諸法の仏法なる時節、すなはち迷悟あり、修行あり、生(しやう)あり、死あり、諸仏あり、衆生(しゆじやう)あり。

万法(まんぽふ)ともにわれにあらざる時節、まどひなくさとりなく、諸仏なく衆生なく、生(しやう)なく滅(めち)なし。

仏道、もとより豊倹(ほうけん)より跳出(てうしゆつ)せるゆへ(ゑ)に、生滅(しやうめち)あり、迷悟あり、生仏(しやうぶつ)あり。

 しかもかくのごとくなりといへども、花は愛惜(あいじやく)にちり、草は棄嫌(きけん)におふるのみなり。

                                          (現成公案)

一行目が差別、二行目が平等、三行目が平等差別の対立に捉われることがない見方ということだろう。。