンコ先生が小説の投稿の合間に何の気なしに出した(推定)最初のイラストのことです あれでニャンコ先生の多才さに気付かされたのと同時に そういえば自分もお絵描き機能使ってたことがあったっけと思い出したんで(笑) それにしても殺伐としたスレが多いことには閉口しますよね 枯れ木も山の賑わい、アンチもスレの賑わいとは言え悲しい現実ですよね ちなみに僕もゆいぽんと理佐ちゃんのまったりスレは出禁だからアンチと一緒にされて悲しいです・・・ >>516 応援スレなのに応援されてないと言うww 多芸は無芸。どんな道でも極めた者勝ちです。 チワンさんは尊敬に値します。 >>517 枯れ木も山の賑わいとは言い得て妙です。 それが理解出来ているなら非靴になる必要はないと思います。 庭さんの小説を読んだ限りでは、悪意は微塵も感じられません。 それより掲示板に引きこもらず、ハーツと名乗る一人の渡邉理佐ファンとして世の中に発信している庭さんの方が格好いいです。 6/24の米さん回を見られなかった(しかもせっかくあっぷっプリを犠牲にして予約した裏番組の録画にも結局失敗していた)ショックが尾を引いているらしく とうとうあっぷっプリの録画まで止めてしまいました(笑) という保守 前回はゆいぽんだったらしいですね… >>521 保守ありがとうございます(^_^) いろんな意味で卒業が近づいているのかなぁ お互いに >>522 先生マジですか・・・ かく言う私もブログの方が読んでくれてる人のリアクションがあるので2ちゃんはサボりがちですw >>522 自分はすずもんの写真集が出たら戻ってくる可能性もかなりあります(笑) >>523 ブログ頑張ってますね(^_^) 読んでますよ >>524 すずもんですかww 私は長沢菜々香か今泉佑唯かどちらかかな 8/15のシングル次第です >>525 ありがとうございますm(__)m 早くブログへの移植を終わらせて2ちゃんのスレに全力を注ぎ込みたいと思ってます なんとN坂を卒業したあのひとが現在Sレコードのスタッフになっていて 某有名イベントでの某アイドルグループのライブのために現在フランスに行っているらしい という保守 「おはよう」 川口邸の玄関で守屋茜達を出迎えたのは鳴滝だった。 「彼女は?」 「中にいるよ」 その鳴滝に促され、奥の部屋へと足を踏み入れた守屋は、その中心に座る着物姿の女に気付き深々と一礼した。 「はじめまして。私は守屋 茜と申します。そしてこちらが、私の友人の益田クリスです。本日は不躾なお願いを受け入れて頂き、ありがとうございます」 「そんなに堅い挨拶はおよしになって下さい。お仕事でいらっしゃった訳ではないのでしょう? 狭い所ですが、どうぞお座り下さい」 玲子に誘われその向かいに座った守屋は、着物姿の女の隣に座る若い女へと目を向けた。 「平手友梨奈さんですね?」 そう問いかけたのは、守屋 茜の隣に腰を下ろしたクリスだった。だが、若い女はその問いに鋭い視線を向けたのみだった。 「ええ、そうです。そして私は以前、この子の世話をしていた川口玲子と申します」 平手友梨奈へと向けられた二人の視線を呼び戻すべく、言葉を挟んだのは玲子だった。 「世話をしていたとは、慈愛院でと言う事でよろしいんですよね?いったい、あの場所で何があったんですか」 今度は守屋が身を乗り出すように問い返す。 「放火による殺人です」 眉ひとつ動かさず、玲子は凛とした表情で答えていた。 「放火……それで犯人は?」 「まだ捕まっていません」 「そうですか……」 それだけ言った守屋は、玲子の隣に座る平手へと目を向けた。 「どういうつもり?」 笑顔など微塵もない表情で守屋が唐突にそう問いかける。 「どういうつもり?」 笑顔など微塵もない表情で守屋が唐突にそう問いかける。 「その質問の意味が分からない」 一方の平手友梨奈は、涼し気にそう問い返していた。 「貴女のせいで、どれだけの人に迷惑がかかっているか自覚してないの?」 その友梨奈の態度に対して、守屋は更に声を荒げていた。 「迷惑?それは主観的な問題だよ。どちらの立場に立つかによって、その意味は変わって来るよね?」 「まぁまぁ、お互いに言いたい事は山程あるだろうが、ここは一旦納めてくれ」 守屋 茜の感情を更に逆撫でするかのような平手の言葉を遮るように、守屋の後ろで胡座をかいていた鳴滝が二人の間に割って入っていた。 「とにかく、一度お家に帰ってお父様と話し合った方がいいんじゃないかしら?」 一呼吸置いて、守屋が平手へと促した。 「お父様?あいつは父親でも何でもないよ」 「貴女を育ててくれた人でしょ?そんな言い方は失礼よ」 「僕の姉妹をバラバラにして、僕を殺し屋にしようとしたのは、あいつなんだ」 「殺し屋……どういう事?」 そこで守屋 茜は、絶句したまま視線だけを鳴滝へと向けていた。 「さぁな」 守屋の問いかける視線を受け流し、鳴滝は目を閉じてそれだけ答えていた。 「殺し屋……どういう事?」 そこで守屋 茜は、絶句したまま視線だけを鳴滝へと向けていた。 「さぁな」 守屋の問いかける視線を受け流し、鳴滝は目を閉じてそれだけ答えていた。 「あいつが、あの男が僕達の家に火を放って、僕の兄妹を殺したんだ」 「兄妹を殺したって、どういう事なの?」 獣の瞳と化した平手友梨奈へと、守屋 茜が更に問いかけた。 「あいつは……僕がお父さんと呼んでいた男は、金の為なら子供でも容赦なく殺す奴だったんだ。あの夜、あいつが僕の兄妹を焼き殺した。許さない。絶対に」 それまでの落ち着き払った態度から一変し、感情を露わにした平手友梨奈の口を塞ぐように、隣に座っていた川口玲子がその手を差し出した。 「わたくしからご説明しましょう。事の成り行きを」 そう言った玲子が手にしていたのは、昨夜に鳴滝が見たあの写真だった。 「児童養護施設である慈愛院で、わたくしはこの子達の世話役として勤めていました。ここにいる友梨奈、そして、ねる。莉菜、梨加、菜々香……どの子もわたくしの子供同然です」 「やはり……そうでしたか」 全てを察した守屋が頷いた。 「しかし、わたくしがある物を見つけてしまったせいで、平和だったこの子達の日々を奪ってしまいました」 「それは違うよ!玲子さんは何も悪くない」 玲子の言葉に重ねる様に、平手友梨奈がそう声を上げた。 「ある物とは?」 声を荒げた平手に構わず、守屋が冷静な声で玲子へと問いかけた。 「人を神へと変える物です」 「神……」 愕然とする守屋の前で、玲子はその瞳を金色へと変えていた。 「これって……」 その瞳に魅入られたように、クリスが目を見開いて呟いた。 「神じゃない、悪魔だよ」 言葉を失った守屋とクリスへと、平手がぽつりと呟いた。 「大日本帝国陸軍軍事機密第四◯四号。それが、わたくしが手にした物の正式な名前です。世に出すべきではない忌まわしき代物だったのです。しかし、わたくしがその封印を解いてしまった……」 「違う!そうじゃないよ」 懺悔するかの様に目を閉じた玲子の腕を、平手友梨奈が掴んで揺さぶった。 「ごめんなさい。全ての罪は私にあるの」 「感傷に浸っているところ申し訳ないが、友梨奈が言うように、貴女には何の責任もない。悪いのは菅井財閥と、その犬達だ」 それまで黙って聞き耳を立てていた鳴滝が、不意にそう言葉を挟んだ。 更新乙であります 最近そこらじゅうでよく見かける欅ちゃんの10円ピンポンのCMを見るたびに なぜか『マネーロンダリング』というコトバが頭に浮かんでしまうのは自分だけでしょうか(笑) という保守 推しメンだから好きスレ立てたのに誰も妄想してくれない・・・ 愚痴をこぼすていを装って保守 でも本当は保守を装って愚痴をこぼす俺 ブログを拝見して何ヶ月ぶりかで描いてみた http://o.5ch.net/179xe.png 但しマウスではなくスマホです という保守 >>538 グットタイミングです! スピンオフでチワンさんが登場するシーンだったので使わせて頂きます。 依頼する前に描いてもらえるとはww ミラクル >>539 ブログ更新乙です まさか出していただけるとは(笑) 酔っ払ってメンバーに絡む役じゃなくて良かった← ちなみに本当に水墨画風な絵を描かれる画伯は別に実在してまして ごくたまに地下板にも降臨されるんですよ http://rosie.5ch.net/test/read.cgi/akb/1528515128/ 勝手にイメージしたチワンさんを登場させました。次は庭さんww >>539 チワンさんガッツリ出ててワロタww >>540 その節は酔っ払い役で出演ありがとうございますw >>541 敬愛しているニャンコ先生の作品に出演出来るなんてめっちゃ楽しみです まだ出番が続きそうなのにちょっとビビりつつ(笑) なぜか予想を超えて評判が良いっぽい絵をスレチ承知で貼りつつ保守 http://o.5ch.net/17ber.png ちなみに某有名48Gメンの飼い猫がモチーフです 今日初めて街中でひらがな佐々木美玲の痛車を見てちょっと感激(笑) という保守 響の映画の告知画像を見て半年ぶりぐらいにてちこさんの絵を描いてみたのに完成直後に手違いで消えてしまってがっかりしながら保守 ブログを拝見して 「すまん。紙を忘れた」 『小だけにしろって言っただろ!それに溶けちゃうよ!』 と訳のわからないことを考えたりしつつ保守 いつも保守ありがとうございます! >>542 私の勝手なイメージで書かせてもらってます >>545 そのてち見たかった…… >>548 お久しぶりですww イラストにもちゃんとストーリーがあったんですね。とにかく生存確認出来て良かったです! >>549 あちらのスレに読み応えたっぷりの大作も投稿されてますよ ところでリクエストに応えて一から書き直してみたけど 前のよりはマシだけどやはり限界があったよ(笑) http://o.5ch.net/17guo.png >>550 素晴らしい! 似過ぎて笑ってしまったww 先日痛車目撃記念 & 理佐ちゃん神推しの某作家先生の浮気中記念 としてみーぱんに挑戦するもやっぱり美人は苦手と判明の巻 http://o.5ch.net/17i6n.png そして 最近スレdat落ちのスピードがやや上がってるっぽいのでご用心 という保守 >>552 46SHOWの特派員めみたんとみーぱんに卒アル回のただただ睨む理佐ちゃんよりやや軽めの衝撃を受けてしまったのです・・・ >>552 えっ?庭さん、浮気ですかww 乃木坂オタさんの痛車を目撃した事はありますが、昭和のハコ型名車(多分、スカイライン)に桜井玲香の文字と写真がシーリングされているのを見て、思わず「うわぁ……」と目を逸らしてしまったww >>554 試みにめみたんとみーぱんで妄想してみたんですが何も浮かばないので本妻はやっぱり理佐ちゃんですw アメブロ拝見して ふたたびアメブロ拝見して保守 保守ありがとうございますm(_ _)m >>557 >>558 どんどんクオリティ上がってるじゃないですかww凄いな。いや、マジで。 >>559 基本的に画力は無いので 描きやすそうな素材選びが命です という保守 アメブロ拝見しました 前作が好評だったのかバスルームトラベルの第2弾?が出るんですね 今回のプロモーションの主役も引き続きこの3人になるのかな? という保守 >>562 バスルームトラベルの第2弾は知りませんでした。結構、人気ありましたからね。 「とりあえず、まずはこの島を離れる事が先決だ。今の状況は、射撃場の的の前に立っているようなもんだ。いつ撃たれてもおかしくない」 そう語る鳴滝の背後から、玄関の引き戸をけたたましい音を立てて開け放った尾関梨香が現れた。 「鳴さん、これ見て下さい!」 そう言って彼女が鳴滝へと向けてかざしたのは、若月の扇子だった。その面には、筆で書かれた「絆」の一文字が浮かび上がっている。 「こいつは……」 「いきなり現れたんです。一回閉じて、また広げてみたら書かれてあったんです!」 絶句する鳴滝の前で、尾関は興奮しながら身振り手振りで必死にその驚きを伝えようとしていた。 「これって、若月さんからのメッセージですか?そうですよね!」 自らの興奮を抑える術を忘れたかのように、黒いキャップのつばの下から、見開かれた尾関の瞳が鳴滝へと向けられた。 「違う……」 「えっ?違うんですか?」 「いや、そうじゃない……」 「どっちなんですか?」 そう問い詰める尾関の前で、鳴滝は言葉を失っていた。 「尾関ちゃん……その目……」 鳴滝の前に座っていた守屋が、彼の失った言葉を拾い上げて言葉にした。 「目?目がどうしたんですか?」 守屋の言葉の意味が理解出来ない尾関は、咄嗟にそう彼女に問い返していた。 「オッドアイ……」 尾関の問いに答えを返したのは、守屋ではなく彼女の隣に座っていたクリスだった。 「お前……こいつに何をした」 その直後に、鋭い視線と共に鳴滝が平手友梨奈へと問いかけていた。 「多分、昨日の夜だと思う。この手で、尾関さんの肩を掴んだから……」 戸惑いながら友梨奈が差し出した右手の中指には、黒い光沢を放ちながらも、その中に若干の青を含んだリングが見て取れた。 「四◯四号」 その名を口にした後、鳴滝は再び絶句した。 「え?どうしたんですか?」 自らの置かれた状況を理解出来ない尾関が、不安気に皆に向けて問いかけた。 「ご覧になって下さい。ご自身の目を」 落ち着きながらも、どこか寂し気に川口玲子が尾関へと丸い手鏡を手渡した。 「なに……これ……」 手渡された手鏡の中に映し出された自らの顔を見た尾関もまた、鳴滝と同様に絶句した。 手渡された丸い鏡の中の彼女の顔は、いつもの彼女の顔だった。しかし、ひとつだけ違うものがあった。 「金色……嘘でしょ」 左目。彼女の左目だけが、平手友梨奈や川口玲子と同じ金色へと変わっていたのだ。 「新たな力が産まれたな」 皮肉を含んだ鳴滝の視線が、平手友梨奈から川口玲子へと向けられた。だが、彼女は彼の視線を避けるように、いつしかその目を閉じて沈黙していた。 「絆。その文字は……尾関。お前の心の声だ」 「私の?」 「ああ、そうだ。その文字は、お前の心の声が具現化したに過ぎない。だが、若月なら、あいつならきっとこう答える」 そう言った鳴滝は、尾関から奪い取った扇子を左の人差し指と中指で軽くなぞってその面を彼女へと向けて開いて見せた。 愛 その扇子の面いっぱいに墨で記された一文字。 「こいつに勝るものは無い」 そう言い終えた鳴滝は、目の前テーブルの上に閉じた扇子を静かに置いていた。そして、その前に置かれた物がもうひとつ。 円を描いていたその物は、やがてゆっくりと溶け出し、ひとつの小さな立方体へと姿を変えていた。 「これが、四◯四号の本当の姿だよ」 鳴滝の向かいに座る平手友梨奈が呟いた。 >>562 音楽室に片想いって曲ですねww 今泉佑唯に気を取られていて気が付かなかった アメブロ拝見しました このイラストの彼女の発言は全てフィクションです http://o.5ch.net/17tb7.png という保守 いつも保守ありがとうございます! >>568 ずみこロスです。 >>569 誕生日おめでとう!嫁さんにね(笑) MV観たけど、カンフー映画の予告編みたい。 衣装がね。 他スレでの最近の楽しみ。 渡邉理佐上げレスが(庭)になっているか確かめる事ww 昨日何気なくTVをつけたらサイマジョのMVが流れてて 欅坂MV特集らしく 次にセカアイが来て 実は初めてフルで見たけど悪くないやんと思い 二人セゾンは何度見聴きしても傑作やなあと思い W-Kの詩の32人バージョンって撮り直しのほうだっけどうだっけと混乱しながらも この頃の欅坂はもう戻って来ないんやろなあと思い 不協和音が始まったのでチャンネルを替えました という保守 >>571 最近理佐ちゃんを下げるスレが増えて悲しいです 確かに理佐ちゃんも誤解されやすいところはあるけど・・・ どうしたら理佐ちゃんの魅力が世界に伝わるんだろうか? などと苦悩しながらの保守ですわ もしも庭先生と出会う(ネット上ですが)ことがなかったら おそらく間違いなく自分は理佐ちゃんに興味が全く無かったと思います かなりの影響力持ってると思いますよ という保守 >>575 妄想する理由が理佐ちゃんの魅力をでっち上げてでも広めることと思い極めている俺にはなによりの褒め言葉ですm(__)m >>576 2分で描いてこのクオリティ……やばい >>577 言うほどアンチいないような気がしてる。 今泉ほどではないよね? >>578 理佐ちゃんはアンチ少ないと思いますがここ何日か理佐ちゃんのアンチスレが乱立しててちょっと不安です >>579 ローテーションでメンバー煽ってるだけだから、そのうち変わると思う とりあえず保守 今日は坂道関係も猫関係も全く関わりがない絵ばっかりでしたm(_ _)m >>581 それでも描き続けてるのが凄いと思う >>582 今泉佑唯だけはヘビーローテションww >>584 上手い! 何が上手とは言えないけど、上手い! >>583 ヘビーローテーションって… たまにですけどニャンコ先生に底知れぬドSさを感じますw >>584 ドン引きするぐらい上手過ぎ! なんじゃこりゃ!プロでしょ? >>585 そんなこんなでseventh maliceに庭さんも 登場ww 道化師シリーズより書いてて面白いww >>586 憧れの女神理佐ちゃんと共演させていただき感謝しかないっすm(__)m アメブロを拝見して自分が大好きな悲しい曲をひとつ紹介して保守 http://www.youtube.com/watch?v=q7_Uur77Auw トータルで25分ぐらいある組曲形式のやつの最終部分なんですが 晴れた爽やかな朝にこれを聞きながら出かけるとすごく気持ちいいんです(笑) みーぱんの優しい雰囲気にデレながらひらがなちゃんに傾斜しつつの保守 >>588 聴いてみましたが……DEEP過ぎww でも、ありがとうございますm(_ _)m >>589 分かる……何となく分かるww >>590 さて、チワン氏と庭くん。 どう料理してやろうかww ずーみんウソだと言ってくれ・・・ からの悲しみの保守 本日のアメブロをUPする時点ではニャンコ先生はまだご存知なかったみたいですが ニャンコ先生の今後の去就を含めて先行き不透明になってきましたかね ただひとつだけ確かそうなのは しばらくスレdat落ちのスピードが早まりそうな雰囲気だってことですかね >>597 応援スレを覗いたらどうやら長文メッセが届いたようですね ニャンコ先生もそれでどうお考えになるかでしょうか 自分は久しぶりに欅ブログを読んで、きょんこの文章にグッときました 自分としては今は素直な気持ちとして、卒業おめでとうと言いたいです >>598 長文メッセの内容は、ブログとほぼ同じものでした。道化師は続けます。 齊藤京子、見直しました。 一番最初に卒業に触れた長沢菜々香にも感謝です。 芸能界を引退するわけではないのでそれだけが救いです。 >>598 チワンさん強い・・・ 俺は正直サイマジョのフロントが揃わない欅坂は欅坂では無いというのがあってですね・・・ 特にセンターてちの両サイドはずーみんとすずもんこそ至高だと思ってたのでかなりショック受けてます ますます理佐ちゃん見るためだけの漢字欅になっていく >>599 続き期待していますm(_ _)m しかしニャンコ先生がここまでずーみん推しになられるとは予想できませんでした(笑) 顔が判別し難い上に未だに名字が湾岸に見えてしまうんですが彼女のブログも良かったですね (そういえば2ショットの絵を描いたことがあるのをさっき思い出しましたが) >>600 強いんじゃなくて単に元々欅ちゃんヲタでもなくサイマジョにも思い入れがないだけです(笑) 休養前のずーみんにはほぼ興味なくて復帰直後のあの姿を見て惹かれたという変な人ですので >>601 何故こうなったのか自分でも分からないww >>601 ありがとうございます! チワンさんのイラストが私の原動力です。 >>603 私の絵がいわゆるステマになってたんですかね(笑)← アメブロ拝見しました あの曲が 『俺たちがモントルーでレコーディングしてたらスタジオが火事になっちまってよ〜レマン湖に煙が立ち上ってよ〜全くとんでもない目にあったよ〜』 という実話を元にした歌詞だということもずーみんは知らないのでしょう(笑) >>604 さすがチワンさんww それを知っている人が読んだら笑えるように書いてみましたww あースッキリ(´Д` ) 来月行われる予定の48Gじゃんけん大会の予選が現在握手会会場で行われておりまして ニャンコ先生お気に入りのNGT山田は残念ながら予選落ち決定したのですが 菅原りこは見事予選突破して本戦に駒を進めました ちなみに彼女はこれで3年連続予選突破という地味にものすごい記録を打ち立てました という保守 >>607 万が一、本戦で優勝したらソロユニット『さくらんぼの妖精』としてキングレコードからデビューします♪(マジです) >>608 マジですかww それは是非にでも勝ち進んでもらいたいw しかし……さくらんぼの妖精とか5年後とかに後悔しそうな名前をww菅原りこらしいと言えばらしいけど ずみこの自撮り動画アップの裏で、 なーこの病みメッセ 心配が尽きない…… なんだこのグループ…… >>610 エゴサでもしちゃったんですかね? それに今度はさとしまで怪我?で離脱と聞いて どうなっていくんでしょうか… アメブロ拝見しました なかなか大層な役柄になってきて恐縮です 先生の絵のファンなのでまた見たいっすm(_ _)m チワンさん同様重要な役をいただいたうえにリブログというのをしていただきありがとうございますm(__)m ニャンコ先生のブログで俺のブログを紹介していただき光栄の至りですm(__)m 怒涛の起爆剤(←未だに意味がわからないw)さんのブログによると今日はがなちゃん2期生の合格から1周年だそうですね いい文章、そしていい話にちょっと感動しました いろいろ大変なグループですが頑張って欲しいです という保守 >>611 やはりエゴサしてるみたいですね。 ちゃっかり今日は復活してました(笑) 画家でありながら風水師。 このキャラは気に入ってます。 何かの賞に応募する時は使わせて頂きます。 >>613 リプログぐらいはお安い御用です。 理沙ファンが増えてくれたら嬉しいですが。 >>614 怒涛の起爆剤ww楽しそうww がな二期生一周年だったんだ。 誰が一期生だか二期生だかわからないぐらい中よさそうなグループですよね。 二期生入る時はいろいろあったみたいですけどね。 アメブロ拝見して かつてゆいぽんブログを真似るネタを書くためによく見ていたんですが その頃から既にブログの最後に『ゴシック体のsee you againと三角形2つ』っていうのは彼女のブログのシメの決まり文句でしたし そういう意味でそれは今回もずみこではなく読んでくれたファンの方へ向けての言葉だと思うんで そんなに気にしなくても…って思いましたが という保守 >>618 あくまでも私個人の解釈でありましてm(_ _)m せめてずみこ脱退に関するブログだけは普段と違ってもいいんじゃないかという意見も当然あるでしょうし でもゆいぽん自身は自分が文章が得意だとは思っていないって確かどこかで読んだ気がするんで 今回のブログもさんざん迷ったり直したりした結果なんだろうと思います ちなみに話が脱線しますが自分が今まで一番感動したメンバーのブログはねるが漢字専任になったときの井口のブログです あの気持ちと一緒に溢れでてくるような文章を読んで私は井口真緒という人間が大好きになりました >>618 最後のsee you againはゆいぽんブログのお決まりだけどずーみんの写メの真下にsee you againは誤解しやすいですよねw 「サイマジョのセンターにてちが居たのも奇跡だけど、そこに二人のゆいちゃんが居たのが本当の奇跡」 なんて言われてた頃に戻って欲しいです サイマジョからセカアイぐらいの欅坂が一番楽しかったかも などと回想するていの保守 某超有名48Gメンバーの飼い猫の写真が今日またSNSにあがったのでスマホで描いた記念に保守 http://o.5ch.net/18ncu.png >>621 スマホでも絵を描けるんですか!? 驚きと共に理佐ちゃんの美しさと可愛さを絵にしたいと夢を見ながらの保守 それにつけても理佐ちゃんの素晴らしさを伝えるのに世界中の褒め言葉を集めても足りないな〜 >>622 タッチペンで描ける点はいいんですが なんせ小さいiPhoneなので画面拡大と画面移動を繰り返しながら描かないといけなくていろいろ面倒くさい上に 画面が戻ったり変な線が急に入ったり手元がちょっと狂うと絵が全部消えたり途中送信されたりで ストレスハンパないです(笑) という保守 保守ありがとうございます! >>624 上手すぎ! 今日のMステは理佐ちゃんとのっちの豪華版でしたな それにつけてもショーパン美脚で一時代を築いたのっちが三十代になるとは月日が百代の過客過ぎて理佐ちゃんの魅力に溺れていたい夜です などとMステの感想を綴る体の保守 からの ニャンコ先生のブログ読んでニャンコ先生がずーみんに捧げる言葉に出来ない無い何かに感動しています これからも書き続けてくださいm(__)m >>626 欅ちゃんのみならず、最近はパフュームさんのTV出演までほぼほぼチェックしなくなった元?パフュームヲタの者ですが(笑) のっちさんの誕生日が9月20日であることはちゃんと覚えてます(笑) 成人式の晴れ着姿がNHKで流れたのがついこの間みたいな気がしてたんですけどね〜 そして先ほど更新されたアメブロ拝見して 本当にひょっとしてですが ずみこさん本人がピアノ弾いてるって可能性はないですか…ねえ? >>627 いつの間にかパフュームからも遠退いてるw ところで今日のMステに出てたあいみょんという人がですねマリーゴールドって歌を歌ったんですけど この歌に一発で心を奪われた結果あいみょんという人がえらく可愛く見えてしまうんですよ 歌を聞くまでは全然興味無かったんですけど・・・ これって才能に惚れるってやつなんですかね? ちなみに今日のブログで読者の皆さんにお礼を言うどさくさに紛れてニャンコ先生とチワンさんと大阪府さんにお礼を言ってしまいましたw 照れくさいから2ちゃんのスレでは言わない本音ですw ニャンコ先生のスレが雑談スレみたいなっちゃってる・・・ 昨日1日やってたアナグラムで保守 『貴下のやけ酒指導』 >>630 けやきざかのどうけし 見事なアナグラムですな >>630 >>631 なるほどww ありがとうございます。 もう頭が回らなくなってしまった(´Д` ) 昨日パフュームさんのデビュー10周年・2010年東京ドームライブのDVDを中古で手に入れて 今日ちょっと見て 「そう!これですよ!これ!」とちょっと涙ぐみかけたという スレチ甚だしいキモい保守 >>633 perfumeさんは安心して観れますよね 何だよ安心ってww(セルフツッコミ) 欅坂見た後にperfumeさん見るとそうなるww メンバーもダンスも綺麗だからなぁ(´Д` ) いつかずーみんとの共演が見れるのかな >>634 パフュームさんのすごかった(敢えて過去形)ところは 楽曲やダンスの素晴らしさももちろんなんでしょうが 私に言わせると、 特にライブの時に放たれる『イヤッホーーーーイ!!!』感 これが一番なんです やっぱり武道館のDVDも手に入れなくては(笑) スレチスマソ NHKで五島列島に移住者が増えているとかいう話題を取り上げるらしいっすよ という保守 >>635 >>636 perfumeの凄さと面白さは、あの一糸乱れぬダンスとMCでの広島弁のギャップ スタイルも良いしなぁ(´Д` ) 五島は自然はあるけど仕事がないww それでも食うには困らない島ですが。 アメブロ拝見して 今まで描いてきた猫たち(2匹いる)の飼い主である某メンバーとは 指原だよ〜 というネタバレ保守 「こんなもの為に……」 テーブルに置かれた黒い立方体を見た鳴滝は目を細めた。その隣で守屋茜は目を見開いている。 「これって?」 クリスが問いかけると同時に、家の外からバイクのエンジン音が響いて来た。 「シスターのお帰りらしい」 「長濱ねる……」 その名を呟いた守屋茜の目の前で鳴滝は立ち上がり玄関へと歩き出した。 「どこへ行くんですか?」 「散歩だ。お前は飛行機のチケットを手配してくれ。明日の朝、この島を出る」 彼と同じく立ち上がって彼の行く手を遮った尾関梨香へとそれだけで言い残し、鳴滝が一人玄関から外へと出ると、そこには黒いヘルメットを手に立つ長濱ねるの姿があった。 「ちょっとだけバイクを貸してくれ」 睨みつける長濱の視線から目を離す事なく、鳴滝は彼女へと右手を差し出した。 「なぜ?」 「ただ、走りたいだけさ」 こうやって面と向かって睨み合うのは、あのライブハウス以来だなと苦笑いした鳴滝の手の平に、長濱ねるはその手の鍵を乗せていた。 「ちゃんと満タンにして返すよ」 苦笑いのままの鳴滝は長濱ねるの手からヘルメットを奪うように受け取り、バイクに跨って鍵を差し込む。少し窮屈なヘルメットを何とか頭をねじ込み、彼は石畳みの道を走り出した。 アスファルトで舗装されたら道路へと入った瞬間、鳴滝はアクセルを振り絞った。 獣の咆哮にも似た唸りを上げるエンジンに呼応して、スピードメーターの針が跳ね上がる。加速に身を硬くしながらも、彼はアクセルを緩める事はしなかった。 「まったく、無茶しちゃって」 その鳴滝を追う一台の軽乗用車の助手席で、東村芽依がどこか嬉しそうに呟いた。 「あいつを追えば、本当にクロウが現れるの?」 ハンドルを捌きつつ、加藤史帆がちらりと東村芽依へと視線を向ける。 「わかんない。チワンさんがそう言うんだから、そうなんじゃない?」 「ひょっとして……彼がクロウって事じゃないよね?」 あっけらかんと答える東村芽依に対し、加藤史帆は神妙な面持ちだ。 「まさか!だとしたら、あたし達はとっくに死んでるよ」 「そうだったらいいけど」 ケラケラと笑う東村芽依の横で、加藤史帆は言い知れぬ不安に一人その胸の鼓動を早めていた。彼は何かが違う。 これまでに幾度も修羅場を潜り抜けて来たが、彼はそこで出逢った誰とも違う。 女の勘?いや、彼女の中の生存本能が彼を追う事に全力で躊躇いを示していた。 「怖いの?あいつが」 「怖いよ……芽依」 尚も呑気に問いかけた東村芽依の顔を見る事もなく、加藤史帆がぽつりと呟いた。 彼女の怯えた声に一瞬にして笑みを失った東村芽依だったが、再びその表情は先程の笑みよりも意味深な笑みへと変貌していた。 「それって、むしろラッキーじゃない?あいつを殺れば今回のミッションの半分は終わるんだし」 「そう簡単には行かないと思う。あいつがクロウなら」 「クロウだからこそ、あたし達なら殺れる」 いつしか狂気へと変わった東村芽依の笑みに、加藤史帆の心は一層沈んでいた。 その二人の視界の先を疾走する鳴滝の駆るバイクは、見覚えのある道を突き進んで行く。 それはあの教会へと続く道だった。 しかし、彼女達の予想に反して、鳴滝はあの教会へと下る道を通り過ぎてその先へと進んで行った。 「何処へ行くつもり?」 その疑問を口にした東村芽依に答える事無く、加藤史帆はアクセルを踏み込んでいた。 赤い橋を渡って急な坂道を下り、鳴滝の乗るバイクは減速して右へとハンドルを切ってその姿を消した。 その後を追い坂道を下った二人の視界に映ったのは、アスファルトからコンクリートへと変わった所々に民家を両脇に抱えた細い一本道だった。 「これは罠だよ」 そこで黙り込んでいた加藤史帆がやっとその口を開いた。 「今頃気がついたの?あたしは最初から気づいてたけど」 そう言いつつ、東村芽依は自らのバッグから折り畳み式の例のライフルを手に取り組み立て始めていた。 さくらももこ先生の訃報に接し やはりここは欅板だから永沢君を、と思っのはいいが 予想以上の難しさのためにいろんな意味で微妙になったのをお詫びしつつ保守 http://o.5ch.net/191sp.png >>646 うおっ!? ニャンコ先生がずーみん卒業ショックを乗り越えて執筆活動を再開したのを祝しにきたのに思わぬ訃報 理佐ちゃんの個スレで哀悼の意を捧げてきます ニャンコ先生の励ましのお陰でブログの投稿数1000話越えが見えてきました ありがとうございますm(__)m という報告と感謝を伝えるていの保守 >>649 1000話達成おめでとうございます! その情熱に脱帽です(^_^) やっぱり好きでないと書けないよね 過疎スレだから妄想投下するけど ブログのseventh maliceの7話のイラストと今泉佑唯が最近メッセに載せた写真がシンクロしてる https://i.imgur.com/rxdpSO9.jpg https://i.imgur.com/ibvbC8s.jpg 監視されてる? >>651 ありがとうございますm(__)m 理佐ちゃんとの妄想は楽しいので気づいたら数だけは書いてましたw こんばんは、遊びに来ました。 これ書き込めてるのかな?←初心者(^^;; >>656 いらっしゃいませ(笑) ちゃんと書き込めてますよ おはようございます(^ ^) ニャンコ坂さん、ありがとうございます。 掲示板って、会員とかならなくても書き込み出来るんですね、知りませんでした。 初心者過ぎて掲示板用語も分からないので今朝、掲示板用語をyahooしました(笑) >>658 はじめまして >>659 の庭先生と共にニャンコ先生のブログにも時々登場するチワンと申します(笑) お近づきのしるしにと1枚やっつけてみました http://o.5ch.net/19a0q.png >>658 見ているうちに用語は何となくでも分かって来ますよ。私だって初心者みたいなもので、チワンさんや庭さんに教えてもらってます(笑) >>659 小池美波のスレが落ちたとかで、こちらも内心ハラハラしてます。 >>660 やっつけ仕事にしては、レベル高すぎww >>660 はじめまして、チワンさん(^ ^) ニャンコ坂さんのブログに、よく、チワンさんのお名前が上がっていたので、なんか、テレビに出てる方に会ったみたいに感動しました (笑) iPhoneにタッチペンで絵を描かれたんですか? すごいですね!(^ ^) >>661 ありがとうございます(^ ^) 昨日、書き込みしようとしたら、エラーが出て書き込めませんでした。今日は、書き込めましたから良かったです。 >>661 あ!名前書き忘れました(笑) 664も私です(笑) たぶん、もうニャンコ坂さんに、正体バレてると 思いますが(笑) まさかジョバンニさんは俺のことも感動してくれてるんですか? 照れるな・・・ >>667 気象協会の豪雨予報によれば愛知県地方の雨のピークはあと1時間ほどで一旦峠越えそうですからどうぞ御無事で 欅坂守屋 バトルロワイアルも、庭さんが書かれているのですか? >>670 あれはまた違う人ですね 庭さんは必殺固有名詞体言止めを武器にされている方なので、 見る人が見たら一発でわかるようになってますw ご挨拶遅れましたが、時たまこのスレに出没する大阪府です(_ _) 出来たらジョバンニさんも本家小説スレの方に顔をお出し頂けると嬉しいです ぜひ暇なときに遊びに来て下さい 何せ過疎スレなものでね >>669 愛知県も雨凄いですね こっちは暴風のせいで震度3くらいの揺れがずっと続いてる感じでした >>671 大阪府さん、はじめまして(^ ^) 大阪府さんの本家小説スレは、どうやって探したら良いですか? ところで私の名前の最後、(庭)ってなってますが、 これは、自動的に付くのでしょうか? >>672 ジョバンニさんはたぶんauの携帯からですよね? それで(庭)って表示されてるだけです 自分の使っている回線が表示されているだと思うんですけど、詳しいことはチワン先生に聞いてくださいw あの人説明上手なので ニャンコ先生のスレで宣伝活動はおこがましいですが、こちらのURLです ジョバンニさんも執筆されるようでしたら大歓迎です http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1533436044/ >>670 大阪府さんのおっしゃるとおり俺ではな いのです 残念ながら俺にはバトルロワイアルやニャンコ先生の道化師のような構成とかストーリーがちゃんとした小説を書く才能が無いみたいなんですよね 才能の代わりに理佐ちゃんだと妄想が浮かんでくるので理佐ちゃん専用機として日々理佐ちゃんとイチャイチャする妄想を書いてるってわけですw >>672 お鉢が回ってきた(笑) 大阪府先生の言われる通り、5chに書き込む際に使用した回線(キャリア)を分類したもので スレを立てる際にあらかじめ特殊な設定をしない限りは自動的に付くことになってます (庭)は、主にauのスマホまたはモバイルWi-Fi端末を使用した場合に出ます その昔、auのCMで「auの庭」というキャッチコピーが使われたのが命名の由来です つまりジョバンニさんと庭先生(理佐ちゃん命)とバトルロワイアル先生はキャリアが同じってことです ちなみに同じauでもガラケーは(庭)表示にはなりません 例えば私みたいな表示になりますw ニャンコ先生の(茸)は主にdocomoのスマホやモバイルWi-Fiからの書き込みになります これもその昔、『ドコモ茸』というCMをやっていたための命名です あと、普通に家などに引かれているフレッツ光とかの回線から書き込むと、住所地の都道府県がでます 例えば(大阪府)先生はそういうケースです この他のパターンについてまで説明すると長くなりすぎるので今回は割愛しますが これらの表示は、匿名掲示板から悪質な書き込みを排除する目的で作られた仕組みの一つです 同じ目的で作られた仕組みには 『ID表示』(書き込み時刻の後に表示されてる英数字列) 『ワッチョイ表示』(キャリア表示をさらに細分化したもの) 『IP表示』(インターネット上のいわば個人の住所にあたるものまで表示) などがあります ニャンコ先生が激推している能登麻美子さんという声優さんがいらっしゃるのですが 彼女がナレーションしているアニメ『はたらく細胞』に登場する人気キャラ『血小板ちゃん』を 現役漫画家池田春香さん(りぼんで連載中らしい)が描いてみたというものを Twitterで見てラフスケッチしてみた http://o.5ch.net/19d0e.png という保守 理佐ちゃん一筋の俺なのにずーみんの水着に心グラグラですいませんm(__)m 歴代ずーみんの中でもサイマジョの片ポニずーみんが一番好きなのでずみこよりずーみんと呼びたい派な俺 いつか逃した魚は大きかったと欅関連の大人たちに思わせる存在になって欲しいですね ちなみに俺は理佐ちゃんが水着になるのは断固反対です めっちゃ見たいという下心を押し殺しつつ断固反対です という保守 >>673 ありがとうございます(^ ^) 私はNHKの#8月31日の夜に、の僕の日記帳と いうとこに投稿しても掲載されない(短文しか書いてない人でも掲載されていたのに)くらいの 文才のなさ(笑)なので、ちゃんとした小説が書けるようになるまで、時間がかかりそうです。 >>675 詳しい説明、ありがとうございます(^ ^) とてもわかりやすかったです。 >>674 庭さんのアメブロ、ニャンコ坂さんのブログから飛んで見たような記憶があるんですが、何というブログ名でしたっけ? >>680 理佐ちゃんだから好き https://ameblo.jp/ys0penki0rw/ ただただ俺が理佐ちゃんにデレてもらう妄想ですが良かったらお越しくださいm(__)m ニャンコ先生のスレでさりげなく自分のブログの宣伝する俺 >>682 ”三蔵な理佐ちゃん”、から読み始めてます。 ドSな理佐さん、素晴らしい(笑) 猿は、平手さんにやってほしかったです(笑) 最近、2年前のKEYABINGOがBSで放送されてて、平手さんが桃太郎の役をやってました。(笑) >>683 さっそく読んでいただきありがとうございますm(__)m 三蔵な理佐ちゃんは現在も理佐ちゃんだから好きスレで書き続けている俺のライフワークですw 脱線ばかりでなかなか天竺にたどり着かないのが悩みです >>684 理佐さんへの愛がすごく伝わって来る文章です。私のアメトモのJKさんが握手会で理佐さんと握手をしたそうですが、すごく優しくて、最後に頭をポンポンしてくれたそうです。 あっ、私、LINEのグルチャみたいに勝手に雑談を書いちゃいましたが、ニャンコ坂さん、怒ってないでしょうか? >>685 いや、荒らしじゃないですしニャンコ先生はそんなんで怒らないですよ(←圧かけてる) ただ、庭先生の妄想個スレもありますからそちらに感想書いてあげると庭先生も大喜びかも ↓ 【妄想】理佐ちゃんだから好き【小説】 ★3 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1535557766/ で、またやっつけ http://o.5ch.net/19eca.png >>686 ありがとうございます(^ ^) ずーみん、セクシーですね〜。 >>685 理佐ちゃんの素晴らしさを世の人々に啓蒙したいと思い恥ずかしながら妄想を公表していますからw >>686 俺のスレの宣伝までありがたしですm(__)m 理佐ちゃんに操を立てて他メンにお金も時間も使わない俺もずーみんの写真集は買う 平手さんが、ミルミルのCMで、アメリカの砂漠で撮影したとか、やっと発表ありましたね。海外留学とか騒いでたのは何だったんだろう? せめて、「海外留学ではないです、お仕事です」くらい、当時、言えなかったのでしょうか? ずーみんの写真集発売直後に、平手さんもロスで撮影した写真集を出したりして。 ミルミルのCM撮影だけで、シブヤノオトとMステを蹴るかなぁ。 海外行かなくても鳥取砂丘で撮影したらいいのに、と思ってたら、同じことをyahooニュースにコメント書いてる人居て、笑ってしまいました。 平手さん好きで記事とか追っちゃうけど、隠し事多い所や、歌番組で笑わないところ、大人に指示されてるのか本人の意思でやってるのか、わからないけど、そういうことをするところが好きになれないです。 ニャンコ坂さん、庭さん、チワンさん、 みなさんは、どう思いますか? まさに雑談スレ化(笑) まあ企業広告戦略にはそれぞれの事情があるんでしょうから別にどこで誰をどう使ってもいいとは思うんですが お金あるんですね〜採算合うんですかね〜っていう感想だけですかね(笑) http://o.5ch.net/19ek6.png ぶっちゃけ理佐ちゃん以外のメンバーには興味が無いからよく分からないですw >>690 分かるような分からないような。 一番に分からないのは平手友梨奈自身の意思なので。他のメンバーも何を考えているか分かりませんし、何ともコメントのしようがありません。 >>691 広告費は採算度外視なんですかね。 ミルミルのパッケージに力入れてるチワンさんのセンスが好きです(笑) >>692 実に正直でよろしい(笑) それでこそ庭さん >>694 そりゃあCMですから商品の方に力注がないと(笑) ミルミルという名前を思い出せずに、あの 火曜サスペンス劇場のオープニングみたいな柄の飲み物と言ってしまうのは、わたしだけでしょうか?(笑) 最近、ヤクルト10本パックが328円税抜きが 348円税抜きになって値上がりしたのは、 海外の砂漠で撮影してCM制作費が嵩んだからかもしれませんね〜。 母が牛乳飲めなくて、ヤクルトしか飲めないのて値上がりは、困ります。私は、映画レオンのレオン並みに牛乳をアホほど飲みます。←どうでもいい話(笑) >>699 荒し対策で規制がかかると一定時間書き込めなくなるんです 俺は書き溜めないで1話書いたら投稿してまた1話書いて投稿する鮮度優先タイプなのでこれが何回か続くと妄想するモチが下がるんですよね 「駄目だよ。これ以上は……」 「ここまで来てミッション放棄?大丈夫だよ。あたし達なら」 ハンドルを握ったまま硬直する加藤史帆へと、東村芽依は笑みを浮かべてその手の弾丸の詰まった弾倉を彼女へと手渡した。 加藤史帆は掌に収まりそうな小さな銃をシートの裏から取り出して受け取った弾倉をグリップの下から差し込んだ。その黒い銃身にはベレッタと記されている。 「行こう」 その東村芽依の言葉を受けて、加藤史帆は拳銃を右脚のホルダーへと押し込みアクセルを踏み込んだ。 畑の中の一本道を進んで行くと、やがて少し開けた場所で行き止まりとなった。そして、その奥に鳴滝が乗っていた黒いバイクが停めてある。 車から降りた東村芽依は、ライフルを片手にバイクへと歩き出した。少し遅れて、周囲を警戒しつつ加藤史帆が続く。 広場の奥の林の中に人ひとりが通れる程の小道を見つけ、芽依は躊躇なく進んで行く。その背中を追いながら史帆もやっと拳銃を手にしていた。 聴こえて来る波の音に誘われるように小道を抜けると、目の前に小石だらけの海岸が拡がった。 「誰?」 立ち止った芽依が眉をひそめる。波打ち際に立つ鳴滝の隣にもうひとつの影を見たからだった。 ノースリーブの白いワンピースに長い黒髪の女が、鳴滝へと何やら語りかけている。 思わず一歩踏み出した芽依の足元で、重なった小石がカチリと音を立てた。 「よう、遅かったな」 そう言って振り返った鳴滝と同じく、隣に立つ女もその顔を芽依と史帆へと向けた。 「飛鳥……」 芽依の口から漏れ出たその名前に反応するかのように、女の黒い瞳が紫へと色を変えた。 咄嗟にライフルを構えた芽依の瞳も金色へと変わっている。その背後で拳銃を構えて立つ史帆の銃口は鳴滝へと向けられている。 「やめとけ。俺たちが争う理由は無い」 「どうして、貴女がここにいるの?」 鳴滝の制止の声さえ聞こえないかのように、芽依はライフルの照準越しに女を睨みつけながら言った。 その問いに答える代わりに、女は右の手の平を芽依と史帆へと向けた。 次の瞬間、芽依と史帆は女の紫色の瞳から目を離す事なく膝から崩れ落ちていた。 「飛鳥……なぜ……ここに?」 動きを奪われながらも、芽依が再びその名を口にした。 「そのうちわかるさ」 代わりに鳴滝がそう答えると同時に女の手の平から放たれた閃光と共に、彼女は三人の前からその姿を消していた。 「何故、飛鳥と?」 硬直を解かれた芽依と史帆は、すかさず銃口を鳴滝へと向けた。 「君達もダイスのメンバーなら知っているだろう」 「あたし達の事を知っているの?」 「アスカプロジェクトの件で、君達んとこのチワンと一悶着あったからな」 「一悶着?」 芽依が眉をひそめるその後ろで、史帆が引き金にかけた指に力を込めていた。 「じゃあ……やっぱりお前が……」 史帆のその言葉に、芽依が我に返ったように目を見開いた。 「クロウ!」 「さぁな。だとしても、なぜ俺が殺されなきゃならないんだ?」 呆れ顔でズボンのポケットに両手を入れた鳴滝の動きに、二人は一瞬身を引いた。 「クロウだからよ」 「答えになっていない」 「動かないで!」 一歩踏み出した鳴滝へと芽依の怒声が響く。 「動いちゃダメなのはお嬢ちゃん達の方よ」 背後から聞こえたその男の声に、芽依と史帆は銃口を鳴滝へと向けたまま顔だけを後ろへと傾けた。 そこには、拳銃を構えた二人の男姿があった。 更新乙です 上で(庭)表示の説明してたときに感じたんですが このスレも字数制限が着実に進んできてますね この前のひらがな推しで監督してるかとしを好きになってしまったからかとしの行く末を心配しながら読んでいます もちろん理佐ちゃんは別格ですが 芽依へと銃口を向ける細身の男の瞼にはアイシャドウ。だが、薄っすらと笑みを浮かべた男の細い目は冷たく東村芽依を捉えている。 「可愛い顔して危ない物持ってるのねぇ。ケル・テックのライフルなんてマニアック」 冷やかし口調で語る男だったが、芽依も史帆も動く事が出来ずにいた。何故なら、ここまで背後に接近されながらも気付かずにいたのは、彼女達にとってはこれが初めてだったのだ。 それはつまり、この男達も何かしらの訓練を受けた猛者であることを示している。 そして理由は他にもあった。 「あんたの方が、よっぽどマニアックじゃない。アディール・コンシールなんて」 芽依が煽りがちに言った通り、その男の手にしている銃は他とは少し違っていた。史帆へと銃口を向けている大男の銃はデザートイーグル。しかし、この男の銃は小型であり、まるでスマートフォンのイヤホンジャックに銃口が空いているようにも見える。しかも二つ。 「あら、知ってるの?やっぱりお嬢ちゃんってばマニアック」 それは、まだ売り出されたばかりの銃だった。それを手に入れているという事は、何らかの組織に属している人間に違いない。 「おじ様って何者なの?」 背後に立つ男から再び鳴滝へと目を向けた芽依が飄々と問いかけた。 「おじ様?」 鳴滝が答えるよりも早く、アイシャドウの男が呆れたような声を上げていた。 「鳴ちん、あーたおじ様って柄じゃないでしょ?」 「そうか?結構、ハマってると思うが」 「答えて!」 アイシャドウの男と鳴滝の間に交わされる言葉を、芽依の怒声が遮った。 「何者も何も、俺はただの貧乏探偵だよ。前にも言っただろ?」 「ふざけないで!」 「ふざけてなんかいないさ。それ以外に無いんだからな」 引き金に力を込めた芽依の指を見ながら、鳴滝はそう答えると頭を掻いて溜め息をひとつついて背を向けた。 「鳴ちん、あーたってつくづく女運が無いわよねぇ……」 「それに関しては放って置いてくれ」 アイシャドウの男を見る事もなく、鳴滝は二つ目の溜め息と共にそう吐き出した。 「クロウ……」 言葉に詰まった芽依の後ろで、憎しみにも似た眼差しで鳴滝を睨む史帆がそう呟いた。 「さっきからクロウ、クロウって……。そんなに俺を殺し屋の殺し屋って事にして撃ち殺したいのか?」 呆れ顔のままに振り返った鳴滝が、銃口を向ける史帆へと振り返った。 「だったら撃ってみろ。何の証左も無しに撃ち殺して悦に浸るのが君の望みならばな」 一瞬にして豹変した鳴滝の眼光に、史帆は硬直していた。 「アナちゃん」 アイシャドウの男がそれだけ言って目配せをすると、史帆へと向けていた銃口を大男が下へと降ろした。 どこからか出航を知らせる汽笛が響いた。 それを合図としたかのように、鳴滝が動く。 史帆の放った弾丸を寸前でかわし、いつしか手にしていたボールペンを鎌のように使って史帆の腕を絡め取った鳴滝は、史帆の銃を奪い取りその銃口を彼女へと向けていた。 その行程は一瞬であったが、その一瞬のうちに芽依もアイシャドウの男により制圧されていた。 「昨日の夜、この島のショッピングモールの駐車場で話したよな……」 史帆へと銃口を突き付けながら、鳴滝は囁くように彼女の耳元で囁く。 「相手の力量を測れる奴が生き残る」 まるで挑発するかのような彼の言葉に歯をくいしばる史帆の耳元で、鳴滝は尚も言葉を続けた。 「だが、幸運だったのは、俺達がお前らの敵じゃないって事だ」 その言葉に、史帆の顔から憎しみの表情が消え去った。 「飛鳥!まだいるんだろう?出て来い」 それまでの緊張感を解くように、鳴滝があっけらかんと何もない中空へと向けて語りかける。その名前に息を呑む芽依と史帆の目の前に、名を呼ばれた存在が紫の光と共に姿を現した。 幻影なのか。中空から舞い降りた女の肌は、淡い紫の光から現実味を帯びた色を取り戻し、その長い黒髪は潮風を受けてなびいている。 「どう言う事?あなた、何なの?」 アイシャドウの男に組み伏せられながらも、芽依はその目を見開いていた。 「そんなに驚く事でもないだろう。飛鳥も君達と同じ『魔動核』から力を得た一人さ」 現れた飛鳥に代わり、鳴滝が芽依の問いへと答えを返した。 「私達とは……違う……」 鳴滝が構えた銃口の先で、史帆が弱々しく呟いた。 「確かにな。どう言う理屈かは知らないが、同じ魔動核から力を得たにも関わらず、君達と飛鳥は違う。おそらくは、あの忌まわしい実験の副作用なんだろうが」 鳴滝が言うように、その違いは力を発動した時の瞳の色からも判別出来る。平手友梨奈をはじめとする「大日本帝国陸軍軍事機密第四○四号」と名付けられ、この島に運び込まれたもうひとつの魔動核のキャリアも同じく、その多くの瞳は金色に変化するのだ。 だが、この飛鳥の瞳は紫色に変化している。 「もう一人、知ってる。紫の瞳を」 「そいつは誰だ?」 芽依が漏らした言葉に、鳴滝がすかさず喰いついた。 「今泉……佑唯」 その名前で尾関梨香の顔が先に浮かんだ鳴滝の隣で、それまで無表情だった飛鳥の瞳に感情が宿っていた。 「佑唯……佑唯……」 「知っているのか?」 その名を繰り返す飛鳥の異変に、鳴滝は堪らずそう問いかけていた。 「今泉佑唯。アスカ・プロジェクトのもう一人の被験者よ」 「なんだと……他にもいたのか?」 今度は、はっきりとした口調で芽依が言葉を返した。だが、その瞳は怒りを含んでいる。 「知らなかったの?飛鳥と一緒にいるくせに」 「好きで一緒にいるわけじゃないからな」 「わけわかめ」 「とにかく!」 呆れた芽依の声を鳴滝が強引に遮った。 「お前らダイスが探しているもうひとつのの魔動核は平手友梨奈が持っている。そして、それを狙ってマグスが動き出した。つまり……」 そこまで語った鳴滝は、史帆へと向けていた銃を降ろして、彼女の右脚のホルダーへと差し込んだ。 「俺達の目的は同じだ。あのサイコ野をぶっ飛ばして魔動核を守る。違うか?」 「違う!」 未だアイシャドウの男に組み伏せられたままの芽依が、鳴滝を睨んだ。 「私達の目的はひとつ。魔動核の奪還」 「そんな事は百も承知だ。悪いが俺はあんな石コロになんざ何の興味もない。好きにすれば良い。だが、それもマグスを倒してからの話しだ。だよな?岡ママ」 そう鳴滝に問われたアイシャドウの男は、しゃなりとその首を傾げた。 「でも……もっと綺麗になれる力をもらえるなら、その石コロ欲しいかも」 「魔動核でも、それは無理だろう。本物の化け物になるだけだ」 「鳴ちん!化け物ってなによ!」 鳴滝の言葉に激昂したアイシャドウの男の一瞬の隙をつき、芽依は拘束を解いて再び銃口を鳴滝の額へと向けていた。 だが、鳴滝もその左手の人差し指と中指を芽依の喉元へと押し付けていた。 その硬直した状況の中で、芽依はひとつの明確な答えに気付き息を呑んだ。 「クロウ……それって……」 「それ以上語るな。俺は君を失いたくない」 その謎の会話がもたらした僅かな沈黙の後、芽依は手にしていたライフルの引き金から指を外した。 「あいつが……来る……」 その小さな顔のこめかみを両手で抑えた飛鳥が、震える声で鳴滝へと訴えた。その尋常ではない彼女の怯え方に、鳴滝はあいつが誰かを悟って表情を強張らせた。 「あいつって、まさか」 「ああ……その『まさか』さ」 ライフルを構えたまま目を見開いた芽依へとそれだけ言って、鳴滝はその何者かの気配を探るように目を閉じた。 その彼の様子に、銃を手にした者達は鳴滝と飛鳥を中心にして四方へと銃口を向けながら『あいつ』の襲来に備える陣形を取っていた。 「何処にいる……」 その鳴滝の呟きと重なるように、この海岸へと続く小道の方から、落ち葉を踏みしめるような人の足音が近づいて来るのが聞こえて来た。 芽依と史帆、そしてアイシャドウと大男の銃口が一斉にそちらへと向けられる。 「これはこれは。皆さんお揃いで」 黒く長い髪を後ろでひとつに束ね、丸眼鏡の奥で細い目に冷たい気迫を宿した男が皆の前に小道から姿を現したのはほぼ同時だった。 「飛鳥……こちらへ来なさい。君をその苦しみから解放出来るのは、その男じゃない」 向けられた四つの銃口さえ気に留める素振りも見せず、その男は飛鳥へと向けて足を踏み出していた。 「マグス!それ以上、動くな!」 瞳を金色に変えた芽依が叫ぶ。だが、マグスはその歩みを止めるどころか、芽依の構えたライフルの銃口の前に自らの胸を差し出した。 「ほぅ。君も能力者ですか。しかし、君の力では今の私は撃ち抜けませんよ。試してみなさい」 臆する事もなく言い放たれたマグスの言葉に、芽依は迷わずにその引き金を引いていた。 乾いた破裂音が響く。だが、その弾丸は虚しく宙を切って小道を覆う林の枝のひとつを落としたのみだった。 「虫ケラがいくら寄り集まったところで、所詮は虫ケラです。諦めなさい」 そう言い放ったマグスの視線は目の前で絶望する芽依にではなく、既に鳴滝の背後に立つ飛鳥へと向けられていた。 「諦めるのはお前の方さ。しつこい男は嫌われるぜ」 それまで目を閉じていた鳴滝が、そこでやっとその目をマグスへと向けた。 「鳴ちん。あーたみたいに、あっさりし過ぎるのもどうかと思うわよ」 銃撃が無効だと悟ったのだろうか。アイシャドウの男は銃を降ろして呆れ顔で鳴滝へとそう苦言を呈した。 「いや、俺の場合は、ほら、一途って事さ」 「一途って言葉が一番似合わないのは、鳴ちん、あーたでしょ?」 目の前に現れた脅威さえ関係ないように淡々と繰り広げられるこの男達の会話に、芽依だけではなく史帆さえも驚愕に言葉を失っていた。 「さぁ、私の元に来なさい。新しい世界を共に築こうではないか」 マグスは右手を飛鳥へと差し向けていた。 「どうする?飛鳥」 「嫌だ……」 鳴滝の問いかけに、飛鳥は尚も怯えた表情でそれだけ答える。 「だったら……立ち向かえ。お前の方が強い。それは俺が保証する」 「鳴滝君。君の言う強さとは何ですか?」 飛鳥の返答を遮るように、マグスが言葉を挟んだ。 「うるせぇ。てめぇで考えろ」 鳴滝の荒い語気に同調し、彼の背後で薄紫の閃光が周囲を包み込んだ。 「来ないで……」 怯えから憎しみへと変わった飛鳥の瞳の色が、その右手からマグスへと撃ち放たれた。 紫の光の筋が彼の胸を貫く。一瞬後ろへと仰け反ったマグスだったが、苦悶の表情は直ぐに歓喜へと変わっていた。 「良いですね、その目。その憎しみに満ちた目こそが私のしもべに相応しい」 「しもべ?それが本音か」 悦に浸るマグスの言葉尻を掴んだ鳴滝がそう言い捨てる。 「優れた猟犬は優れた狩人の元に育つ。違いますか?」 「飛鳥を犬扱い……やはり、てめぇはクズだな」 上目遣いにマグスを睨んだ鳴滝が左手を構えた時、その袖口から白い紙片が足元の小石の上へと舞い降りた。 「式神?……川口玲子か!」 眉間に皺を寄せたマグスがそう叫ぶと同時に、背後の林の小道から鳴滝達の元へと疾走する二つの足音が聞こえて来た。 連投規制と文字数制限でブログと前後してごめんなさい。 あと、庭さんは気がついたかもしれませんが、サイコパスなストーカーが現れたので、このスレもここで終わるかもしれません。 役一年間、いろいろお世話になりました。 心からありがとうです(^_^) 俺の方こそありがとうございますm(__)m ニャンコ先生の影響でブログに保管しようと思いつき 幾つか未完になってる妄想を見つけることが出来ました 了解です 自分も先生のおかげで絵の楽しさを再発見できました ありがとうございました ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.1 2024/04/28 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる