クズリの生息域には、狼(群れ)、グリズリー、ピューマ、ヒグマ、トラ、ヒョウなど、クズリよりも体格が大きく強力な捕食動物たちがいる。
そんな中で、体が小さくて敏捷さもないクズリが同じ肉食動物として競い合っていくのは並大抵ではない。
だから、クズリは生き抜くために体格や能力で競うのではなく、攻撃は最大の防御という生き方を選んだ。
野生動物は基本的にとても用心深い。特に狩りをする肉食動物は怪我を負うことを大変嫌う。
仮に獲物を仕留めたとしても、次の狩りができないような怪我を負ってしまえば、それは死と直結する。
だから、怪我や余計な争いを極力排除して生きている。クズリはこれを逆手に取ったのだ。
強力な肉食動物が襲ってきても逃げずに戦う。例え殺されても相手にも怪我を負わせてやるという意気で喰らい付いていくと、相手の方が怯んでしまう。
大食漢のクズリは多くのエサを必要とし、他の捕食動物と獲物を奪い合う機会も多い。
相手の数が多くても体格が大きくても決して逃げない。相手が呆れ、しまいには怖くなって逃げ出してしまうまで戦い続ける。