>>462
杣売りが最後に語ったのはだいたい真実に近いと思われるが、
最後に多襄丸がとどめを刺したのは小刀によったと思われる。
杣売りは小刀を盗んだことを隠しているし、死体から小刀を抜いたというのは
なおさら隠したい事なので、太刀で刺したという話にしたと。

小刀を死体から抜いたのが杣売りだという観点で巫女の証言の部分を見返すとこれが凄い。
「誰かが私に近づき、胸からそっと短刀を引き抜いた」と巫女が言うところで、
志村喬演ずる杣売りの明らかな動揺が見て取れる。

その直後に羅生門の場面に戻り、これまた明らかな動揺を見せる杣売りが
「うそだうそだ、男の胸に短刀など刺さっていない。あの男は太刀で刺されたんだ!」
と叫ぶ。
そこで3人の間で妙な雰囲気になり、下人が杣売りに話を聞きだす。