(悪魔の証明)
悪魔が実在するのかどうかは、今日でも様々な分野で議論が続いている問題である。
しかし、理屈・理論の上では、悪魔の存在を証明するのは難しいことではない。
悪魔を実際に連れてくる、または悪魔実在の物的証拠を提示し、全ての人間に悪魔は実在すると信じさせればいいのだ。

が、これに対し『悪魔が実在しないことの証明』となると、これは理論上でさえも困難な話になる。
何故なら『悪魔が存在しない物的証拠』は存在しないからだ。
対象がそもそも実在しないのなら物的証拠がないのも当然である。
そして、「悪魔は存在する」と主張する文書などは大量に存在している。

「我々が見つけていないだけで、今もどこかに悪魔が隠れ住んでいるのだ」という主張を、誰も否定することはできない。
否定したければ、『存在しないことの証明』をするしかないのだ。

つまり悪魔の証明とは、『何かが存在しないという証明は、何かが存在するという証明よりも難しい』という考え方を比喩を交えて表した表現なのである。

「我々が見つけていないだけで、ニホンオオカミは存在するのだ」という主張を、誰も否定することはできない。
否定したければ、『存在しない証明』をするしかないのだ。