Fを実代数的数の全体からなる集合とする
Kを複素平面C上の代数的数の全体からなる体とする
或る 1<a<e なる実数aの代数的数が存在して、log(log(a)) が代数的数であると仮定する
x=log(log(a)) とおく。aに関する仮定から 0<log(a)<1 だから、
xは実数ではない複素数の代数的数である。xの実部をb、xの虚部をcとする
完備な実数体Rを部分体に含む複素数体C上で考えれば、
直線としての実軸R、及び純虚数の全体からなる直線としての虚軸は
実数体R上一次独立である。即ち、複素平面Cは {1、i} を基底とする
実数体R上の線型空間である。Fの定義に注意すれば、実代数的数の全体から集合Fは
通常の加減乗除の演算について体をなす。実数体Rは体Fを部分体に含むから、
Kの定義から体Kは {1、i} を基底とする体F上の線型空間である。
よって、任意の代数的数dに対して、或る実代数的数の実部eと或る実代数的数の虚部fが
確かに存在して、dは d=e+fi と表される。
ここに、dに対して、eとfは両方共に一意に定まる
よって、xの実部bは実代数的数であって、xの虚部cは c≠0 を満たす実代数的数である
仮定からxは x=b+ci と表されるから、xを元に戻せば、
loglog(a)=b+ci であり、log(a)=e^{b}・e^{ci} を得る
aに関する仮定から log(a) は 0<log(a)<1 を満たす実数だから、
e^{b}・e^{ci} は 0<e^{b}・e^{ci}<1 を満たす実数である
確かに e^{b} は実数だから、完備な実数体Rを部分体に含む
複素数体C上で考えれば e^{ci} は実数である
仮定からcについて c≠0 だから、オイラーの公式から、
cは或る0ではない整数mを用いて c=mπ と表される
しかし仮定から、cは実代数的数であり、πは実数の超越数だから、
如何なる0ではない整数nに対しても c≠nπ
故に、n=m として考えれば、c≠mπ となって c=nπ が得られたことに反し、矛盾を得る
この矛盾は、1<a<e なる実数の代数的数aが存在して log(log(a)) が代数的数である
と仮定したことから得られたから、背理法が適用出来る。そこで背理法を適用すれば、
如何なる 1<a<e なる実代数的数aに対しても、log(log(a)) は代数的数とはならない
故に、任意の 1<a<e なる実代数的数aに対して、log(log(a)) は超越数である