原子の世界に分け入った物理学者達は、そこで展開される確率や統計、不確定性といった振る舞いに面食らった。
しかし、本来確率や統計、不確定性は我々の日常生活においては普通のことである。
例えば天気予報、株価や様々なリスクによる各種保険のメカニズム、さらにギャンブルと不確実性に満ちている。
つまり、物理学者は原子の世界は我々の日常世界のように確率が支配する世界であった、と言えばいいのだ。
ではなぜ物理学者は確率が支配する原子の世界に驚愕し、苛立ちを覚えたのか?
それはニュートン力学の圧倒的な成功体験があったからである。