>>134
追加
「星裕一郎氏との共同研究」凄いですね

http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/thoughts-japanese.html
望月 感想・着想

2008年06月11日
 ・組合せ論的カスプ化(前回04月09日の報告を参照)の論文が完成した
  (論文を参照)。この論文では、properな双曲的曲線の場合、配置空間
  の次元が2から1に下がるときの単射性は証明されていないが、論文が
  完成した後で、星裕一郎氏との共同研究でこの単射性を証明することが
  できそうになった。この共同研究が完成すると、松本氏の定理のproper
  な場合への拡張ができたことになる。この展開で特に面白いと思うのは、
  スキーム論の枠組に留まる限りとてもできそうな感じがしなかったproper
  な場合が、スキーム論に「パターンのヒント」を得ながらスキーム論の
  枠組の外にある組合せ論的な理論を適用することによってすんなり解決
  できたこと。即ちこの展開は、正に「IU幾何の精神」の有効性のよい例に
  なったと思う。

  組合せ論的カスプ化の論文では、GT(=Grothendieck-Teichmuller群)
  に含まれる「対称性」が、(次元が下がったときの配置空間の幾何的
  基本群の外部自己同型群の)全射性の証明では重要な役割を果たす。
  最近、興味深いことに、このGT的対称性を使うことによって、p進局所体
  上の絶対遠アーベル幾何において、初となる副pのGC(=Grothendieck
  予想)型の定理を証明できることに気付いた。簡単な議論だが、そろそろ
  IUTeichの論文の執筆を再開したいと思うので、いつ書くことになるか
  分からない。