文隆さんの本より
物理現象は「生もの」として進行するが、物理学の理論では、「乾きもの」の方程式で表現される。
数学的対象にマップ(写像)して、数学的対象の法則性として表現される。「生もの」では方程式に
載らない。数学という道具が持つ合理性に引きずられて、「生もの」自体に道具の合理性を押しつけ
てしまいがちである。道具はあくまでも「乾きもの」が演じる光景であった、「生もの」の世界とは別物の
パラレルな世界であることを忘れてはいけない。ただし、道具の振る舞いに同期しない部分を「生もの」
から排除することで両者の齟齬を無限に小さく出来るかもしれない。物理学は、化学や生物と違って、
こういう純粋化の手法を作ってでも、「乾きもの」主導で展開されている。