44です、担当の方から御返事を頂く事ができました。
以下剥製についての詳細そのままです。



「ニホンオオカミ」とされる標本は、展示の際のラベルには「イヌ?」と?付で展示、解説文は以下のようにしておりました。

「オオカミ?
ニホンオオカミは謎が多い動物です。この標本のラベルにはニホンオオカミを表すCanis hodophilaxの学名とともに「オホカミ(ヤマイヌ)」との標記があります。
また、満州産となっています。
ニホンオオカミは日本にだけ分布していましたから、記録が正しければニホンオオカミではないのは明らかです。いわゆる「ヤマイヌ」との認識だったのかもしれません。」

この標本は福岡県立小倉高等学校から寄贈されたもので、標本に添付されている元のラベル等はほとんど消えかかっていましたが、かろうじて下記のように読めました。
教材として各学校(旧制の小、中学校や高等女学校等)に各種の生物標本を整備したものの一つと思われます。
標本業者からのものですので、他にも同様の標本を所蔵していた学校があった(ある)のかもしれません。
明治42年にはニホンオオカミは絶滅状態だったでしょうから、大陸にまでオオカミの標本を手配していたのかもしれません。

「動物標本社製造 東京市神田區五軒町一番地 學名 Canis hodophilax 和名 オホカミ(ヤマイヌ) 産地 満州産 (採集年月) 明治四十二年」
地元にもニホンオオカミに興味を持った方がおられて、この標本のX線写真も撮影されたのですが、残念ながらイヌとオオカミの区別に必要な頭骨は入っていませんでした。

以上のように、担当者としてはニホンオオカミではなくイヌと考えています。ただ、寄贈いただいた標本で元のラベルにオオカミと書かれていることもあり、また、満州であればタイリクオオカミは分布していますので、多少あいまいな表現にしておりました。



とのことでした。
頭骨がなかったのは本当に残念ですが、個人的には犬の他にヤマイヌとしての可能性もあるのでは…と考えが浮かびます。

オオカミの別名や混血種又は犬としてのヤマイヌの他に、オオカミとは別に犬科野生動物がいたのではと自論があるので、違うとしてもロマンはありますね。