>>472-473
信心というより、修行(いわゆる勉強)が足りないのでは?
下記の”望月研を希望する学生へ”のどの段階まで、修行は進んでいますか?

https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/students-japanese.html
望月研を希望する学生へ
私の研究の主なテーマは、「双曲的代数曲線の数論」です。「双曲的代数曲線」
とは、大雑把に言うと、多項式で定義される幾何学的な対象の中で、上半平面
で一意化されるリーマン面に対応するものです。ただし、複素数体の上でしか
意味を成さないリーマン面の理論と違って、代数的な対応物を扱うことによっ
て、数体やp進局所体といった「数論的な体」の上で定義されたものの様々な
興味深い性質を考察することが可能になります。また、双曲的なリーマン面と
同様に、双曲的代数曲線の研究では、基本群およびその基本群へのガロア群の
作用が重要な役割を果たします。私の研究に関するもっと詳しい説明について
は本サイトの「論文」、「過去と現在の研究」、または「出張・講演」を
ご参照下さい。

修士課程への入学を希望する学生に対しては次のような予備知識を
要求しております:
 (1) 代数位相幾何の基礎的な知識(=基本群や特異コホモロジー)
 (2) リーマン面の基礎的な知識(=line bundleやRiemann-Rochの定理)
 (3) 可換環論やスキーム論の基礎的な知識(「松村」、「Hartshorne」を参照)
ただし、特に(3)については完全な理解を要求するのではなく、内容に対して一定の「親しみ」さえあれば、
入学してからセミナーなどで復習することは可能です。

仮に修士課程に入学し、私の学生になった場合の、少なくとも最初の一年間の「カリキュラム」は
大体次のとおりになります:
 (a) 「松村」、「Hartshorne」の復習
 (b) 複素多様体や微分多様体の理論の復習
 (c) エタール・トポス、エタール・コホモロジー、エタール基本群
 (d) 曲線やアーベル多様体のstable reduction
 (e) log scheme の幾何
 (f) エタール基本群のweightの理論

これらの基本的なテーマの勉強が済んだら、
 (i) crystalやcrystalline site, crystalline cohomology
 (ii) Fontaine氏が定義した様々な「p進周期環」
 (iii) p-divisible groupsとfiltered Frobenius moduleの関係
 (iv) Faltingsのp進Hodge理論
 (v) p進遠アーベル幾何
 (vi) p進Teichmuller理論
のようなp進的なテーマに進むことなどが考えられます。

つづく