>>162続き)
◆低炭水化物ダイエットによりメタボから解放された人も
研究チームは4ヵ月をかけて、エネルギー消費量が同じになるように調整した、▼低炭水化物、▼中炭水化物、▼高炭水化物の食事を参加者に摂ってもらい、それぞれの間に2週間の休みを入れた。
参加者が食事を食べる順序はランダムに割り当てられた。3つの食事パターンはすべて20%のタンパク質を含み、
▼低炭水化物ダイエット(炭水化物6%、脂肪74%)、▼中炭水化物ダイエット(炭水化物32%、脂肪48%)、▼高炭水化物ダイエット(炭水化物57%、脂肪23%)という内容だった。
その結果、低炭水化物ダイエットを1ヵ月続けた場合、さまざまな検査値が改善することが明らかになった。中性脂肪値は低下し、コレステロール値も改善した。
低炭水化物ダイエットは高炭水化物ダイエットよりも飽和脂肪酸を2.5倍多く含んでいたにもかかわらず、血液に取り込まれる脂肪は減少し、血中のコレステロール粒子のサイズが増加した。
また、低炭水化物ダイエットを摂ると、血糖コントロールが改善し、脂肪燃焼効率も上昇することが示された。血圧やインスリン抵抗性については改善はみられなかった。
炭水化物が32%の中炭水化物ダイエットを摂った時にも、3人がメタボに関わる検査値が改善し離脱することができた。「炭水化物を控えめに制限した場合であっても、効果を得られることが分かりました」と、ヴォレック教授は言う。
ただし、今回の研究の参加者は年齢が比較的若く、体格指数(BMI)の平均が39.3という高度な肥満だったことに注意する必要がある。「低炭水化物ダイエットはどのような人に効果的なのかを、今後の研究で解明する必要があります」としている。