【福音の学び F への解説】
新約聖書を文字通りに解釈するということに起因する近代の最大の悲劇に、反ユダヤ主義があります。
歴史の教会は、聖書に保存されている1世紀末あるいは2世紀初め頃の教会の反ユダヤ主義的偏見に、気づかずに汚染されてきたのです。

当時、既存のユダヤ教徒に抵抗するには未だ少数者であったキリスト者側は、彼らの初期の伝承を反ユダヤ主義的な色合いで語ることによって、結束しようとしました。
そして遂にヨハネ福音書で、それが頂点に達したのでした(ヨハ 8:44)。

現代の進歩した歴史的批評的研究を無視しては、今日の聖書解釈は最早成り立たないということを、教会の指導者や説教者、また教養ある信徒たちの多くは学ぶ必要があります。