GXは、「LNGの10トン級エンジンを作りたい」という目的が優先し、
そのために1段目をわざわざ海外から取り寄せ、
しかも射場まで海外にして、
挙句の果てには肝心のエンジン開発にも失敗するという
最悪で意味不明な結果になってしまった。

ロケットには、グランドデザインというものがある。
ここで間違えると、何をどうやっても取り返しがつかない。
・上段には、LE-5Bという素晴らしい水素EBC式エンジンがあるのに、
・水素よりIspの低いLNGの上段エンジンを、しかもガス押し式で作る
・国産ロケットを少しでも多く作りたいのに、よりによって米国から1段目を買う
・米国のロケットはコスト競争力が低く、ましてや外国に売るなら更にボッタクリになる
・仮に完成しても、H2Aの潜在的顧客を奪うだけのロケットで、
・LNGとか複合材タンクとか、新開発要素が多く、保守的な商業顧客が不安を持つ
・実際に顧客を取れる可能性はほぼゼロ

もがき苦しんだのはわかるが、何がどうなって、こんな悲惨な道を進んだのか?
何もかも、全てが全部間違ってるような・・

・世界初のLNGのエンジンを作りたかったのか?
・商業的に競争力のある、安くて無難な(保守的な)ロケットを作りたかったのか?
当時としては矛盾する2つの目標を、1つのロケットに混在させてしまい、
当然のごとく、両方とも失敗した

LNGの生きる道は、上段水素エンジンを持ってる国なら、
・宇宙船用
・1段目用
・LRB用
これしか無いでしょ。
当初構想通り、エンジンだけ開発してそのままLRBを目指せば良かったんだ
そうすれば、今頃は最先端のLNGエンジン保有国だったのに。
捨てられるSRBは同じIHI(IHIA)だから企業分業的にも許容範囲で、
固体ロケットもあったから、ICBM技術も保持できる。