〔数の構成的定義〕
(1) その定義は、有限の長さの、意味のはっきり
 した文または式によって記述される。
(2) その記述に基づいて、その数値を、任意の
 精度で有限時間内に算出できる。(時間さえかければ、
 誤差をいくらでも小さくできる.)
これを個々の数の 構成的定義 という。

(中略)   実数がこのように定義されるべきものと
すれば、実数全体の集合 R とは、このように定義しう
る個々の実数の総体と考えるべきであろう。しかしそう
だとすると−−−実数全体は可算個しかない ということに
なるのである。
 ここで ある集合が可算個という意味は、次のとおりで
ある。
 その集合と、自然数全体の集合Nとの間に、一対
一の対応がつけられる。

野崎昭弘:"数はほんとうに「ある」のか” 〜数学者にとっての数とは〜
 数学セミナー, 1978年 11月号
 数セミ増刊「数の世界」, 日本評論社, p.8-14 (1982)