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つづき

https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~yuichiro/introduction_to_inter-universal_teichmuller_theory.pdf
宇宙際 Teichm¨uller 理論入門
(Introduction to Inter-universal Teichm¨uller Theory) By 星 裕一郎 (Yuichiro Hoshi)
目次
§ 0. 序
§ 1. 円分物
§ 2. フロベニオイドの円分剛性同型

https://setsuri-nihon.net/math/14971
摂理研究所/キリスト教福音宣教会
宇宙際タイヒミュラー理論入門を読んでみた。その3
2017年12月21日2017年12月24日
前回までのあらすじ
長らく書いていなかったので、これまでのあらすじを書いていこうと思います。
星裕一郎さんの論文の最初に「円分物」と呼ばれるものが出てきます。これはTate捻りZ^(1)と呼ばれるものである、と論文には書かれています。いくつかの定義が書いてあったのですが、その一つがこちらでした。

しかし、改めて読むとこれが何を意味するのかよくわからないな…(´・ω:;.:…と思いました。
そこで、今日はこれを図で見ながらもう少し詳しく説明していきたいと思います。
逆極限を図で説明してみた

どうして、こんなややこしいことをしているのか
簡単に言うと、この表記が真価を発揮するのはΩが他の代数閉体の時です。
例えば、Ωとして考えられるのは、代数的数全体(つまり、有理数係数のn次方程式の解となる数全体)^Qやp進数体Q_pの代数閉包等です。
これらはCと違ってバラバラ(離散的)になっていますので、円を「描く」ことが出来ません。
また、例えばQ_pで|z|_p=1を満たす数というとpで割り切れない(pベキの倍数で表せない)数全体なので、これが円というのはなんとなく違う感じがします。

実は、数論幾何学や代数幾何学において「円周」というのはとても重要な図形です。Cの場合はそれがきれいな円で表せたのですが、それ以外の代数閉体でも表現できないか?というのが「円分物」の存在理由かと私は思います。
実際、lim_←nμ_{n}(Ω)なら、似たような性質が成り立つことが示せるのではないか…と思っています。詳しくは分かりませんが…。

つづく