通報音声、開示可に 御嶽山噴火、広域連合が条例改正 2018年6月1日 中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20180601/CK2018060102000030.html

二〇一四年九月の御嶽山噴火で行方不明になっている愛知県碧南市の大図和彦さん=当時(49)=が一一九番通報した音声記録を木曽広域連合が
非開示にした問題で、同広域連合は三十一日、木曽町で定例議会を開き、開示に向けて情報公開・個人情報保護条例の改正案を可決した。

施行される六月一日以降、大図さんの家族から請求を受ければ、音声記録などを開示する。

大図さんの弟純司さん(50)は「条例改正に向けて尽力してくださった全ての関係者に感謝の意を表します。情報開示されるその時まで、
心を落ち着かせて静かに待ちたいと思います」とのコメントを出した。


噴火発生後、大図さんが一一九番通報していたと知った純司さんら家族は二〇一五年七月と昨年五月、音声記録の開示を広域連合に請求した。

広域連合は個人情報の保護を理由に不開示とした。純司さんらは今年二月、開示を求める署名四千百人分と開示請求を提出。広域連合は他市の
条例を参考に、死者などの配偶者や二親等以内の血族にも開示できるよう条例を改正することにした。

議会には木曽郡内六町村の首長と議員ら二十人が出席し、議長を除く全会一致で改正案を可決した。

大図さんの音声記録のほか、音声を文字にした書類、携帯電話の発信から把握できた大まかな位置などを示した書類が開示対象になるという。

広域連合長の原久仁男木曽町長は取材に「(非開示としたのは当時の)条例に従って対応した。改正により、ご家族の思いに応えることができると思う」
と述べた。


(酒井大二郎)