https://www.gizmodo.jp/2022/06/a-black-hole-collided-with-something-that-shouldnt.html?mode=assets&p=1
「存在し得ないモノ」とブラックホールが衝突か
2022.06.27 16:00
author George Dvorsky - Gizmodo US[原文]( 山田ちとら )
2020年7月1日の記事を編集して再掲載しています。

宇宙物理学界を揺るがす大ニュース。ブラックホールがなにか得体の知れない天体と衝突した!との新しい研究が発表されました。

6月23日付で『The Astrophysical Journal Letters』に掲載された論文によれば、地球からおよそ800万光年離れているブラックホールがなにがしかの天体とぶつかり、その衝撃が重力波となってアメリカのLIGOとイタリアのVirgo干渉計に届いたそうです。

検出された重力波は「GW190814」と名付けられました。問題は、衝突した時のブラックホールは太陽の23倍の質量を持っていたのに対し、もう一方はたったの2.6倍しかなかったことです。これは、なにか変だぞ!?と学者たちは騒然としています。

存在し得ないモノ
なぜ変なのか。

論文を執筆したチームの一員であるノースウェスタン大学の宇宙物理学者・Vicky Kalogeraさんによれば、小さいほうの天体はブラックホールか中性子星のどちらかと考えられるそう。ところが、わずか2.6太陽質量のブラックホールとなると観測史上最小ですし(これまで観測された最小のブラックホールは5太陽質量)、同じ質量を持つ中性子星となればこれまた観測史上最大。どっちみち、これはおかしいぞ。ひょっとしたらまったく新しい種類の天体なのでは、という可能性も否定できないそうなんですね。

つづく