二重スリット実験とかいうヤバすぎる実験
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人が観測しているときとしていないときで結果が変わるとかいう恐怖…
https://youtu.be/vnJre6NzlOQ まず
「波動関数がスリットを通過する」とか「波動関数がスリットで2つに分かれる」とかを見ると
「やはり波動関数はスリットの場所にあるのでは?」と疑問を持つ人がいるかもしれない。
でも、それは間違い。
野球のホームランボールの軌跡は空気抵抗が無ければ放物線で記述されるが、
「グラウンド上空の空間に上に凸の二次関数がある」とは言わない。
空間内に二次関数を考えているだけ。
空気抵抗があったり風が吹いたりして条件が変われば、二次関数も変形する。
波動関数もこれと同じ。
電子の運動を記述する波動関数を考えているだけ。
スリットを置くとかでポテンシャルの条件が変われば変形する。 1.
20世紀初頭に生まれた量子論は、前期量子論→量子力学→場の量子論、と発展した。
>>1の疑問は、前期量子論では謎のままだが量子力学で解決されることがわかった。
だが、量子力学を習得することは、いささか敷居が高い。
古典力学、解析力学、電磁気学、解析数学、線形数学、複素関数、等々の基礎知識が必須になる。
微分方程式、固有値問題、テーラー展開、フーリエ変換、複素積分とかのテクを駆使する。
普通はそこまでやりたくないし出来ないしで、量子力学の結果を天下り的に使うわけだが
そのときに間違いが導入されてしまう。通俗本をいくら読んでもわからないのはこのため。 2.
量子力学の例として、電子のシュレディンガー方程式を考える。電子は質点&点電荷として扱われる。
シュレディンガー方程式は線形微分方程式で、解くと任意定数を含む関数として一般解が得られる。
初期条件を用いて任意定数を定めた解関数を特殊解と呼ぶ。解関数は基本、複素関数になる。
線形微分方程式なので、解関数の線形結合(定数倍の和)も、また解関数になっている。
シュレディンガー方程式の解関数が波動関数で、位置と時間の関数になっている。ψ(r,t)と書く。
波動関数の絶対値の二乗 ρ(r,t)=|ψ(r,t)|^2 は、時刻t、位置rにおける電子の存在確率を表す。
確率なので、ρ(r,t)を全空間で足し上げて1になるように ψ(r,t) は規格化されている。 3.
波動関数ψ(r,t)は複素関数である平面波で表され、これが「波」としての性質を持ち時間変化する。
複素関数が3次元実空間に広がって存在するとかはナンセンス。ありえない。
電子はどこにいるのかわからないが、ρ(r,t)の確率で空間内の一点に存在する、とだけ言える。
・「電子は粒でも波でもある」とかは間違い
電子は粒子。電子の存在確率を表す波動関数が波として記述される。
電子の質量や電荷が「波」に変身して存在するのではない。
場の理論では「場の励起」になるが、
「波だから2つのスリットを同時に通過できる」などとは違う。 4.
・「波動関数の収縮」は間違い
シュレディンガー方程式の一般解は、初期条件を用いて定数を決定する必要がある。
電子銃から出た直後の状態を初期条件にした波動関数と
スリットを通過した直後の状態を初期条件にした波動関数は別物で
「収縮」のような時間変化ではない。単に初期条件を再設定するだけ。
初期条件では電子の位置がわかっているので、存在確率はデルタ関数的で、
波動関数としては非常に幅の狭いガウス波束などを用いる。
波動関数はシュレディンガー方程式の時間発展で広がりながら移動し、
スリットの反射や透過でいろいろな方向に分かれる。
この広がった状態で測定すると電子の位置が得られるので、
その位置を初期条件にして、また幅の狭いガウス波束を波動関数を時間発展させる。
これが「再設定」。
初期条件を変えて別物の関数を使う、だけのこと。
微分方程式の一般解の任意性を知らないと、騙されて「収縮」とか思い込んでしまうのか。 5.
・「観測すると干渉縞が消える」とか「1電子が両方のスリットを同時に通過する」は間違い
確率的な事象であるのに、1度のみの観測で初期条件を再設定するのがダメ。
ちゃんと統計的な測定を実行して初期条件を再設定すれば、干渉する。
二重スリットの片側を電子が通過した、ことを波動関数で記述すると
通過したスリットのみがデルタ関数的な存在確率分布を持つことになる。
が、この波動関数は、実は片方を閉じたスリットの波動関数と同じになってしまう。
これでは干渉するはずがない。波動関数の(確率解釈か)限界。
観測方法の詳細(γ線の強度とか)を考慮することなく、「位置の確定」だけでデルタ関数的にしないといけない。
それで「電子が片方のスリットを通過したとはいえない」とかで、お茶を濁すことになる。
で、これを早合点で「ならば、両方のスリットを同時に通過する」と考えるのが間違い。
波動関数は確率分布を与えるのだから、ちゃんと統計的な測定をすると初期条件では、
それぞれのスリット位置に等確率のデルタ関数的な確率分布になる。
両方が時間発展で広がれば重なった部分が干渉することになる。 結論
観測により干渉縞が消えるのではなく、
「収縮」に呪縛されたままだと、単スリットの波動関数と同じになってしまうので干渉しなくなる
だけの話。
>>1の疑問は解決。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています