元話の今昔物語集巻二十九第二十三「具妻行丹波国男於大江山被縛」

妻と伴い丹波の国へ行く男が大江山で縛られる話で説明されてるね:

若い男は、太刀と短刀を取り上げ、男を押さえつけ、馬の手綱で木にきつく
縛り付けた。そして、女に近寄って見ると、二十歳過ぎで、身分は賤しいけれど
魅力がありたいそう美しかった。

男は、女に心を奪われ、ほかに何も考えられなくなったので、女の衣を
脱がそうとすると、女は拒むことができそうにないと思い、言われるがままに衣を脱いだ。
そして、男も着物を脱ぎ、女を押し倒して交わった。

女はしかたがなく、若い男に言われるがままに男が縛り付けられている様子を見たが、
その時見られた男はどのような気になったのだろうか。

その後、若い男は起きあがり、もとのように服を着て、箙を背負い、
太刀を帯び、弓を手に持ち、馬に乗り、女に言った。

名残惜しく思うけれども、どうしもようもないから、このまま行くことにする、
あなたに免じてその男は殺さずにおいておくが、急ぎ逃げるために馬はいただいていくぞ、
と言って、一散に馬を走らせ、いずこともなく去っていった。

その後、女は男の縄を解いてやると、男は呆然としていたので、女は、
あなたはほんとうに頼りない、これからもこのように頼りないようでは、
いいことがありっこないですよ、

と言うと、夫は黙ったままだったが、そこから二人は連れだって丹波まで行った。
http://www.lares.dti.ne.jp/~ttakagi/diary/translation/konzyaku29_23.htm
武士は自分の不甲斐無さを親戚や知人に隠したかったのさ.