メモ

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51692890R01C19A1000000/
国産データベース開発、技術革新で巡ってきた勝機
2019/11/28 2:00日本経済新聞 電子版

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が5年と25億円を投じて、国産の新しいリレーショナルデータベース(RDB)を開発している。日経 xTECHの取材でその詳細が明らかになった。
RDBの世界で近年、DBエンジンの作り直しが必須となる目覚ましい技術進化が起こっていることから、新規参入にも勝算があると判断した。

NEDOのRDB開発プロジェクトは「実社会の事象をリアルタイム処理可能な次世代データ処理基盤技術の研究開発」で、2018年度からの5年間に25億円の国費を投じる。開発はNEC、ノーチラス・テクノロジーズ(東京・品川)、東京工業大学、大阪大学、名古屋大学、慶応義塾大学などに委託する。

■厳格なトランザクションと高速な分析を両立

新RDBの特徴は厳格なオンライントランザクション処理(OLTP)が可能でありながら、ビッグデータ分析にも使用できる高いオンライン分析処理(OLAP)性能を有していることだ。
OLTPとOLAPの両立はハイブリッドトランザクション/分析処理(HTAP)と呼ぶ。OLTPで用いる行方向のデータは不揮発性メモリーを採用する主記憶(メインメモリー)に格納し、OLAP用の列方向のデータを2次記憶装置に格納する。2次記憶装置にも不揮発性メモリーを使用する。

OLTPに関しては、トランザクション処理の分野で一般的なベンチマークである「TPC-C」において1ノードで1000万トランザクション/秒(TPS)の達成を当面の目標とする。
そしてトランザクション処理においては、一貫性と隔離性のレベルを示す「トランザクション分離レベル」が最も高い「SERIALIZABLE(シリアライザブル=直列化可能)」を保証する。

2次記憶装置にデータを格納する前にデータを処理するストリーミング処理にも、RDBそのもので対応する。従来はストリーミング処理のために、RDBとは別に処理機構を用意する必要があった。

つづく