ゴクリ
(CNN) 米地質調査所(USGS)とハワイ火山観測所は9日、ハワイ島のキラウエア火山について、今後数週間のうちに爆発的な噴火が起きる可能性があると発表した。有害なスモッグや酸性雨が発生する恐れもあるとして、警戒を呼びかけている。

USGSなどによると、火口内の溶岩湖が沈下を続けており、地下水と接触すれば、蒸気爆発が起きる可能性がある。

蒸気爆発が起きれば、重さ数トンもある岩石や小石が大量に吹き飛び、酸性の雲が上空に広がって、広い範囲に酸性雨をもたらす恐れがある。

「現時点で、そうした爆発的な活動が起きるかどうかの確証はない。爆発が起きた場合の規模や、爆発的な活動がどれくらい続くのかも分からない」という。

キラウエア火山の噴火では、東部の住宅地でも地面に亀裂ができて溶岩が流れ出し、有毒ガスを放出している。当局は、二酸化硫黄の濃度が危険な水準にあると警告していた。

USGSによると、風が弱まれば、こうした有毒ガスなどが湿気や埃と混じって「ヴォッグ」と呼ばれる火山スモッグを発生させ、硫酸の水滴によって呼吸器系の問題を生じさせる恐れがある。

10日から11日にかけては貿易風が弱まると予想され、ハワイ島南部の海上に集積していたヴォッグが拡大して健康被害を発生させる可能性もあるという。

同日にかけては雨が降る確率も高いことから、酸性雨と呼ばれる硫酸の雨が降る恐れもある。

ハワイ大学の研究者によると、高い濃度のヴォッグは頭痛の原因になったり、肺や目の不快感を生じさせたりすることがある。ぜんそくなどの呼吸器疾患を持つ人は、肺の気道が締め付けられて呼吸困難に陥る恐れもある。

ただ、「ヴォッグが健康な人に長期的なダメージを生じさせるという明らかな証拠はない」という。

予報通り、週の後半にかけて貿易風が弱まれば、ヴォッグが北へ向かって集積し、11日までにハワイ島の一部を覆うことも予想される。ただ、風は再び吹き始める見通しで、そうなれば11日夜までに陸地からは吹き払われるかもしれない。

ヴォッグが発生する地域では、酸性雨も予想される。酸性雨は農作物に被害をもたらし、車や工作機械や建築資材といった金属製品のさびを加速させる。

人体への被害については、「酸性雨の中を歩いたり、酸性雨の影響を受けた湖で泳いだりしても、普通の雨の中を歩いたり非酸性の湖で泳いだりするより大きな危険が生じることはない」(米環境保護庁=EPA)という。

溶岩だけでなく、火山活動でできた亀裂や地震による危険も続く。8日には、約1700人の住民が避難したレイラニ・エステーツ地区で、13番目と14番目の亀裂ができた。これまでに破壊された構造物は、住宅26軒を含め、少なくとも36棟に上る。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180510-35118918-cnn-int
地面の酸性値を調べる陸軍
http://amd.c.yimg.jp/amd/20180510-35118918-cnn-000-3-view.jpg