【初心者】キリスト教@歓談室 26【歓迎】
34福音伝道2021/03/30(火) 19:28:38.19ID:43FeJ+/K
http://mikio.wada.catholic.ne.jp/TEXT_HE_1.html
西暦1世紀以前にヘブライ語聖書本文がいかなるものであったかについて、 死海文書
はその発見まで未知ないし不明確だった事実をつぎつぎと明らかにした。 このことに
ついては、本HPの死海文書と聖書を参照。
 それを一言で言えば、先ずレニングラード写本B19aなど西暦10世紀に筆写され
た本文が、 子音文字に限れば10世紀もの月日を越えて忠実に写されたということで
あり、これが証明された。 ただし、だからと言ってたとえばクムラン出土のイザヤ書
が原本というわけではない。 また、これがマソラの本文より原本に近いと言えるかと
いうと、そうでもない。 場合によっては、マソラ本文のほうが原本に近いといえると
ころもあるほどである。 こういう意味であるが、マソラ本文が忠実に筆写されたもの
であり、きわめて優秀なものであることが証明された。
 つぎに、西暦1世紀以前にはヘブライ語聖書本文は、マソラ本文以外にもあり、
それは多様であったということである。 すでに知られていたサマリア五書と、
ギリシア語70人訳聖書の底本となったヘブライ語聖書本文がそれぞれ異読をもって
あったことが明らかとなった。 このように多様な本文があったことのみならず、その
中の一つを標準化し、 これを固定しようとするソフェリームたちの活動があったこと
も明らかになった。 第2神殿時代、つまり西暦70年のローマ軍によるエルサレム陥
落以前にはユダヤ社会は多元社会であり、 ヘブライ語聖書本文も多様であったが、
すでにその中の一つを標準化する動きがあった。 エルサレム陥落後まもなくマソラ
本文として伝承されることになる本文が標準とされ、固定されるようになったようだ
が、 その詳しい事情は、現在議論されている。