自己免疫疾患はこっちのほうが原因かもしれませんけど

腸内細菌と消化器疾患
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/108/9/108_1939/_pdf/-char/ja
産業革命以降,特に第二次世界大戦以降の欧米を中心とした先進国のめざましい発展のなかで,
クリーンな衛生環境,ストレス過多,運動不足,抗生物質の過剰使用,人工乳の使用,帝王切開ならびに高脂肪低食物繊維食等の西洋化(近代化)した生活様式は,便利・安全ですばらしい生活様式と信じられてきたが,
近年では,ヒト―腸内細菌共生エコシステムの破綻を引き起こし,結果として,この破綻が先進諸国で増加している疾患群と深く関連することもわかってきた.
ヒトが誕生して20万年の最近100年間の急激な生活様式の変化に共生腸内細菌が対応できないのは当然である.
つまり,急速に変化したヒトの生活様式でもたらされた先進諸国のヒトの腸内環境は,昔から一定の平和条約のもとに共生していた腸内細菌にとっては,極めて棲みにくい環境と考えられる.
腸内細菌はヒトにまとわりつく単なる寄生生物ではなく,極めて重要な機能を担う大事な“友人”である.先進諸国のヒトは,極めて有益な“友人”を失った状況であり,最近,“旧友仮説”が唱えられている.
腸疾患である炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)や,腸管外の疾患であるリウマチ疾患,肥満症,糖尿病,アトピー,アレルギー,Parkinson病ならびに自閉症も,友人を失った腸内環境,
すなわち,腸内細菌の構成の破綻(dysbiosis:ディスバイオーシス)が原因で発症することもわかってきている1).