>>735 >>749
>佐武一郎以前
ファンデルヴェルデン以前と云った方が恥ずかしい思いをしなくて済むよ。


高木貞治の教科書が出版された頃、つまりファンデルヴェルデン以前には、
代数学の授業のカリキュラムは、数学史の順番で行うのが一般的だった。
カリキュラムの中心は、今の線形代数のような初等的な行列の成分計算ではなく、
高木『代数学講義』にみられるような行列式だった。
またガロア理論は、カリキュラムには含まれていなくて『代数的整数論』の方に含まれている。


現代的なカリキュラムは、どこの国でも第2次大戦後にできている。
特にブルバキの教科書群に大きな影響を受けてできた。

『初等整数論講義』での2次体の整数論が、『代数的整数論』での類体論に昇華され、
さらに『近世数学史談』での楕円関数論の発展史からは谷山志村理論や岩澤理論が誕生する。


類体論を創始した高木の教科書は、古典的だけれども、数学の流れを教えてくれる良書。
今でも十分通用しますが、今風の表記法は別に授業や別の本で補うと良いでしょう。