数学の証明という理論がわからないです
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ある事象で正しいからそれは正しい それって正しいの? 以下、俺のノート。 集合kに二項演算 +: k × k → k *: k × k → k が定義されていて、以下の条件を満たすとき、kは体であるという。 (1) (a + b) + c = a + (b + c) (2) ∃0∈k; ∀a∈k, 0 + a = a + 0 = a (3) ∀a∈k, ∃-a∈k; a + (-a) = (-a) + a = 0 (8) ∃1∈k; ∀a∈k, 1a = a1 = 1 >>11 訂正: > ∃1∈k; ∀a∈k, 1a = a1 = 1 ∃1∈k; ∀a∈k, 1a = a1 = a (10) ∀a∈k, ∃a^(-1)∈k; aa^(-1) = a^(-1)a = 1 >>14 訂正: > ∀a∈k, ∃a^(-1)∈k; aa^(-1) = a^(-1)a = 1 ∀a∈k\{0}, ∃a^(-1)∈k; aa^(-1) = a^(-1)a = 1 例: 有理数全体の集合Q, 実数全体の集合R, 複素数全体の集合Cは、通常の加法と乗法について体となる。 例: 有理整数の全体Zは、通常の加法と乗法について、体ではない。 ±1以外の元が、Z内に乗法の逆元を持たないからである。 例: 1元からなる集合{0}に、 0 + 0 = 0 0 0 = 0 で演算を定めたものは、体**でない**と定める。 kを体とする。 n1 = 1 + 1 + ... + 1 (n個) = 0 となる正の整数nが存在するとき、その最小のnをkの標数という。 そのようなnが存在しないとき、kの標数は0であると定める。 命題 kを体とする。kの標数は0でなければ素数である。 補題 体は整域である。すなわち、a, b∈kに対して ab = 0 ⇒ a = 0 or b =0 が成り立つ。 命題: kを体とする。任意のa∈kに対して、 0a = a0 = 0 である。 補題: kを体とする。任意のa∈kに対して、 (-1)a = -a 補題: kを体とする。加法の単位元0、乗法の単位元1は一意的である。 補題: kを体とする。加法の逆元、乗法の逆元は一意的である。 >>24 証明: 0'∈kが>>5 を満たすとすると 0' = 0' + 0 = 0。 1'が>>11-12 を満たすとすると 1' = 1' 1 = 1。□ >>25 証明: a∈kを任意の元とする。-a'が>>6 を満たすとする。 -a' = (-a + a) + -a' = -a + (a + -a') = -a。 a∈kを0でない任意の元とする。a'^(-1)が>>14-15 を満たすとする。 a'^(-1) = (a^(-1)a)a'^(-1) = a^(-1)(aa'^(-1)) = a^(-1)。□ >>22 証明: 0a = (0 + 0)a = 0a + 0a ∴ 0a = 0。 a0 = a(0 + 0) = a0 + a0 ∴ a0 = 0。□ >>23 証明: a + (-1)a = (1 + (-1))a = 0a = 0 >>25 より、(-1)a = -a。□ >>21 証明: 対偶を示す。 a≠0 and b≠0とする。このとき a^(-1)abb^(-1) = 1 ≠ 0。 >>22 より、ab = 0 ならば上記の左辺も0なので、 ab≠0。□ >>20 証明: 正の整数nに対して、n1 = 0とする。 n = abならば、ab1 = = (a1)(b1) = 0。 よって、>>21 より a1 = 0 or b1 = 0 となるので、nが素数でなければ、n'1 = 0となるnよりも小さい正の整数n'が存在する。□ 例: pを素数とする。 Z/pZ := { [0], [1], ..., [p-1]} [k] := {n∈Z; n ≡ k (mod p)} とする。すなわち、n ≡ k (mod p)⇔ [n] = [k]である。 >>32 Z/pZには加法と乗法が [a] + [b] = [a + b] [a] [b] = [ab] で定まり、>>4-15 を満たす。 >>33 >>4-13 までは、剰余の定義から直ちに従う。 Z/pZが乗法の逆元を持つことを示す。 >>34 補題: a, b∈Zとする。aとbが互いに素ならば、 na + mb = 1 を満たす整数n, mが存在する。 >>35 証明: a, bを任意の整数とし、Dをa, bの最大公約数とする。 L = {na + mb; n, m∈Z, na + mb > 0} とおく。 Lは自然数の空でない部分集合であるから、最小元が存在する。それを d = n'a + m'b とおく。任意のl = na + mb∈Lをdで割り算した商をq、余りをrとすると、 0 ≦ r = l - qd = (n - qn')a + (m - qm')b < d を満たす。dはLの最小元なので、r = 0である。したがって、dはLの任意の元の約数、とくにaとbの公約数である。 一方、dはDで割り切れ、Dはaとbの最大公約数なので、 d = D。 よって、na + mb = Dとなるn, mが存在する。 特に、aとbが互いに素ならば、d = D = 1。□ >>34 aをpを法として1, ..., p - 1のいずれかに合同な整数とする。aはpと互いに素であるから、>>35 より、 na ≡ 1 (mod p) となる整数nが存在する。これは、Z/pZが乗法の逆元を持つことを意味する。□ 例: Q(√-1) := { a + b√-1; a, b∈Q } は (a + b√-1) + (c + d√-1) := (a + c) + (b + d)√-1 (a + b√-1)(c + d√-1) := (ac - bd) + (ad + bc)√-1 により体になる。a + b√-1 ≠ 0の逆元は (a - b√-1)/(a^2 + b^2) である。 例: kを体とする。Xを不定元とし、k(X)で一変数の有理式全体の集合を表す。すなわち k(X) := { f/g; f, gはXの多項式。g≠0 } k(X)は自然な加法と乗法について体になる。 k(X)の標数は、kの標数と等しい。 kを体とする。 集合Vに加法 +: V × V → V とスカラー倍 *: k × V → V が定まり、以下を満たすとき、Vをk上のベクトル空間であるという。 x, y, z∈V、a, b∈kを任意の元とする。 (1) (x + y) + z = x + (y + z) (2) ∃0∈V; ∀a∈V, 0 + a = a + 0 = a >>45 訂正: > ∃0∈V; ∀a∈V, 0 + a = a + 0 = a (2) ∃0∈V; ∀x∈V, 0 + x = x + 0 = x (3) ∀x∈V, ∃-x∈V; x + (-x) = (-x) + x = 0 例: kを体とする。 k自身は、kの加法を加法、乗法をスカラー倍として、k上のベクトル空間になる。 例: kを体とする。 kの元の順序付けられたn組の集合をk^nと書く。すなわち k^n := { (x_1, ..., x_n); x_i∈k, 1≦i≦n }。 x = (x_1, ..., x_n), y = (y_1, ..., y_n)∈k^n, a∈kに対して、 x + y := (x_1 + y_1, ..., x_n + y_n) ax := (ax_1, ..., ax_n) と定めることで、k^nはベクトル空間になる。 例: k = Rの場合。 R^2 = {(x, y); x, y∈R } R^3 = {(x, y, z); x, y, z∈R } は、それぞれ通常の座標平面、座標空間である。 例: >>54 の意味で、CはC上のベクトル空間である。 一方、Cはスカラー倍をRに制限することで、R上のベクトル空間でもある。すなわち、 x = a + b√-1, y = c + d√-1 (a, b, c, d∈R), r∈Rに対して、 x + y = (a + c) + (b + d)√-1 rx = ra + rb√-1。 例: C^0(R)を、RからRへの連続関数全体の集合とする。すなわち C^0(R) := {f: R → R; fは連続 } f, g∈C^0(R), r∈Rに対して、関数(f + g), rf: R → Rを以下で定義する。 x∈Rに対して (f + g)(x) := f(x) + g(x) (rf)(x) := rf(x)。 連続関数の和と積は再び連続関数になるので、(f + g), rf∈C^0(R)である。この演算によって、C^0(R)はR上のベクトル空間になる。 >>58 > 連続関数の和と積は再び連続関数になる 証明: f, g: R → Rを連続関数、a∈Rを任意の点とする。 (f + g)が x = aで連続であることを示す。 正の数εを任意に取る。このとき、正の数δ_f, δ_gを適当に取ることで、 |x - a| < δ_f ⇒ |f(x) - f(a)| < ε/2 |x - a| < δ_g ⇒ |g(x) - g(a)| < ε/2 とできる。δ = min(δ_f, δ_g)とおくと、 |x - a| < δ ⇒ |(f + g)(x) - (f + g)(a)| = |f(x) + g(x) - f(a) - g(a)| ≦ |f(x) - f(a)| + |g(x) - g(a)| < ε。 εは任意であったから、これは(f + g)がx = aで連続であることを示している。aは任意であるから、(f + g)は連続である。 fg(fg(x) := f(x)g(x))がx = aで連続であることを示す。 正の数εを任意に取る。このとき、正の数δ_f, δ_gを適当に取ることで、 |x - a| < δ_f ⇒ |f(x) - f(a)| < ε |x - a| < δ_g ⇒ |g(x) - g(a)| < ε とできる。Iを(a - δ_g, a + δ_g)に含まれる任意の閉区間とすると、gは連続関数なので、|g(x)|はIにおいて最大値を取る。それをMとおく。δ = min(δ_f, δ_g)とおくと、 |x - a| < δ⇒ |(fg)(x) - fg(a)| = |f(x)g(x) - f(a)g(a)| = |f(x)g(x) - f(a)g(x) + f(a)g(x) - f(a)g(a)| ≦ |f(x) - f(a)| |g(x)| + |f(a)| |g(x) - g(a)| < (|f(a)| + M)ε。 εは任意であったから、これは(fg)がx = aで連続であることを示している。aは任意であるから、(fg)は連続である。 特に、g = r (定数関数)とおけば、rfは連続関数である。□ 例: kを体とする。Xを不定元とするk係数の多項式全体をk[X]と書く。すなわち k[X] := { a_0 + a_1 X + ... + a_n X^n; n≧0, a_i∈k, 0≦i≦n }。 k[X]は多項式の和を加法、定数倍をスカラー倍として、k上のベクトル空間になる。すなわち f = 蚤_i X^i, g = 巴_i X^i∈k[X], c∈kに対して f + g := (a_i + b_i) X^i cf := 把 a_i X^i。 >>55 修正: > k^nはベクトル空間になる。 k^nは、k上のベクトル空間になる。 例: >>38 のQ(√-1)は自身の上のベクトル空間である。 一方、>>57 と同様、スカラー倍をQに制限することで、Q上のベクトル空間でもある。 kを体、Vをk上のベクトル空間とする。 部分集合W⊂Vが、以下の(1), (2)を満たすとき、WはVの部分空間であるという。 (1) ∀x, y∈W, x + y∈W (2) ∀x∈W, ∀a∈k, ax∈W。 例: kを体、Vをk上のベクトル空間とする。 1点集合{0}およびV自身は、Vの部分空間である。 例: kを体、Vをk上のベクトル空間とする。 v_1, ..., v_n∈Vに対して、 <v_1, ..., v_n> := { a_1 v_1 + ... + a_n v_n; a_i∈k, 0≦i≦n } と定める。<v_1, ..., v_n>はVの部分空間である。 部分空間W⊂Vが W = <v_1, ..., v_n> となるとき、Wはv_1, ..., v_nで生成されると言う。 例: kを体、V = k^nとする。 kの元を係数とする連立一次方程式 a_1,1 x_1 + ... + a_1,n x_n = 0 ... a_m,1 x_1 + ... + a_m,n x_n = 0 ( a_i,j∈k, 1≦i≦m, 1≦j≦n ) の解(x_1, ..., x_n)の集合は、Vの部分空間である。 たとえば、k = Rとするとき、 2x + 3y = 0 を満たす(x, y)∈R^2の集合は <(-3, 2)>⊂R^2 である。 例: kを体、V = k[X]とする。 非負整数nに対して、V_nを V_n := { f∈k[X]; fはn次以下 } と置くと、V_nはVの部分空間である。 例: kを体とする。X_1, ..., X_nを不定元とする多変数の多項式全体をk[X_1, ..., X_n]と書く。すなわち、 k[X_1, ..., X_n] := { 農[I∈{(i_1, ..., i_n)}, 有限和] a_I X^I; a_I∈k} (ただし、I = (i_1, ..., i_n)に対して、a_I X^I := a_(i_1),...(i_n) X_1^i_1 ... X_n^i_n) k[X_1, ..., X_n]はk上のベクトル空間である。 V = k[X_1, ..., X_n]とする。 kを非負整数とする。>>68 と同様に、k次以下の多項式全体は、Vの部分空間である。 また、Vのk次の単項式はC(n + k - 1, k)個あるが、これらで生成される部分空間も、もちろんVの部分空間である。 例: >>58 と同様に、C^0(R)をRからRへの連続関数全体とする。C^0(R)はR上のベクトル空間である。 正の整数nに対して、部分集合C^n(R)⊂C^0(R)を、n回以上微分可能な関数全体とする。 f, gが微分可能であれば、f + gおよび、実数rに対してrfも微分可能であるから、C^n(R)はC^0(R)の部分空間である。 C^∞(R)をRからRへの何回でも微分可能な関数全体とすれば、これもC^0(R)の部分空間である。 C^0(R) ⊃ C^1(R) ⊃ C^2(R) ⊃ ... ⊃ C^∞(R) であり、各々は前のベクトル空間の部分空間である。 例: >>70 の記号で、k = R, V = C^∞(R)とする。 f∈C^∞(R)に対して、 D^n(f) := d^nf/dx^n (n階導関数) D^0(f) := f と定める。R係数の微分方程式 納n=0 to N] a_n D^n(f) = 0 (a_n∈R) を満たすf∈C^∞(R)全体は、C^∞(R)の部分空間になる。 たとえば、a∈Rに対して、 D(f) - af = 0 を満たすf∈C^∞(R)の全体は <e^(ax)> である。(証明略) 例: >>71 の記号で、 D^2(f) + a^2 f = 0 (a∈R) を満たすf∈C^∞(R)全体は、 <cos(ax), sin(ax)> である。 例: ζ = e^(2πi/5)とおく。ζ^5 = 1である。 CをQ上のベクトル空間と見なして、 Q(ζ) := <1, ζ, ζ^2, ζ^3, ζ^4> と置くと、これはQベクトル空間としてのCの部分空間である。 α := ζ + ζ^4 = ζ + ζ^(-1) β := ζ^2 + ζ^3 = ζ^2 + ζ^(-2) とおくと、α - β = √5であるから、 Q(√5) = <1, √5> はQ(ζ)のQ上のベクトル空間としての部分空間である。 kを体、V, Wをk上のベクトル空間とする。 写像f: V → Wは、以下の(1), (2)を満たすとき、線型写像であるという。 (1) ∀x, y∈V, f(x + y) = f(x) + f(y) (2) ∀x∈V, ∀a∈k, f(ax) = af(x) 例: kを体とする。正の整数m, nに対して、M_m,n(k)を以下のように定義する。 M_m,n(k) := { (a_i,j)_i,j; a_i,j∈k, 1≦i≦m, 1≦j≦n } たとえば、M_m,n(k)の元を(m, n)行列という。特にm = nならば、n次正方行列という。 >>76 M_m,n(k)は、成分ごとの加法とスカラー倍により、k上のベクトル空間になる。 すなわち、A = (a_i,j), B = (b_i,j)∈M_m,n(k)と、c∈kに対して、 A + B = (a_i,j + b_i,j) cA = (c a_i,j) >>77 l, m, nを正の整数とする。 A = (a_i,j)∈M_l,m(k), B = (b_i,j)∈M_m,n(k)に対して、AB∈M_l,n(k)を以下のように定義する。 AB = (農[k=1 to m] a_i,k b_k,j) (1≦i≦l, 1≦j≦n) たとえば、 ((a b), (c d))(x, y) = (ax + by, cx + dy) である。(,がついてる方は縦に書くと思ってほしい) 例: kを体、V = k^n, W = k^m。 VはM_n,1(k)、WはM_m,1(k)見なせる。 A∈M_m,n(k)とする。x∈Vに対して、Ax∈Wを対応させる写像 f_A: V → W は線型写像である。 >>79 kを体、V = k^n, W = k^m, U = k^lとする。 A∈M_m,n(k), B∈M_l,m(k)とすると、線型写像 f_A: V → W f_B: W → U が定まるが、この写像の合成と、行列の積はcompatible。すなわち、 f_B ○ f_A = f_BA である。 例: k = R, V = R^2とする。 p = (x, y)∈Vは、正の数rと、αを用いて x = r cos(α) y = r sin(α) と書ける。すなわち、p = r (cos(α), sin(α))。 2次正方行列R(θ)を R(θ) := ((cos(θ) -sin(θ)), (sin(θ) cos(θ))) と置くと、 R(θ)p = r (cos(θ)cos(α) - sin(θ)sin(α), sin(θ)cos(α) + cos(θ)sin(α)) = r (cos(θ + α), sin(θ + α)) これは、原点を中心とするθ回転である。 例: kを体、V = k。a∈kとする。 k = M_1,1(k)だから、aによる掛け算による写像f: V → V f(x) := ax は線型写像である。 例: k = C, V = C。a∈C。 >>82 より、f(z) := azで定まるf: V → Vは、線型写像である。 これは、VをR上のベクトル空間として見ても線型写像である。 例: >>71 の記号で、k = R、V = C^∞(R)とする。 D: V → Vは線型写像である。 >>70 訂正: > C^n(R)⊂C^0(R)を、n回以上微分可能な関数全体とする。 C^n(R)⊂C^0(R)を、n回以上微分可能で、導関数が連続な関数全体とする。 この議論では問題ないと思うが、一般的な定義に合わせる。 例: k = R, Vをx = aで微分可能なRからRへの関数全体のなすベクトル空間とする。 f: V → Rをx = aでの微分係数を取る写像とすると、fは線型写像である。 例: >>58 の記号で、k = R, V = C^0(R)とする。a∈Rとする f∈Vに対して、f(a)∈Rを対応させる写像は、線型写像である。 例: I = [a, b]⊂Rを閉区間とする。 k = R, V = C^0(I)はI上の実数値連続関数全体のなすベクトル空間とする。 Vの元はRiemann積分可能であるから、f∈Vに対して∫_I f dxを対応させる写像が定まる。 この写像は線型写像である。 例: kを体、V = k[X]とする。 多項式f∈Vに対して、その微分df/dXは以下のように定まる。 f = 納i=0 to N] a_i x^i df/dX = 納i=0 to N-1] (i + 1) a_(i + 1) x^i fにdf/dXを対応させる写像は線型写像である。 kを体、V, Wをk上のベクトル空間、f: V→Wを線型写像とする。 Ker(f) := { x∈V; f(x) = 0 } Im(f) := { f(x)∈W; x∈V } と定める。Ker(f)をfの核、Im(f)をfの像と言う。 >>91 命題: Ker(f), Im(f)はそれぞれV, Wの部分空間である。 >>92 証明: >>64 の性質を確かめればよい。 x, y∈Ker(f)とすると、 f(x + y) = f(x) + f(y) = 0 + 0 = 0 より、x + y∈Ker(f)。 x∈Ker(f), a∈kとすると f(ax) = a f(x) = a 0 = 0 より、ax∈Ker(f)。 よって、Ker(f)はVの部分空間。 f(x), f(y)∈Im(f)を任意にとると f(x) + f(y) = f(x + y)∈Im(f) f(x)∈Im(f), a∈kを任意にとると、 a f(x) = f(ax)∈Im(f)。 よって、Im(f)はWの部分空間。□ 命題: kを体、V, Wをk上のベクトル空間、f: V → Wを線型写像とする。 (1) fが全射 ⇔ Im(f) = W (2) fが単射 ⇔ Ker(f) = {0} >>94 証明: (1)は明らか。 (2) まず、fが線型写像ならば、f(0) = 0 f(0) = 0である。 したがって、fが単射ならば、f(x) = 0となるx∈Vは0のみである。 逆に、Ker(f) = {0}とする。 x, y∈Vが、f(x) = f(y)を満たすとすると、fが線型写像であることから f(x - y) = 0 Ker(f) = 0より、x = y。よって、fは単射である。□ 例: kは体、V = k^n, W = k^mとする。 A = (a_i,j) ∈ M_m,n(k) とする。>>79 の記号で、f_Aは f_A(x) = Ax で定まる線型写像とする。 Ker(f_A)は、連立一次方程式 a_1,1 x_1 + ... + a_1,n x_n = 0 ... a_m,1 x_1 + ... + a_m,n x_n = 0 の解(x_1, ..., x_n)全体からなる集合である。 kを体、Vをk上のベクトル空間とする。 x_1, ..., x_n∈Vが一次独立であるとは、以下の条件を満たすことである。 a_1 x_1 + ... + a_n x_n = 0 (a_1, ..., a_n∈k) ⇒ a_1 = ... = a_n = 0 例: kを体、V = k^nとする。 e_1 := (1, 0, ..., 0), e_2 := (0, 1, ..., 0), ..., e_n := (0, 0, ..., 1) ∈ V は一次独立である。 例: kは体、Vはk上のベクトル空間とする。 x_1∈Vが一次独立でない ⇔ <x_1> = <0> x_1, x_2∈Vが一次独立でない ⇔ x_2∈<x_1> ... x_1, ..., x_n, x_(n+1)∈Vが一次独立でない ⇔ x_(n+1)∈<x_1, ..., x_n> 例: kは体、V = k^2。 A = ((a b), (c d))∈M_2,2(k)とする。 連立一次方程式 Ax = 0 --- (*) を考える。 (a, b), (c, d)が一次独立 ⇔.(*)の解が(0, 0)だけ kは体、V, Wはk上のベクトル空間。f: V → Wは線型写像とする。 fが全単射のとき、同型写像という。 V, Wの間に同型写像f: V → Wが存在するとき、V, Wは同型であるという。 kは体、U, V, Wはk上のベクトル空間 f g U→V→W が完全であるとは、Im(f) = Ker(g)となることである。 例: kは体、V, Wはk上のベクトル空間。f: V → Wは線型写像。 0 → Ker(f) → V → Im(f) → 0 は完全。 kは体、Vはk上のベクトル空間。 部分集合B⊂Vが、Vの基底であるとは、以下を満たすことである。 (1) Bの空でない任意の有限部分集合は一次独立。 (2) 任意のx∈Vは、有限個のb_1, ..., b_n∈Bを適当に取れば、x∈<b_1, ..., b_n>とできる。 kは体、Vはk上のベクトル空間。 あるx_1, ..., x_n∈Vが存在して V = <x_1, ..., x_n> となるとき、Vは有限生成であるという。 まず、ベクトル空間に>>104 の意味の基底が存在することを示す。 有限生成でない場合も存在するが、実用性皆無なので、有限生成の場合のみ扱う。 >>105 定理: kは体、Vはk上の有限生成ベクトル空間。 Vには基底が存在する。 >>106 証明: V = <x_1, ..., x_n> --- (1) とする。集合X = {x_1, ..., x_n}の、一次独立な元からなる部分集合には、包含関係に関する極大元が存在する。 (∵ 有限集合だから。Vが有限生成でないときはZornの補題を使う) それをB = {b_1, ..., b_d}とする。Bは一次独立なので、 V = <b_1, ..., b_d> を示せばよい。⊃は明らかだから、⊂を示す。 >>107 簡単のため、元の順番を入れ替えて、 b_1 = x_1, ..., b_d = x_d (d≦n) とする。まず、 x_(d+1), ..., x_n∈<b_1, ..., b_d> であることを示す。 BはXの一次独立な部分集合の極大元だから、x_(d+1)以降を加えると、必ず一次独立でなくなる。したがって、 a_1 x_1 + ... + a_d x_d + c x_i = 0 (a_i, c∈k) とすると、c = 0ならば、Bの一次独立性よりa_1 = ... = a_d = 0だから一次独立でないことに矛盾する。よって、c ≠ 0であるから x_i = -1/c (a_1 x_1 + ... + a_d x_d) である。(kが体であることをここで使った) >>108 x∈Vとする。(1)より x = a_1 x_1 + ... + a_n x_n と書ける。x_iはすべて<b_1, ..., b_d>に属するから x∈<b_1, ..., b_d> である。□ 定理: kを体、Vを有限生成ベクトル空間とする。 Vの基底の濃度は、取り方によらず一定である。 >>110 証明: B = {b_1, ..., b_d}, B' = {b'_1, ..., b'_d'}をVの基底とする。 このとき、(d', d)行列A = (a_i,j)と、(d, d')行列A' = (a'_i,j)があって、 b'_i = 納j=1 to d] a_i,j b_j(1≦i≦d') b_i = 納j=1 to d'] a'_i,j b'_j(1≦i≦d) を満たす。このとき、 A' A = I_d A A' = I_d' (I_nは、n次の単位行列。すなわち、対角成分が1、それ以外が0のn次正方行列) >>111 n次正方行列A = (a_i,j)に対して、Aのトレースを tr(A) = 納i=1 to n] a_i,i =a_1,1 + ... + a_n,n で定義する。 補題: Aを(m,n)行列、Bを(n,m)行列とする。このとき、 tr(AB) = tr(BA)。 証明: 計算するだけ。□ >>111 >>112 より d = tr(A' A) = tr(A A') = d'。□ kを体、Vをk上の有限生成ベクトル空間とする。 >>110 より、Vの基底の濃度は一定であるから、その値をdim(V)と書き、Vの次元という。また、dim(V) = n < ∞であるとき、Vは有限次元、特にn次元であるという。 >>104 の定義では、基底は集合なので順序は関係ないが、 >>111 の証明にもあるように複数の基底関で係数を変換する行列などを考えることが多いので、 以後、基底B = {b_1, ..., b_d}を b = (b_1, ..., b_d) のように並べ方まで考慮して書くことがある。 次の補題は、部分空間の基底を適当に延長して、全体の基底にできることを言っている。 補題: kを体、Vをn次元ベクトル空間とする。 b = (b_1, ..., b_n) をVの基底とする。1≦k≦nとし、{x_1, ..., x_k}⊂Vを一次独立な部分集合とする。このとき、bの適当なn - k個の元 b'_(n-k+1), ..., b'_n∈b を取れば、 (x_1, ..., x_k, b'_(n-k+1), ..., b'_n) をVの基底にすることができる。 >>116 証明: n - kの帰納法で示す。 k = nのとき。 >>110 より、n次元ベクトル空間のn+1個以上の元は必ず一次従属になる。よって、b_iはすべて<x_1, ..., x_k>に属する。 bはVの基底なので、<x_1, ..., x_k> = Vである。x_1, ..., x_kは一次独立なので、これは基底である。 k < nのとき。 >>110 より、<x_1, ..., x_k> ≠ Vである。よって、<x_1, ..., x_k>に含まれないb_iがある。{x_1, ..., x_k, b_i}は一次独立であるから、帰納法の仮定より、bの元をさらにn-k-1個加えてVの基底にできる。□ 命題: kを体、Vをk上の有限次元ベクトル空間、W⊂Vを部分空間とする。このとき dim(W) ≦ dim(V) である。 >>118 補題: kを体、Vをk上の有限次元ベクトル空間、W⊂Vを部分空間とする。このとき、Wも有限生成である。 >>119 これはベクトル空間以外の代数構造では成り立つとは限らない。 たとえば、多項式環k[X, Y]は、k上の多元環として1, X, Yで生成されるが、 その部分環 k[X, XY, XY^2, ...] はk上の多元環として有限生成ではない。 >>119 証明: W = <0>ならば有限生成である。 W ≠ <0>ならば、x_1∈W\<0>が取れる。W = <x_1>ならば有限生成である。 W ≠ <x_1>ならば、x_2∈W\<x_1>が取れる。W = <x_1, x_2>ならば有限生成である。 W ≠ <x_1, x_2>ならば、x_3∈W\<x_1, x_2>が取れる。W = <x_1, x_2, x_3>ならば有限生成である。 ... これを繰り返すことで、一次独立な元の集合{x_1, ..., x_k}⊂W⊂Vが得られるが、>>110 よりk≦dim(V)でなければいけない。 よって、Wは有限生成である。□ >>118 証明: >>121 よりWの基底 b = (b_1, ..., b_k) が存在するが、>>110 よりVの一次独立な元の個数はdim(V)以下なので、dim(W) = k ≦ dim(V)。□ >>110 この形で使っているようなので、証明しておく。 系: kを体、Vをk上のベクトル空間。 W = <b_1, ..., b_k>⊂V とする。{x_1, ..., x_l}⊂Wが一次独立とすると、 l ≦ k である。 方針変換。 ベクトル空間の一般論を確立してから、連立一次方程式をやろうと思ったけど、先に連立一次方程式をやる >>123 証明: W = <b_1, ..., b_k>より、(l, k)行列A = (a_i,j)が存在して x_1 = a_1,1 b_1 + ... + a_l,k b_k ... x_l = a_l,1 b_1 + ... + a_l,k b_k となる。 Aを基本変形すると階数はk以下であるから、l > kならばx_1, ..., x_lは一次従属である。□ 定理: kを体、V, Wをk上有限次元ベクトル空間、f: V→Wを線型写像とする。このとき dim(Im(f)) = dim(V) - dim(Ker(f))。 >>125 証明: dim(V) = n、dim(Ker(f)) = k、(b_1, ..., b_k)をKer(f)の基底とする。 >>116 より、Vの適当な元b_(k+1), ..., b_nを取ることにより、 B = (b_1, ..., b_n) をVの基底にできる。 B' = (f(b_(k+1)), ..., f(b_n)) がIm(f)の基底であることを示す。 BがVの基底であること、b_1, ..., b_n∈Ker(f)であることから、 Im(f) = <f(b_(k+1)), ..., f(b_n)>。 a_(k+1) f(b_(k+1)) + ... + a_n f(b_n) = 0 (a_i∈k, k+1≦i≦n) とすると、 f(a_(k+1) b_(k+1) + ... + a_n b_n) = 0 よって、a_(k+1) b_(k+1) + ... + a_n b_n∈Ker(f)。 n = dim(Ker(f)) + dim(<b_(k+1), ..., b_n>) - dim(Ker(f)∩<b_(k+1), ..., b_n>) = k + (n-k) - dim(Ker(f)∩<b_(k+1), ..., b_n>) なので、Ker(f)∩<b_(k+1), ..., b_n> = <0>。よって、a_(k+1) = ... = a_n = 0。 よって、f(b_(k+1)), ..., f(b_n)は一次独立。□ >>126 補題: kを体、Vをk上のベクトル空間。 U, W⊂Vが部分空間 ⇒U∩Wも部分空間 >>126 kを体、Vをk上の有限次元ベクトル空間、U, W⊂Vを部分空間とする。 >>127 よりU∩WはVの部分空間であり、 dim(U⊕W) = dim(U) + dim(W) - dim(U∩W) が成り立つ。 ようやくルベーグに進んだと思ったら結局また線形に逆戻り、か…… >>129 訂正: > dim(U⊕W) = dim(U) + dim(W) - dim(U∩W) dim(U + W) = dim(U) + dim(W) - dim(U∩W) U + W := { u + w; u∈U, w∈W } 「選択公理がないと証明できない」という命題はどうやって証明するんだろな。 ハーンバナッハの定理は選択公理無しには証明できないらしい。 >>133 >ハーンバナッハの定理は選択公理無しには証明できないらしい。 というのはガセ 非数学科の学生です。 数学科の同級生に問題を出してもらったので、解きます。 問題 Xをコンパクト位相空間とする。 Xの閉部分集合はコンパクトである。 定義1. 位相空間Xがコンパクトであるとは、Xの任意の開被覆 U = {U_i} s. t. X = ∪ U_i に対して、有限個のU'_1, ..., U'_n∈Uを選んで、 X = U'_1∪ ... ∪ U'_n とできることを言います。 また、位相空間Xの部分集合Sがコンパクトであるとは、 SにXの相対位相を入れたときにコンパクトになることを言います。 まず、任意の有限集合はコンパクトです。 なぜならば、有限集合には有限個の開集合しか存在しないからです。 Xを実直線Rとします。 Rの有界閉区間[a, b]はコンパクトです。 これは、次の方法で証明できます。 (1) まず、[a, b] = [0, 1]としてよいです。 a = bならば、>>142 よりこれはコンパクトです。 そうでなければ、f: [0, 1] → [a, b]を y = f(x) = (b - a)x + a で定めると、これは連続全単射で、逆写像 x = g(y) = (y - a)/(b - a) も連続であるので、fは同相写像となります。 (2) [0, 1]がコンパクトでないとして、矛盾を導きます。 I = [0, 1]とします。 Uを、Iの無限個の開集合による開被覆とします。 I = [0, 1/2] ∪ [1/2, 1] なので、Iがコンパクトでないとすると、[0, 1/2], [1/2, 1]の少なくとも一方は、Uの有限個の開集合で被覆できません。 なぜならば、両方の区間がともにUの有限公個の開集合で被覆できると、それはIの被覆でもあるため、Iがコンパクトになるからです。 簡単のため、[0, 1/2]が、Uの有限個の開集合で被覆できないとします。 --- (*) I_1 = [0, 1/2] とします。 I_1 = [0, 1/4] ∪ [1/4, 1/2] なので、上と同様の議論により、[0, 1/4]は、Uの有限個の開集合で被覆できないとしてよいです。これを繰り返して、 I_n = [0, 2^(-n)] とすると、I_nはすべて、Uの有限個の開集合で被覆できません。そして 0 ∈ ∩[n≧0] I_n --- (**) です。しかし、Uの開集合のうち、0を含むものを取り、それをU'とすると、十分小さな正の数rに対して、 B_0(r) := { x ∈ I | 0 ≦ x < r } はU'に含まれます。そして、nが十分大きければ、 0 < 2^(-n) < r とでき、 I_n ⊂ B_0(r) ⊂ U' となり、I_nはUの有限個の開集合で被覆できることになり、矛盾します。□ (*)を厳密にするには、各I_nは実際に有限個で被覆されない方を選び、(**)で0の代わりに、それらの共通部分の元を取ります(それは存在します)。 次に、コンパクト位相空間の満たす性質を調べました。 やはり、例を続けます。 今度は、コンパクトにならない例を挙げます。 Rの開区間(0, 1)はコンパクトではありません。 X = (0, 1) I_n = (2^(-n), 1) (n=1, 2, ...) とおきます。I = {I_n}はXの開被覆です。 実際、任意のx∈Xに対して、十分大きなnを取れば、2^(-n) < xとできるからです。 しかし、Iのいかなる有限個の開集合を選んでも、Xを被覆することはできません。 I_nをどのように有限個選んでも、添字nの最大値Nが存在します。そして、0 < x < 2^(-N)となるx∈Xが存在し、それは今選んだどのI_nにも含まれないからです。 X = Z = { ... -2, -1, 0, 1, 2, ... } とします。Zに離散位相を入れたものはコンパクトではありません。 明らかに、開被覆{{n}}_{n∈Z}から有限個を選んでX全体を被覆することはできません。 >>143 と同様に、ユークリッド空間では、有界閉集合はコンパクトです。 ここで、有界閉集合がコンパクトでない例を挙げます。 実数列{a_n}で、 (a_n)^2 < ∞ を満たすもの全体の集合をXとする。 a = {a_n}, b = {b_n}∈X に対して、成分ごとの和と実数倍を定めます。つまり、 a + b = {a_n + b_n} ca = {c a_n} です。三角不等式により、これらもXの元になります。 aとbの距離を d(a, b) = √||a - b|| で定めます。ただし、a = {a_n}に対し、 ||a|| = (a_n)^2 です。 Xの部分集合Sを、1つの成分が1、その他が全部0の元全体とする。つまり、 S = {(1, 0, 0, ...), (0, 1, 0, ..., ), (0, 0, 1, 0, ...), ...} Sは閉集合。 ∵ x = {x_n} ∈ X\Sを取る。 x_nは収束するから、十分大きなNを取れば、 |x_N| < 1/2 とできる。だから、a∈Sで、N番目以降が1のものに対して、 d(x, a) ≧ |x_(aが1の添字) - a_(aが1の添字)| > 1/2 だから、r = min{1/2, d'}とおく。ただし、 d' = min{d(x, 1番目が1), d(x, 2番目が1), ..., d(x, N番目が1)} とすれば、 x ∈ B_x(r) ⊂ X\S。 Xがコンパクトでないこと。 Xの異なる2元間の距離は√2だから、各点を中心とする半径√2/2の開球を無限個でXを被覆すれば、これらの1つでも欠けたらXを被覆できない。 まず、コンパクト空間の連続写像による像はコンパクトである。 X, Yは位相空間、Xはコンパクト、f: X→Yは連続写像とする。 U = {U_i} をf(X)の開被覆とすると、 V = {V_i = f^(-1)(U_i)} は、Xの開被覆である。Xはコンパクトだから、そのうち有限個 V_(i_1), ..., V_(i_n) でXを被覆できる。よって、 U_(i_1), ..., U_(i_n) でf(Y)を被覆できる。 Xをコンパクト位相空間、f: X → Rを連続写像とする。 fには最大値・最小値が存在する。 最小値の存在を示す。 fに最小値が存在しないとして矛盾を導く。 任意のa∈Xに対して、 U_a = { x∈X | f(x) > f(a) } = f^(-1)((f(a), ∞)) はXの開集合である。fには最小値が存在しないので、任意のx∈Xに対して、適当なa∈Xを取れば、 x ∈ U_a とできる。つまり、{U_a}はXの開被覆である。Xはコンパクトなので、有限個のU_aで被覆できる。その内f(a)が最小となるU_aを取ると、U_aの定義から U_a' = U_a ∀a' ∴ X = U_a である。ところが、aはU_aに含まれないので矛盾である。 Xはコンパクト空間、Yはハウスドルフ空間とする。任意の連続写像f: X → Yは閉写像である。 F⊂Xを閉集合とする。f(F)が閉集合であることを示す。 y ∈ Y\f(F)を任意に取る。 Yはハウスドルフ空間なので、次のようなf(F)の開被覆が取れる。 任意の点f(x)∈F(X)に対して、2つの開集合f(x)∈U_x、y∈V_xで、U_x ∩ V_x = ∅となるものが存在する。 U = {U_x} とする。 Fがコンパクトであることを示す。 Fの開被覆V = {V_x}を取る。 X\Fは開集合なので、任意の点x∈X\Fに対して、 x ∈ W_x ⊂ X\F となる開集合W_xが存在する。W = {W_x}はX\Fの開被覆である。 V∪WはXの開被覆で、Xはコンパクトだから、この内有限個の開集合でXを被覆できる。 Wに属する開集合はFと交わらないので、このとき、FはVに属する有限個の開集合で被覆される。 つまり、Fはコンパクト。 よって、>>161 より、f(F)はコンパクトである。 よって、>>166 のUのうち有限個の開集合でf(F)は被覆できる。それらを U_(i_1), ..., U_(i_n) ∈ U とすれば、>>166 の記号で V_(i_1) ∩ ... ∩ V_(i_n) はyを含む開集合で、f(F)と交わらない。 よって、f(F)は閉集合である。 >>165 を包含写像に適用すれば、 ハウスドルフ空間のコンパクト集合が閉集合であることが言えます。 >>170 これは直接示すことも簡単です。 Xをハウスドルフ空間、K⊂Xをコンパクト部分集合とすると、Kは閉集合。 x∈X\Kを任意に取る。 Xはハウスドルフ空間なので、Kの開被覆が以下のように取れる。 任意の点y∈Kに対して、2つの開集合y∈U_y、x∈V_yで、U_y ∩ V_y = ∅となるものが存在する。 U = {U_y} はKの開被覆である。Kはコンパクトなので、有限個のU_(i_1), ..., U_(i_n)で被覆できる。このとき、 V_(i_1) ∩ ... ∩ V_(i_n) はyを含む開集合で、Kと交わらない。よって、Kは閉集合である。 逆に>>171 を使うと>>165 は次のように証明できます。 FをXの閉集合とする。 >>167 より、Fはコンパクト。 >>161 より、f(F)はコンパクト。 >>171 より、f(F)は閉集合。□ 実際、異なる2点x, yを取ると d = d(x, y) > 0 なので、半系d/2の開球で分離できます。 位相空間Xが連結であるとは、互いに交わらない空でない2つの開集合の和で書けないことです。 連結な位相空間Xの開集合かつ閉集合である部分集合は ∅, X だけです。 UをXの開集合かつ閉集合とします。 UがX or ∅なら正しいので、Xでも∅でもないとします。 UはXと異なる閉集合なので、F = X\Uは空ではない開集合です。 よって、 X = U ∪ F これはXが連結でないことを意味します。 開写像というのは、連続性と同じく局所的な性質です。 f: X→ Yが開写像 ⇔ ∀x∈X、∀開集合x∈U、 f(U)は開集合 ⇔ ∀x∈X、∀開集合x∈U、∃開集合x∈B⊂U s.t f(B)は開集合 ⇒は全部自明 3つ目から1つ目を示す U⊂Xを開集合とする。 f(x)∈f(U)を任意に取る。 開集合Bで x∈B⊂U、f(B)⊂f(U)が開集合 が存在。 コンパクト空間の積空間はコンパクトです。 証明は知りません Xがコンパクト ⇔任意の位相空間Yに対して、X×Y→Yが閉写像 Xがハウスドルフ ⇔X→X×X、x→(x, x)の像は閉集合 Δ: X → X×X Δ(x) = (x, x) とする。 (x, y)∈X×X\Δ(X)を任意に取ると、x≠y。 Xがハウスドルフならば、Xの開集合x∈U、y∈Vで、U∩V = ∅となるものが存在。 (x, y) ∈ U × V ⊂ X×X\Δ(X)。 逆に、Δ(X)が閉集合なら、任意の(x, y)∈X×X\Δ(X)に対して (x, y) ∈ W ⊂ X×X\Δ(X) となる開集合Wが存在。積位相の定義より、Xの開集合x∈U、y∈Vが存在して U × V ⊂ W となる。U×VはΔ(X)と交わらないので、U, Vはx, yを分離する近傍になる。 f: X → Yが連続写像 Yがハウスドルフならば、 Γ: X→X×Y x → (x, f(x))の像は閉集合 f: X → S g: Y → S を連続写像 Sがハウスドルフならば、 ker(f, g) = { (x, y)∈X × Y | f(x) = g(y) } は閉集合 原点が2重になった直線は、すべての点がハウスドルフな近傍を持ちますが、2つの原点を分離する近傍はありません。 R^nの開集合Uは 任意のp∈Uに対して、ある正の数r > 0が存在して B_r(p) := { x∈R^N | |x - p| < r} x ∈ B_r(p) ⊂ U となることです。 この B_r(p) の形の開集合全体は、一般の位相空間では基本近傍系という概念に一般化されます。 集合に対し、基本近傍系を定めれば、上の定義と同様にして位相が定まります 逆に、位相が与えられると開集合の特徴づけとして Uが開集合 ⇔∀x∈U, ∃開集合V s. t. x∈V⊂U が成り立ちます。 ⇒は、V = U自身と取れば明らかです。 逆を示します。 任意のx∈Uに対して、上を満たすV_xを取ります。 U = ∪[x∈U]V_x です。 ∵すべてのV_xはUにふくまれるので、⊃。すべてのx∈UはV_xにふくまれるので、⊂。 開集合の合併は開集合なのでUは開集合。 任意の2点x, yを結ぶpathが存在する空間は弧状連結であるといいます。 Xを位相空間 Xが弧状連結であるとは、任意の2点x, y∈Xに対して、連続写像p: [0, 1]→Xで p(0) = x p(1) = y となるものが存在することを言う。 Xが連結でないとする。 空でない2つの開集合U, Vで X = U ∪ V U ∩ V = ∅ と書ける。 x∈U, y∈Vを取る。 もし、x, yを結ぶpath p: [0, 1]→Xが存在したとする。 [0, 1]は連結なので、その像も連結でなければならないが、空でない2つの開集合で p([0, 1]) =(U∩p([0, 1])) ∪ (V∩p([0, 1])) (U∩p([0, 1])) ∪(V∩p([0, 1])) = ∅ となる。 X, Yは位相空間、f: X → Yを連続写像とする。 Xが連結ならば、f(X)も連結である。 f(X)が連結でないとする。 空でない開集合U, Vを用いて f(X) = U ∪ V U ∩ V = ∅ とできる。このとき、f^(-1)(U), f^(-1)(V)はXの空でない開集合であり、 X = f^(-1)(U) ∪ f^(-1)(V) f^(-1)(U) ∩ f^(-1)(V) = ∅ となる。 X = { (0, 0) } ∪ { (x, y)∈R^2 | x > 0 y = sin(1/x) } は連結だが弧状連結ではない。 { (x, y)∈R^2 | x > 0 y = sin(1/x) }は弧状連結なので連結である。 したがって、(0, 0)の任意の近傍が、これと交わることが分かればよい。 なぜなら、もしXが連結でないとすると、(0, 0)を含むXの近傍と、他の空でない開集合とのdisjoint unionで書けることになるが、 それは、{ (x, y)∈R^2 | x > 0 y = sin(1/x) }が連結であることに矛盾するから。 計算めんどくさい。 1/x → ∞ (x → 0) で、sinは周期関数。 だから、どんなに小さなεを取っても、 |x| < ε, |y| < ε となる点を通る。 R と { (x, y) | xy = 0 }は同相か? X = { (x, y) | xy = 0} とする。同相写像f: X → Rが存在したとすると、これをX\{(0, 0)}に制限しても同相。 ところが、X\{(0, 0)}の連結成分の個数は4個で、R\{f(0, 0)}のそれは2個なので矛盾。 R^2は単連結 R^2\{(0, 0)}は単連結ではない。 Xを弧状連結な空間とする。 Xが単連結であるとは、基本群π_1(X)が自明であること。 X, Yは位相空間、f, g: X → Yは連続写像とします。 fとgがホモトピックであるとは、連続写像 H: X × [0, 1] → Y が存在して、 H(x, 0) = f(x) H(x, 1) = g(x) を満たすことです。 fとgがホモトピックであるという関係は、同値関係です。 (1) f 〜 f H(x, t) = f(x) とすればよい (2) f 〜 g ⇒ g 〜 f H(x, t) を f 〜 gをimplyする写像とします。 H(x, 1 - t)も連続なので、g 〜 fです。 (3) f 〜 g, g 〜 h ⇒ f 〜 h H_1(x, t), H_2(x, t)をそれぞれ、f 〜 g, g 〜 hに対応する連続写像とします。 H(x, t) := H_1(x, 2t)(0≦t≦1/2), H_2(x, 2t - 1)(1/2≦t≦1) は連続なので、f 〜 gです。 × は連続なので、f 〜 gです。 ○ は連続なので、f 〜 hです。 X, Yは位相空間とします。 連続写像f: X → Y, g: Y → Xで、 g○f 〜 id_X f○g 〜 id_Y をみたすものが存在するとき、XとYはホモトピックであるといいます。 オイラーの等式って本当にマイナス1になるんですか? (1) X 〜 X f = g = id_Xと取ればよい (3) X 〜 Y, Y 〜 Z ⇒ X 〜 Z 合成すればいい f1: X → Y g1: Y → X f2: Y → Z g2: Z → Y が、 g1 f1 〜 id_X、f1 g1 〜 id_Y g2 f2 〜id_Y、f1 g2 〜id_Z となるとする。 f = f2 f1: X →Z g = g1 g2: Z → X が、 g f 〜 id_X、f g 〜 id_Y となる こう g1 (g2 f2) f1 〜 g1 id_Y f1 〜 g1 f1 〜 id_X と簡約できる Xを位相空間とします。 Xのpathとは、連続写像 p: I → X のことです。 pの像ではなく、写像pのことです。 たとえば、X = R^2として、 p_1(x) = (cos(2πx), sin(2πx)) p_2(x) = (cos(4πx), sin(4πx)) は区別します。 X: 位相空間 Xの2つのpath p, qに対して、その積 q p: I → X を以下のようにして定めます。 (q p)(t) := p(2t)(0≦t≦1/2), q(2t - 1)(1/2≦t≦1) >>233 X: 位相空間 Xの2つのpath p, qで p(1) = q(0) を満たすものに対して、その積 q p: I → X を以下のようにして定めます。 (q p)(t) := p(2t)(0≦t≦1/2), q(2t - 1)(1/2≦t≦1) 2 132人目の素数さん[sage] 2021/02/15(月) 11:44:08.70 ID:iT3CrOuB 以下、俺のノート。 集合kに二項演算 +: k × k → k *: k × k → k が定義されていて、以下の条件を満たすとき、kは体であるという。 >>1 ある事象で正しいからある事象で正しいってコトだろ? Xを位相空間、pをXのpathとする。 p(0) = p(1) をみたすとき、pはXのloopという。 Xを位相空間、x∈Xを任意の点とする。 π_x(X) := { p: Xのloop | p(0) = p(1) = x }/〜 と定める。ただし、p〜qはpとqがホモトピックであることである。 Xを位相空間 x∈X 任意の元 [p], [q] ∈ π_x(X)(p, q: Xのloopでp(0) = q(0) = xとなるもの) に対して、積[q] [p]を [q] [p] := [q p] で定義する。以下、これが代表元の取り方によらないことを示す。 定数でない正則関数は開写像です では、定数でないC^∞級関数はどうですか? Aを整域とし、KをAの商体とします。IをAのイデアルとします。 もし、f∈A[X]がIに含まれないならば、fはI K[X]にも含まれないと思います。 どのように示しますか? おそらく、ガウスの補題を使うのだと思います >>243 ステートメントは異なる(そもそもガウスの補題を使うにはAがUFDでないといけない)が、おそらくあなたが使いたい結果は、永田「可換体論」の補題1.6.6にある RをUFD、KをRの商体 任意のf∈R[X]と、原始多項式g∈R[X]に対して、K[X]で f = g h (h∈K[X]) となるなら、h∈R[X]。 だろう。これは、ガウスの補題と同じ方法で証明可能。 >>1 その体系の内部ではね 具体的には公理系のこと ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
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