天文学者は星の一生という言葉を使う。あるいは宇宙のどこそこに星の赤ちゃんを見つけたと報告する。
星に誕生の瞬間があり、さらに成長、進化があり、そして最終的に死を迎えるならば、
それを生命系と言わずに何と呼べばいいのだろうか?さらに星は世代交代をする。
つまり、我々の地球に存在する鉄より重い元素は超新星の爆発により造られたと言われている。
さて、もし天文学者が天体に対して生命用語を使うのが単なる便宜上の比喩でしかないのならば、
天文学者はテレビドラマの「この番組はフィクションであり、実在のものとは関係ありません」
というテロップに倣って、「我々が生命用語を使うのは単なる比喩であり、実際の生命とは何の関係もない」
と注釈を付けるべきだ。
その状況は素粒子の世界も同じで、例えば素粒子には寿命という属性がある。
さらには生成消滅という言葉は生命系を連想させる。
つまり、無機的な世界とイメージされている物理学も、案外生命用語を多用している。