>>114つづき
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/244783/1/B76-02.pdf
RIMS K?oky?uroku Bessatsu
B76 (2019), 79?183
宇宙際 Teichm¨uller 理論入門
(Introduction to Inter-universal Teichm¨uller Theory)
By 星 裕一郎 (Yuichiro Hoshi)
P9
§ 2. フロベニオイドの円分剛性同型
次に, 位相群作用付きモノイド Gk ? O?k
の同型物 G ? M を考察しましょう. この
データ G ? M は, フロベニオイド (Frobenioid ? cf. [6], Definition 1.3) と呼ばれ
る数学的対象のある一例と等価なデータとなっています. こういったフロベニオイド (の
ある一例と等価なデータ ? 簡単のため, 以下, もうこれをフロベニオイドと言い切っ
てしまいますが) が与えられたとき, その “G” の部分を エタール的 (´etale-like ? cf.,
e.g., [6], Introduction, §I4) 部分と呼び, そして, その上, “M” の部分を Frobenius 的
(Frobenius-like ? cf., e.g., [6], Introduction, §I4) 部分と呼びます. (この場合の) エ
タール的部分は, 位相群で, 出自は Galois 群ですから, つまり, “対称性” であり, 感覚と
しては “質量のない”, “実体のない” (すなわち, “夢のような”, “仮想的な”) 対象です. 一
方, (この場合の) Frobenius 的部分は, 位相モノイドで, 出自は適当な数の集まりですから,
感覚としては “質量のある”, “実体を持つ” (すなわち, “現実に存在する”, “実在する”) 対
象です.
さて, 上のようなフロベニオイド G ? M が与えられますと, さきほど述べたとお
り, (G は Gk の同型物ですので) 単遠アーベル幾何学的に G から G ? Λ(G) という円
分物を復元/構成することができます.

つづく