”和をもって尊しとなす”国、日本においては、市場原理、競争原理は何かと悪と見なされ、
内輪の同質的な仲間が集まっての談合および、お上の下での統制的な制度が好まれる傾向が強い。

しかし、新規参入および競争が働く市場原理なくしては、製品、技術、サービスの革新が進まず、
利権のみが増大して、社会全体が沈没・衰退し、最終的には多くの弱者にも被害が及ぶのである。

政治における民主主義と同様に、一般消費者が主役の市場競争が働くことが大事ではないか。
規制・統制や談合が強い経済制度下では、消費者による選択よりも、利権・許認可に食い込むための
競争になり、監督官庁や業界団体が主役の競争になってしまうからである。

もちろん、市場原理というのは民主制度と同じで万能ではなく、導入すれば何もかも
うまくいったり、福祉や規制が必要でなくなるわけではないが、歴史が証明しているように、
経済システムにおいて一番大事なものの一つでで、最適な価格、需要のバランスなどが実現されるため、
十分に機能させることが大事である。