>>669
> ルベーグ積分入門(伊藤)の新装版はまだ誤植が結構残ってるね。

やっぱりそうなんだ
佐々さんの線型代数を皮切りに伊藤さんのとか裳華房の数学選書の最初の方が次々にLaTeX化されてるけど
「これってきっと誤植だらけなんだろうなあ」と思って買ってなかったんだが、僕の予想通りだったんだ。

LaTeX化されると見掛けは綺麗になるけど全面的に打ち直すわけだから再び大量の誤植が入る込む機会になるので痛し痒しなんだよね
講義ノートとしてその筋の人の間だけが持ってたMumfordのいわゆる赤本が極端に言えば初心者でも手に入るようになったのは
SpringerのLNMの中の1巻として出てからだけど、あのSpringerからのは初版はタイプ印刷のままだったのが、
第2版で同じくMumfordの難解なCurves and Jacobiansと共にLaTeX化されて出たら誤植だらけって不評を買った事件があったからね。

今もなお寿命のある貴重な昔の名著をLaTeX化して見栄えの綺麗な印刷にしてくれる(更にスキャン画像でないので
電子書籍としてはサイズも小さく処理の速い軽量で扱い易い形式になる)のは非常に良いのだけど
新たな誤植が入り込む(それも殆どの場合、かなり大量に)という根本的な問題を何とか解決できないと
却って名著の価値を損なうことになりかねない。

GrothendieckらのSGAをLaTeX化するプロジェクトは品質(誤植の量)はどうなんだろうね。
数冊はLaTeX化されたのがフランス数学会からかなり以前に出てて既に絶版か品切れらしくて現在は古本探すしかないみたいだけど
あれもその数冊が出たあとは品質以前に新しくLaTeX化された巻が出てこないし。