>>529
> こういう時に挙がる本ってなぜか大抵Hartshorneなんだよねえ・・・
> スミルノフ高等数学教程の何冊かでも読んでいくと良いと思うのだが
スミルノフ高等数学教程は良い本だが、基本的には数物系の大学教養課程程度の
教科書なので、高校生が自力で読んでいても別に不思議はない
もともと広大なソ連で、指導者に乏しい地方の優秀な生徒のために各高校に配布
していたはず

なぜハーツホーンかというと、高校までの数学とのギャップが極端な分野の標準
教科書で、読むにはそれなりに体系的な前提知識が必要だから
さすがに現在では様々な解説やさらに入門的なテキストが出ているので、出版さ
れた当時の、グロタンディーク以降の現代代数幾何学の唯一無二の入門書という
位置づけ(EGA 4 1/2はグロタンの逆鱗に触れて闇でしか入手出来なかった)では
なくなっているが、40年前の学生達が「大学では生物は化学になり、化学は物理
になり、物理は数学になり、数学は哲学になる!」と嘆き、教養で数学の成績が
一番の学生が学部数学科に行ったら数学が理解できなくなるという悲喜劇を引き
起こし、アブストラクト・ナンセンスと非難の声が上がった現代代数幾何の壁は
半世紀を経た今でもそれなりに乗り越えるのに努力が必要

つまり、ハーツホーンを読んで理解したというのは早熟な高校生がスミルノフを
読むのとはレベルが違うということ
ちなみに、もともとはGTM、大学院用テキストとして書かれている