●2008年、アメリカ国立衛生研究所が発表した試験結果があります。1万人を対
象にしたその試験によると、厳格な糖質コントロールを行って血糖値を下げたグ
ループは、標準レベルの血糖コントロールを行ったグループに比べて21%も死
亡率が高かったのです。
日本では国立国際医療センター糖尿病研究所の能登先生は、こちらの論文で
「低炭水化物食では長期的な効用は認められない。心血管疾患のリスクは低
減せず、総死亡率はむしろ著名に増加した」と報告しています。この研究は過
去に行われた研究の結果をまとめて解析したもの。計27万人におよぶ対象を
解析した結果、糖質制限をしていた被験者では死亡率が31%増加しており、な
かでも心血管疾患(心筋梗塞など)による死亡が10%増加していたということ
です。