規模疫学調査故に調査法は自己申告に頼らざるをえません。
この制限、方法的欠陥によるものか、精製された炭水化物や食物繊維の含有率など品質に配慮できていません
(しかし脂質は品質別に評価している点に筆者らの意図が垣間見えます)。

CVDの既往歴のある参加者は除外しているが、例えばアフリカ(南アフリカ、ジンバブエ)では低いとはいえないHIV感染状況には配慮できていません(他の疾患も)。

以上のことを鑑みると、平均摂取量が中央値以下で高い品質を実現できる日本人にどこまで反映されるのか疑問の余地があります。

>2)総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連。
>3)総脂質および脂質の種類は心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していない。
>4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。

炭水化物の項で示した問題点同様に脂質も主要栄養摂取状況、社会/経済的状況、運動など加味したQQLをどう扱うかによってこれらの数値の解釈は多様化します。