日本では、欧米と同じくらい古くから肉食の歴史があるにもかかわらず、肉摂取量と癌との関係性を評価した研究は行われていませんでした。

(ちなみにアメリカやヨーロッパ諸国の白人は狩猟民族で肉食だから腸が短く、日本人などの黄色人種は農耕民族だから腸が長いというのは、俗説であり嘘です)

岐阜大学の和田恵子 准教授らのグループは、日本人の肉の消費量と結腸直腸がん(大腸がん)リスクにどのような関連があるのか評価を行いました。

准教授らは、1992年の実験開始時に35歳以上だった男性13,957人、女性16,374人の食事と病歴を2008年まで追跡調査しました。

その結果、実験終了までに男性429人、女性343人が大腸がんを発症し、男性の肉類全般を平均以上食べていた人のがん発生率は1.36倍に、特に赤身肉を好んで食べていた人は1.44倍も大腸がんになる可能性が上昇していました。

一方、女性は肉食量と大腸がんの発症率に、関連は見られませんでした。

では、なぜ肉を多く食べすぎると、かんになりやすいのでしょう??

肉料理を食べると、肉は胃の中で消化分解され、タンパク質と脂質となって腸に運ばれます。

適切な量のタンパク質と脂質は、善玉の腸内細菌によって化学反応を起こし、体に吸収しやすい形に変化します。

しかし善玉の腸内細菌が処理しきれないタンパク質と脂質が来たり、そもそも善玉細菌の量が少ない場合、過剰な肉類は腸内で悪玉菌によって「腐敗」してしまうのです。

この腐敗によってタンパク質と脂質は、がんの原因物質となる身体にとって有害な化合物へと変化することがわかっています。

これが、過剰な肉食によって大腸がんになってしまう理由なのです。

しかしトレーニングによって疲労しダメージを受けた筋肉を回復させるためには、相当量の肉を食べる必要があります。

どうすれば、この癌リスクを予防することができるのでしょうか。