炭水化物(糖質+食物繊維)の摂取割合が非常に多い人は死亡リスクが高く、脂質の摂取割合が多い人は
死亡リスクが低いという意外なデータが、世界の18の国・地域の13.5万人以上を対象にした研究で得られました。
■「低脂肪食」は本当に健康に良いのか
現在世界的に用いられている食生活ガイドラインは、低脂肪食(総摂取エネルギーに占める脂質の割合が30%
未満の食事)を推奨し、さらに脂質のうち飽和脂肪酸(バターやラードなど常温で固まりやすい脂)を不飽和脂肪酸(
魚油やサラダ油など常温で固まりにくい油)に置き換えることによって、飽和脂肪酸の摂取量を総エネルギーの
10%未満に制限することを推奨しています。
しかし、こうしたガイドラインは、循環器疾患(心疾患や脳血管疾患など)の患者が多く、脂質の摂取量も多い欧州と
北米の人々を対象とした研究結果に基づいて作られたものです。そのため、欧米以外の地域にも当てはめられるの
かどうかは不明でした。