ジェヴォーダンの獣事件
ジェヴォーダンの獣(あるいはジェヴォーダンの野獣)は1764年から1767年にかけて
ラングドック=ルシヨン地方のロゼール県に出没したという怪物である。
この獣は1764年の6月、農作業中の少女に目撃されて以来、16歳以下の男性を39人、
女性79人、性別不明12人を殺害したとされている(成人男性の犠牲者は報告されてい
ない)。目撃者たちの証言によると、牛ほどの大きさで俊敏に動き、全身が剛毛で覆
われた狼のような外観で、鋭い鉤爪とライオンのような尾を持ち、口からは大きくは
み出た牙があり、面立ちはグレイハウンド犬のようであったとされる。
ルイ15世は何度か討伐隊を派遣し、1765年に派遣されたアントワーヌ・ドゥ・ヴォー
テルヌが一匹の狼を仕留め、これこそがジェヴォーダンの獣とされたものの、その後
も殺戮は止まなかった。
1767年6月19日、ジャン・シャステルという地元の猟師がジェヴォーダンの獣を射殺
し、事件は収束したとされる。
しかし複雑な時代を背景に起きたこの怪事件の真相は未だに謎のままである。