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欅坂×不良学園ドラマ [無断転載禁止]©2ch.net
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0001ハコオシ(福岡県)
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2017/03/21(火) 18:05:56.90ID:F/Hxp16k0
小説スレに触発されて個別のスレッドを作りました。もしよろしければご覧ください。投稿は不定期的になると思います。
アドバイス・感想等があれば、ありがたくいただきます。

欅×不良学園ドラマ  一

「唯、一緒に帰ろう」
「うん」
友達に声をかけられて、私は鞄を手に取った。

この学校に入学してから、そろそろ一ヶ月になる。
始めは知らないことや初めてのことばかりで、慣れない気持ちで過ごしていたが、やっとこの学校の生活に馴染んできた
都立欅坂女子高等学校。格式を重んじ、友愛の精神を大切にする校風に憧れて、私はこの学校に入学した。
学校の格調の高さに相まって、その偏差値も高く、正直受験は苦労したけれど、なんとか入学することができた。
そして、一年生の春がはじまった。
「いいよね、ここ」
私は、校舎の脇の、きれいに掃除された道を歩きながら、隣を歩く友達に言った。
「そうだね。入ってよかった」
学校の雰囲気はとても落ち着いていて、クラスの他の友達も、みんな知性と優しさをあわせ持つ、いい人たちばかりだ。
日の光を受けて白く輝く校舎の外観を見上げながら、私は満ち足りた気持ちになっていた。
「ねえ、あれなんだろう?」
すると突然、友達が前方を指差して言った。
「なに?」
私は彼女が指差す先に目を遣った。
見ると、前方の校門のすぐ外側に、見かけない姿をした人たちがいる。
「なんだろう……?」
校舎に近づくにつれて、その人たちの姿がよく見えてきた。
(なに?こわい人たち……?)
校門の外にいるのは、4人の――おそらくは――男子学生であった。
もちろん、女子高であるこの学校の生徒ではない。
見たところ、まだ10代の男子だ。
0002名無しって、書けない?(福岡県)
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2017/03/21(火) 18:07:15.72ID:F/Hxp16k0
欅坂×不良学園ドラマ 二

ただ、目を引いたのは、その出で立ちである。
学生服を着崩し、なかには明らかに私服とおぼしき衣類をそれに合わせている人もいる。
髪は染められるか、ワックスで固められるかしていて風紀が微塵も感じられないような刺々しく、物騒な印象だ。
不良、と断じるほかない4人の男子が校門の外に、行儀の悪い佇まいで、校門から出ていくこの学校の女子たちを、威圧的な目つきで見ていた。
「なにあれ……、ちょっと、無視しよう」
隣を歩く友人がそう言った。
私たちは会話をやめ、顔を俯かせた。自然と歩みもすこし早くなる。
(早く通り過ぎよう)
上目遣いに様子を盗み見ると、男たちは、検分するかのように、通り行く女子学生を見ているようだった。
校門の境界線にさしかかり、こちらをにらんでいるであろう男たちと私たちの距離が最も近くなった。
緊張が走る。
(なに……?)
そのまま通過するつもりだったが、私はただならぬ視線を感じて、ちらりとその方に目を泳がせてしまった。
やはり、男たちは私たちを、こわい眼で見ていた。
そして,そのうちの一人と眼が合った。
猫のそれのように、つり上がった鋭い眼で、その男はこちらを見ていた。
その眼に、不意に恐怖心が芽生えた。
私はとっさに視線を外し、地面を見て、そのまま歩いた。

「こわかったね」
「うん」
校門を通りすぎてしばらく歩いたあと、やっと私たちは口を開いた。
「明日、先生に言っておこう?変な人たちがいたって」
友人の言葉に私は頷いた。あんな物騒な人たちに、学校のすぐそばに居座られたら、みんなきっと不安な気持ちになってしまう。大人の人たちに何とかしてもらわなければいけないだろう。
(なんだったんだろう……?)
さっき眼があった男の鋭い眼光が脳裏に浮かんだ。

このとき胸に生まれた胸騒ぎはしばらくしても消えなかった。
0003名無しって、書けない?(茸)
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2017/03/22(水) 01:16:15.45ID:MYpnXBTid
欅×不良学園ドラマA

あの日現れた不良少年とおぼしき他校の男子学生たちが姿を現したのはあの日きりだった。
しばらくは心配していたものの、私たちは再びいつもの学校生活へと戻っていた。

「よし」
独り言が出てしまった。私は鞄の中にいれた、今しがた購入したばかりの本を鞄の外から撫でる。
(帰ったらすぐ読もう)
休みの日の今日は、街の大型書店に買い物に来ていた。

そして、気になった本を購入し、帰ろうと道を歩いていたときだった。
(あっ)
書店に隣接して建つ別の建物の入り口の脇で、座ってたむろしている二人の若い男が私の目に入った。
(また不良……?)
私は、不快な気持ちになった。先日の校門前にいた不良たちのことが思い出される。
(なんでこういう人たちって、こんななんだろう?)
私にはこういう類いの人たちが理解できなかった。
行儀の悪い姿勢で、建物の入り口に陣取って。
道行く人たちが嫌な気分になるではないか。そういうことをこういう人たちは考えないのだろうか?

先日の不良少年たちのことが脳裏に浮かんだ私は、歩きながら、その二人組に目を向けてしまった。
すると、私の視線に気がついたのか、男たちが顔をあげて、私の方を見てきた。
(いけない……)
こういう人たちと目を合わせてはいけない。
私はとっさに顔を俯かせて、その場を通りすごそうと足を早めた。
(ああいう人たちなんて、いなくなればいいのに)
ああいう、世の中の風紀を乱していて、もしかすると悪いことにまで手を出しているような人たちは、もっと大人の人とか、警察が指導するべきだと私は思う。
なんとなく私は、さっきの男たちにがいた方を振り返った。
「えっ」
私は目を見張った。
視線の先に、私の方に向かって歩いてくるさっきの二人組の姿があったのだ。
0004名無しって、書けない?(茸)
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2017/03/22(水) 01:17:01.87ID:MYpnXBTid
欅坂×不良学園ドラマ

(嘘でしょ?)
きっと、たまたま同じ方向に歩いているだけだ。
(つけてきているわけじゃないよね……)
私はわざと路地を曲がり、これが私の勘違いでることを確かめようとした。
しかし、視線の先で、男たちが角を曲がってきたのが目に入った。
「嘘っ!?」
もう偶然だと思えない。男たちは故意に私と同じ方向を選んできている。
心なしか、まだ向こうにいる男たちと目があったような気がした。
男たちが早足になるのが見えた。
私を追いかけてきているのだ。
(なんで……!?)
私は駆け出した。すこし走って後ろを振り替えると、男たちもこっちに向かって走ってくるのが見えた。
(追いかけてくる!)
私は全力で走りだした。
さっき目が合ったせいか、男たちがなぜか追いかけてくる。
そんなに走っていないうちから、もう息が乱れ始めていた。脇に抱える鞄が揺れ、後ろで結わえた髪がバサバサと肩の辺りを打つ。
どっちに行っていいかなんてわからない。角があったらとにかく曲がった。男たちから姿を隠せるように。
(まだ……?)
大分走ったが、まだ追ってきているのだろうか。私は後ろを一瞬振り返った。
「!」
だが、男たちは、まだ私を見逃していなかった。
再び前を向いて逃げる。
なんでこんなことになったのかわからない。でも追い付かれたら、きっと変なことをされる……。
「ハァ……ハァ……」
速度が落ちないように、力を振り絞りながら、私は一つの路地の角を曲がった。
だが、曲がった道の先に、人影があった。
「!」
私は体にブレーキをかけた。
勢いをなんとか殺して、立ち止まる。
そこにいたのは、一人の男――正確には少年だった。
男たちに追いかけられいている恐怖心から、私の体は、急に現れた人影に過剰に反応してしまい、びくりと足が止まった。
そして、道の先にいた、その男の子と目が合った。
0005名無しって、書けない?(茸)
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2017/03/22(水) 01:17:52.09ID:MYpnXBTid
欅坂×不良学園ドラマ

その少年は、大人しくみえる感じの、まとまった髪型で、毛先がすこし外に跳ねている。
背は中ぐらいで、体は細い。
肌の色は薄く、鼻や口、輪郭といった顔のつくりは、童顔のそれだった。
だが三白眼のその眼の眼光は鋭く、前髪で陰る険しい目元は、暗く恐しい印象を与える。
少年が帯びている雰囲気が、なにか、まがまがしいというか、異様なものに感じられた。
「……」
少年と目があった私は、体が硬直して動けなかった。
だが、私に気がついた少年は、私のことをじろりとにらみながらも、視線を流して、そのまま私の隣を歩いて通りすぎた。
(関係ない人だ……)
はっと我にかえる。
たぶんこの少年は、ただの通りすがりの人なのだろうけれど、少年から警戒心を解くことができなかった私は、通りすぎていく少年をしばらく目で追ってしまった。
すると、少年が歩いていく先から、先の男たちが追い付いてきた。
(いけない!)
私が再び逃げ出そうと男たちに背を向けた時、
「なんだてめえ」
という声が聞こえた。
振りかえると、さっきの少年が、道の真ん中で、男たちの前に立って動かないでいた。
まるで立ち塞いでいるかのように、道の真ん中で微動だにしない。
少年に気がついた男たちが彼に、因縁をつけるように近寄っていく。
(えっ……)
男たちが近づいてきても、少年はやはりその場を動こうとしない。
(関係ないのに!)
何を勘違いしたのか、男たちが少年を敵視する姿勢で、さらに彼に接近していく。
「やんのかオラ」
男たちの一方が、いかつい顔で首を傾けながら少年に凄む
このまま、喧嘩が始まってしまいそうな雰囲気だ。
(どうしよう……)
なんで男たちをやり過ごさないのか、少年の意図はわからなかったが、とにかく、このままではあの少年が、男たちに誤解されたまま、いさかいに巻き込まれてしまう。
(でも……)
しかし、どうすることもできない。



「おらっ」
男の野太い大声に、ビクッと両肩が勝手にせりあがった。
追ってきた男たちの片方が、少年に向かって、腕を大振りして殴りかかっていくのが見えた。
(!)
しかし、少年は俊敏な小さな動きでそれをかわした。
(えっ……)
拳をかわされた男は、すかさず2、3と次の攻撃を続ける。
だが、どの攻撃も少年には当たらない。巧みな動きですべてかわしている。
(あっ)
少年が、自身に殴りかかってくる男に体を近づけたかと思うと、次の瞬間、男が崩れ落ちた。
「野郎!」
それが目に入ったのか、もう一人の男が一瞬意表を突かれたような驚いた顔をして、倒れた男に立ち代わるように、すぐさま少年に殴りかかっていった。
「オラッ」
男の気炎が上がる。しかし、その威勢とは裏腹に、男のどの攻撃も、やはり少年を捉えることはなかった。
「ぐあっ」
すると、先ほどと同様、少年が一瞬のうちに男に間を詰めたかと思うと、男が少年のすぐ斜め前で、体を90度折り曲げた。
今度は何が起きたか分かった。男の腹に、少年の左の拳が、小さく鋭い動きで突き刺さったのが見えた。
0006名無しって、書けない?(茸)
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2017/03/22(水) 01:19:52.49ID:MYpnXBTid
「うっ……」
あっという間の出来事だった。気がつくと男二人は、苦悶の表情で、地面の上でのたうっていた。
私は呆然とその場に立ち尽くしていた。
少年は地面に転がる男たちを見下ろすように立っている。
(えっと……)
どうするか迷った。
少年の意図も、どうしてこんなことになったのか、この成り行きの整理もつかないけれど、結果的に少年に助けられた形だ。お礼をいうべきだろうか
(でも……)
だが、倒れているとはいえ、自分を追ってきた男二人のところに駆け寄るのはこわい。
それに、男たちに絡まれたからといって、こんな風に殴り倒してしまった少年は、一体何者なのか。
お礼を言わなければならない気はするが、そうするには、わけがわからなさすぎる。




「あっ……」
そうこう躊躇っているうちに、男たちから顔をあげた少年がこちらに顔を向けた。
再び目が合う。
「あの……」
離れた位置から、出た声は小さくて、少年に届いたどうかわからない。
「えっと、あの、あっ……」
何といっていいかわからないまま、言葉を探しているうちに、少年は顔を戻して、私に背を向けて歩き出した。
「あのっ」
今度は彼に届くくらいの大きさの声が出たが、少年は振り替えることなく歩いていってしまった。
「……」
少年はそのまま行ってしまった。
結局お礼どころかなにも言えず、私は少年を呼び止めようと、中途半端にあがっていた手を、やり場のないまま下ろした。

(誰だったんだろう……)
私は昨日、――定かではないが――私を助けてくれた少年のことを思いだしていた。
(お礼ぐらい言うべきだったな……)
あの時、恐怖と警戒心で、少年に近寄れなかったことが悔やまれる。
助けてもらったのだから、お礼を言うのが道理というものだろうに。
「ねえ聞いてる?」
「えっ?」
友人の声に私は我に帰った。
休み時間、私のところにおしゃべりにきていた友人は「も〜」といって唇を尖らせた。
「あっ、菅井先輩」
すると突然、友人が教室の入り口の方を指差して言った。
見ると、一人の女子生徒が、自身に気がついた周囲の生徒に優雅な微笑みを向けながら私たちの教室に入ってくるところであった。
この学校の生徒会長である、3年の菅井友香先輩だ。
すぐに、クラスメートたちが彼女の周りに集まり、教室の入り口付近に人だかりができた。
「私たちも行こう」
友人がそう言って、私たちもその人混みに参加した。
クラスメートの頭と頭の間から、菅井先輩の姿が垣間見える。

入学して間もない私たちでも、その存在は入学当初から知っていた。
入学式の際、新一年生を迎える挨拶で、生徒全員が彼女に目を奪われた。
菅井先輩を知らない者はこの学校にいない。彼女は人気者で、ほとんどの生徒を慕っている。私にとっても憧れの存在だ。
菅井友香生徒会長の容姿とその存在感は、一度見ただけで記憶されるほど、人の目と心を引き付けるものであった。
「やっぱりきれい……」
隣で友人が嘆息して言った。菅井先輩を一目見ようと背伸びしている。
菅井先輩は人混みの中心にいる他のクラスメートと何やら話していた。私たちはこの人混みの最も外側にいるから、会話に参加できない。その内容も、周囲の生徒の歓声のざわめきで聞こえなかった。
すると、菅井先輩と話していたクラスメートの一人が顔を人混みの外側に向けて、声を張った。
「ねえ、唯いる?」
0007名無しって、書けない?(茸)
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2017/03/22(水) 01:20:31.83ID:MYpnXBTid
欅坂×不良学園ドラマ

突然、なぜか自分の名前が呼ばれた。
きょとんとしていると、ぱっと人混みが道を開けるように私に向けて二つに別れた。
「えっ?」
「菅井先輩が呼んでるよ」
菅井先輩のそばにいたクラスメートはそう言って私に手招きした。
「私……?」
わけがわからないでいると、
「どうしたんだろう……でも唯、ほらっ」
と、隣にいた友人が私の背を押した。
「えっ……」
なんでかわからないまま、私は、きょろきょろと私を挟むクラスメートに目を右往左往させながら、菅井先輩の前まで歩み出る。

そうして私は菅井先輩と対面した。
清楚さを感じさせる艶やかでまっすぐ伸びた黒髪に、知性を感じさせる目元。
黒髪とは対照的に、顔や手、首もと、露出の少ないこの学校の制服でも覆うことのできない箇所から覗く肌は、絹のように白く、上品に微笑む口元は優雅さを湛えていた。
同じ制服を着ているはずなのに、菅井先輩だけ特別な感じが出ているぐらい、誰よりも制服が似合っていた。まるで彼女のためにデザインされたかのように、制服を着こなしている。
(すごい……皇族の人みたい……)
菅井先輩を間近で見て、私はそのオーラに圧倒された。
これはこの学校でよく知られたことであるが、菅井先輩は本物の「お嬢様」であるらしい。噂では財界のトップのご令嬢だとか。
気品あるその姿は、この学園の校風を体現している。まさにこの学園の象徴的な存在だ。


その菅井先輩が私に何の用だろう?
「あなたが、今泉唯さん?」
菅井先輩は、しっとりとした、でもよく通る声で、私に問いかけた。
「えっ、あ、はい……」
雲の上の存在である、あの生徒会長が、一生徒、それも一年生の私に一体なんのようだろう?
「放課後、生徒会室に来てくれる?」
菅井先輩は言った。
「えっ?」私は首を傾げた。
生徒会室?なんで私が?
私の疑問をよそに、菅井先輩は、
「放課後に迎えに来るから、待ってて」
そう手短に言うと、菅井先輩は優雅な微笑みを浮かべて、自分を取り囲む周りの生徒に軽く声をかけながら、教室のその外に出ていった。
いきなりのことに呆然としていた私は、その理由を聞くことすらできず、その場に残された。
「どうしたんだろう?」
友人が言う。
「うん……」
私もわけがわからなかった。
0008名無しって、書けない?(チベット自治区)
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2017/03/22(水) 02:14:49.99ID:AgCgy/aF0
続きが気になる
0010ハコオシ(茸)
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2017/03/22(水) 07:51:22.06ID:MYpnXBTid
欅坂×不良学園ドラマ 第三話

放課後、菅井先輩が再び私たちの教室にやって来て、私は彼女につれられて、生徒会室に向かっていた。
――あの一体なんの用だろう?
理由を訊ねてみても「いいから来て」と優雅な笑みではぐらかされて、私は言われるがまま、菅井先輩についていっていた。
生徒会室は、生徒たちが普段学校生活を送る教室が並ぶ校舎とは別の校舎の三階にあるらしい。
そのため、この校舎のなかには他の生徒の姿は見当たらず、私たちはしんと静まり返った廊下をこつこつと足音を立てながら歩いて、校舎の両端にある階段の一方を上っていた。
一階や二階には美術室や理科の実験室といった特定の授業でのみ使用する部屋が設けられていた。
その校舎の三階、階段を上りきり、廊下をちょうど真ん中まで進んだところに生徒会室はあった。
「どうぞ入って」
私たちが生徒会室の入り口の前に来ると、菅井先輩が入り口の脇にたって戸を開けてくれた。
「失礼します……」
生徒会の役員でもなんでもない、――というか、入学したばかりの一年生の私は、ひどく場違いな感じを覚えながら、おずおずと生徒会室に足を踏み入れた。
生徒会室は、外はまだ明るいというのになぜかカーテンが閉められていた。
外の日差しがカーテンを透過して暖色系の明かりとなって室内をぼんやりと照らしていた。
(誰かいる……)
室内を見渡すと、生徒会室の中央に並列して置かれた二つのソファの片方に座る人影が目に入った。
(えっ……!)
その人物の顔を認めたとき、私は驚きで目を見開いた。
(あの時の……!)
その人物――ソファにどっしりと深く腰かけて、生徒会室に入ってきた私たちに目を遣るその若い男は、先日、この学校の校舎のすぐ外で集団でたむろしていた不良少年たちの一人――私と目が合ったあの少年であった。
0011ハコオシ(茸)
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2017/03/22(水) 07:53:11.07ID:MYpnXBTid
欅坂×不良学園ドラマ

私は信じられなくて、その少年をもう一度よく見た。
先日と異なり、服装は学生服と見られる灰色を基調としたフォーマルな服で、それを崩すことなく、きちんと着ていた。
服装だけ見れば、別人のように思えるが、その顔は見間違えようもなかった。
長い前髪を向かって右上から片目が隠れるぐらいに斜めに流し、横の髪は耳が覗くようにかき揚げている。
学生にはそぐわない金髪に髪型、そして何より、その鋭い猫目型の双鉾は見間違えようがない。

間違いなく、あの時の不良少年だ。
「志田くん、この子でいいんだよね?」
後ろから発せられた声に私ははっと振り返った。
菅井先輩の方を振りかえると、いつのまにか生徒会室の戸は閉められていて、不透明なはめ殺しのガラスから差し込んだ光が、逆光となって菅井先輩の顔を陰らせていた。
その顔には、あの清廉な生徒会長らしからぬ、妖しい笑みが浮かんでいた。
「ああ」
また後ろ――今度は、少年の方から声が聞こえ、私はそちらを振り返る。
「あの……これは……?」
怪しい雰囲気を感じ、私は不安を覚えながら、菅井先輩とあの不良少年に交互に見ながら言った。
状況が理解できない。
なんで、女子高であるこの学校に、男子が――それもあの不良少年がいるのか?
「じゃあ、紹介するね」
そう言って菅井先輩は部屋真ん中に進み、ソファに座る不良少年を手で示した。
「こちらは、神楽坂高校の志田マナキくん」
志田と呼ばれた不良少年は、
厳めしい表情を動かずことなく、ずっとこちらを見ている。
「あの、ここ女子高なのになんで男の人が……?」
私は菅井先輩に対して言った。
「そうだよね、それも今から説明するから」菅井先輩は私の反応があらかじめ予見していたかのように余裕のある微笑みを見せた。「でも、まずは今泉さんをここに理由から説明するね」
菅井先輩が言う通り、確かにその疑問あった。
私は何も言わないまま、菅井先輩の言葉を待った。
すると菅井先輩は言った。

「今泉さんは、次の捧げ物に選ばれたの」
0012名無しって、書けない?(チベット自治区)
垢版 |
2017/03/22(水) 14:09:27.52ID:AgCgy/aF0
あげ
0013ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/22(水) 19:47:05.48ID:MYpnXBTid
欅坂×不良学園ドラマ第四話

「……」
……捧げ物?……選ばれた?私?
「あの、それはどういう……」
「そうだよね。私もそうだった」菅井先輩はわかっているといわんばかりに手で私を制するしぐさをした。
「ところで、今泉さんはこの学校の平和はどうやって保たれていると思う?」
菅井先輩は突然、よくわからないことを口にした。
「えっ?」
学校の平和?不調和な言葉の組み合わせに、私には意味がわからなかった。
「この街にはいろんな人がいるよね」
理解できないことが積もっていくだけの私をよそに、菅井先輩は話し始めた。
「もちろん大半が普通の人だけれど、なかには悪い人や怖い人もいる。今泉さんも心当たりがあるんじゃない?」

菅井先輩は意味ありげに微笑んでみせた。先日の、校門にいた不良や昨日、私を追いかけてきた不良が脳裏によみがえる。
「たくさん人がいれば、それだけいろんなことが起こりうる。そんななかで、この学校の平和が保たれているのは、
――つまり、この学校の女の子たちが、怖い人に絡まれることもなく、変な人に変なことをされることもなく、毎日穏やかに学校生活を送ることが出来ているのはなんでだと思う?」
菅井先輩は首を少し傾げて、私に訊ねてきた。
「それは……普通に気を付けていれば……」
「学校のみんなも、そう思ってる。」
菅井先輩は、何も知らない子供に教え諭すような顔で言った。
「でも実際は違う。私たちが何気なく生活しているその陰で、実力をもって私たちを守ってくれている人たちがいるの」
菅井先輩はソファに座る不良少年にすっと目を配った。
「それがこの、志田マナキくんを始めとする、神楽坂高校の人たち。彼らが、この学校の女の子たちに変な虫が寄り付かないように守ってくれているの」
0014ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/22(水) 19:48:01.54ID:MYpnXBTid
欅坂×不良学園ドラマ

「はあ……」私は曖昧に返した。
「少し前から、ストーカーとかドラッグが問題になっているのは知ってる?」
菅井先輩は突然、社会問題について口にした。
それぐらいのことなら、私も知っている。だが、そのことと菅井先輩が話していることはただちに結び付かなかった。菅井先輩は難しい話を説く教師のように、部屋を行ったり来たりしながら、話をしだした。
「社会には、女子高生のような、若くてか弱い女の子を付け狙う人や、ドラッグや不適切な行為といった、青少年の健全な成長を害する物事に若い子たちを関わらせる人がいる。若い子どもたち、特に女子高生を取り巻く環境は悪くなってきているの」
まだ話の全体像はつかめないが、私は口を挟みたくなった。
「でも警察とかに言えば……」
「警察は問題が起きてからでないと対応してくれないの」
菅井先輩は諦めの表情で首を振った。
「実際、この学校で生徒が事件に巻き込まれたことがあってね。でも警察が動き出してからではもう遅かった。その子は癒えることのない傷を負った」
菅井先輩は悲しげな様子でそう言った。
「問題が起きてからでは遅いの。被害者はずっと苦しみ続けることになる。でも、問題が起きる前では警察や大人は動いてくれない」
菅井先輩はそこで歩みを止めて私に顔を向けた。
「そこでこの学校は、彼ら、神楽坂高校と協定を結んだの」
0015名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/03/22(水) 19:51:37.62ID:MYpnXBTid
欅坂×不良学園ドラマ

「協定……?」
「そう、この二つの学校間での取り決め。内容は簡単に言って三つ」
菅井先輩は話の要点であることを示すように、人差し指を立ててみせた。
「まず第一に、神楽坂高校の生徒はみだりに我が校の生徒に接触しないこと」
二本目の指を立てる。
「次に、もし我が校の生徒が何者かによって危害を加えられたとき、またはそのおそれがあるとき、神楽坂高校がそれを取り除くこと。
例えば、彼らは、この学校の女子をつけるストーカーがいれば、そのストーカー懲らしめてくれる。
ほかにも、この地域の外部から、悪い人たち
――無差別に人に威嚇して絡んでくるような、柄の悪い人たちが入ってきたり、はびこらないようにこの地域をパトロールしたりしてくれているの」
話が少しずつ見えてきた。
菅井先輩の言っていることが本当だとして、要するに、この不良少年のいる学校にこの欅坂女子高等学校は用心棒を頼んでいるということだろうか。
「でも、なんでこんな人たちに頼むんですか?」
この不良少年には失礼だか――言われても仕方のない容貌だとも思うが――私は疑問を挟んだ。
「普通の学校の人では力にならないから。」
菅井先輩は、そんなの簡単なことだ、と言わんばかりにさらりと答えた。
「普通の学校の男子は模範的で軟弱だし、そもそも頼んだとして引き受けてくれないから。それに大人もあてにならないからね」
私の疑問を解消できたとみたのか、菅井先輩はここで歩みを止めて言った。
「そして三つ目が」
三本目の指を立てる。その目はどこかいたずらっぽく笑っているように見えた。
「その対価として、この学校から女子生徒を捧げること。その『捧げ物』に今泉さん、あなたが選ばれたの」
0016名無しって、書けない?(チベット自治区)
垢版 |
2017/03/22(水) 19:57:03.42ID:AgCgy/aF0
ずみこ捧げられてしまうの…?
0017名無しって、書けない?(チベット自治区)
垢版 |
2017/03/22(水) 20:00:30.09ID:K/Wb6hBn0
おもしろいけど小説(エロ無し)とかでスレ立てた方がよくない?
0018名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/03/22(水) 20:19:03.81ID:D7DsWCFUd
特に新しいニュースもないのに
本スレで無理やり話題にされすぎてもはや不快なメンバー

小林
上村
鈴本
原田

影山
東村

そして、アンチスレも滅多に立たない

逆に平手、齋藤、長濱、志田辺りは毎日の様に…あっ…(察し)
0019名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/03/22(水) 20:29:58.39ID:JzGKoafbd
特に新しいニュースもないのに
本スレ実況スレネタスレで無理やり話題にされすぎてもはや不快なメンバー

平手
齋藤
守屋
鈴本

柿崎
加藤

そして、アンチスレ乱立を嫌われていないメンヲタのせいに擦りつけ

平手は特に嫌われメンでアンチが毎日の様に…あっ…(察し)
0020ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/22(水) 23:14:06.33ID:MYpnXBTid
18さんへ

ごめんなさい、ちょっとエロあるかも知れないです。
0021名無しって、書けない?(チベット自治区)
垢版 |
2017/03/23(木) 00:07:18.04ID:vIu/W0Wk0
>>20
いや全然いいですw
でもそれだったら現行の小説スレ(エロ可)でよくないですか?w
まあでもおもしろいのでいいです
あっちIPあるから書きづらい人も多いだろうし
ただこれだと感想が少ないのがもったいないなぁと思って
0022ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/23(木) 00:35:26.86ID:9kQCplsQd
21さん
私はスレッドに書き込んだり、自分で建てたりしたのは今回が初めてなのですが、なにやら容量?というものがあるらしく、上記の書き込みのように一人でたくさんの量の書き込みをして、スペース(容量?)を使ってしまうのが申し訳なくて個別にスレッドを建てました。
アドバイスありがとうございます。
0023名無しって、書けない?(チベット自治区)
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2017/03/23(木) 00:53:48.88ID:vIu/W0Wk0
>>22
なるほど了解です!
ご丁寧にどうも
0024ハコオシ(茸)
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2017/03/24(金) 10:42:55.15ID:S0wGeDhyd
欅坂×不良学園 小説 五

「捧げ物ってなんですか……?それに、私が、って……?」
私は思わず訊ねた。
「この協定の条項に基づいてこの学校は、私たちを守るために汗と血を流してくれている彼らに、彼らの奉仕をする女の子を提供しているの」
「奉仕……?」
「そう。彼らを色々な面で支えるの」
「どうして私が……」
「志田くんたちが今泉さんのことを気に入ったの」菅井先輩は言った。
「この『捧げ物』を選ぶときは、神楽坂高校の人たちに、この学校の生徒を一通り見てから決めてもらうんだけど、この前、彼らが校門のところにいたのに気がついた?」
私は先日のことを思い出して合点がいった。
彼らはあの時、品定めをしていたということか。
菅井先輩は続ける。
「まあ、その前に一回写真でも見てもらってるんだけどね」
「写真……?」
「ほら、受験のときに提出するでしょ?」菅井先輩は軽い口調で、私に思い出させるように言った。
……受験票のことだろうか?
確かに受験の際は、本人確認のために自身の写真を学校に提出するが、そのことを言っているのだろうか?
――それらを彼らに見せた?そして、あの日……。
まず写真をこの不良少年らに見せて、さらにあの日、実際に生徒を見てもらい、この不良少年らは『捧げ物』とかいうものになる生徒を選んだというのか。
陰で行われていた訳のわからないやり取りに、頭がぼうっとした。
「ということだから、今泉さんには彼らのところに行ってもらうね」
話を総括するように菅井先輩は言った。
けれど、納得できるわけがない。
「そんな、無茶苦茶です!というか、『奉仕』ってなんなんですか!?」
私は一番気になっていたことを訊ねた。
「だから、いろんな面で支えるの」
「なんですか、いろんな面で、って!?」
そのあまりに抽象的な答えと、この成り行きの怪しさから、これにはなにか含みがあると疑念を持った私は、菅井先輩を問い詰めた。
「だから、彼らと一緒にいることで、精神的に支えたりだとか……ときには彼らを『慰め』たりだとか……」
「『慰める』……?」
私はその言葉に引っ掛かった。
「『慰める』っていうのはだから……、女性として、男性を、ってこと。……ちょっともう、言わせないでよ〜」
菅井先輩は恥ずかしそうに、一人勝手に笑いだして言った。
0025ハコオシ(茸)
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2017/03/24(金) 10:43:52.95ID:S0wGeDhyd
欅坂×不良学園 小説


――笑いごとじゃない!!
菅井先輩が言っているのは……それはつまり、肉体的な、『そういうこと』をするということも、はらんでいるということだ。
――要するにこの人は、奴隷のようなものを差し出すつもりだ。
それも、なぜか私を。
「すみません!失礼します!」
この場にいてはいけない。そう感じた私は、二人に構わず生徒会室の出口に向かった。
「っ!」
だが、戸を開けると、目の前に二人の男がそびえ立っていた。二人とも志田という少年と同じ学生服を着ている。
「ちょっと……!」
二人は無言のまま、体を張るように生徒会室に押し入ってきた。
行く手を阻まれる形となった私は、そのまま生徒会室のなかに押し戻されてしまう。
「お前に選択権はない」
それまで口を開かなかった志田という不良少年が、立ち上がって言った。
「一緒に来てもらうぞ」
有無を言わせない威圧感を持つ、その鋭い眼光に、私はなにも言葉を紡ぐことができなかった。
「そういうことだから、ね?」
菅井先輩が微笑を浮かべて言った。


彼らにされるがまま連れてこられたのは、街のなかに建つ、ある廃ビルだった。
外装は長い間雨風にさらされてか、色褪せ、塗装が剥げ、荒廃した感じになっている。
一回の入り口には「立ち入り禁止」の表示が――もしかしたら彼らが自分でしたのかもしれないが――なされていた。
0026ハコオシ(茸)
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2017/03/24(金) 13:38:37.68ID:S0wGeDhyd
欅坂×不良学園 小説 六

階段を登って二階のフロアに入ると、そこはこのビルの外観どおり、使われなくなって久しいような、埃っぽくて汚れた、薄暗い場所だった。
志田が先頭に立ち、私は彼と取り巻きの二人に前後挟まれる形で、フロアの入り口から中に進んでいった。
見ると左手のほうで、適当に調達されたような不揃いの椅子と丸い机で、トランプに興じている男たちがいる。
すると彼らは、私たち――というよりは、この不良集団のリーダーである志田に気がついたのか、
「志田さん、お疲れさまです!」
と、彼を見るや否や、手に持っていたカードを置いてその場で立ちあがり、志田に向かって頭を下げた。
「おう」
志田は無造作に片手をあげて彼らに応じた。頭をあげた男たちは、志田の後ろを歩く私に気がついたのか、珍しいものをみるかのような視線を向けてきた。
さらに奥へ進むと、今度は右手のほうで、二人の男が、互いに向き合って、格闘技らしきものの訓練をしていた。
「お疲れさまです!」
志田に気がついた彼らも、やはり先の男たち同様、志田に対して大きな声で挨拶をしてきた。

そうして私たちは、フロアのもっとも奥まで来た。
そこには王座よろしく、横長のソファが置かれており、その傍に、一人のすらりとした、まるで雑誌に載る男性モデルのような、スタイルのいい男が腕組みして立っていた。
「おかえり、マナキ」
私たちに気がついたその男は、顔を少しだけこちらに向けて、微笑みながら軽い会釈だけしてそう言った。
その態度は、姿勢を正して志田を迎えた他の男たちとは違って、志田との気が知れた仲を感じさせるものだった。
0027ハコオシ(茸)
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2017/03/24(金) 14:03:59.75ID:S0wGeDhyd
欅坂×不良学園 小説


「へえ、この子が」
少年はそう言いながら、私の方へ数歩近づくと、私を上から下まで眺て、「ふ〜ん」と納得したように頷いた。
(え……)
この人も志田たちの仲間なのだろうか?
その少年の容姿がはっきりと見えてきて、私は唖然とした。
女の私もはっとするぐらい綺麗な肌に、美しい曲線を描く輪郭。――不良のはずなのに――優しい目をしていて、微笑んでこちらを見てくるその姿は、不良少年らしからぬ、それどころか気品のある感じで、まるで貴公子のような印象を抱かせる美少年だった。
「この子が今回の捧げ物?」
私の目の前に立つその少年は、志田をちらりと見てそう言った。
「おう」
志田はそれだけ言うと、少年の前を通過して、どかっとソファに腰を下ろす。
そして、「みんなを集めてくれ」と少年に対して言った。
0028ハコオシ(茸)
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2017/03/26(日) 01:18:41.78ID:yalk8yTRd
欅坂×不良学園小説

「わかった」
少年は背を向けた。ここに入ってくるときに見かけた男たちを呼びにいくのだろう。
「ああ」
だが少年は、何かを思い出したかのようにこちらを振り返った。
「君、名前は?」
「え・・・・・・」
少年は私の方を見ている。
少年は幼い子供に名前を訊ねるかのように、「うん?」と優しく微笑みながら首を傾げた。
「今泉・・・・・・佑唯・・・・・・」
「僕は渡邉リサオ。よろしくね、佑唯」
渡邉と名乗った少年は、踵を返して歩き出し、少し行ったところで「みんな集まってくれ」と声を張り上げた。

渡邉を先頭に、ぞろぞろと他の不良少年たちが、志田のもとに集まってきた。
どの男も、厳つい顔に、仰々しさをも感じさせる柄の悪い服装をしていた。
集まった不良少年たちは、顔と体はあくまでこの集団のリーダーである志田に向けていたものの、目だけを部外者である私に向けてきた。
居場所のない私は、ソファに足を組んで座る志田のそばに、身を縮こませて立っているしかなかった
「欅坂から女が届いたぞ」
男たちの前に座っている志田が、彼らに向けて言った。
「きゃっ」
不意に腕を引っ張られ、私は後ろーーソファの方に倒れ込んでしまった。
志田が私の腕をつかんで引っ張ったのだ。体勢を崩した私は、不本意ながら、志田の体にもたれ掛かる形になってしまった。
「やっ」
私は体勢を建て直そうとしたが、その前に志田が私の腰に手を回してきて、私は志田の方に引き寄せられた。
「こいつが今回の捧げ物だ」
志田は男たちに言った。
頭が志田の胸元に寄っていた私の耳に、その声が大きく響いた。
0029名無しって、書けない?(pc?)
垢版 |
2017/03/26(日) 01:20:50.60ID:imfymM460
俺もこのスレみたいにト書きと台詞だけで徳山大五郎リメイクしてやろうと思ったが
たまたまイラスト描いてたからそれで続けてるよ
あート書きだとどんなに楽だろうなホント あっという間に終わるわ
0031ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/26(日) 01:40:02.08ID:yalk8yTRd
29さん
ト書きって、
今泉「放して!」
みたいな感じのやつですか?
小説風の書き方は「○○は言った。」をどんだけ書かずにいけるかだと私は思ってます。
小説家の人ってすごいですよね。
0032名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/03/26(日) 01:41:58.26ID:yalk8yTRd
>30
だれが見てるかわからないけど、続けますね 笑
0033名無しって、書けない?(pc?)
垢版 |
2017/03/26(日) 08:46:51.98ID:imfymM460
>>31
ト書きは脚本における台詞以外の部分

全部映像化が前提だから小説の描写とは感情表現の可否に置いて若干異なる
0034ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/26(日) 23:01:43.46ID:yalk8yTRd
31さん
なるほど!ありがとうございます。

欅坂×不良学園小説

「放してっ・・・・・・」
私は志田の体を両手で押したが、力が入りにくい体勢だったのと、片手なのに想像以上に強い力で抱え込まれていたために、身動きがとれなかった。
「名前は・・・・・・なんだっけか?」
女を侍らす暴君さながら、志田は不敵な笑みを浮かべながら、私を見下ろして言った。
私と志田の目が、至近距離で合う。
・・・・・・
さっき渡邉に向かって名乗ったのが聞こえたはずだし、それだけでなく、生徒会室で初めて会った時も、私の名前は話に出ていたはずだ。わざととぼけているのか、それとも本当に私の名前など関心がなかったのか、
真意はわからなかったが、なんだか私は、悔しい気持ちになった。
「今泉佑唯・・・・・・」
「だそうだ」
志田は他の男たちに目を向けて言った。男たちはにやにやしながら、こちらを見ている。
0035ハコオシ(茸)
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2017/03/26(日) 23:02:42.71ID:yalk8yTRd
欅坂×不良学園小説

ーー逃げなければ・・・・・・。
私は、私たちを囲む男たちの奥ーーこの階の入り口のほうを、志田たちに気づかれないように盗み見た。
隙を見て、出口に向かって走れば、ここから逃げられるかもしれない。でも今は数多くの人に囲まれており、注意も向けられている。
・・・・・・きっと、きっとチャンスはある。
「お前ら、こいつを好きにしていいぞ」
突然、志田は無造作に言い放った。
「えっ!」
一人頭を回していた私は不意を突かれて、慌てて私を抱えている志田を見上げた。
ーー待って、そんな・・・・・・。
逃げる間もなく、この男たちに乱暴されてしまうのだろうか・・・・・・?
あせる私を、志田は口の端をつり上げながら見下ろしている。
「・・・・・・冗談だ」
志田は動揺していた私をからかうように言った。
すると、回りの男たちが「はははははっ」と、一斉に下品な笑い声をあげた。
ーー!
私は頬の辺りがかあっと熱くなるのを感じた。
・・・・・・いいようにされてる。
私は悔しかった。でも、それ以上に、今の私にはこの状況を自分だけでどうにかする力がないことが今になってわかってきた。
「・・・・・・帰して」
不本意だったが、私はこの不良集団のリーダーに願い出た。
「あ?」私の声が届かなかったのか、志田は眉をピクリと上げた。
「帰して・・・・・・ください」
さっきよりも大きな声が出るように、私は力をこめた。
すると志田は二、三頷いた。
0036ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/26(日) 23:04:53.29ID:yalk8yTRd
欅坂×不良学園小説

「・・・・・・今日はもう遅いからな」
「えっ」
ーー帰してくれるのだろうか。こんなにあっさりと。
半分意外だったその返答に、私はどこか拍子抜けした気持ちになった。
「だが、お前は明日から毎日、学校が終わったら、ここに来い」
志田は言った。
「毎日・・・・・・」
「当たり前だ。お前はもう俺たちのものなんだからな」
志田か鼻で笑っていった。
「当面は迎えをよこす。正門から出でこい。そこに目立つ奴を置いておくから、そいつのあとを付いていけ。他の女たちの目に付かないようにしてやる」
志田は私に指示を出してきた。
「逃げようとなんて思うなよ。まあ、お前がこの街から出ていくなら追いはしないが」
志田は冷たく告げた。
これからどうなるのだろう。私はこれからのことを思ったが、全く見えてこなかった。
頭がぼんやりする。私は、胸に黒い靄が広がったような、気分の悪さを覚えた。

不良少年たちに解放されたあと、私は寮に帰って、一人、部屋のかなで足を抱えて座っていた。
頭が重くて、勝手に俯いた姿勢になる。顔をあげる気にならない。
明日、またあの人たちが来る・・・・・・。
どうしたらいいのだろう。今日は何もなかったが、明日は何をされるかわからない。
これからどうなるのだろう・・・・・・?
暴力を振るわれるのだろうか?いいように扱われるのであろうか?
ーー逃げたい。
でもどこに?ずっと、ここにいる?
警察に相談する?なんと言って?「悪い人たちに付きまとわれているんです」と・・・・・・?
警察はまともに取り合ってくれるだろうか?まだ犯罪とか事件が起きたわけではないのに・・・・・・。いや、でもそうだ、そうしよう。
あした、あの人たちのアジトで、こっそり警察に連絡して、その場を押さえてもらえれば、なんとかなるかもしれない。
ーー絶対にあの人たちの好きなようにはならない。
0037ハコオシ(茸)
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2017/03/26(日) 23:06:00.14ID:yalk8yTRd
欅坂×不良学園小説

次の日、学校が終わって、私は
ーー大丈夫。
このまま泣き寝入りはしない。あの不良少年たちと私は戦う。
私は、自分に言い聞かせた。
校門を出てから、私は周囲を見渡した。
昨日、志田が言っていたことによると、なにやら「目立つ奴」とやらが、私を迎えに来ているらしい。
すると、少し離れたところの電柱のそばに、半身が隠れて見えるかたちで、周囲ーー下校する風紀正しい女子学生やきれいに整備された学校前の通りーーから浮いている、一人の男が目に入った。
見ると確かに、その人物はやたら目立ってーー悪目立ちしていた。
ピンクを基調に、いろんな色のまだら模様が入った派手なパーカーを来て、しかもフードを頭に目深に被せている。
見るからに怪しい不良少年だ。
その私がその姿に気がつくと、あちらも気がついたのか、しばらく私の方に顔を向けたのち、ついてこい、と言わんばかりに振りかえって歩き出した。
あの不良少年が「迎え」の役か。私は、少年を見失わないように歩き出す。
昨日の志田の指示の意味がわかってきた。確かにあんな不良少年と一緒にいたら、周囲の生徒に変に思われてしまうだろう。
「捧げ物」の存在は、昨日の菅井先輩の口ぶりだと、一部の人ーーというか当事者しか知らないと思われる。
志田は、表面的には、普通の生徒と変わらない体裁を取り繕ってくれているらしい。
ーーそんなの、いらない。
私を好き勝手扱おうとしているくせに、変なところで配慮をする。
それが私には腹立たしく思えてきた。

ド派手パーカー男は、少し歩いては私の方を振り替える、を繰り返し、私たちは、志田たちのアジトのビルにたどり着いた。
パーカー男はここで入り口を少し入ったところで立ち止まっていて、あとを付いてきた私が今度は先を歩く形で、私たちは階段を上っていった。
0038名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/03/26(日) 23:18:36.83ID:bJ63ettDa
よんでるよー
面白い!
0039名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/03/26(日) 23:50:14.07ID:yalk8yTRd
38 さん
ありがとうございます!その一言で続けられます!!
四月から仕事に就くけど、1日一時間でいいから、進めていきたい・・・!
0040名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/03/27(月) 00:30:51.23ID:0EYLgdAda
>>39
がんばれ!
0041ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/27(月) 00:59:00.36ID:X7KyZ7D+d
急いで書いてるから、なんか流れが変・・・
でももうすぐ、ずっとやりたかった戦闘シーンです!

欅坂×不良学園 小説
「逃げずに来たな」
不良少年たちのアジトに入ると、不良集団の長である志田マナキが、今日はソファに座るのでではなく、フロアの中央あたりに立っていた。
私の姿を認めた志田は、満足そうな笑みを浮かべている。
「さて、お前をどうするかな・・・・・・」
志田はいきなり不穏なことを言ってきた。
「待ってください。その前にいろいろ聞きたいことがあります」
私は志田に向かって言った。
「なに?」志田は少し険しい顔をした。
「あなたたちはここで、毎日何やってるんですか?」
私は志田に質問した。怯んだ態度は見せたくない。
正直、時間稼ぎの狙いもあった。話で長引かせれば難を逃れることができるかもしれない。
限界がきたら、そのときは、なにか理由をつくって、一人になって警察に通報できる状況を作らなければ・・・・・・。
「あなたたちのことを知らないと、・・・・・・本当に『そういうこと』をするとして、私納得できません」
私は下に見られないように、気持ちを強くもって質問した。
すると志田は、確かにそうか、というように少しうなずいて口を開いた。
「まあ、昨日、お前たちの生徒会長が言っていた通りだが、俺たちはこの街に俺たち以外のやつらがでかい顔をしないように、この街を仕切っている」
意外にも志田は、私の質問に対して、丁寧に説明をし始めた。
もしかしたら、この少年には、不良としての顔の他に、集団のリーダーとしてしっかりした側面も持ち合わせているのかもしれない。
ーー隙をみて警察に通報しなくても、話せばわかってくれるかも。
私の胸に、少し期待が芽生えた。
菅井生徒会長はあんなことーー彼らを体で慰めるなんてことーー
を言っていたけれど、話次第では、なんとか回避できるのではないか?
彼らはーー少なくともこの少年は、理性をもっているように思えなくもない。
0042ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/27(月) 01:00:32.57ID:X7KyZ7D+d
欅坂×不良学園小説


「この街に変なやつらが入り込んでないか見て回ったり、あとは・・・・・・これはまだお前にはいえないな」
志田は言い渋った。
菅井先輩が言っていたことを、この不良少年たちは実際ちゃんとやっているらしい。
志田の話を聞いていて、私はこの不良な見た目とは反する、彼らの律儀な一面を意外に思った。
「・・・・・・だが、勢力については教えてもいいだろう」
だがここで、私は志田の話を聞く一方で、志田の後ろから志田に話しかけたそうにしているメンバーの一人に気がついた。
「隣街には、俺たちの縄張りを狙っている奴らがいて・・・・・・」
後ろの男にまだ気がついていない志田は、話し続ける
「マナキさん・・・・・・マナキさん!」
男は志田の後ろから、はじめは小声で呼び掛けたが、志田がすぐ振り返らないので、次に大きな声で彼を呼んだ。
「・・・・・・なんだ?」話の腰を折られた志田が、大声を出すな、といわんばかりの顔で、男の方を振り返った。
「西のアジトの様子が変です・・・・・・」
男は緊迫した顔で、小さく言った
「何・・・・・・?」
男は志田に、持っていた携帯電話を渡した。すぐさま志田がそれを耳に当て、そちらに集中した。
「どうした?」志田は電話に向かって呼び掛ける。
電話の内容はわからないが、何やら怪しい空気になってきた。
「どうした?何があった・・・・・・?何、守屋が!?全員いるのか!!」
徐々に志田の声が大きくなる。
そのいつもと違う様子に気がついたのか、他のメンバーが志田のところにまばらに集まってきた。
「おい・・・・・・おい!」
志田が携帯に向かって大声を出した。そして、通話が途切れたのか、携帯から耳を離し、それを見つめる。
「どうかしたの?」
渡邉が志田に問いかけた。
すると志田は、真剣な表情で言った。
「西のアジトが守屋に襲われた。全員揃っているらしい」
「えっ」
普段柔らかい表情を見せる渡邉も、険しい表情になった。
0043ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/27(月) 01:02:09.02ID:X7KyZ7D+d
今日は以上です。
おやすみなさい!
0044名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/03/27(月) 02:22:55.44ID:8WbAPUN0a
>>43
続き楽しみにしてます
0045ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/27(月) 11:37:14.90ID:X7KyZ7D+d
欅坂×不良学園小説

「他の奴らとは繋がるのか、掛けてみろ」
志田が、さっき電話を渡してきたメンバーに向かって、持っていた彼の携帯を投げ渡して言った。
「・・・・・・繋がりません」
そのメンバーは自分の携帯を操作して、耳に当てたあと、しばらくしてそう言った。
「そうか」志田はそう呟くと 、
「みんな聞け」と他の不良少年たちに向けて言った。
他の男たちーーこの集団のメンバーはすでに志田のまわりに集まってきていた。
「守屋たちが西のアジトを襲ってきた」
志田は真っ直ぐした眼で、皆に向かって言う。
「これから助けに向かう。全員ついてこい」
「おう!」
男たちが揃って声をあげた。
ほかの不良少年たちは緊張が走った真剣な顔をしていたが、どの目も勇ましい眼光を映していた。
「待って」
全体の士気が高まり、いざ行こうと少年たちが一歩歩き出したとき、渡邉が突然声をあげた。
「どうした?」志田が彼の方を振り向いて言う。
考えているように視線を下に下げていた渡邉が、志田に向けて顔をあげた。
「罠かもしれない」
「なんだと?」
志田が訊ねる。
「西のアジトは、小さくて何もないところだ。そんなところを守屋が全員で襲うなんて考えられない」渡邉は言った。
「小さいところから潰したかっただけじゃないのか?」
志田が反論する。
「そうかもしれないけど、奴らには頭の切れる米谷もいる・・・・・・なにかあるかもしれない」
ところどころ、私の知れない情報が話に入っていたが、私にも、緊急事態ーーたぶん、彼らと敵対する誰かが、彼らのアジトを襲っているのだーーが起きているとわかった。
「例えば?」
志田が渡邉に問う。
「例えば・・・・・・西のアジトに向かって藻抜けの空になったここを襲うとか、ここにはアレがあるし・・・・・・」
「なるほど・・・・・・」
志田が顎に手を当てて、考える仕草を見せた。
『アレ』がなんなのか私は気になったが、質問できる状況ではない。
「だが、助けにいかないわけにはいかない」
志田が口を開いた。
0046ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/27(月) 11:39:45.99ID:X7KyZ7D+d
欅坂×不良学園小説


「敵がここを狙うなら、西のアジトからここに動いてくるはずだ」
志田は窓の方に眼を向けて続ける。
「もちろんすべて潰せる訳じゃないが、手分けして別々の道から、西のアジトに向かう。守屋がここに向かっているなら、どこかで鉢合わせるはずだ」
志田は仲間のほうへ顔を戻した。
「3,4人に分かれてそれぞれ、西のアジトに向かう道を進め。
守屋を見つけたら、戦わず連絡しろ。ここに集まってから、奴らを迎え撃つ」
志田が素早く指示を出す。
志田のことが見違えて見えた。
これまで私が見てきた、半笑いを浮かべて人を見下すような顔は消え去り、迅速に明確な指示をだすその威厳にみちた堂々とした姿は、リーダーとして集団を率いる者のそれだった。
「俺は最短経路で助けに向かう。井口、齊藤、ついてこい」
志田がメンバーに向けて言うと、その中の二人の不良少年が頷いた。
「リサオは、他の奴らを分けて、考えられるルートを当たれ」
「わかった」
渡邉が意を得たように頷いた。微笑んで志田を見るその顔に、彼に対する信頼や、誇らしげな気持ちが私には感じられた。
「織田!」志田が声を張り上げた。
メンバーの中の一人がびくりと反応し、「な、なんだ?」と答えた。
見るとあの、今日私をここにつれてきた、派手なピンクのパーカーをきた少年であった。
「お前はここで留守を守れ」
志田はその少年に指示を出した。
「数人をここに残しておく。お前は残ってここを守れ。
敵が来ても戦うんじゃないぞ。立て籠って俺たちが戻ってくるまで待て。わかったか!」
織田と呼ばれた少年は、「お、おう」と、すこし情けなく見える慌てた様子で頷いた。
「1分で出るぞ」
志田がそういうと、他のメンバーが弾けるように動き出した。
指示を受けていないメンバーが渡邉のもとに集まる。
先程、志田に言われた通り、渡邉が指示を出しているのだろう。
織田のところにも数人がなにやら駆け寄り、言葉を交わしている。
辺りは騒々しさに包まれた。
「おい」
「えっ」
気がつくと、志田が私のところに来ていた。
「急にこんなことになってしまったが・・・・・・お前のことは・・・・・・まあ、帰ってからだ」
その顔はすこし申し訳なさそうにしているように見えた。
「別に」
私は、短く返した。なにか大変なことが起きているようだが、私はあくまで『捧げ物』ーー彼らにいいように扱われる存在なのだ。
・・・・・・彼らのことを気にかける必要はない。まして、心配なんて。
「お前はここにいろ。外に出るなよ」
「・・・・・・わかった」
私が一応そう返すと、志田は「そうか」と小さく言って、私のところを離れていった。
その表情に、私を気遣ってくれているのが感じられて、不良少年のその矛盾した優しさに、私は変な気持ちになった。

「行くぞ!」
志田の一声と共に少年たちが出口に向かって走り出した。
0047ハコオシ(茸)
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2017/03/27(月) 12:08:07.61ID:X7KyZ7D+d
欅坂×不良学園小説

・・・・・・僕の考えは間違っていなかっただろうか?
ーー僕の考えが正しければーー守屋が進んでくる可能性がある道のひとつを走りながら、先程のやり取りを振り返る。
ーー間違えていたら。
いや、例え守屋にその狙いがなくても、この選択はそこまで大事にはならないはずだ。進むルートは違うが、結局みんな西のアジトに集結する。そこで守屋を叩けばいいだけだ。
「ーーさん!渡邉さん!」
仲間の声で我に返った。
「なに、加藤?」
呼んできたメンバーに問いかける。
「あいつら・・・・・・本当に来ますかね」
加藤も気にかかっているようだった。道路を全速力で並走しながら、僕は加藤に返した。
「僕の考えが外れてたんなら、それは、それでいい。みんなで守屋を潰す」
「・・・・・・そうですね!」
加藤は晴れた表情で頷いた。
メンバーと共に街を駆け抜ける。
街の風景が次から次へと前から後ろへ流れていく。
ーー!
僕は急制動をかけて、脚を止めた。
・・・・・・なにか今・・・・・・。
視界の端に、何かの影が映った気がする。
「どうしたんですか!」
後ろで加藤の声がする。
しかし、彼の方を振り返らずに、今通過したばかりの後ろの街並みに目を向ける。
開けた幅のある道に、並ぶ店。行き交う人。雑多におかれた自転車。
・・・・・・気のせいか。
「どうしたんですか」
加藤が僕のところまで戻ってきた。
ぐずぐずしている暇はない。気のせいかもしれないことを気にしている時間はない。
顔を前に戻そうとしたそのとき、視界の端でなにか動いた。
人だ・・・・・・その黒い影に目を凝らす。
ーーあれは・・・・・・。
「加藤!お前はそのまま進んで、マナキと合流しろ!」
僕は加藤の方を振り返り指示を出した。
「えっ!」
彼は驚いた顔で呆然としているが、説明している暇はない。
ーー戻らなければ。
直感がそう告げていた。
僕は今来た道を全速力で戻り始めた。
0048ハコオシ(茸)
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2017/03/27(月) 12:32:26.83ID:X7KyZ7D+d
欅坂×不良学園小説

彼らのアジトはがらんとしていた。
たくさんいた不良少年はほとんど出ていってしまい、あとには織田と数人の留守番メンバー、そして私が残るだけだ。
「うろちょろするなよ」
手持ちぶさたで、あてもなく歩き回って、そこらじゅうを見ていた私に織田が近づいて言った。
留守を任された彼は、なにやらメンバーに指示を出し、窓から外を見張らせたり、一階にいって誰か来ないか警戒させたりさせていた。
当然私にはやることはなく、ひとりポツンとしている。
「だって・・・・・・というか、汚いね、ここ」
男ばかりだからか、掃除がされている様子はない。そこらじゅうに埃がつもり、小さな塵が地面をおおっている。
「うるせえな」
パーカー少年が口を尖らせた。
「というか、大丈夫なの?」
私は織田に問う。
「なにが?」織田が訊きかえす。
「だから留守番。ちゃんと守れるの?」
状況はすこしだがわかっている。要するに、敵対する誰かーーほかの不良少年と、いまから喧嘩になるかもしれないということだろう。
「うるせえよ」
織田がムッとした顔で、また同じような返事をした。
話してみると、ーーというより初めて彼を見たたときからーーなんというか、彼には怖いという感じは覚えなかった。
やはりそのパーカーのせいだろうか、奇異な感じは確かにする。でもそれは怖いという感じではない。
そして実際話してみても、やはり感じた通りだった。
見た目とは裏腹に、人当たりがいい感じだ。今だってあっちから話しかけてきたし。
「織田くんっていうんだよね?」
私が改めて名前を訊くと、織田は「ああ」と頷いた。
「私は今泉佑唯」
「・・・・・・知ってるよ」
織田はぶっきらぼうに答えた。
「そう?よろしく・・・・・・って感じじゃないか。私、あなたたちに監禁されているも同然だし」
私がそういうと、織田は微妙な顔をした。
たぶん、私は状況についていけてないのだと思う。
なんだっけ、こういう心理。誘拐犯とかに親近感覚えちゃうやつ・・・・・・。
私がぼうっとそんなことを思っていると、
「織田さん!」
窓のそばにいたメンバーが突然声をあげた。
0049名無しって、書けない?(滋賀県)
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2017/03/27(月) 12:52:12.59ID:/yxjmgiw0
「なんで働かないといけないんですか?」と聞いた学生への、とある経営者の回答。
http://http://etbo.s-hattori.jp/1703.html
0050ハコオシ(茸)
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2017/03/27(月) 12:58:15.07ID:X7KyZ7D+d
なんか、人物どうしの心理的距離感の近づきかたが、不自然にはやい…

欅坂×不良学園小説

「なんだ!」
織田が窓から下を見張っていたメンバーに顔を向ける。
「なんか今、誰か一人ビルに入ってきたような!」
「なにっ!」
そのメンバーはそう抽象的に報告した。
「守屋か!」
「いや、なんか一人、ちらっとビルに近づいてきたような」
織田が走って窓に駆け寄り、下を覗き込む。
「どういうことだ!?」
「ですから、守屋たちじゃなくて、なんか一人だけ、ここに入ってきたやつがいたような」
聞いててよくわからない報告だ。
「ちゃんと見てたのか!?」
織田が曖昧な報告をしたそのメンバーに問いただすも、
「一瞬だったんです!しかも壁に張り付くように動いて・・・・・」と彼はやはり、はっきりしない返事をした。
確かに上階から見下ろしたのでは、建物の真下の部分は死角になって見えずらいが・・・・・・。
何者かに侵入を許したのだろうか。
・・・・・・でも一人?
と私は思う。
志田の口ぶりでは敵の不良たちは複数人であるかのようだったが・・・・・・。
「近くで見張らせてるやつがいただろう!そいつは!?」
そう言って織田は、外で見張らせているらしいほかのメンバーに連絡をとるように、その男に言った。
すると男は自分の携帯を耳に当てたあと、「繋がりません・・・・・・」と言った。
「なに・・・・・・?」
織田が険しい顔をする。見張りをしていたメンバーと連絡が繋がらないなんて、なにか起きたのかもしれない。
雲行きが怪しい。
「どうしたの?」
いてもたってもいられなくて、私は織田のところに駆け寄った。
「お前には関係ない!」織田が顔だけ向けてそう返す

そのときだった。
どん。
「?」
「なんだ・・・・・・?」
今なにか、下の方で物音がしたような気がした。
織田も気がついたのか、下の階につながる階段がある、このフロアの入り口の方を向く。
「いまなにか聞こえ・・・・・・」
私がそう言い終わらないうちに、
ガアン!
大きな音を立てて、入り口のドアが勢いよく開いた。
0051ハコオシ(茸)
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2017/03/27(月) 13:20:29.16ID:X7KyZ7D+d
欅坂×不良学園小説

開いたドアに、ひとつの人影があった。
入り口付近は物陰で、その顔はここからでは見えない。
「なんだ・・・・・・」
織田が声を漏らした。彼も異変を感じ取っているようだ。
こちらの明るいところにその人影が歩みを進めてきて、次第にその顔が見えてきた。
その人影は、一人の少年のものであった。
ーーあの少年は・・・・・・!
「なんだてめえは!」
「あっ、おい!」
窓の見張りをしていたメンバーが、突如入ってきたその少年に向かって駆け出した。
織田の制止に構わず、そのメンバーは少年に向かって突進する。
誰なのかちゃんと識別したのかわからないぐらい性急な反応で、男は少年に向かっていった。
たが、その反応は、明らかに味方に対してするものではない。
ーー敵、なのだろうか?
「あっ」
血気のはやったメンバーの男は、少年に殴りかかっていった。
だが拳が少年に向かって突きだされた瞬間、少年はメンバーの男に巻き付くような動きを見せると、どうやったのか、次の瞬間、メンバーの男が投げ飛ばされていたのだ。
瞬く間のことであった。
ガアン!
投げ飛ばされ、壁にぶつかったメンバーの体が大きな音を立てて壁からずり落ちる。
メンバーの男は、立ち上がらなかった。
少年ーー私が街で男たちに追われたとき、その人たちを撃退してくれた、あの少年はなにもなかったかのような様子で、こちらにゆっくりと近づいてくる。
黒い髪に白い肌、男にしては細すぎるぐらい華奢な体。
そしてあの時見せたのと同じ、だたならぬ凶悪さを感じさせる、陰のある眼つき。
0052ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/27(月) 13:25:15.71ID:X7KyZ7D+d
欅坂×不良学園小説


「・・・・・・平手!」
少年の姿を見て、織田が驚きの声をだした。
なにやら、あの少年のことを知っているような反応だ。
「お前・・・・・・どういうつもりだ」
織田が少年に対し、低いトーンで問いかける。
だが、少年はなにも言わず、無表情のままこちらに向かって進んできた。
少年がどういうつもりなのか、どういう立場なのか、全くわからないが、明らかに彼のとっている行動は敵対的なものだった。
「おい・・・・・・おい!」
織田が大声で呼び掛けるも、少年は反応しない。
「お前・・・・・・」そうポツリと一人ごちると、織田は私をかばうように私の前に出て、警戒している足取りでゆっくりと少年の方に進んでいった。
「どういうつもりだ、答えろ。でないと・・・・・・」
攻撃するつもりなのだろう。
最後まで言わなかったが、織田は警告を発した。
しかし、平手と織田が口にした少年は、やはり応えない。
二人の距離が詰まる。
「ーーっ!」
突然、少年が織田に向かって、突進していった。
素早く攻撃ーー蹴りが繰り出されたのが見えた。
「てめえっ!」
織田は、とっさにそれを回避していた。一旦距離を空け、突如攻撃を仕掛けてきた少年を注視する。
「・・・・・・やるんだな」
問答無用の攻撃に、会話の余地はないと踏んだのか、織田は両拳を胸の前に構えて、臨戦体勢をとった。
ーーなにこれ・・・・・・?
全く状況がつかめない。
「ーーふん!」
すると今度は、織田から仕掛けていくのが目に入った。
右手、左手の突き、そして前に突き出す蹴り技。
どの攻撃も、無駄のないように見える素早いものだった。
ーー強い。
あの派手なパーカーの第一印象で、そういうイメージは全くなかったが、この少年は意外にも実力のあるメンバーなのかもしれない。そういえば、志田に留守を直接任命されたのも、この少年であった。
・・・・・・でも。
織田の攻撃はどれも、少年にかわされてしまっていた。
0053ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/27(月) 13:42:50.50ID:X7KyZ7D+d
戦闘シーンは不協和音をBGMにして、シーンを想像して頂けると、お楽しみ頂けるのではないかと思います。
ドラマでは山場で主題歌が流れるでしょ。あの感じです。
0054名無しって、書けない?(catv?)
垢版 |
2017/03/27(月) 17:56:03.75ID:sgSiS1Wm0
知的であるかどうかは、五つの態度でわかる。
https://t.co/L9NDQ9Y06X
0055ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/27(月) 19:32:25.61ID:mYHcoPaWd
欅坂×不良学園小説

「ふん!ーーっぐ!」
自身の攻撃の合間合間で、少年の小さく鋭い攻撃が、度々織田にヒットしているのが見えた。
一方で、織田はまだ一度も有効打を少年に与えられていない。
「このおっ!」
熱くなったのか、織田が気合いの声をあげて、振りかぶった動きに乗せた、右の突きを繰り出す。
しかし、それはーー敵を仕留めようと昂ったためかーー私の目でもわかるぐらい、大きな動作の攻撃ーー隙のある大技だった。
「う”っ」
少年は、半身を外に開き、体を斜めにしながら前に滑り込むような動きで、織田の拳をかわすと同時に自身の右の突きを織田の体に突き刺していた。
「ぅ・・・・・・」
攻撃が深く入ったのか、織田がその場に倒れた。
苦痛に悶えるように、体を丸めている。
「・・・・・・」
助けにいかなければ・・・・・・でも・・・・・・。
体が動かない。
ーー誰か。
他に仲間のメンバーはいないのだろうか。回りを見渡すも、ここにはもう他に誰もいなかった。
「あっ」
少年は、初めて会ったとき、倒した男たちにそうしていたように、しばらく床に倒れた織田を首をかくんと折って見下ろしていたが、織田が立ち上がれないことを認めたのか、顔をあげて、こちらの方を向いた。
鬱蒼とした長めの前髪が乱れて、その目元に被っている。
しかし、その隙間から黒く光る眼が覗いて見えた。
ーー!
初めて会ったときのように、私はその眼光に動けなくなった。
少年はこちらに体を向け、歩き出した。
ーー近づいてくる・・・・・・。
0056ハコオシ(茸)
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2017/03/27(月) 19:40:33.09ID:mYHcoPaWd
欅坂×不良学園小説

逃げなければ・・・・・・でも足が動かない。
・・・・・。
そうしている間に、少年は目の前までやって来た。
手を伸ばせば届く距離に少年は立っている。
その眼が私を見ているのが、はっきりとわかった。
「・・・・・・」
「ねえ」
怖いはずなのに、口が勝手に喋りはじめていた。
「私たち、一回会ったことあるよね?ほら、前、街で。キミ、あの時の子だよね?」
少年は何も言わず、それどころか無表情のまま、私を見ている。
「覚えてない?ほら、えっと、なんていうか、私が変な人たちに追われているとき」
自分でも変な内容の話を変に明るいトーンで話しているのがわかった。
「あのときーー」
「来い」
「えっ?」
少年が今なにかポツリと言った。
「今なんてーー」
私が聞き返そうとしたときだった。

「ーーおおっ」
「っ!」
視界の左前から、ピンクの残影が見えたかと思うと、突然目の前にいた少年が、右のほうへ倒れていった。
どさっ、と音を立てて、二つの影が地面に倒れる。
見ると、織田が少年に対して、タックルを当てたのだった。
織田は辛そうな表情を浮かべながら起き上がった。
少年も立ち上がる。その表情から判断するに、ダメージを受けた様子はない。
むしろ、つまらないものを見るような目を織田に向けていた。
「志田さんに・・・・・・留守任されてんだ・・・・・・このまま・・・・・・やられるかよ・・・・・・」
立ち上がった織田が絶え絶えの呼吸で、そう発した。
しかし、その眼は虚ろで、意識が朦朧になっているように見える。
「あっ!」
少年が織田に向かっていった。
そして、一足前に踏み出すと、
脚を横から、織田の頭に向けて蹴りあげた。
ーー!
思わず私は目を瞑ってしまった。
恐る恐る目を開けると、まだ、織田はそこに立っていた。
顔の横にあげた左手で、少年の蹴りを、寸前のところで防いでいたのだ。
「ーーだあっ!」
織田は、手のひらを外に返すと、その平手の足首をつかみ、投げ捨てるように、大きく平手の脚を外に払った。
一瞬、平手の体勢が崩れる。
「お”おっ」
その一瞬のうちに、織田はばっと両手を前に構えると、再び平手に打ちかかっていった。
「ふん!ふっ、ふっ!だあっ!」
絞り出すような気炎をあげて、織田が連撃を繰り出した。
その左右の拳は、立て続けに平手の顔面をとらえた。
0057名無しって、書けない?(風の楽園)
垢版 |
2017/03/28(火) 14:37:53.03ID:fH5VnM4h0
なかなか上手いから会社員にならずとも
小説家になったらいいのではw
少なくともライトノベルぐらいは書けそう

(と無茶苦茶無責任なことを言ってみるwww)
0058ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/29(水) 00:19:15.24ID:ZuvoFnkzd
欅坂×不良学園小説

「っ!」
少年は後ろによろめいた。
しかし、後ろに踏み出した足で踏ん張り、倒れるまでには至らない。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」
渾身の攻撃だったのか、織田の攻撃はその四発で終わっていた。
両手を構えたまま、苦痛がにじんでいる険しい表情で少年の様子を伺っている。
顔面を殴られて、横に顔を向ける状態になった少年は、ゆっくりと首をこちらに回してきた。
ーー!
横目で睨むその眼は、より一層凶悪さが増して見えた。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」
織田は構えを崩すことなく立っているが、自分からは仕掛けない。相当、疲労とダメージが蓄積しているように見える。
スッ・・・・・・。
少年が体勢を整えた。軽く開いた両手を胸の前に上げる。
少年と織田が、再び対峙した。
・・・・・・。
しん、とした静かな時間ーー長いのか短いのかわからない緊迫した時間が流れる。
「っ!」
息を吐く音が微かに聞こえたのと同時に、織田が少年に向かって一足で飛び込んでいった。
織田の腕が少年に向かってまっすぐ伸びていく。
そしてその拳が、そのまま少年に届・・・・・・
ーー!
その瞬間、少年はわずかに斜めに踏み出し、織田の拳の線から身を外すと、左手を織田の左脇の下から差し込んで、右の肩口へと巻き付けるように掛けた。さらに左足を織田の足の後ろに回して引っ掛ける。
そして、掛けた足を支点にして、なぎ倒すような動きで、織田を地面に叩きつけた。
「ーーかはっ」
どすん、と鈍い音がした。
「・・・・・・」
床に背中から叩きつけられた織田は動かない。
「ーー大丈夫!!」
危険な予感がした。これはもう不良少年同士の喧嘩の次元じゃない。
織田の命の危険を感じて、私は織田のもとに駆け寄った。
すぐそばに少年が立っていることも忘れて、織田の顔を覗きこむ。
0059ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/29(水) 00:25:03.80ID:ZuvoFnkzd
57さん
ありがとー!ホントにありがとうございます。
一言リアクションを頂けるだけでモチベーションになりますね。
副業作家になるのが夢です。
なんとか書き続けたい。終わり方は見えてるけど
・・・。
メンバー全員の総力戦になるまで・・・。
0060名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2017/03/29(水) 00:26:46.71ID:ug/9S5lS0
更新待ってた!なかなか面白い!
0061ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/29(水) 00:30:54.51ID:ZuvoFnkzd
60
ありがとうございます。
でも明日は用事があって・・・
今日はもう更新できません。
明日の、またこれぐらいの時間でしょうか・・・
0062名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/03/29(水) 07:58:48.63ID:NeycbRR00
待ってます
0063名無しって、書けない?(新疆ウイグル自治区)
垢版 |
2017/03/29(水) 13:44:23.98ID:ecbu4XVZ0NIKU
「なんで働かないといけないんですか?」と聞いた学生への、とある経営者の回答。
http://rfdyy.tribit-field.jp/1703.html
0065ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/29(水) 22:55:27.94ID:ZuvoFnkzdNIKU
欅坂×不良学園小説

「大丈夫!?」
織田の顔を覗き込むと、そこに苦悶の表情はなく、顔の筋肉は弛緩していて、まるで眠っているかのようであった。
・・・・・・死んじゃって・・・・・・。
一瞬、そう思ってしまったが、織田の胸が微かに上下していた。
呼吸は止まっていない。
織田は相当なダメージを受けたはずだが、それにもかかわらず、気を失っているだけだった。
「どうして!どうしてこんなことするの!」
私は顔を上げ、こちらを見下ろしている少年に対して言った。
この少年はいったい誰なのか。
なぜこんなことをするのか。
以前、初めて会ったとき、私を助けてくれたこともいまだ不可解だったこともあって、私はこの少年のことーー誰なのかも、行動の理由も、全くわからなかった。
「・・・・・・」
少年は何も言わないでこっちを見ているだけだ。その顔にはこれといった感情は認められない。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
私は、目をそらさずに、少年を睨む。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・げよう」
ーーえっ?
いま、少年がポツリと何か言った。
「・・・・・・なに?」
「逃げよう」
その言葉の意味がよくわからなかった。
『逃げよう』ーーいきなり自分たちを襲撃してきた者が、何を言っているのだろうか。
「はやく・・・・・・ここから」
少年は、抑揚のない調子でそう口にした。
ーー逃げる。
次第に私の中で、慌てて、揺れて、浮き足立っていた気持ちが、すっと胸の奥に足をつけた気がした。
ーーそうだ。私はこんなところでなにをやっているのだろう。
訳がわからないまま、こんなところに行かなければならないようになって、こんな訳のわからない事態に面して。
こんなところから、はやく立ち去ってしまえばいいのに。
「逃げよう」
少年が再び言った。
・・・・・・でもなんで?
少年はーー誰とも知らないこの少年は、私にこんなことを言うのだろう?
というか、私を助けに来てくれたのだろうか?でもなんで?
私と少年は、見知らぬ間柄なのに。
しかも、少年は、以前も私を助けてくれていた。
「行こう」
そう言って少年は、手を伸ばして、私の腕を掴んだ。
「あっ」
そのまま地面に膝をつけていた私を引き起こして、腕を引いて出口の方へ走り出す。
ここにいる理由などないことを思い出した私は、そうではあるけれども、わずかばかりではあるが知り合ってしまった織田や、
他の不良集団の人を、倒れたまま置いていってしまうことに、後ろ髪を引かれる思いがした。
「ま、待って」
とっさに、そう発した。私の手を引く少年がこちらを振りかえる。
0066ハコオシ(茸)
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2017/03/29(水) 23:12:33.82ID:ZuvoFnkzdNIKU
欅坂×不良学園小説

「待って・・・・・・鞄が」
私は、とっさに口にした。
「鞄、取ってきていい・・・・・・?」
そう少年に訊ねると、少年は微かに頷いて、私を掴んでいた手を放した。
少年の手から離れた私は、方向転換してフロアの片隅に置いていた鞄を取りに言った。
確かに、ここに持ってきていた鞄を忘れず持っていかなければならないというのはあるが、とっさにそう口にしたのは、忘れ物をしないがためではなく、少年の手から離れる口実がほしかったからだ。
・・・・・・。
鞄を取りにいく、この短い間に私は考えた。
本当に少年についていくか・・・・・・。それとも、このまま、少年から離れて、この場に残るか。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・やっぱり、逃げよう。
やはり、私には関わりのないことだ。私はこの変な状況に巻き込まれただけだ。
いきなり、『捧げ物』だとかいう訳のわからないものに選ばれて、無理矢理こんなところに連れてこられて。
ーー彼らに肩入れする必要はない。
確かに、倒れている織田たちのことは気になるけれど、自分からここに残る必要はない。

そう自分の気持ちを確かめ直して、私は置いていた鞄をーーでもなんでこの少年は私を助けてくれるのだろうと繰り返し疑問に思いながらーー持ち上げ、少年の方を振り返った。
ーーえっ。
私が振り返った少年のその先に、別のもう一人の姿があった。
 
0067ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/29(水) 23:41:50.50ID:ZuvoFnkzdNIKU
欅坂×不良学園小説

数多くの店が並び、多くの人が行き交う街の表通りから脇道に
入って、深く進んだところにある裏通りは、小綺麗に整備された表通りとは対照的に、道路には猫かカラスに荒らされたごみが散らばり、壁にはスプレーで落書きがされ、人通りはほとんどない。
その裏通りを、西のアジトにむかって進む。
もうアジトは間近だ。
「志田さん!あそこ!」
隣を走る齊藤が斜め前方を指差した。
見ると路地の物陰に、
その斜向かいには、西のアジトがあるビルがある。
やつらも俺たちに気がついたのか、俺たちにむかって手を振ってきた。
「先に着いていたのか」
物陰に姿を潜めていたほかのメンバー、原田葵たちの班のもとに駆け寄る。
俺たちは最短距離を進んでいたが、途中、加藤から連絡があり、そのため少しの間、足止めを食らった。
しかも、リサオがなにやらアジトに引き返したらしい。
「ほかの奴等はまだか」
俺は辺りを見回した。
だが、他のルートを進んだ奴等はまだ姿を表さない。
「ちっ」
舌打ちがでる。他の奴等から、守屋たちと遭遇したという報告が来ないということは、守屋がまだ西のアジトにいるーー俺たちを待ち受けている可能性が高いということだ。
西のアジトを任せた連中たちが気にかかる。
”軍曹”守屋は、冷酷非道で名が通っている。
ーーこうしている間にも・・・・・・。
「先にいく。お前たちは、他のやつらが来たら乗り込め」
俺はいまここにいる他のメンバーにそう指示した。
そうして、西のアジトがあるビルに足を踏み出したとき、
「?」
左腕を引っ張られるのを感じた。
振りかえると、原田が俺の左袖を引っ張っていた。
「なんだ?」俺が問うと、
「だめ」
原田はふるふると首を振って言った。
「ただでさえ守屋は待ち伏せしているかもしれないのに、一人でいっちゃだめ。戦力の小出しはもっとだめ」
原田は俺の目をまじまじと見つめていった。
原田はグループで一番年少だったが、そのわりに頭がよかった。
ーーたしかに、その通りだ。
歯がゆいが、他の奴等を待つのが正しい判断だ。
「ちっ」
それでもやはり、舌打ちのひとつもしないと、この苛立った感情をなだめられなかった
0068名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/03/30(木) 01:28:29.29ID:rc1CgGxi0
みてます
0069名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/03/30(木) 06:45:46.26ID:hbSRUoc1d
68さん
ありがとうございます。
ただ今夜は更新できるかわかりません。
出来る限り時間をつくりたいですが、ご了承願います。
0070名無しって、書けない?(神奈川県)
垢版 |
2017/03/30(木) 15:26:14.95ID:YvPeerZf0
「なんで働かないといけないんですか?」と聞いた学生への、とある経営者の回答。
http://gastt.eitaro.jp/1703.html
0071名無しって、書けない?(和歌山県)
垢版 |
2017/03/30(木) 18:56:46.42ID:AmsO8ooH0
「なんで働かないといけないんですか?」と聞いた学生への、とある経営者の回答。
http://goll.alinko.jp/1703.html
0072ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/30(木) 23:06:43.50ID:Dk71pqVId
欅坂×不良学園小説

私たちの前に立っていたのは、渡邉だった。
「これはどういうつもり?」
渡邉は、柔らかな微笑を浮かべていった。
だが、その眼は据わっているのが見えた。
「平手、どうしてこんなことを?」
口調こそ穏やかだか、威圧感というのだろうか、今の渡邉は私には怖く感じられた。
「・・・・・・」
少年は、例によって何も答えない。
「そう。まあいいや」
渡邉はフフッと笑ってそう納得したように言うと、こちらに向かって、すたすたと歩みだした。
ーー!
しかし、みるみるその歩速は速くなって、あっという間に加速したかと思うと、かなりのスピードで少年に向かって突進してきた。
ーー速い!
渡邉は少年の手前で飛び上がった。
すると、駆け上がるような動きで、両足によるに連続の蹴り上げの攻撃を放った。
少年は、両手でそれを押さえ込むように防ぐ。
ドドッ。
二連続の打撃音が鳴る。
渡邉の攻撃を防いだ少年は、
渡邉が宙に浮いたその一瞬のうちに斜め後方に下がると、拳を脇下に引き付け、渡邉に対して反撃の体勢をとった。
少年が蹴り技から着地したばかりの渡邉を狙って一足跳びで飛び込む。
ーードッ。
鈍い音のあと、どさっという音を立てて、少年が後ろに突き飛ばされたように倒れた。
着地するや否や突きだした渡邉の横蹴りが、少年の腹部に食い込んだのだ。
「うっ・・・・・・」
少年が、苦痛の声を出したのが聞こえた。
倒れた少年の前に立つ渡邉は、少年を見下ろして言った。
「それなら、全部吐いてもらうから。」
0073ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/03/30(木) 23:32:00.32ID:Dk71pqVId
欅坂×不良学園小説

「いくぞ」
やっと、他のやつらが別ルートから合流してきた。
「あれ、渡邉さんは・・・・・・」
メンバーの一人が、ここにいる奴等の顔ぶれを見渡し、気がついて言った。
「リサオはいない。なにか考えがあるらしく、アジトに引き返した。俺たちだけで守屋とやるんだ」
俺は、他のやつらが動揺する暇を与えぬように、手短に言った。
だが正直いって、渡邉がーー理由があってのことだとしてもーー今ここにいないのは片腕が欠けているも同然の痛手だった。
情報によると守屋たちは全員そろっているらしい。
ということは、あの守屋だけでなく、”狂犬”小林をはじめとする他の敵もいるということだ。
守屋は俺が相手をするとして、渡邉には小林に当たってほしかった。
ここにいる他のメンバーで、敵のNo.2に対抗できる奴は・・・・・・。
ーー苦しい戦いになる。
最悪、このアジトを放棄し、仲間を助けて撤退することも考えなければならない・・・・・・。
「ちっ」
思わず舌打ちをしてしまった。原田が「マナキ?」と少し、不安そうな顔で見上げてきた。
リーダーが、不安を滲ませてはならない。
俺はメンバーに顔を向けた。
いまそのことを気にしても仕方がない。ただ、死力を尽くすのみだ。
「いくぞ」
俺たちはは守屋たちを討つべく、西のアジトへ進入した。
0074名無しって、書けない?(地震なし)
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2017/03/31(金) 04:14:08.04ID:1c3g15xT0
あげとくか
0075ハコオシ(茸)
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2017/03/31(金) 21:35:37.67ID:vkO0p9jId
欅坂×不良学園小説

西のアジトはーーほかのところも似たようなものだがーー使われなくなった三階建ての建物を勝手に占拠して作ったものだ。
俺は建物の廊下ーーメインフロアへの入り口であるドアの前で、後ろに並ぶメンバーを振り返った。
「いくぞ」
小さな声メンバーに合図して、メインフロアへのドアを蹴って開け、仲間とともに、一気に中に突入する。
メインフロアは、元は会社のオフィスだったのか、天井からは何かのコードが垂れ下がり、いまも事務用の机やロッカーがーー斜めを向いて置かれたり、倒れていたりと、乱れた状態でーーいくつか残っている。
そのため、身を隠せる物陰はあった。
守屋たちが、俺たちを包囲する形で待ち伏せている可能性があるとみた俺たちはーー正確には、原田の助言かあってのことたがーードアをくぐったあと、素早く円形に展開して、周囲を警戒した。
・・・・・・守屋たちは?
辺りを見渡すも、守屋たちの姿が見えない。
違和感を感じながら、円陣を崩さないままじりじりと奥に進むと、
フロアの奥の壁際に、西のアジトを任せたほかのメンバーたちが倒れているのが目に入った。
「大丈夫か!?」
周囲を十分に警戒しながら、そいつらのところに駆け寄る。
みんな気を失っているようだ。
西のアジトのメンバーの一人の体に腕を回して起こすと、
今気がついたのか、「うっ」という呻き声を上げて、そいつは顔を歪めた。
「・・・・・・志田さん・・・・・・」
そのメンバーが弱々しい声で言った。
「何があった?」
そいつの、切れて血がにじんだ唇や、顔の腫れを見るに、襲撃を受けたことは間違いない。
しかし、この場に守屋たちの姿は無かった。
ーーやはり、あっちのアジトに?
リサオのいう通り、守屋たちは俺たちを西のアジトに誘きだし、その隙に、俺たちが普段本拠とするあちらのアジトに向かったのだろうか?
ーーだが、ここに向かう途中、守屋たちはいなかった。
もちろん、俺たちがたどらなかった別の道を通って守屋たちがあちらのアジトに向かった可能性はある。
ーーなにかおかしい。
守屋は本当にここに来たのだろうか?
この違和感のある状況を見て、ちらりと別の考えが頭をよぎったとき、携帯が鳴った。
0076名無しって、書けない?(チベット自治区)
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2017/04/01(土) 00:14:23.35ID:JC8Nx+jo0USO
てちがやったのかな?
Evaluation: Average.
0077ハコオシ(茸)
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2017/04/01(土) 07:16:51.69ID:G8Eezy1VdUSO
76さん
言わないで…
0078名無しって、書けない?(チベット自治区)
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2017/04/01(土) 08:14:18.12ID:JC8Nx+jo0USO
>>77
あっごめん…
0079名無しって、書けない?(庭)
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2017/04/01(土) 11:10:18.37ID:0JWNbkvkaUSO
わろたwww
頑張ってねー
0080ハコオシ(茸)
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2017/04/01(土) 23:40:32.31ID:J4XuhGHId
欅坂×不良学園小説

静かな、だが、ただならぬ威圧感を放つ渡邉に、私は息を呑んだ。
だが少年は、構わず渡邉に立ち向かっていった。
少年が渡邉との間合いを詰めて、左右の拳の連続攻撃を仕掛けた。
シュッシュッ、シュッ。
布擦れの音が聞こえる。
だが、少年はコンパクトな動きで渡邉に拳を繰り出すも、渡邉はそれを左右に身を翻し、華麗に避ける。

だが、そのうちの一つが渡邉の頬を打った。
ーー当たった!
その衝撃のためか、渡邉の動きが一瞬硬直する。
好機とばかりに、少年が大きく一歩踏み出し、右の拳を突きだした。

その瞬間、渡邉の顔ににやりと笑みが浮かんだのが見えた気がした。
「!」
攻撃されたのは少年だった。
まるで居合い抜きのような動きで渡邉は、斜めにステップを踏み出すと、少年の攻撃の線から体を外し、
膝から下を鋭く振った、小さい弧を描くコンパクトな回し蹴りを、右拳を突きだしたがためにがら空きになった、少年の腹部に食い込ませたのだ。
少年が二三歩、その場によろめいた。小さくないダメージを受けたようだった。
ーー強い。
私は、志田と対等な口ぶりでしゃべっていた理由がわかった。
この少年は、かなりの強い。
0081ハコオシ(茸)
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2017/04/01(土) 23:41:10.74ID:J4XuhGHId
欅坂×不良学園小説

「あ、そうだ」
突然、何かを思い出したような口ぶりで、渡邉が、服のポケットに手を入れた。
取り出したのは携帯電話だった。
そして、なにやら指を動かした。
ーー連絡をとるつもりだろうか?
すると、
少年も、渡邉の意図を察したのか、渡邉に攻撃を仕掛けていった。
渡邉が携帯を操作するのを妨害しようとしているようだった。
「マナキ・・・・・・平手だ・・・・・・戻ってきてきてくれ」
渡邉は少年の攻撃をかわしながら、携帯に向かって言った。
攻撃をかわしながらだからか、その口調は途切れ途切れとなっていたが、おそらく、相手ーー志田のようだーーには通じているだろう。
それに焦ったかのように、少年が渡邉にむけて、拳を脇のあたりに引き付けた。
だが、少年が攻撃してくるのを認めた渡邉はーー少年が躍起になって仕掛けてくるのを誘っていたかのようにーー逆に少年に向かって一歩踏み出していった。
少年が攻撃するより早く、曲げた右脚を腰の回転にのせて伸ばし、少年の側面を狙う。
渡邉の回し蹴りによって迎撃される展開となった少年は、それを防ぐべく、素早く左手を立てるように体に引き付け、渡邉の攻撃を防御しようとした。
バシッ!
なにかを強く叩く音がフロアに反響した。
ガードのために立てた少年の左腕が、渡邉の回し蹴りの勢いに負け、渡邉のしなった脚が、少年の少年の肩をしたたかに打ったのだ。
少年が痛みに顔をくしゃっと歪ませるのが見えた。
さらに渡邉は、回し蹴りをした右脚を、そのままたたむように体に引き付けて、そこから横蹴りを放った。
ーーガッ!
少年は両手でそれを受けるも、その強さに負けて、後ろによろめいてしまう。
しかし、渡邉の動きはまだ止まらなかった。
渡邉は蹴りから戻した脚を、地面に着けて、軸足を入れ換える。そして、体をひねって一瞬少年に背を向けると、振り向きざまに左脚による後ろ回し蹴りを繰り出した。
「っ!」
少年はすんでのところで左腕を立て、円の軌道を描いて襲ってくる
渡邉の回し蹴りを防ぐも、もぎ取られるようにそのガードを崩されてしまった。
ドッ。
体の回転をきれいに正面で収めた渡邉は正面にいる少年に、一足踏み込んで、右腕の突きを少年の体に打ち込んだ。
0082ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/01(土) 23:44:05.22ID:J4XuhGHId
79さん ありがとうございます。
ところで、W-KEYAKIZAKAの詩のMVを見ました。
あんなに切なくて美しい映像を見たら泣いてしまいます。感動しました。

欅坂×不良学園小説

「う”っ」
苦しそうな声を吐いて、少年が片ひざを床についた。
「平手って、こんなものだったっけ?」
渡邉が拍子抜けしたかのように、首を傾げていった。
その顔にいつもの微笑はなく、いままで見たことのない冷たい眼で、渡邉は少年を見下ろしていた。
「そろそろ、話してもらおうかな」
渡邉はそう言って、一歩一歩、少年に近づいていく。
その顔には不気味な微笑みが浮かんでいる。

少年はまだ立ち上がらない。
そのとき、
「・・・・・・逃げろ」
少年が、膝をついたまま、顔だけをこちらに向けて言った。
ーーえっ?
とっさの言葉に、私は戸惑ってしまった。
「逃げろ!!」
さっきよりももっと大きな声で、少年は叫んだ。
ーー逃げろ。
私はその言葉に打たれて、ばっと駆け出した。
少年の叫びに突き動かされたように、体が半ば勝手に動いていた。
あっ、という顔で渡邉が私に顔を向けたのが、出口をまっすぐ見ていた私の視界の端に映った。
その表情に、一瞬、逃げることへの後ろめたさが胸を浮かんだが、渡邉の顔は、立ちふさがるように私と渡邉の間に割って立った
少年の体に遮られて、見えなくなった。
0083名無しって、書けない?(庭)
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2017/04/01(土) 23:58:54.89ID:0JWNbkvka
>>82
よねさんとねるのシーン泣けたわあ
0084ハコオシ(茸)
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2017/04/03(月) 21:48:46.58ID:Div2Xmsmd
欅坂×不良学園小説

アジトに駆けつけてみると、建物の付近で一人、さらに一階の入り口でもう一人、メンバーが倒れていた。
予感が確信へと変わりつつあるなか、階段を上り二階に入ると、平手が佑唯を連れていこうとしているところであった。
なぜ平手がそんなことをするのか、理由はわからないが、みすみす逃す訳にはいかない。
しかし、平手を追い詰めたところで、思わぬ展開になった。
「逃げろ!」
いきなり平手が後ろを向いて叫んだかと思うと、今泉佑唯が出口に向かって走り出したのだ。
ーーさせるか。
だが、彼女の行く手を塞ごうとするも、平手が間に割ってはいってきた。
「邪魔だ!」
モーションの小さい左回し蹴りで平手の側頭部を狙う。
だが、攻撃を焦ったためか、それは平手にガードされ、逆にカウンターの拳をもらってしまった。
「くっ」
しかし、この程度、大したダメージではない。
体勢を立て直し、まずは平手を片付けようと、目の前の的に焦点を合わせるも、
「!」
平手は、わずかに身を沈めたかと思うとーー攻撃の予兆を悟らせない足の運びでーー瞬間的に間合いを詰め、目の前に肉薄していた。
ーー速い!
平手が左右の拳と脚による連続攻撃を仕掛けてくる。
それなりにダメージを与えたつもりだったが、平手の動きは思った以上に速かった。
ーーくそっ。
思わぬ平手の猛攻に守勢に立たされる。
繰り出される連続の攻撃を、かわし、さばいている間に、佑唯は横を通りすぎて後ろに抜けていき、すぐに階段を駆け下りる音が耳に入った。
ーー逃げられた!
0085ハコオシ(茸)
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2017/04/03(月) 22:58:05.03ID:Div2Xmsmd
欅坂×不良学園小説

佑唯に逃げられた以上、平手まで逃す訳にはいかない。
僕は佑唯のことは置いて、平手に集中した。
突きだされる平手の拳を手で払い、体をひねってかわす。
ーーこいつを捕まえる。
捕まえてすべて吐かせる。
だが、それはそんなに難しいことには思えなかった。
佑唯が逃げる際に見せた平手の猛攻も今は、攻撃と攻撃の間に、空白が見られるようになってきている。
その隙に拳を打ち込んでやると、それらは容易く平手の体に命中した。
体力が切れているのは瞭然だ。
それにダメージも蓄積しているのだろう。
バッ。
平手は一旦攻撃を止めて後ろに跳びずさる
「ハァハァ」
後ろに下がり距離をとった平手は、鋭い眼でこちらの動きを注視しているが、肩で息をしており、構えも少し崩れ、隙を覗かせている。
それにしても、と内心可笑しくなる。
平手は何でまたこんなことをするのだろう。
仮に何か理由ーー佑唯と知り合いなのだろうか、それで『捧げもの』になった彼女を助けにきたのだろうか―ーがあるとして、今、平手がやっていることに意味があるとは思えない。
佑唯には一時的に逃げられたが、
また学校から連れてくればいいのだから。
むしろ、取り残された平手のほうが悲惨だ。
もうすぐ仲間たちが戻ってくる。そうなればこいつは袋の鼠だ。
こんなことをした理由はもちろんはなしてもらうがそれだけでは済まない。
きっとマナキはこの玩具を喜んでくれるだろう。
ーー落とし前をつけてもらうよ。
止めを刺そうと、再び平手との間を計り、攻撃の機を探る。

だがその時だった。
構えをとって正対していた平手が、急に背を向けて走り出した。
ーーなんだ?
平手の意図が読めず、その動向を目で追う。
平手の行く先は、このフロアの窓であった。
ーーしまった!
平手が何をするつもりなのか、何もしないで見ていたのが間違いだった。急いで平手の後を追う。
しかし、こちらが駆け出したときにはすでに、平手は窓の縁に片足を掛けていた。
その後ろ襟を掴んで、こちらに引き下ろそうと手を伸ばす。だが、平手は、こちらの手が届く前に、窓の外に身を踊らせていた。
0086ハコオシ(茸)
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2017/04/03(月) 22:58:54.79ID:Div2Xmsmd
欅坂×不良学園小説

「くそっ」
窓から身を乗りだし、下を覗き込む。
二階から飛び降りた平手は、うまく着地して走り出していた。
その先には、先ほどこの建物から出ていった今泉佑唯が立っている。
平手は、驚いた顔をしている佑唯の手を取ると、そのまま彼女をつれて、走り出した。
ーーあいつ!
追いかけなければ。だが、階段を降りて外に出てからでは、その間に平手たちを見失ってしまう。
それなら、と平手がしたように窓から飛び降りるべく、窓から下までの距離を目測する。
ーー高い。
二階とはいえ、それなりの高さがあった。簡単に飛べる高さではない。
そうして躊躇っているうちに、平手たちはどんどん路地の先に進んでいき、角を曲がり、姿を消してしまった。
ーーしまった。
油断していた。
まさか、飛び降りるなんて。

だが、後悔しても後の祭りだった。
0087名無しって、書けない?(チベット自治区)
垢版 |
2017/04/03(月) 23:06:22.21ID:XxNSrH0Q0
一日の終わりの楽しみになってますw 応援してます^ ^
0088ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/04(火) 05:46:21.55ID:oNblGbPxd0404
87さん
本当にありがとうございます。
途中で投げ出さないように頑張ります。
0089ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/04(火) 23:38:39.30ID:oNblGbPxd
欅坂×不良学園小説

少年に言われたまま、不良少年らのアジトから逃げ出したものの、建物の外に出たところで、私はどうしてよいかわからなくなった。
ーーあの子は・・・・・・!?
建物から少し離れたところに立って、今出てきたばかりの出口を振り返るも、先ほどの少年が出てきそうな気配がない。
どうしよう・・・・・・。
理由はわからないが、自分のことを助けてくれた人を置いて一人だけ逃げることはできない。
まだ、少年は出てこない。
・・・・・・彼はどうなったのだろう?
渡邉とまだ闘っているのだろうか?渡邉は彼をどうするつもりだろう・・・・・・?
落ち着かなくて、あてもなく視線をあちこちに向けていると、視界の上のほうーー建物の窓に動く影が見えた。
ーーえっ?
窓に脚を掛けて身を乗り出していたのは、あの少年であった。
そしてあろうことか、彼は窓からその身を投げた。
「きゃっ!」
少年が飛び降りたその瞬間を目撃して、私は思わず悲鳴を上げた。
だが、私の予想に反し、少年は見事に着地すると、そのままこちらに向かって駆け出してきた。
「大丈ーーえっ!」
少年にかけようとした言葉を言い切る前に、少年は私の手を掴んで、私を引っ張った。
「ちょっと!待って!」
私を早くこの場から離れさせようとしているのであろうか、少年は強い力で引っ張っていく。掴まれている手首が痛かった。
少年は裏の路地のほうに向かっているようだ。
ーーいったいどこに?
なすすべなく、私は少年に引かれるがまま、志田たちのアジトから離れていった。
0090ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/05(水) 00:41:33.85ID:q8UrUsHQd
欅坂×不良学園小説

少年に連れていかれるまま進んだのは、私が今まで行ったことのない、街の裏路地であった。
路地の両側は、通りに並ぶ建物の裏側か側面なのか、壁面にパイプが走り、排気口が空気を吐き出し、室外機がぬるい風を吹き付けている。
地面には、ごみがところどころ落ちていて、スペースがあったのだろうか、なにもないコンクリートの壁にはスプレーで落書きがしてあった。
ーーこんなところ、あったんだ。
足を動かしながら、知らなかった街の裏側の風景に、驚きとかすかな不気味さを覚えた。
・・・・・・でも、どこにいくのだろう?
少年にーーたぶんーー助けられたものの、逃げ込んだこのあたりは私の知らないところだ。
一応、志田たちのところからは逃げられたが、かといってこのまま見知らぬところを進んでいっては、私は一人では帰ることができない。
「あのっ!ねえ!」
前を走る少年に呼び掛けてみるも、少年は見向きもせず、私の手を引いて走り続ける。
そして、裏路地のさらに深くまで、しばらく走り続けたときだった。
・・・・・・あれ?
さっきより、少年の走るスピードが遅くなってきている気がした。
正直、手を引かれなくても、このぐらいの速さなら自分の足で走れる。
・・・・・・やっぱり。
少年の走るスピードはみるみる落ちていった。
私が急いで走ったら、私のほうが速いくらいのスピードだ。
そして、もはや、ジョギングのような速さにまで、走る速度が落ちたときだった。
不意に、私を引っ張っていた少年の手が、私の腕を放した。
どうしたのだろうと思いながら、私は足を止めた。
少年も二、三歩、慣性のまま動いて、私の少し前で足を止める。
「あの・・・・・・」
もう、ここまで逃げれば十分、ということだろうか?
私は少年に声をかけた。
少年にはーーもちろんお礼も言わなければならないがーーいろいろ訊いてみたいことがある。
「あの君って・・・・・・」
もう一度、後ろから声をかける。
だが、少年は前を向いたままだ。
0091ハコオシ(茸)
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2017/04/05(水) 00:42:29.28ID:q8UrUsHQd
欅坂×不良学園小説


「・・・・・・どうしたの?」
なにかおかしいと思って、少年の前に回る。
見ると、元より白かった気がする少年の顔が、青白く見えるほど血の気を失っていた。
「だ、大丈夫!?」
少年の異常を直感させる顔色の悪さに、私は驚愕した。
目も生気が抜けたようで、焦点が定まっていない。
足取りも、斜めに足が出たかと思ったら、転倒しまいとしているのか、今度は反対側に足が出て、見るからにふらふらしている状態だ。
「そんな・・・・・・えっ?」
さっきまで驚くほど動いていたのに、この少年の姿の変わりように戸惑いを禁じ得ない。
「しっかりして!」
少年は今にも倒れてしまいそうだったので、私は彼のそばに寄り、両肩それぞれに手を添えた。
「あっ」
すると、本当に少年は、体から力が抜けたように。カクンと膝を折ってその場に崩れ落ちてしまった。
倒れた少年が地面にぶつからないように、とっさにその体を支えようと腕に力をいれたが、これが男の子の体の重さなのだろうか、堪えきれず、私も体勢を崩してしまった。
少年が頭を地面にぶつけないように、なんとか少年を胸に抱き止める。
それから、力を入れて、少年を腕に抱くように、少年の体の横に自分の体をずらす。
そうして、少年の顔を覗き込んだ。
「ねえ、しっかりして」
呼び掛けたものの、少年は反応しない。
もう一度呼び掛ける。
「ねえ、大丈夫!?」
すると、少年の瞼がぴくりと動き、ゆっくりと開いた。
ーー気がついた!
少年の半開きの瞼のなかで、瞳がかすかに揺らぐ。
すると揺れていた瞳が動きを止めて、私の顔を映した。
「・・・・・・さん」
「えっ?」
少年の唇がわずかに動き、かすかに何か聞こえた気がした。
「なに?」
少年の口に耳を近づける。そうしてもう一度少年がなにか言うのを待った。
「・・・・・・姉さん」
少年の弱った呼気とともに聞こえてきたのは、確かに「姉さん」という言葉だった。
0092名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/04/05(水) 10:00:12.90ID:e/hlSsDWa
姉さんって誰!?

毎日楽しみに待ってますんでマイペースで頑張ってください
0093ハコオシ(茸)
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2017/04/05(水) 12:58:13.43ID:q8UrUsHQd
92さん
ありがとうございます。
気が向いたら、だとやらなくなってしまうので、むしろ強制的だという意識をもって書きます!
0094ハコオシ(茸)
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2017/04/05(水) 22:28:49.48ID:q8UrUsHQd
欅坂×不良学園小説

気を失ってしまった少年は、何度声を掛けても一向に目を覚まさなかった。
ーーどうしよう・・・・・・。
周囲をを見回すも辺りに人気はなく、助けを呼ぶにも、そもそも、ここがどこかもわからない。
「しっかりして!ねえ!」
少年の体を揺さぶっても、その頭が力なくゆらゆらと揺れるだけで、少年は目を開けてくれない。
私はどうすることもできなくて、ただ少年に呼び掛け続けることしかできなかった。
すると、
「ん?平手?・・・・・・おい、平手!?」
突然前のほうから、驚いたような声が聞こえてきた。
少年から顔をあげて声がしたほうを見ると、前方の路地に誰かが立っていて、こちらを見ている。
「うわ!誰だお前!」
少年ーーそういえば先程から平手と皆が口にしていた、この少年から顔を上げた私と目があったその男の子は、大袈裟なまでに驚いた表情で声を出した。
「え、いや、えっと・・・・・・」
私は戸惑ってしまった。突然現れた知らない男の子に、なんと言っていいかわからない。
その男の子ーーストリート系のファッションに、黒いキャップを斜めに被った少年は、私が何者か怪しむような顔で、ゆっくりと近づいてくる。
「誰だよ、お前・・・・・・?」
眉を八の字に寄せて、訝しむ目を向ける。
「えっと、私は・・・・・・」
「お前、平手になにをした・・・・・・?」
この状況を怪しんでいるのだろう。
黒キャップの少年は、私が答える前にさらに問いかけてきた。
「私は、この子に助けられて、それで・・・・・・」
「はあ?」
少年が険しい顔になった。
彼にうまく伝わっていない。だけど、これ以上どう説明しろというのか。起きたことをそのまま言葉にしたら今言ったとおりだ。
気まずい空気が流れ出したとき、
「うっ」
と、小さな呻き声が聞こえてきた。
見ると、いままで気を失っていた平手が、目を瞑ったまま眉間にしわを寄せ、苦しそうな表情を見せていた。
ーー気がついた!
「ああ、もう!とにかく、平手が先だ!」
少年も、平手の様子が目に入ったのだろう、癇癪を起こしたような口調で言った。
「貸せ」
平手のそばに膝をついて腰を落とした少年は、平手の体に腕を回し、彼の体を起こした。
「重てぇな・・・・・・」
平手より背の小さいその男の子は、きつそうな表情をして、平手を立たせる。
そして、平手に肩を貸す体勢で、歩き始めた。
どこかに彼を運ぶのだろうか?
平手は意識が戻っているかもしれないが、立っているのがやっとという感じで、満足に動けないようだ。
そのため、少年が一人で平手を支えて歩く形になっている。
私は、じっとしていられなくて、力は及ばないかもしれないが、少年の左腕を自分の肩に掛けて、平手の体を支えながら、彼を運ぶのを手伝った。
「お前、名前は!?」
歩きだしてから、少年は今思い出したかのように訊ねてきた。
「今泉・・・・・・佑唯・・・・・・」
平手の体が私には重すぎて、呼吸が途絶え途絶えになりながら、私は名乗った。
「俺は、鈴本。よろしくな」
黒キャップの少年ーー鈴本は、平手の体を間に挟んで、前屈みにこちらに顔を向けてながら言った。
0095名無しって、書けない?(空)
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2017/04/06(木) 08:43:48.76ID:5rGvEHsLx
スケバンものはアイドルの定番兵器やね
0096名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/04/06(木) 11:02:51.66ID:qG+LlDsqd
マジすか風に名前つけるなら
菅井 オジョウ
守谷 グンソウ
織田 ヨンモジ
鈴本 クリタロウ

までは想像できた
0097ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/06(木) 13:09:48.95ID:cUhRTQnfd
95さん、96さん
いいですよね。欅坂のドラマ見たいなあー。
0098名無しって、書けない?(dion軍)
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2017/04/06(木) 13:51:22.26ID:YSjNpwZf0
推しメンは??
0099ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/06(木) 14:56:04.42ID:cUhRTQnfd
98さん
土生ちゃんと志田です。
てちは尊敬の対象
あとは面白い子はみんな好きです。
0100名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/04/06(木) 15:04:13.96ID:/0EIeBar0
土生はまだ出てきてないな
0101ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/06(木) 17:49:44.47ID:cUhRTQnfd
100さん
土生はあと、話の山場を2つぐらい越えないと出ないと思います 笑
0102ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/06(木) 22:15:09.74ID:cUhRTQnfd
欅坂×不良学園小説

鈴本に案内されて、私たちは倉庫のような建物にたどり着いた。
「ここは・・・・・・」
私が呟くと、鈴本が
「ん?平手の寝床」とさらっと答えた。
・・・・・・寝床?私は隣で私たちに体を預けて立ってはいるが、意識が朦朧としているように見える少年を、横目で見遣った。
「ここだ」
平手に肩を貸している鈴本が、空いている手で扉を開けた。
建物のなかは、志田のアジトと同様、使われなくなって久しい感じだった。
建物の片隅に進むとそこに、廃棄されたもととしか思えないようなソファと、ところどころ破れ、汚れている毛布が置いてあった。
「ほら・・・・・・」
そう言って鈴本は、ゆっくりと平手をそのソファに横たえた。
少年は、一度大きく息を吐くと、目を瞑って静かな寝息を立て始めた。
「あの、この子は・・・・・・」
眠りに落ちてしまった少年を片目に、私は鈴本に訊ねた。
「待てよ、まずお前からだ」
鈴本は手で私を制止して言った。
「どうしてこいつと一緒にいたんだ?」
私は、自分が誰であるかと、これまでの経緯について鈴本に説明した。
鈴本は欅坂女子高と神楽坂高校のことを知っていた。もとより、彼も神楽坂高校の生徒であるらしい。
そして、両者の間の『捧げもの』の存在についても、鈴本は知っていた。
「で、こいつが助けに来た、と」
鈴本は、ちらりと横になっている少年に目を遣った。
「この子は・・・・・・平手くん、っていうの?」私は鈴本に確かめた。
「他の人がそう呼んでたんだけど・・・・・・」
鈴本は頷いた。
「ああ、そうだよ」
私は少年のことが気がかりで、鈴本に訊ねた。
「誰か、ご家族とかと連絡できない?このままにするわけには・・・・・・」
少年はさっきよりましになった顔色で眠っているが、こんなところでは体が休まらない。それに、病院もにいったほうがいいかもしれない。
「家族?それは、ああ・・・・・・」
鈴本は曖昧に言って、少し視線を下げた。
「それはできない」
「どうして?」私は訊ねた。
「こいつには家族はいない」
鈴本は、感情の感じ取れない口調で言った。
「事故で死んだんだ」
0103ハコオシ(茸)
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2017/04/06(木) 22:33:30.21ID:cUhRTQnfd
欅坂×不良学園小説

予想だにしない答えに私は言葉を紡げなかった。
「・・・・・・家族が・・・・・・、誰も?」
『死んだ』などと言う言葉を使うのは不謹慎な気がして、そんなちぐはぐな問いしか出来なかった。
「ああ」と鈴本は頷いた。
この少年には、家族がいない・・・・・・。
普通の男の子とはどこか違う雰囲気をまとっているとは思っていたが、まさかそんな過酷な境遇にあるとは・・・・・・。
『姉さん』というのも、もしかすると・・・・・・。
わたしはさっき、少年が微かに口にした言葉を思い出した。
「平手くんは、毎日どうしてるの・・・・・・?」
私は少年のことが気になって訊ねた。
鈴本は答えた。
「家族を失ってから、こいつは施設にいたんだけど、飛び出しちまって」
「じゃあ、どうやって生活してるの?」
「さあな、それは俺も知らない。時々、俺が飯もってきたりしてるけど」
「学校は?」
「そんなの行ってねえよ。施設すら飛び出してるんだから」
そう言うと鈴本は、あきれているのか、やるせないのか、小さく息を吐いた。
「そんな・・・・・・」
今の時代、こんな子がいるなんて・・・・・・。私は、私の『あたりまえ』から大きく逸脱した現実に、衝撃を受けた。
「・・・・・・」
少年の顔を見る。
横になって休んでいる少年の顔は、まだあどけなかった。
「・・・・・・?」
私が少年を見ていると、なにやら視線を感じた。見ると、鈴本が私の顔をじっと見つめていることに気がついた。
「なに?」
私は鈴本に訊ねた。なにか意味のありそうな視線だった。
しかし、鈴本は「いや、なんでもない」と、首を振って視線を逸らした。
0104ハコオシ(茸)
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2017/04/07(金) 21:15:52.09ID:1FdhX6MJd
欅坂×不良学園小説

「・・・・・・ん」
しばらくして、少年が目を覚ました。
「大丈夫!?」
私は、身を起こした少年の横に寄り添った。
少年の目はまだぼうっとしていて、
顔色もーーもとより肌が白いから勘違いかも知れないがーーまだ良くないように見える。
休みだしてからあまり時間は経っていないが、もう大丈夫なのだろうか?
「大丈夫・・・・・・?」
「・・・・・・」
少年は、私に気がついたのか、私の顔をじっと見てきた。
「あの、ありがとう」
ともかく私は、まずは少年にお礼を言った。
「助けてくれてありがとう。体、大丈夫・・・・・・?」
「・・・・・・」
少年は、何も言わず、頷くこともせず、こちらを見続けてくる。
何を思っているのだろう?私を見る少年の顔から、彼の思考とか感情は読み取れなかった。
「平手くん、ていうんだよね。私は今泉佑唯。前も一回助けてくれたよね?」
見つめられて、恥ずかしいというか、なぜか彼の目を正視できなくて、すこし目線を下げながら私は言った。
「あのときはありがとう。というか、今日もだけど・・・・・・」
「・・・・・・」
少年はやはり無反応だ。
無表情とはいえ、冷淡だとか、興味がないというような表情ではない。
なんというか、ものをじっと観察するときのような視線を、私に向けている。
「あの、どうして私を助けてくれたの?」
私はずっと思っていた疑問を口にした。
なぜこの少年は、一度のみならず二度までも、私を助けてくれたのだろう?
「・・・・・・」
少年は何も言わない。
「おい、平手。なんとか言えよ」
見かねたのか、横から鈴本が口を出した。
「お前、別にこの子と知り合いだった訳じゃないだろ?」
鈴本が私をちらりと見て言う。
「どうして助けたんだよ?」
「・・・・・・」
それまでこちらを見ていた少年が、決まり悪そうに、視線を脇に下ろした。
その様子は、私と鈴本の質問の返答に迷っているように見えた。
「私もそれが知りたくて。どうして助けてくれたの・・・・・・?」
私も少年に問いかける。
鈴本の言う通り、私は一度偶然少年に会ったことはあるが、それだけなのだ。
別に友達だった訳でもないし、それどころか、知り合いですらなかった。
それなのに、ほぼ見知らぬ人同然である私を、なぜこの少年は助けてくれてたのか?
しかも今日は、初めて会った時のように、偶然私が不良少年に絡まれたという状況ではない。
少年は、どうやって知ったのか、志田たちのアジトに自ら乗り込んできて、私を助けてくれたのだ。
その理由を知りたかった。
「・・・・・・」
少年は目を逸らしたまま、やはり何も言わない。
私は少年の言葉を待った。
0105ハコオシ(茸)
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2017/04/08(土) 21:57:16.34ID:xtjkEjRad
欅坂×不良学園小説
「・・・・・・」
しかし、少年は一向に口を開かなかった。
沈黙が流れる。
「あれか、一目惚れか」
横から鈴本が、突然言った。
「えっ」私は驚いて鈴本のほうを振り返る。
「だってそうだろ。じゃないと知らない女のためにそんなことしないだろ」
鈴本はさも当然、というような顔で続けた。
「え・・・・・・」
そうなの・・・・・・だろうか・・・・・・?
ゆっくりと少年のほうを振り返ると、少年も鈴本のほうを向いて呆気にとられていた。ぱっちりと開かれた目に、つぶらな瞳が覗いている。
(あっ)
私が顔を向けていることに気がついた少年は、さっきよりも素早く、ぱっと顔を脇にそらした。
「・・・・・・」
結局、少年の真意は分からない。
「・・・・・・」
鈴本の突拍子もない発言で気まずい空気になったそのとき、鈴本が思い出したように、
「ところで、帰らなくていいのか?」
と言い出した。
「あっ」
思わず腕時計を見る。
もう夜7時を過ぎている。色々なことがありすぎて、いつの間にかこんな時間になっていた。
「あ、でも・・・・・・」
とはいえ、私は困った。
ここがどこかわからないのだ。
「うん?」
私の困惑に気がついた鈴本が首を傾げた。
「ここ、どこかわからないんだけど・・・・・・」
私が言うと、「ああ、そうか」と、鈴本は頷いた。
「じゃあ、道がわかるところまで、俺が送る」
「えっ、いいの?」
鈴本の優しい一面に、私は少し驚いた。
「しかたないだろ。・・・・・・お前はどうする?」
鈴本が平手のほうに目を遣った。
「・・・・・・」
少年は何も言わずに、ソファから立ち上がった。
「そうか」
それを見た鈴本は、なにやら少年の意図を酌んだようだった。
「行くぞ」
鈴本が言うと、二人は建物の出口に向けて歩き出した。
どうやら、二人とも私を送ってくれるらしい。
「あっ、ありがとう・・・・・・」
私は二人にお礼を言って、慌てて二人のあとについていった。
0106ハコオシ(茸)
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2017/04/09(日) 00:06:34.84ID:Ga5OP9Lvd
欅坂×不良学園小説

鈴本が先導する形で、私たちは裏路地を進んでいた。
もうすでに日は暮れ、空は紺色になっている。
街灯の少ない裏路地は表通りよりも一層暗く、きっと一人では進むのが怖かったと思う。
たが、ある程度道を進んだとき、
「あっ」
T字路で、不意に不良少年とおぼしき二人の男が、横の道から出てきた。
その姿を認めて、私たちは足を止めた。
だが、至近距離で出くわしたため、相手もこっちを見ている。
「あの人たち・・・・・・」
その姿に、わずかに私は見覚えがあった。
多分、志田が率いる不良集団のメンバーだ。
「いたぞ・・・・・・」
男たちが互いに目配せし、こちらに近づいてきた。
やはり、志田たちの仲間だ。きっと、彼らを襲った平手と逃げ出した私を追ってきたのだ。
「あっ・・・・・・」
平手が私の姿を彼らから隠すように、すっ、と私の前に動く。
男たちは止まらずこちらに向かってきた。
「おっと」
すると、鈴本が男たちの前に立った。
「なんだお前」
「そこをどけ」
二人の不良少年がそれぞれ鈴本に向かって言った。
鈴本は臆することなく、二人を向き合っている。
「いやだね。なんか用?」
鈴本は言った。
「お前に用はない。用があるのは平手とその女だ」
不良少年は言った。その口調は不穏なものだった。
「あ〜、もしかして、二人のこと探してる?」
鈴本が、決まりの悪そうな口調で言った。
「いいからどけ」
鈴本にお構い無く、不良少年の一人が、鈴本のそばを通り抜けようとする。
「待てよ」
鈴本が行く手を冴えきるように、男の前に動いた。
「帰ってくれないかな」
鈴本は場違いにも聞こえるお願いをした。「頼むからさ」
「どけ」
不良少年は無下に返した。「痛い目に遭いたくなければさがってろ」
「そんなこと言うなよ」鈴本は言った。
「うるせえ、やんのかてめえ」
一発触発の雰囲気で不良少年は鈴本に食って掛かった。
「できるなら戦いたくないんだけどね」
鈴本はとぼけるような表情で不良少年に言った。
「おい・・・・・・」
すると男がもう一人のほうを見た。もう一人の不良少年が、前に出てきて男と並んで鈴本と対峙する。
「はあ・・・・・・やるの?」
鈴本がやれやれというように首を振る。
0107ハコオシ(茸)
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2017/04/09(日) 00:09:52.35ID:Ga5OP9Lvd
欅坂×不良学園小説

「・・・・・・」
緊迫した沈黙が流れた。
なんとなく、経験でわかってきた。・・・・・・これは闘いが始まる前の緊張した空気だ。

それを平手も察してか、じり、と足を前後にずらしておいて、動ける体勢をとった。しかし、まだ疲労とダメージがあるのか、少しふらついて見えるその姿はどこか危うい。

「「おらあっ」」
喚声と共に、二人が同時に鈴本に襲いかかった。
「おわっ」
鈴本は左のほうの男の、外側に回るように攻撃をかわす。
右の男は鈴本を攻撃するにも、鈴本は左の男を挟んだ離れた位置にいるので、振りかぶった拳のやり場がなく、たたらを踏んだ。
だがすぐに、鈴本と間近にいる左の男が、体の向きを変えて鈴本に再び攻撃を仕掛ける。
0108ハコオシ(茸)
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2017/04/09(日) 00:10:24.09ID:Ga5OP9Lvd
欅坂×不良学園小説

「このっ」
鈴本は男の次の攻撃を、機敏に体をずらすように動かしてかわす。
「おいおい、やめろ」
鈴本が困った声で言う。
「だからさ、やめろって」
そういいながらも、ひょいひょいと、男たちの攻撃をかわしていた。
「ちっ、しかたないな・・・・・・」
二人を相手に、休みなく動くなかで、鈴本がやはり軽い口調で言った。
その一言に男たちはさらに苛立ったのだろう、より大きな怒号をあげて、鈴本に襲いかかっていく。
しかし、鈴本はそれすらも巧みにかわしていく。
そうして、しばらく鈴本と不良少年らの乱闘が続いた。
私と平手は、ただそれを見守るしかなかった
0109ハコオシ(茸)
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2017/04/09(日) 00:15:48.80ID:Ga5OP9Lvd
あれ、もう書く容量がない.…?
0110ハコオシ(茸)
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2017/04/09(日) 00:16:09.44ID:Ga5OP9Lvd
欅坂×不良学園小説

「はあはあ・・・・・・」
攻撃をかわされ続けた不良少年の一人が、荒れた息をつく。

「ほら、もういいだろ?」
あきれた様子で、少し苦笑を浮かべながら、鈴本が言う。
男たちとは対照的に、その呼吸は全く乱れた様子はない。
「うるせえっ」
怒った不良少年の一人が、右の拳を脇に引き付け、鈴本に向けて大きく足を踏み出した。

ーー危ない!
だが、その男が鈴本の顔めがけて、その腕を伸ばし始めた瞬間、
鈴本は、足を前に運ぶと同時に膝をまげ、相手の間の中に沈みこむように入った。

ーーえっ?
鈴本は、男の子のなかでは小柄なほうだが、膝を曲げて体を沈めたことで、さらに頭の位置が低くなった。
相手のパンチが鈴本の頭上を通過する。
そして、攻撃をかわした鈴本は、相手の目と鼻の先で、腰に引いていた右拳を上に向けて振り上げた。
腰の回転に乗せて拳を突き上げると同時に、体を沈ませるときに曲げた膝を伸ばす。

ゴッ!
腕と腰、さらに脚の力が一致した強烈なアッパーが、男の顎を捉えた。
0111ハコオシ(茸)
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2017/04/09(日) 00:17:02.05ID:Ga5OP9Lvd
欅坂×不良学園小説

ーー!
男の体が軽く宙に持ち上がったのが見えた。
「・・・・・・」
勝敗が決したことが、私の目で見ても分かるぐらい明らかな一撃だった。
鈴本に攻撃された男は、メトロノームのように、ふらふらと揺れた。
「おっと」
そう言って、鈴本は、まさに倒れようとしている相手の襟首を掴んだ。
相手がそのまま転倒して頭を打ってしまうのを守ってあげたのだろうか?
とはいえ、鈴本の容赦ない攻撃に、男は完全に気を失っているように見える。鈴本に首を捕まれたその男は、腕をだらんと脱力させ、膝は力が抜けたように少し曲がっている。
「ほら」
鈴本が、掴んでいた男を、もう一人の志田の仲間につき出した。
「お前が連れて帰れ。わかったな?」
鈴本は言った。もう一人の男の顔は怒っているように見えたが、一方で、鈴本の実力を理解したのだろうか、気を失ってしまった男を黙って引き取って、脇に退いた。
「じゃあ、行くか」
鈴本は私たちのほうを振り返って、さらりと言うと、何もなかったかのような足取りで、再び先を歩きだした。
0112名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/04/09(日) 04:56:21.88ID:AB5NU73cd
そういえば徳山大五郎のboxまだ発売されてないんだな
0113名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/04/09(日) 05:57:00.69ID:ZmVgdKUnK
>>109 参考までに…

ある程度長文のレスが続くと(同じ投稿者でなくても)
『埋め立てですか?』と言われて続きが投稿できなくなる現象が起きるみたいです

その場合は一旦短めのレスを挟むことによって、また続きの投稿が可能になったりします
0114名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/04/09(日) 18:35:41.69ID:dMjctLrva
すごい上手い
小説のサイトとか開いてないの?
0115名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/04/09(日) 20:07:31.29ID:Ga5OP9Lvd
>>113
まさしくその通りでした。ありがとうございます。
>>114
ありがとうございます。
小説サイトに自分のアカウントは持ってますが、
欅坂の固有名詞、商標?を使うのは著作権違反ではないかと心配で、こちらのスレッドを立ち上げました。
欅をイメージした物語は書いていて、いまスランプなんですけど…
0116名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/04/09(日) 20:33:05.58ID:GmpObRre0
ずっと見てやす
0117名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/04/09(日) 21:08:25.79ID:Ga5OP9Lvd
>>116さん
ありがとうございます。
読んでくださる方がいるということはすごく原動力になります。
今から、今日の分を書きます。
二時間ぐらいで書けるところまで投稿します。
0118名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/04/09(日) 21:16:20.00ID:dMjctLrva
>>115
そうなんだ
その物語も読んで見たいわ
俺も一時期、小説書いてたことあったわ
0119名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/04/09(日) 22:35:29.52ID:u3bknKch0
俺も小説書きたーい
0120ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/10(月) 00:19:03.82ID:6P82/tXRd
>>118
まずはこれを最後まで書きたいと思います。
>>119
私も他の方の書いたものを読んでます。
スレッドを立ててはいかがでしょうか?
0121ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/10(月) 00:19:48.73ID:6P82/tXRd
欅坂×不良学園小説

鈴本と平手に連れられて、私は家までの帰り道がわかるところまでやって来た。
「もうここで大丈夫」
私は二人に言った。
「ありがとう、じゃあ・・・・・・あっ」
別れの言葉を言いかけたところで、私は重大なことに気がついた。
「どうした?」と鈴本が言い、平手がわずかに首を傾ける。
「明日どうしよう・・・・・・」
「明日?」
「あの人たちが、また学校の外で待ってるかもしれない・・・・・・」
私は重大なことに気がついた。
今日は、たまたま少年と鈴本が助けてくれたおかげで、私は志田たちのもとから脱した。
だが、また明日になれば私は学校に行かなければならない。
私が学校から出てくるとわかりきっている志田たちは、きっと外で待ち構えているだろう。
そうなれば、また今日のように彼らのところに連れていかれるかもしれない。
いや、きっとそれだけでは済まない。今日のことに対する仕返しというか、罰を与えられるかもしれない・・・・・・。
「どうしよう・・・・・・」
すると鈴本が、
「俺たちに任せとけ」
と得意気な顔で言った。
「えっ・・・・・?」
「平手と俺で何とかする」鈴本は隣に立っていた平手の肩に手を回す。平手も、鈴本の突然の発言を受け、きょとんとした顔をしている。
「・・・・・・どうするの?」
私は訊ねた。
「まあ、どうするかはいまから考えるけどさ」鈴本は笑みを浮かべていった。「とにかくお前は、普通に学校から出てこい」
まだ具体的には考えていないようだ・・・・・・。悪戯っぽくきらめくその目に、私は不安を覚えた。
「もし学校から出てきて、あいつらがいたら、大人しくついていけ」
鈴本は言った。
「うん・・・・・・」
いい予感はしないが、鈴本の言う通りにするほか、選択肢は無さそうだった。
0122名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/04/10(月) 00:26:33.44ID:uMeizZ6M0
>>120
長いものを描く自信が無いので大人しくしときます
0124名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/04/10(月) 00:41:04.32ID:uMeizZ6M0
>>123
強制IPスレはROM専です
でもありがとう
0125ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/10(月) 00:47:16.17ID:6P82/tXRd
欅坂×不良学園小説

お風呂に入って温まり、休むべくベッドに横になった。
(・・・・・・)
今日、一日のなかで次々と起きた出来事が思い返された。
志田たちのアジトに連れていかれて、突然騒がしくなったと思ったら、あの少年が現れた。
それからアジトを飛び出して、どこか知らないところに連れていかれたと思ったら、平手が倒れ、すると今度は鈴本がやって来て、ともに平手の寝床だという場所に行って・・・・・・。
(あの子、今どうしているだろう・・・・・・)
少年の、ほっそりとした体と、青白い顔が浮かんだ。
彼には家族がいないといっていた。施設を飛び出したとも。
(まさかあんなところで寝泊まりしてないよね・・・・・・)
自分はこうやって当たり前のようにベッドで寝ているのに、きっと同い年ぐらいの少年が、あんな環境に身を置いてるなんて・・・・・・。
(結局なにも話せなかったな・・・・・・)
少年は最後まで、言葉を発しなかった。鈴本はああ言っていたけれど、彼が私を助けてくれた理由は、ほかにあるような気がした。
あの瞳の陰の後ろには、一体何があるのだろう・・・・・・。
(・・・・・・また、明日会える)
鈴本の言葉が本当なら、明日、また彼に会える。
私は、毛布を深く被った。
0126ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/10(月) 01:13:32.48ID:6P82/tXRd
欅坂×不良学園小説

学校は皮肉なほど穏やかに、何事もなく終わった。
(はあ・・・・・・)
とうとう、下校の時間になってしまった。
これからのことを考えると、暗い気分になった。
(二人はああ言ってたけど・・・・・・)
鈴本と平手はーー平手のほうは明らかに初耳だという反応だったがーーなんとかすると言っていた。
とはいえ、やはり不安になる。
(いるのかな・・・・・・?)
まずは、志田たちの不良グループのメンバーが、校門の外にいるかどうかである。
彼らがーー可能性は低いと思うがーーもうこの件について諦めてくれていたら、何事もなくてすむのだが・・・・・・。
私は、一緒に帰ろうと誘ってくれた友人に、それらしい嘘を言って、一人で学校を出られるようにした。
誰かと一緒に帰れば彼らは手を出してこないのではとも、ちょっとは考えたが、彼らの強硬的な面を考えると、彼女までこの件に巻き込んでしまうかもしれない。
それは避けたかった。
(いないかな・・・・・・あっ)
一瞬、淡い期待が生まれたが、それはすぐにかき消えた。
校門前の通りの、少し離れたところの物陰に、『彼ら』はいた。
ーーもし学校から出てきて、あいつらがいたら、大人しくついていけ。
鈴本はそう言っていた。
二人の姿は見えないが、もしかしたらなにか手筈が整っているかもしれない。
ここで、例えば一人で彼らから逃げるなどしたら、二人の計画を乱すことになるかも・・・・・・。
私は、鈴本に言われた通り、『彼ら』のところに向かっていった。
0127ハコオシ(茸)
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2017/04/10(月) 01:48:30.65ID:6P82/tXRd
欅坂×不良学園小説

『彼ら』ーー志田が率いる不良少年グループの一員らは、学校前を横に走る大通りから分岐する、小さな路地の物陰に、こちらからわずかに姿が見えるように立っていた。

その小さな路地の先は、街の区画の裏通りに繋がっており、学生ーーとくに女子学生がーー足を運ぶ通りではない。
他の女子学生の目につかないようにしているのか、彼らはそこに、たむろするふりをして、校門のほうを窺っていた。

私が自ら彼らのもとに出向くと、彼ら不良少年三人ーーその中心私を『迎え』にきたのは、またあのピンク色のパーカーをきた少年、織田であったーーは少し意外そうな顔をした。
「まさか、自分から来るとはな」
織田はぶっきらぼうに言った。
「・・・・・・えっと」
私は、織田を前にして、複雑な気持ちになった。
他のあまり覚えのない不良少年なら、多少の反抗心をもって対峙するつもりだったが、
この少年とは昨日わずかだが会話をして、もう顔見知りの関係だった。
さらに彼は、昨日アジトが平手の襲撃を受けた際、まだ私がその襲撃者ーーつまり平手ーーが敵だと思っていた段階では、
私を守ろうとしてくれたというのはおこがましいかもしれないが、とにかく、平手を撃退するべく奮闘してくれていた少年だった。
「昨日は、その・・・・・・」
闘ってくれてありがとう、というのはおかしい・・・・・・。
とはいえ、逃げてしまってごめんというのも・・・・・・。
結局私は、はじめは志田側に身をおいていながら、そのあと、襲撃してきた平手と行動をともにしてしまったのだ。
私はもちろん、『捧げ物』に選ばれたとはいえ、志田たちのグループの一員ではない。
とはいえ、この不良少年個人に対しては、私はそんなに悪い印象は抱いていなかった。なんなら、不良少年という見た目を越えて、普通に会話したいところだ。
だが、彼らからしてみれば、身を翻した私を面白く思っているはずがない。
私は、自分がしてしまった、どっち付かずの振る舞いに、なんと言っていいかわからなかった。
「なんというか、その・・・・・・」
言葉が見つからず、ぶつぶつ言っている私を尻目に、
「ついてこい」
と織田はむすっとした口調で言った。
「・・・・・・」
私は苦い思いでそのあとをついていった。
0128ハコオシ(茸)
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2017/04/10(月) 02:31:20.35ID:6P82/tXRd
欅坂×不良学園小説

「ねえ」
私は後ろから織田に話しかけようとした。
「・・・・・・」
聞こえてるはずなのに。織田は私を無視した。
「ねえ」
「・・・・・・」
「ねえってば」
「なんだよ」
ようやく織田がこちらを振り替えって足を止めた。
その顔は少し不機嫌そうだった。
「あの、なんていうか・・・・・・この『捧げ物』とかいうの、なんとかならない」
「なんとかって、なんだ?」
織田が聞き返す。
「だから・・・・・・なかったことにするとか」
私は愛想笑いしながら試しに言ってみた。
「ふざけるな」
織田はぷいと顔を前に戻して、また歩き始めた。
・・・・・・やっぱりだめか。
やはり話し合ってすむ話ではないようだ。

織田との会話はそこで終わり、そのまましばらく細い路地を進んだ時だった。
「ん?」
織田が突然足を止めた。
それに気がついて、私が前を覗き見ると、路地の先に黒いキャップを被った少年ーー鈴本が立っていた。
0129ハコオシ(茸)
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2017/04/10(月) 02:31:53.12ID:6P82/tXRd
欅坂×不良学園小説

「鈴本・・・・・・」
織田がその名前を口にした。どうやら彼のことを織田も知っているようだ。
「その子を渡せ」
私たちの前に立つ鈴本は、開口一番、織田たちにそう言った。
路地の真ん中に行く手を塞ぐように立っているが、なぜか、片方の腕ーー彼の右手が隠すように背中に回されている。
「はあ?」
「だから、その子を渡せ」
威嚇するように聞き返す織田に、鈴本は涼しい笑みを浮かべながら言った。
どうやら、私を助けに来てくれたらしい。
鈴本が昨日言っていたのは、この事だったのだろうか?
でもあの少年は・・・・・・?
前には鈴本しか立っておらず、平手の姿は見えない。
「なめてんのか、てめえ」織田は低い声で言った。
「お前一人か、平手はどこだ?」
織田が厳しい口調で問う。
「ああ、あいつは今日はまだ動けなくてね」
鈴本はさらりと言った。
彼がいない・・・・・・?
私は小さな衝撃を受けた。
「お前も昨日、やってくれたみたいだな」
織田が鈴本に言った。帰り道で遭遇した他の不良少年を撃退したことを言っているのだろう。
「お前らが仕掛けてきたんだろ?」鈴本は指摘する。
「・・・・・・覚悟しろよ」
鈴本の反論に構わず、織田が脅し文句を口にした。
他の二人の不良少年も、織田の両側に立つ。
「最後に、もう一回言うぞ、その子を渡せ」
鈴本が言った。
だが織田は「ふざけんな」と聞く耳を持たない様子だ。

「そっか、じゃあ仕方ないな」
やれやれという感じで鈴本はそう言うと、後ろに隠していた右手を、ゆっくりと前に出した。
0130ハコオシ(茸)
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2017/04/10(月) 02:32:39.24ID:6P82/tXRd
欅坂×不良学園小説

「?」
その手が持っていたのは、太めの筒状のものだった。
鈴本はそれをこちらに向けている。
「あ?」
それを見た織田たちも怪訝そうな声を出した。鈴本がなにをするつもりなのか警戒しているのか、まだ三人とも動かない。

あれは・・・・・・花火?
よく見てみてわかったが、あれは
火をつけて地面に置くと、噴水のように火花が吹き出るタイプの花火だ。
すると、鈴本はニヤリと笑って、もう片方の手をポケットに入れて、そこからなにか取り出した。
それはライターだった。
まさか。
嫌な予感がする。まさかとは思うけど・・・・・・。
だが、その嫌な予感通り、鈴本はライターの火を点けると、その小さな火をもう片方の手に持っていた花火にーーその筒からぴょこんと飛び出ている短い線に近づける。
ーーうそでしょ!?
鈴本は本当に、ライターの火を花火の導火線に当てた。
導火線が小さな火花を出しながら、みるみる短くなっていく。
「は?」
織田たちも目の前で鈴本がやっていることが、理解できなかったのだろう。それを呆然と見るだけだ。
ーー!!!
だが、次の瞬間、視界いっぱいに、白やオレンジ、緑といった、様々な色の光が放射状に広がった。
鈴本が花火をこちらに向けて噴射してきたのだ。
「キャー」
「うわっ」
とっさに背を向けてその場にしゃがみこむ。
「やめろっ!熱っ!」
背中の方で、織田たちの悲鳴が聞こえる。
あふれでる火花を噴射されて、私だけでなく、多分みんなパニック状態になっていた。
さらにそのなかに
「熱っ!これ、あっつ!!」という鈴本の声も聞こえてきた。
「キャー」
熱さを感じてはいたが、力が入らなくて動けない。
その場に目を瞑って踞っていると、突然、腕を掴まれる感触がした。
「?」
今度はなんだろう?
目を開けると、目の前で、あの黒髪の少年ーー平手が片膝をついて体を屈めてこっちを見ていた。
ばっ、っと少年が何かを、私の頭上にひろげる。
少年の上着だ。
少年は、私の頭の上から少年の上着を被せると、火花から私を守った。
「・・・・・・」
少年が両腕をあげる形でつくられた覆いのなかで、私と少年が向き合う。
少年と間近で目が合った。
「行こう」
少年は言った。
その顔はすこし、微笑んでいた。
足に感覚が戻ってきた。
「うん」
私は立ち上がって、少年と共に走り出した。
0131名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2017/04/10(月) 16:00:22.28ID:dRR+LPjUK
>>124
なるほど
では、どこかで読めることを楽しみにしています

と、短いレスを挟んでみた
0132名無しって、書けない?(チベット自治区)
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2017/04/10(月) 20:45:18.26ID:emwfmyXW0
もんのシカマル感
0133名無しって、書けない?(庭)
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2017/04/10(月) 21:02:48.16ID:6IjzNAera
>>132
わかるwwww
0134名無しって、書けない?(和歌山県)
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2017/04/10(月) 21:24:38.14ID:vDZWzIqF0
「なんで働かないといけないんですか?」と聞いた学生への、とある経営者の回答。
http://crtgd.krash.net/0410.html
0135ハコオシ(茸)
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2017/04/11(火) 01:59:05.57ID:USbG53lId
>>132
まあ、ポジションです 笑

欅坂×不良学園小説

「はあ・・・・・・はあ・・・・・・」
しばらく走ってから、私たちは足を止めた。
後ろを振り返る。不良少年らが追ってくる様子はない。
なんとか逃げることができたようだ。
「・・・・・・大丈夫?」
少年が、自分より背の小さい私を、覗き込むようにすこし背を曲げて、こちらの様子を窺う。
走って息が切れたことを心配してくれているのか、それとも、あの花火の件を心配して言ってくれているのか・・・・・・。
どこかが焦げているのではないか、と少し思いながら、私はさっきのパニック状態とそれからの全力疾走で乱れた髪と制服を整えた。
「うん、大丈夫」
さっきの鈴本の行動が今でも信じられないが、とにかく私は、少年に何事もないことを伝えた。
「そう・・・・・・」少年が呟く。
「・・・・・・」
あらためて聴いた少年の声は、穏やかで優しい声色をしていた。
いま、初めて会話らしい会話をした気がする。
「体は、大丈夫?」
私は少年に訊ねた。
少年は、「えっ?」という表情で、首をわずかに傾げた。
「昨日、大変だったから」
私は昨日の少年の様子ーー不良少年たちとの闘いでボロボロになっていた少年の姿を思い出して言った。
「うん・・・・・・」
少年は小さく頷いた。
「ごめん、なんか・・・・・・」
なんと言っていいかわからないが、私は少年に詫びた。
事の発端は私にある。ーー別に頼んで助けてもらった訳ではないが、私がいなければそもそもあんなことは起きていなかった。
私が原因で無茶をした少年のことが、昨日から気がかりだった。
「心配しないで」
少年は言った。
その微笑みはどこか儚げに見えて、私は、より一層、この今にも消え入りそうな雰囲気に包まれた少年の、その背景にあるものが気になった。
「あのさ、私を助けてくれたのって・・・・・・」
私が、再び一連の少年行動の理由を訊ねようとしたときだった。
「おーい!」
後ろから声がして私たちは驚いてその方を振り返った。
0136ハコオシ(茸)
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2017/04/11(火) 02:05:43.37ID:USbG53lId
欅坂×不良学園小説

後ろを見ると、黒キャップを被った少年、鈴本がこちらに向かってはしって来ていた。
「よし、二人とも無事だな」
私たちの無事ーー私は正直、気持ち的には無事だとは思っていないがーーを確かめたのか、鈴本は一人満足そうに頷いた。
その得意気な様子に、私はちょっと、ムカッときた。
あの花火・・・・・・口には出さないが、無茶だった。驚いたし、というか、ちょっと火花当たって熱かったし・・・・・・。
注文をつけられた立場ではないが、あんな乱暴な助け方、ちょっと腹が立つ。
「で、これからどうするかなんだが・・・・・・」
内心穏やかでない私をよそに、鈴本が話を切り出した。
「考えたんだが、やっぱり今日みたいに、これから毎日逃げ続けるのは無理だな」
鈴本は言った。
「うん・・・・・・」
それを今しがた痛感した私は鈴本に頷いた。
確かに、一回逃げ出すだけでも、こんな大事になってしまった。
ーーいや、でもやっぱり花火はおかしい。
花火の件は、私の心のなかにいつまでも根を張りそうだったが、いつまでもそれを考えていては、鈴本の話が頭に入ってこないので、
私はとりあえず、目の前の鈴本の話に集中した。
「それで、いい方法を思い付いたんだ」
鈴本は言った。
「いい方法・・・・・・?」
鈴本が「ああ」と言って説明を始めた。
「あいつら、志田たちは、『捧げもの』といってお前のところの学校から、自分達が選んだ女子を取ってくる」
「うん」ここまでは既知の内容だ。
「その女の子は、はじめは基本、奴らのグループ内の『共有物』なんだが、その女の子を自分のものだけにできる仕組みっていうか、決まりが、あのグループにはあるんだ」
『共有物』という言葉も気にはなったが、私はもっと気になったことを訊ねた。
「自分のものにできる決まり・・・・・・?」
0137名無しって、書けない?(地震なし)
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2017/04/11(火) 14:04:16.36ID:unn1J+DI0
なんだと
0139名無しって、書けない?(青森県)
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2017/04/11(火) 20:45:06.98ID:fi0XcXuO0
電気の消し忘れを注意したらたかが数十円でそんなに怒られる意味が分からないって言われたんだけど
http://cokol.warmkessel.com/1040.html
0140ハコオシ(茸)
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2017/04/12(水) 05:53:06.16ID:cmbhcZWrd
欅坂×不良学園小説
「決まり・・・・・・?」
「ああ」鈴本は頷いた。
「決闘みたいなもんだ。まず、女の子を自分のものにしたい奴が、それをグループに宣言する。それから、それを認めない奴、それに反対する奴が、そいつと闘う」
「・・・・・・そうしたら、どうなるの?」
「そいつがが勝ったら、その女の子はそいつ一人のものになる。負ければ、大人しく引っ込まなきゃならない」
「うん・・・・・・」
理解はできたけれど、この『決まり』が私たちとどう関係するのだろうか。私は、鈴本の説明を待った。
「これを使う」鈴本は言った。
「まず、平手がやつらに、お前を自分のものにしたいと名乗り出る。それから、それを阻止しようとする奴と闘う。勝てばお前は平手のものになる・・・・・・つまり、あいつらはもうお前に手出し出来なくなるってことだ」
「ちょっと待って」引っ掛かるところがあって、私は鈴本に言った。
「なんで平手くんが・・・・・・?」
今の説明だと、この少年がわざわざ私のために、あの不良少年らと闘うことになる。
「誰かが闘わなきゃいけないんだから、しょうがないだろ」
鈴本は言った。それから「ああ」と合点したように頷いた。
「普通、名乗り出るのは一人なんだよ。だから闘うのは平手一人だ。あと、闘うのが俺じゃなくて平手なのは、まあ、本人の希望だ」
「いや、そうじゃなくて・・・・・・」
私が言いたいのはそういうことじゃない。なんで私のために、この少年が闘わなければならないのかということだ。
昨日の平手の姿が思い出される。
昨日のように、いやもっとひどい目に遭わされるかもしれないのだ。
彼が傷つくようなことに、彼を巻き込むことはできない。
「本人がそれで構わないって言ってるんだよ」
戸惑う私に鈴本は言った。「このことは、ここに来る前に平手と話した。平手もこれでいいって言ってる」
この少年が・・・・・・?
私は少年の方を見た。
「・・・・・・」
平手は鈴本が来てから、また以前のように口を開かないようになっていた。
感情の読み取れない静かな表情で、ただこっちを見ている。
「それに」と鈴本が言った。
「このままあいつらに好きにされるのと、どっちがいい?」
鈴本は私に問いかけた。
確かに、現実問題として、それはある・・・・・・。このままだと、いずれあの不良少年たちに捕まって、また昨日のように彼らのもとに連れていかれる・・・・・・。
でも・・・・・・。
そうは言っても、このまま鈴本の提案にを受け入れることが躊躇われた。
渋る私を見かねてか、
「もう乗り掛かった舟だ。こいつの厚意に甘えろよ」
鈴本は少年を親指で指して言った。
0141ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/12(水) 18:15:01.86ID:cmbhcZWrd
上村とか佐藤の役どころ……
0142名無しって、書けない?(地震なし)
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2017/04/13(木) 00:11:16.02ID:Ovpb7aV00
迷ってるんですか?
0143ハコオシ(茸)
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2017/04/13(木) 06:05:46.28ID:czlMU22Pd
>>142
どうせなら面白くしたいなー、と思って。
0144ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/13(木) 17:30:31.42ID:czlMU22Pd
ずみこが体調不良で活動休止って(´;ω;`)
どうしよう…
0145名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/04/13(木) 19:15:38.81ID:uz4xBgGOa
>>144
ずーみんのためにも書き続けてください
0146ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/13(木) 21:22:41.21ID:9MBHabRBd
>>145さん
戻ってきてくれる日を待ちながら、書き続けたいと思います。
昨日は怠惰な気持ちに流されてしまいましたが、
今日は深夜に更新できるかと思います。
0147ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/14(金) 03:26:44.42ID:YeUnMmTyd
欅坂×不良学園小説
私はもう一度、平手の方を見た。
「いいの・・・・・・?」
そう少年に問いかける。
すると、少年は少し静かな間を置いてから
「・・・・・・大丈夫」
と、それだけ口にした。
どうしてこの少年は、私なんかのためにこんなことをしてくれるのだろう・・・・・・?
私は少年の顔をじっと見た。
その真意は掴めなかった。
しかし、私は、少年にお願いする他なかった。非力な私には、この少年たちに頼む以外、あの不良少年らに抵抗する術はなかったからだ。
「お願い」
私は少年に言った。すると少年は、こくりと頷いた。
「じゃあ、これでいいな?」
私たちのやり取りを見ていた鈴本が、話を切り上げるように言った。
「・・・・・・ちょっと待って」
話がまとまろうとしたその時、私にはふと気になったことがあった。
「その決まりというか、決闘って、あのグループに入っていない人でも出来るの?」
冒頭で鈴本が説明していた内容によると、その決闘とやらはグループのメンバーの間で行われているものであるようだが、
グループの構成員でない平手や鈴本も、それを申し出ることができるのだろうか?
「いや、出来ない。仲間のなかだけの決まりだからな」
「えっ、じゃあどうするの?」
私が鈴本に訊ねると、
「だから、俺たち二人がまずあいつら仲間になるんだよ。仲間になってから、お前のことがほしいって平手が名乗り出るんだ」
言っただろと鈴本は言ったが、私はこの点を頭に入れ損ねていた。
ということは、この二人は、あの不良少年らの仲間ーーというか、志田の手下になる、ということだ。
「後であのグループを抜けるっていう前提での話だよね・・・・・・?」
私は確認しておきたくて言った。
これでは、仮に彼らに勝てたとしても、私たちは三人はーー平手と鈴本はあの不良少年らの仲間として、私はやはりあの不良少年たちへの『捧げもの』としてーーその後もあの不良少年らの下にいなくてはならない。
0148ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/14(金) 03:27:31.89ID:YeUnMmTyd
欅坂×不良学園小説


「いや・・・・・・」鈴本は、すこし悩んだ顔で目を下に落とした。
「たぶんグループを抜けることは出来ない。あいつらがそんな勝手な真似、認めるはずないからな・・・・・・」
「ということは、勝ったとしても私たちは、あの人たちの仲間というか・・・・・・、ずっとあそこにいなきゃいけないってこと?」
私が訊ねると、鈴本は
「まあ、そうなるな」
と、少し苦い表情になった。
つまり、あの不良少年らと二度と会わないで済む、ということではないようだ。
それどころか、逆にずっとあそこに通い続けることを意味している。
「まあでも、もうそれは諦めてくれ」
鈴本は割りきった顔で言った。
「完全にあいつらと縁を切れる方法は思い浮かばない。でもこの方法なら、あいつらのもとにいなくちゃいけないけど、少なくとも、あいつらに好きにされることはなくなる」
鈴本は親指で隣にいる平手を示した。
「あの不良たちと、こいつ、どっちがいい?」
鈴本にそう言われて、私は、現実的な選択肢は何か考えた。
確かに、一番理想的なのは、完全にあの不良少年らから解放されて、もとの生活に戻ることである。
しかし、現実として、それはきっと叶わない。
ならば、このまま彼らから逃げ続け、最悪の場合捕まって、彼らにいいようにされるのと、この少年のものになるーーこの少年の保護の下に置かれるとでもいえるだろうかーーのと、どっちがよいか。
もちろん、後者の方だ。
それに、彼らーー鈴本とこの少年は、最近知り合ったばかりで関係の浅い私を、助けると言ってくれているのだ。
ーー好き勝手なことが言える立場じゃない。
「わかった。私はそれでいいんだけど・・・・・・二人もいいの?」
私が二人を交互に見ながら言った。
あの不良少年らの仲間になることに、この二人は抵抗はないのだろうか?
もしかしたら、グループのリーダーである志田に、あれこれ使われるかもしれない。
「俺らもそれで構わない。こいつもな」鈴本はちらりと平手に目を遣った。
「もう一度言うけど、事前に話してから、こうやってお前に提案してるんだから」
鈴本は視線を私に戻した。
「まあ俺も、最近退屈してたし・・・・・・いいだろ、こんなのも」
鈴本は澄ました表情でそう言った。
「まあ、もし何かあいつらに無茶なことを言われたら、そこで暴れてやる」
鈴本は、にやりと口の端を上げた。
「・・・・・・なんか、ごめんね」
こんなことになってしまって、申し訳なかった。
私のために、こうやっていろいろ考えてくれた鈴本と平手の厚意に、なんと言えばいいかわからない。
「ま、成り行きだから気にすんな」
鈴本は私を慰めるように言うと、 路地の、もと来た方向に顔を向けた。
「・・・・・・」
平手も静かに鈴本と同じ方を向く。
「じゃあ、あいつらのところに乗り込むか」
私たちは、不良少年らのアジトに向けて歩きだした。
0149ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/14(金) 03:29:12.07ID:YeUnMmTyd
なんか、人物の思考の展開の順番がちぐはぐ・・・・・・(´・c_・`)
0150名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/04/15(土) 02:40:45.76ID:5jweSEnO0
時間かかっても見てますよ
0151ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/15(土) 04:59:22.58ID:kSxYPYejd
>>150さん
ありがとうございます。
ただ、昨夜はまだ書いたものがたまっておらず投稿できませんでした。
また今夜投稿したいと思います。
0152ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/16(日) 01:04:39.72ID:T50zOAhgd
欅坂×不良学園小説

「ちっ、なめやがって」
俺が舌打ちすると、近くにいた原田が不安そうな目で俺のことを見てきた。
「あのガキ・・・・・・」
あの生意気な目が浮かぶ。
俺たちは揃いも揃って、この騒ぎの犯人ーー平手に踊らされてしまった。
結局、西のアジトが守屋たちに襲撃されたという知らせはデマだった。
やられた西のアジトの仲間たちによると、平手が一人で突然襲ってきて、俺たちに「守屋が全員で襲ってきた」という嘘の報告をしろと脅されたようだ。
もちろん、俺たちの仲間に、容易く敵の言いなりになるような奴はいない。
奴等も始めは平手の要求を拒否した。だが、拷問するかのように体を痛めつけられ、やむなく奴に屈してしまったという。

「ごめんね、逃がしちゃって」
俺の傍に控えるように立つリサオが、申し訳なさそうに言った。
「・・・・・・気にするな」
いち早く異変を察知したリサオは、すぐにここへと引き返した。
そして、平手があの女、今泉佑唯を連れ出すところを目撃し、それを阻止しようとしたが、奴等に逃げられてしまった。
(なんのつもりだ・・・・・・)
奴の狙いがわからない。なぜまた、あの女を連れ出すという真似をしたのか・・・・・・。
あのガキーー平手の存在は、以前から噂になっていた。
奴は、『不良狩り』ーーいつからかそう言うようになったーーという、俺たちのような類の人間を、手頃なのを見つけては襲うという行為を繰り返していた。
このグループの中にも、奴にやられた奴が少なからずいる。そのため、俺たちの間では奴を警戒していたのだが、こんな真似をするとは・・・・・・。
平手ーーその素性には謎が多い。
奴は、はっきりはしないが、あるときから姿を現し、俺たちのような人間ーー世の中の『真っ当な』人間がいうには不良ーーを襲い始めた。
どうしてそんなことをするのか、その行動原理はもちろん、奴がどこから来たのかも、その下の名前すらも明らかではなかった。
俺たちの仲間に、奴と同じ中学だったメンバーがいるが、そいつによると、年齢は15歳ーー高校一年にあたる歳ではあるらしい。
だが、どうやら高校には通っていないらしく、奴が普段どこにいるか、どこに現れるのかははっきりしていない。
ただわかっているのは、それなりに腕が立ち、不規則に姿を現しては、たった一人で襲撃を掛けてくるということだけだった。
0153ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/16(日) 01:42:33.61ID:T50zOAhgd
欅坂×不良学園小説

ーーそんなやつが、どうして俺たちを騙して今泉を奪ったのか?
『捧げもの』は他にもいるが、いままでにこのようなことはなかった。
「織田たちはまだか・・・・・・」
今泉をつれてくるべく、あいつらをあの女のもとに遣ってからしばらく経つ。そろそろ戻ってきてもいい頃だ。
「鈴本もついてるみたいだけど・・・・・・」
リサオが懸念を示すように言った。
鈴本がーーこいつも厄介なやつだがーー、平手とつるんでいることは、前に新たにわかったことだった。
鈴本は神楽坂の人間だが、集団に属することをせず、普段は一人気ままに行動している。
こいつがなぜ平手と仲がいいかはわからないが、とにかく、この鈴本が昨日、平手と一緒にいたらしい。
(鈴本さえいなければ・・・・・・)
俺たちがこのアジトに引き返したあと、俺は平手と今泉を見つけるために仲間たちを街に送り込んだ。
だが、平手たちを偶然見つけたメンバーの二人は、鈴本によって返り討ちにされたのだ。
「ちっ」
これも腹立たしさの種であった。
だが今日は、きっと今泉を守るために現れるであろう鈴本と、遭遇したメンバーによると手負いの平手、その二人を相手にして足りるメンバーを送り込んだつもりだ。
・・・・・・とはいえ遅い。
「あいつらは何をしてるんだ」
織田たちが戻ってくる気配もなければ、連絡もない。
苛立ちが積もりはじめたころ、
「志田さん!」
突然、下の階で見張り番をしていたメンバーの一人が、慌てた様子で入ってきた。
0154ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/16(日) 12:14:04.01ID:T50zOAhgd
欅坂46show見ましたが、ふーちゃんきれいだったなあ。
0157ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/17(月) 22:45:16.25ID:ap+NS84Dd
欅坂×不良学園小説

「入るぞー」
ーーあれは。
間延びした声とともに中に入ってきたのは、鈴本とあの女ーー今泉佑唯、そして平手だった。
それに気がついた他のメンバーたちが驚き、ざわめきだした。
「静かにしろ」
俺が一喝すると、メンバーは口を閉じ、代わりに、入り口の方に向かいはじめ、鈴本たちを囲むようにその両側に立つ。
昨日の一件で、無駄足を踏まされるなり直接やられるなりして、煮え湯を飲まされたメンバーたちは、俺の一言があればたちまち殴りかかるであろう、険しい視線を奴等に向けている。
だが、メンバーらの注視に臆することなく、奴等は鈴本を先頭に、フロアの中央まで進んできた。
「志田、あんたに用があるんだ」
後ろに今泉と平手を従えて、前に立つ鈴本が言った。
・・・・・・用だと?それはこっちの台詞だ。
「俺たちもちょうど、お前らに用があったところだ。特にそこの、平手にな」
そう鈴本たちーーとりわけ斜め後ろに立つあのガキに向けて言うと、平手は例の生意気な眼でこちらを睨んできた。
「平手、どういうつもりだ」
俺が問うとともに、三人を囲むメンバーたちが、じり、とその間を詰める。
「待て、待ってくれ」
危険を察知したのか、俺たちを制止しようと、鈴本が両手をあげた。
「話を聞いてくれ」
話だと?昨日の騒動を起こしておきながら、どの口がそんなことを言うのか。
ーー聞くまでもない。
と一瞬思い、メンバーたちに合図を出そうとしたが、ふと思い直した。
なぜ、こいつらはわざわざ自分たちから姿を現したのだろうか・・・・・・?
「・・・・・・話か。面白い。聞いてやる」
俺がそう言うと、メンバーたちが意外そうな顔で振り返ってきた。
それに構わず、俺は鈴本たちに向けて言う。
「なぜあんな真似をした?」
0158ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/19(水) 05:45:09.91ID:bWpir4H0d
欅坂×不良学園小説
「ああ。説明する。」鈴本は言った。「それと、なんでここに来たのかってことも」
鈴本は、後ろに立つ平手を示した。
「昨日のことは、こいつが、この子を助けようと思ってやったことだ」次いで、握った手に立てた親指で、今泉佑唯を指す。
「どうやら、個人的な思い入れがあったらしい。だから、お前たちから奪い取った」
「ほお・・・・・・」
『思い入れ』ーー好意を持っていたということだろうか?もしそうなら、少し意外だった。あの平手が女にそういう感情を持つとは。
「この女に惚れでもしたか?」
俺が揶揄すると、メンバーらも平手らを嗤った。
だが平手は、こちらの挑発に対し表情を動かさず、口を真一文字にむすんでいる。
「・・・・・・で?」
俺が話の先を催促すると、鈴本はぎこちなく口の端を上げ、愛想笑いをした。
「とりあえず、謝らせてくれ。・・・・・・昨日は悪かった」
鈴本はそう言って、申し訳なさそうに軽く頭を前に傾けた。
しかし、俺は指摘した。
「なぜお前が謝る?やったのは、そいつだろう」
顎で平手を示す。「てめえが頭を下げろ」
しかし、鈴本は
「こいつは口下手だからな。俺が代わって謝る」
と、俺の要求をはぐらかした。
「ちっ・・・・・・」
当の本人である平手は、やはり口を一切開くことなく、ましてや表情ひとつ変えないで、こちらをじっと見ている。
鈴本は口では謝ったものの、この程度の謝罪で、事を収められるわけがない。
「それで謝りに来たってわけか?これで済むと思っているとしたら、とんだ間抜けだな」
もちろん許すつもりはない。きっちりと落とし前をつける。
「覚悟しろ」
俺がそういうと、鈴本らを囲むメンバーらが数歩詰め寄り、その輪をいっそう小さくした。
「待て、待ってくれ。まだ話は終わってない」
鈴本が慌てたように言った。俺たちをなだめるように、方々に目を配る。
「・・・・・・なんだ?」
最後に一言ぐらい、その話を聞いてやってもいいだろう。どうせ奴等は袋の鼠だ。
「これからが本題なんだ」
鈴本はそう前置きして言った。
「俺たちを仲間に入れてくれ」
0160ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/20(木) 06:05:54.74ID:x7qHmKGTd
地の文が書けない......(´;ω;`)
0161名無しって、書けない?(チベット自治区)
垢版 |
2017/04/20(木) 08:21:25.49ID:PgR+zsib0
あげ
0162名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/04/20(木) 13:29:10.66ID:E22I+/C/0
そこで和解を申し出た鈴本に向かって平手が目をむいて

平手「ぼくは嫌だ!」

で「不協和音」が流れてインド映画みたいなダンスシーンに突入ですよ
0163ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/20(木) 18:22:47.90ID:drv+wXw7d
>>162さん
話が終わってしまう……笑
0164名無しって、書けない?(アラビア)
垢版 |
2017/04/20(木) 21:01:33.57ID:u/g++DYBH
賃貸の退去費用が思ってたより多額だった
http://gbu.teamazure.jp/1051/
0165ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/21(金) 05:57:38.31ID:Fzii17Lwd
欅坂×不良学園小説
「・・・・・・何?」
仲間に入れてくれだと?
予想だにしなかった言葉に、メンバーたちも驚いたのか、互いに顔を見合わせている。
「・・・・・・何が狙いだ?」
俺たちの仲間になるなど、こいつらが本気で言うはずがない。
勘ぐった俺は鈴本にそう言った。
鈴本は「狙いなんて無いって!」と、慌てて首を振るが、そんな嘘芝居に騙されると思っているのか。
「嘘だな。」
「本気で言ってるんだって」鈴本は語気を強めた。
「考えたんだか、お前らを敵に回して良いことなんて一つもない。それなら、仲間に入れてもらって、おこぼれに預かる方がよっぽど得だってな」
鈴本は、腕を組み、考える素振りを見せてーーわざとらしいがーー言った。
「だから、こいつはお前らに返すよ」
そう言って鈴本は、後ろにいた今泉の背に手を回し、今泉を前へ押し出した。
押された今泉はその勢いで、数歩前によろめいた。俺と鈴本の間で、居場所がなさそうに肩を縮ませる。
ーー何か裏があるに違いない。
昨日この女を連れ出しておいて、たった一日で差し出すなんて、諦めが早すぎる。
「こっちに来い」
鈴本たちに対する疑念をそのままに、ひとまず俺は、今泉佑唯に向けてそう言った。
今泉は恐る恐るといった歩みでこちらに進む。
「やってくれたな」
今泉が、手を伸ばせば捕えられる位置まで来るのを認めて、俺は昨日の騒動の小言をひとつ言った。
この女が、平手と面識があるとは思わなかったが、とにかく、この女が一緒になって逃げ出すなんてしなければ、この一件の面倒は、多少は小さかっただろう。
「・・・・・・」
今泉はなにも言わず、緊張した顔で、こちらをじっと見上げた。
「これでいいだろ?俺たちを仲間に入れてくれ」
今泉を引き渡して、鈴本はそう言った。
「・・・・・・」
とはいえ、どう判断するか。
こいつらが何か企んでいるのは間違いない。問題はそれが何なのかだ。
ーー『大人たちの遺産』か?
その可能性が頭をよぎった。
俺たちに近づこうとする理由があるとすればそれだ。
・・・・・・いや、こいつらがその存在を知っているはずがない。
『大人たちの遺産』の存在を知っているのは、俺たちの仲間と、守屋たちぐらいだ。
・・・・・・いや、鈴本なら何らかの経緯で知っているのはあり得る。
だが、それならこの女は関係ない。自分たちだけで俺たちのところに来て、仲間にしてくれと言えばいい。
「ちっ」
考えても埒が明かず、口から舌打ちが出た。
こいつらの狙いは何なのか・・・・・・?
0166ハコオシ(茸)
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2017/04/22(土) 05:21:57.49ID:eADXGhhRd
仕事で書けない(´・ω・`)
0167名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2017/04/22(土) 07:21:54.24ID:kwVCYcQXK
大丈夫、大丈夫やで
0168ハコオシ(茸)
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2017/04/22(土) 10:10:46.00ID:eADXGhhRd
>>167
ご本人登場!?(゜ロ゜ノ)ノ
0169ハコオシ(茸)
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2017/04/23(日) 05:23:39.07ID:9NE8bJsad
欅坂×不良学園小説

・・・・・・何か狙いがあるはずだ。
俺たちの仲間になりたいなんて、こいつらが本気で言っているはずがない。
だが、その狙いとはなんだ・・・・・・?それが分からない。
「・・・・・・」
鈴本たちは俺の回答を待っている。沈黙が流れる。
奴等を追い返すか?
・・・・・・だが、こいつらが本気で言っている可能性もある。
もし本当に仲間になるというのなら、これは思わぬ儲け話だ。
認めるのは癪だが、鈴本と平手の力はこのグループの主力クラスのメンバーと遜色ないだろう。
腹に何か抱えていようと、そうでなかろうと、この二人を手駒として使えるのは、最近攻勢に出ている守屋たちのことを鑑みると、悪くない話だ。
・・・・・・どうする?

「マナキ」
不意にリサオの声が耳に入り、思案に足をとらわれていた俺は、はっと我に返った。
見ると、メンバーたちとリサオが、俺が何と言うか、こちらを注視している。
その視線に、俺は思い直した。
ーーこんなガキ二人に、何を心配することがある?
本気で配下に加わるというなら、存分にこいつらを使えばいいし、何か狙いがあるなら、それを事前に察知して、やつらを潰せばいい。
ーー少し神経質になっていたか。
ますます勢いを増している守屋が気がかりで、最近神経を尖らせていた。
「いいだろう」
俺は鈴本と平手に向けて言った。
リサオが意外そうな顔で振り向いてきた。
「お前らを仲間に入れてやる」
ーーそれに、企みがあるとすれば、それが何なのか気になりもする。
「本当か!?」そう言って鈴本は、事がうまく運んで安心したように、緊張した表情を緩ませた。「助かるよ」
「ああ」
認めてやる、と言いかけて、俺は口を止めた。
ーーいや、このまま、すんなりと仲間に入れるのではつまらないだろう。
こいつらに辛酸を嘗めさせられたメンバーもいるのだ。
「俺は構わないんだが、他の奴等はどう思うだろうな」
俺がそう言うと、鈴本は怪訝そうな顔をした。
「もしかすると、お前たちを快く思わない奴もいるかもしれない」
鈴本と平手に辛酸を嘗めさせられたメンバーもいるのだ。
そいつたちの溜飲を下げさせてやらなければならないだろう。
メンバーたちに目をちらりと向けると、俺の意図を心得たメンバーたちはにやりと笑みを浮かべた。
そして、鈴本と平手をぐるりと取り囲むように環状に展開する。
「何・・・・・・?」
不穏な空気を察知したのだろう、鈴本と平手が、鋭い目つきになって、左右に目を配らせる。
「俺は少し席を外すから、あとは、こいつらと話をつけてくれ」
そう言って、鈴本たちに背を向け、傍に立つ今泉の腕を掴んだ。
「お前はこっちに来い」
今泉の腕を引くと、女は「ちょっと、嫌っ」と抵抗したが、無視した。
間を置かずして、背中の向こうでで、メンバーたちの喊声が響いた。
0170ハコオシ(茸)
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2017/04/24(月) 06:02:39.10ID:9gILk6Pud
欅坂×不良学園小説

アジトに男たちの喊声や怒号が反響する。
鈴本と平手をそれぞれ囲んで、メンバーたちが襲いかかる。
「やめさせて、お願い!」
俺の脇にいる今泉が、俺の方を見上げ、抗議の声を上げた。
「ふん」
俺はそれを鼻で嗤った。俺がそれを聞き入れると思っているのだろうか。

「僕も行っていい?」
俺と同様、乱闘を遠目に見ていたリサオが、俺の方に顔を向けて訊ねてきた。
その眼は冷たく光り、顔には好戦的な微笑が浮かんでいる。
だが俺は軽く首を振った。
「・・・・・・お前は行かなくていい」
そうリサオに言うと、リサオは「そう?」と眉を八の字に上げ、期待が外れた顔をした。
メンバーたちを鈴本と平手に闘わせているのは、もちろんメンバーたちの憂さ晴らしのためでもあるが、こちらとしては、メンバーたちの戦力を確かめたいという狙いもあった。
先代のリーダーである土生さんや年上メンバーたちが引退し、俺がこの組織を引き継いでから数ヶ月。
このグループは今どれほどのものなのか、この機会に確かめておきたかった。
「ぐっ」
闘いのなかで、メンバーの一人ーーあれは加藤かーーが平手の隙を見て背後から襲いかかったものの、攻撃をかわされ、逆にカウンターをくらってしまった。
そのまま加藤は床に崩れ、立ち上がれない。
また、鈴本を相手に闘うメンバーたちも、その攻撃を巧みに避けられ続けている。
鈴本と平手は、多くの敵を相手にしながらも、その攻撃をかわすと同時に、チャンスを見つけては的確に攻撃を当て、こちらのメンバーを一人一人削っていく。
複数人を相手にした闘い方を奴等は知っている。
ーーいくらあいつらが強いとは言え、こっちは多勢・・・・・・。
少し、苦い気持ちになった。
グループには新しく加わった、若く、経験の浅いメンバーもいる。新しく駆け出したこのグループは、正直、まだ未成熟だ。
このメンバーで、眼前の脅威である守屋らとどこまでやれるのだろうか。
現状は、決して楽観視できるものではないはずだ。肌でそれは感じていた。

「うん?」
不意に、ポケットにしまっていた携帯電話が鳴った。
見ると、電話をかけてきたのは、今泉を迎えに行ったはずの織田であった。
「・・・・・・織田。お前、今どこだ?」
織田には今泉を連れてくるように指示したのに、時間が過ぎても一向に戻ってこないで、それどころか、当の今泉本人と鈴本、平手がなぜかアジトにやってきた。
こいつは何をやっているのか?
『あの・・・・・・すみません。実は、あの女に逃げられてしまって・・・・・・』
電話の向こうの織田は、言いにくそうに答えた。
・・・・・・報告も遅い。
「帰ってこい」
俺はそれだけ口にした。
『え?』戸惑った織田の声が聞こえてくる。
「いいからさっさと帰ってこい!」
織田に怒鳴り、そのまま電話を切る。
このやり取りが面白かったのか、こちらを見ていたリサオが口の端をあげた。
あいつだってここの主力の一人だ。有能な男のはずなのだが・・・・・・。
ーーまったく。
苛立ちの混じったため息が出た。
0171ハコオシ(茸)
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2017/04/24(月) 12:43:34.06ID:9gILk6Pud
>>167
もしかしたら、描写を今の一人称視点から、三人称視点に変えるかも。

いいかな、米さん?(´・ω・`)
0172ハコオシ(茸)
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2017/04/25(火) 05:45:20.37ID:O6XA7A6td
欅坂×不良学園小説

ーーやはり。
俺の懸念はそう外れていなかった。
相手は鈴本と平手、たった二人であるのに拘わらず、仲間は、未熟なメンバーから一人また一人と倒され、残すは主力メンバー数人となっていた。
「このやろう・・・・・・」
悔しそうに顔をしかめ、平手と対峙するのは石森だ。
普段は控えめな奴だが、確かな実力を持っている、このグループの屋台骨の一人だ。
「・・・・・・ダボ」
かたや、鈴本に対して、小さく関西弁で悪態をついたのは、同じく主力メンバーの一人である小池だ。
その罵声の意味が通じなかったのか、鈴本は「ん?」と、闘いの構えをとりながら首を傾げている。

ーー仕掛けるか。
石森が平手に攻めかかった。
他のメンバーとは違い、その攻撃はかわされることなくーーガードはされているがーー平手を捉えている。
「うっ」
攻防のなかで平手の攻撃を食らうも、石森は簡単に倒れない。
素早く間を取り直し、機を伺う。
あの男はこのグループのなかでも特に経験豊富で、長い間、共に多くの闘いをくぐり抜けてきた仲間だ。
タフなだけでなく、その長い経験ゆえ、広い対応力を持っている。
「おらあっ」
他方、小池は鈴本に対し、バリエーションに富んだ多様な攻撃を連続で繰り出している。
奴の真骨頂はキレた時だ。今はまだ、7割程度の調子だが、キレた小池は虎のごとく、猛然と敵に襲いかかる。
鈴本は、かわしきれなかったいくつかの攻撃を、腕で防御してしのいでいる。

「・・・・・・」
主力メンバーの闘いぶりは悪くない。
このグループの中核的戦力だけあって、その実力は申し分ない。
このまま闘い続ければ、少なくとも引き分けにはーー敗れる、とは思いたくないがーー持ち込めるだろう。
・・・・・・だが、もう十分だ。
目の前の戦況を見れば、このグループの現状は把握できた。

「もういい。やめろ」
俺は、奴等のところまで進み出て、その闘いを中断させた。
0173名無しって、書けない?(地震なし)
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2017/04/27(木) 01:23:06.68ID:D1Vvtq4L0
お、土生は先代なのか
やっとでてきた
0174ハコオシ(茸)
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2017/04/27(木) 05:13:58.67ID:lGPg2rzKd
仕事の飲み会行くより書きたい(;ω;)
0175ハコオシ(茸)
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2017/04/27(木) 05:39:34.95ID:lGPg2rzKd
欅坂×不良学園小説

俺が闘いに割って入ると、メンバーたちと鈴本、平手は、動きを止め、構えはそのままに顔をわずかにこちらに向けた。
「やめろ」
俺はもう一度言った。
「マナキ・・・・・・」と石森が釈然としない表情で言う。闘いを途中で止められたのが納得できないのだろう。
「ご苦労だった。下がってくれ」
俺が労をねぎらうと、石森と小池、そして周囲で地面に膝をついていたメンバーたちは、若干渋々といった顔で、その場を退いた。
今度は、残った鈴本と平手の方を向く。
「お前たちの加入を認めよう」
すると鈴本は、少し荒れた呼吸で肩を上下させながら、
「・・・・・・これで満足かよ」
とぼやいた。
「ああ。弱い奴はいらないからな」
俺がそう返すと、鈴本は食えないやつと言わんばかりに「ふん」と鼻を鳴らした。
他方、平手はというと、奴はそれほど消耗した様子もなく、仏頂面でこちらをじっと見ている。
ーーいけ好かない奴だ。
「こっちに来い」
俺は二人にそう言って背を向けた。
0176ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/27(木) 15:03:34.44ID:lGPg2rzKd
私は変なのかなあ
0177ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/04/28(金) 05:46:01.95ID:wbWkFecfd
欅坂×不良学園小説
俺はフロアの奥、もっとも上手にあたる位置に立った。
「望み通り、お前たちを俺たちの正式なメンバーとして認める」
鈴本と平手は俺の前に並んで立ち、その後ろにメンバーたちが控える。
「だが仲間になる以上、ここのきまりには従ってもらう」俺は二人に対して告げる。
「まず俺の命令は絶対だ。そして、俺たちは結束を重んじる。裏切りは許さない」
まあ、どうせなにか企んでいるのであろうが。「裏切ればどうなるか・・・・・・わかるな?」
鈴本は「ああ」と頷き、平手は無言のまま立っている。
「なんか仕事とかあるのか?」と鈴本が質問した。
「平時なら主に巡回だ。街に他所の人間が入って来ていないか、交替で見て回る。」俺は今泉を顎で指して示した。「それに、こいつの学校、欅坂との協定もある」
それだけではない。俺は鈴本たちに訊ねる。
「お前たちは守屋を知ってるか?」
「名前ぐらいならな。・・・・・・ヤバイ奴らしいが」と苦い顔をする鈴本。
「ああ」俺は頷いた。
「そいつが最近勢力を広げ始めている。この街に手を伸ばそうと守屋たちが怪しい動きをしていないか、常に警戒しなければならない」
守屋たちは、自分の支配する領域を広げようと、この街を虎視眈々と狙っている。そして俺たちが持っているものも。
俺たちは、守屋たちが侵攻する気配が無いか常に目を光らせ、その動きがあるときはこれを叩かなければならない。
守屋のことは多少は耳に挟んでいるのであろう、鈴本は深く説明しなくても事情を理解したように、数度小さく頷いた。
「まあ、お前たちに大きな仕事はさせるつもりはない」俺は口の端を上げて鈴本たちに言った。「使いっぱしりがいいとこだ」
俺が言うと、鈴本は肩をすくめて苦笑した。
「パシリかよ。・・・・・・ところで、欅坂からの『捧げもの』について訊きたいんだが」鈴本は、横でリサオと一緒に俺たちの話を聞いていた今泉にちらりと顔を向けた。
「俺たちにも『分け前』はあるんだろ?そのために俺たちは、というか特にこいつは仲間になったんだが」鈴本は隣に立つ平手に目を遣った。
「そうだったな」
そういえばこいつらは『おこぼれに預かりたい』とか言っていた。
『捧げもの』である今泉を、ここのメンバーの一員として享受するのが、こいつらのそもそもの動機だった。
俺にはその心理がよくわからないが。
「『捧げもの』はメンバー共有のものだ。お前らも好きにしていい」
0178ハコオシ(茸)
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2017/04/28(金) 05:47:36.19ID:wbWkFecfd
欅坂×不良学園小説

一応そう告げると、鈴本は「そうか」と得心したあと、「ところで・・・・・・」と何か思い付いたように口を開いた。
「その『捧げもの』なんだが・・・・・・。『捧げもの』の女を自分一人のものにすることは出来ないのか?」
鈴本は言った。
・・・・・・あ?
「なに・・・・・・?」
「だから、『捧げもの』の女を自分のものにできないのかって訊いてるんだ」
こいつらの思惑を予感して顔が固まった俺の前で、鈴本は喋り続ける。
「聞いた話なんだが、決闘みたいなやつをして勝てば、『捧げもの』の女を自分のものにできるらしいな。」
まさか・・・・・・。
「あるよな?そういう仕組み?」
鈴本は俺の答えを待たずに、自分が言っていることが間違っていないという口ぶりで話を進めた。
「早速、それをしたいんだが」
そして、にやりと笑みを浮かべ、隣に立つ平手に目を遣る。
「そこの女、今泉をかけて勝負を申し込みたい」
そして、平手の背中に手を回す。
「戦うのはこいつだ」
0179ハコオシ(茸)
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2017/04/30(日) 01:13:02.79ID:8n7VMGVad
欅坂×不良学園小説

「・・・・・・それが狙いか」
こいつらがなぜ、俺たちの仲間に加わると言い出したのか、その理由がわかった。
「ふざけんなてめえ!」
「なめてんのか!」
俺と同じく鈴本の発言を理解したメンバーが、怒りの声を上げた。
確かに、鈴本の言う通り、ここにはそういう取り決めがあった。
『捧げもの』は基本、特定のメンバーのものではないが、その女を自分だけのものにしたいという者がいれば、その女をかけて勝負を挑むことができる。
そして、これに反対する者を打ち負かすことができれば、そのメンバーは『捧げもの』を独占できるというものだ。
これを使って、こいつらーー厳密には平手は、今泉を自分のものにするつもりらしい。
「ははははっ」
こいつは可笑しい。怒りを通り越して、笑いが込み上げてきた。
「この女のために、わざわざこんなことを?」
平手がどれほど今泉に惚れ込んでいるかはしらないが、たかだか女一人のために、こんなこと企むとは。
すると鈴本は、真剣な目付きになった。
「なにも可笑しくない。これをやって勝てば、お前らは今泉に手を出せなくなる」
確かにその通りではある。だが・・・・・・。
「・・・・・・俺たちの仲間になってまで、か?」
笑いを堪えきれずに、半笑いしながら俺が鈴本に問うと、奴は「ああ」と、さらりと答えた。
「お前らと敵対し続けるのは面倒だ。しつこいからなお前らは」
生意気にも鈴本はそう答えた。
敵に追われないようにするために、敵に仲間として加わるなど、馬鹿げた考えとしか俺には思えなかったが、こいつらは本気でそれを目論んでいるらしい。
さらに俺は別の指摘をした。
「そもそも、お前らを仲間にしないと言ったら?」
そもそも、鈴本と平手を仲間にしなければ、今泉をかけた勝負を挑む資格はない。
「一度言ったことを覆すのか?グループのトップが?」
鈴本は挑戦的な笑みを浮かべて言った。
確かに、ついさっき二人を仲間にすると宣言したばかりだ。
他のメンバー前で、リーダーとしてどう振る舞うか、俺を試しているつもりなのだろう。
ーーおもしろい。
「いいだろう」
0180ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/01(月) 00:08:18.65ID:YJjzg8RBd
欅坂×不良学園小説

そう俺が言うと、鈴本たちの後ろに立つメンバーたちが、驚いた顔をした。
構わず俺は続ける。
「もしお前たちが負ければ、もちろんこの女は俺たちのものだ。それに、お前ら二人は俺の手下として働いてもらうが、それでもいいんだな」
要は勝てばいいだけの話だ。勝って、こいつら二人を下僕として使ってやる。
「ああ」と鈴本は頷いた。そして平手とちらりと見て言った。「こいつは負けない」
平手は例によって無表情のまま、だが瞬き一つせず、俺の方に目を向けている。
「ふん」その威勢がいつまで続くか見ものだ。
俺は二人ーーとくに平手に向けて言った。
「1日休みをくれてやる。明後日またここに来い」
やるからには、万全の状態でなくてはつまらない。
その上でこいつを、全力で叩き潰す。
俺は今泉の方を向いて言った。
「お前も帰っていい。明日まで自由にしてやる」
緊張した面持ちだった今泉は何も返さなかった。
俺は鈴本と平手の方に顔を戻す。
「勝負は明後日。・・・・・・逃げるなよ」

鈴本と平手、そして今泉が立ち去るとき、フロアの入り口で入れ違いに今泉を探しに出ていた織田が帰ってきた。
そして、奴等三人の姿を見るなり、「あっ!お前ら!!」と驚いたのが遠目に見えた。

「いいの?」
そばに立っていたリサオが、柔らかな口調で訊いてきた。
「ああ」と返すと「そう」と目を細めて微笑んだ。
「楽しそうだね」
俺の顔を見てリサオが言った。
「ふん」
そう言いながらも、俺は体がうずうずとするのを感じていた。
「あとで織田を部屋に呼んでくれ」
俺はリサオに頼んだ。
「一応何があったか聞いておかないとな」
0181ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/01(月) 00:54:15.91ID:YJjzg8RBd
欅坂×不良学園小説

俺はアジトの上階にある志田さんたち専用の部屋に呼ばれていた。
「へえ、花火でね」
今泉たちに逃げられた際のことを報告すると、リサオさんが可笑しそうに、軽く握った手を口許に当てた。
「ふん、へまをしたな」
かたや志田さんは不機嫌な顔をしている。
「すみません・・・・・・」と俺は視線を下げる。
「それにしても、なぜ奴等があのことを知っていたんだ?」
ここで志田さんが、なぜ鈴本たちが、『決闘』ーー『捧げもの』を自分だけのものに出来る方法ーーについて知っていたのか、訝しんだ。
・・・・・・まずい。
背中がすっと冷えるような感じがした。
リサオさんも「それもそうだね」と、志田さんと同じく不思議がる。
「そんなに外部に知られることじゃないよね、こんなこと」とリサオさん。「鈴本が盗み聞きしたのかな?」
「誰かの話をか?」志田さんが怪訝そうに眉を寄せた。「それなら誰か気がつくだろう・・・・・・。それに最近はやってなかったしな」
「そうだね・・・・・・。最後に『決闘』があったのは確か・・・・・・」
リサオさんが前のことを思い出すように、斜め上を見る。
「土生さんのときだな」志田さんが答えた。「土生さんが、今の欅坂の生徒会長をかけて闘ったのが最後だ。それきりやってない」
「ああ」リサオさんが数度頷いた。「僕たちが二年のときだね。他の同い年の人たちと闘ったやつか。」
その『決闘』は俺もここに入りたての頃、目にしていた。
先代のリーダーの土生さんが、ーーそのときはすでにここトップだったが、一応決まりに則り、他のメンバーに対して『決闘』をすることを宣言してーー他の同学年の先輩複数人相手に闘い、その人たちをボコボコにしたやつだ。
それからリーダーが志田さんに変わり、新体制を整えるのにしばらく専念していたから、それを最後に、長い間『決闘』は行われていなかった。
「じゃあ、どこで知ったんだろうね?」リサオさんが本題に戻った。
「誰かに吐かせたとか?」
リサオさんが首を傾げて言う。
「かもしれないな。・・・・・・報告は受けていないが」
志田さんは渋い顔をして言った。
0182ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/01(月) 02:02:20.76ID:YJjzg8RBd
欅坂×不良学園小説

・・・・・・まずい。
「織田は何か知ってる?」
「えっ?」
不意にリサオさんに訊ねられ、俺は「いや・・・・・・わからないっすね」と、とっさにごまかした。
・・・・・・俺が鈴本に教えたなんて言えない。
実は俺は以前から、志田さんたちには内緒で、鈴本から情報をもらっていたのだ。
前から鈴本は、なぜかわからないが、度あるごとに親しげに俺に近寄って来ていた。
普段から一人で行動している鈴本は、その身軽さから、この街のいろんな情報ーーなかには、敵性のある他の勢力についての情報までもーー持っていた。
鈴本は、その自身が持っていた、小さな情報から、結構重要な情報までも、頼んでもいないのに、俺に教えてくれていたのだ。
志田さんたちの役に立てるかと思った俺は、その鈴本の話を重宝していた。
そんななか、俺も多少はあいつと会話することがあった。
それは、有益な情報をもたらしてくれるやつを無下に扱うこともないし、それに、顔見知りとしての友好関係もあってのことだった。
そんななか、いつかの会話で、鈴本がこのグループについての質問することがあった。
鈴本に対し悪い気はしていなかった俺は、その鈴本の質問にいくつか答えたのだ。
もちろん、重要な情報は漏らしていない。
だが、機密には当たらないようなちょっとしたことーー『捧げもの』のことや、そして今問題になっている、『決闘』のことについては、俺はそんなに重要なことではないと思っていたので、こんなものがある、という程度の気持ちで鈴本に教えていたのだ。

でもまさかこんなことになるなんて・・・・・・。
俺は、そのとき鈴本の質問に答えたことを後悔した。
教えたのも少し前のことだ。そのときはもちろん、まだ平手と今泉は関わってなかった。
予期できるはずはなかったとはいえ、それが今、この事態を招いた一因になっている・・・・・・。
志田さんに言うべきだろうか・・・・・・?
志田さんに追及されて吐くぐらいなら、自分から言い出した方がいい。
・・・・・・だがやはり、怖い。
志田さんが激怒することを恐れて、白状しようかどうしようか迷っていると、
「まあいい」
と、幸運にも志田さんは、これ以上このことを考えるのをやめにしてくれた。
・・・・・・助かった。
「あいつらに勝てばいいだけの話だ」
志田さんは割りきった様子で言った。そして、俺に目を向ける。
「織田、もういいぞ。ご苦労だったな」
志田さんは、そのように普段の調子で言った。

志田さんに退出を許され、俺は、心のなかでほっと息をつきながら、志田さんの部屋を後にした。
ーー鈴本め・・・・・・。
冷や汗をかかされた俺は、建物の通路で、いつも人懐こい感じで近づいてくるあいつのことを恨めしく思った。
0183ハコオシ(茸)
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2017/05/02(火) 05:36:07.17ID:yjQZ4W72d
欅坂×不良学園小説

「さて、明後日だな」
街灯がまばらに照らす裏路地を歩きながら、私たち二人の真ん中で、一歩先を進む鈴本くんが言った。
「勝てよ、平手」
そう言って平手くんの方を振り返り、ニッと口の片端を上げる。
「うん」
私の隣で黙ったまま歩いていた平手くんは、それだけ答えた。
顔は真顔で、その目は据わっており、引き締められた雰囲気を帯びている。
「ねえ、平手くん」
それまで話しかけられないでいた私は、鈴本くんが彼に話しかけたのに乗っかって、平手くんに話しかけた。
「無理は、しないで」
先日の、倒れた彼の姿が思い出される。
どうして私のことを助けてくれるのか、その理由は今も定かにはわからないが、とにかく自分のせいで、この少年が大変な目に遭うのは受け入れがたかった。
「もしもだめなら、それでいいから」
愛想笑いして、そう言ってみる。
「放課後にあそこに通っていうことだけだろうし・・・・・・気にしないで」
そう言って彼の反応を伺う。
「・・・・・・」
けれど、平手くんは何も答えてくれなかった。
後ろから吹く風に、彼のぼさぼさに伸びた髪がその頬にかかる。
彼が何を思っているのか、その表情からは読み取れなかった。
「たぶん、志田がくるぞ」
鈴本くんがこちらに体を反転させ、後ろ向きに歩きながら言った。勝負の相手のことだろうか。
「強いの?」
私が訊ねると、鈴本くんは「そりゃ、グループのトップだからな」と答えた。
「いけるか?」
鈴本くんが平手くんに言うと、平手くんは「大丈夫」と返した。
鈴本くんには口を開いてくれるのに・・・・・・と、私は、自分に対してはあまり言葉を発してくれないこの少年のことを理解できないままでいた。
ーーいつか、聞いてみよう。
今はきっと無理だろうけれど、いつか、この少年から、どうしてこんなことをしてくれるのか聞いてみよう。
私は平手くんの横顔を見ながらそう思った。
0184名無しって、書けない?(チベット自治区)
垢版 |
2017/05/02(火) 08:20:41.48ID:Kyue0Hlc0
志田がくるのか
0186ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/02(火) 22:31:07.70ID:yjQZ4W72d
欅坂×不良学園小説

次の日の学校は、あっけなく、本当に何もなく時間が過ぎていった。
「どう?学校のほうは?」
夕飯の食卓で、向かいの席に座るに母が、私に訊ねてきた。
「勉強、難しくない?」
「うん、少し難しいけど、大丈夫」
「そう」
私が答えると、母は安心したように微笑んだ。
「なんせあの欅坂女子だからな。佑唯はすごいよ、うん」
母の隣で、父も満足げに一人頷いた。私が名門校に合格したことがまだ嬉しいらしい。
ーー違う。そうじゃない。そっちじゃない。
晴れない気持ちの私をよそに談笑し始めた二人を見て、私は思った。
この数日、いろんなことが起きてるのに。私は今、大変なことに巻き込まれているのに。
どうして二人は勉強のことなんて訊ねるのだろう。
・・・・・・今はそれどころじゃないのに。
「あ、そういえばお父さん」
父と母は、私にとってはどうでもいい世間の話題をとりだして話始めた。
ーーどうして気づいてくれないの?
私は心のなかで二人に向けて、そう発した。
私は今、決して明るい顔はしていないはずだ。
普段通りを装いながらも、でも二人に気がついてほしくて、暗い気持ちを少しだけ顔に出していた。
なのに、なぜ二人は、どうだっていい話題に関心を向けたままで、
「どうしたの?何かあったの?」と私に訊ねてくれないのだろう。
私の顔には、何かがあったことを感じさせる様子は映っていなかっただろうか。
親なら、例え子どもが暗い感情を隠していたとしても、それ感じ取れるものではないのか。
子どもの甘えだろうけれど、そう思った。
・・・・・・訊いてくれたなら、話し出せるのに。
暗い気持ちでいる私の目の前で、何も気がつかないまま『家族団らん』の時を楽しんでいる両親に、私はさみしい気持ちになった。
0187ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/04(木) 21:14:09.40ID:uOqVC1lEd
動きのないシーンの描写に困る(;つД`)
0188名無しって、書けない?(SB-iPhone)
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2017/05/04(木) 21:17:43.90ID:fcKsabusp
>>187
大丈夫。大丈夫やで。
0189ハコオシ(茸)
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2017/05/04(木) 22:48:22.03ID:uOqVC1lEd
再び米さん(;つД`)
今夜はちょっと仕事の都合上書けません。
明日にはあげられると思います。
 
あと米さん、描写の形式を変えていいかなあ?
0190名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2017/05/04(木) 22:59:44.09ID:WJW/Zxv/K
>>189
色々違う!

…うそうそ。一回言ってみたかっただけ(笑)
大丈夫やで。
0191ハコオシ(茸)
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2017/05/05(金) 06:00:11.72ID:nMpo3L1+d0505
>>190
ありがと米さん
読んでくれてるの、きっと米さんだけだよ(つд⊂)
0192ハコオシ(茸)
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2017/05/06(土) 05:00:17.14ID:nJMSGfjxd
欅坂×不良学園小説
そして勝負の日、下校時に迎えに来た鈴本くんと平手くんとともに、私は不良少年たちのアジトに向かった。
アジトである建物に到着し、一階の入り口で番をしていたグループのメンバーの一人に、中まで通された。
フロアには、その両側にグループのメンバーがずらりと並び、中央の奥に、待ち構えるようにグループのリーダー、志田が立っていた。
ーーえっ・・・・・・。
志田の斜め後ろに控えていた渡邉と並んで立つ、意外な人物の姿が目に入った。
ーーどうして、菅井先輩がここに?
そこにいたのは、欅坂女子高の生徒会長である、菅井友香先輩だった。
菅井先輩は、他の不良少年と同様に、入ってきた私たちを見ている。
私たち三人が志田の前まで進んできたとき、私は菅井先輩と目があった。
菅井先輩の唇が、微かな弧を形作る。
その凛とした立ち姿には、私がここに連れてこられたときのような戸惑いの様子はなく、まるでここに通いなれているかのような感じがあった。
「逃げずに来たな」
私たちの前で腕を組んで立つ志田が口を開いた。
「一応説明をしておく。勝負はどちらかが負けを認めるまで、あるいは気を失うまで行う」
志田は平手くんに鋭い目を向けながら、単調な低い声で説明した。
「対戦相手は、・・・・・・まあ、あらかた予想してるだろうが」
そう前置きして、志田は立てた親指で己を指した。
「平手、お前の相手はこの俺だ」
やはり、この前鈴本くんが言ったとおり、対戦相手はグループの頂点に君臨するこの少年だった。
「ついてこい」
志田はそう言うと、私たち三人の間を通りすぎて、フロアの中心に向かって歩いていった。
どうやらそこが戦いの場なのだろう。すでに他のメンバーが、円を描くようにフロアの中心を取り囲んで立っている。
平手くんも、志田のあとに続いて歩きだそうと身を翻した。
0193ハコオシ(茸)
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2017/05/06(土) 05:01:03.10ID:nJMSGfjxd
欅坂×不良学園小説

「待って」
一人行ってしまおうとする平手くんの手を、私は掴んだ。
平手くんが振りかえり、私と目があう。
「・・・・・・」
平手くんを引き留めておきながら、私は彼になんと言っていいかわからなかった。
頑張って、というのはおかしい。ごめん、というのも違う・・・・・・。
「・・・・・・気を付けて」
しばらくの沈黙のあと、出てきたのはその言葉だった。
「・・・・・・」
平手くんは、感情の読み取れない無表情のまま、私のことを見ている。
ーーこんなこと言っても、なんの力にもなれない。
自分でそう言っておきながら、自分の言葉がなんて薄っぺらいものなのだと情けなくなり、視線が下がる。
すると、
「・・・・・・大丈夫」
と、平手くんがぽつりと言った。
私が目を上げると、平手くんは無言で軽く頷き、顔を前に戻して歩き出した。
「・・・・・・」
私は無言で、その背中を見る。
大丈夫ーーそうは思えなかった。私でもわかる。きっと、これから過酷な闘いが行われる。
どうして平手くんが私のために闘うのか、彼のことがよくわからない。
心配と当惑がない交ぜになる。
「今泉さん」
不意に後ろから声がかけられた。
見ると、菅井先輩がこちらに近づいてきていた。
「菅井先輩・・・・・・どうして、ここに?」
私は、菅井先輩に訊ねた。
「あなたをかけて、勝負が行われると聞いて」
菅井先輩は上品な口調で答えた。
菅井先輩はこの不良少年たちと細かく連絡を取り合っているのだろうか?
私は、菅井先輩とここの不良少年たちの関係が気になった。
「彼が平手くん?」
菅井先輩が視線を先に向けて言った。
「あ・・・・・・はい」私は頷く。
志田に教えてもらったのだろうか、菅井先輩は、平手くんの名前もすでに知っていた。
「そう・・・・・・」
菅井先輩はそう呟いて、目を少し細めた。
どうしたのだろう・・・・・・?
懐かしいものをみるような、意味ありげなその眼差しに、私はひっかかった。
0194名無しって、書けない?(地震なし)
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2017/05/06(土) 21:35:29.95ID:4fO1fmNea
>>191
いや俺も最初から読んでるぜ
楽しみ
0195名無しって、書けない?(庭)
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2017/05/07(日) 03:10:01.03ID:dftB5N5Ia
俺も読んでますよ
0196ハコオシ(茸)
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2017/05/07(日) 05:43:50.49ID:n37X6lzYd
欅坂×不良学園小説

フロアの中央で、志田と平手が3メートル程度の距離をおいて向き合った。
無言のまま、先に志田が両腕を胸の前に上げて闘いの構えをとると、平手もそれに応じて右足を後ろに引き、左前の構えをとった。
平手の構えは、胸の高さに上げた左手を少し前に出し、右手を右腰に引いた、空手で見られるような構えだ。
それに対し、両手を体の前に揃え、左足をわずかに前に出すだけの志田の構えは、どちらかというと軍隊格闘術のそれだった。
「・・・・・・」
緊張した沈黙の時間が流れる。
「フッ、フッ、シャアッ!」
先に攻撃を仕掛けたのは志田だった。
鋭く息を吐き出す音と、軟派なルックスからはかけ離れた気迫のある気合いの声が響く。
志田は、相手に悟られないような体の運びで平手との間を詰めたかと思うと、
体の左を前にした構えから、左足を前に踏み込むとともに左の拳を突きだし、次に、腰の回転に乗せた右ストレート、そして、前に進む勢いを利用して、右の脚による前蹴りを放った。
ーーバッ、バッ、ドッ。
平手は、前に出していた左手を、突き出された志田の左拳に当てて防ぎ、左手と交差させるように前に突きだした右手で志田の右ストレート押さえこみ、そして、矢継ぎ早に放たれた前蹴りを、第一撃を防ぎきってすでに空いた左手で外に払う。
すると今度は平手が反撃した。前に踏み込むとともに、左手の下段払いの際に腰に引きつけていた右拳を、志田の腹部に向けて突きだした。
しかし志田は、前に出した右脚をそのまま地に下ろす動きに乗せて、握った右拳の鉄槌打ちで平手の右ストレートを打ち落とした。
そして間髪入れず、その右前の構えから、今度は左ストレートを平手の喉元に撃ち出した。
ーーガッ。
平手はとっさに左手を上げ、寸前のところで志田の拳を防いだ。
そして、バックステップで、一旦志田と距離をとる。
二秒にも満たない間での攻防だった。

「ハハッ」
再び間を置いて平手と対峙する志田が、短い笑いを見せた。
そして、体の調子が上がってきたと言わんばかりに、少し離れた位置でボクサーステップを踏む。
キュッ、キュッ、と靴が床と摩擦して高い音を立てた。
弾みよく前後するその動きから、志田の足腰がよく鍛えられた、強靭なものであることが感じられる。
それに対し、平手は、あまり体を揺らしたり前後させたりしない不動の構えのまま、鋭い目を相手に向けている。
そして、スッ・・・・・・、と一歩前に移動すると、そこから流れるような素早く滑らかな動きで、志田に向かっていった。
今度は平手が仕掛けた。
0197ハコオシ(茸)
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2017/05/07(日) 05:45:04.02ID:n37X6lzYd
>>194 195 さん
ありがとうございます。
是非、誰推しか伺いたいです。
0198名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/05/07(日) 07:13:33.29ID:/kZunHoea
>>197
愛しの理佐ちゃんです
0199ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/07(日) 10:12:46.20ID:n37X6lzYd
>>198さん
では198さんのことは「理佐ちゃんさん」と認知いたします。
名前に「理佐ちゃん」と書き込んで、時おりコメントをして頂けると、「あ、この方また読んでくれたんだなあ〜」と励みになります。
もしよろしければ、お願いいたします。
0200名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2017/05/07(日) 15:08:40.75ID:IeuWFKnr0
学生服着てるのにおそらく学生てコスプレかw
それとも4人かどうかが曖昧だったのか?
表現にツッコミどころ多すぎるけど、こーゆーのもたまにはいいね
0201理佐ちゃんが好き(庭)
垢版 |
2017/05/07(日) 22:20:28.30ID:9xkrPzGca
了解しました
0202ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/08(月) 02:50:47.43ID:gglF04nud
>>200
なるほど。そこまで
自分のイメージは、私服です。
だから、「おそらく学生」です。
あ、でも前に学生服を着てるっていう描写をたぶんしちゃってましたね。
つじつま合わせしづらい矛盾ですね。すみません大目に見てください。
校正してくれる人がほしい(;つД`)
0203ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/08(月) 03:00:17.73ID:gglF04nud
>>200さん 
「そこまで考えが至りませんでした」
が抜けてました。
ほんとにありがとうございます。
視野が広がる気持ちです。そういうの、どんどんお願いします。
0204ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/08(月) 04:36:10.66ID:gglF04nud
メンバーはみんな私服という認識でお願いします。
あと、志田の不良グループの人数ですが、そこは考え中です。
(欅メンバーだけだと人数が少ない・・・・・・かといって『エキストラ』がいるというのも雰囲気が壊れる?)

欅坂×不良学園小説

志田との間合いを詰めた平手は、左右の拳の連続攻撃で志田を狙った。
しかし、志田は斜め後ろに下がり、平手の拳の射線の外に逃げる。
攻撃をかわされた平手は、体の向きを修正し、志田を追う。
だが、平手が再度放った左右の二連突きも、今度は反対側の斜め後ろに身を引いた志田にーー志田はジグザグに回避しているーーまたもや、かわされてしまった。
ダッ、と踏み込んで、平手はまだ逃げる志田を追撃する。
畳んだ右足を上げて、今度は拳の突きよりも遠くまで届く右の回し蹴りを放つ。
けれども、志田は飛び退くように、大きめにバックステップをして平手と距離を取った。
ぶん、と音を立てて、平手は回し蹴りが空振りに終わる。
すると志田は、今のバックステップの際に曲げた足のバネで、瞬く間に前にぐんと出たかと思うと、即座に攻撃に転じた。
素早く、コンパクトなワンツーパンチが平手を襲う。
ーードッ。
平手は左右の手で、志田の拳をそれぞれ防ごうとしたが、その勢いのために左右の攻撃のうち、右拳を完全に防ぐことができなかった。
軌道が反らされただけの志田の右ストレートが平手の肩を打つ。
だが急所には入っていない。平手は大きく後ろに下がって、志田と距離を取って構え直した。

「鈴本くん、平手くんは・・・・・・」
俺の隣で平手の闘いを見守っていた今泉が、心配そうな顔で声をかけてきた。
きっと、闘いなんて見たことがないから、平手が優勢なのか、それとも劣位に立たされているのかわからないのだろう。
「大丈夫だ」
俺は今泉を安心させるべく、そう答えた。
嘘は言ってない。確かに、今の志田の攻撃は有効打になる一歩手前のものだが、致命的なものではないし、こんなの闘いの攻防のなかではしょっちゅうあることだ。

これから闘いがどう転ぶかはわからない。
今はまだ、戦況は拮抗しているはずだ。
俺は、再び構えを取って向き合う志田と平手の動向に目を凝らす。

ーー今は、まだ・・・・・・。
0205理佐ちゃんは神様の最高傑作(庭)
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2017/05/08(月) 23:32:36.19ID:6S4k8g6Ta
>>204
乙です
やっぱりもなちゃん強ぇ〜
0206ハコオシ(茸)
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2017/05/09(火) 04:54:59.11ID:dtGqlPifd
欅坂×不良学園小説

再度、間合いを取った志田と平手は、機先を制するべく、互いに攻撃の機会を探りあう。
沈黙のなか、時間をかけて、じり・・・・・・じり・・・・・・と少しずつ、両者の距離が縮まっていく。
ーー動く。
先に仕掛けていったのは志田だった。
先と同じ、左のジャブーー刻み突きともいうーーで、一足飛びに平手に向かって飛び込んでいく。
それに対し、平手は一歩後退しながら、左手をそれに打ち当てて防いだ。
だが、志田の攻撃は終わっていない。もう一足飛んで、追撃の右ストレートで平手を狙う。。
ーー!
しかしここで、平手が前に動いた。
両者の体が、横から見ているとぶつかりそうなぐらい近接する。
ーードッ。
その瞬間、平手の蹴りが志田の体を打った。
突きを撃ち込んでくる志田に対し、平手は右斜め前に右足を踏み込むと、それを軸にして、小さく折った左足でコンパクトな回し蹴りを志田の腹部に当てたのだった。
さながら剣道の抜き銅のような技だった。

平手と志田は、共に後ろに下がって、両者は一旦距離を取った。
「あれは・・・・・・」
志田の闘いを観戦していた渡邉が、驚いた表情をして呟いた。
「・・・・・・」
平手の抜き技を受けた志田は、平手から攻撃を受けない安全な距離を置きながら、構えをわずかに解いて、右手を自身の腹に当てた。
そして、攻撃が当たった腹部を見つめながら、一人感心したように、数回首を縦に動かす。
「・・・・・・今のはリサオの技だが?」
視線を上げた志田が、平手に問いかけるように言った。
「そういえば、リサオと闘ったんだったな」
志田が話し始める。
俺は平手からそこまで詳細を聞いていないが、このアジトから今泉を一人で助け出した時の話だろうか。
「聞いたぞ。カウンターが好きらしいな」
そう言うと志田は、意地悪そうに口の端を上げた。
志田は平手の闘いのスタイルを仲間から聞いているようだ。
「・・・・・・」
志田の言葉に対し、平手は構えを解かずに、無言のまま志田に鋭い眼を向けている。
0207ハコオシ(茸)
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2017/05/09(火) 04:56:27.24ID:dtGqlPifd
欅坂×不良学園小説

確かに、平手はカウンター技を得意としていた。
平手は、もとより動体視力がよく、また、体を自分が思った通りに動かすことに秀でており、天賦の闘いのセンスを持っていた。
ただ、男にしては体が細くーー普段、ろくなものを食っていないからだろうがーー筋力は、他の男と比べるとそこまでない。
そんな平手は、カウンター技で相手を仕留める戦法をよくとっていた。
あいつが知っててやっているかはわからないが、カウンター攻撃は通常の攻撃よりも大きな威力を持つ。
一般的に、闘う人間は攻撃しているとき最も無防備になる。
もちろん、攻撃するときに物理的に防御体勢をとれないこともあるが、それだけではなく、人は攻撃するとき、意識を集中するために体の筋肉の緊張が解ける。
このため、攻撃がくるとわかっていて攻撃を食らうときよりーー大抵、この場合は体が強ばり、反射的に衝撃にそなえようとするーー自分が攻撃体勢のときに相手から攻撃を食らうときのほうが、防御反応が起きないために、体が受ける衝撃が大きくなる。
したがって、身構えている相手に仕掛けていって攻撃を加えるよりも、カウンターで攻撃を当てたほうが、大きなダメージを与えることができる。
平手は、このカウンター技の特性によって、自分より屈強な体を持つ敵をも倒してきていた。
「ふん」
無言の平手に対し、志田はそのように笑うと、再び闘いの構えを取った。
0208ハコオシ(茸)
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2017/05/09(火) 05:01:18.19ID:dtGqlPifd
>>205
理佐ちゃんさん、ありがとうございます。
ちなみに、米さんもいるんですよ。
たぶん、一番はじめにコメントをくれた方です。

米さん、いるー?まだ見てくれてる(´・ω・`)?
0209名無しって、書けない?(地震なし)
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2017/05/09(火) 10:43:45.93ID:l+LSN/9Y0
>>197
194ですけど本来俺も理佐だけど梨加で!
0210名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2017/05/09(火) 12:14:19.01ID:HRYLDQdUK
>>208
いろいろ違う!(笑)
米さん本人じゃねえし(笑)

残念ながら最初にコメントしてたチベットさん?は自分じゃないです
小説スレの新スレ切り替え時のゴタゴタの煽りを受けて先生がこのスレを立ち上げられてからもずっと読んでるのは事実ですけどね
要するに先生が思ってる以上にたくさんの人がこのスレを見てるってことです

あと名前がどんどんエスカレートしてる理佐ちゃん推しの庭さんは
小説スレのほうで知り合いでございます(笑)
0211ハコオシ(茸)
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2017/05/09(火) 12:57:55.70ID:dtGqlPifd
>>210
返信ありがとうございます。

わかってますよ(^-^) わかった上で米さんと呼んでるんです。
いいじゃないですか。ここでは米さんでいきましょう笑 名前欄も米さんでお願いします。

>>209
194さんは ぺーちゃん でいきますか?
メンバーの名前を持つ人が全員分そろったら、楽しそうじゃないですか? (^.^)

あと先生なんてやめてください。
1ファンに過ぎません。
これからも、コメントやご指摘、よろしくお願いいたします。
0212ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/09(火) 12:59:19.76ID:dtGqlPifd
ベリサはもう、ここのメンバーの一員ですね笑
0213理佐ちゃんはツンデレ美人の至宝(庭)
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2017/05/09(火) 14:51:43.83ID:OWE5ly5ha
>>209
理佐ちゃん譲っていただきかたじけないですm(__)m

>>210
チワン族さんとここで会えるとはw
0214名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/05/09(火) 14:53:57.57ID:OWE5ly5ha
ちなみ俺も先生が小説スレに投稿した理佐ちゃんともなちゃんのからずっと読んでまますよ
0215名無しって、書けない?(庭)
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2017/05/09(火) 14:54:54.21ID:OWE5ly5ha
>>214
名前入れ忘れちゃった(涙)
0216ハコオシ(茸)
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2017/05/10(水) 03:17:07.16ID:kbfXKl9Cd
>>214
今更ながらちょっと恥ずかしいです 笑
0217ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/10(水) 05:17:12.46ID:kbfXKl9Cd
欅坂×不良学園小説

構える志田は、さっきよりも体を前後に動かし始めた。
ゆらゆらと揺れるなか、時おり、体を沈めるように前に大きく動かす動きと、逆にすっと身を後ろに引く動きを織り混ぜた、ランダムな動きだ。
前への揺れに乗ってそのまま仕掛けて来るのか、それとも後ろに揺れたときに縮めた足のバネで前に飛び込んでくるのか。
虚実を行き来する動きで相手を惑わせ、攻撃の起こりを悟らせないつもりだろう。
平手はそんな志田の動きを注視したまま構えている。
す・・・・・・す・・・・・・と、志田は揺れる構えをとりながら、少しずつ平手との間を詰めていく。

すると突如、志田の左手が前に伸びる動きを見せた。
──来る。
平手もそれを感知したのか、平手の左手が、ばっ、と志田のそれに反応した。
だが、そのまま前に突き出されると思われた志田の左拳は、途中で動きを止めた。
──フェイント!
左の刻み突きをするかのように思われた志田の左拳は、フェイントだった。
志田の攻撃に対応しようとしていた平手は、それが引っかけだと気付き、一瞬、体を硬直させてしまう。
その刹那、志田の左足が膝蹴りの要領で折って前に持ち上げられた。
0218ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/10(水) 05:17:48.03ID:kbfXKl9Cd
欅坂×不良学園小説

そこから伸ばされた膝から下の部分が、鋭い弧を描いて平手の頭部を横から襲う。
バシッ!
ものを強く打ち付けた音が鳴った。
だが平手は、すんでのところで右腕を、自身の頭部と襲ってくる志田の足の間に差し込み、志田の左回し蹴りを防いでいた。
しかし、素早く左足を床に戻した志田は、そのまま攻撃を重ねる。防御に回ってしまった平手は、反撃の手段をとることができない。

志田は右腰を前に押し出すように回転させて鋭い右ストレートを放った。さらに、その左に絞られた体を開く動きに乗せて、左の順突きを平手に撃ち込む。
平手は、その連続攻撃を左右の腕で防ぎながら、斜め後ろに下がり攻撃から逃れる。
しかし、志田の勢いは止まらない。斜め後ろに退いた平手を、右回し蹴りで横から狙う。
ドッ。
志田の右足が、平手の体を打った。
平手が一瞬、痛みが走ったような顔をした。
脇に引き付けるように立てた左腕で一応防御には成功したように見えたが、右回し蹴りの、その大きな衝撃が胴体の方にまで伝わってきたのだろう。
動きを止めた平手に、志田が追い討ちをかけた。両拳を体の前に揃えて、真っ直ぐ踏み込んでくる。
──これは、左右のワンツーパンチ。
平手は左手を志田の左拳に当てて、攻撃を打ち消した。
そして、志田の右ストレートが平手に向けて伸びようとするとき、平手は左斜め前に向けて地面を蹴った。
ーーよし!
この流れは、平手が得意とする対右ストレートのカウンター攻撃──突き出される右腕に対し、その外に体を移動させて攻撃をかわすと共に、右腕を相手の体に絡ませ、そのまま投げる技だ。
──いける。
タイミングはぴったりだ。調子に乗って攻撃してきた志田の虚を突くことができる。
──!!
しかし、そのまま突き出されるかと思われた志田の右腕は、途中でその動きを止めた。
その代わりに動いたのは、志田の右足。
──ガッ。
右ストレートはフェイントだった。
志田の下段回し蹴りが、斜め前に踏み込んで着地する寸前だった平手の左足を薙ぐ。

移動の最中、足を払われた平手の体が横倒しの状態で宙に浮いた。
0219ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/10(水) 06:43:30.92ID:kbfXKl9Cd
「残酷な観客達」の予告動画の再生前のキャプチャ画像、みんな滅茶苦茶きれいですね。

通信制限怖くて再生できてないけど。
0220理佐ちゃんこそ美の極み(庭)
垢版 |
2017/05/10(水) 19:25:25.95ID:7LpSHEXla
この闘いは長くなりそうですね
どっちが勝ってもその先が気になる
0221名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/05/10(水) 19:35:22.24ID:TRcElZ3qd
>>220
理佐さんお疲れ様です。
あと、三夜あれば終わる・・・かも。
間延びしないように気を付けます。
0222理佐ちゃんは神様からの贈り物(庭)
垢版 |
2017/05/10(水) 23:24:23.58ID:JpfUCYBHa
先生のペースで書いてください
それが1番読んでて面白いでしょうから
0223ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/11(木) 05:46:45.12ID:faZVhAyed
>>222
すみません。寝てしまっていました。
お言葉に甘える形になって申し訳ない。
0224名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/05/11(木) 09:38:17.52ID:9pSgHqwWK
>>223
大丈夫。大丈夫やで。

呼ばれた気がした(笑)
0225ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/11(木) 12:34:52.10ID:faZVhAyed
ありがとう米さん笑

やっぱ、ちょっと期待したよね笑
0226ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/11(木) 12:36:11.97ID:faZVhAyed
↑米さんがそう言ってくれることを、ですよ。
0227理佐ちゃんは希望の光(庭)
垢版 |
2017/05/11(木) 20:20:42.18ID:OWzy97h1a
>>223
気にしないでください
毎日連載するのは大変ですから焦らず先生のペースを守ってください

>>224
俺も米さん来ると思ってましたw
0228ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/11(木) 22:36:17.19ID:faZVhAyed
>>227
先生だなんてホントにご勘弁をm(_ _)m

理佐さんに激励の言葉をもらうのもいいかも知れませんね。原稿を落とすなという意味で、「(原稿を)こぼしてんじゃねーよ」とか笑

今日は今から0時まで書けるところまで書きます。
0229理佐ちゃんが好き(庭)
垢版 |
2017/05/11(木) 23:47:26.30ID:9kz9odPEa
>>228
「無理すんじゃねーよ」なんてドス効かす理佐ちゃんだけど
ハコオシさんの小説が書き上がるのワクワクしながら待ってそうだから好き
0230ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/12(金) 00:31:52.73ID:oXnhPNKed
欅坂×不良学園小説

足を払われて宙に浮いた平手は、どすんと音を立てて肩から床に落下した。
──まずい!
「オラァ!」
志田が床に倒れた平手に向けて、拳を突き立てる。
だが、平手の体に刺さるかと思われた志田の拳は空を切り、床にぶつかる寸前のところで止まった。
──危なかった。
幸運にも、右回し蹴りを振り抜いた志田の体は、攻撃直後、床に横倒しになった平手とは反対方向を向いていた。
そのため、自身の背中側に倒れた平手の方に向き直るのにわずかに時間がかかり、その間に平手はゴロゴロと体を転がして、上から突き下ろされた志田の拳をギリギリのところで回避していたのだ。
──バッ。
床を転がった平手は、志田からわずかに離れたところで、すぐさま起き上がる。
だが、体勢を直したときにはすでに、後を追ってきた志田が眼前に迫っていた。
フロアの中央から右の方へ動いた二人に、二人を囲んで観戦していたメンバーが後ずさり、群れの輪が楕円に広がる。
「シャアアッ!」
ひときわ大きな気炎をあげ、志田が平手に打ちかかった。
繰り出される両の拳と足の連続技。
ドッ、ドッ、ドッと立て続けに鈍い打撃音が鳴る。
志田の攻撃のうち、平手はいくつかを機敏に防御したものの、防御しきれなかった志田の足が、平手の足の付け根に当たり、拳が胸を打つ。
それでも平手は後ろには下がらなかった。
下がれば追撃されるだけだ。平手は反撃に転じる。
そして、互いに攻撃を防御しては反撃するという、拳の応酬が繰り広げられた。
──バッ!
すると志田が、突き出された平手の突きをバックステップしてかわし、その際に作った足の曲げを開放して、瞬時にまた前に飛び込んだ。
床の蹴り、腰の回転、腕の伸ばし──全身を使って得た力を拳に集約させた右ストレートを平手に向けて放つ。

しかしその瞬間、平手が右斜め前──突き出される志田の拳のよりもわずかに内側へと踏み込んだ。
拳ひとつ分、体の移動軸をずらして志田の拳をかわすとともに、カウンターの右ストレートを志田の腹部に繰り出す。
互いに前に踏み込んだ二人の体が近接し、互いの腕ががすれ違いに伸びる。
──ドッ。
相手を捉えたのは平手の拳だった。志田の拳は平手の左脇腹を掠めて通過し、志田の腹に平手の拳が突き刺さる。
だが、次の瞬間,
──ゴッ。
硬い音がして、平手の顔が斜め上を仰ぐようにうち上がった。
見ると、志田の左腕が垂直に立てられていた。

密接状態で突き上げられた志田の左アッパーが、平手の顎を捉えたのだった。
0231ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/12(金) 00:34:44.48ID:oXnhPNKed
>>229
ありがとうございます。
矛盾点、不可解な表現等があれば、ご指摘お願いします。
0232名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/05/12(金) 02:51:06.53ID:uf1QN19F0
いやー志田つええなあ
0233ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/12(金) 07:04:58.92ID:oXnhPNKed
>>232
初めましての方、ですか?
よろしければ誰推しかを是非。
0234名無しって、書けない?(チベット自治区)
垢版 |
2017/05/12(金) 22:18:09.25ID:ZCuY9pY60
そういやねるとかぺーはまだ出てきてないな
0235ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/13(土) 01:42:34.59ID:uZoBKyt7d
>>234
守屋一派の仲間だから、守屋編に入らないと出ません。
もうすぐ第一幕が終わりますから、もうしばらくお待ちください。
0236ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/13(土) 03:17:05.72ID:uZoBKyt7d
欅坂×不良学園小説

「オラァッ」
さらに、左アッパーを放った志田は、一瞬仰け反ってがら空きとなった平手の腹部に、追い討ちの右ストレートを叩き込んだ。
「ぁ”っ・・・・・・」
苦痛の声とともに、平手が後方に飛ばされる。
「おおっ!」
回りの取り巻き連中が、歓声を上げた。
「平手くん!」
隣で今泉が悲痛な声を出し、驚愕と恐れの表情で、口許を両手で押さえた。
「・・・・・・」
床に二三転がった平手は、うつ伏せの状態で倒れたまま立ち上がらない。
──食らっちまった・・・・・・。
顎への左アッパーと、直後の鳩尾への右ストレート──どちらも人体の急所に対する、強力な二連続攻撃だった。
先の平手のカウンターは、確かに志田を捉えていた。
だがそれを、志田はただ単純に耐え、そして、至近距離で無防備となった平手の顎に、カウンターの左アッパーを打ち込んだのだ。

左前の構えでの左アッパーは、右のアッパーに比べると腰の回転が小さくなる。そのため、一般的に難易度が高く、十分な威力を持たせるには習熟が必要とされるし、それに、元々の才能が備わっていないと、そう出来るものではない。
それなのに、あれほど鋭く強力なアッパーを放つとは・・・・・・。
確かに、不良グループのトップである志田が、一筋縄ではいかない強敵であることはわかっていた。
しかし、そうはいっても、天性の格闘センスを持つ平手なら、同等に闘えると俺は踏んでいた。
だが、まさか志田の実力がこれほどまでとは・・・・・・。
志田の技量と強さは、俺たちの予想の上をいっていた。

「・・・・・・ふん。おい、どうした?」
右ストレートを放った体勢から直った志田が、倒れた平手に対して言った。
「う”・・・・・・」
倒れた平手は、苦悶の表情で、身を起こそうと腕を地面に立てるも、相当なダメージをうけたのだろう、立ち上がることが出来ない。
0237理佐ちゃんは神様からの贈り物(庭)
垢版 |
2017/05/13(土) 21:51:12.96ID:wirF9UvEa
>>246
もなちゃん半端ねぇ!

これだけ細かく格闘シーン書けるのが羨ましいです
0238ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/14(日) 05:32:03.93ID:aiDem13Nd
>>237
格闘技の入門書の説明文を参考にしてます。

あと、すみません。仕事で更新出来ませんでした。
0239厳密には米さん推しというわけではない…かも?(笑)(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/05/14(日) 07:28:35.92ID:IJfkBpggK
>>238
大丈夫やで。大丈夫やで。(笑)
0240ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/14(日) 10:45:59.07ID:aiDem13Nd
>>239
ありがとうございます。

名前欄(笑)
まあ、私もこう名乗っておきながら、土生ちゃん推しです(苦笑)
ちなみに誰推しですか?まだ伺ってないですよね?
0241ここでは米さん推しでええで(笑)(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/05/14(日) 11:16:25.97ID:IJfkBpggK
>>240
そもそも欅坂に興味持ったのは曲やメンバーに惹かれたのがきっかけではなくて
この板でネタを書くための情報収集という極めて不純な動機からなので
純粋な意味での一推しはいないかも(笑)
よく言えば箱推し?(笑)

敢えて1人挙げるなら僅差ですずもんかな
0242ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/14(日) 12:16:15.24ID:aiDem13Nd
そうなんですね。
すずもん、いいですよね。キレイだし、面白い。

でもまあ、呼び方はこれからも米さんで 笑
0243名無しって、書けない?(地震なし)
垢版 |
2017/05/14(日) 14:39:00.48ID:/GnPtCH0a
>>233
あ、すいせん
梨加です
次から分かるようにしますね
0244名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/05/14(日) 21:13:33.27ID:aiDem13Nd
>>243
あっ、ぺーちゃんでしたか。
よくコメントをくださるのは、米さん理佐ぺーちゃんの三人なのかな。

やっと自由な時間になりました。
三時間書けます。
0245理佐ちゃんの体調が心配(庭)
垢版 |
2017/05/14(日) 23:27:38.06ID:c3aC3ydUa
>>238
毎日書くのは大変だから気にしないでください
0246ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/15(月) 03:14:44.85ID:90j/U/uRd
欅坂×不良学園小説

「この程度か」
志田がつまらないものを見るような目で、平手を見下ろしながら言った。
「噂に聞いてどんな奴かと思っていたが・・・・・・大したことないな」
志田は吐き捨てるように言って、ふん、とまた鼻を鳴らした。
「陰でこそこそしてるだけのガキが。でしゃばるからだ」
平手の『不良狩り』のことを言っているのだろうか。
志田の貶しは続く。
「あの女に思い入れしてるのか知らねえが」
志田がこちらの方──今泉にちらりと目を向けて言った。
「俺に勝とうなんて、お前には無理だ」
志田はそう言って、片手を腰に当てて、冷めた目で平手の様子を眺める。
「もう終わりか」
倒れてしまった平手に拍子抜けした気分なのか、志田が呆れ声で言った。
「ぐっ・・・・・・」
平手が苦しそうな声を出す。身を起こそうと力を込める腕が震えている。
「おい、どうした?」
そんな平手にお構いなしに志田が挑発的な調子で煽り立てる。
「立てよ」
だが平手は、やっとのことで手足を引き寄せ、四つん這い状態になっただけで、立ち上がるには至らない。
垂れ下がった髪で目元は見えないが、歯を食い縛ったその口許は、力を振り絞るように横に伸ばされている。
「いいのか?あの女を守りたいんじゃなかったのか?」
倒れた平手を刺激しようとしているのか、冷徹な口調で志田が平手に問う。
それでも、平手は立ち上がれないでいた。
俺と今泉、志田とそのメンバーらが、平手を注視するなか、しん、とした沈黙が流れる。

「ちっ」
長い間地に伏したままでいる平手に、志田が舌打ちをした。
「ほんとに終わりかよ・・・・・・つまらねえな」
そう独り言い捨てると、
「いいのかぁ!?あの女は俺がもらうぞ!」
と、しびれを切らしたように突如志田が吠えた。

するとその声に、びくり、と平手の体が反応した。
そして──。
「ああああっ」
その志田の言葉が引き金になったのか、雄叫びを上げながら、突然、平手が身を起こした。
そしてそのまま、腕をぶらんとしたに下げた前屈みの姿勢で、志田に向かって突進していった。
0247ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/15(月) 03:17:24.15ID:90j/U/uRd
>>245
ありがとうございます。

もう少し書いたのがあるのですが、終盤でポツリポツリ切れるのもなんですし、また明日まとめて投稿したいと思います。
0248理佐ちゃんは過保護にしたげて(庭)
垢版 |
2017/05/15(月) 14:39:34.19ID:FoXiko9Ua
>>247
ご苦労様です
二人の死闘が見ごたえあってワクワクです
楽しみにしとります
0249ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/15(月) 20:56:44.91ID:gDSIXtdCd
>>248
ありがとうございます。
明日の朝にはあげておけるように頑張ります。
0250怖いな〜怖いな〜軍曹怖いな〜(大阪府)
垢版 |
2017/05/15(月) 23:40:18.56ID:iNJzy7mc0
今、はじめから読んでます
こんな長編を書ける根気に脱帽です
読み終わったら感想書きます
0251ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/16(火) 04:12:46.22ID:vqd1+qvEd
欅坂×不良学園小説

平手は志田に向かって猛烈な勢いで駆けて行きながら、右の拳を大きく後ろに引いた。
──まずい。
先の志田の言葉に逆上したのか、平手は志田に殴りかかろうとするも、これでは、あまりにあからさまな攻撃だ。
向かってくる平手に対し、志田がニイッと口を歪めた。
志田もきっと平手の攻撃を読んでいる。
このままいけば、カウンターなり返し技なりで、平手は返り討ちにあってしまうだろう。
「平手!」
警告の声を発するも、平手はそのまま志田に突進していく。
二人の距離が狭まり、志田が、突っ込んでくる平手に合わせて、右腰を鋭く後ろに捻った。
この技の起こりは、カウンターの右ストレートだ。
そして、志田の拳が平手に突き出されようとした時、
「ぐっ」
不意に志田が顔を歪めた。

見ると、ぴんとあげた平手の左足が、志田の腹の左寄りの部分に
刺さっている。
──蹴り!?
平手は大袈裟に右ストレートで突っ込むと見せかけて、左の前蹴りを繰り出していたのだ。
俺と同じく、右ストレートが来るであろうと踏んでいた志田は、不意を突かれ、平手の前蹴りに対応することが出来ず、まともにその攻撃を食らった。
平手の無謀な突進は、見せかけだった。
「あああっ!」
平手は、前に出した左足を素早く引き戻し、志田の目の前で元の構えに戻った。
そして、そこから気炎を上げて志田に打ちかかった。
0252ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/16(火) 04:13:36.07ID:vqd1+qvEd
欅坂×不良学園小説

左前蹴りから体勢を戻した平手が、一歩踏み込んで、志田の腹部に右ストレートを叩き込む。
次いで、左に捻った腰を元に戻す動きに乗せて左拳で志田の上段を突く。
さらに、もう一度腰を回転させ、二度目の右ストレートを一発目と同じ箇所に撃ち込んだ。
「──っ」
連続して命中した強い攻撃に、志田が顔を歪めた。攻撃の衝撃でその体が後退する。
だが、平手はこの機を逃さない。すかさず、その空いた距離を詰め直し、再度左右の拳を志田に撃ち込む。
すると志田が、平手の攻撃を食らうなか、右拳をぐっと握って、肘を曲げた腕を横に回すように引いた。
これは右フックだ。
目の前で攻撃し続ける平手をとにかく打ち払おうと、その右腕を振るう。
──だが、大振りだ。
平手は機敏に身を屈め、姿勢を低くする。
志田のフックがぶん、と音を立てて、平手の頭上を通過した。
そこから再度、志田の反撃をかわした平手の猛攻が繰り出される。
「ぐっ」
更なる攻撃を受け、志田は苦しそうな表情で、バックステップで後方に飛び退った。
平手がそのあとを追って、後ろに置いていた右足で床を蹴る。

だがその時、飛び込んでくる平手を前に、志田が握った左拳を素早く下げた。
──カウンター!
平手の攻撃を相当食らったはずだが、志田はまだ意識がはっきりしているのか、反撃の姿勢を見せた。
これは先程と同様の、カウンターの左アッパーだ。
だが──、
キッ!
鋭い摩擦音が鳴り、前に突っ込むかと思われた平手の体が志田の眼前で急停止した。
床すれすれに跳んでいた平手が、その途中で地面に左足を突っ張り、急制動をかけたのだ。
──止まった!?
平手の体が寸前で止まった瞬間、びっ、と音を立てて、志田の左アッパーが突き立てられる。
だが、そこにはまだ平手はいない。志田のアッパーが空をきった。
──ダッ!
そしてその瞬間、平手が、引き付けた右足で床を蹴り、再び前進する。その腰には、すでに右拳を引いている。
──右ストレート!
志田の左腕は上に突き上げられたままだ。これなら、左腕は平手を迎え撃つのに間に合わない。
──左アッパーのカウンターはない。
志田も瞬時にわかったのか、脇の下に右拳を引き付け、右腰を前に押し出すように回転させる。志田は右ストレートで平手を迎え撃つつもりだ。
──右ストレート対右ストレート。
二人が同時に前に踏み込んだ。

ガンッ。
二人の体がぶつかりそうなほど近づいた瞬間、志田の顔が上に仰け反った。
0253ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/16(火) 04:14:18.40ID:vqd1+qvEd
欅坂×不良学園小説

──!
一瞬、何が起きたかわからなかった。
見ると、平手の左腕が垂直に突き上げられている。
左アッパー・・・・・・!?

平手の右ストレートはフェイントだった。平手は、平手を迎え撃つべく右ストレートを放とうと踏み込んできた志田に、左アッパーを食らわせたのだ。
──これは、志田の・・・・・・!?
これは先に志田が見せた、左アッパーによるカウンターだった。
俺はこれまで、平手が闘いで左アッパーを使用したところは見たことがなかった。
──まさか。
さっきの志田の攻撃を受け、この場で技として取り入れたというのだろうか。
俺が驚いている間に平手はすっ、と前に歩を進め、志田との距離を詰めている。
左アッパーによる攻撃を受けてノーガードとなった志田を前に、平手がゼロ距離で両拳を構えた。
──ドドドドドッ!
左右の拳の猛ラッシュ。
平手の連続攻撃が志田の胴体を叩く。
平手は左アッパーで攻撃を止めず、そこからだめ押しの連撃を繰り出した。
「志田さん!」周りのメンバーが声を上げる。
さらなる攻撃を受け──左アッパーの心理的衝撃もあってか──志田はまだ立ち直ることが出来ない。うつ伏せぎみに頭を倒し、両腕も体の前に上げてはいるが硬直したままで、平手の攻撃を食らうままだ。
──いける。
このままいけば、たとえ志田がタフでも押しきれる。
「いけ!平手!!」
平手が、何度目かわからない右ストレートを撃ち込もうと、右の拳を腰に引いた。

と、その時。
「ぅおおっ」
志田の眼がギラリと光り、志田が両手で、目の前にいた平手の首襟をつかんだ。
そして。
──ガンッ!!
志田が強引に平手を自身の方に引き寄せ、自身の頭を平手の額に打ち付けた。
「う”っ!」
鈍い音が鳴り、平手が痛みに顔を歪めた。
──!
志田が目の前の平手に対して、頭突きを放ったのだ。
あまりに予想外の攻撃だったのか、平手の動きは固まり、それまでの連続攻撃は中断された。
バッ!
平手がとっさに後ろに下がる。
きっと志田の追撃を警戒したのだろう。平手は痛みに目を細めたままバックステップを連続で踏み、一瞬のうちに志田と距離を取った。
その距離は2、いや3メートル。
──だが、
「甘ぇっ!!」
そう叫ぶとともに、志田の体がぐんっと前に加速した。
そして次の瞬間、右足を前にして踏み込んだ、志田の右順突きが、平手の喉元に直撃した。
0254ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/16(火) 04:19:39.71ID:vqd1+qvEd
>>250
はじめまして。
お読みいただき、ありがとうございます。
くどくて、分かりにくいかもしれませんが、
どうぞよろしくお願いします。

念のためですが、登場する欅のメンバーのほとんどは男子という設定です。
Keyabingoの男装企画(志田マナキ君とか)をイメージしてお読みいただければと思います。
0255理佐ちゃんの下僕になりたい(庭)
垢版 |
2017/05/16(火) 06:51:07.43ID:VpkiZp58a
朝から手に汗握る攻防
ありがとうございます m(__)m
0256ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/16(火) 12:52:25.97ID:vqd1+qvEd
>>255
こちらこそ、ありがとうございます。

不協和音とか、僕達の戦争、PARCOのCメロとか聴いてると闘いのシーンが浮かんできます。
0258ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/18(木) 04:24:53.77ID:3Q2w+h58d
欅坂×不良学園小説

志田の突きを受けて、平手の体が1メートルほど宙に浮き、大きな音を立てて床に倒れた。
「・・・・・・」
突然の展開に、この闘いを見ていた誰もが唖然となり、場がしん、と静まり返った。
「・・・・・・お、おお!」
「やった!」
少し遅れて、志田のグループのメンバー達が思い出したように各々歓声をあげ、辺りが騒がしくなる。

・・・・・・やられた。
今志田が放ったのは、空手で見られる技である追い突きだ。
左前の構えから、床を蹴った右足を前に出し、その右足が床に着く前に、さらに、後ろ足になった左足で床を蹴る。
こうして得られた二段階の加速で、志田は3メートル近く離れた平手との距離を一瞬で詰め、その勢いと全身の力を一点に集中させた突きを平手に撃ち込んだのだ。
・・・・・・こんな技を持っていたなんて。
先までの平手優勢の状況から、志田はこの一撃で一気に形勢を覆してしまった。

床に倒れた平手はぴくりとも動かない。
「・・・・・・平手くん!」
隣で、我に返ったように今泉が声をあげた。
そして今泉は、倒れた平手に駆け寄ろうと、一歩前に足を出した。
「待て!」
とっさに俺は今泉の肩に手を掛けて、今泉を制止する。
今泉が、どうして止めるのかというような表情でこちらを振り向いてきた。
だが俺は首を横に振る。
まだだ、まだ分からない・・・・・・。まだ平手は立ち上がることが出来るかもしれない・・・・・・。

だが、その思いに反し、平手は一向に立ち上がる様子を見せない。
「はあ・・・・・・はあ・・・・・・は、ははっ!どうだ見たか!」
志田が、突き出したままでいた右拳を下ろし、平手に向けて勝ち誇ったように悪態をついた。
だが、そうぎこちなく笑う志田の顔には、驚きと焦りの色が読み取れた。呼吸は荒れ、肩が大きく上下している。
平手の猛反撃は、志田に対して大きなダメージを与えていたのだろう。
だが結局、そのまま志田を倒すことは叶わなかった。
「・・・・・・」
周囲のざわめきも次第に落ち着いていき、やがて静かになった。
志田を含めてここにいる全員が、平手が立ち上がるかどうか、あいつを注視している。
だが、こちらに背を向ける形で横向きに倒れている平手は微動だにしない。
ここからではその顔は見えないが、もしかすると、意識を失っているかもしれない。

──もう、ダメか・・・・・・。
俺たちの負けなのだろうか・・・・・・。

するとその時だった。
「・・・た・・・ない」
微かに声が聞こえた。
見ると、倒れていた平手が床に腕を立てて、とてもゆっくりした動きで、その身を起こした。
0259ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/18(木) 06:23:03.13ID:3Q2w+h58d
地方民だから残酷な観客達見れてない・・・

どうだったのかな?
面白かったのかなあ(´・ω・`)?
0260理佐ちゃんのボビーは天下一(庭)
垢版 |
2017/05/18(木) 20:53:55.55ID:V7IFrQPMa
>>259
ドラマとしては微妙だったかな・・・
理佐ちゃんに変顔させるなんて許せんです
0261ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/19(金) 10:17:08.24ID:0Nd/fADHd
>>260
なんか皆さんいろいろ思うところがあるようで
(´・ω・`)

あと、いろいろあって書けてません。
でも、投げ出さないよう頑張ります。
0262理佐ちゃんファーストの会代表(庭)
垢版 |
2017/05/19(金) 12:23:14.36ID:Le4L9zK1a
>>261
次の展開予想しながら待っとります
0263ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/20(土) 04:18:31.25ID:kNMZoESWd
だめです。表現や言葉が見つかりません。
もう少し時間を。
0264いつもは理佐ちゃんだけど今日は米さんで(庭)
垢版 |
2017/05/20(土) 23:44:49.96ID:SzDAyeS7a
大丈夫。大丈夫やで
0266ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/21(日) 06:14:22.23ID:mCPg7VwDd
申し訳ない
今夜には必ず
0267ぺー (地震なし)
垢版 |
2017/05/21(日) 09:35:22.75ID:ZQJs2leC0
いいよ
0268名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/05/21(日) 12:57:59.55ID:hfgSU/oDd
ぺーちゃん、理佐さんありがとう。

いま仕事の昼休みです。
ちょっと壁を感じてますが、今夜必ず書きます。
0269ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/05/22(月) 03:26:11.45ID:eet/K1JOd
欅坂×不良学園小説

平手が、立ち上がった。
あれほどの攻撃を受けたら、普通、意識を失ってもおかしくない。
それにもかかわらず、平手はまだ闘う気配を見せた。
「・・・・・・ない」
平手が独り、小さく口にする。
──いや、でも・・・・・・。
自力で立ち上がった平手を見て、まだいける、と俺の気持ちは一瞬盛り上がったが、その驚きと興奮もすぐに、危機感に上塗りされた。
立っているとはいえ、平手の足元はあやうげで、少し押したらそのまま倒れてしまいそうなほどに、やっとのことで平手の体をささえているように見える。
「わたさ・・・・・・ない・・・・・・」
譫言のようにそう唱え続ける平手の顔は、いつにもまして血の気を失って真っ白で、うまく呼吸できいないのか、平手の肩は小さく何度も上下している。

「わたさない・・・・・・」
だが、その眼だけは力を失っていなかった。
乱れた前髪の隙間から覗く片目は、まるで何かにとり憑かれたように志田を見据えている。見るものを焼き焦がすような鋭い視線。尋常ではない執念が、その三白眼に感じられた。
「てめえ・・・・・・」
その姿を見た志田が、苦虫を噛み潰したように顔をしかめた。
決め技ともいうべき攻撃を二度も受けていながらも再び立ち上がったことが予想外だったのだろう、志田は顔に不快感をあらわにしている。
「・・・・・・さんは・・・・・・わたさない」
平手が再び呟く。
その言葉は周りにいる奴らにはっきりと届かなかったであろうが、俺には平手が何を口にしたのかが分かった。

「もう・・・・・・もういいよ・・・・・・」
隣で今泉が、悲痛な面持ちで呟いた。
自分のせいで平手が傷ついていくことに耐えられないのだろう。
だが、あいつが今見ているのは、きっと、今泉のことではない。
──それほどまでに、お前は・・・・・・。
俺たちの目の前で、平手は再び、闘いの構えを取った。
0270理佐ちゃんが好き(庭)
垢版 |
2017/05/22(月) 04:30:01.20ID:e/b0GnC7a
>>269
てち頑張れ!

投稿ありがとうございます m(__)m
0271名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/05/22(月) 10:09:15.16ID:eet/K1JOd
>>270
ありがとうございます。
また頑張ります。
0272名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/05/23(火) 05:42:37.37ID:SNcjJqSYd
今、書きためています。
0273理佐ちゃんは美人の最終到達点(庭)
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2017/05/24(水) 01:07:54.45ID:oJtS9z0fa
ご苦労様ですm(__)m
0274名無しって、書けない?(茸)
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2017/05/24(水) 10:18:42.01ID:dHAvikWSd
>>273
本当にすみません。
残業がひどくて。ほんとですよ。
0275ハコオシ(茸)
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2017/05/25(木) 06:13:17.27ID:k4sy+DQXd
申し訳ありません。
あと二日ほど更新できないかもしれません。
0276ananの理佐ちゃん超美人(庭)
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2017/05/25(木) 17:36:55.01ID:l7PRkd2Ya
>>274
>>275
楽しみに待ってますから大丈夫です
マイペースで書いてください
0277 ぺー(地震なし)
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2017/05/25(木) 20:02:17.18ID:4Fj7h9iHa
無理は禁物ですよ
0278ハコオシ(茸)
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2017/05/26(金) 10:04:32.08ID:kbpxxnOXd
ごめんなさい。
0280理佐ちゃんの真似して励ましてみた(庭)
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2017/05/26(金) 19:51:52.59ID:zpTAaeEHa
>>278
あやまってんじゃねーよ

不器用な励まし方ですまんですm(__)m
0281 ぺー(地震なし)
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2017/05/26(金) 22:54:34.69ID:Vj3NXaxR0
お仕事頑張ってください
0282ハコオシ(茸)
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2017/05/27(土) 06:00:34.86ID:3Cv1u25Id
>>279
>>280
>>281
ありがとう。
絶対ここで終わらせませんから。
0283名無しって、書けない?(庭)
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2017/05/27(土) 11:45:20.21ID:gs4VonJ3a
格闘シーンがダルい
ストーリーで読ませて欲しい
0284ハコオシ(茸)
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2017/05/27(土) 21:49:17.04ID:3Cv1u25Id
>>283
率直な意見ありがとう。
確かに投稿したあとに「これ、くどいな・・・」と思うことはあります。

ただ自分は戦闘シーンにこだわっていきたいです。
それは自分が戦闘とかで詳しい描写をしている本が好きなのもあるし、書く側に立ったときも、このキャラはこういう戦闘スタイルをもっていて・・・と想像するのが楽しいから。
なので、なるべくしつこくならないように注意しますが、「激しい攻防が続いた。勝ったのは○○だった」というような抜本的な変更はできません。申し訳ない。

あと、ストーリー性は多分あまりない!笑

まあ、多くの人の好みには合わないかも・・・
0285丑三つ時も理佐ちゃんが好き(庭)
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2017/05/28(日) 02:14:10.37ID:bCQUnkmda
>>284
個性はそれぞれだからそれで良いのではないだろうかと思う今日この頃

万人の好みに合わせようとしたら先生の個性も無くなってしまうのでご用心ご用心
0287ハコオシ(茸)
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2017/05/28(日) 12:03:26.91ID:+75wqgyEd
>>285
>>286
ありがとうございます。
いま昼休み中です。ちょっと一般的ではない仕事で、休みがなくて・・・

書き留めがいま60%ぐらいです。
0288名無しって、書けない?(兵庫県)
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2017/05/28(日) 12:22:11.57ID:OnucjQgR0
こんなスレあるの初めて知りましたわ
今度一気読みしよう
志田とねるの方のスレなら全部読破してるんだけどな
0289理佐ちゃんのいる時代に生まれて良かった(庭)
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2017/05/29(月) 00:23:22.72ID:IWRj7HZMa
>>287
気長に待ってますから大丈夫ですよ
忙しい時は体に気をつけてください
0290ハコオシ(茸)
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2017/05/30(火) 04:29:36.52ID:Owu9jupLd
>>288
よろしくお願いします。
>>289
お気遣いありがとうございます。
書き留め80%です。近いうちにいけます。
0291理佐ちゃんのクリアファイル収集中(庭)
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2017/05/31(水) 00:54:09.44ID:j4i7ya5Sa
あっちのスレで勇気づけてくれてありがとうございます
お陰さまでふっ切れましたm(__)m

先生の作品楽しみにしとります
0292名無しって、書けない?(茸)
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2017/05/31(水) 05:18:24.69ID:1bPr/jSad
>>291
なんだ、同一人物だとバレてたか。
恥ずかしい。
IDは違って表示されてるのかと思ってたけど・・・
なんでわかったんですか?
0293むーちゃんも良いけどやっぱり理佐ちゃんが一番好き(庭)
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2017/05/31(水) 05:41:08.03ID:j4i7ya5Sa
>>292
たまにですが何度かやりとりした人は雰囲気でなんとなく分かってしまうんです

勘が鋭くてすいませんm(__)m

これからもよろしくお願いします
0294ハコオシ(茸)
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2017/05/31(水) 06:14:08.98ID:1bPr/jSad
ちょっと時間がたりませんでした。
明日の今頃更新出来ると思います。
0295ハコオシ(茸)
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2017/05/31(水) 06:16:51.26ID:1bPr/jSad
>>293
あっなるほど(_ _)
一人称や言葉遣いも変えたつもりでしたが・・・苦笑

今後ともどうぞよろしくお願いします。
0296ハコオシ(茸)
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2017/06/01(木) 05:52:26.98ID:5yqhuBG8d
申し訳ない。
少し、文章を整える時間をください。
95%は出来てます。
0297名無しって、書けない?(地震なし)
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2017/06/01(木) 07:16:43.77ID:1YaYVzFt0
待ってまっせ
0298やっぱり理佐ちゃんが最高(庭)
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2017/06/01(木) 13:03:27.44ID:muY7e9G9a
>>296
俺のせいで先生の貴重な時間を奪って申し訳ないですm(__)m
0299名無しって、書けない?(茸)
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2017/06/01(木) 21:23:56.83ID:5yqhuBG8d
>>289
そんなことないよ理佐ちゃんさん。
このスレも、あなたたちに刺激されて始まったんだから。

さて、今夜で仕上げて投稿します。
0300理佐ちゃんは美の極み(庭)
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2017/06/01(木) 23:11:29.54ID:lIyIvUbea
>>299
楽しみにしとります
0301ハコオシ(茸)
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2017/06/02(金) 05:07:33.92ID:r/5dXI+Gd
欅坂×不良学園小説

(なんなんだ・・・・・・こいつは)

俺の追い突きを食らっておきながら、平手はまたもや立ち上がった。
再び構えた平手が、怨念めいた執念を発する眼でこちらを睨む。
──気味の悪い奴め。・・・・・・まあいい。
気持ちを切り替え、構え直す。
見るからに平手はもうフラフラの状態だ。こんなの一発当てれば倒れる。
すっ・・・・・・すっ・・・・・・と足を前に運び、少しずつ平手との距離を詰める。
攻撃可能な間合いの一歩手前まで、距離が狭まった。
冷静に、平手の隙を探りながら攻撃の機を伺う。
(一発当てれば終わ)
すると不意に、前方で構えていた平手の体が、ふっ、と沈んだ。
──消えた!
次の瞬間、2メートルほど前にいた平手が、いきなり眼の前に現れたように見えた。
「っ!」
平手は右ストレートを繰り出してきた。
とっさに腕を盾にすることで防ぎ、斜め後ろに下がって平手から離れる。
──なんだ今のは!?
平手の拳を受けた左の前腕がじん、と痛む。
(速い・・・・・・)
膝の力を抜き、崩れ落ちるように前に動いた動きに乗せた右ストレート。
あらかじめ感知することを許さない一瞬の攻撃だった。
幸いにも平手は追撃してこなかったが、その攻撃に反応するのに手一杯で、こちらも反撃することが出来なかった。
(なぜだ・・・・・・なんでこんな状態でさっきより速くなる!?)
今の攻撃は、これまでの平手の攻撃のなかで一番速いものだった。
しかし、なぜこの状態でそんな攻撃を繰り出すことが出来るのか。
(落ち着け・・・・・・)
たまたま不意を突かれただけだ。慌てず、平常心で対処すれば勝てる。
だが、冷静に平手を見てどう攻めるか考えようとした矢先、さっきよりも遠間にいたはずの平手が、またもや攻撃のそぶりを見せることなく、間合いを詰めてきた。
──!!
来た、と気づいたときにはすでに平手は眼前に迫っている。
危険を感じた体が無意識のうちに防御反応をとり、体の前で交差させた両腕が半ば偶然、平手の右ストレートを防いだ。
──くそっ!
守りに身を固めたこんな体勢では反撃どころではない。平手に追撃されないように、大きく後ろに下がる。
(なんなんだ、こいつは!?)
二度にわたる単発の攻撃を放った平手は、構えてこそいるが、その姿はまるで霊であるかのように朧気で、意識があるのかさえはっきりしない。
ただ、その眼だけが異様なまでの鋭さで、こちらを睨んでいる。
0302ハコオシ(茸)
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2017/06/02(金) 05:08:20.91ID:r/5dXI+Gd
欅坂×不良学園小説

(もう一発だ。もう一発当てれば・・・・・・)
腹に残る、ずうんとした鈍い痛みが集中を妨げようとしてくる。
体の動きも重く感じる。
先の連打が思った以上に体に響いていた。
これ以上、攻撃は食らいたくない。
(守りに入るな)
あと一撃与えれば、平手は倒れる。守りに回ってはいけない。攻撃に転じなければ。
足を前に運び、こちらから間合いを詰めて仕掛けていく。
──フェイントで誘う!
その様子から判断するに、今の平手の身体を動かしているのは俺に負けまいとする執念だろう。
つまり、倒れてもおかしくないなか、気持ちだけで立っているようなものだ。平常時の冷静な思考は失われているに違いない。
闘争本能で動いているのなら、反射的にフェイントに引っ掛かるはずだ。
前進するとともに、左腕をふっ、と素早く小さく動かした。
(左はフェイント。右で仕留める!)
左の突きに対しては左手で防ぐのが定石。防御しようとすれば、その分隙ができる。そこを突く!
──!?
しかし、平手はその誘いに乗らなかった。
動かされた志田の左腕に何の反応を示すことなく、一瞬あとに連動して繰り出された志田の右ストレートを左手で捌いた。
それだけではない。あろうことか平手は反撃に転じ、右拳をこちらの喉めがけて繰り出してきた。
──くっ!
攻撃が当たる寸前に、なんとか空いていた左手でそれを防御できた。
ばっ、と後ろに跳んで平手から距離をとる。
(もう一度・・・・・・!)
体勢を整え、再び平手に向かう。波状攻撃で平手に落ち着く暇を与えない。
今度は、右手で攻撃のそぶりを見せる。
──本当の狙いは、左!
勢いに乗せて、左の突きを平手に向けて放った。
だが平手は、それを左の掌で受け止めた。またもフェイントにひっかからない。
──ちっ!
ならば、と繰り出した右ストレートも、平手の体に届く前に平手の右手で押し退けるように逸らされた。
バシッ!
「ぐっ」
不意に左の肘と横腹に衝撃を感じた。
反射的に後方に跳び、平手から距離を取る。
俺の右ストレートを受けた平手が、右回し蹴りを当ててきたのだった。
脇をしめる形で左腕を体に引き付けていたため、平手の蹴りをまともに食らった訳ではなかったが、それでも息苦しさを感じる痛みが脇腹から肺の方へにじんでくる。
(なぜだ・・・・・・)
二度のフェイントのどちらにも、平手は惑わされなかった。
0303ハコオシ(茸)
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2017/06/02(金) 05:09:02.33ID:r/5dXI+Gd
欅坂×不良学園小説

──まさか、見切られている!?
そんなはずはない。こんな状態で。闘いの序盤では引っ掛かったというのに・・・・・・。
(くそ!)
ならばもう、小手先の技は必要ない。
多少のダメージは我慢して、撃ち合いでケリをつける。
俺は体の前に両拳を構え、ぐん、と前進した。
そうして、突きやフックといった拳の攻撃を主体に、平手に打ちかかる。
(倒れるなら、奴の方が先だ)
消耗戦なら、体力のある俺が有利。連続攻撃で平手の体力を削り、倒す。
ガッ。
一撃目の突きは防がれたが、そこで終わらない。矢継ぎ早に次の攻撃を繰り出す。左右の連続フック。
平手はその攻撃も防ぎ、俺と距離を置こうと後方に後ずさった。
だが俺は、平手を逃がさないよう、間髪置かない素早く細かい足運びで、詰めた間合いを保ち続ける。
再び、殴打による攻撃。
この距離なら、蹴り技は近すぎて威力を発揮できない。
このままダメージを蓄積させれば、奴の防御はどこかで崩れるはずだ。
だが、俺の攻撃を受けて、平手も反撃の拳を繰り出してきた。
平手の右腕が、小さく鋭い弧を描く動きを見せた。
至近距離のため、突きではなく側面を狙うフック。
左腕を立ててそれを防御する。そして、すぐにこちらも反撃する。
鈍い打撃音が短い間を置いて連続して鳴った。
相手の拳を受けては攻撃を繰り出す、拳と拳の撃ち合いとなった。
ドッ!ガッ!ドッ!
互いに有効打を与えられないまま、殴打の応酬が続いた。
0304ハコオシ(茸)
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2017/06/02(金) 05:10:49.30ID:r/5dXI+Gd
欅坂×不良学園小説

攻防のなか、放たれた平手の右ストレートを、俺は左手で、上へはね上げるように半ば強引に払った。
(ここだ!)
そうして空いた奴の腹部に右ストレートを打ち込むべく、右拳を引こうとしたときだった。
バッ!!
わずかに右腕を動かしただけなのにもう攻撃を察知されたのか、平手が異常な速さの反応で、後方に跳んだ。
──!!!
その瞬間、平手の動きがスローモーションに見えた。
スロー再生した映像のように、平手の体が宙を後方へと飛んでいく。
それだけじゃない。素早く繰り出そうとしているはずの自分の右ストレートが、遅々としたスピードで前に向かって伸びていく。
あらゆるものがゆっくりと動いて見える。
一瞬であるはずの時間が、とても長くに感じられた。
──外した!!
後方に避けた平手に、俺の拳は届かない。
俺の右ストレートは空を突いた。
(来る!)
後ろに下がって攻撃を避けた平手は、おそらくこのあと前に突っ込んでくる。
バックステップで敵の攻撃をかわし、そこから前に踏み込んで攻撃を繰り出す、前後反復の機動。
俺は迎撃の体勢をとろうと、突き出した拳と伸ばした後ろ足を元に戻そうと、腕と足を動かし始める。
まだ、全てがゆっくり動く感覚は続く。
いまやっと、平手の後ろ足が床に着地した。
平手はきっと、ここから前に飛び込んでくる。
──奴が右ストレートでくるなら、左アッパー!
平手が前に突っ込んできたところに、カウンターのアッパーを食らわせてやる。
俺は腰を小さく左に捻った。
0305ハコオシ(茸)
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2017/06/02(金) 05:11:21.95ID:r/5dXI+Gd
欅坂×不良学園小説

──いや、違う!
その一瞬、閃くようにその先程の攻防が脳裏をよぎった。
(さっきと同じか!)
前に飛び込んでくる途中で急制動をかけて、俺の左アッパー空振りさせ、そこを突く攻撃。
先ほどはそれにやられた。
──なら、右ストレート!
思考が目まぐるしく回転する。
リーチのある右ストレートなら、平手が途中で動きを止めようと、奴の体に拳は届く。
俺は右拳に力を込めた。
(いや待て)
嫌な予感がし、びくりと体が一瞬硬直した。
──奴の狙いは、こっちか!?
俺が右ストレートで飛び込んだところで、左アッパーで応じる。
先ほどのやりとりのなかで、奴はその対応パターンも見せていた。
──どっちだ・・・・・・!?
左アッパーは急ブレーキでかわされる。
右ストレートは左アッパー。
右と左、どちらの攻撃も対処される可能性があった。
ならば蹴り技というと、蹴り技は攻撃の際、体を支えるのが片方の足になる。
かわされて、さらに体勢を崩されれば、こちらは転倒して危険な状況になる。
(蹴り技は出来ない)
ならば、やはり突き。

──だが、どっちを!?
0306ハコオシ(茸)
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2017/06/02(金) 05:14:49.44ID:r/5dXI+Gd
埋め立てじゃないです泣
0307ハコオシ(茸)
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2017/06/02(金) 05:15:11.37ID:r/5dXI+Gd
欅坂×不良学園小説

(どっちだ!?)
平手の出方が分からなかった。
──わからねえ!・・・・・・なら!
俺は後ろ足になっている右足に力を入れた。
(奴が突っ込んで来る前に倒す!!)
右足、そして左足で床を蹴る。
──追い突きで!
二段階の加速。平手に向けて一気に肉薄する。
平手は今、バックステップから着地したばかりだ。後ろに向いていたベクトルを前に変えるには、少なくとも一瞬は時間を要する。
平手が前に出てくるより早く、追い突きで奴を仕留める!
──もらった!!
右足の踏み込みに合わせて、右腕を平手に向かって伸ばしていく。
奴の喉元めがけて腕が半分ほど伸びた、その時だった。

──なっ・・・・・・!?

目の前で平手が、不可解な動きを見せた。
なぜか、その身体を後ろに反転させると同時にその場に屈みこみ、こちらに背を向けてきた。
(なんだ・・・・・・何を・・・・・・!?)
悪い予感がした。
だが、前に踏み込んだ体は、もう止まらない。

追い突きの右拳が、背を向ける平手の右肩のすぐ上を通過した。
そして、手首辺りをぎゅっと圧迫される感触がした。
俺の右腕を平手が両手で掴んだのだ。
体の前面に平手の背中が当たる。
──!?
前にぐい、と引っ張られる。
足が床から離れ、持ち上げられた体が宙に浮いた。
前のめりになり、平手の身体を越して視野一杯に床が映る。
そして、視界が暗転した。
「ぐっ!!」
次の瞬間、大きな衝撃が背中から全身に伝播した。
その衝撃に一瞬息が止まる。
(投げられた・・・・・・!?)
何が起きたのかということに意識がとらわれるあまり、不思議と、あまり痛みは感じなかった。
──!!!
反射的に瞑ってしまった目を開けると、俺の真上に、右拳を横腹に引き付けてこちらを睨む平手がいた。
(しまっ・・・・・・)
その拳が、こちら向かって突き出される。

「ぐあっ!!!」
0308理佐ちゃんに甘えたいと思う今日この頃(庭)
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2017/06/02(金) 12:00:09.52ID:s0JNPfDHa
めっちゃ増えてるw
お疲れ様ですm(__)m
0309ハコオシ(茸)
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2017/06/03(土) 10:16:55.46ID:IjSWP2C2d
まとめて投稿したほうがよいのでしょうか?
どなたかご意見をお願いします。
0310 ぺー(地震なし)
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2017/06/03(土) 11:13:33.03ID:CopuWerV0
ついに平手勝ったか
0311ただただ睨む理佐ちゃんがきっかけです(庭)
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2017/06/03(土) 12:42:39.06ID:3pxKl3gqa
>>309
少しづつでも毎日の方が読んでてテンションは持続するのかな?
でも先生の流儀でやるのが一番かと思います
0312ハコオシ(茸)
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2017/06/04(日) 07:15:59.96ID:OwauVvVUd
かけた分だけ、でもなるべくまとまりのよい形で
その都度投稿していきたいと思います。
0313ハコオシ(茸)
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2017/06/06(火) 06:11:40.88ID:12m4fag6d0606
書きため中です。
0314名無しって、書けない?(兵庫県)
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2017/06/06(火) 06:54:34.45ID:JQD9LKTn00606
お疲れ様です
0315ハコオシ(茸)
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2017/06/06(火) 10:08:53.85ID:12m4fag6d0606
>>314
兵庫県・・・?
はじめまして、でしょうか。
0316けやかけ中止で理佐ちゃん不足が深刻化(庭)
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2017/06/07(水) 00:44:56.93ID:C5rFLR/Ha
>>313
楽しみに待ってます
0317ハコオシ(茸)
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2017/06/09(金) 06:12:38.63ID:g9Deja2cd
欅坂×不良学園小説

(何!?)
 激しい攻防のなか、志田が再び追い突きの動きを見せたかと思うと、その刹那、平手がくるりと身を翻した。
 平手が志田に背を向ける形となる。
 志田の追い突きは止まらない。志田はそのまま平手に向かって突っ込んでいく。
──!!!
 だが、志田の追い突きは平手には当たらなかった。志田の右拳は、後ろ向きに屈み込んだ平手の肩の上を通過した。
 そして次の瞬間、平手の背中を支点にして、志田の体が勢いよく上に持ち上がった。
ドスンッ!!
 重みのある衝撃音が響く。追い突きの勢いもあってか、志田の体は、見事に地面に落下した。
 追い突きにより突き出された腕を掴んだ平手が、志田を背負い投げたのだ。
「!」
 二人の回りを囲む他のメンバーたちにも衝撃が広がる。
声を発する間もない一瞬の出来事に、何人もがその息を呑んだ。
 地面に仰向けに倒れた志田は無防備な状態になっている。
 そして志田が身を起こすより早く、平手が志田の真上に回りこんだ。
 平手の正拳が、倒れた志田に向けて突き下ろされる。
「ぐあっ!!!」
 痛烈な一撃に、志田が大きな声をあげた。
 だが平手の攻撃はそれだけで終わらない。
「うっ!ぐっ!ああっ!!」
 平手は容赦なく畳み掛ける。瓦割りのような体勢で、一発、二発、三発と、その正拳突きが志田に突き刺さる。
 無防備な状態の志田は、されるがままに平手の拳を腹部に受けた。攻撃を受けるごとに苦痛の声が大きくなる。
(いける!──!?)
 だが、平手が四度目の拳を突き下ろそうとしたその時だった。
0318ハコオシ(茸)
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2017/06/09(金) 06:13:29.83ID:g9Deja2cd
欅坂×不良学園小説

 それまで平手の攻撃を受けるままだった志田が、突然その眼を剥いた。
──まずい!
 深追いしすぎだ。だが、「離れろ」と平手に警告を発するより早く、四度目の拳を受けた志田が、自分の腹に突き立てられた平手の腕の手首を、両手でガッと掴んだ。
「調子に、乗るなあぁっ!!」
 いきり立った志田の怒声が響いた。
 平手の腕を掴んだ志田は、その両足を上に撥ね上げ、平手の右腕を間に挟む形で、片方の足を平手の首元に、他方を胸元に絡めた。
 そしてその腕を床の方へと引っ張り、引きずり落とすように平手を床に倒す。
 ──十字固め!!
相手の体に直角に足を乗せる形で、その足で相手の腕を挟み、反らせるように極める関節技だ。 
「あああああっっ!!」
 平手の悲痛な叫びが響いた。
 床に倒れた体勢で体を志田の両足で固定され、平手は身動きすることが出来ない。
 そしてその状態で、右腕を引き伸ばされる。
 腕に過大な負荷がかかり、激痛に平手の顔が歪む。
 腕を伸ばされないように、腕を自分の方に曲げ戻して抵抗しようとするも、志田の十字固めは解けない。
「ぬううっ!」
 平手の腕を引きちぎらんというばかりに、歯を食いしばった顔の志田が、さらに力を加えた。
 平手の大きな悲鳴があがる。

──ヤバイ!
 このままじゃ、平手が危ない。
 二人の闘いが危険な領域に入っているのを感じ、俺が二人の闘いに割って入ろうと、一歩足を前に出したときだった。
「やめろっ!!!」
突然、大きな声がその場に響いた。
0319ハコオシ(茸)
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2017/06/09(金) 06:14:39.68ID:g9Deja2cd
遅くなってしまいました(´・ω・`)
0320理佐ちゃんは神様のお気に入り(庭)
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2017/06/09(金) 11:47:20.40ID:P0vbTU7ra
お疲れ様です
クオリティー維持のためにも気にせず先生のペースを守ってください
0321 ぺー(地震なし)
垢版 |
2017/06/10(土) 04:03:25.24ID:xgJL4sBf0
お疲れ様です
見てまっすよー
0322平手ちゃん(catv?)
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2017/06/10(土) 06:13:49.64ID:NB9dxWZ70
お疲れ様です。いつも楽しみにしてます(^^)
0323ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/10(土) 06:18:40.17ID:NMLBqXk6d
>>320
>>321
いつもありがとうございます。また、書きためますね。
>>322
平手ちゃん!?新しい方ですよね!
よろしくお願いします。
0324ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/11(日) 07:25:34.29ID:ehohYCj2d
寝てしまった(T-T)
今夜こそは・・・
0325理佐ちゃんが好き(庭)
垢版 |
2017/06/11(日) 20:45:51.28ID:6fyKMRW5a
寝てしまったハコオシ先生に「寝てんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃんだけど

「楽しみ過ぎて朝まで寝ないで待ってたんだからね」
なんて眠い目こすりながら言ってくれそうだから好き
0326名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/06/12(月) 06:32:42.06ID:xVtj8W4Ud
>>325
縦横無尽のご活躍、感服します。

そしてすみません。まだ出来ていません。
0327名無しって、書けない?(庭)
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2017/06/12(月) 19:12:07.20ID:IvCv29eya
>>326
小説スレで先生に励まされたお陰ですm(__)m

ドンマイです!
0328名無しって、書けない?(茸)
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2017/06/13(火) 06:19:56.14ID:mty80u9td
>>327
ありがとうございます。
でもなんか、書くのがキツイ・・・

皆さんすごいですね。私は皆さんほど筆が走らない・・・
0329理佐ちゃんだけにこの愛を捧ぐ(庭)
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2017/06/13(火) 16:37:57.18ID:Oka5+3wBa
>>328
煮詰まってますか!?

たまに違う話を書いて気分転換してみるのも手ですよ

小説スレは妄想変態野郎の集まりですからww
0330名無しって、書けない?(茸)
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2017/06/13(火) 19:43:51.40ID:mty80u9td
>>329
ありがとうございます。

本作を踏ん張りつつ、気分転換もしていこうかな。
0331この胸のときめきを理佐ちゃんに届けたい(庭)
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2017/06/14(水) 01:38:02.13ID:YS4xOQw3a
>>330
俺も小説スレで気まぐれに色々な理佐ちゃんシリーズ書いてますけど複数連載はお勧めです
複数連載してると毎日なんかしら書くことが浮かんで来るから楽ですよ

もっとも俺の書いてるのは理佐ちゃんの個スレに書いてた妄想がベースだから参考外かもしれませんがw
0332ハコオシ(茸)
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2017/06/14(水) 06:23:03.50ID:5g3j42Mbd
欅坂×不良学園小説

 突然響いた声に、その方を振り向くと、声をあげたのは渡邉だった。
 そのイメージからはかけ離れた大きな一声に辺りは水を打ったように静まりかえり、誰もが驚いた顔で渡邉の方を見ている。
 見ると、平手に十字固めをかけている志田も、床に横になった状態のまま顔を渡邉の方に向けている。
「マナキ。もういい。もうやめよう」
 志田の方へ歩き出しながら、渡邉は志田に声をかけた。
「なに・・・・・・?」
 志田は平手を拘束したまま、渡邉に対して険しい目を向けた。
 十字固めはかけられたままだが、平手も苦しそうな表情でいながらその目を渡邉のほうに向けているところをみると、多少力は緩められているようだ。
「もうやめよう」
渡邉は再び志田に対して言った。
「二人で話がしたい。一緒に来てくれ」
 闘いに水を差され、今にも怒りだしそうな志田に気後れすることなく、渡邉は決然とした真顔で、静かな口調で志田に言った。
 志田は床に横たわったままでは様にならないのか、──けれど、平手から手を放していいか、平手と渡邉を交互に目を遣って少し逡巡したあと──固めていた平手の腕を放し、ばっと素早く立ち上がった。
 そして、平手と俺たちの方に鋭い目を向けると
「ここで待っていろ」
と吐き捨てるように言い、踵を返して渡邉と共にフロアの外、建物の廊下へと消えていった。
 志田と渡邉の姿が見えなくなったとき、
「平手君!」
と、我に返ったように今泉が平手のもとに駆け寄った。
 床から身を起こしていた平手はその場に片膝をついて、左手で志田に技をかけられていた右腕を痛そうにおさえていた。
駆け寄った今泉が、なにやらいろいろと平手に声をかけている。
「・・・・・・」
 勝敗はどうなったのだろうか。闘いによる痛みに苦い顔をしている平手と、平手のそばに心配そうな顔で両膝をつく今泉を見ながら、俺は思った。
 他のメンバーたちが口々に話すのが聞こえる。闘いの思わぬ結末に、奴らも戸惑っているのだろう。
 そのざわつきは、しばらく止むことはなかった。
0333ハコオシ(茸)
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2017/06/14(水) 06:24:15.04ID:5g3j42Mbd
>>331
ありがとうございます。

短くて質も悪いですが、今日はこれだけでも。
0334 ぺー(地震なし)
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2017/06/14(水) 15:40:10.59ID:9bUumKF20
>>333
お疲れ様です
0335ハコオシ(茸)
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2017/06/14(水) 20:37:06.82ID:5g3j42Mbd
>>334
ぺーちゃんありがとう。
少しずつ前進しますから。
0336ハコオシ(茸)
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2017/06/17(土) 12:02:48.44ID:a+eeEeSmd
もうしばらく時間を・・・
0337偽米さん(広西チワン族自治区)
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2017/06/17(土) 13:00:15.03ID:SMKjkXbOK
スレ主さんが心配してるみたいやから釈迦に説法のつもりで
dat落ち=過去ログ倉庫行きの基準について書いてみるで

スレがdat落ちする原因にはざっと以下のようなものがあるんや

@スレが完走した場合(1000レスorスレ容量が512KBに到達)…下記の圧縮が行われなければ完走後約1日でdat落ち
A2ch管理人による削除
B最終レスから〇〇時間空いた場合(俗に突然死と呼ばれる)
Cさらにスレ立てから〇〇レス以内にはBの基準がさらに厳しくなる場合がある(俗に即死と呼ばれる)
Dスレ立てから〇〇日が経過した場合(俗に〇〇日ルールと呼ばれる)
E板のスレ保持数に従っていわゆる圧縮が行われた場合

このうち@Aはどの板でも条件は同じやけど、BCDEは各板ごとに設定が異なるんや

しかも2ch運営はその板ごとの基準をほとんど明言しないばかりでなく、気まぐれにちょこちょこ変えたりするもんやから、たちが悪いんや

なので最近の欅坂板の様子を見ての推測での話になるんやけど、現在おそらくBCDは設定されてないはずや

Eの圧縮っちゅうのを念のため解説すると、現在欅坂板のスレ保持数はおそらく700ぐらいのはずや
なので、新しいスレが立って総数が例えば730〜750近くなると、間欠的に10〜50程度のスレをまとめてdat落ちさせてスレ数を700前後まで落とすんや
これが「圧縮」や

その圧縮のターゲットになるのは主に、その時点で完走しているスレ(→完走後1日経たずに落ちることになる)と、書き込みが滞ってるスレなんや
現時点で見てると、最終書き込みから1週間ほど間が空くと、この餌食になる可能性が高くなるみたいや
もちろんこれはその時のスレ立ての勢いとかにもよるから常に変動の可能性あるんやがな

まあとにかく、少なくとも1日〜2日に1レスあれば現状でdat落ちの心配はあらへんと思うわ

長くなってもうた
えらいすんまへん
0338ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/17(土) 20:18:04.00ID:a+eeEeSmd
>>337
米さんありがとう。
さすが米さん。博識やね。

というか、なんか久しぶりな感じ。
寂しかったよ(^_-)
0339平手ちゃん(catv?)
垢版 |
2017/06/20(火) 21:40:13.62ID:tZLN11Tc0
ここ落ちて欲しくない
保守
0340ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/20(火) 23:01:36.94ID:G5L2FxO8d
>>339
申し訳ないです。本当にありがとうございます。

書こうとしても地の文と会話文の繋ぎがうまくできなくて・・・
投げ出しはしませんから。信じてください。
0341いつまでも変わらぬ愛を理佐ちゃんに届けてあげたい♪(庭)
垢版 |
2017/06/21(水) 06:17:49.40ID:l5O3wQcta
>>340
この悩みわかります
会話挟むの難しいですよね
0342ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/21(水) 06:31:57.30ID:gSyjskywd
欅坂×不良学園小説

「どういうつもりだ!!」
 別の階の個室に入るなり、俺はリサオの襟首を両手で掴んで、リサオを壁に押し付けた。
 ドン、と衝撃でリサオの体が揺れる。
──俺の戦いを邪魔するなんて!いくらこいつでも・・・・・・!!
 だがリサオは、しんと据わった瞳でこちらを見つめてきた。
「あれじゃただの潰し合いだ。なんのメリットもない」
「なに!?」
 メリットだと!?そんなもの関係ない。俺はただ、あの生意気なガキを叩きのめせればいいだけだ。
「落ち着いてくれ、マナキ」
リサオは、あたかも俺が冷静さを失っているかのような口ぶりで、襟首を掴む俺の両手に手をかけてきた。
「彼女を平手にあげよう」
「なんだと!」
 あろうことかリサオは、今泉を平手に与えること、──つまりは奴がこの勝負に勝利することを意味する──を提案してきた。
「あの二人が仲間になるなんて、思ってもないチャンスだ。利用しない手はない」
 襟首を掴まれながらも、リサオは落ち着いた口調で言う。
「近頃、守屋が勢力を取り戻しつつあるのはマナキもわかっているだろう?きっと、また戦いが起きるのも近い。今は守屋に備えるのが最優先だ」
 リサオが考慮しているのは、守屋のことのようだ。
 確かに、先代の土生さんが守屋の侵攻を防ぎ、その力を大幅に削いでから半年近く。徐々に守屋は、その勢いを取り戻しつつあった。
「平手と鈴本の実力は、うちの主力メンバーと遜色ない。戦力は一人でも多い方がいい。
でも、佑唯をこのままと僕たちのものにすれば、平手たちはきっと僕たちの仲間にならないで、また僕たちになにか仕掛けてくるだろう。
でも、これ以上の闘いはお互い消耗するだけだ。それなら、いま恩を与えておいて、彼らを使う方がいい」
 リサオはそう言ったが、俺は素直にそれをのむことはできなかった。
「あんなやつらと一緒に闘えるか!」
 奴等を仲間に加えるとしても、今泉を自分のものにするために俺たちの仲間になるという、そんな奴、どうして信用できるというのだろう。
 裏切りや敵前逃亡、それらの可能性は十二分に考えられた。
「その時は彼女を人質にでもすればいい」
リサオは冷静な調子で答えた。「彼女を僕たちの手の届くところにおいておけば、あの二人だって君に従わざるを得ない」
「・・・・・・」
リサオのいうことは一理あった。俺はこれ以上、反論する点が思い付かなかった。
0343ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/21(水) 06:32:51.48ID:gSyjskywd
欅坂×不良学園小説

「あの二人を仲間に加えよう、マナキ」
 リサオが、俺の指に自身の指をかけて、襟首を掴む俺の手をほどいた。
 近い距離で、俺たちは向かい合う。
「お願いだ」
俺のことをまっすぐ見て、リサオは言った。
「だが・・・・・・」
とはいえ、一つひっかかるところがあって俺が渋っていると、 
「さっきの勝負、誰が見ても君の勝ちだ」
と、俺の胸中を見抜いたようにリサオが言った。
「まあ直前の平手の巻き返しには驚いたけど、最期のあの状況じゃ、平手はもうどうしようもなかった。彼女を平手に与えても、メンバーたちは君が負けを認めたとは考えないよ

だけど、キミが勝ったらあの二人は手に入らない。だから僕が止めたんだ」
 リサオは思慮深く先のことを考えていたようだ。
 そして、リサオは少し首を傾けて言う。「別に、あの子に思い入れがあるわけでもないだろう?」
 確かに、なんの戦力にもならない女一人と、それなりに役立つあいつら二人。冷静に考えれば、どちらを取ったほうがいいかは明らかだ。
「・・・・・・仕方ねえな」
 だが、リサオの提案に全面的に同意するのは面白くなかったので、俺がそのように答えると、
「ありがとう、マナキ」
と、リサオはふっと微笑んで答えた。
0344ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/21(水) 06:34:32.81ID:gSyjskywd
少し雑かも知れませんが・・・
苦しいなか声をかけてくれた平手ちゃんと理佐にこれを捧げます。
0345理佐ちゃんが好き(庭)
垢版 |
2017/06/21(水) 07:35:15.31ID:l5O3wQcta
>>344
ありがとうございますm(__)m

これだけ細かい描写が書けるのは素直に凄いと思います
0346ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/21(水) 19:22:49.50ID:gSyjskywd
>>345
少しずつ表現のバリエーションを増やせたらいいんですけどね。

秋が来る前には完結させたいなあ。
0347偽米さん(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/06/22(木) 23:53:20.93ID:liYBLcmFK
保守しとくから大丈夫やで〜
0348名無しって、書けない?(pc?)
垢版 |
2017/06/23(金) 10:03:29.09ID:gGrYLaTK0
(2日に1回でいいんだっけ…)
0349名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/06/23(金) 10:04:05.60ID:ALDzW8f+d
>>347
ありがと米さん。
「偽」なんてつけなくていいのに。

最近平手ちゃんが新しく加わりました(^^)
0350このまま理佐ちゃんだけを奪い去りたいよ♪(庭)
垢版 |
2017/06/23(金) 10:10:42.12ID:3Jo5gj3+a
確実にメンバー増えてますね
0351偽米さん(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/06/23(金) 10:11:35.68ID:4kgL2U2cK
>>348
現状は6〜7日空くとヤバいっていう感じやで
2日に1レスあれば十分

>>389
いや、米さん潔癖症だからw
こういうところはちゃんとしとかんとw
0352名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/06/23(金) 12:48:59.02ID:ALDzW8f+d
>>351
他のスレでみた「保守」という言葉の意味がやっとわかりました。
先週の歯間イジリに慌てる米さん、可愛かった笑
>>350
もな推しの人とか、見てくれてないかなあ。

今日は半休もらえたので、夜までずっと書きます!
0353名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/06/23(金) 17:47:45.77ID:diGEO6goa
>>352
楽しみに待ってます
頑張ってください!

でも無理すると反動が来るのでご用心です
0354名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/06/23(金) 17:49:05.46ID:diGEO6goa
>>353
名前に理佐ちゃん入れ忘れた(泣)
0355ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/23(金) 19:12:44.25ID:ALDzW8f+d
>>353
ありがと理佐ちゃん。

ところで疑問なんですが、女の子って、それほど親しい関係にない(むしろ険悪な仲の)男の人に対して、心のなかでどう呼んでるんだろう?
例えば、「たかし」という他人に対して心のなかで何か思うとき、男なら
(たかしの奴、どういうつもりだ?)
とか、その人のことを呼び捨てると思うけど、女の子はどうなんだろう・・・・・・?

呼び捨てなのかな?一応、君付けなのかな?

だれか女の子、いませんかー?
0356ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/23(金) 20:06:33.35ID:ALDzW8f+d
欅坂×不良学園小説

「平手くん!」
 平手くんのもとに駆け寄ると、彼は床に膝をついて、さっきまで志田くんに攻撃されていた右腕を左手で押さえていた。
「大丈夫!?」
 私の方を見上げた平手くんは、ひどく疲れたような目をしていてた。
 さっきまで見せていた恐いぐらいの気迫は見る影もなく消え、背を丸めたその細い体はいつもより小さく見える。大きく息をつく平手くんの姿は、今にも消えてしまいそうなほど、弱って見えた。
「大丈夫?痛い?」
 彼の元に膝をついて声をかけるも、何かしてあげられる訳でもない。
 彼の体に手を添えるほか何もできない私に、平手くんは何も言わずに力なくその口許を曲げて、ゆっくりと首を振った。
 そして、そのまま立ち上がろうとする。
「あっ!」
 立ち上がろうとした途端、平手くんの体は、立ちくらみを起こしたようにふらついた。
 慌てて彼を支えようとするも、こらえきれずに私もろとも倒れてしまいそうになる。
「おっと」
 すると、いつのまにか私の後ろにいた鈴本くんが、倒れないように平手くんの体を支えた。
「無理するな」鈴本くんが平手くんに声をかける。
「まだ立っちゃダメ」
 平手くんを休ませようと彼をその場に座らせようとした時、「今泉さん」と後ろから声を掛けられた。
 振り向くと菅井先輩が私たちのそばまで来ていた。
「こっちに」
 菅井先輩はそう言って、奥の方を手で示した。
 菅井先輩に従って、鈴本くんと二人で平手くんを支えながらその後をついていくと、ここの少年たちがたむろするのに使っている革張りのパーソナルチェアの一つを勧められた。
 鈴本くんと体を支えながら、平手くんをゆっくりとそこに座らせる。首をがっくりと前に倒し前屈みに座った平手くんは、呼吸もまだ荒れている様子で、肩が小さく上下している。
「あの二人は・・・・・・?」
 ここの少年たちが使っているものを独断で私たちに勧めるあたり、──それどころか周りのメンバーたちは、私たちを従えて少年らの間を進む菅井先輩に道を開けてさえいた──菅井先輩は彼らとどのような関係にあるのだろうと怪訝に思いながら、私は菅井先輩に訊ねた。
「わからない」
 けれども菅井先輩は首を振る。「もうしばらく待っていよう」と落ち着いた口調で彼女は言った。
0357ハコオシ(茸)
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2017/06/23(金) 20:07:17.45ID:ALDzW8f+d
欅坂×不良学園小説

「どうなるんだろう・・・・・・?」
 しばらくざわついていた周りの少年たちも静かになり、闘いの勝敗はどうなったのかという疑問と不安が混じった重苦しい空気があたりに漂う。 
 私が鈴本くんに問いかけると、「うーん」と鈴本くんは難しい顔をして低い声で唸った。
「完全に途中で遮られたからな・・・・・・」鈴本くんが言う。
  闘いは突如声をあげた渡邉くんによって中断された。そのため勝敗は明らかではない。 
 最後は平手くんが攻撃をかけられる形となっていたけれど、かといって平手くんが気を失った訳でも、負けを認めた訳でもない。
「まだ続くの・・・・・・?」
 決着がついていないということは、まだ闘いは続くということだろうか・・・・・・?
 だとしたら、こんなにも傷つき消耗している平手くんにまた過酷な闘いを強いることになる。
 そんなひどいこと、私には耐えられない。
「わからねえ。とにかくあいつらが戻って来ねえと」
 そう言った私に首を振り、鈴本くんはちらりと、志田くんと渡邉くんが消えたフロアの入り口を見遣った。
 「・・・・・・」 
 誰も口を開かない沈黙の時間が流れる。
 

 どれほど経っただろう・・・・・・?
 そう思ったとき、不意にガチャ、という音がした。
 振り向いてその方を見ると、志田くんと渡邉くんの二人が、扉を開けてこのフロアのなかに入って来た。
0359名無しって、書けない?(茸)
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2017/06/25(日) 01:37:06.26ID:siUfn54/d
>>358
握手会の件、
今日はてちの誕生日なのに許せないよ
0360ハコオシ(茸)
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2017/06/25(日) 04:25:43.71ID:PnaDqKtad
欅坂×不良学園小説

 志田くんと渡邉くんの二人は、腰掛けの方に移動した私たちの姿を認め、まっすぐこちらにやって歩いてきた。志田くんが先だって進み、その斜め後ろに渡邉くんが従う。
「あっ」
 すると、平手くんも彼らに気がついたのか、パーソナルチェアから立ち上がった。
 両側に立つ鈴本くんと私の間から、一歩前に出る。
 こちらまでやって来た志田くんが平手くんと正面切って向かい合った。その眼は鋭く平手くんの方を睨み、口は真一文字に引き締められている。
「・・・・・・」 
 緊迫した空気が辺りを覆った。私と鈴本くんをはじめ、周囲の少年たちが緊張した面持ちで志田くんの動向を見つめている。
「・・・・・・お前にそいつをくれてやる」
──えっ?
 唐突に、志田くんはそう口を開いた。
 その言葉に反応した周りのメンバーたちが、それぞれぱっと互いに顔を見合わせた。
 そいつというのは私のこと・・・・・・?ということは・・・・・・。
 私も思わず横に立っていた鈴本くんの方を見る。驚いたのは鈴本くんも同じようで、目を大きく開けた驚きの表情で私と目が合った。
「今泉をお前のものをして認める」
 志田くんはもう一度、今度はより具体的な言葉で言った。
 周りのメンバーたちがざわつき始める。
「やったな!」
 平手くんの方に一歩進んだ鈴本くんが、喜びの声を出して平手くんの背中を叩いた。そして、私の方に顔を向ける。
 平手くんも私の方を振り返った。
 平手くんは、まだ事態を受け止められないような表情をしていた。
 お互い、驚きの表情で見つめ合う。
「ただし!」
 そんな私たちに釘を刺すように、志田くんが声を張り上げた。
「約束通り、お前らは今日からここのメンバーだ。それ相応の働きはしてもらう」
 ざわつく周りのメンバーや、志田くんの言葉に驚く私たちが面白くないのか、志田くんの表情はいつもよりまして険しいものになっていた。
「忘れるな。裏切りは許さない。少しでも変なまねをしてみろ。そのときは容赦しねえ」
 志田くんは厳めしい声で忠告した。
「明日からお前ら三人、毎日ここに来い」
 そう言って志田くんは身を翻し、そのままフロアの外に出ていった。
0361ハコオシ(茸)
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2017/06/25(日) 04:29:27.66ID:PnaDqKtad
欅坂×不良学園小説
 その後ろ姿を見送って、私たちは互いに顔を見合わせた。
「平手くんが勝ったってこと・・・・・・?」
 私がそう言うと、
「それは明言しなかったけどな。というか、多分あいつは負けたとは思ってねえよ」と鈴本くんは首を振った。
「正直、あの状況は厳しかった」鈴本くんは闘いの終盤のことを言っているようだ。
 ではなぜ、志田くんは手を引いたのだろう?
「じゃあ、なんで・・・・・・?」
私がそう言うと、「さあな」と鈴本くんは軽く両肩をあげて首を傾げた。
「でも、うまくいった。なあ、平手」
鈴本くんが平手くんの方を見ると、平手くんは緊張がほどけたように目を細めて、小さく頷いた。 
「おめでとう」
すると後ろから声をかけられた。振り返ると、菅井先輩が優雅な微笑みを浮かべて、私たち三人を見ていた。
「菅井先輩・・・・・・」
「大変だったね」
 菅井先輩は私たちをねぎらうように言った。そうして私たちの方に歩み寄る。
「久しぶりだったな。男の人たちが闘ってるのを見るの」
 菅井先輩は懐かしむような表情をしていた。
「私も、彼らに捧げられた一人だったから」
「えっ?」
 唐突な告白に、私は呆気に取られた。
「まあ、前のことだけど」菅井は大したことではないように、さらりと言った。
 捧げられた?菅井先輩も『捧げ物』だったというのか・・・・・・?
「そのうち、今泉さんに話さなきゃいけないこともあると思う」
 驚いたままの私に、菅井先輩は言った。そして平手くんの方にも目を向ける。
「平手くん、多分あなたにも」
そう菅井先輩は、どこか意味深なことを言うと、私たちに背を向けて出口に向かって歩いて行った。
0362ハコオシ(茸)
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2017/06/25(日) 04:30:23.23ID:PnaDqKtad
欅坂×不良学園小説

「・・・・・・?」
 首を傾げた私たちのところに、今度は渡邉くんがやって来た。
「君たちは、今日はもう帰っていいよ」
 すると鈴本くんが、
「お前に助けられたようなもんだな」
と口を開いた。恐らく、渡邉くんに中断されることなくあのまま闘いが続けば、平手くんが危うかったことを言っているのだろう。
 渡邉くんはとぼけたような顔で「何が?」と言ったあと、「でも、さっきマナキが言ったことは本当だから」と付け加えた。
「また明日。じゃあね佑唯」
 そう言って他のメンバーのところに歩いていく。そして彼らを召集した。なにか話を始めるようだった。
 
 広いフロアに、私たち三人が残った。
「じゃあ、帰るか」
 鈴本くんが口を開いた。
0363ハコオシ(茸)
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2017/06/25(日) 04:37:03.63ID:PnaDqKtad
欅坂×不良学園小説

 まだ残る夕日に、空は透き通る薄紫色に染められて美しく、優しく吹く風が肌に心地よかった。
「ありがとうね」
 帰り道を、平手くんと二人並んで歩きながら、私は平手くんにお礼を言った。
 私はなにもしてないけれど、胸がほっとして温かい気持ちになっていた。
「何度も助けてくれて、ありがとう」
私は重ねてお礼を言った。
理由はわからないが──鈴本くんは、その・・・・・・平手くんは私のことが・・・・・・とか言っていたけれど──何度も私のことを助けてくれた 平手くんに、ちゃんとお礼を言っておきたかった。
「ううん」
 平手くんは私の方にちらりと一度目を向けたあと、視線を前に戻して小さく首を振った。
 控えめな子なんだな、と長めの黒髪に隠れ気味な平手くんの顔を、横から見上げながら思う。
「ねえ」と平手くんに声をかけた。
「私たちが初めて会ったときのこと、覚えてる?私をあの建物から連れ出してくれたときよりも前に、私たち、一回会ってるよね?」
 私は、私と平手くんが初めてあった日──私が街で見知らぬ不良少年二人に追いかけられた日のことを話に持ち出した。
「うん・・・・・・」
 平手くんはコクリと頷いた。あの日、──助けようとしてそうしたのかはわからないけれど──平手くんが助けたのは私だったことを、平手くんも分かっていたようだ。
「あの日、助けてくれたのは、偶然?」
 私が訊ねると、平手くんはうーんといった感じで、曖昧な表情をした。私を助けようとしてあの二人を撃退したのか、それともただあの二人に因縁をつけられただけなのか、それははっきりはしなかった。 
 そういえば、その後、志田くんたちのアジトに現れた経緯も私は知らない。平手くんはなんで私があそこに連れてこられたことを知っていたのだろう?
 平手くんが無口なのもあるけれど、私はこの少年のことをなにも知らなかった。
0364ハコオシ(茸)
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2017/06/25(日) 04:38:10.39ID:PnaDqKtad
「もう少し、平手くんのことが知りたいな・・・・・・」
私は、ぽつりとそう言ってみた。
 まだ、彼のことを何も知らない。もう少し自分のことを話してほしいと私は思った。
「えっ・・・・・・」
 平手くんは少し驚いたような、ぽかんとした顔でこちらを向いてきた。
「これから、いろいろ話してほしいな、平手くんのこと」
 私がそう言うと、平手くんは反対側に顔をそらした。
 その顔は、どこか恥ずかしそうに見えた。
0365ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/25(日) 04:44:06.89ID:PnaDqKtad
欅坂×不良学園小説

一時はどうなることかと思ったが、なにはともあれ、うまくいった。

いい雰囲気で前を歩く平手と今泉をよそに、俺は平手との会話を思い出す。

『これからどうするつもりだ?』
一旦、今泉を奴らのアジトから連れ出した平手に、そう訊ねると、平手は一人で奴ら全員を相手にするつもりでいた。
『そんなの無理に決まってるだろ』
 俺は平手の考えを否定した。
 平手が強いことは知っているが、いくらなんでも、奴ら全員を相手に闘って勝てるわけがない。せいぜい、志田や渡邉、どちらか一人と互角というところだ。それに他のメンバーが加われば、その数にねじ伏せられるに決まっている。
 そこで俺は、例の提案──奴らの仲間になった上で、『決闘』によって今泉を自分のものにするというもの──を平手にした。
 だが、平手はすぐには首を縦に振らなかった。奴らの仲間になるということが気に入らなかったようだ。
  そこで俺は、別の角度から平手を説得しようと試みた。 
『奴らの仲間になれば、お前の姉さんを殺した奴らの情報も入ってくるかもしれない』
0366ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/25(日) 04:44:42.42ID:PnaDqKtad
欅坂×不良学園小説

 俺がそういうと、ぴくりと平手が反応した。
 ──こいつの姉。今の平手を動かしている根元的存在。
『蛇の道は蛇っていうだろ?・・・・・・あー、つまり、不良たちのことは不良たちが一番よく知ってるってことだ。奴らが何か知っているかもしれないし、これから先、何か新しい情報が入るかも知れねえ。今みたいに一人で動くより、ずっと効果的だ』
 俺の言葉に、平手は考え直しているようだった。
『彼女のことも守れる。情報も入る。一石二鳥だろ?』
 俺がだめ押しするように重ねて言うと、平手は渋々納得したように頷いた。
『それから』了承した平手に、俺はそう付け加えた。ここからが肝心だ。
『俺も一緒に奴らの仲間になる』
 俺がそう言うと、──俺まで仲間になると言い出したことを疑問に思ったのだろう──少し間をおいて平手は首をかしげた。
『・・・・・・なんで?』
『お前一人じゃ、奴らとうまくやっていけねえだろ。俺が間に入らねえと』
 もちろん、これは半分本当で、半分が俺が奴らの仲間に入るために取ってつけた理由だった。
 けれども、平手はそうと知らない。
『わかったな?』
 俺が念を押すと、平手は、俺に人付き合いの下手さを指摘されたのが不満だったのか、少し不機嫌そうな顔で頷いた。
0367ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/25(日) 04:45:54.38ID:PnaDqKtad
欅坂×不良学園小説

 そうして俺は、──平手の連れという形で──どさくさに紛れて、奴らの懐に入ることに成功した。
 もちろん奴らもまだ、俺たちに気を許していないだろう。そんなのは百も承知だ。その上で、うまくやってやる。
「鈴本くん?」
「うん?」
 唐突に、前から声がかかった。見ると、今泉と平手が歩みを止めてこちらを振り返っている。
「どうかした?」今泉が少し怪訝そうな顔をした。
「ん?悪い。なんか言ったか?」何か話しかけられていたのだろうか、全く耳に入っていなかった。
「鈴本くんにもお礼を言わなきゃと思って・・・・・・いろいろ、ありがとうね」そう今泉は律儀にお礼を言ってきた。
「ああ、気にするな」
 俺がそう返すと、今泉たちは前に顔を戻して、また歩き始めた。
 背を向けた二人の後ろを歩きながら、思わず口の端があがる。

・・・・・・見ていろ。『大人たちの遺産』は俺がもらう。

           第一幕 完
0368 ぺー(pc?)
垢版 |
2017/06/25(日) 12:52:59.11ID:12l0bDAf0
(平手の姉が殺されていただと...)
0369名無しって、書けない?(チベット自治区)
垢版 |
2017/06/25(日) 15:08:40.94ID:RR57/Ynq0
すずもんのキャラがいっちゃん好きや
0370運営よ理佐ちゃんと欅ちゃんの心のケアとセキュリティ強化を頼む(庭)
垢版 |
2017/06/25(日) 20:12:18.51ID:r3v9WWEra
大量投稿で一気の第一幕完結乙ですm(__)m

第一幕完結と供に第二幕に向けてそれぞれの思惑と謎が提示される展開にワクワクしとります
0371ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/25(日) 20:37:35.98ID:PnaDqKtad
理佐ちゃんぺーちゃんありがとう。
半休チャージで一気にいきました。
>>369
ありがとうございます。もし初めての方ならぜひ推しメンの名前で呼ばせていただきたいです。
0372名無しって、書けない?(やわらか銀行)
垢版 |
2017/06/26(月) 17:06:35.11ID:+FfqXYkL0
読ませて貰ってます。応援してます。頑張ってください。
すずもんのキャラ最高ですね
0373ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/26(月) 18:20:25.10ID:6JTz0Me+d
>>372
ありがとうございます。

他の方にもお願いしているのですが、もしよろしければ仮の名前(推しメン)を設けさせていただけないでしょうか?
その名前で今後もご感想をいただけたら、「また読んでくれたんだなあ」と励みになります。

ぜひともお願いいたします。
0374もん(やわらか銀行)
垢版 |
2017/06/26(月) 23:02:00.97ID:+FfqXYkL0
すずもんです。
楽しませて貰ってます。あまり無理なさらず頑張って下さい。
0375翼よあれが欅の理佐ちゃんだbyリンドバーグ(庭)
垢版 |
2017/06/26(月) 23:09:34.99ID:Fh5Bb7+3a
おおっ!確実にメンバーが増えてるじゃないですか

そろそろもなちゃん推しも現れるかな?
0376名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/06/27(火) 05:51:41.36ID:xgwJ9cTgd
>>374
すずもんありがとう!
これからもどうぞよろしくお願いします。

ところで皆さんに相談なのですが、
第二幕に入るにあたり、スレを新しく立てようか迷っています。
最近微妙なところで字数制限がくるので。

ただそうすると、このスレはもう見られなくなるのでしょうか?
0377偽米さん(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/06/27(火) 13:41:35.15ID:dK2iiNXoK
>>376
死なない人間はいないのと同様に、落ちないスレはないからのぉ。
ただ、しばらくの間ここを見られるようにして次を立てる方法はもちろんあるで。

>>337をもう1回読んでくれたらわかるやろうけど、『完走させない』ままに『圧縮を避けるように保守』し続ければええんや。

つまり、スレ主さんが次スレ立てましたってレスをしたら、
あとは最低1日〜数日に1回、なんでもええからレスをし続ければOKや。
こうしておけばスレが完走(1000レスor512KBに到達)するまでは延々と板内で生き延びられるはずや。

まあ、新スレにここのリンク貼っとけばdat落ちしても見られるやろけどな。

また長々とすんまへんm(_ _)m
0378ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/27(火) 16:05:13.76ID:xgwJ9cTgd
>>377
米さん詳しく教えてくれてありがとう。

そうだなあ・・・・・・いまちょうどキリがいいところだし、気分を一新するのも兼ねて、新しくスレを立てようかな。(運が悪ければエラー出るけど)

このスレの残りの分は、補足説明や感想・質問用に使おうと思います。
まあ、感想とかはあるかわからないですけれど。

ある程度、次の文章ができて、新しいスレを立てられたら、お知らせしますね。
それまではもうしばらくここで、皆さんよろしくお願い致します。
0379ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/27(火) 18:56:11.31ID:xgwJ9cTgd
今更なんですが、メンバーの敵味方への割り振り間違ったなあ・・・・・・

ふーちゃんとさとしをどう振るか迷ってます。
敵方にすると敵方が多すぎて、味方にすると味方が多くなりすぎます。
でも、敵味方に分けるには、この二人、ペアで出したほうがいい味がでる気がする・・・・・・

困った(T-T)
0380偽米さん(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/06/28(水) 10:11:01.62ID:gHtUyhjKK
その件に関しては、頑張って〜としか言えんなぁ(笑)すんません

変にアイデアとか出して、先生が仮にそれを参考にされちゃったら、ネタバレにつながることになるやろし
逆にそのアイデアは使えんいうことになったらさらに苦しくなるやろし

みんなじっくり待ってくれるやろと思いまっせ〜
0381ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/28(水) 12:15:02.61ID:uioOnbsJd
ですよね笑
皆さんにちょっと甘えてみました。

苦肉の策になるかもしれないけど、どうにかこうにか書いてみますね。

ていうか米さん、本物の米さんより関西弁きっついな笑
0382名無しって、書けない?(やわらか銀行)
垢版 |
2017/06/29(木) 01:19:28.86ID:eutSaxmo0
第一幕完結お疲れ様です
毎回楽しく読ませてもらっていました
引き続き二幕も楽しみにしています
0383名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2017/06/29(木) 03:55:18.26ID:9gSbp8pNd
>>382
ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
ところで、上記コメントにもあるように、382さんにも仮名をつけさせてもらえないでしょうか?
0384由依ちゃん(公衆)
垢版 |
2017/06/29(木) 20:26:35.63ID:rrmGRhoHFNIKU
>>383
ぽん民です。
物語序盤で「狂犬小林」の文字を見たときはすごく高まりました笑
他の方も言われていますが、あまり無理なさらず、頑張ってください。
応援しています。
0385ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/29(木) 20:36:45.14ID:blVXgDjddNIKU
>>384
ゆいぽんキター(゚∀゚)

ありがとうございます。今日は時間があるので頑張ります。
0時か、明日朝6時に更新できるかもしれません。
0386いつまでも変わらぬ愛を理佐ちゃんに届けてあげたい♪(庭)
垢版 |
2017/06/30(金) 04:38:04.78ID:sgIIDSeYa
>>340
この悩み分かります
会話挟むの難しいですよね
0387ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/30(金) 05:45:15.04ID:2Wlv6Fnid
>>386
ひねり出した一文を挟むようにしてます笑

新しいスレを立てようとしたら、なぜかエラーが出ました。
書きためながら、少し待とうと思います。
0388偽米さん(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/06/30(金) 08:11:57.49ID:kP5dQ7MfK
わては逆に会話ばっかりやから地の文挟むのが大変や(笑)
それに関西に住んだことないから関西弁も大変やで(笑)

スレ立てできんのはホスト規制か何かやろか?
今の(茸)やなくて、このスレ立てたときみたいに(福岡県)とかでやってみたらどないやろ?
0389ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/30(金) 19:22:06.43ID:2Wlv6Fnid
>>388
関西人じゃなかった笑
みいちゃんいたらキレるよ笑

福岡県って今、気が付いた。
たぶん途中で一回スマホの電源落としたからかな。
もう一回同じようにやってみるね米さん。
0390ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/30(金) 22:36:58.26ID:eItzM8akd
困った。スレを立てられない(´・ω・`)
もう少し待ってみるか、このスレで続けるかですね。
0391偽米さん(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/06/30(金) 22:42:30.27ID:kP5dQ7MfK
(茸)やなくてWi-Fiとかに切り替えてもダメでっか?

何なら立てるだけならお手伝いできるかもしれまへんで
小説自体は2から始めてもらうっちゅうことで
0392ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/06/30(金) 23:43:53.85ID:eItzM8akd
>>391
じゃあお言葉に甘えて、米さんにスレを立ててもらっていい?
タイトルは
欅坂46小説 不良学園ドラマその2
でお願いします。
0393偽米さん(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/06/30(金) 23:58:04.34ID:kP5dQ7MfK
立てましたで〜
皆さんごっつ期待してますよって
先生のペースでこの後はよろしゅうおたのもうします〜

欅坂46小説 不良学園ドラマその2
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1498834465/
0394ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/07/01(土) 00:10:11.65ID:VeyPXpyad
>>393
おお!新しいスレが立ってる!
ほんとにありがとう、米さん!
0395ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/07/01(土) 00:34:16.79ID:VeyPXpyad
>>理佐、ぺーちゃん、てち、すずもん、ゆいぽん

新しいスレを米さんが立ててくれました。
あらためて、よろしくお願いいたします。
0396名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2017/07/01(土) 13:31:05.06ID:BMYTwHZfa
>>395
新しいスレでも楽しませてもらいますm(__)m
0397理佐ちゃんが好き(庭)
垢版 |
2017/07/01(土) 13:32:01.77ID:BMYTwHZfa
>>396
名前入れ忘れましたm(__)m
0400ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/07/02(日) 15:33:37.75ID:6vbi9eBqd
>>399
そうなんです。
人知れず陰でこんなことやってます。
0402ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/07/03(月) 21:51:48.37ID:Sj1mjuDid
なにかあったようですね。
なんの規制です?
0403名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2017/07/03(月) 22:01:32.71ID:JJD3DKZtK
>>402
明らかな理由はもちろん教えてくれないんですがw

別スレの文字制限数を調べようと思って
他スレに自分が投稿したものをコピペして何回か書き込みトライしていたら
その中にNGワードが入ってたみたいで(多分、バ● あたり?)

NGワードを何度も書き込もうとする悪い奴と思われたみたいですw
0404ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/07/03(月) 22:22:34.82ID:Sj1mjuDid
NGワードはほんと厄介

犯罪予告とかそんなつもりないのに物語上で、NGワードになってしまう単語をセリフにつかえないもん。
0405理佐ちゃんが好き(庭)
垢版 |
2017/07/03(月) 23:57:47.60ID:wto7BbaGa
チワン族さん規制されてたんですか!?
0408ハコオシ(茸)
垢版 |
2017/07/05(水) 19:39:25.86ID:UFM6Nw9ad
>>407

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